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#1588: Monterey のメモリリーク、第3世代 AirPods 対 Beats Fit Pro、ランサムウェア防護策、画像の中のテキストを取り込む OCR ツール

macOS 12 Monterey で Mac がメモリ不足に陥る問題に悩まされている人は、その原因がカスタムポインタに関係するメモリリークかもしれないので、解決法をお読み頂きたい。Apple の第3世代 AirPods に興味津々の人たちのために、Josh Centers と Julio Ojeda-Zapata がお互いに情報交換しながら第3世代 AirPods を検討し、この製品が自分に適しているかどうか決断する際の参考にと記事にまとめた。これが自分に向かないと思う方には、Julio が $199 で発売されたばかりの Beats Fit Pro イヤーバッドの方が $179 の AirPods よりも良いと思う理由を説明する。今週の LittleBITS コラムでは Adam Engst が電子メール版の TidBITS で稀にフォーマッティングの問題が起こっていることに関して助けを求め、(まだ Mac 上ではあまり大きな問題になっていないが) ランサムウェアに対する防護に役立つかもしれないツールを2つ紹介し、画像の中のテキストに OCR 処理を施すツールでまだ紹介していないものをいくつか挙げる。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Keyboard Maestro 10.0、Bookends 14.0.2、Live Home 3D 4.2、Hazel 5.1、EagleFiler 1.9.6、HoudahGeo 6.2、Logic Pro 10.7.1、それに Carbon Copy Cloner 6.0.5 だ。

Josh Centers  訳: Mark Nagata   

カスタマイズしたマウスポインタが Monterey のメモリリークの原因との指摘

macOS 12 Monterey のユーザーたちから、大規模なメモリリークの報告が数多く届いている。リークしたメモリの量が 70 GB やそれ以上ということもあり、そうなれば Mac は完全にメモリ不足となって、再起動せざるを得なくなる。Eclectic Light Company ブログに Howard Oakley が書いているところによれば、Mozilla がこの問題を調べて、Monterey におけるカスタムポインタが原因であることを突き止めたという。Mozilla は、Apple がこのバグを修正するまでの間、マウスポインタの設定を標準のサイズと標準のカラーにしておくことを勧めている。

ちょっと待って、Monterey でマウスポインタのサイズやカラーを変更できるなんて知らなかったって? もっともなことだ。このちょっとした機能は System Preferences > Accessibility > Display > Pointer の中に隠されていて、私たちも最近になって聞いたばかりだ。でも、将来この機能が正しく動作するようになれば、大スクリーンの Mac であのちっぽけな黒いカーソルを見つけるのに苦労している人にとって、大いに嬉しいことになるかもしれない。

既にマウスポインタをカスタマイズしていてメモリリークに苦しめられている人は、まずポインタのサイズを Normal (通常) に設定してから、Reset (リセット) ボタンをクリックしてポインタの枠線と塗りつぶしカラーをデフォルトに戻そう。

Pointer settings in Monterey

9to5Mac の記事で、Ben Lovejoy がメモリリークの原因はカスタムポインタだけではないと論じている 。ただし彼も、まずはポインタのリセットをしてみる価値はあると述べている。しかしながら、Howard Oakley はこのメモリリークがあらゆる種類のポインタの変更に付随して起こり、例えば矢印のポインタがテキスト挿入バー (I ビーム) に変わっても起こると指摘する。だから、頻繁にポインタを変更するアプリ、例えばウェブブラウザなどでは必ずこの問題が起こる。

今のこの時点でできることは、頻繁に再起動して解消することを別にすれば、ポインタをデフォルトにリセットするしかない。まだこの機能を試したことがない人には、Apple が修正をリリースするまでの間は手を出さずに待つことを強くお勧めしたい。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

LittleBITS: TidBITS フォーマットバグ、ランサムウェア保護、画像内 OCR 続き

私は最近、TidBITS 号での奇妙なフォーマット問題を追求しようとしており、皆さんの助けも借りたいと思う。LittleBITS の今回の記事はまた、ランサムウェアについて私が余り書いてこなかった理由を説明 (心配な人に対してそれに対抗するのに有用な二つのツールは紹介する)、そして Live Text を越えて行く画像内のテキスト用の OCR を提供するユーティリティについても再度取り上げる。

一文字コラムバグを見たことがありますか?

風変わりなバグが一つある。我々は時たま、受け取った TidBITS 号は全ての記事が一文字幅の単一コラムとしてフォーマットされているという報告を読者から受けることがある。私には何が起こったのかについて言えることが少なくとも二つあるが、その原因が何かになると私には皆目見当がつかない。問題は我々の側に起因にしているようにはどうしても見えない。

Example of the TidBITS one-character column formatting bug

読者が我々に転送してくれたフォーマットが崩れた号の例では、問題は CSS (Cascading Style Sheets) の破損に起因していた。TidBITS のメール号に対する CSS スタイリングは style="padding: 0.25em" を繰り返し使っているが、一つの破損した記事では、それは style="padding:25em" に変更されていた。別な言い方をすると、文字: 0. は消去されて 0.25em は 25em となり、結果として、少しのインデントが巨大なものへと一変させられたのである。別の例では、ピリオドだけが消去され、style="padding: 025em" となり、それもまた 25em と解釈された。どちらの場合も、私が受け取ったバージョンでは全てが正しかったことを確認している。

どうしたらその様なことが起こりうるのか? もしそれが偶発的なものであれば、私は経路の何処かで起きた通信エラーのせいにするであろう。しかし、過去2週間の間にその報告は違った人達から幾つかあった。その中の一人は、それは前にもあったと言っていて、そちらも macOS 10.13 High Sierra とそのバージョンの Mail で起こったと言う。他の人は、同じ問題が iPhone と iPad で起こったと言っていた。もしそれが Mail もバグだとしたら、影響を受ける人がこれ程少ないのは想像しがたいし、宇宙線が特定の CSS 属性だけを一度ならずやっつけてしまうと想像するのも困難である。

もしこの問題を経験したことがあれば、破壊された号を私宛に転送して欲しい。その際には、どのオペレーティングステムバージョンを使っていたのか、そして、Mail や他のメールクライアントに依存しているのであれば、そのメールサービスプロバイダーが誰かも教えて欲しい。そうすれば、技術探査を一緒に出来ると言うものである。ありがとう!

RansomWhere と Retrospect、ランサムウェアに対して防護する

2021 年に、人目を引くランサムウェア攻撃が幾つもあったが、一番目を引いたのは Colonial Pipeline の事例であろう。私はその傾向について書くことをだいぶ前から考えてはいたが、二つの理由から大きな記事を書く気にはならなかった。一つは、ランサムウェアは Mac には無いという訳ではないが、現時点では Mac ユーザーに対しては現実の脅威にはなっておらず、多くの場合不完全であったり、コードが下手くそだったりしている。ランサムウェア攻撃は Mac にもやってくると言うのは簡単だし (そして多くの出版物がそう言っている)、拡がる以外の行き先はないとしても私は疑心暗鬼を招きたくはない。二つ目は、多くのランサムウェア攻撃の標的はビジネスであり、TidBITS 聴衆の大多数を構成する個人ではない。言い換えれば、主として Windows 企業ユーザーに関係する記事をわざわざ TidBITS で取り上げるのか? そうではあるが、この分野で興味深いことをする Mac アプリが二つある。

最初のものは RansomWhere の無料の RansomWhere で、数学的な方法で可能性のある Mac 固有のランサムウェアの将来の出来事を阻止しようとする。多くのランサムウェアは背景であなたのファイルを音もなく暗号化し、そして少し時間が経ったところで身代金を支払うよう要求してくることで働く。その様な動きを検出しようとする努力の一環として、RansomWhere は暗号化されているように見えるファイルの作成を直ぐに始める信頼出来ないプロセスを監視する。もしその様なことが起これば、それはダイアログを示し、その攻撃的なプロセスを中断するか、或いはそれが誤認警報であれば動作の継続を許すかの選択を求める。私がこれを May 2021 にインストールして以来、幾つかの懸念あるプロセスを検出したが、報告して来た名前とパスを調べてみたら、全ては明らかに正当なものであった:Adobe Acrobat, Adobe Creative Cloud, Adobe Reader, Backblaze, Google Chrome, Microsoft Edge, そして SuperDuper である。RansomWhere は邪魔くさく感じさせることは殆どなく、私は喜んでそれを走らせている、勿論、将来の Mac ランサムウェアはこの検査を明示的に避けることは可能だと認識はしている。

RansomWhere false positive alerts

二つ目は昔からある Retrospect バックアップアプリである。バックアップは色々な問題に対する解であり、ランサムウェアもその一つである - たとえランサムウェアの餌食なったとしても、バックアップから復元出来れば身代金を支払う必要はない。この方法を阻止するために、ランサムウェアは背景で長い時間を掛けて静かに働きあなたのバックアップを役に立たない暗号化データで埋めてしまう。時には、直接バックアップを攻撃して復元を阻止しようとすらする。

そのバックアップデータを保護するため、Retrospect 18 は Cloud Object Lock と呼ばれるクラウドストレージ機能、非公式には変更不可能なストレージとして知られている、に対するサポートを追加した。それは、WORM(write once read many) と呼ばれる一種の物理的ストレージを再現する - CD-R や DVD-R 機器を思い浮かべてみて欲しい。対応するクラウドストレージ (Amazon S3, Backblaze B2, Google Cloud Storage, Microsoft Azure Blob Storage, MinIO, そして Wasabi) 上の Retrospect バックアップに対して Cloud Object Lock を有効にすると、一つのバックアップがどれ位の期間どんなユーザー、そこにはルートレベルでの権限を得たランサムウェアも含まれる、による変更に対してもロックするかを決める保持方針を設定出来る。たとえランサムウェアがあなたの稼働中のデータを暗号化しそしてその時点からのバックアップを役に立たないものとしても、歴史的なバックアップが削除され、上書きされ、或いはどんな形でも破壊されることはない。

画像内テキスト認識ユーティリティ(続き)

数ヶ月前、私は "TextSniper と Photos Search で画像の中のテキストを扱う" (23 August 2021) で、間もなく Apple の Live Text 機能により占められるべき運命にあった領域で活動している二つのアプリについて書いた (Live Text については後に "iOS 15 と iPadOS 15、Live Text でどんなテキストでもデジタイズする" 4 October 2021 で取り上げた)。TextSniper は Mac 上の画像からテキストをコピーさせてくれ、そして Photos Search は iOS, iPadOS, そして macOS の写真で検出されたテキストに対して検索させてくれる。私がこれらの記事を書いた時に理解していなかったことは、Bob Stern がコメントで指摘してくれたことであった - つまり、これらの機能は、Apple が昨年 Vision フレームワークの中の Text Recognition 部分で OCR エンジンを開発者に開放したことによることであった。そのサポートのお陰で、かなりの数の他のアプリも OCR 機能を付け加えた。例を挙げると:

今週はこんなところだが、お伝えする価値のある小さな情報をこれからも集めていきたいと思う。

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Julio Ojeda-Zapata Josh Centers  訳: Mark Nagata   

第3世代 AirPods の第一印象

Apple の新しい第3世代 AirPods をレビューしようとはしてみたものの、これほどパーソナルなデバイスをいったいどうやって評価すればよいものかと、私たちは頭を抱えてしまった。AirPods は、実際に身体の中へ挿入して使う Apple 製品としては (現時点で) 初めてのものであって、快適さや音質に関する問題は極めて主観的なものだ。

たまたま私たち TidBITS スタッフのうちの2人が、この製品を入手して使ってみようと心を決めた。Julio Ojeda-Zapata は以前から製品レビューの筆者として Apple のオーディオ製品に注意を向けてきたし、その証拠としてモンスター級の製品比較スプレッドシートさえ作っている。一方、Josh Centers は長年使ってきて調子が悪くなっている第1世代 AirPods を、これを機会に買い換えようと決断した。

Third-generation AirPods

Julio と Josh はお互いのメモを見比べながら、何を優先するかについても受けた印象についても2人の間に大きな違いがあることに気付いた。Julio は Apple のオーディオテクノロジーの最新最良のものに歩調を合わせようとしているが、Josh は2世代前の製品からのジャンプをした。(AirPods Pro を勘定に入れるなら3世代前だが。) 皆さんも2人のメモを参考にしつつ、$179 を払って第3世代 AirPods を購入するかどうかの決断をして頂きたい。

第3世代 AirPods は一連の製品の中でどんな立ち位置にいるか

Julio の比較チャートが Apple とその子会社 Beats によってリリースされたあらゆるイヤーバッドやヘッドフォンを詳しく調べ上げているが、まずここで第3世代 AirPods について簡単に要約しておこう:

デザインと快適さ

AirPods は耳に入れて使うものなので、快適さは重要だ。耳の中にどれほどしっかり留まるかも重要だ。

Julio: Apple が AirPods の基本的工業デザインをいじったりしなかったのはうなずける。丸みを帯びたバッドがぴったりと耳に収まり、マイクの軸が下向きに伸びる、といったことだ。このデザインがうまく機能しているからこそ、こんなに人気があるのだから。

Josh: 私が新型 AirPods で最初に気になったのは、バッドが非常に大きくなってしまったことだ。初代の AirPods は私の耳にぴったりと収まったのに、新しいものは大き過ぎて快適さに劣る。妻は初代の AirPods でさえ苦痛だと思っていたので、新しいのを買ったらという私の提案は却下された。

AirPods Pro, Third-generation AirPods, Second-generation AirPods
左から右へ順に、AirPods Pro、第3世代 AirPods、第2世代 AirPods

Julio: 私が快適さについてあまり触れないのは、個々のユーザーによって違うからだ。でも、あくまでも私の場合の話だが、私は第2世代と第3世代の AirPods はどちらも感触が好きだ。

私は自宅の仕事部屋にさまざまのレビュー用ユニットのイヤーバッドやヘッドフォンを置いているけれど、どれか特定のものをテストしている場合でなければ、第2世代 AirPods を選んで自宅のあたりで使っていることが一番多い。シンプルで満足感を与えてくれるからだ。第3世代 AirPods についても同じことが当てはまると思う。軸部分が短くなって AirPods Pro と似た見栄えになったのも嬉しい。

でも、第3世代 AirPods にはシリコン製のイヤーチップも外耳道を密封するものもない。第2世代 AirPods も同じだ。密封されないことで、騒音の多い場所、例えばバスや電車の中ではほとんど役に立たない。旅行用には全然使えない。これこそ、リリースされたばかりの Beats Fit Pro に私が魅力を感じている理由だ。こちらは AirPods Pro に似たシリコン製のイヤーチップも付いているし、アクティブノイズキャンセリング機能もある。

Josh: 私は外耳道の中に異物が入っているのは耐えられないので、第3世代 AirPods でさえちょっとぴっちりし過ぎていると思うけれども、イヤーチップが耳の中に入っているよりはマシだ。一時期は第3世代 AirPods でなく AirPods Pro を買おうかと思った (セールで同じ値段になっていることが多い) けれども、イヤーチップがあるので断念した。

Julio: Apple は AirPods をスポーツ用のイヤーバッドと位置付けているような気がする。耐汗性能が付いたからだ。その点はうなずけるけれども、私なら屋外で運動するときに使おうとは思わない。耳から落ちてしまうのが心配だからだ。耳に掛けるループもなければ耳の中に保持するインイヤー・ウィングチップもない。これもまた、私が Beats Fit Pro の方を向いてしまう理由だ。こちらはウィングチップがイヤーバッドを耳に保持する役に立つ。でも屋内では、自転車マシンやクロスカントリー・スキーマシンを使うときに第3世代 AirPods が理想的だ。それより前の世代のものは、耐汗性能がないので一度も使ったことがない。だから、第3世代になってその問題がなくなったのが特に嬉しい。

Josh: 私は第1世代 AirPods をランニングに使ったことがあるけれど、落ちたことは一度もなかった。私の耳が小さいということなのかもしれない。けれども、着けたままで寝てしまうと、ベッドの中でどこかへ行ってしまう。第3世代 AirPods を耳に着けたままで眠ったことがあるけれども、目覚めたらまだ耳にあった。大きいイヤーバッドにも利点はあるということだ。

MagSafe 充電ケース

AirPods の表面は滑りやすいので、充電ケースから取り出すのがなかなか難しい。その点、第3世代 AirPods になって改善したのだろうか? あと、第3世代 AirPods で新しくなったものとして MagSafe 互換なワイヤレス充電ケースがある。

Josh: 第3世代 AirPods ではマイクの軸が短くなりイヤーバッドが大きくなったので、Apple は新しい充電ケースを 90 度回転させて、サイズはほんの 1 ミリか 2 ミリしか増やさず、重量はこれまでと同じにした。イヤーバッドの面が初代の AirPods のように内向きでなく外向きになって、ケースに入れるのが楽になった。残念なことに、私の場合そのためケースから取り出す際に落としてしまう可能性が高まったようだ。

Julio: 第1世代と第2世代の AirPods ではケースからあまりにも取り出しにくいのが大嫌いだった。とにかく掴みにくい。第3世代 AirPods になって、形が変わったこともあるのかもしれないが、取り出しやすくなったと思う。

Josh: 私は頑固に iPhone 11 Pro を使い続けているので、MagSafe アクセサリーは一つも持っておらず、この機能は私にとってどうでもよい。Qi 充電器は使うけれども、フラットなパッドでなく垂直に立てて使うスタンド型のものしか持っていない。ベッドの横に置いてある Qi 充電スタンドに AirPods ケースを置いてみたけれども、使い物にならなかった。実際の充電部分が台より 2 インチほど上のところにあるので、AirPods ケースでは全然届かない。

Julio: 根幹を成す機能ではないと分かっていても、私は妙にワクワクした気持ちになった。Apple MagSafe パックを (加えて Nomad 磁気充電パッドも) もともと家にあるので、AirPods ケースがパチンと所定位置に嵌ったときにはちょっとスリルを感じた。

私は少々強迫神経症持ちなので (鉛筆をきちんと並べないと我慢できない The Incredibles の悪い上司みたいだ)、ケースの完璧な位置取りにはカタルシスを感じる。磁気非対応の充電パッドでは簡単にケースの位置を調整できるので本当は磁気による位置取りは不要なのだが、(卓上充電スタンドや自動車のダッシュボードの充電器など) 角度の付いた磁力面の場合はとても役に立つ。MagSafe パック用の切り欠きの付いた Nomad の傾斜したスタンドで試してみたが、素晴らしくうまく行った。

コントロール

新型 AirPods のコントロールは、従来世代のものと比べてどうだろうか?

Josh: 旧型の AirPods はタップしてコントロールした。まるでSF映画のようでクールに思えたが、自分の鼓膜を直接タップしているように感じられることがあまりにも多かった。けれども第3世代 AirPods で、Apple はタップによる操作に代えてマイクの軸を押すようにした。つまり AirPods Pro の動作を真似た。また、Apple はこの軸の長さを短くして AirPods Pro と似たものにした。

その組み合わせのせいで、少々残念な事態が生じる。短くなった軸を指でつまむのがちょっと難しいのだ。指でつまめば Force Touch のフィードバックがあるはずなのだが、Apple Watch や Magic Trackpad ほどにははっきりと感じられない。むしろ、指でつまめば耳にクリック音が聞こえる感じだ。

デフォルトで、軸をつまめば再生または一時停止し、軸をつまんでそのまま数秒間押し続ければ Siri が起動する。この機能はうまく働いていて、Mac とペアリングされていても問題ない。

Julio: Josh と違って、私は短い軸の方が好きだ。私には旧型の長い軸は間が抜けて見える。今はもう、第1世代と第2世代の AirPods のタップによるコントロールがどんな風だったかなど、もう思い出せない。いずれにしてもその頃はタップの動作をする度に何か落ち着かない気持ちになった。対照的に、私には AirPods Pro の感圧センサーの方が断然直感的で快適に使えるので、第3世代 AirPods にそれが引き継がれたのは嬉しい。

空間オーディオ

第1世代と第2世代の AirPods の間で最も大きくアップグレードされたものの一つが空間オーディオだ。空間オーディオの背後にあるアイデアは、複数個の独立したスピーカーを使ったサラウンドサウンドシステムをシミュレートして、まるで映画館にいるかのようにあらゆる方向からのサウンドで包み込むというものだ。

Julio は自分の聴覚が違いを聴き分けられないと思うという理由でこの方面のテストを辞退した。ただ、第3世代 AirPods のサウンドは全体的に好ましいと思っている。Josh は次のような印象を受けた。

Josh: Apple は空間オーディオがサラウンドサウンドをシミュレートすると主張している。私が 2 台のリアスピーカーと 1 台のサブウーファーを持つ 5.1 Vizio サウンドバーとの比較テストをしてみたところ、結果はまちまちだった。

空間オーディオを有効にしなければ、音楽の音質は初代の AirPods と同じ程度だった。空間オーディオを有効にすると、最もはっきりした違いは音量が下がったことだった。空間オーディオを聞くには、ヘッドトラッキングをオンにした場合とオフにした場合の2種類の方法がある。空間オーディオの環境設定は iPhone の Control Center で音量スライダーを押して押さえ続けることでできるようになる。

私は音楽でヘッドトラッキングを使うのはあまり好きでない。トラックによっては、特に Beatles カタログなどのようにもともとモノラルで録音されたものでは、自分の目の前にスピーカーがあるように聞こえ、頭を傾ければ片方の耳だけから聞こえてもう片方からは何も聞こえなくなる。自分が頭をどう回転しているかばかりに注意が向いて、音楽から気が散ってしまう。もっと高度な装備を使って録音された新しいトラックでは空間オーディオの効果がより良く聞こえるけれども、だからと言って私の気持ちを変えるほどではない。

ところが、映画の場合は全く様相が違う。私が最初にテストした映画は Dennis Villeneuve 監督による新作の Dune で、そのビジュアルに評判が高いが、没入型のサウンドデザインにもっと高い評価がなされてもよいと思う。(ただ、Hans Zimmer のスコアは素晴らしいけれども、Toto の 1984 テーマほどの心に残る壮大さには欠けている。) この新作の Dune のサウンドは第3世代 AirPods で聴いても Vizio サウンドバーに劣らないほどのものだった。ただ、一つだけ欠けていたのは超低音の生の迫力で、これはサウンドバーでなければ出せない。

私がもう一つテストした映画は The Matrix、具体的には私が 20 年以上にわたってサウンドシステムのテスト目的で使い続けている、ロビーでの銃撃戦のシーンだ。銃の音が苦手な人でなければ、このシーンにはあらゆる要素が詰め込まれているのでサラウンドサウンドシステムのテストに理想的だ。あらゆる方向からあらゆる種類の銃器からの銃撃が押し寄せ、薬莢が床に落ちる高音の響きや、鳴り響くアラーム、弾薬が切れた後にヒーローたちが繰り出す武道の技のシュッという音やヒューと鳴る音、そのすべてが The Propellerheads の楽曲 "Spybreak!" のベース音のリズムに支えられる。このシーンにはさまざまな音が飛び交い、どんなサラウンドサウンドシステムも真価を問われる。

第3世代 AirPods で空間オーディオをオンにしたサウンドはなかなか良かった。いや、素晴らしかったと言うべきだろう。ただ、本物のサラウンドサウンドを聴いていると錯覚させられるレベルには達していなかった。AirPods をけなしていると思わないで頂きたい。おそらくこれがイヤーバッドの物理的限界を示しているのだろうと受け取って頂きたい。

Mac ではこれに匹敵する体験は得られないかもしれない。空間オーディオに対応しているのは M1 ベース Mac のみであり、それも Apple の TV アプリと Music アプリでしか空間オーディオが動作しない。これは人為的な制約だろうと思われるが、ひょっとすると Apple silicon の中にある種の専用の信号プロセッサがあって、そのお陰で可能になっているのかもしれない。

音質についてあともう一つコメントしておこう。電話の通話のために AirPods を使うことは私の場合ほとんどないけれども、記事の準備のために Adam Engst と SharePlay をテストしながら、私は AirPods を使ってみた。驚いたことに、AirPods を通して聞く彼の声はすごく明瞭だった。おそらくこれは、HD 音声のために内蔵された AAC-ELD コーデックのお陰だろう。とりわけ、通話中に映画や音楽を再生している際に違いが分かった。背景でいろいろな音が行き交っていても、彼の声は歯切れ良く、はっきりと聞こえた。

デバイスの自動切り替え

デバイスの自動切り替えは、現在どのデバイスを使っているかに応じて AirPods の接続先を iPhone、iPad、Mac の間で切り替える。Josh と Julio の2人とも、これが約束通りには機能しないことに気付いた。

Josh: 理論的には、この機能は素晴らしく聞こえる。でも現実には、ひどい。私は大嫌いだ。これは、次のように動作すべきだ:

  1. 私は何かを Mac で聴いている。
  2. それから iPhone でビデオクリップの再生を始める。
  3. すると Mac 上での再生が停止し、AirPods が Mac から iPhone に切り替わる。
  4. それから iPhone での再生を停止して、Mac 上での再生を再開すれば、AirPods はそのことに気付いて iPhone から Mac に切り替わる。

しかしながら、私が試したところ実際には次のように動作する:

  1. 私は何かを Mac で聴いている。
  2. それから iPhone でビデオクリップの再生を始める。
  3. すると Mac 上での再生が停止し、AirPods が Mac から iPhone に切り替わる。
  4. それから iPhone での再生を停止して、Mac 上での再生を再開すれば、オーディオがスピーカーから流れ始める。私はそんなことを望んでいない。ここから、すべてがおかしくなり始める。
  5. 理論的には、AirPods が iPhone に切り替わった時点で Mac 上に通知が出るべきだ。そこには Connect ボタンがあって AirPods を Mac に再接続できるようになっているべきだ。しかしながら、この通知は見逃しやすく、画面上にたった 20 秒間ほどしか表示されない。
    Moved to iPhone notification
  6. その代わりに、私はメニューバー上の音量アイコンをクリックして、手動で AirPods を選ぶ。理想的には、それで十分なはずだ。(実際、Adam Engst が私の手順を再現しようとするとそうなった。)
  7. しかしながら、私が目にするのは音量メニューの AirPods 項目の隣に回転し続けるアイコンで、その間もサウンドはスピーカーから流れ続ける。
    Mac audio output selector with the AirPods icon spinning
  8. きっと iPhone に AirPods との接続を解除させる必要があるのだろうと考えて、私は iPhone に戻ってオーディオ出力先を AirPods から iPhone のスピーカーに戻す。
  9. それから私はもう一度 Mac 上で AirPods を選び直すが、アイコンはまだ回転し続けている。
  10. メニューバー上の Bluetooth 項目から、私は AirPods との接続をいったん切り、それから再接続する。これでようやく Mac の再生が AirPods に復活する。

この Bluetooth の何らかの不具合と思われるものがたとえ私のところだけで起こるものだとしても、デバイス自動切り替え機能がこれではどうしようもない。結局 iPhone から Mac へ自動的に切り替えて戻ったことは一度もなかった。さきほどの、Connect ボタンを持つ一時的な通知が出たことがあったのがせいぜいだった。

全体的な体験を見直せば、まだまだ不十分な点が多い。デバイスの切り替えに際して、確認プロンプトが出るようになって欲しいと思う。ライブのストリーミングを聴いている最中に勝手に切り替えが起こって macOS に自動的に一時停止されてしまうのはひどく腹立たしい。私が最近 Apple の投資家電話会見を聴いている最中にもそれは起こった。

私が初めて AirPods を使い始めた頃に比べれば、デバイスの自動切り替えが随分改善されたとだけは言っておきたい。それが何らかの機械学習によるものなのか、それとも私がデバイスを使うやり方が無意識に変わったからなのかはよく分からない。いずれにしても、Mac と iPhone との間での切り替えは実際頻繁に使うので、今後この機能がもっと良くなることを願っている。

Julio: 私も Josh と同意見だ。デバイスの自動切り替え機能はひどい状態にある。私もやはりコントロールにこだわる人なので、Apple が行き当たりばったりのやり方を使う決断をしたのは我慢できない。私はあらゆる場所でこの機能をオフにしている。

その他の機能や考慮事項

マイクロフォンについて Josh: 私がいろいろ聞いたこと、例えば Rene Ritchie による比較から判断すれば、マイクロフォンのサウンドはどの世代の AirPods でもすべて同等らしい。通話には問題ないけれども、切羽詰まった事態でもない限りこれを使ってポッドキャストの録音やビデオの録画をしようとは思わない。

マイクロフォンについて Julio: 親しい人たちと AirPods で通話するのは、第3世代の AirPods でさえ良い時と悪い時の両方がある。私の声がよく聞き取れないと言われることが時々あるからだ。でも何の問題もない時もある。だから私は古い Lightning イヤーバッドを常に携帯するようにしている。これなら常にうまく働くからだ。

Hey Siri について Josh: AirPods が iPhone か iPad に接続されている状態では、"Hey Siri" と言って Siri を呼び出せる。Mac でも動作するけれども、そのためには System Preferences > Siri で "Listen for 'Hey Siri' on headphones" をオンに設定しておく必要がある。

Hey Siri について Julio: この機能は、理論的には素晴らしい。でも、私の場合 Siri がそれほど役に立つとは思えないし、少なくともモバイルの状況ではなおさらだ。だから私は AirPods で Siri を呼び出そうと思ったことは一度もない。

通知の読み上げについて Josh: 初めて聞いたという人がいるかもしれないもう一つの機能が、通知の読み上げだ。Apple はこの機能を第2世代 AirPods で導入した。AirPods を装着している状態で通知が届けば、Siri が AirPods を使ってメッセージを読み上げてくれる。なかなかうまく動作するけれども、次々と通知が届いた場合には煩わしく思うかもしれない。でも、これはアクセシビリティの観点からは素晴らしいことだ。(Adam から聞いた話では、立て続けに多数の通知が届いた場合、iPhone がこの機能を一時的にオフに切り替えますかと尋ねてくるらしい。私はまだそんな状況を経験したことがないが。)

通知の読み上げについて Julio: 私は毎日まさに津波のように大量の通知を受けているので、こんな読み上げ機能を我慢できるなど思いも寄らない。自分の好きなタイミングで iPhone の画面上で最近の通知をスクロールして見る方がずっと好きだ。

ノイズキャンセリングについて Josh: 第3世代 AirPods の大きな欠点の一つが、AirPods Pro には搭載されているアクティブノイズキャンセリング機能を持たないことだ。わが家には幼い子供が 3 人いるので、騒音をキャンセルできれば素晴らしいと思う。でも私にとっては、低価格と、耳の中にイヤーチップを入れずに済むことの方がノイズキャンセリングの欠落よりも重大だ。

ノイズキャンセリングについて Julio: 第3世代 AirPods にはアクティブノイズキャンセリング機能とそれを補う外部音取り込みモードがない。Josh のような人たちのために Apple がこれらの機能を製品差別化要因として取り置いたのはうなずけるのだが、ほんの少しだけ価格の高い Beats Fit Pro がそれらの機能をちゃんと備えている。どちらも H1 チップを備えた Apple 中心のイヤーバッドであるなら、そちらを買わない理由があるだろうか? それはそうとして、私には AirPods Pro と Beats Fit Pro のアクティブノイズキャンセリング/外部音取り込みの機能はそれほど良いとは思えない。AirPods Max の方がずっと素晴らしく働くけれども、もちろんこちらのヘッドフォンはすごくかさばるし、すごく高価だ。

Find My 対応について Josh: 私が AirPods をなくすことは滅多にないけれども、この機能があるのは良いことだと思う。私が正真正銘 AirPods をなくしてしまったことが一度あって、妻の実家のソファの上に落としてしまったのだが、第1世代 AirPods の原始的な Find My 対応がその際には役に立って、見つけることができた。けれども、もしも自宅の中でどこかに置き忘れてしまったとなれば、あの原始的な機能だけでは実際役に立たないだろう。第3世代 AirPods なら、Find My アプリを開けば近くのどこにあるかのおおよその目星がつくことだろう。

Tracking AirPods with Find My

Find My 対応について Julio: 私はひっきりなしに AirPods をなくすので、自宅で見失えばビープ音を鳴らせるのはありがたい。でも、ビープ音を頼りに探すのは試行錯誤なので、AirPods Pro と AirPods Max にあった Find My ネットワーク対応がここにも実現されたのは嬉しい。第3世代 AirPods が Bluetooth 電波到達領域の外にあったとしても (例えばバス停で落としたとしても)、その近くにある Apple デバイスが場所を見つけてくれて、地図上に示されるからだ。AirTags の場合と同じことだ。もし自宅の中のどこかにあれば、Find My の近接表示画面を iPhone 13 Pro Max で開くことで、AirTag と同じように、迷子のイヤーバッドの場所が分かる。また、私は AirPods を置き忘れた場合に備えて手元から離れたときの通知を設定している。

肌検出について Josh: AirPods は、耳から取り出すと自動的にオーディオを一時停止し、耳に入れ直すとオーディオを再開する。Apple は当初からこの機能をものにしてきたが、新型 AirPods でははっきりと反応が早くなったのが感じられる。さきほども触れた肌検出センサーと、加速度計との組み合わせのお陰だ。大幅な進歩というほどではないが、確かに違いを感じる。

肌検出について Julio: 耳の探知は私の場合初めから確実に動作しているので、進歩を望んでいた訳ではなかったが、Apple は同じように確実な動作を提供してくれた。肌検出センサーのお陰で AirPods は耳の中にあるのかそれともポケットの中にあるのかを識別でき、再生のオン/オフをより正確にできるようになる。それはその通りだが、私には既に良いシステムであったものがそれ以上大きく進化したとは感じられなかった。

寿命に対する Josh の懸念

私は、$179 を払って AirPods をアップグレードする前にかなり躊躇した。価格に躊躇したというよりも、寿命に関する懸念と、修理が不可能であることへの不安からだ。ずっと使ってきた初代の AirPods は大好きだったが、一年ほど経つと品質低下の兆候を見せ始めた。バッテリー寿命もそうだし、接続の信頼性もそうだ。私は定期的に清掃することで何とかだましだまし使い続けてきたが (2019 年 7 月 3 日の記事“Apple ハードウェア問題を念入りな清掃で解決”参照)、5 年も経てばもはや死んだも同然だ。

Dirty first-generation AirPods
Apple の如才無いマーケティングはどうあれ、これこそ数年経った AirPods の真の姿だ。

テクノロジー機器として 5 年の寿命は悪くはない。でも私の AirPods の場合、そのうち何年かは何もせずに棚の上に置いたままだった。かなり長い間、もう使う価値もなかったからだ。時間が経てばバッテリーが劣化するのは当然だが、第3世代 AirPods はもっと長い間信頼性を保てることを期待している。それには理由が2つある:

それでもなお、イヤーバッドとケースの双方でバッテリーを交換できるようになればいいのにと私は思っている。Apple が環境問題に重点を置いていることを考えれば、この会社がもっと本腰を入れてこのことにも取り組んでほしいと思うのが自然だろう。Apple は AirTag については耐水性能と簡単に交換できるバッテリーとの双方を実現しているではないか。

今回購入した第3世代 AirPods のバッテリーが劣化の兆候を見せ始めれば、Podswap を試してみようかとも思っている。AirPods を交換して再生することでゴミにしないためのサービスだ。(2021 年 4 月 16 日の記事“古くなった AirPods を Podswap でリフレッシュ”参照。)

第3世代 AirPods は購入する価値ありか?

核心に迫ろう。はたして Josh と Julio は、第3世代 AirPods をお金を払って購入する価値のある製品と思ったのか?

Josh: 私は自分のお金を払って今回の AirPods を購入したのだが、大き過ぎるイヤーバッドと、着けていてあまりにも不快なことから、返品することも考えた。今でもまだ大き過ぎるイヤーバッドは気に入らないが、子供たちを刺激せずにビデオやポッドキャストを聴くために AirPods を再び持つことができたのはありがたいと思うようになった。オーディオの改善のお陰で、たまに映画を楽しみたいと思うような時にも助けになる。

確かに $179 というのは決して安くはないし、もっとずっと安い値段で良いイヤーバッドやヘッドフォンを買うことができる。でも、この第3世代 AirPods では Apple 統合のあらゆる利点が得られる上に、それ自体良い製品でもある。この AirPods がこれから 5 年間確実に仕事をしてくれたなら、私は満足だ。でも、もしも寿命が私の第1世代 AirPods より短ければ、私の満足度はぐっと減るだろう。

その一方で、私は 2007 年に $75 で買った Sony MDR-V6 ヘッドフォンを今もまだ使っている。ただし数年前に耳当てとケーブルは買い直したのだが。でも、これもまた比較するのは難しい。なぜなら、この MDR-V6 のケーブルは太くて、ベッドの中や外出先ではあまりにも扱いにくいからだ。

Julio: 私は第3世代 AirPods をそのありのままの状態で大好きだ。Apple らしいイヤーバッドで、使って楽しく、楽に使える。長い間、他にいろいろ選択肢はあると知っていても、やはり自宅の中では第2世代 AirPods を使ってきた。それはとてもうまく働いてくれるからで、そのことは新しい AirPods がきちんと引き継いでくれるだろうと思う。

でも、これにはいくつか制約があって、私にはとても気になる。だからこそ私の気持ちは Beats Fit Pro イヤーバッドに向きかけているのだ。これは、アクティブノイズキャンセリングなど Apple グレードのソフトウェア機能を持ちつつ、ワークアウト用にはウィングチップのような物理的機能も持つ。

だから、レビュー用に受け取ったユニットで再生を大いに楽しんできたけれども、自分で $179 を出してまで第3世代 AirPods を購入したいとは思わない。Fit Pro イヤーバッドの方はそれよりたった $20 高いだけだからだ。私の記事“Beats Fit Pro は第3世代 AirPods の良い代替品”(2021 年 11 月 14 日) をご覧頂きたい。

選択肢があるのは良いことだ。

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Julio Ojeda-Zapata  訳: Mark Nagata   

Beats Fit Pro は第3世代 AirPods の良い代替品

新型の AirPods がファンファーレをもって迎えられたが、イヤーバッドとヘッドフォンのメーカー Beats By Dre からの新リリースにはあまり注目が集まらなかった。ここは、Apple の子会社だというのに。(2021 年 7 月 19 日の記事“Apple/Beats オーディオ機器を選ぶ究極のガイド”参照。)

皆さんが Beats Fit Pro イヤーバッドについて聞いたことがなくても不思議ではない。これは Apple の第3世代 AirPods が出たほんの1週間後に登場した製品だ。(2021 年 10 月 18 日の記事“Apple、第3世代 AirPods を発表、HomePod mini と Apple Music を調整”と 2021 年 11 月 14 日の記事“第3世代 AirPods の第一印象”参照。)

ただ、(Ted Lasso の口癖ではないが) そろそろちゃんと取り組む時が来た。なぜなら、この $199 の Beats Fit Pro を $179 の AirPods に代わってあなたの次の Apple イヤーバッドにするべきちゃんとした理由があるからだ。

Beats Fit Pro

Apple イヤーバッドの世界情勢を最新情報を盛り込んで包括的にまとめた概観として、私が Apple と Beats のオーディオ製品 ( 最近廃番となった製品や、歴史的興味のある製品も含む) の機能を比較してまとめたメガチャートをご覧頂きたい。

その中身は AirPods

Beats Fit Pro には、一見してそれと分かる AirPods らしさはない。見た目はむしろ地味で、2021 年 6 月にリリースされた Beats Studio Buds に似ている。

けれどもこの Fit Pro イヤーバッドは基本的にその内部は AirPods であり、Studio Buds とは性格が異なる。Studio Buds は風変わりな MediaTek TWS チップを使っていて、そのことが Apple 寄りの機能を持つことを妨げていた。今回の Fit Pro イヤーバッドはすべての AirPods モデルで標準の H1 チップを使っているので、オーディオ共有、ワンタッチのペアリング、Apple デバイス間での自動切り替え、ハンズフリーの Siri アクセスなどの機能が可能となる。

この Fit Pro イヤーバッドはそれ以外にも高度な AirPods 機能を搭載する。具体的には:

物理的デザイン

Fit Pro イヤーバッドは明らかに見た目が AirPods とは違う。まず、カラーがパープル、グレイ、ホワイト、ブラックから選べる。

Beats Fit Pro colors

また、AirPods には昔からある下向きに伸びたマイクロフォンの軸がなくて、Studio Buds のものに似たほんのちょっとした膨らみがある。Studio Buds と同じように、ここにある物理的ボタンを使って電話に出たり音楽の再生を始めたりする。このボタンは第3世代 AirPods (とそれより古くて高価な AirPods Pro) の軸部分にある感圧センサーを使ったつまんで操作するコントロールとは大きく違っている。私は感圧センサーが好きで、Beats のボタンは少々使いにくいと同時に意図せず押してしまうこともあるが、だんだん慣れつつある。

軸がないことで、Fit Pro イヤーバッドは驚くほどコンパクトだ。(そのためなくしやすいとも言えるので、そこは注意しよう。) Beats によればそのお陰で「史上最小の筐体」となっているというが、Fit Pro の方が 30% 多くのコンポーネントを詰め込んでいる。充電ケースのサイズはまあまあ良いが、第3世代 AirPods のケースよりほんの少し大きい。

アスリートたちのことを考慮して、Beats はこのイヤーバッドに柔軟性のある、カーブした“ウィングチップ”を取り付けて、激しい運動をしてもしっかりと耳に固定されているようにした。私の耳では、(外耳道のすぐ脇にある) 耳甲介舟 (_cymba conchae_) と呼ばれる耳の凹んだ部分にこのウィングチップがそっとフィットして、頭をどんなに揺すっても外れることはない。

A woman with Beats Fit Pro in her ears
これは私の自画像写真ではない。

Beats は、他のイヤーバッドメーカーがしたことがあるように交換可能なウィングチップをいろいろなサイズで出すこともできただろう。でもそうする代わりに、フリーサイズのウィングチップにしてボタンの膨らみの部分と一体化させた。Beats は「どんな形や大きさの耳でもイヤーバッドの安定性と快適性が得られるよう最適の柔軟性を提供した」と述べている。それが真実であるか否かは、Fit Pro イヤーバッドが広く行き渡るようになれば判明するだろう。

Squeezing Beats Fit Pro wingtips

私はこのウィングチップの快適性には少し難点があるように感じたが、いずれ慣れるのだろうと思う。

Fit Pro イヤーバッドが私の耳にしっかりとくっついているのにはもう一つ理由がある。それは、Studio Buds や AirPods Pro と同じようにシリコン製の外耳道内チップを使っていて、十分な密封と、パッシブなノイズキャンセリングを提供しているからだ。他のモデルと同様に、Fit Pro イヤーバッドにも異なるサイズの 3 個のイヤーチップが付属していて、最もフィットするものを選べるようになっている。今やお馴染みとなったチップテストを H1 チップが実行して、フィットしているかどうか判定する。第3世代 AirPods にはこの種の機能は何もない。

オーディオ機能

Fit Pro のオーディオ機能の中には AirPods Pro から借用したものがいくつかあって、第3世代 AirPods にはない利点を提供している。

まず、アクティブノイズキャンセリング機能が、シリコン製のイヤーチップが提供するパッシブノイズキャンセリングと相まって外部のサウンドを遮断すると同時に、それを補う外部音取り込みモードが外部の音を取り入れて周囲の音に気付けるようにもできる。左右どちらかの機械的ボタンを長押しすることでモードを切り替える。どちらのモードも使っていない場合は、Fit Pro イヤーバッドはデフォルトとしてアダプティブ EQ を使う。

外部音取り込みモードはなかなかうまく動作するが、Fit Pro のアクティブノイズキャンセリング機能はあまり良くないと私は思う。皿洗いをしていると台所の蛇口から流れる水の音が全然キャンセルされないし、妻の運転で助手席に座っている間も車の大きな音は全然消えない。この種の背景雑音は単に少し抑えられるだけだ。

でも、Fit Pro のアクティブノイズキャンセリングでもないよりはずっとましで、その機能のない第3世代 AirPods よりも優れている。バスや電車の中のような騒音の多い場所では、Fit Pro イヤーバッドは使えるけれども AirPods は使い物にならない。

AirPods の利点

第3世代 AirPods の方が優れている点についても触れておくべきだろう。

その一つに MagSafe がある。第3世代 AirPods の充電ケースには、従来のワイヤレス充電機能に加えて磁気接着機能がある。Fit Pro の充電ケースにはワイヤレス充電機能がないので、ケースに内蔵された USB-C ポートを通じて充電しなければならない。

もう一つは湿気に対する保護だ。Fit Pro イヤーバッドは IPX4 レベルの耐水機能を備えていて汗や水しぶきから守られ、その点は第3世代 AirPods も同じだ。けれども Fit Pro の充電ケースにはそのような耐水機能はなく、第3世代 AirPods のケースは湿気に対する保護を提供する。

さらに、Find My 対応もある。他の Apple 製オーディオ製品と同じく、なくした場合に Fit Pro イヤーバッドにビープ音を鳴らさせることはできる。また、Bluetooth の電波到達領域内にあって電源が入っていれば現在位置を地図上に表示させることができ、領域外にあったりバッテリーが死んだりすれば、最後に探知された位置を知ることができる。

けれども第3世代 AirPods はハイエンドの AirPods 製品から受け継いだもっと高度な Find My ネットワーク機能に対応している。AirTag と同じようにその近くにある Apple デバイスが場所を見つける助けとなるので、取り戻せる可能性が高まる。iPhone 画面の近隣表示が、より精密な情報で迷子のイヤーバッドへと導いてくれる。また、AirPods を置き忘れた場合に備えて手元から離れたときの通知を設定することもできる。(そうは言っても、私の iPhone 13 Pro Max で試したところ近隣表示を使いこなすのにかなり苦闘する羽目になった。過去に AirTags を追跡した際にはそんな問題は起こらなかったのだが。)

Beats は続く

一見してそれと分かる AirPods らしさの美学を失っても大きな問題ではないと思えるのならば、Fit Pro イヤーバッドを強く推すべきちゃんとした理由がある。外見の見栄えはさて置き、Fit Pro イヤーバッドはすべての AirPods モデルで標準の H1 チップを搭載しているお陰で根っからの Apple 製品だという感触を与える。ウィングチップのデザインのお陰でワークアウトの最中にも耳から外れる心配がないし、充電ケースに湿気からの保護と MagSafe が欠けているとしてもそれだけでは決定的な問題とは言えない。カスタマイズ可能なイヤーチップも付いており、アクティブノイズキャンセリング機能と外部音取り込みモードもある。

価格は $199 で、いろいろな意味で機能の劣る第3世代 AirPods よりもたった $20 高いだけだ。実際、Fit Pro イヤーバッドは AirPods Pro に匹敵すると言ってもよい機能を $50 安い価格で提供する。

だから、第3世代 AirPods と AirPods Pro とのどちらにお金を払おうかと考えている人には、その前に Beats Fit Pro を本気で考慮してみられることをお勧めしたい。こちらの方が良い選択肢だと思えるかもしれないから。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Keyboard Maestro 10.0

Keyboard Maestro 10.0

Stairways Software の Peter Lewis が Keyboard Maestro 10 をリリースした。この人気の自動化およびクリップボード用ユーティリティへの、大幅なアップデートだ。この新バージョンでは広範囲に変更が施され、メニューバー上に情報とカスタムメニューを表示する機能を追加するとともに、マクロエディタに数多くのインターフェイスの調整とメニューコマンドを加えて改良し、サブルーチンへの対応を追加した。新しいトリガーは Mac のロックを外した際、電源を接続したり取り外したりした際、あるいはシステムのアピアランスを変更した際にマクロを実行できる。(例えば Dark モードとの切替に基づいてマクロを呼び出すこともできる。) 新しいアクションとしては Paste by Name (これを使ってクリップボード履歴の Spotlight 風検索ができる)、Prompt for Screen Rectangle または Location (ユーザーに画面領域を選択させる)、時間のかかるタスクのための Display Progress、Pause Until Change (システムのいくつかの状況が変化するまで待つ) その他がある。それ以外にも数多くの新しいフィルター、トークン、ファンクションがあって、AppleScript やシェルスクリプトを使う必要なしに大幅に進化したパワーを提供する。マイナーな変更やバグ修正もいろいろあって、中でもちょっと面白いのが「Report Bugs フォームの Send ボタンが有効にならなかったバグ (皮肉だ)」の修正だ。Keyboard Maestro 10 は macOS 12 Monterey と互換で、M1 ベース Mac ではネイティブに動作する。従来のバージョンからのアップグレード料金は $25 だが、2021 年 12 月 15 日までに限りバージョン 9 のオーナーは $18 でアップグレードできる。2021 年 3 月 1 日以降に購入した人は無料アップグレードを入手できる。(新規購入 $36、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、アップグレード $25、34.3 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

Keyboard Maestro 10.0 の使用体験を話し合おう

Bookends 14.0.2

Bookends 14.0.2

Sonny Software が Bookends 14.0.2 を出した。新しい PDF 注釈ポップオーバーを組み込んだ、メンテナンス・リリースだ。PDF でテキストを選択すると、小さなフローティングウィンドウを使ってハイライト色を設定したり、テキストに下線を付けたりコピーしたり、新規のノートカードや PDF ノートを作成したり、テキストを引用としてコピーしたりできる。この参照文献管理ツールはまた、PDF のハイライト色を設定するインターフェイスを改善し、PDF ビューワで Make Note にキーボードショートカットを追加し、PubMed Central からの PDF の自動取得を有効にし、ライブラリが Bookends iOS 同期フォルダの中にない場合にも iCloud Drive の中に保存されていれば同期の警告を出すようにし、macOS 12 Monterey の下で PDF ファイルタグの編集が正しく働くようにし、簡潔表示でファイルタグの名前が正しくない色で表示されることがあったバグを修正した。(新規購入 $59.99、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、98.8 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

Bookends 14.0.2 の使用体験を話し合おう

Live Home 3D 4.2

Live Home 3D 4.2

BeLight Software がインテリアおよびエクステリア用住居デザインソフトウェア Live Home 3D のバージョン 4.2 を出した。100 個のアプリ内クリスマス装飾 (Standard 版と Pro 版双方で無料) を追加した、メンテナンス・リリースだ。また、今回のリリースでは macOS 12 Monterey 互換性を追加し、Material ライブラリに雪の素材を追加し、植物の 2D 表現の新しいコレクションを提供し、OBJ ファイルフォーマットの 3D モデルの読み込みによって時々起こったクラッシュを修正し、一部のプロジェクトで OBJ ファイルフォーマットへの書き出しに起こった問題を解消し、カメラの 3DS フォーマットへの書き出しに関する問題に対処した。(BeLight からも Mac App Store からも新規購入 $29.99、無料アップデート、443 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

Live Home 3D 4.2 の使用体験を話し合おう

Hazel 5.1

Hazel 5.1

Noodlesoft が Hazel 5.1, をリリースして、macOS 12 Monterey で Shortcuts を走らせる機能への対応を追加した。また、AppleScript を使って Hazel の run 状況や任意のルールのアクティブ状況を制御できるようになった。加えて、このファイル自動化ツールへの今回のアップデートでは SFTP 用に ecdsa および ed25509 鍵への対応を追加し、Date Taken (Hazel) アトリビュートが画像だけでなくビデオにも働くようにし、プレビューやルール状況でルールの評価エラーがあった場合に起こったクラッシュを解消し、ヘルプポップアップが呼び出されなかったバグを修正した。(新規購入 $42、5 名のファミリーパックは $65、無料アップデート、20.8 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

Hazel 5.1 の使用体験を話し合おう

EagleFiler 1.9.6

EagleFiler 1.9.6

C-Command Software の Michael Tsai が EagleFiler 1.9.6 を出して、macOS 12 Monterey の Mail エラーによりキャプチャーキーが働かなくなった問題を回避した。この書類整理およびアーカイブ作成用アプリは今回、選択されたメッセージの IMAP キーワードを EagleFiler の中にタグとして保存するようにし、プレインテキストの部分を持たない電子メールメッセージの表示を改良し、Mail アプリの最適化されたストレージのために Gmail の All Mail メールボックスの中のメッセージが読み込めない場合にはより良いエラーメッセージを出すようにし、Monterey 用にクラッシュ報告を更新し、記録リストへのドラッグ&ドロップの際にクラッシュを起こすことがあったバグを修正し、また新型 MacBook Pro のノッチとの互換性を宣言した。(C-Command Software からもMac App Store からも新規購入 $40、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、31.7 MB、 リリースノート、macOS 10.12+)

EagleFiler 1.9.6 の使用体験を話し合おう

HoudahGeo 6.2

HoudahGeo 6.2

Houdah Software が HoudahGeo 6.2 をリリースして、macOS 12 Monterey と Adobe Lightroom Classic 11 (2021 年 10 月 30 日の記事“Lightroom Classic 11”参照) への対応を追加した。この写真ジオタグ付けアプリはまた、Apple の Maps の最新バージョンを使えるようにアップデートされ、Apple と Mapbox 双方の地図で経路ログをクリックした際の反応性を改善した。経路上に場所を選べば、その場所を写真に割り当てたり、カメラの時刻設定と照合して自動ジオタグ付けをするために使ったりできる。(新規購入 $39、TidBITS 会員は 25 パーセント割引、無料アップデート、27.2 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

HoudahGeo 6.2 の使用体験を話し合おう

Logic Pro 10.7.1

Logic Pro 10.7.1

Apple が Logic Pro 10.7.1 を出した。最近の大きなアップデートに続く、バグ修正や改良を施したメンテナンス・リリースだ。このプロフェッショナル向けオーディオアプリは今回、プロジェクトのロード中に起こることのあったいくつかのハングやクラッシュを解消し、Spatial Audio プロジェクトの再生中に Track Stack を開いたり閉じたりしてもオーディオの脱落が起こらないようにし、ベッドトラックフォーマットを 5.1 から 7.1 に変更した後で Dolby Atmos プラグインのトップチャンネルを表示するようにし、すべての Touch Track トリガーモードが信頼性をもって働くようにし、Sound Library で見つかった項目の間でナビゲートする際に検索結果が見えたままになるようにした。(Mac App Store から新規購入 $199.99、無料アップデート、1.1 GB、リリースノート、macOS 11+)

Logic Pro 10.7.1 の使用体験を話し合おう

Carbon Copy Cloner 6.0.5

Carbon Copy Cloner 6.0.5

Bombich Software が Carbon Copy Cloner 6.0.5 (CCC) をリリースして、新しい macOS Downgrade Assistant 機能を装備した。これは、バックアップボリュームの Migration Assistant との互換性を評価して、特化したボリュームとインストーラアプリケーションを使った macOS Installer メディアを作成するものだ。このドライブクローン作成およびバックアップ用ユーティリティは今回、ネットワークボリュームのコピー元やコピー先を選択する際に Option キーを押していれば Source および Destination セレクタに Switch to AFP あるいは Switch to SMB というメニュー項目を呈示するようになった。今回のアップデートではまた、サイドバー上のタスクを手で並べ替えられる機能が復活し、大サイズのファイルを回転するコピー先に書き込む際のパフォーマンスを改善し、Legacy Bootable Backup Assistant での表示の問題を修正し、macOS 12 Monterey で新規の Remote Macintosh タスクを設定しようとしても機能しなかった問題を解消した。(新規購入 $39.99、無料アップデート、19.0 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

Carbon Copy Cloner 6.0.5 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

macOS 12 Monterey の Disk Utility が APFS スナップショットを管理

The Eclectic Light Company の Howard Oakley が、 macOS 12 Monterey 版の Disk Utility でスナップショットを一覧したり管理したりできるようになったと指摘している。APFS スナップショットはドライブの状態のローリングコピーを提供するので、もし何かひどく悪いことが起こっても簡単に復旧させることができる。(2018 年 7 月 23 日の記事“APFS は何をしてくれるのか、APFS で何ができるのか”参照。) このスナップショットは役に立つけれども、従来のバージョンの macOS では手軽に作業できるという訳ではなかった。(2019 年 5 月 9 日の記事“APFS スナップショットで作業しリストアする方法”参照。) けれども Monterey の Disk Utility では、あたかも外付けディスクであるかのようにスナップショットをマウントすることができ、ディスク容量を節約するために過去のスナップショットを削除することさえできる。Oakley は APFS スナップショットで作業するためのいくつかの新しいコマンドラインのオプションも紹介している。

Disk Utility in Monterey

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