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#1587: iOS 14.8.1、HomePod Software 15.1.1、Monterey アップグレードの問題点、FaceTime 画面共有と SharePlay、一時的 iCloud バックアップ 容量、Screen Time の奇行

先週 Apple は iOS 14.8.1 と iPadOS 14.8.1 をリリースして深刻なセキュリティ脆弱性に対処し、HomePod Software 15.1.1 をリリースしてポッドキャストの問題を修正した。一般的に評判の良い macOS 12 Monterey へのアップグレードを考慮中の人たちのために、Adam Engst が一部のユーザーが経験している問題点を検討するとともに、やはりもう少し待つべきだという立場を維持する。最近リリースされた iOS 15.1 と iPadOS 15.1 で FaceTime 画面共有と SharePlay が導入されたので、Josh Centers と Adam が先週何時間も費やして FaceTime 通話を試し、これらの新機能への手引きをお届けする。それからもう一つ、Adam が今週も LittleBITS コラム記事を書いて、デバイスをアップグレードする際に使える一時的 iCloud 容量、不可解な Screen Time の挙動、最近 TidBITS のサーバを変更したこと、および TidBITS News アプリのアップデートについて述べる。今週注目すべき Mac アプリのリリースは OmniOutliner Essentials および Pro 5.9.1、TripMode 3.1、1Password 7.9.1、OmniFocus 3.12.2、BusyCal 2021.4.2 と BusyContacts 1.6.2 だ。

Josh Centers  訳: Mark Nagata   

iOS 14.8.1 と iPadOS 14.8.1 がセキュリティ脆弱性に対処

最新のオペレーティングシステムのアップデートを全部済ませた日 (2021 年 10 月 25 日の記事“Apple、macOS 12 Monterey 及び iOS 15.1, iPadOS 15.1, watchOS 8.1, tvOS 15.1, HomePod Software 15.1 をリリース”参照) の翌日に Apple は iOS 14.8.1 と iPadOS 14.8.1 も出して、iOS 14 や iPadOS 14 をまだ走らせているデバイスのためのセキュリティアップデートをした。

これらのアップデートは 12 件のセキュリティ脆弱性に対する修正を含んでいるが、その多くは攻撃者にデバイス上でコードを実行される可能性のあるものであった。Apple によればその脆弱性のうち一つは実際に悪用されたという。

これらのアップデートは Settings > General > Software Update でインストールできる。脆弱性の中に深刻なものがあることを考えれば、早めにアップデートしておくことをお勧めしたい。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

HomePod Software 15.1.1 が Podcasts の問題を修正

これは素早い仕事だった。ほんの1週間前にリリースされた HomePod Software 15.1 (2021 年 10 月 25 日の記事“Apple、macOS 12 Monterey 及び iOS 15.1, iPadOS 15.1, watchOS 8.1, tvOS 15.1, HomePod Software 15.1 をリリース”参照) が、Podcasts で問題を起こした。TidBITS 読者の Rick Kitchen は TidBITS Talk に投稿して、エラーメッセージ「すみません、Apple Podcasts で問題が発生しました」にどう対処すればよいだろうかと尋ねた。当初私は iPhone で Podcasts が働くかどうか確かめたらと助言した (私の親戚がポッドキャスト関係の問題に遭遇した際にはそれで解決できた) が、そのやり方は役に立たなかった。それもそのはずだ - この問題は単なるバグだった。

Updating to HomePod Software 15.1.1

今回 Apple は HomePod Software 15.1.1 をリリースして、この特定の問題を修正した。467.7 MB の今回のアップデートは早いうちに自動的にインストールされるはずだが、強制的に直ちにインストールしたいと思えば Home アプリを開いて、画面の一番上にある Update Available ボタンをタップし、それから Update をタップすればよい。(私の画面でボタンが Update All となっているのは私が複数個の HomePod を持っているからだと思う。) もしも Update Available ボタンが表示されていなければ、HomePod のタイルにタッチしてそのまま押さえ続け、歯車アイコンをタップして設定画面を表示させ、画面の上の方にある Update をタップする。

あと一つだけ注意しておこう。前回の HomePod Software 15.1 で Apple が記していた変更点は Dolby Atmos を使った空間オーディオApple Music でのロスレスオーディオへの対応だ。ただ、それらのフォーマットを HomePod で再生させようと思ってもどこにその設定があるのかさっぱり分からないと困惑しているのはあなただけではない。Apple は iPhone や iPad ではそれらの設定を奥深いところに隠し、私の知る限り Mac の Home アプリではどこにも設定項目を設けていないのだから。

Home アプリで、スクリーン左上にある家のアイコンをタップして、Home Settings > あなたの名前 > Apple Music へ行けば、Lossless Audio と Dolby Atmos のスイッチがある。ロスレスオーディオをオンにすると格段に多くのバンド幅を消費するようになることに注意しよう。だから、オーディオ品質の違いがそれほど気にならないのならばオンにする価値はないかもしれない。

Finding HomePod Dolby Atmos and Lossless Audio settings in Home

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

macOS 12 Monterey へのアップグレードを巡る問題点

macOS 12 Monterey へのアップグレードに関しては、意外でもないことだが、良い体験と悪い体験の両方が聞こえてきている。

良いこと

良い面を言えば、初期の印象を聞く限り、Monterey は全体的に改良がメインのリリースであって、Apple の側でのアーキテクチャ上の大変化はないと考えられる。その点、ちょっと振り返っただけでも、過去のいくつかの macOS では避けがたい重大な変更があったことが思い出される:

対照的に、Monterey は多数の魅力的な新機能、例えば Shortcuts、Live Text、AirPlay 受信、Find My における位置情報のライプ更新、Universal Control (近日登場)、FaceTime 画面共有 (近日登場) などを含んでいるけれども、過去のバージョンの macOS で人々を仰天させたような基盤的変更はない。また、歓迎すべきものと思える細かな改良もある。例えば大サイズのファイルをコピーする際の Finder インターフェイスの改善や、AppleScript が Monterey になってかなり高速になったと言われていることもある。さらに、Howard Oakley が指摘するように、どうやら Apple は Big Sur や Catalina に比べて Monterey ではバグ修正やセキュリティの強化に集中しているようだ。

そういうことを考えれば、できるだけ早くアップグレードすることを考えるのがよいのだろう。私はもう何か月も M1 ベースの MacBook Air で Monterey を走らせてきたが、私自身はあちこちいじくりまわす時間の余裕のある週末の午後が見つかり次第自分の 2020 年型 27 インチ iMac を Monterey に移そうと思っている。

悪いこと

しかしながら、悪い面をと見渡すならば、USB ハブが Monterey ではトラブルを起こすという報告がある。人によって症状は少しずつ違っていて、ハブが全く使えないという人もいれば、特定のポートでだけトラブルが起こるという人もいる。報道によれば Apple はこの問題を認識しているとのことなので、おそらく Monterey の次のアップデートで修正されるのだろう。当面の間、USB ハブを頼りにして使っている人はアップグレードを遅らせる方が賢明だろう。

もう一つの問題は、T2 チップ搭載の Mac を持つ少数のユーザーが、Monterey へのアップデート後に Mac が文鎮化した (つまり起動しなくなった) と報告していることだ。Apple は Rene Ritchie に伝えた声明の中で、T2 チップでのファームウェアのバグを既に修正済みで、現在配布中の macOS アップデートは既にアップデート後のファームウェアを含んでいると述べた。既にこの問題の影響を受けてしまった人は Apple サポートに連絡して援助を受けてほしいとのことだ。

さらにもう一つ、旧型の Mac をサードパーティの SSD でアップグレードした人の中に、TidBITS 読者の synderlic もその一人だが、アップグレードの最中にエラーメッセージが出て「必要なファームウェアアップデートをインストールできませんでした。アップグレードするには互換な内部ストレージが必要です」と言われた人がいる。macOS インストーラは、Apple SSD を探知できなければ必要な Mac ファームウェアアップデートをインストールすることを拒否するのだ。この問題は実際 Monterey に限ったことではなくて、ファームウェアが必要なバージョンに自動的にアップグレードされていない Mac に影響する。回避策はまず元の Apple SSD を再インストールしてから、そこに Monterey をインストールし (その際にファームウェアもアップグレードされる)、サードパーティの SSD を設置し直し、それから改めて Monterey にアップグレードすることだ。もちろん、そのためには元の Apple SSD を手元に持っていることが必要で、そうでない人は Apple SSD を入手しなければならない。あるいは、外付けドライブから起動して、アップグレードされたファームウェアを入手できるようなアップグレードの道を探るという手もあるかもしれない。

最後にもう一つ、Apple テクノロジー導師の Howard Oakley が新型 MacBook Pro で問題に遭遇した。macOS 12.0 がインストールされていたのだが、彼は現行の macOS 12.0.1 に直ちにアップデートしようとした。ところがそれは、多大な時間を要するエラーだらけの作業となって、結局彼はネットワーキングの設定を公開の OpenDNS と Cloudflare DNS サーバを使って手動で再構成することでやっとアップデートに成功した。奇妙な解決法だ。よく知られた DNS 名を持たないアップデートサーバに Apple が依存するとは考えにくいからだ。それでも、彼の解決法を試してみるのは簡単で、不都合なこともない。それに加えて、TidBITS Talk の議論で別の人物が Monterey へのアップグレード後にインターネットにアクセスできなくなった際にも、別の DNS サーバに設定し直すことで問題が解決した。

Monterey に関する良い面も悪い面も、いずれもアップグレードに対する私たちの一般的な助言に変更を加えるほどのものではない。つまり、予期せぬ問題に頭を悩ましても苦にならない新し物好きの人を除いて、やはりもう少し待つべきだと思う。正確に言ってどのアップデートが理想的かをはじき出す確固とした方式を持ち合わせている訳ではないが、個々のアップデートで Apple が修正したバグの量、深刻度、影響度を考慮して感触をつかむようにしている。うまく行けば、近いうちにアップグレードのゴーサインを口にできるだろう。

無関係なこと

この記事の初期バージョンの中で、私はうっかり狭い視野に陥って、アップグレードにまつわる最近のニュースなら Monterey に関係しているに違いないと思い込んでしまい、Mr. Macintosh の記事に載った興味深い問題点とその解決法を紹介した。けれども実は、これは Big Sur へのアップグレードについての話であって、Monterey の話ではなかった。しまった!

ということで、もしもあなたが Mojave か Catalina を走らせていて、今は Monterey でなく Big Sur にアップグレードしようかと考えているのならば、インストールの最中に Mac が固まってしまう問題点について知っておいた方がよい。この問題は、Spotlight の mdworker プロセスが (理由はまだよく分からないが) 一時的フォルダの中に何万個ものファイルを残したままにしている場合に起こる。Big Sur インストーラはそのフォルダに達すると行き詰まって反応しなくなり、Mac を不安定な状態のままにしてしまう可能性がある。

幸いにも、Mr. Macintosh は問題が起こることになるかどうか Mac をチェックする方法と、アップグレードの前にあらかじめ問題を修正する方法、それに途中で止まってしまったアップグレードから復活させる方法の説明を提供している。Mr. Macintosh と、情報を集める手助けをしてくれた MacAdmins Slack、そして、問題を究明してくれた Apple エンジニアリングの面々に感謝したい。今後 Apple が新しいインストーラをリリースすれば、たぶんこの問題は消え去ることだろう。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

LittleBITS: 一時的 iCloud バックアップ、Screen Time の異常、サーバー切替え、TidBITS News アプリ

先週、私は細々した色々な情報を共有するのを楽しめたので、今週も最近のものから幾つかお届けする。これらの話題の収集について皆さんがどう思ったかをコメント経由で知らせて欲しい。

Apple、一時的 iCloud ストレージで iCloud バックアップを増強

Apple が、無料ではたったの 5 GB の iCloud ストレージしか提供しないという事実については色々言われている。現状では、それでは、殆ど全ての iPhone や iPad とは言わなくとも、多くのものをバックアップし復元するには十分ではない。Apple はこの制約に対処し、データを新しい機器に移行する人達に空き容量を超える一時的な iCloud バックアップを作成するのを許すことにした。(或いは、Daring Fireball で John Gruber が薦めた機器対機器移行方法である Quick Start を使うことも出来る。)

Interface for getting more iCloud space temporarily

私はテストするための適当な機器や、或いは要件を満たす制約のある iCloud アカウントを持っていないが、Apple は、対象となる機器は iOS 15 或いは iPadOS 15 を走らせていなければならないと言っている。 これをやるには、Settings > General > Transfer or Reset Device に行く。Prepare for New Device の下で、Get Started をタップ、それからバックアップを始めるための残りの手順をこなしていく。

デフォルトでは、一時的なバックアップは 21 日間保たれるが、必要であれば、追加の 21 日間を要請することも出来る (Apple は、"Settings を開き、そして Keep My Backup Longer をタップする" と言っている)。これらを足せば 42 日間になる。そして、皆さんご存じのように、42 は、人生、宇宙、そしてその他諸々に対する答えそのものであり、一時的 iCloud バックアップの寿命も例外ではない。一時的バックアップを復元した後、Apple は 7 日間待ってそれを永久に消去する。TidBITS Talk で、この新しいサービスについて私に教えてくれた David Rostenne に感謝する。

Screen Time コンテンツ制限、意図せずにオンになる

TidBITS 読者である David Marriott は、最近私に便りをよこして奇妙な偶然の出来事を共有してくれた。数週間の間、彼は地元のニュースウェブサイトを読もうとする度に、そのページは制限されているためにプラウズ出来ないとするエラーに遭遇した。加えて、政府のサイトで彼の COVID-19 ワクチン接種状況を表示しようとすると、直ちにログオフされてしまった。彼の iPad そして妻の iPhone では、全てが問題なく働いたので、この問題は明らかに彼の iPhone に関係していた。

解決策は、Screen Time の奥深い所に眠っている設定にある事が分かった。彼が Settings > Screen Time > Content & Privacy Restrictions Content Restrictions > Web Content へと辿って行き、それを Allowed Websites Only から Unrestricted Access に切り替えたら、彼の問題のどちらも直ちに消えてしまった。もっと一般的な話をすると、彼は下記のスクリーンショットの2番目にある様に、ただ Content & Privacy Restrictions をオフにするだけで良い。

Web Content restrictions in Screen Time

不思議な部分は、David は意識して Screen Time を使ったことはなく、まして、Web Content 制限をオンにした覚えはなかった。最もあり得る説明としては、最近の iOS アップデートでその情報が切り替わった可能性であろう。私はこの手の話を長年に渡って何回も聞いているが、事情は個別に異なるようであり、共通点を探せた試しはない。iOS の中身に精通している方で、ある設定が時折少数のユーザーに対してだけ背景で変更されてしまうことに対する説明が出来る人がいれば、是非話を聞かせて欲しい。勿論、我々はiPhone 夢中遊行症の現代型の出現を見始めている可能性を否定することは出来ない。

TidBITS 仮想専用サーバー切替え

私は、最近我々の Internet サービスの殆どを Arcustech の一つの仮想専用サーバーから別なものへと移行した。いや、正確に言えば、Arcustech のサポートと我々の開発者 Eli Van Zoeren が全てを移動させた - 私がやったのは、アカウントの設定と、うまく運んでいない事柄について慌てないでいいよの報告を送ったぐらいである。

サーバー移行に対する主な理由付けは、我々は Ubuntu と PHP のレガシー版を使っており、アップグレードすべき時が来たということである。その様なアップグレードに対する Arcustech の好みのやり方は、全てを移行させそしてテストし、全てが機能しているように見えたら、その新サーバーに DNS を向けてやるというものであった。Unix の入門レベルの技術を持つ者として、私は私を支援してくれている人達の言う通りにやるだけである。

もう一つの特典として、僅かだが下がる月額料金がある。我々は v2 プランである 4 CPUs, 4 GB の RAM, そして 90 GB のストレージに対しての $100/月 から、v3 プランである 3 CPUs, 6 GB の RAM, そして 90 GB ストレージに対しての $90/月 へと切り替えようとしていたからである。Eli は、我々の状況下では RAM は CPU よりもより価値があると言っていたので、月額 $10 の節約はとても良いボーナスのように見えた。そして、実際に、サイトは少しだが速いかもしれない。

途中、我々は多少の不具合には遭遇したが、それは一部には、DNS の向け先を変えて、そしてメールを通常のように送出する様になる迄は現実のテストをするのは困難だからであった。Arcustech サポートと Eli は、問題が発生するのに合わせて殆どの問題を時間をおかずに修正出来た。最も重大な不具合はある月曜日の夜に起こった。それは、Josh と私が我々の毎週発行の記事が送られていないことに気付いた時であった。Eli と私は幾つかの異なった解を試してみたが、どれも働かなかった。最終的には、彼が WordPress と Amazon SES の間でメールの配布を管理する Sendy ソフトウェアをアップグレードすることで解決した。

我々のサイトで働いていないものに気付いたら、何でもいいから知らせて欲しい。

TidBITS News アプリ、アップデートされる

Matt Neuburg は、彼の無料の TidBITS News アプリのバージョン 2.5 をリリースしたばかりである。それは iPhone や iPad 上で TidBITS を読むためのネイティブアプリインターフェースを提供する。Matt はそれを iOS 15 に対してアップデートすると共に、二つの小さな変更を加えた:

今週はここ迄だが、繰り返しになるが、これらの形式張らない報告が面白い、そして有用だと思われたら、コメントで知らせて欲しい。

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

FaceTime の画面共有と SharePlay の使い方

iOS 15.1 と iPadOS 15.1 で、FaceTime に2つの新機能が導入された。画面共有と、SharePlay だ。ビデオ電話での画面共有は長年待ち望まれていた機能で、お陰でこれらのデバイス上の技術サポートが劇的に簡単になることが期待される。やっとのことで、親戚が援助を求めて電話をかけてきた場合にもその親戚の画面がどうなっているか見られるようになる。

SharePlay は FaceTime 通話に参加している人たちが一緒に映画を観たり音楽を聴いたりできる機能だ。ただしその通話に参加している全員が (購入または購読を通じて) そのコンテンツに合法的にアクセスできる必要がある。SharePlay は Apple の TV アプリや Music アプリで動作するが、いくつかのサードパーティアプリもこの機能に対応している。

いずれの機能も COVID-19 関係のロックダウンに影響を受けていることは間違いない。画面共有は遠隔サポートを可能にするし、SharePlay はパンデミックの真っ最中に一部の人たちの間で人気を得たソーシャル化の一形式を実現する。

iPhone や iPad で画面を共有する

FaceTime 通話の最中に画面を共有するには、画面をタップして FaceTime コントロールを出し、一番右にあるボタンをタップして、Share My Screen をタップする。3秒間のカウントダウンが始まり、それが終わると通話に参加している全員があなたの画面を見ることができる。

Share Your Screen in FaceTime

画面を共有させている人にとっては、すべてがいつもと同じだ。ただし画面の最上部に紫色の状況アイコンが出て、他の人たちがあなたのすることを見ていることを示す。FaceTime アプリから切り替えて、あなたが他のアプリでしていることをすべて他の人たちに実演して見せることもできる。

The screen sharing icon

画面共有をオンにすると、共有中の人のカメラが無効化されることがある。私たちの推測では、プロセッサかバンド幅に十分な余裕がないと FaceTime がビデオをオフにしてしまうようだ。その場合、画面共有を終わらせても FaceTime は必ずしもカメラを自動的に最有効化しないので、FaceTime コントロールでカメラアイコンをタップしてオンにし直す必要があるかもしれない。

画面共有を止めるには、FaceTime アプリに戻って画面共有ボタンをタップする。すると画面共有は即座にオフになる。別のアプリにいる場合は、画面最上部の紫色の状況アイコンをタップすれば直ちに FaceTime コントロールにアクセスできる。

共有された画面を見ている人には、Picture-in-Picture ウィンドウ (下の左) が表示される。それをタップすれば共有された画面がデバイスの画面全体に広がり、PiP ウィンドウの中に FaceTime 通話の画面が示される。FaceTime の会話に戻るには、その PiP ウィンドウをタップする。他のアプリに切り替えることもでき、その場合は共有された画面が少し大きめの Picture-in-Picture ウィンドウ (下の真ん中) に変わる。

Screen sharing Picture in Picture windows

あなたが通話を切るか、または共有した人が画面共有をオフにするかするまで、この Picture-in-Picture ウィンドウはあなたに付いて回る。ただ、PiP ウィンドウを画面の左か右の外側へスワイプすれば隠すことができる。その場合、スクリーンの縁のところにタブが見えて (上の右)、隠れたウィンドウがあることを示す。このタブをタップすれば PiP ウィンドウが再び開く。

従来の Picture-in-Picture モードと同様、この PiP ウィンドウもスクリーン上のどこへでも移動できる。iOS や iPadOS は、それが特定のインターフェイス要素を隠してしまわないようにする知恵を備えている。また、PiP ウィンドウをピンチイン/ピンチアウトすることで大小のサイズを切り替えられる。

FaceTime 以外のアプリにいる間に画面最上部の緑色の状況アイコンをタップすれば、FaceTime コントロールが開く。

Revealing SharePlay controls

iPhone や iPad で SharePlay を使う

SharePlay は主として TV アプリと Music アプリで働く。TV アプリでは、TV アプリの内部で再生されるコンテンツのみで SharePlay が動作するので、例えば Amazon Prime Video へ送り出されている場合にそのコンテンツで SharePlay を使うことは (Amazon が SharePlay 対応を追加しない限り) できない。一部のサードパーティアプリも SharePlay で動作するが、これについてはあとで議論する。

そういう但し書きを念頭に置いた上で、FaceTime ビデオ通話の最中に SharePlay セッションを開始するのは簡単で、TV または Music (あるいは対応する他のアプリ) へナビゲートして何かを再生するだけだ。すると、これを全員のために再生するか、それとも自分だけで再生するかと尋ねられる。

SharePlay prompt to buy content

通話の参加者のうちでコンテンツを見られるのは視聴の権利を持っている人だけであることに注意しよう。例えば、私が Adam と FaceTime 通話をしていて私が自分の iTunes ライブラリから The Avengers を再生し始めたけれども Adam はそれを持っていなかったとしよう。すると TV アプリから彼にプロンプトが出て、それをレンタルするか購入するかと促す。同じように、もし Adam が Ted Lasso の最新エピソードを SharePlay すれば、TV アプリが私にプロンプトを出して Apple TV+ の購読を促す。

けれども、すべての参加者がアクセス可能なものを再生した場合には、プロンプトが出ることもなく即座に全員のために再生される。

SharePlay に関してすごいことが一つある。これはほぼ完全に平等主義なのだ。あなたが TV アプリから映画の再生を始めれば、通話の他の参加者たちには PiP ウィンドウの中でその映画の再生が始まり、全員が再生コントロールにアクセスできる。もし参加者の誰かが映画を一時停止すれば、全員のところで再生が一時停止する。もしあなたがビデオを 15 秒間巻き戻せば、すべての人のところでビデオが 15 秒間ジャンプして戻る。つまりそこには共有者と視聴者との区別がない。誰もが平等な参加者なのだが、ただ一点だけ違いがあって、SharePlay を開始した人のみが、全員のために再生を終了できる。しかしながら、参加者の誰もが何か別のものの再生を開始することができ、その場合にはそのコンテンツがそれまで再生されていたコンテンツに取って代わる。

この協調的再生には少々当惑させられるかもしれない。別の参加者が何かを、例えば再生の一時停止をすれば SharePlay は素早く小さな通知を表示するが、見逃してしまいがちだ。

Adam Engst Paused Playback

ビデオを再生する際には、すべての (必要なアクセス権を持っている人の) デバイス上で即座に Picture-in-Picture ウィンドウとして表示される。あなたも、別の参加者も、タップすれば再生コントロールを出せる。

SharePlay in Picture in a Picture window
この画面で私は映画を観ていた。それが表示されていないのは、Apple が DRM 保護の付いたコンテンツのスクリーンショットを許していないからだ。

再生中も、通話に参加している誰もがお互いに話すことができる。(そうやって自分独自の MST3K エピソードを作ろう!) あなたがオフにしない限り、あなたのカメラも引き続き動作する。つまり、異なるビデオウィンドウが並立するということだ。FaceTime アプリの中では、ビデオコンテンツのウィンドウと、FaceTime 参加者たちが映ったウィンドウとが見える。FaceTime アプリの外へ出れば、SharePlay の PiP ウィンドウが PiP ウィンドウの隅のところに他の参加者たちを表示する。

Unable to SharePlay

Music アプリでは、受信側の人たちに FaceTime がバーを表示して、誰か他の人が音楽の再生を始めたと告げ、即座に再生が始まる。SharePlay を通じて音楽を聴いている人たちは全員、(Music アプリの中で) 現在のトラックを変更したり、音楽を一時停止したり、Up Next リストを変更したりできる。すべて、Music アプリのいつもの動作と同じようにできる。

けれども、必ずしも何でも再生できる訳ではなく、その理由が何かは分からない。私たちのテストでは、Music アプリの Radio タブにあるものはどれ一つとして SharePlay で再生できなかったし、さまざまの他のトラックや For You ステーションも再生を拒否される。

SharePlay in Apple TV Control Center

Apple TV 上での SharePlay

Apple TV 上では、SharePlay はビデオにしか対応しておらず、音楽や画面共有は使えない。私たちのテストでは、最良の体験が得られたのは Apple TV アプリ自体からのビデオ再生、例えば Apple TV+ のコンテンツや、iTunes ライブラリの中にある映画の再生であった。Apple TV アプリ以外で再生するものについては、人によって結果はさまざまだろう。Netflix や Amazon Prime Video のようなアプリは SharePlay に対応しておらず、対応しているアプリは通話に参加している全員が購読者であることを要求するからだ。

Join SharePlay on Apple TV?

FaceTime 通話の最中に Apple TV からビデオを再生するには、リモコンの TV ボタンを押して押さえ続けて Control Center を開き、表示された SharePlay ボタンを選ぶ。

次に、Apple TV 上でビデオの再生を始めることを確認しなければならない。そこで Start on Apple TV を選ぶ。

Join SharePlay on Apple TV?

最後に、通話中のデバイスの上で確認を求められるのでその通知をタップしすれば、ビデオの再生が始まる。あるいは、Apple TV の Control Center で SharePlay を選んで他のデバイス上に再生を移すこともできる。

Use Office to Display Media?

Apple TV での再生を終了するには2つの方法がある:

再生を移動させずに元のデバイスに戻れば、スクリーン上に新しいバーが表示されて Apple TV 上でメディアが再生中であることを示す。表示されているリモコンのアイコンをタップすれば、仮想の Apple TV リモコンが開いて使えるようになる。

What you see in FaceTime when the SharePlay video is playing on Apple TV

サードパーティアプリでの SharePlay

SharePlay に対応しているサードパーティのアプリもある。その多くは Disney+、HBO MAX、Paramount+ などビデオストリーミングサービスのものだが、ちょっと違った選択肢もいくつかある。例えば Reddit クライアントの Apollo や、CARROT Weather などだ。独創的な SharePlay の利用方法を思い付いた開発者も次々と登場している。例えば Apollo で SharePlay を使えばユーザーたちが一緒に Reddit をブラウズでき、CARROT Weather では参加者たちがそれぞれ住んでいる町の天候を投票できる。たわいもないことではあるけれども、将来にはそのような協調的機能が有用になるかもしれない。

けれども、そこには重大な注意事項がある。特に、FaceTime 通話に参加している全員が SharePlay に参加するためにそのアプリをインストールしていなければならない。そうでない場合、FaceTime コントロールのボタンが App Store にある必要なアプリを明かす。これは App Clips の絶好の利用機会で、アプリをインストールせずにその一部を素早くロードできると思えるが、現時点での SharePlay の実装が App Clips に対応しているかどうか私は知らない。

他にも障害になることがあるかもしれない。私は Paramount+ から番組を Adam に SharePlay しようと試みたが、月額 $4.99 の Essential レベルの契約では SharePlay が無効化されていた。そこで一時的に $9.99 の Premium レベルにアップグレードして SharePlay できるようにしてみたが、それでも Adam との SharePlay はできなかった。彼はアプリを持っていたけれども Paramount+ を購読しておらず、購読していないうちはこのアプリが彼をサインイン画面の先へ行かせてくれない。

理論的には、Apple は開発者がコンテンツへのアクセス権を持たない人に向けてもメディアベースの SharePlay を許容できるようにしているけれども、現在のところ誰も、Apple 自身でさえ、そのオプションを利用している者はいない。別に驚くことではない。一人の購読者が大勢の非購読者に映画をストリームできるようにするか、それとも全員が購読者であることを要求するかの選択となれば、コンテンツ会社がどちらの選択肢を選ぶかは明らかだろう。

全体的に見て、SharePlay は仮想の鑑賞会を開くのが楽しいと思う人にとっては嬉しいアイデアかもしれないが、たとえ基本的なライセンスの問題とアプリの要件をクリアしたとしても、私たちの見たところまだバグもかなり多く、同期や再生で数限りない問題が起こった。今後改善されることは間違いないだろうけれども、現時点では、もしも SharePlay を使いたいのならば、ただ単純にコンテンツの再生を始めて、そのままにしておくことをお勧めする。停止したり再開したり、コンテンツをあちこち切り替えたりすればするほど、バグに遭遇する可能性が高まるだろうから。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

OmniOutliner Essentials and Pro 5.9.1

OmniOutliner Essentials および Pro 5.9.1

10 月末に the Omni Group は OmniOutliner EssentialsOmniOutliner Pro のバージョン 5.9 をリリースして、macOS 12 Monterey の Shortcuts から Omni Automation スクリプトやプラグインを呼び出す機能への対応を追加した。これらのアウトライン作成および情報整理アプリへのそのアップデートでは、M1 ベース Mac を使用している場合にも正しい値を設定するように中央および右揃えの段落揃えボタンを修正した。また、システム要件を変更して macOS 11 Big Sur またはそれ以降を要するようにした。The Omni Group は今回これらのアプリをバージョン 5.9.1 にアップデートして、リッチテキストの中に画像をペーストできなかったバグを修正した。(Essentials の新規購入 $9.99、Pro の新規購入 $59.99、36.8 MB、リリースノート、macOS 11+)

OmniOutliner Essentials および Pro 5.9.1 の使用体験を話し合おう

TripMode 3.1

TripMode 3.1

Alix Sarl がデータ使用量制御ユーティリティ TripMode のバージョン 3.1 をリリースして、macOS 12 Monterey に対応するとともに数多くのインターフェイス調整とアプリのグループ化の改良を施した。今回のアップデートではまた、要望の多かった縦方向のサイズ変更を可能にして多くのアプリを一目で一覧できるようにし、起動し直した後もポップオーバーの状態を正しく再現するようにし、XPC サービスの階層検知を改良して Activity Monitor とより良く一致するようにし、複数のプロファイルを使った際にアプリケーションの状態が誤って適用されることがあった稀な問題を修正した。Mac App Store 版 は今回からアプリ内購入の価格が一回限りの $49.99 (期間限定で 20% 割引の $39.99 にセール中)、購読月額は $4.99 となった。従来通りにこのアプリを TripMode ウェブサイトから一回限りの購入をして使うこともでき、一台の Mac のみで使う価格が $15 からだ。(TripMode ウェブサイトから新規購入 $15、Mac App Store からの購読は年額 $14.99、Setapp からも入手可、15.7 MB、リリースノート、macOS 11+)

TripMode 3.1 の使用体験を話し合おう

1Password 7.9.1

1Password 7.9.1

AgileBits が 1Password 7.9.1 を出した。最近のアップデート (2021 年 10 月 19 日"1Password 7.9、セキュアなパスワード共有を追加") に続く、メンテナンス・リリースだ。このパスワードマネージャは今回から macOS 12 Monterey を使っている場合に 1Password アカウントでの第2要素としてハードウェアセキュリティキーに対応するようになり、独立のヴォールトをアカウントへ移行する際にアカウント移行ツールが添付物も維持するようになり、ファイルが添付されていた場合に Safari の中で項目を補完できなかった問題を解消し、ヴォールトを追加/削除した際に読み込みウィンドウの中のヴォールトリストが更新されなかったバグを修正し、Shopify ベースのフォームでアドレスが正しく補完されるようにした。(購読年額 AgileBits から $35.88、Mac App Store から $35.99、新規にアカウントをセットアップする TidBITS 会員は 6 か月間無料、無料アップデート、78.6 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

1Password 7.9.1 の使用体験を話し合おう

OmniFocus 3.12.2

OmniFocus 3.12.2

The Omni Group が OmniFocus 3.12.2 をリリースして、視点を変えた際に選択項目の復元に関係してバージョン 3.12.1 で発生した不具合を修正した。また、このタスク管理アプリは macOS 12 Monterey の下で OmniFocus をフルスクリーンモードで使った場合に起こったクラッシュを修正し、Monterey の下でサイドバーとメインのアウトラインとの境界を越えた後もサイドバーのリサイズカーソルが残ってしまうことがあった問題を解消し、Omni Automation Script アクションから Promise の失敗が返された後に Shortcuts が正しくエラーメッセージを表示するようにした。(Omni Group ウェブサイトでの新規購入は Standard 版が $39.99、Pro 版が $79.99、Mac App Store では Standard 版が $39.99、アプリ内購入で Pro 版にアップグレード可、68.5 MB、リリースノート、macOS 11+)

OmniFocus 3.12.2 の使用体験を話し合おう

BusyCal 2021.4.2 and BusyContacts 1.6.2

BusyCal 2021.4.2 と BusyContacts 1.6.2

BusyMac が BusyCal 2021.4.2BusyContacts 1.6.2 をリリースして、最近変更された iCloud のアプリ用パスワードの要件に合わせた重要な修正を施した。また、BusyCal は Google Calendar アカウントに出席者を追加する際に Google Workspace Directory 検索を追加し、何百ものイベントが同一の日に始まる場合の日/週表示のレンダリングを改良し、読み出し専用イベントをコピー&ペーストすると自動的にデフォルトのカレンダーを選択するようにし、macOS 10.13 High Sierra で Info パネルの中の地図を正しく表示するようにし、アラームウィンドウでタスクを完了とマークした際にそのアクションが正しく反映されるようにした。(BusyCal は BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、Setapp Mac からも利用可、48.4 MB、リリースノート、macOS 10.12+。BusyContacts は BusyMac からもMac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、Setapp からも利用可、21.2 MB、リリースノート、macOS 10.12+)

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