TextSniper には他にも概念的に関係するいくつかの機能がある。QR コードやバーコードも読み取れて、検出されたテキストを Clipboard に置くことができる。(希望を言うとすれば、まず通知を表示し、クリック一つで検出された URL がデフォルトのウェブブラウザで開くようになれば、iPhone で QR コードをスキャンするのと同じ感覚で使えるのにとも思う。) また、macOS の Continuity Camera 機能を利用することにより、iPhone や iPad を使って写真を撮ったり書類をスキャンしたり、あるいはスケッチを追加したりもできる。(2018 年 9 月 27 日の記事“Mojave の Continuity Camera で、写真を撮り、書類をスキャンする方法”参照。) これらの機能はすべて、ユーザーが指定したカスタムショートカットで呼び出すことができる。
TextSniper は macOS 10.15 Catalina と macOS 11 Big Sur のどちらでも動作するけれども、Catalina 上で認識できる言語は英語のみだ。Big Sur では 7 つの言語、つまり英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、中国語を認識できる。開発者によれば、ラテンアルファベットを使う他の言語でも動作できる可能性はあるが、アクセント付きの文字では問題が起こるとのことだ。M1 ベース Mac 上でネイティブに動作する。
私自身、長年染み付いたテキストとグラフィックスの区別を乗り越えるためにかなりの時間を要したことを告白しなければならない。でも、画像の中に見えるテキストが欲しいだけなのにいちいち手でタイプし直したり、あるいはスクリーンショットで我慢したりという経験をお持ちなら、ぜひ TextSniper を試してみられるとよいと思う。開発者から直接購入する場合の価格は 1 台の Mac ならば $6.99、3 台の Mac ならば $9.99 (TidBITS 会員には 25% 割引) で、月額 $9.99 の Setapp 購読サービスの一部としても利用できる。Mac App Store からも $9.99 で購入できる。
それでも、あらゆる検索がうまく行く訳ではない。例えば、私は High Noon Athletic Club でチームのジャージを着た人たちが走っている写真をたくさん撮っている。クラブの名前はジャージにはっきりと書かれているけれども、太陽のロゴの上に沿ってカーブして文字が並んでいる上に、そもそも iPhone がスポーツ写真にはあまり向いていないこともあって写真が少しボケていることも多い。なので、Photos Search は新しいジャージに書かれた "High Noon" を一つも見つけることができなかった。けれども古いロゴでは High Noon が真っ直ぐに並んでいたので、かなりの写真が見つかった。(そうやって見つかった写真が下のスクリーンショットに示されている。) 新しいロゴでは、2つの単語のうち片方だけを検索することで結果が多少良くなった。Alco Blom が私に説明してくれたところによれば、カーブして並んだテキストを認識できないのは Apple の Vision フレームワークの制約だという。いずれは Apple がここを改良してくれることを願いたい。
果たして TextSniper と Photos Search はこの Live Text が登場した途端に“Sherlock 化”されてしまうのだろうか? もちろん、旧バージョンの macOS や iOS を使い続けている人や、Live Text の要件を満たさないデバイスを使っている人にとっての答は明らかにノーだ。TextSniper も Photos Search も、現在既にうまく働いているし、ソフトウェアやハードウェアをすぐにはアップグレードしない人たちのためにも将来にわたって働き続けることだろう。
Live Text がまだベータ版段階にあることを考えれば、将来これが TextSniper や Photos Search と比べてどうなるかを断定するのは難しい。理論的には、Live Text は Photos、Preview、Safari、および他のいくつかのアプリの中で画像の中のテキストを選択してコピーできるはずなので、Mac 上でサポート対象のアプリの中では TextSniper を置き換えてしまうことになるかもしれない。Live Text が動作するようになれば、きっと TextSniper に比べて使い勝手が少し良くなるだろう。一種のスクリーンショットを撮るような手順の必要なしに、ただ単にテキストを選んでコピーすればよくなるのだから。しかしながら、私が手早くテストした範囲では、Safari の中で Live Text を使うには細心の注意が必要だったし、その OCR の品質は必ずしも TextSniper のものほど良くはなかった。
また、建前上 Live Text は検出したテキストを検索できることになっているけれども、10.5 インチ iPad Pro 上の iPadOS 15 beta 6 の Spotlight で試したところこの機能はまだあまりにも行き当たりばったりで間違いも多く、まともに Photos Search と比較することすらできなかった。Photos アプリ自体の中でテキストを検索しようとしても、全く動作しなかった。Monterey beta 5 の走る M1 ベースの MacBook Air では、どうやら Spotlight は Photos 内の画像内部のテキストを検索することはできないようだったが、Notes に保存された写真の中のテキストを見つけることはできた。
Live Text の機能性については、まだ出荷されていない間は判断を下すことができないが、私の感触ではいずれにしても TextSniper と Photos Search はきっとその後もより広範な互換性とより多くの隣接機能を提供し続けることになるのではないかという気がする。だから、画像の内部に閉じ込められたテキストで作業したいと思ったことのある方には、この2つのアプリの片方または両方が、必要なパワーを授けてくれるかもしれない。
全てが問題なく働いている間に、ネットワークの進展カーブから如何に容易に遅れてしまうかについて取り上げるため、私は8年以上前に Apple が 802.11ac を AirPort Extreme Base Station に付け加えていることについて書いた ("802.11ac より広い範囲を約束するが、宣伝の速度には届かず" 13 June 2013 参照)。
そして実際、それを最初に出したのは Apple ではなかった。いくつかのサードパーティのバッテリーパックが Apple に先んじて iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、and iPhone 12 Pro Max 用に登場した。そうして先月、ついに Apple が外出時 iPhone 12 磁気充電の公式ソリューションとして MagSafe Battery Pack を出した。
このリリースの話を聞いて私はワクワクした。私はずっと以前からごく小型のバッテリーパックで何とか iPhone 12 Pro を一日中頻繁に使えるようにしていたからだ。自転車乗りの私は、サドルバッグにバッテリーパックを入れていた。これがなければ iPhone をフィットネス追跡、Google 道案内、写真撮影、ビデオ撮影、テキストメッセージング、音声通話などに一日中使い続けることは無理だった。でも、デバイスをコードで繋がなければならないのは嫌だ。ある時など、走っている最中に充電ケーブルが垂れ下がって自転車の歯車に絡まってしまった。何とか転倒は避けることができたけれども、ケーブルを外すのにかなり苦労したし、もちろんケーブルはずたずたになっていた。
最も分かりやすい比較基準は価格だ。そのバッテリーパックをいくらで買えるかという点だ。Apple はハードウェアに高い価格を付ける傾向があり、同社の MagSafe Battery Pack も例外でなくて $99 だ。Mophie Snap+ Juice Pack Mini は Apple の半額の $49.95 で、HyperJuice Magnetic Wireless Battery Pack と Belkin Boost Charge Magnetic Wireless Power Bank 2.5K はさらにもっと安い $39.99 だ。他のサードパーティベンダーの同等のバッテリーパックもやはりその辺りの価格だ。
Apple に追加料金を払いたくない人にとっては、選択肢があるのは良いことだ。とりわけ、容量や機能がより多いものならなおさらだ。
Apple の MagSafe Battery Pack は最良の iOS 統合を提供する。Batteries ウィジェットにバッテリーパックのアイコンが (加えて Apple や Beats by Dre による他のデバイスのアイコンも) 表示され、正確な充電レベルが示される。これに対してライバル社のバッテリーパックは Apple のウィジェット上には表示されない。その上、MagSafe Battery Pack を MagSafe 接続をすると素敵なフルスクリーンのアニメーションが現在の充電レベルを示す。
競合製品には LED ライトが付いていてボタンを押せば充電レベルが分かる。iOS ウィジェットほど正確な値は得られないが、バッテリー残量を手早く見る目的には十分だ。同様に MagSafe Battery Pack には 1 個だけライトがあってフル充電されれば緑色に点滅する。黄褐色に点滅すれば、それは追加の充電時間が必要だという知らせだ。(ただしどれだけの時間が必要かは分からない。)
HyperJuice Magnetic Wireless Battery Pack のボタンは背面にあるけれども、Mophie の Snap+ Juice Pack Mini と Belkin の Boost Charge Magnetic Wireless Power Bank 2.5K では縁の部分にあって、アクセスが少々具合悪い。
フィット感と仕上げ
美的な見地からは、MagSafe Battery Pack が最も洗練されている。縁取りが丸みを帯びていて、少しだけ滑りにくいつや消し仕上げ、1 個のライトとさり気ない Apple ロゴだけという最小主義の感じが伝わるが、ボタンもコントロールも何もない。レビュー用ユニットが届く前に写真で見た印象に比べれば、思ったほど嵩張らない。
iPhone 12 mini ではとりわけエレガントにフィットし、両側面と底面が iPhone とぴったり揃う。その反面、MagSafe Battery Pack の色がホワイトなので、第一印象では素敵に見えるけれども長く使っていればどうなのかと思う。(これまでに使ったことのある他のバッテリーパック、例えば Belkin のホワイトの Lightning 端子付き Boost Charge Power Bank 10Kでもそれを感じた。) Apple はモバイル MagSafe Duo Charger でも同じく残念な色の選択をした。
HyperJuice Magnetic Wireless Battery Pack の色はブラックで、触ってみると鋭い角度とカーブを描いた縁の取り合わせで硬い感じがする。
Mophie Snap+ Juice Pack Mini はもっとゆったりとした、ダークグレーの見栄えで、この会社の他のデバイスでも使われているファブリック風でソフトなタッチでありながらしっかりした素材を使っている。
HyperJuice Magnetic Wireless Battery Pack は他のものより iPhone の背面から大きく飛び出す。一方、Snap+ Juice Pack Mini は Apple の MagSafe Battery Pack とほぼ同じ厚みだが縦横共に長い。この寸法のせいで iPhone 12 mini では少し問題がある。同社によれば「デバイスの底面から 0.19 インチ張り出すので、カメラとして使う場合には Juice Pack を取り外す必要がある」という。理想的とは言えない。
Belkin の Boost Charge Magnetic Wireless Power Bank 2.5K にはこの張り出しの問題はない。これは MagSafe Battery Pack とほとんどそっくりの寸法で、外形はよく似ているが重さが少しだけ重く、厚みもほんの少しだけ厚い程度だ。Apple のバッテリーパックと違って、ブラックとホワイトの二色がある。
Belkin Boost Charge Magnetic Wireless Power Bank 2.5K はこの比較では少し不利だ。なぜなら、Hyper や Mophie のライバルに比べてミリアンペア時で測った容量がおよそ半分だからだ。容量が 2500 mAh だが、HyperJuice Magnetic Wireless Battery Pack と Snap+ Juice Pack Mini はその倍だ。Belkin のバッテリーパックは私の iPhone 12 Pro を 90 分を少し過ぎてたった 50% まで充電したところで死んだ。それでも価格は HyperJuice Magnetic Wireless Battery Pack と同じなのだが。
テストの際に私の iPhone 12 をアイドル状態で Do Not Disturb モードにし、画面の輝度を最低にしておいた。充電中に iPhone を使うと充電が遅くなる。テクノロジーライター Raymond Wong が発見したように、状況によっては MagSafe Battery Pack での充電が事実上停止状態に陥ることもある。
いずれにしても、磁気ワイヤレス接続での (あるいは通常の Qi リンクでの) 充電は本質的にとてつもなく効率が悪い。私は iPhone 12 Pro を Mophie や Hyper の USB-C ポートを通して充電してみてそのことをまざまざと思い知らされた。Snap+ Juice Pack Mini が iPhone を 80% まで (その時点で“十分に充電できました”と宣言した) 充電するのにパックのバッテリー容量のおよそ3分の2しか消費しなかったし、かかった時間も 60 分以下だった。HyperJuice Magnetic Wireless Battery Pack の結果もほぼ同じだった。最小限の時間で最も効率良く電気を移し替えたいならば有線接続を使うべきだ。
私の iPhone 12 Pro では、(よく注意してケーブルが絡まる危険を避けるようにしつつ) また以前のように充電ケーブルを使うようになった。昔からお気に入りの Belkin の Valet Charger Power Pack 6700 mAh for Apple Watch + iPhoneを再び使っている。Qi、USB-C、MagSafe といった現代的な機能はないけれども、自転車で長距離を走りながら micro-USB コード経由で私の iPhone のバッテリーを切らさないでおくに十分な容量を備えている。その上 Apple Watch も複数回充電できる。十分小型で軽いので邪魔になったりしないが、磁気式バッテリーパックに比べれば少しだけ大きくて重い。
スタイル: これは、明らかに好みの問題だ。MagSafe Battery Pack は一番 Apple らしく見えるので、そういうことを気にする人には良いだろう。私自身は Mophie のファブリック風のスタイルが好きで、他の硬い手触りのバッテリーパックは無機質に感じられる。
耐久性: いずれのバッテリーパックも特に壊れやすいとは思えないが、かと言って落下試験をした訳ではない。けれども擦り傷や引っ掻き傷ができる懸念はあって、ホワイトの MagSafe Battery Pack は時間が経てばその種の傷が最も目立ちやすい気がする。(その点は Belkin の Boost Charge Magnetic Wireless Power Bank 2.5K のホワイトを入手した場合も同じだ。) 最も懸念が少ないのは Snap+ Juice Pack Mini だろう。ざらつきのある表面がその種の問題をそっと和らげてくれるからだ。(他の Mophie 製品で私はそう感じてきた。)
充電性能: iPhone 12 Pro をできるだけ 100% に近く充電できるバッテリーパックが欲しいならば、Snap+ Juice Pack Mini が良い。他方、HyperJuice Magnetic Wireless Battery Pack は高速充電のパフォーマンスが最も良く、1 時間で 50%、2 時間ほどで 75% の充電ができた。
充電の多用途性: 複数通りの充電方法があるのは良いことだ。Snap+ Juice Pack Mini と HyperJuice Magnetic Wireless Battery Pack はいずれも USB-C ポート経由と磁気接続経由の両方でデバイスを充電でき、ケーブルを使う方がはるかに素早く充電できる。2 台のデバイスを片方を磁気で、もう片方をコードで同時に充電することさえできる。
結局のところ、あらゆる人に当てはまるたった一つの選択というものはない。リストからどれか一つを除外するとすれば Belkin の Boost Charge Magnetic Wireless Power Bank 2.5K だろう。これは充電容量が少なく、USB-C の多用途性も欠けているからだ。残った製品について要約しておこう:
Apple の MagSafe Battery Pack は iOS 統合と Apple デザインの美学を望む人、他の少なくとも2倍という価格を支払っても気にしない人に向いている。充電速度も悪くない。
HyperJuice Magnetic Wireless Battery Pack は出費に見合う価値が最高だが、iPhone に取り付けた状態で最も目立つし不恰好だ。
Mophie の Snap+ Juice Pack Mini はそれより少しだけ値段が高いが、パワーと多用途性の両面で見事に働く。クールで耐久性のあるファブリック風素材の外面を持ち、全体的に薄く感じられるところも私の好みに合う。3つの中で、私はこれを一番気に入っている。
Parallels が Parallels Desktop for Mac 仮想化ソフトウェアのバージョン 17.0 をリリースして、macOS 12 Monterey と Windows 11 に対応した。また、M1 ベース Mac でのパフォーマンスを最適化して、起動を最大 33% 高速化するとともに、Windows 10 と 11 のディスクパフォーマンスを最大 20% 高速化した。また、Apple の M1 チップを備えた Mac で Windows 10 を走らせる際にバッテリー状態を認識して節電機能を有効にできるようにし、Linux 仮想マシンではネイティブドライバーによるマルチチャンネルサウンドのサポートとジャックの検出を利用できるようにし、Windows 10 と 11 で新しい仮想 Trusted Platform Module (TPM) チップによって BitLocker や Secure Boot を使用できるようにした。
Parallels Desktop 17 はディスプレイドライバーも改良して Windows インターフェイスのスムーズな表示と同期化されたビデオ再生を実現し、Coherence モードを改善してシャットダウン、アップデート、サインインを Windows 様の表示にし、Windows アプリケーションと Monterey の Quick Note との間でテキストや画像をドラッグ&ドロップできるようにした。
標準版とは別に Parallels Desktop には Pro Edition もあって、こちらはリンクされたクローンを独立した仮想マシンに変換できるようになり、Visual Studio プラグインを改善して M1 ベース Mac に対応させた。Business Edition では Intel と M1 CPU を搭載した Mac コンピュータが混在する環境で事前構成された Windows 仮想マシンをプロビジョニングできるようになった。
標準版の Parallels Desktop の価格は年額購読で $79.99、一回限りの永続ライセンスが $99.99 だ。過去に永続ライセンスを購入した人は $49.99 でアップグレード、または年額 $49.99 で Parallels Desktop Pro Edition 購読に切り替えることができる。Parallels Desktop Pro Edition と Mac Business Edition are は年額購読 (いずれも年額 $99.99) のみで利用できる。14 日間有効のフル機能試用版もある。(Standard Edition の年額講読 $79.99、アップグレード $49.99、Pro Edition は年額講読 $99.99、Standard からのアップグレード $49.99、311 MB、リリースノート、macOS 10.13.6+)
T-Mobile が新しい特典を発表して、$59.88 相当の Apple TV+ 購読を一年間無料で提供するとしたが、どうやらこれは購読者たちの個人情報を盗人たちに持ち出されたことへの謝罪の意味もあるかのように見える。(2021 年 8 月 18 日の記事“T-Mobile ハッキングで 1 億人のユーザーの情報が漏洩”参照。) 無料提供は 2021 年 8 月 25 日に始まり、T-Mobile の Magenta および Magenta Max プラン、さらには Magenta 55+、Magenta Military、Magenta First Responders、Sprint Unlimited Plus、Sprint Premium、T-Mobile for Business、その他のプランの新規ならびに既存の購読者に提供される。
今回の提供は過去に Apple TV+ を試用したり購読したりしたことがあっても有効だ。一年間無料提供を利用したい T-Mobile 顧客は、まず自分のアカウントにログインして、Rate Plan Details をクリックし、One Year of Apple TV+ on Us バナーをクリックする。Sprint 顧客は T-Mobile Redemption Centerへ行って、引き換えフィールドに販売促進コード 2021APPLETVP1 を入力する必要がある。