あけましておめでとうございます! 休暇から戻った私たちは 2022 年にどんなことが待っているか探索する気満々だ。Adam Engst は新年の決意を新たにして、macOS アップグレードの際に施した修正の話と、Big Sur やそれ以後でアドホックの Wi-Fi ネットワークを作成する方法とともに今週の LittleBITS コラム記事にした。Josh Centers は現在大流行中の Wordle を紹介する簡単なハウツー記事を書いた。手軽に楽しく遊べる単語当てゲームだ。さて、Apple ラップトップ機は昔からどれもこれも非常によく似た見栄えだが、家の中に複数台ある場合に皆さんはどうやって見分けているだろうか? Adam Engst は MacBook にぴったり合う安価なビニールスキンが売られていて、使ってみると見分けるのも楽で、持ちやすくもなることに気付いた。Apple Music でお金を節約したい人たちのために、Julio Ojeda-Zapata が Apple Music Voice Plan をレビューする。これは HomePod オーナー向けの安価な Apple Music レベルで、変わった制約を持つ。音楽の再生が Siri を通じてしかできないのだ。新年にあたって注目すべき Mac アプリのリリースは、Pixelmator Pro 2.3.4、Quicken 6.5.1、CleanMyMac X 4.10、Zoom 5.9.1、それに GraphicConverter 11.5.5 だ。
今週号の LittleBITS では、私の 2022 年の抱負へのヒントとなった幾つかのニュースポストを共有し、Tonya と私の新バージョンの macOS へのアップグレードを比較、そしてアドホック Wi-Fi ネットワークの制御子に何が起きたのかの謎を探る。
新年おめでとう!
2022 年にようこそ! COVID-19 Omicron 株の蔓延のニュースを避けるのは不可能となっているが、Cornell 大学は全学生を対象に大規模な調査試験をして、我々の故郷である Ithaca が昨年の 12 月初めには炭鉱内に置かれたカナリアの様な役割を果たしていた。Omicron は恐らく何処でも拡がっていたのだと思われるが、軽症や無症状のケースが余りにも多く、Cornell の様な場所だけが陽性者の全容をはっきりと表していたのであろう。何れにしろ、息子の Tristan が Vancouver から帰ってきて、我々の休日は素晴らしいものとなった。しかも、その滞在期間は、Canada への飛行機に乗るために必要とされる 72 時間以内の COVID-19 PCR 検査結果を CVS が間に合わせられずに延長されるというおまけも付いた。我々は、今週もう一回トライする。
しかし、私が共有したいのは、途切れることのない否定的な報道に屈することなく、一年のまとめとして読んで嬉しく思った幾つかのことである。FutureCrunch の 99 Good News Stories You Probably Didn’t Hear About in 2021 は我々の血圧を下げるのに役立ったし、Reasons to Be Cheerful からの The Year in Cheer: 192 ways the world got better in 2021 もそうである。FutureCrunch のリストからは、全世界の自動車販売の 10% は電気自動車であったことを私は学んだ。それも 2010 年にはほぼゼロであった所からの増加である - Nissan Leaf の所有者として、読んでいて心躍る。Reasons to Be Cheerful リストからは、Maine は企業にその製品の梱包がどれだけ容易くリサイクル出来るかに結びついた納付金を支払うことを課す法律を通過させたことを私は発見した。それは、年間 $250 million の歳入増をもたらし、リサイクル率を 63% に迄押し上げた Quebec の法律を模したものである、
また、Jason Kottke と Tom Whitwell からの "52 Things I Learned in 2021" リストも面白かった。これらの事実は必ずしも重要ではないが、そこから見える止むこと無い好奇心には敬意を表する。私は今でも 1980 年代の後半の Philip と Phylis Morrison とのブランチを覚えており - Philip は Manhattan Project で働いた物理学者の一人である - 彼らからは、年齢にも拘わらず、私が会ったことのある最も好奇心の強い人達の一人であるという印象を受けた。
2022 年に向かって進むにあたって、これらの進言は集合的に私の新年の抱負を形成するのに役立っている。皆さんも賛同してくれると思うもの一つを紹介する:Stay positive, stay curious (前向きで、好奇心旺盛でいよう)
我々の iMac をアップグレードしたが、大いに違った経験となった
元日を過ぎたところで、Tonya と私は少々の自由時間が出来て我々の 27-inch iMac をアップグレードすることとした。私の 2020 iMac は macOS 11 Big Sur から macOS 12 Monterey へと、そして Tonya の 2014 iMac は macOS 10.14 Mojave から macOS 11 Big Sur への移行である。Big Sur は彼女のマシンが走らせられる最新版である。私の場合は単に時間が無いだけであったが、Tonya は macOS 10.15 Catalina には対応しない AccountEdge を走らせる必要があったからである ("AccountEdge から Xero に切り替える" 10 May 2021 参照)。
私のアップグレードは完璧であった。私は開始させた後、数時間その場を去り、戻ってみたら私の Mac 上では Monterey が走っていた。私がこれ迄に気付いた唯一の問題は、Nisus Writer Pro がその Dropbox に保存された設定が何処にあるか分からなくなっていたことである。私はそれを iCloud Drive に移し、それ以降は全てが正常に動いている。
Tonya のアップグレードはもっと手がかかった。それは真っ黒な画面上で白の進行バーがおよそ 40% 完了の所でスタックしてしまった。我々にはそれが何をしているのか見当も付かなかったが、8時間程経ったところで我々は iMac を停止させた。再度起動させたら、それは Big Sur で立ち上がってきた。そして彼女は、より以前のバージョンの macOS からアップグレードする時に現れるありとあらゆる "母さん、これしていい?" と許可を求めるリクエストを受け始めた。唯一つの問題は、Security & Privacy 設定ペーンが変更を加える前に彼女の認可を要したことであった。その認可ダイアログには彼女のユーザー名がなく、彼女が試したもの全てを振り飛ばした。手早く検索してみたら、ユーザーの中にはアップデートの際に Admin から Standard へ降格させられた人たちがいることが分かった。標準ユーザーはその様な変更をすることが出来ない。
その解は Recovery にブートインし、Terminal を使って隠れた .AppleSetupDone ファイルを削除、そして新しいアドミンユーザーを Setup Assistant の中で作成することであった。一旦そのユーザー名でログインしてしまえば、彼女の実際のユーザーを Standard から Admin に格上げすることは簡単で、その後彼女は全ての必要な認可リクエストを受け入れるための認証が可能となった。そして、その後は、全てが問題なく動いた。それは最善のアップグレード体験とは言いがたいが、何が問題なのか見つけた後は解決するのに要したのはおよそ15 分に過ぎない。
古いネットワークがアドホック Wi-Fi ネットワークを作成するのを有効にする
SlackBITS で、Tony と言う名前の TidBITS 読者が Wi-Fi メニューにあった Wi-Fi ネットワークを作成するという選択肢に何が起こったのかと尋ねてきた。最初、私は彼が何をしようとしているのか良く分からず、彼は彼の Internet 接続を Wi-Fi 経由で共有したいのかと確かめてみた。それであれば、今は System Preferences > Sharing > Internet Sharing で出来る。しかし、彼がやりたいことは、iOS 機器上で走るアプリが、例えば海上ナビゲーションアプリの iNavX の様な、Mac 上で走る別のナビゲーションプログラムと接続してデータを受け取るためのアドホック Wi-Fi ネットワーク (1対1で互いに直接通信する形態) を作ることだと言う - Internet 接続は必要ない。これで私が知るべき事は分かった。そして私は直ぐにそれを説明する Apple サポートページを見つけた。そこでは、 macOS 11 Big Sur 以降、アドホックネットワークを作成する選択肢を出すにはもう一段の余分な手順が必要であることが説明されていた。
Wi-Fi メニューに Create Network 選択肢を戻すには、System Preferences > Network を開き、左側のリストにある自分の Wi-Fi サービスを選択、Advanced ボタンをクリック、そして "Show legacy networks and options" を選択する。OK をクリックしてそのダイアログを閉じ、そして Apply をクリックしてその Wi-Fi サービスに変更を保存すれば、Create Network は Wi-Fi メニューの一番下に再び現れる。
討論に参加
もしソーシャルメディアに少しでも注意を払っていれば、数字と一連の謎の箱の付いた "Wordle" と言うポストを見たことがあるかも知れない。この様な:
ひょっとすると、New York Times でこのゲームの作者のプロファイル や彼がどの様にしてそれを彼のパートナーのために作ったかを読んだことすらあるかも知れない。
Wordle は今最もホットな単語ゲームかも知れないが、どの様に遊ぶのか? やり方は単純だが一見して明らかではないので、やり方を説明する。そして、単語パズルが好きなら Wordle はとても面白い。
まず、Wordle ページに行く。奇妙にも、それは https://www.powerlanguage.co.uk/wordle/ にある。wordle.com とかもっと推測のつき易いものではない。出てくるのは空の 5-by-6 のグリッドと画面上のキーボードである。それはソーシャルメディアのポストに出てくる箱と同じ程度に謎めいている。
簡単に言えば、Wordle は言葉の推測ゲームである。毎日、違った単語が与えられ、それを6回の試技で当てると言うものである。一つの5文字単語をタイプする事で始める - コンピュータ上のキーボードを使うことも出来るし、画面上のキーをクリックやタップすることでも良い。正当な単語なら何でも良い - 文字をデタラメにタイプするのは許されない。終わったら、Enter を押す。
最初の単語として、私は POWER とタイプした。残念ながら、どの文字も正しくなく、灰色に表示された。良い面を見れば、私は5つの文字を排除したことになり、それは画面上のキーボードにも灰色として示されるので、もう一度使ってはいけないことが分かる。
少し考えて、次は STAND を試してみた。A と N の文字は黄色にハイライトされ、それらの文字は単語の中に使われてはいるが、正しい位置ではないことを示している。A と N の文字を他の場所に含む適切な単語を考えようと頭を振り絞ったあげく、ANVIL を試してみた。Wordle は L を緑にハイライトした。つまり、L は単語に含まれているだけでなく、その場所も正しいことを意味する! 更に、A と N は相変わらず黄色のままであり、その新しい場所も正しくないことを意味していた。進展はあった。
あと3回だ。一体全体 P, O, W, E, R, S, T, V, 或いは I は含まず、A, N, を含み L で終わる単語は何なのか? 次に私は BANAL を試そうと思った。何故ならば、B は未だ排除されていないからだ。でも、BANAL は A を2度も使っているので危険度は高かった。それがもし究極の答えでなければ、排除又は確定出来たのは B 一つだけとなってしまう。
6回で当てられなかったら、Wordle は答えを示す。そして、翌日もう一度挑戦出来る。
幸いにして、私は運が良かった。BANAL を4回目で当てられた。毎日、誰もが同じ単語を手にするので、他の人の楽しみを奪わないように。
最後に、Wordle はあなたの成績と (集計はブラウザがするので、正確を期するには同じ機器上で遊ばなければならない) 次の今日の単語までのカウントダウンを示す。もしソーシャルメディアにあなたのネタバレなしの結果をポストしたければ、Share ボタンを押すと結果は自分のクリップボードにコピーされる。或いは、しない - 世界は意味の無いソーシャルメヂアポストをもっと欲しがっている訳ではない。
Wordle の良いところは、遊ぶのに毎日数分しか要しないことであり、広告で攻撃してくることもなく、あなたの時間をそれ以上浪費させようともしない。それは、よく出来た、手早い頭の体操であり、負担も少ない。
討論に参加
Apple のデザイン美学は近年ゆっくりと変化しつつある。とりわけラップトップの分野でそれが言える。パッと見ただけでは、シルバーの 2012 年型 MacBook Air とシルバーの 2016 年型 MacBook Pro とシルバーの 2020 年型 M1 ベース MacBook Air を見分けるのはとても難しい。これは私自身の経験から言っていることだ。そして Tonya もそうだ。ただ、少なくとも彼女が以前持っていた 11 インチ MacBook Air だけはかなり小さかったので簡単に見分けることができた。
さらに混乱を増す要因として、わが家ではダイニングルームのカウンターのところに USB-C 充電器を置いているので、最近のラップトップ機はすべて、使わないときには自然とここに集まっている。カウンターの台はそれほど広くないので、彼女の MacBook Pro と私の MacBook Air は積み重なっていることが多いが、結果として違う方を掴んでしまいがちだ。(ホリデーに息子の Tristan が帰省していた間は彼の 2017 年型 MacBook Pro がそこに積み重なり、状況がさらに悪化した。スペースグレイなので色が違うのだが、部屋が薄暗かったりするとやはり他のものと区別が付きにくい。)
数か月前のこと、Tonya はこの状況に嫌気が差して、小さなビニールのステッカーをいくつか見つけてきて自分の MacBook Pro のリッドに貼り付けることで私の MacBook Air と区別できるようにした。確かに役には立ったのだが、子供向けのステッカーは派手で漫画っぽく、その上リッドを開いてテーブルに置かれた状態ではやはり区別の役に立たなかった。良い面を言えば、ビニール製のステッカーは強靭な材質なので簡単には裂けたり傷が付いたりしない上に、剥がすのが比較的簡単で跡も残らない。(完璧主義と言われるかもしれないが、私は剥がれないステッカーを Mac に貼る気にはどうしてもなれない。もしも間違って曲がった貼り方をしてしまったりすれば、ひどくイライラすることだろう。一年くらい経って気に入らないとなればどうするのか? 同じ理由で、私は自動車にバンパーステッカーを貼ったりしない。)
ビニールのステッカーを貼るというアイデアに触発されて、また Tonya へのプレゼントを探すためにも、私はちょっと Amazon で調べてみた。すると、そこには Apple のラップトップ機のためのビニール製のステッカースキン (スキンシール) がどっさりあることが分かった。いずれもラップトップ機にぴったりフィットするようにカットされている (特定のモデル用のものを注文しなければならない) し、フルカラーの写真や魅力的なデザインのものが幅広く揃っている。ラップトップ機の上面と底面のみを覆うものもあれば、パームレスト、トラックパッド、キーボードのキーに貼るステッカーまで付いているものもある。リッドの Apple ロゴを隠してしまうものもあるけれども、多くはロゴを中心にデザインされていたり、切り欠きがあってロゴだけが見えるようになっていたりする。価格は $15 から $30 あたりで、外側のみに貼るか内側にも貼るかの違いもその価格差の理由の一つだ。
難しいのは、何百もあるデザインのうちから Tonya が最も気に入りそうなものと私が欲しいものを選び出すところだ。長い間探し回った挙句、結局彼女にはカラーバーストのデザインのものを、自分には森の風景のものを選んだ。両方とも Cavka という会社の製品だ。注文してから到着するまでに一か月ほどかかった。ミネソタ州の住所からの円筒小包だった。これだけ長くかかったのは注文を受けてからオンデマンドで印刷したからだと願いたいが、中国から出荷されたものなのかもしれない。ただ、Amazon のページの製品説明が片言の英語だったことを考えれば、おそらくこれは中国から大量に送られたものを顧客あての小包に分けて USPS で送ったものなのだろう。
円筒小包に入っていたので、これらのスキンはきつく丸められた状態で届いた。このままでは貼り付けるのに苦労すると思われたが、まだクリスマス前にたっぷり時間の余裕があったので、平らに伸ばして上に重たい本を置いた状態で数週間放置しておいた。そのお陰で平らになって貼りやすかったが、この作業が必要だったのかどうかは分からない。説明書はなかったが、単なるステッカーなので、剥離紙を剥がして Mac に貼るだけだ。
貼る作業は予想より難しかった。ステッカーのピースがかなり大きいので、完璧に位置取りして端を揃えるのが困難だからだ。私がこの種のことに完璧主義でなかったならばもっと楽だったかもしれないが、満足のいくように貼り終えるまでにそれぞれのラップトップ機ごとに 15 分くらいずつもかかってしまった。上の端から、角のところから、中央のところから、いろいろのやり方を試してみた。その度にステッカーを剥がしては貼り直して、数限りない回数を重ねた。熟練者のふりをするつもりはないが、中央の切り欠きあるいはノッチ部分から始めて、そこから縁の方へ向かって貼っていくことをお勧めする。すぐには気付かなかったことだが、ビニールにはほんの少しだけ伸縮性があるので、縁まで広げる際に厚みのあるところでグッと力を入れれば望み通りに縁を揃えることができる。ビニールが薄くなるところには気を付けよう。MacBook Pro 底面の足の周りの一つでビニールが裂けてしまったが、二辺がぴったりと揃っているので裂け目はほとんど気付かない程度だ。当然ながら、貼る際には注意深く気泡を外へ押し出す必要がある。気泡ができてしまったら、対角線方向のところでステッカーをいったん剥がして、気泡を押し出しながら平らに貼り直せばよい。
Tonya の MacBook Pro では、リッド上面とケース底面のみにステッカーを貼った。けれども私の MacBook Air では、内側のステッカーも実験してみることに決めた。パームレスト部分のステッカーを私の完璧主義に合うようにトラックパッドの周りに貼るのはかなり厄介だったが、最後にはうまく貼れた。キーボードの上側のところのステッカーはそれより楽だったし、トラックパッドとスペースバーに貼るステッカーも問題なかった。
写真でご覧の通り、トラックパッドのステッカーはすぐに剥がしてしまった。当初、ステッカーを貼ればトラックパッドが正しく機能しなくなるのではと心配だったが、それは問題ではなかった。ビニールの表面にはちょっとした質感があって、外側の上面と底面ではこの質感のお陰で掴む感触が良くなったのが非常に嬉しかった。パームレストの質感も気に入った。でも、トラックパッドは瞬時にダメと分かった。トラックパッドの表面はやはり絹のように滑らかな感触であって欲しいからだ。スペースバーについては別に大した違いは感じられなかった。どちらにしてもこれは単なる実験に過ぎない。キーボードの他のキーにステッカーを貼るつもりはない。バックライト付きキーボードの意味がなくなるからだ。スペースバーに貼ったステッカーも、一貫性の観点からそのうち剥がすかもしれない。
私たちがラップトップスキンを使い始めてからまだ一週間程度しか経っていないが、二人ともこれをとても気に入っている。ラップトップ機が一目で見分けられるようになったし、手に持ったときに滑りにくくなったし、ちょっとだけソフトなビニールのお陰で積み上げた際の金属と金属がぶつかる音が消えた。自分のラップトップ機に擦り傷が付く心配をしたことはほとんどないけれども、スキンのお陰できっといつかは擦り傷からも保護されることだろう。そういう訳で皆さんも、もしも自宅や仕事場で複数のラップトップ機があって区別するのに苦労しているのならば、あるいは、薄い保護膜を追加してみたいと思うならば、一度ビニールスキンを試してみてはいかがだろうか。
さて、これでラップトップが片付いたので、次はわが家の食器洗い機と、日光で色あせした冷蔵庫をお洒落にする番だ。こちらはビニールスキンにするか、それとも磁気装着スキンにするか、 Kudu Magnets にするか、それとも Best Appliance Skins にするかを決断しなければならない。
討論に参加
Siri には不十分なところもあるけれども、Apple Music の膨大なライブラリを利用するための実際的な手段となる。アーティスト、アルバム、トラック、プレイリストを列に並べるため、視覚的なインターフェイスに変わるものとして音声によるクエリーを使うことは確かに可能だが、そのためには視覚的なリマインダーを必要とせずに何を聴くか考えられることが前提となる。
でも、音楽を検索する主たる方法が既に Siri であって、ブラウズや検索のオプションなど必要ない、あるいは大幅に削減してよいのならばどうだろうか?
Apple は根源的なこのアイデアを Apple Music Voice Plan で試そうとしている。このプランは昨年 10 月半ばに発表されて論議を巻き起こし (2021 年 10 月 18 日の記事“Apple、第3世代 AirPods を発表、HomePod mini と Apple Music を調整”参照)、昨年末に利用できるようになった。(2021 年 12 月 13 日の記事“Apple、iOS 15.2、iPadOS 15.2、macOS 12.1 Monterey、watchOS 8.3、tvOS 15.2 をリリース”参照。)
はっきりさせておこう。Apple Music Voice Plan は従来の Apple Music サービスへのアドオンではない。そうではなくて、これは個人向けの低価格 Apple Music プランであって、個人向けフル機能プラン (月額 $9.99) やファミリープラン (月額 $14.99) に比べるとやり取りの選択肢が少ない。この二つの既存のプランには Voice Plan が対応する Siri 機能がすべて含まれていて、iOS と macOS の Music アプリがフルに統合されている。それに対して Apple Music Voice Plan は HomePod オーナーと AirPods 愛好家たちを念頭に置いた安価な音楽オプションとなっている。
そのリリース以来私はずっと月額 $4.99 の Apple Music Voice Plan を使ってきたが、驚くほどうまく Siri が私の音楽リクエストをさばいてくれることに気付いた。それまで私はあまり Siri を使ってこなかった。iPhone で十分にできることをわざわざ声を使ってする気にはならなかったからだ。それでも、Voice Plan を使い始めて Siri を使わざるを得なくなってみると、特定のタイプの人にとっては Siri 中心の音楽サービスでも十分立派な選択肢になり得ると思うようになった。意外にも、私は Siri で楽しく Apple Music を使ってきた。Voice Plan にいろいろ制約があると分かっていてさえも、ひょっとすると私は今後もずっとこれを使い続けるかもしれない。
(Apple Music をまだ使っていない人は) Apple Music Voice Plan を購読すべきか否か、あるいは既存の月額 $9.99 のプランからダウングレードするか否かを考えるために、Siri 中心のこの Voice Plan に何ができて何ができないのかを理解しておく必要がある。
Apple Music Voice Plan を使い始める
iPhone、iPad、Mac、あるいは Apple TV の上で Siri 自体を使って Apple Music Voice Plan を購読できる。サインアップした後は、Siri 互換ならばどの Apple デバイスからでも Apple Music を (Voice Plan の制約付きで) 使えるようになる。つまり、AirPods、Apple Watch、HomePod、あるいは CarPlay を有効化した自動車でも使える。
Apple は "Hey Siri, start my Apple Music Voice trial" ("Hey Siri、Apple Music Voice のお試しを開始して") と語りかけるだけで Apple Music Voice Plan の無料試用ができることを盛んに宣伝している。私が試したところそれはうまく行かなかったが、iPhone の Music アプリからのサインアップは簡単にできた。Apple Music Voice Plan では、Apple は 7 日間の無料試用期間を提供し、自動更新はしていない。この点は、フル版の Apple Music サービスに Apple が提供している標準的な 90 日間の無料試用と対照的だ。
Apple Music Voice Plan の購読者は 9 千万曲もある Apple Music のフルライブラリを利用できる上に、この新しい Apple Music レベルのために Apple が作成した何百ものテーマ付きプレイリストを含む数万のプレイリストにもアクセスできる。また、Siri に命じて Apple の 24 時間稼働のステーション Apple One、Apple Music Classics、Apple Music Country も聴ける。
私のようにこれまであまり Siri を使ってこなかった人は、あるいはあまり多くのアーティスト名やアルバム名を頭の中に記憶していない人は、音声による楽曲検索クエリーの作成に慣れるまでしばらく時間を要するかもしれない。
Apple はあなたへの補助として iOS 版 Music アプリの中に "Just Ask Siri" チュートリアルを含めている。(Mac 版ではその種の支援があまりない。) また、"Hey Siri, play the voice tutorial" と呼び掛ければ Zane Lowe とかいう人物 (Apple One のホスト) が一時間のツアーを語ってくれる。それから、Apple サポート記事にも説明がある。
Apple Music Voice Plan の制約
安価であることから予想できる通り、音声のみレベルの Apple Music には数多くの制約がある。音声コマンドでは呼び出せないアクションとして、次のようなものがある:
- オフラインで再生できるように楽曲をダウンロード
- 楽曲を自分のライブラリに追加
- 自分でプレイリストを作成
- ロスレスオーディオや空間オーディオにアクセス
- ミュージックビデオを視聴
- 楽曲の歌詞を表示
- 友人たちが何を再生しているかを表示
加えて、他の面では Apple Music 互換である Android デバイス、スマートテレビ、Google や Amazon のスマートスピーカー、Sony の PlayStation 5 ビデオゲームコンソールで Apple Music Voice Plan を使うことができない。
機能縮小版の Music アプリ
Apple が Apple Music Voice Plan で HomePod ユーザーをターゲットに設定しているのは明らかだ。もしあなたが主として HomePod で音楽を聴いているのなら、おそらく既にあなたは大体において Siri だけを使っていることだろう。もちろん、どれか他の Apple デバイス上の Music アプリで何かを再生し始めてからそれを HomePod に送ることはできる。その点は今後も変わらないけれども、始終それをやっている人ならば Music アプリがフルに使えなくなることでフラストレーションを感じるかもしれない。
私は HomePod mini を 2 台持っているが、Apple Music Voice Plan を使っていて制約にフラストレーションを感じたことはない。私が思うに、この安価な Apple Music レベルは主として HomePod mini の魅力を増すことを狙っているのではなかろうか。$99 という価格は飛び抜けて高いという程でもないが、それでも Amazon や Google から出ている競合製品の 3 倍か 4 倍の価格だ。今回の Apple Music Voice Plan は Amazon Music Unlimited (Amazon Prime 会員は月額 $7.99、それ以外は月額 $9.99) や Google の YouTube Music Premium (月額 $9.99) より安価だが、これらの Amazon や Google のプランは Apple Music の個人向けフル機能プランと直接競合するものであることを忘れてはならない。
では、他の Apple デバイスで Apple Music Voice Plan を使うとなればどんな感じだろうか?
iPhone と iPad
Apple Music Voice Plan の持つ制約は、iPhone や iPad の Music アプリで使ってみればたちまちあらわになる。いろいろな機能が削減されているけれども、それでも驚くほど役に立つことに変わりはない。
手でタイプして検索することは可能だが、検索結果を再生しようとするとたった 15 秒か 30 秒のプレビューしか聴けない。その代わりに、検索結果を目で見て Siri に読み上げてやればフルにトラックが再生される。
音楽の再生が始まれば、お馴染みの Now Playing ウィンドウが開いて、アルバムアートや背景カラーも付き、そのトラック内部での一時停止・巻き戻し・早送りのコントロール、次のトラックへのスキップ、友人との共有、自宅内での他の AirPlay デバイスへの送信、Up Next 画面の表示もできる。
楽曲の再生を Siri に命じれば、その後は似たようなコンテンツのストリームがフィードされる。(ただしそのためには Apple Music の Autoplay 機能が有効になっている必要がある - Playing Next の右の方にある ∞ 記号をタップする。) Up Next 画面でどんな楽曲が次に来る予定かが分かるが、その順番を変更したりその中から一つを選んで再生したりはできない。
ただ、それには回避策があって、早送りボタンをタップし続けるか、Siri に "next" と命じ続けたりすれば、Up Next リストを循環できる。この種の果てしない楽曲スキップ手順は Pandora やその他の音楽アプリにあるものと同等だ。だから、Apple Music Voice Plan が Siri でのやり取りのみに制約されているとは説明されているけれども、その説明は完全に正確ではない。
iOS 版の Music アプリは従来通りにお馴染みのツールバーを示すけれども、すべてが従来通りに機能する訳ではない:
- Listen Now: このセクションは、Apple Music Voice Plan の限定された状況下では、Siri へのリクエストの提案、例えば "Play the 2010s Love Song Essentials Playlist" のようなものを表示し、加えて (Apple は私が Mark Knopfler のファンだと知っているので) "Play Music Like Dire Straits" のような提案もする。けれども、それらのプレイリストを再生するのに Siri は必要でなく、ただ指でタップすればよかった。Listen Now 画面には最近再生した楽曲のリストも示され、いったん再生を始めさえすればそれ以後は心ゆくまで曲をスキップできる。最近再生した楽曲は iOS の Music ウィジェットにも表示され、これは 3 種類のサイズで使える。
- Search: このセクションは 60 近くの音楽カテゴリーを表示する。Hits、Chill、Urban Latino、C-Pop、Sleep などがあって、何を再生したいか決める役に立つ。さきほども書いたように、トラックをタップするとプレビューしか再生されず、フル楽曲は再生されない。Just Ask Siri チュートリアルもこのセクションにある。
- Radio: ここには地上波音楽、ニュース、トークラジオ局などが、あなたの裏庭から、あるいは世界中から届く。また、Apple やその他の情報源からのインターネット専用ラジオ局も届く。大体において、これらは Siri を使わずとも Music アプリから呼び出すことができる。Siri はさまざまのラジオ局の名前を聞き間違えることが多いので、これはありがたい。
- Library: Library 画面は、あなたがこれまでに iTunes Store から購入したコンテンツ (例えばアルバムやミュージックビデオなど) を表示する。もちろん、購入済みの楽曲は直接スクリーン上でアクセスできるので、音声コマンドを使わずともできる。
Mac
Mac 版の Music アプリの使用体験は iOS 版とは大きく異なる。それも、良くない方向へと異なっている。Siri へのリクエストは期待通りに働くけれども、他の Apple デバイスでは出会ったことのなかった新たな障害物を Mac 版は投げつけてくる。
- Listen Now セクションで私が目にしたのは、フルレベルの Apple Music の巨大な広告のみ、他には何もなかった。一番困るのは最近再生した楽曲のリストがないことで、私は iOS でこれを頻繁に使っている。
- Music アプリの Browse セクションにはプレイリストや DJ ミックスが多数表示されるが、クリックしても何も起こらない。ただ Music アプリが 1 秒か 2 秒激しく動く様子が見えるだけで、何の結果も、プレビューさえも示されないか、あるいはフルレベルの Apple Music の広告が出るだけかのどちらかだ。
- Radio セクションはほぼ iOS 版と同じだが、一つだけ嬉しい追加がある。ここには私が最近再生したラジオ局のリストが表示される。
- 文字をタイプしての検索は期待通りに働くけれども、ここでもやはり、検索結果をクリックしても何も起こらなかった。このアプリの iTunes Store 部分ではちゃんとトラックのプレビューが再生されるので、これは困ったことだ。
幸いにも、私の Music ライブラリにある過去にリッピングしたり購入したりしたトラックは従来通り問題なく機能した。自分が所有するコンテンツに関しては、音声コマンドを使わなければアクセスできないなどという制約はない。
いずれにしても、Mac で Apple Music を使う予定ならば、Voice Plan を使わずフルレベルにすることをお勧めしたい。
Apple TV
サイクリングマシンでワークアウトをしながら、私は Apple TV 上で Apple Music を大いに楽しんだ。iPhone でサイクリングシミュレータ Zwift を使いつつ、Siri Remote を使ってワークアウトに相応しい楽曲をキューに入れてとても楽しい時間を過ごした。(2020 年 7 月 1 日の記事“Zwift、室内自転車の運動を共有の仮想体験へと転化”参照。)
Apple TV 上のナビゲーションは iPhone 上で Siri から出る検索提案とかなり酷似していて、最近再生した楽曲のリストでクリックして再生させることもでき、終わりのないストリーミングを続けつつ楽曲をスキップするオプションも使える。Apple TV 上で文字をタイプするのはいずれにしても困難なので、Apple Music Voice Plan の制約は基本的使用には何の妨げにもならなかった。
Siri は結構たくさん失敗する
歴史的に見て Siri は音声アシスタントとして不十分で、Amazon の Alexa や Google Assistant と比べて正確さでも多用途性でも足りないところがあった。しかしながら Siri は今や大きな進歩を遂げた。そうでなければ Apple Music Voice Plan がそもそも存在できなかっただろう。
けれども私は Siri が失敗するところもたくさん目撃した。一度など、Siri は Pete Seeger を見つけることができず、このフォークシンガーについて何度も何度も質問し続けて Siri の記憶を新たにしてやらなければならなかった。私が Siri に "Play Synchronicity" と命じると、Siri は奇妙にも Tubi ビデオアプリと 2015 年のSF映画を示し、あまりにも有名な 1980 年代の Police のアルバム Synchronicity を提示することはなかった。そのほんの数分前に、Music アプリからは音声検索による提案としてまさにそのアルバムの提案が出ていたというのに。
良い面を言えば、Siri はラテンアメリカ系のコンテンツを私がスペイン語でリクエストすると驚くほど正確に理解して結果を示してくれた。Apple Music Voice Plan が米国以外にもメキシコとスペインを含む 16 か国で展開されつつあることを考えれば、これは良いことだ。ただ、アーティストやトラックやアルバムのスペイン語の名前を読み上げる際には、Siri のスペイン語は発音の間違いだらけで珍妙なことが多かった。私が Ruben Blades のアルバム "La Rosa de los Vientos" を頼むと、Siri はそれを "The Rules of the Lesbians" と理解した。
音楽のタグ付けに際しての人的ミスかもしれないと思えるような間違いもある。プエルトリコ生まれの私がレゲトン音楽をリクエストすると (このジャンルは私が育った土地からそう遠くないところにある San Juan の公営住宅で生まれたのだから自然なことだ)、Siri は El Gran Combo をキューに入れた。でもそれはクラシックなサルサオーケストラであって、Daddy Yankee や Bad Bunny とはほとんど関係がない。
それからまた、同じ部屋の中に Mac、iPhone、iPad、HomePod、Apple Watch がぎっしりとある場合、いったい Siri はどうやって音楽クエリーにどのデバイスが反応すべきかを判断するのだろうか? 大体において望ましいデバイスが選ばれるけれども、完璧にそうなる訳ではない。時には、私の仕事部屋の中で 2 台の Apple デバイスが同時に、それぞれ違う楽曲の再生を、始めてしまうことがあった。
そのような実例を語り出せばきりがないけれども、ここではただ、Apple Music Voice Plan をテストしてみたいという気になったのならば Siri が時折おかしな具合になることがあるのを覚悟しておく方がよいとだけ助言しておこう。
Apple Music Voice Plan はどんな人に向いているか?
Apple Music Voice Plan は万人向けのものではない。ここでは二人の Julio を想像してみて頂きたい。
1980 年代に生きていたこの私は、最新のバンドを聴くことに熱情を燃やし、LP や、カセットや、その後には CD のコレクションをこだわり抜いて収集していた。2000 年代に入って、この執着は音楽プレイヤーアプリケーション (とりわけ iTunes) の出現によってそのまま続いた。アプリケーションを使って、私は自分のこだわり抜いたデジタル音楽ライブラリを整え上げた。
けれども今日の私はもっと気軽な音楽リスナーだ。音楽の流行を追うよりも、今の私は本について、現在の出来事について、集中するようになった。デジタルなものにせよ物理的なものにせよ、最後に私がお金を出してアルバムを購入したのがいつだったか、もはや思い出せない。今の私の必要に適しているのは Pandora 音楽サービスだ。いくつかのパラメータ (例えば 1980s New Wave) を指定して、あとはゆったり座ってストリーミングされるものを楽しむだけだ。
1980 年代の Julio ならば、Apple Music Voice Plan の制約には到底我慢ならないだろう。膨大な Apple Music ライブラリに音声のみでアクセスするのでは、最新の音楽リリースと業界の進展に正確かつ徹底的なアクセスを望む者にとってはあまりにも窮屈だ。
でも、2020 年代の Julio ならば、Apple Music Voice Plan も悪くない。特定のアーティストやジャンルに興味をそそられているのでない限り、たいていはその音楽について掘り下げて知っている必要などない。ただ Siri にリクエストして望ましい音楽的雰囲気に合うものを呼び出してもらえば十分だ。
あなたはどちらの Julio に近いだろうか? 音楽に深入りしている人たちや、Mac で再生することの多い人たちは、Apple Music Voice Plan を避けるべきだろう。途方もないフラストレーションに見舞われるだろうからだ。
その一方で、主として HomePod、Apple TV、iPhone、あるいは iPad で音楽を再生していて、人間が収集したものにせよ AI 駆動の収集によるものにせよ、お勧めされるもので概ね十分だと思う人は、まずは一週間 Apple Music Voice Plan を試用して、その制約が気に障るか、それとも普段の音楽との付き合いと何ら変わらないかを、実際に試してみても損にはならないだろう。
討論に参加