私の新刊書 Take Control of iOS 15 and iPadOS 15 がこれらの内容を詳しく解説しているし、今後数週間のうちに iOS 15 や iPadOS 15 の興味深い機能の多くについて解説する記事を書くつもりだ。私はこの夏中ずっとこれらのベータ版を走らせていて、私のデバイス上では非常に安定して使えていた。他のベータテスターたちからも大きな問題が聞こえてきたことはない。それでも、これらのオペレーティングシステムが何百万台ものデバイスで走るようになって初めて露わになるような、微妙だけれども重大なバグは十分あり得る。
Apple は約束していた機能のうちいくつかを将来のリリースに延期することを決断した:
SharePlay は FaceTime 上で他の人たちと一緒に映画を観たり音楽を聴いたりできる
FaceTime 上での画面共有
Legacy Contacts はあなたの死後にあなたの iCloud データを相続する人を指定する。この機能は初期のベータ版には存在していた (私は自分の QR コードを印刷するところまで使ってみた) が、実現は延期された。
Home アプリのデザイン一新。監視カメラやシーンへのより良い対応、すべてのデバイスの状況の記号表示など
Digital Crown を使ったテキスト編集のオプション
メッセージの中でアニメーション GIF を選んだり共有したりできる機能
なくしたデバイスを手首の上で見つける Find My アプリ
手軽に共有できるようにデザインし直された Music アプリ
新しい Mindfulness アプリが従来の Breathe アプリを置き換える
睡眠中の呼吸数を追跡できる機能
Apple Watch Series 4 上で 1.2 GB あったこのアップデートをインストールするには、iPhone の Watch アプリで My Watch > General > Software Update へ行く。ダウンロードにしばらく時間がかかること、その後にも iPhone から Apple Watch へ Bluetooth 経由でアップデートを転送するために数時間かかることを覚えておこう。それから、アップデートをインストールには Apple Watch が少なくとも 50% 充電されていて、かつ充電器に接続されていることが必要だ。夜中にアップグレードを実行することをお勧めする。
第2世代 Apple Pencil に対応。iPad Pro や iPad Air と同様で、角張った本体の側面に Apple Pencil を磁力で装着できる
重要な機能が一つ欠落している。それは、iPad に直接キーボードやケースを接続するために使う Smart Connector だ。つまり、実質的には Bluetooth キーボードを使わざるを得ず、一貫した体験とは言えなくなる。ただ、もしも付けるならば Apple としては iPad mini のフォームファクターに合わせた専用のキーボードやケースを作らなければならず、採算に見合うだけの数を販売できないと思われるので、驚くには当たらないのかもしれない。それに、取り付けて使うキーボードは極小サイズである必要があるだろう。
全体的に見て、この第6世代 iPad mini は $499 ならば良い買い物と言えるだろう。とりわけ、何より小型の iPad が欲しいけれども超小型のキーボードを取り付ける気はないという人に向いている。私個人の希望を言えばもっと安い値段で読書に特化した iPad があったなら嬉しいと思うのだが、その望みが実現する可能性は低いだろう。
最後にもう一つ、Apple はこの iPad mini のボディが 100% 再生アルミニウムを使っていることを強調した。これで、すべての iPad の筐体が 100% リサイクルされたアルミニウムを使っていることになる。だからと言ってそれが iPad mini なり他の iPad なりを購入する理由にはならないかもしれないが、Apple が未加工原料への依存度を減らしつつあると知るのは嬉しいことだ。
第9世代 iPad
Apple はベースモデルの iPad
にまたもやアップデートを出して、フレッシュさを保ちつつ格安の $329 という価格を維持した。外側だけを見れば、この第9世代 iPad に新しいところは何もない。引き続き前面に Touch ID 用の Home ボタンがあり、第1世代 Apple Pencil も使える。けれども今回は iPad Pro から2つの機能がここに取り込まれた:
Center Stage: 従来のモデルに付いていた 1.2 メガピクセルのカメラに比べれば、この iPad はとてつもないアップグレードを受けた。新しい 12 メガピクセル超広角の前面 FaceTime HD カメラは 1080p ビデオを撮影する。この超広角カメラは Center Stage 機能を備えており、機械学習を使って被写体をフレームの中央に保つように撮影する。つまり、あたかもカメラが自動的にあちこちパンして向きを変えられるかのように見える。
True Tone ディスプレイ: True Tone は当初 iPad Pro の機能であったが、今回これがベースモデルの iPad にも到来した。True Tone は内蔵の光センサーを使って、ディスプレイの色温度を環境光の条件に基づいて調整する。
iPhone の設計言語を模して、より平面的な角をもった根本的に再設計された Apple Watch という噂は実現しなかった。Apple が "California Streaming" イベントで披露した Apple Watch Series 7 はこれ迄のものとより似たもので、昔の強烈な Apple Watch 除幕に比べれば、おとなしいアップグレードとなっている。
しかしながら、よく目をこらせば、新しいものも結構ある。
Apple はこれ迄も時計の寸法をいじくり回してきた。Apple Watch Series 7 は、前世代よりも 20% そして Series 3 よりも 50% 大きい画面領域を誇っている。このディスプレイの縁は 1.7 mm 迄狭められ、Series 6 と比べれば 40% の違いで、Apple は、"時計自身の寸法はほんの少ししか増やさずに" だと言っている。注意すべきは、Series 6 モデルは 40 mm と 44 mm であったが、Apple Watch Series 7 は 41 mm と 45 mm の寸法となることである。既存のバンドとの互換性は保たれる。
常時表示の画面は、腕が下の状態での室内で 70% 明るく、"こっそり時間を見るのもやり易くなる" と Apple は冗談げに言っている。
Apple は watchOS インターフェースを Apple Watch Series 7 のより大きな寸法を考慮して微調整した。同社は、Activity, Alarms, Calculator, そして Stopwatch と言ったアプリでのボタンを見直しそして大きくして、拡大したディスプレイ上でもタップし易くした。およそ 50% 多くのテキスト (メッセージやメールの様な) が画面に収まるようになり、スクロールの必要性も減る。
Apple Watch Series 7 上の watchOS 8 は、フルキーボードを追加して、タップするかスマートフォンキーボードでは前から使われてきた文字から文字へと指を滑らせる方法でテキストを入力させてくれる。このシステムの Apple バージョンは、QuickPath と呼ばれ、機械学習を使い入力しようとする言葉を予測する。Scribble テキスト入力も、より大きな画面上では使い易くなる。
耐久性も向上した。Apple は、ディスプレイは新しい "幾何学形状" のお陰でより壊れにくくなったと言っている。Apple Watch Series 7 はまた、通常の泳者対応の耐水性に加えて、IP6X 防塵性能をもつ最初のモデルとなる。
Apple Watch Series 7 の充電は Series 6 よりも最大 33% 速い。新たな充電アーキテクチャと USB-C パックは、およそ 45 分で 80% の充電を可能にしている。もし夜中に充電器に任せておくのでは無く、腕に付けて眠りたいというのであれば、寝る前 8 分の充電で 8 時間の睡眠追跡には十分である。
新たな健康センサーは無いが、Fitness は少し新しく
Apple Watch Series 7 のデビューは、新規の物理的な健康センサーを何も出せなかった点では退屈なものとなった。しかし、ソフトウェア側では、watchOS 8 は、新しい健康機能を Series 7 と他のモデルに対してももたらす。
自転車乗りを好む我々のような者には嬉しい話だが、Apple はサイクリングにも注力している。watchOS 8 は GPS、心拍数、加速度計、そしてジャイロスコープのデータを分析し、自転車に乗り始めた時間を検出出来、そして Outdoor Cycle 運動を手動で起動していなければ、スタートさせるよう促しもする。これは Apple Watch SE, Series 6, そして Series 7 上でも働く。
電動自転車に乗る人のために ("独自のアプリを持つ豪華版の電動自転車2つを試してみた" 2 April 2021 参照)、Apple Watch は更新された運動アルゴリズムを使って活動エネルギーをより正確に測定出来る。新運動アルゴリズムは、GPS と心拍数を調べ、ユーザーが電動アシストを使ってペダルをこいでいる時間と脚力だけでこいでいる時間を前よりもよく判断する。
Apple はまた、転倒検出も改善した。watchOS 8 を使って、転倒検出アルゴリズムは運動中の転倒をより良く検出し - サイクリングも含んで - そして自転車乗りや他の運動中の転倒の特有の動きや衝撃を認識するべく調整された。一般的な転倒検出の場合と同様、もしユーザーが動けなくなった場合、時計は救急サービスを呼び出せる。
あらゆる種類の運動家に対して、時計内蔵のスピーカー、或いは AirPods や他の Bluetooth イヤバッドを通して、新しい音声フィードバックはマイルストーンや活動リングの状況を知らせてくれ、ユーザーが運動中に集中力を保つ手助けをする。
言うまでもないが、新しい文字盤、色、そして、バンドも
新しい文字盤もある (勿論)。動的な Contour 文字盤は腕を上げた時、漫画のように、ダイヤルを潰して画面の縁まで押しやる。そして、新しい Modular Duo 文字盤は、時計の拡大された寸法を生かして、特大のデータに富んだコンプリケーションを提供する。
アルミ製の Apple Watch Series 7 は色揃えを新たにしている:ミッドナイト (ダークグレイ)、スターライト (シルバーゴールド)、グリーン、ブルー、そして PRODUCT(RED) である。Apple によると、ステンレススチールと Apple Watch Edition モデルは既存の色が引き継がれる。
Nike と Hermes Apple Watch バージョンの愛用者は、何時もの様に、特選の新しい時計バンドを手に出来る。しかし、手持ちのバンドを使い続けたいのであれば、そのまま使えるので安心して欲しい。Apple はまた、バンドカタログ全般に亘って新たな色も提供している。
アップグレードすべきか?
この新しい時計は $399 から始まり (しかし、そこからは急激に増加する)、年内には出荷される。Apple は、Apple Watch SE, $279 から始まる、そして Apple Watch Series 3, $199 から始まる、の販売も継続される。
Apple Watch Series 6 に満足している人は、恐らく Series 7 に飛びつきたい衝動には駆られないであろう。新機能はあるが、大部分は漸進的である。
去年の iPhone 発表と同じく、あらかじめ録画された Apple のプレゼンテーションには詳細情報と技術仕様がぎっしりと詰め込まれていたので、この記事ですべてを整然と有益な形でお伝えするのは無理だ。そこで、何でもかんでも詰め込むのはやめて、今回もこの記事では iPhone のアップグレードを考慮中の方が知っておくべき重要な変更点のみに集中することにしたい。それ以外の詳細情報については Apple のページをご覧頂きたい:
iPhone 13 と iPhone 13 mini は引き続きデュアルカメラのシステムを備えていて、より大きくなった 1.7 ミクロンピクセルセンサーを備えた新しい広角カメラと、従来 iPhone 12 Pro Max にしかなかったセンサーシフト光学式手ぶれ補正機能を持つ。この組み合わせにより低照度の写真やビデオでの改善が提供される。超広角カメラは従来より高速のセンサーを持つ。
それからまた、iPhone 13 Pro と iPhone 13 Pro Max に 1 TB の構成が加わったことにも注目したい。かなり値段は高いが、ビデオ撮影をする人にとってはストレージ容量に余裕があるのは間違いなく大歓迎だろう。想像するに、多くのプロの写真家や映像作家は躊躇せずこの構成を選ぶのではなかろうか。
iPhone 12 モデルを持っている人にとってのアップグレードの道は2つ考えられる。大型の iPhone 12 モデルからもっと小型の iPhone 13 mini に替えて手にもポケットにも優しいフォームファクターにしたいと思えば、それは良い判断だ。ことに、噂によれば来年の iPhone 14 ではもはや mini のフォームファクターはなくなるだろうと言われているのだから。それからまた、もしも現在 iPhone 12 または iPhone 12 mini を持っていてもっと良いカメラやもっと長いバッテリー寿命が欲しいと思えば、iPhone 13 Pro か iPhone 13 Pro Max で大幅に進化したカメラとバッテリー寿命を手にできるだろう。しかしながら、私としては iPhone 12 のどれかのモデルからそれに対応する iPhone 13 モデルへ行くことはお勧めできない。ただしもちろん、iPhone Upgrade Program を使っているのならば話は別だが。
では、iPhone 11 時代のモデルからアップグレードするのはどうか? これについては 2 年という月日が経っているので、パフォーマンスの向上、カメラの進化、バッテリー寿命の向上を考えるだけでも決断は簡単かもしれないし、実際決断する人が多いのではないかと思う。例えば、私は iPhone 11 Pro を持っていてちゃんと使えている。もしも私が Apple について記事を書くことを仕事としていなかったならば、これをずっと使い続けるだろうと思う。でも、私にとって Apple の最新テクノロジーに触れているのは意味あることだから (それにまた私はマクロ写真をたくさん撮影するので)、たぶん私は iPhone 13 Pro にアップグレードするだろう。
iPhone 11 よりもっと古くて遅いものを使っているのならば、決断はもっと簡単だ。パフォーマンスと全体的な機能の向上があまりにも大きいからだ。もう一つ例を挙げれば、Tonya は 2020 年 4 月に購入した第二世代の iPhone SE を持っていて、ずっと望ましい iPhone 12 mini がそのたった 7 か月後に出た際に買い換える決断ができなかった。(2020 年 4 月 15 日の記事“Apple の新しい低価格 iPhone SE、大きくなったサイズは失望もの”参照。) けれども、iPhone に対する彼女の主たる不満の一つはサイズの問題なので、彼女はいずれ iPhone SE を iPhone 13 mini に買い換えようかと考えている。
そうは言っても、旧型の iPhone を持っていてそれが十分必要に応えられているのならば、別にアップグレードしなければならない必要性はない。今は倹約しておくなら、来年になって出る iPhone は再び Apple がそれまで作ったうちで最高のものとなることだろう。
Daniel Alm が Timing 2021.5.2 をリリースして、macOS 11 Big Sur の下でサイドバー上の継続時間の表示を改良した。この時間と生産性追跡アプリはまた、AppleScript でタイムサマリーを生成する際の問題を解消し、タイムラインで time entry 提案の上にポインタをかざした際に表示されるツールチップを改良し、既存の time entry の一部分を選択した際の Cut シンボルの表示の問題に対処し、非常に長いタイトルを持つプロジェクトに関係した細かなレイアウトの問題を修正し、通話追跡における誤判定を除去した。Alm は今回のリリースが 10.13 High Sierra に対応する最後のバージョンとなり、Timing の次回リリースでは 10.14 Mojave かそれ以降を要するだろうと述べている。(購読年額 $42/$66/$96、無料アップデート、Setapp からも入手可、34.6 MB、リリースノート、macOS 10.13+)