ようやく、通常通りのニュースが戻ってきた! Apple は公式に、噂されていたイベントを 2022 年 3 月 8 日の 10 AM PST に開催すると発表した。もはや習慣になった通りに、読者の皆さんも Apple のウェブサイトから、あるいは Apple TV アプリを通じて、イベントのストリーミング配信を受けることができる。イベントをカレンダーに追加することもできる。
Bloomberg の Mark Gurman は既にこのイベントを正しく予想していて、次のような発表が期待できると述べている:
5G 対応の第3世代 iPhone SE
アップデートされた iPad Air
少なくとも 1 つの新しい Mac
Apple は現在 3 月 8 日に予定されているイベントで 5G iPhone SE と新型の iPad Air を発表する予定だ。また、Apple は 3 月前半のうちに iOS 15.4 をリリースすることを予定している。 https://t.co/GB3dJOSUw8
新たな Apple silicon Mac も 2022 年を通じて引き続き登場するだろう。Gurman は「M2 チップを搭載した入門レベルの MacBook Pro と、プロフェッショナル向けにアップグレードされた Mac mini、それにハイエンドの iMac が今年中に登場」すると予想する。
Apple の Marketing 担当 Senior Vice President である Greg Joswiak がこのイベントを "peek performance" (パフォーマンスを覗き見する) という呼び方で紹介した。この呼び方は M シリーズチップの将来を垣間見させる初代の M2 ベース Mac を示唆しているのではないかと思わせるが、iPhone SE の 5G 速度や、iPad Air の A15 Bionic チップにも関係するのかもしれない。
Apple は“プロ”のユーザーたちのために Mac をデザインしていると大々的に宣伝する。それなのに、もう 30 年以上も Apple 世界の中で執筆者として、編集者として、出版者として、プロフェッショナルの仕事をし続けてきた者の立場から言わせてもらえば、Apple は私たちのような、あるいは私が知っている Mac プロフェッショナルたち、ジャーナリスト、医者、弁護士、会計士、コンサルタント、その他大多数の他のプロのユーザーたちの需要には応えていないように見える。最近の MacBook Pro 報道発表の文面を見ても、プロのユーザーとは次のようなことをする人たちを意味するようだ:
ここで私が少しムカッとしているのは、あたかも M1 Max チップと 64 GB のユニファイドメモリを備えた MacBook Pro のパワーを必要としていない人はプロのユーザーではないかのような、そんな意味合いを感じてしまうからだ。飛び抜けたパフォーマンスと圧倒的なストレージ容量こそがプロフェッショナルにとって重要課題であり、私たちのように Pro と名の付かない Mac で十分にパフォーマンスの要求が満たされる者はワークフローも生産性も向上させたいとは思っておらずその必要もない、という印象を受けてしまうからだ。他の分野について私が代弁することはできないが、私自身は自分の分野のプロフェッショナルたちがもっと生産性を上げられるようなハードウェアや製品の拡張のあり方をたくさん考え付くことができる。それに、世の中にいる執筆者たちや弁護士たちの数が 3D アーティストたちや映画制作者たちよりずっと多いのは賭けてもよいくらいだ。
そこでこの記事では、もっとずっと多くのプロフェッショナルたちの必要により良く応えるために Apple がどのような Mac やそれを支援する周辺機器を作ることができるのかについて、私の提案をいくつか述べさせて頂こう。
だから Apple よ、完全に鮮明なテキストを必要とするけれどもディスプレイに $6000 も出せない Mac プロフェッショナルたちを支援したいと思うならば、機能的にも審美的にも Mac とよく統合された大型の Retina ディスプレイをリリースしてはいかがだろうか? それは、サイズと調節可能性の両面でプロフェッショナルレベルの iMac と釣り合っていて、第二スクリーンとして使えるものであるべきだ。しかも、Mac mini の上に乗せて完璧にフィットするように作られている必要もある。もちろんそれは、Mac mini の工業デザインがこのまま続くと仮定しての話だが。
ディスプレイの話のついでに言わせてもらえば、私は Apple が (あるいは他の誰かが) Retina ディスプレイを搭載した古い iMac を別の Mac のモニタとして再利用する方法を考え出してくれればなあと思っている。これらの iMac は今でも最高水準と言えるスクリーンを搭載しており、これを独立型のディスプレイとして使えないのは非常に残念なことだ。(Astropad の Luna Display については知っていて、最近これが 5K 対応を追加したので私も実際にテストしてみようと計画しているところだ。それでもやはり、このような機能はきちんと内蔵されているべきだろう。)
[訳者注: この2つのセクションで Adam が述べたことに関して、3 月 8 日のイベントで Apple が発表した Mac Studio と Studio Display について Adam が新たな記事を書いています。来週号に掲載されますのでどうぞお楽しみに。]
Face ID 搭載のより良い FaceTime カメラ
Apple の最新モデルの Mac でさえ、そこに搭載された FaceTime カメラがあまりにも情けないままなことに私はあきれ返っている。最も安価なモデルの iPad や iPhone でさえ最新モデルの Mac のカメラを大きく凌いでいるし、既に多くのモデルの iPad や iPhone が認証のために Face ID に対応している。これは、Apple が既に何度も使い尽くしてきたテクノロジーの話だ。
ならば、いったいなぜ Mac には搭載されていないのか? 今日のプロフェッショナルたちは、iPhone や iPad でなく自分の Mac を使って頻繁にビデオ会議をしている。PC ユーザーたちもまた良いカメラを持っていないのだが、Apple がここで賭け増ししていけない理由は何もない。ビデオ会議で Mac ユーザーの映像が極めて鮮明になり、PC ユーザーたちの映像がぼやけたままだったとしたら、セールスポイントにならないだろうか? スクリーンの厚みが多少厚くなるかもしれないが、その程度の妥協は大多数の人たちが喜んで受け入れるだろうと私は思う。
iPad Pro シリーズに搭載されているような広角 FaceTime カメラがあれば、Center Stage 機能を使うことも可能になる。これは Apple の自動フレーミング・テクノロジーで、ビデオ通話の最中に自分が動き回ってもカメラが自動的にそれを追跡してくれる。(2021 年 9 月 23 日の記事“Center Stage 機能が人物をビデオチャットフレームの中央に”参照。) 画質と同様に、もしも会議の最中に Mac ユーザーが動き回る自由度を持てるようになれば、その点を PC ユーザーと比較することで Apple にとっては大きな利点となるように思える。
それにまた、いったいなぜ Apple は Mac に Face ID を追加しようとしないのだろうか? iPhone や iPad のユーザーが享受している Face ID のあらゆる利点は Mac ユーザーにも等しく当てはまるはずだ。いや、むしろ Mac ユーザーにとっての利点の方が大きいくらいだ。なぜなら多くの場合、 Mac のパスワードは 6 桁のパスコードよりタイプするのが難しいからだ。いったいなぜ仕事中のプロフェッショナルたちは Mac をスリープから目覚めさせたりスクリーンセーバを解除したりする度にひっきりなしに認証しなければならないのか? Touch ID と Apple Watch 統合は素敵な機能だが、仕事を中断させるという点ではその両者とも Face ID よりも邪魔になるし、私自身は今でも日に何回も Mac のログインパスワードを手でタイプしている。Microsoft は Windows Hello を顔認識に使っている。私としてはこの点でも macOS には Windows に追いついてもらいたい。
Face ID が使えるようになって、より多くのサイトが WebAuthn 仕様に対応してパスワードを使わない認証をするようになれば、多くのプロフェッショナルたちがさらにもっと多くの時間を節約できるようになるだろう。二要素認証のために必要な追加の作業を別にしても、ウェブサイトへログインする際にはいつも管理上の妨げが伴う。もしも Mac が Face ID を使って余計なやり取りを必要とせずにその種のログインを認証できるようになったならば、私たちはより多くの時間を仕事に注ぐことができ、「母さん、これしていい?」の類いの雑事に煩わされなくなるだろう。そして、このようにしてログインの手順が簡単になれば、それだけセキュリティが高まる。セキュリティを増すために作業の必要が増すという現状を反転させることができる。
MacBook のセルラー接続オプション
iPad は、セルラー接続モデルを選ぶことができる。いったいなぜ MacBook ではそれができないのか? Apple のラップトップ機にセルラー接続のオプションがないのは何年も前から重大な欠落であり、これもまた移動しながら仕事をするプロフェッショナルたちのニーズを Apple が認めていないことの実例だ。
iPad は完璧に素敵なデバイスだが、フル機能の Mac に比べれば今もまだ機能の面でも柔軟性でも劣っている。そんな iPad にはセルラー接続が可能なのに MacBook には可能でないというのはどう考えても理由が分からない。確かに、それをすれば MacBook の価格が上昇するだろうし、毎月のデータ料金もかかるだろう。文句は何なりと言える。でも私たちはプロフェッショナルだ。プロフェッショナルならば、自分の仕事をより速く、より良く、より効率的にできるものには喜んでお金を出す。それは、機能満載の Mac Pro に大金を出す人たちと同じことだ。
もっと快適で一貫性のあるキーボード/トラックパッドの人間工学
特定の種類のプロフェッショナルたちに Mac が不満を感じさせるもう一つの点は、常時使用することに伴う快適さだ。少なくとも、一日中キーボードで仕事をする私たちはもはやあの悪評高かったバタフライキーボードへの不満を述べる必要はなくなった。でも、それでもまだまだ改善の余地が残されている。
あらゆる Apple ラップトップ機の、金属製のエッジの鋭さを考えてみてもらいたい。側面や底面についてはそれほど問題ではないけれども、前面のエッジは、トラックパッドを使う際に、あるいはタイプしている途中の小休止の際に、手のひらが自然に当たる部分だ。するとあの金属製のエッジが手に食い込む。長時間続けて仕事をする時など、私はこの鋭い縁にいつもイライラさせられる。
初代のクラムシェル型 iBook や、それに続いたホワイトの iBook など、古い Apple ラップトップ機にはこの問題がなかった。ブルーベリー色 iBook を私は今でも時折 CD からデータを取り出す目的で使うことがあるが、これは角を丸めた、下向きに傾斜したパームレストを備えている。悲しいことに私は大好きだったホワイトの iBook を手放してしまったが、あれは表面が少しソフトな素材でできていて私の大好きなラップトップのフォームファクターだった。ただ、これもフロント部分に傾斜の付いたエッジを持っていたと記憶している。
私が常々 Apple のラップトップ機で気に入っていたのはキーボードの手前にトラックパッドを置き、その両側にパームレストを設けている点だ。人間工学の観点からは、トラックパッドやマウスを使うためにユーザーの手を横方向に大きく動かすもの (ほとんどあらゆるデスクトップ機のセットアップがこれに該当する) に比べてこちらの方が害が少ない。それに、タイプしたりマウスを使ったりする際に手を動かす量が少なければそれだけ作業の効率が上がる。
私は何年も前から独立の Apple キーボードとトラックパッドを作業机の上でどのように iMac と組み合わせれば同じ中央中心の配置にできるかと試行錯誤を繰り返してきたが、Apple がそれぞれにつけている角度のせいでどうやっても不可能だと分かった。私が長年使っている解決策は Das Keyboard Model S Professional の手前に Contour Designs RollerMouse Pro を置くというものだが、本当に変なやり方だということは自覚している。キーボードとトラックパッドを組み合わせた製品が Amazon に出ている (例えば Adesso、Fintie、IVSOTEK など) のは知っているが、それらの製品がタブレット用 (あるいはラックマウント用) だと書かれていることと価格が安いことを見れば、本格的に長時間使用するために信頼できる解決法とも思えない。
キーボードとトラックパッドを組み合わせる考え方から、そこに Mac の内部をすべて組み込んだデバイスを作るという考え方へ進むのはそれほど大幅な飛躍ではないだろう。つまり、基本的に MacBook の下半分 (スクリーン以外) を独立のデバイスにしてはどうかという考え方だ。それは必ずしも気まぐれな空想でもない。Patently Apple が、最近認められた Apple の特許でキーボードの中に Mac を収納するというものを紹介して「このキーボードにはトラックパッドを含めることができ、そうなれば持ち運んでいる最中にマウスが不要になる」と述べている。突き詰めれば、それはキーボードとトラックパッドを内蔵した Mac mini に相当し、机の上のディスプレイに手軽に接続したり、さらには AirPlay 経由で大画面テレビで使ったりすることもできるものだろう。
キーボードとトラックパッドだけを組み合わせて独立させたものにせよ、そこに Mac の内部も組み込んだものにせよ、そのようなデバイスがあればプロフェッショナルの Mac ユーザーたちはやり取りの方法を変更することなくラップトップとデスクトップの Mac を必要に応じて切り替えることができるだろう。摩擦が少なくなれば、それだけ生産性が上がる。
あらゆるタイプのプロフェッショナルたちに
結びに言い添えておこう。私がここで言っているのは、もしも Mac はプロフェッショナルのためのものという概念を Apple がこれからも推し進めるのならば、その言葉の定義をきちんと拡張して、仕事のために Mac を一日中使っているけれどもオーディオやビデオや写真で仕事をしている訳ではない膨大な数のプロフェッショナルたちの存在も認めるべきだということだけだ。私たちが使うツール、すなわち電子メール、ウェブブラウザ、ワードプロセッサ、スプレッドシート、データベース、オンライン会議ソフトウェアその他が、究極のパフォーマンスとメモリとストレージを必要としないとしても、私たちもまたプロフェッショナルなのだ。
読者の皆さんはいかがだろうか? もしもあなたが Mac を使っているプロフェッショナルならば、Apple がその生産ラインにどのようなものを追加して、どのようなデザインを将来のデバイスに組み込んでくれれば、あなたをもっと生産的にする役に立つとお思いだろうか?
一旦ネットワークが相互接続された時、未だ Internet が存在する以前ですら、パスワード泥棒は問題となっていた。初期の時代には、パスワードを平文のテキストで含んだファイルを印刷することすら出来た。(最初に確認された泥棒は 1962 年のことである!) オペレーティングシステム内でパスワードがより厳重に保護されるようになっても、弱い、類推可能なパスワードはそのまま継続した。システム管理者はパスワード指導をし、それを遵守させ始めた。そこから、今では当たり前になった複雑性の要求と定常的な入れ替えが始まった。
2004 年に、National Institute of Standards and Technology (米国標準技術局) は、一つにはパスワード長が余りにも短かったために、パスワード作成ルールを複雑にする事を推奨する報告を出した。パスワードを破る能力は、それが長くなればなるほど級数的により困難になる。複雑性を増すことは (選ばれた文字の不規則性)、単純により長いパスワードを作ること程には破る難しさを増加させない。
全てのアカウントに亘って堅牢で使い回しの無いパスワードにアップデートした後は、それ等のパスワードを再び変更する必要はないが、例外は、前提条件 #3 に当て嵌まるのだが、特定のサイト或いはサービスがセキュリティ侵害に晒されたと知った時である。これを知る最善の方法は Have I Been Pwnd? で無料の通知サービスに申し込むことである。このサイトは、アカウントやパスワードについての情報を責任あるやり方で広めることに専念している。また、多くのパスワードマネジャーは Have I Been Pwnd? データベースのライセンスを受けているので、そこでチェックする事も出来る。Apple は、そのオペレーティングシステムに亘ってそのパスワードリストの中に Compromised と表示し、次の様に記す:
このパスワードはデータ漏洩で検出されたことがあるため、このアカウントは危険にさらされています。
この Apple の強い言い回しにも拘わらず、皆さんは恐らく自分のパスワードを変える必要は無いであろうが - 繰り返すが、それが強くそして独自である限りは - 後で後悔するよりは安全でいた方が良い。加えて、皆さんには選択肢が無いかもしれない:そのサイトは全てのユーザーに対する全てのパスワードをリセットすることで変更するよう強制するかも知れない。
Quicken Inc. が Quicken for Mac のバージョン 6.6 をリリースして、Investment Dashboard Top Movers カードの並び順を改良することで株価による最値上がり銘柄を一番上に (最値下がり銘柄を一番下に) 表示するようにした。この財務管理アプリは Mac の Touch ID または Apple Watch を使ってパスワード保護された Quicken ファイルを開けるようになり、Allocation by Security および Asset Class カードを改良してカードの横幅を広げればより多くのカラムが追加されるようにし、株価と株数を入力して Quicken に総費用を計算させることができるようにし、また並べ替えたカラムが表示される方法を改良した。(講読年額 $34.99/$51.99/$77.99、購読者は無料アップデート、リリースノート、95.5 MB、macOS 10.13+)