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#1609: Apple Q2 2022 業績発表、Apple Self Service Repair プログラム開始、Synology NAS でクラウドを脱する

Apple はサプライチェーンの諸問題、低迷する経済、加えてロシアのウクライナ侵入による混乱にもかかわらず、2022 年度第2四半期の好調な業績を発表した。また、Apple は約束していた Self Service Repair プログラムを米国で開始して、最近のモデルの iPhone を修理するための部品と工具を提供するようにしたが、どうやらその提供はノーブランドの外部委託提携会社を通じてのものになるようだ。それからもう一つ、Josh Centers がクラウドサービスへの依存度を下げるために Synology NAS を使ってみた一か月の経験を語る。今週注目すべき Mac アプリのリリースは ChronoSync 10.1 と ChronoAgent 2.1、Logic Pro 10.7.4、Little Snitch 5.4、それに Quicken 6.7 だ。

Michael E. Cohen Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

Apple の Q2 2022 業績、暗い時代を明るくする手助けに

Apple は 2022 会計年度第二四半期の業績を発表した。内容は控えめな表現にはふさわしくない程立派である:純利益 $25 billion (希薄化後一株当り $1.52)、売上げ $97.3 billion である。同社の売上げは前年同四半期に比して 9% の上昇で、利益は 5% 以上増えた ("Apple の Q2 2021、開いた口が塞がらない程だが、何時ものこと" 28 April 2021 参照)。

Q2 category revenue

iPhone は引き続き Apple の売上げチャートを席巻しており、Q2 の Apple 販売の 52% を占めた。iPhone の前年比売上増加は 5.5% と控えめだが、Q2 の売上げ記録であることに変わりはなく、$50.6 billion を稼ぎ出した。"iPhone 13 製品にはとても満足している" と CEO Tim Cook は語った。

Q2 2022 iPhone revenue

これに対して、iPad は減収となり、売上げは前年比 2.2% 減の $7.6 billion であった。電話会見の席上、Cook は、この数字は iPad の製造に影響を及ぼしたサプライチェーンの制約を考慮すれば好調な結果であることを示唆した。

iPad Q2 2022 revenue

Mac にとってはとりわけ印象的な四半期で - Q2 の記録 - 新型 Apple シリコンモデルの人気のお陰である。Mac の売上げは前年比 14.6% の急上昇で、$10.4 billion を稼ぎ出した。CFO Luca Maestri は、Mac は7四半期続けて記録を更新し続けたと言った。

Apple Q2 2022 Mac revenue

Services の売上げは急上昇を維持しており、前年比 17.3% 増収で $19.8 billion 迄到達した - Services 売上げの記録である。Cook は、Oscars で Best Picture に輝いた Apple TV+ 映画 Coda と、Apple TV+ のエンタメに追加された Friday Night Baseball に光を当てた。Maestri は、Services の成長は一部には全ての Apple 機器部門での史上最高となる設置基盤のお陰だと言った。

Apple Q2 2022 revenue

Wearables 部門も引き続き好調な収入源となり、前年比 12.4% の成長を示し、再度 Q2 の記録となる $8.8 billion を稼いだ。Maestri は、この四半期中の Apple Watch 購入者の3分の2はそれ迄に持ったことのなかった人達だと語った。

Apple Q2 2022 Wearables revenue

地域別に見ると、Americas はこの四半期での Apple にとっての一番の勝利者で、売上げは前年比 16% の増加で $40.9 billion であった。幸運の女神は大西洋も渡り、Europe は 4.4% の増収で $23.3 billion に達した。太平洋を越えては、日々その重要性が増す Greater China 地域では、パンデミック問題の再発に見舞われながらも、3% の増収で Q2 の史上最高の売上げ記録となる $18.3 billion を記録した。他方、Japanese 売上げは昨年の結果からは変化はなく、そして残りの Asia Pacific 地域は 7% の減収となった。

Apple Q2 2022 revenue by region

投資家電話会見に関して言えば、殆ど全ての質問が、インフレかサプライチェーンについてであった。Maestri は、同社の急成長ビジネスである Services が Shanghai のロックダウンや滞貨によって悪影響を受けない Apple の幸運に言及した。珍しく不機嫌に聞こえた Cook は "より良い日" の到来を楽しみにしていると語った。

Cook は、ええ、Apple もインフレを認識している、そして全てのサプライチェーンの課題を考慮すれば、Apple は良くやったと認めた。COVID-19 パンデミックの始まり以来 Apple が出荷した新製品がどれだけあったかを考えれば、その中には Mac に対するプロセッサの移行も含まれる、少々の自画自賛も正当化されると言えるであろう。

もっと問題の少ない時であれば、Apple の Q2 業績はもっと良かったであろうが、この様な不安定な世界にあって、Apple の揺るぎない財政的そして経営的成績は、投資家と顧客の両方にとって、力量と楽観主義の励みとなる例となるであろう。社会全体として、この両方をもっと使いたいものである。

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Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

Apple、Self Service Repair プログラムを米国で開始

昨年、Apple が Self Service Repair プログラムを発表した時、地獄の温度は急降下したかのように思えた ("Apple、Self Service Repair プログラムを発表" 17 November 2021 参照)。Steve Jobs は、ユーザーが Mac をこじ開けるという考えそのものを嫌ったというのは有名だが、第二 Jobs 時代以降、その姿勢は同社の DNA に深く焼き込まれて来た。しかし Right to Repair (修理する権利) 運動は - とりわけ、それを支持する株主決議 - Apple にそうするよう仕向けた。

A man repairing an iPhone

この Self Service Repair プログラムは今や www.selfservicerepair.com での新しい Self Service Repair Store を通して使えるようになった。ええ、URL は一般的で、そこに Apple ブランドは無く、そして WordPress テンプレートレベルのデザインになっているが、それは正当なサイトである。殆ど、偽物に見えるが。

Apple's Self Service Repair site

このサイトは実際には、Service Parts or Tools, Inc. 或いは SPOT, と呼ばれる会社によって運営されており、Apple がこのプログラムについてどれ程情熱的かを如実に表している。Stephen Hackett は、このドメインが Apple パートナーのCommunications Test Design につながっていることを追跡したが、ひょっとすると、Apple は Self Service Repair プログラムそのものを外注したのかも知れない。.

これ迄の所、Self Service Repair プログラムは極めて限定的で、第三世代 iPhone SE、そして iPhone 12 と iPhone 13 製品群しか対象としていない。思うに、電話機の修理を必要とする人達は、もっと旧型の iPhone を持っているのではなかろうか。また、他の機器も現時点では対象となっていない。Expanding Access to Service and Repairs for Apple Devices と題した白書で、Apple 曰く:

初期段階では、Self Service Repair プログラムは、200 を超える個別部品とツールへのアクセスを提供しており、iPhone 12 とそれ以降のモデルに対する最も一般的な修理を顧客が行うのを可能にしている。これは間もなく Apple シリコンを搭載する Mac コンピュータにも拡張される。このプログラムは April 2022 に米国で開始され、2022 年後半にはヨーロッパに拡大される。.

現時点で、このプログラムは次の種類の修理を提供している:

民間の Mac 修理人である Louis Rossman は、Self Service Repair プログラムには一つの重要な修理の種類が含まれていないと指摘している:Lightning ポートである。私が前回 iPhone に対するサービスを必要としたのは、Lightning ポート内のピンの破損であった。しかしながら、その時 Apple は iPhone そのものを交換したので、その修理を手早く、或いは効率的に出来るという確信を Apple が持てていないという事なのかも知れない。

セルフサービス修理の費用は、どの選択肢を選ぶかに大きく依存する。iPhone 13 に対する電池交換バンドルは $70.99 しかかからないが、スクリーン交換のためのバンドルだと $269.95 に跳ね上がる。元々の部品を返却すると Apple はそれを再利用したりリサイクルしたり出来るので、クレジットが受けられる。このクレジットを計算に入れると、電池バンドルは $46.84 となり、スクリーンキットは $236.35 となる。

Self Service Repair Store はまた、多岐に亘る部品も提供している。安全ネジは $0.20 或いは SIM トレイは $7.20 と言った具合である。これらは全て純正の Apple 部品である事を考えれば、妥当な値段に見える。

興味深いことに、Self Service Repair Store はまた、広範囲に及ぶ公式ツールも販売している。トルクドライバー、加熱ディスプレイポケット (スクリーンを接着して戻すため)、そしてディスプレイプレス一式等である。これらのツールもまた、最も高価なツールも含めて驚くほど正当な値段が付けられている - 加熱ディスプレイ取り外し治具は $256.36 である。$1000 を遙かに下回る費用で自前の iPhone 修理ショップを構築出来る。

良い知らせは、これらのツール全部を買う必要はないことである。Self Service Repair Store はツールキットを 7 日間 $49 で貸してくれる。それぞれの iPhone モデルには、必要な修理をするに必要となるツール全てを含む固有のツールキットがある。

Apple は修理マニュアルを無料で提供している。しかしながら、詳細な回路図までは期待しないように。Apple はその白書で言っている:

業界のそして修理の専門家が同意しているように、ボードレベルの修理の大多数は、委託製造会社 (OEM) の標準に見合う高品質、信頼性、そして再現性のある結果を生み出す能力を持つ特殊設備を用いた工場環境で行われるのが最善である。ボードには、その機器が正常に機能するに必要な数多くの小型部品が詰まっている。例えば、ボールグリッドアレイ (BGA) 部品を修理するには、費用と複雑さのために工場や高度な修理環境に限られた特殊設備が必要となる。それ故、ボードレベルの修理は、とりわけ半田付けされた部品が関わるもの、管理されたプロセス、較正された工場装置、そして厳格な試験を使用する有資格の技術者によって行われるのが最善である。

半田付けされた部品の修理は難しいと言うのは妥当ではあるが、だからと言って、全回路図を公開しない理由としては不十分である。現時点では、Rossman の様な民間の修理店は、その修理を行うために海賊版の回路図に依存しなければならない。

皆さんは、セルフサービス修理は今ある保証にどの様に影響するのかと不安に思われるかも知れない。幸いにして、影響しない、それで更なる損傷を作り出さない限りにおいては。Apple 曰く:

顧客の製品保証は Self Service Repair によって影響されない。しかしながら、その修理の過程で顧客によって生起された如何なる問題或いは損傷は Apple によって保証されない。

細かいことは脇に置けば、Self Service Repair プログラムは、実質的でありそして Rossman が思っているように見える単なる売名行為以上である。平均的な iPhone ユーザーは、初めて、Apple 自身の技術者が使う公式の修理部品と特殊ツールの両方に対するアクセスが得られたのである。たとえそれを実現するために株主も Apple に圧力をかけなければならなかったとしても、そして、たとえ Apple は自分自身と Self Service Repair Store との間に距離を置こうとしているように見えるとしても、修理する権利に向けた大きな一歩である。

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

Synology NAS を使ってクラウドを脱出

数年前から私は自分のデータをできるだけクラウドから取り除いて自分自身のローカルなストレージに置きたいと思うようになった。でも、私の古いシステムは iMac に数個の外付けハードドライブを取り付けたもので、乱雑な上に他のデバイスからアクセスするのが困難だったので、目的のためにはローカルなストレージとしてもっと良いソリューションが必要だった。

家庭内サーバ、具体的にはネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイスが必要なのは分かっていたが、私は何年もグズグズ迷っていた。NAS は大きな投資だが、最終的に私を行動に駆り立てたのは最近の iCloud 機能停止であった。気付けば私の Mac が重要な書類の多くを iCloud に放り出しているのに、それから 2 時間ほど iCloud にアクセスできないままの状態が続いたからだ。

いくらか調べ物をして、私は Synology DS 920+ と 4 台の 6 TB WD Red ハードドライブを購入した。全部で $1000 ほどかかったが、それから一か月経った今、十分投資した価値があったと思っている。数十年分のデータを DS 920+ に移す作業はまだ終わっていないのだが。

家庭内サーバを運営するというのは万人向けのものではないが、Synology はそれをできる限り手の届きやすいものにしており、始めて1時間以内に稼働させることも可能だ。それでもやはり資金と時間の大きな投資ではあるけれども、複数のコンピュータからアクセスすべき大量のデータを持っている人にとっては十分に価値があるだろう。自分のファイルがすべて自分の家の中にあって、インターネットを経由してどこか別の場所にあるデバイスに自分の仕事の成果を手渡す必要がない。NAS は複数の人が働く小規模のオフィスのようなところで、ファイルを一か所に集めて、同じ問題に取り組む人たちが手軽にアクセスできるようにしたいような状況にはまさに理想的だ。

なぜ Synology を選んだか

市場にある他の選択肢、例えば QNAP や TrueNAS でなくて Synology を選んだのはなぜか? その最大の理由は、購入しようとした時点で DS 920+ は在庫があったけれども、それと同等の QNAPTrueNAS のユニットは品切れだったからだ。

買えたならば TrueNAS の方が望ましかったかもしれない。TrueNAS はオープンソースだからだ。けれども、欲しいと思った TrueNAS Mini X モデルは在庫切れだったし、TrueNAS のユニットは Synology より高価だ。TrueNAS はオープンソースなので、どこかからハードウェアを調達して自分でサーバを構築したり再利用したりするのも可能だったろうが、3 人の子供たちがいて農場もあるので、私には新たなプロジェクトを始める時間はなかった。箱から取り出してすぐ、最小限の手間で使えるようになるものが欲しかった。

QNAP にも Synology より良い点があった。Wirecutter の記事によればこちらのユニットの方が Synology より良いとのことだし、QNAP には QFiling と呼ばれる機能があって、これが Mac アプリの Hazel と同じような働きをする。つまり、指定さえしておけば自動的にファイルを再編成してくれる。けれどもやはり私が欲しかった QNAP モデルは在庫切れだったし、第一 QNAP のアプリがすべて Q の文字で始まるのが私には気に入らなかった。

サプライチェーンの問題以外にも、次のような理由で私は Synology を選んだ:

最終的に私に Synology を選ばせたのは、その簡単さだった。購入も簡単、セットアップも簡単、維持管理も簡単だ。長い間いろいろな選択肢の間でグズグズいくら迷っても解決には一歩も近付かない。

Synology NAS selector を使っていくつかの異なるシナリオを走らせてみてから、結局私は DiskStation DS 920+ を選んだ。NAS をメディアサーバとしても使いたかったので、Plex の互換性スプレッドシートを調べて DS 920+ がこの価格帯の Synology 製品の中では最良とも言えるハードウェアコード変換への対応機能を備えていることを確かめた。さらに、DS 920+ はクアッドコアの Intel Celeron CPU を搭載しているので仮想マシンを走らせるに十分なパワーを持っており、Linux や Windows を走らせたりすることもできる。

最初のセットアップ

ハードウェアのセットアップはこの上なく分かりやすいものだった。DS 920+ はユニットの前面に 4 基のスロットを備えていて、それぞれがハードドライブのトレイを収納する。トレイを引き出して、ハードドライブをロードし (片方向きにしかフィットしない)、まるで古い Nintendo カートリッジのように挿入する。

 A 6 TB hard drive loaded into one of the Synology caddies, ready to be slotted into the main unit
Synology のキャディーに 6 TB ハードドライブを入れて、これをメインユニットのスロットに挿入する

ハードドライブを差し込み、付属の Ethernet ケーブルをルーターに繋ぎ、電源を繋げば準備完了だ。

Synology DS920+

気が向けばもう少し手の込んだやり方もできる。DS 920+ にはハードドライブをを固定しておくための鍵が 2 個付いているが、私は子供たちから守るためにこれを使った。それから、RAM をアップグレードするためのスロットが内側にある。DS920+ には 4 GB が付いているが、Synology の公式モジュールで 8 GB にアップグレードすることも可能だ。Samsung (どうやら Synology が使っている供給元らしい) のメモリモジュールを使って何と 20 GB の RAM にアップグレードした人さえいるという話を聞いたことがあるが、これは公式にはサポートされていない。

RAM slot in the Synology DS 920+

DS 920+ で複数のサービスを走らせてみても、いつも RAM の最大 50% 程度しか使えていない。けれども仮想マシンを走らせれば 90% 程度に達する。だから、たいていの人はもともとある 4 GB で問題ないだろうが、仮想マシンを使う予定があるのならばアップグレードを考えてもよいだろう。

また、キャッシュ用に 2 台の M.2 SSD を追加することもできる。片方が読み出し用でもう片方が書き込み用だ。これらの SSD はデータを保存するためのものではなくて DS 920+ がよく使うファイルをハードドライブから SSD に取り出しておくことでパフォーマンスを上げるためのものであって、Apple の Fusion Drive に似ている。

Synology ソフトウェアのセットアップ

Synology はサーバのセットアップを私が想像できる限り最も簡単なものにしている。まずはネットワーク上のサーバアドレスを実際に見極めるところから始める。デバイスをルーターに繋ぐと、ルーターが DHCP 経由で IP アドレスを割り当てるが、それが何かは分からず、Synology NAS にはスクリーンがないので表示させて見ることもできない。このヘッドレスデバイスの IP アドレスを知る方法はいくつかあるが、Synology は find.synology.com に専用のウェブアプリを用意していて、それがあなたのネットワークをスキャンして新しいデバイスを見つけ、接続してセットアップができるようにする。

Finding a Synology NAS on your network

そこからは、大体において Synology のセットアップ用プロンプトが示す通りに進めるだけだ。ほとんどの場合、推奨されている設定を選べばよい。ただ、少し厄介なことになる可能性があるのはストレージプールをセットアップするよう求められるところで、何が正しい選択肢か明らかでないこともあるからだ。

私は NAS に全部で 24 TB 持っていたが、そんなに大量のストレージを必要としてはいなかった。12 TB で十分であり、冗長性を得るためにそのデータをミラーしておこうと思った。そうすれば、たとえドライブの 1 つが壊れても私のデータは安全で、ただ壊れたディスクを交換するだけで済む。このようにドライブを一緒にプールすることを RAID と呼ぶ。これは "redundant array of inexpensive disks" の略語だ。RAID のタイプはさまざまで、構成に応じて、あるいは冗長性とパフォーマンスのどちらに最適化するかに応じて、いろいろのやり方がある。Synology は対応する数多くの RAID タイプの概観を説明している

私は信頼性を重視して頭痛の種を減らしたかったので、Synology の RAID タイプから SHR-2 を選んだ。Synology が推奨しているのは SHR だからだ。SHR-2 は 4 台のドライブを使って、そのうち 2 台をストレージに使い、その組み合わせたドライブを残りの 2 台にミラーする。

Setting up a RAID in Synology

ファイルシステムとしては Btrfs または ext4 を選べるが、私は Btrfs を選んだ。ここでも、Synology がそちらを推奨しているからで、スナップショットやより良いデータ整合性保護など高度な機能も得られる。

それが済めば、Synology セットアップアシスタントはその他の機能のツアーへあなたを導く。例えばシステム監視機能や二要素認証があるが、いずれも有効にしておくことをお勧めしたい。二要素認証 (2FA) は synology.com アカウントとデバイス自体の上のアカウントの両方で有効にできるが、両方とも有効にしておくべきだ。

私が遭遇したセットアップでの唯一のトラブルは、二要素認証を設定しようとする際に起こった。DiskStation がアカウント復旧のための電子メールを送れるように電子メールアカウントを入力する必要があるのだが、私の Gmail アカウントが受け入れられなかったのだ。あとで分かったことだがこれは DS 920+ と共に出荷されたバージョンの Synology Disk Station Manager ソフトウェアのバグで、それをアップデートすると、私の Gmail アカウントに接続することができ二要素認証を有効にすることができた。

アップデートする必要があったことを除けば、これは私が経験した限りで最も簡単なサーバのセットアップであった。

Synology NAS 上のファイルにアクセス

Synology はファイルにアクセスするための方法をいくつか提供している。たいていの Apple ユーザーは SMB と Synology Drive を利用することになるだろう。

最初のセットアップが終わったら、share と呼ばれるものを作成する必要がある。これは SMB やその他の標準的なネットワークプロトコルを通じてアクセスできる。この share というのは Mac 上にマウントできる仮想ドライブのようなもので、個々の share がそれぞれ異なるアクセス権を持つ。例えば夫婦二人のみが税金の書類を見ることができ、子供たちは保存された映画を観られるようにもできる。

SMB はもともと Windows 用のファイル共有プロトコルとして始まったが、その後事実上の標準となり、Mac の上でさえもそうなった。数年前に、Apple は自らの AFP を廃止して SMB を使うようになり、Finder で Go > Connect to Server を選べば SMB share に接続できるようにした。

SMB の大きな欠点は、サーバに接続していない状態ではそれらのファイルにアクセスできないことだ。それに、私は Finder の SMB 統合機能を好きになれない。勝手に接続が切れてしまったり、速度低下したりといった問題がよく起こるからだ。SMB での作業は Linux マシンからする方がずっと高速で手軽だ。

それにまた、SMB が極めて大きなフォルダで反応しなくなる傾向があることにも気が付いた。古い Screenshots フォルダ (6230 個のスクリーンショットを含んでいる!) を DS 920+ に移したところ、そのフォルダを開こうとすると時々 Finder が反応しなくなるし、いずれ接続が切れてしまう。ここでの教訓は、非常に多数のファイルを含んだフォルダにネットワーク経由でアクセスしたいならば、それをいくつかのサブフォルダに分けておくことだ。

Synology Drive は、Dropbox のようなクラウドストレージサービスの代替となることを意図した Synology の独自仕様の製品だ。セットアップの際に個々のユーザーごとにホームフォルダが作られ、その中に Drive フォルダが作られる。(なぜかは分からないが、最初のセットアップの際にユーザーのホームフォルダが自動的に作られることはない。) それから Synology Drive アプリを使ってそのフォルダの中のファイルを Mac に同期する。また、iOS 版もあって iPhone や iPad からそのファイルにアクセスすることもできる。残念ながら、Synology Drive に保存されたファイルは Mac にもコピーされなければならず、貴重なローカルストレージ容量が無駄遣いされる。

私は自分の遠隔ファイルの大多数に SMB 経由でアクセスしているが、以下の条件を満たすものについては Synology Drive を使っている:

例えば、私は KeePass のデータベースファイルを Synology Drive に保存して、常にアクセスできるようにしておくとともに、必要に応じて古いバージョンに戻ることもできるようにしている。(2022 年 4 月 11 日の記事“1Password から KeePass へ移行する”参照。) また、Time Machine は DS 920+ 上に加えて私のローカルなファイルシステム上にも存在しているので、バックアップを保存しつつファイルが変更されるに応じて複数個のバージョンを維持することで何層もの冗長性を備えるようにしている。

Synology のアプリ

ここまで来ればもうお分かりだと思うが、Synology NAS は本格的なコンピュータだ。核心となるファイルストレージの機能に加えて、Synology の NAS ユニットは一連のアプリを提供しており、これを内蔵の Package Center からダウンロードして DSM つまり Disk Station Manager を通じてやり取りできる。DSM は基本的にウェブベースの Linux デスクトップであって、ファイルや設定にアクセスするためのグラフィカルなインターフェイスを提供する。私は初めて DSM について聞いた際にきっとこれはどうしようもなく遅いだろうと思ったが、使ってみるとテキパキ働くのに驚かされた。

Synology DSM interface

私はあまり多くの Synology アプリを使っていないが、どのような機能があるのかの感じを掴んで頂くためにその一部を紹介しておこう:

これらのアプリを使う目的で Synology NAS を購入する人はたぶんあまりいないだろうが、常時稼働のインターネット接続サーバがいったん動き出せば、これらのアプリが歓迎すべき機能を提供してくれることだろう。

Synology Photos

Synology NAS の大きな魅力の一つは、この会社が新しく出した Synology Photos アプリだ。従来、Synology はその機能を 2 つの別々のアプリに分けていたが、最近出た DSM 7.0 における見直しで 1 つのアプリに組み合わされ、Apple の Photos アプリや Google の Photos アプリと似た機能を持つようになった。

私が試したもののうちで、クラウドサービスのローカルにホストされた代替製品としてこれが最良のものだと思う。サードパーティの写真マネージャとしては珍しく、Live Photos を認識できて再生できる。私の写真の大多数は子供たちを写したもので、子供たちはじっとしていることがまずないので写真自体はボケているけれども、残しておきたい記憶を Live Photo が留めてくれる。

A Live Photo in Synology Photos

写真のブラウズは Apple の Photos のようにタイムラインによっても、あるいはフォルダによってもできる。スライドショーを作ることもでき、People および Places アルバムを自動的に作成する。ただし顔認識機能の精度はあまり良くない。私についてのアルバムを作らせると、私が写っていない写真も多く、私に似ている人さえ誰も写っていない写真もあった! また、アルバムを他の人たちと、あるいは公開して共有することもできるが、やはりありとあらゆる厄介ごとをもたらすのでこれから対処に取り掛かるつもりだ。

Synology Photos

Synology Photos が持つ大きな制約は、基本的な回転機能を除いて写真を編集する機能を持たないことだ。間違った向きの写真が多いので回転機能を私は最も多く使うが、それ以外の編集機能が欲しければ Lightroom など他のものを探す必要がある。

Synology Photos を使っていて最も困難を感じるのは、古い写真を Photos から転送したい場合だ。この問題について私はずっと discussing the issue on TidBITS Talkが、まだ解決方法を見つけられずにいる。けれども、iPhone や iPad 用の Synology Photos アプリを使えば新たに撮影した写真を苦労なく DS 920+ へ同期させることができる。

Synology Cloud Sync

パブリックなクラウドサービスを使わないようにしたい人たちにとって重要なもう一つのアプリが Synology の Cloud Sync だ。これを使って Dropbox、Google Drive、Microsoft OneDrive などのクラウドストレージサービスにログインでき、それらのクラウドサービスから NAS 上のフォルダへコンテンツをダウンロードできる。片方向きのみの同期にも双方向の同期にも使えるし、連続同期の設定にしてあなたがファイルを作成したり編集したりする度に NAS とクラウドサービスとの間で新しいファイルがやり取りされるようにもできる。

Cloud Sync には Google Workspace ファイル、例えば Google Docs や Google Sheets のファイルを標準的な Microsoft Office フォーマットに変換するありがたい機能がある。けれどもそれをする場合にはダウンロードのみの設定にしておくことを強くお勧めしたい。ある時私は同期設定に何かおかしいところがあると感じたので、設定し直してみると、私のすべての書類の DOCX および XLSX バージョンが Google Drive フォルダの中に、共有されたものも含めて保存されていることを発見した。ありがたいことに、双方向の同期をオンにした状態で DS 920+ 上のファイルをすべて削除することで、酷い状態を脱することができた。

残念ながら、Cloud Sync は iCloud では動作しない。iCloud 上にあるファイルを NAS に持ち込むには、手作業で Finder の中へコピーしてやらなければならない。それで問題があるようには見えないかもしれないが、iCloud が遠隔のみにあるファイルをダウンロードさせてくれないことに気付いて私は行き詰った。理由は分からないが、iMac 上では動作しないのに、MacBook Pro を使ってみるとすべてをコピーすることができた。この種の転送は Optimize Mac Storage 設定が System Preferences > Apple ID > iCloud でオフになっている Mac から始めることをお勧めする。(そうすればすべてのファイルがローカルにミラーされるはずだからだ。)

Synology 遠隔アクセスとセキュリティ

たぶんほとんどの人が、ローカルネットワークの外へ外出中にも NAS のデータにアクセスできるようにしたいとお思いだろう。Synology はそのための多くの方法を提供している。まず、ルーター上のポートを NAS 上の望みのサービスに転送できる。DSM のメインのポートは 5000 だ。Synology は一般的なルーター用にポート転送を自動的に設定するツールを提供しているが、残念ながら私のルーターでは機能しない。

一般的なコンシューマ向けインターネット接続を使っていれば、パブリックな IP アドレスは時折変わる。幸いにも Synology は内蔵のダイナミック DNS サービスを提供しているので、NAS 用に Synology ドメイン名を選べば必要に応じて自動的に IP アドレスを更新してくれる。

しかしながら、私としては DS 920+ の管理者パネルをインターネットに晒すことはしたくない。ありがたいことに Synology は別のやり方での遠隔アクセス用ソリューションもいくつか提供している。最も手軽なのは QuickConnect で、これは Synology のサーバを経由して接続をルーティングすることでポート転送の必要なしに NAS 上で走るサービスにアクセスできるようにするものだ。きちんと動作するけれども、これを使う前に二要素認証をセットアップしておくことを強くお勧めしたい。セキュリティの理由で私はたいていこれをオフにしているけれども、いずれファイルと写真の共有を簡単にするためにオンに戻すかもしれない。

私が Synology に遠隔からアクセスするために主として使っている方法は VPN を通じてのものだ。Synology の Package Center には VPN Server アプリが含まれていて、信じられないほど簡単にできるようにしてくれる。VPN は外出中に自宅のネットワークに接続してまるで自宅にいるかのようにそのネットワーク上の他のコンピュータにアクセスできるようにする。多くのポートをインターネットに開放する必要なしに自宅の DS 920+ で走る各種サービスにフルにアクセスできるようになる VPN を私は気に入っている。

残念ながら、VPN 接続のセットアップをしながら私はいろいろの頭痛の種を経験したし、自宅にセルラーサービスがないので遠隔接続のシミュレーションができず、構成のテストが難しかった。Wi-Fi ネットワークを通じた VPN への接続は問題なく働いたが、実際家から離れると接続することはできなかった。

その後私は VPN Server が異なるプロトコルを使って VPN をセットアップできることも知った。理由は分からないが、iOS から OpenVPN サーバに接続することはできたのに、Mac からはできなかった。その逆に、MacBook Pro は L2TP/IPSec サーバで働いたけれども、iPhone や iPad では接続できなかった。なぜそうなのかは全然分からないが、結局のところ DS 920+ に 2 つの別々の VPN 接続を、つまり Mac 用に 1 つと iOS デバイス用に 1 つをセットアップすることで問題を回避できることに気付いた。この奇妙な挙動が Synology のソフトウェアによるものか、Apple のソフトウェアによるものか、それとも私が何かヘマをしたからなのかはよく分からない。

セキュリティの話のついでに、もしも Synology NAS が盗まれたらどうなるかを考えてみよう。Synology は暗号化された share を作成できるようにしているが、これは Mac の内蔵ドライブで FileVault をオンにするようなものだ。M1 ベース Mac または T2 チップ搭載の Intel ベース Mac で走る FileVault と違って、暗号化 share はパフォーマンスに影響を及ぼすので、私は最も機密を要する書類を保存している 1 つの share のみを暗号化している。

残念ながら、いくつか厄介な問題点がある。暗号化は share を丸ごとしなければならず、ホームフォルダのみを暗号化することはできない。ホーム share は暗号化できない。できるならば写真をすべて暗号化したいと思っている。中には機密を要するもの (例えば妻が子育てをしているところなど) もあるからだが、Synology Photos はホームフォルダの Photos ディレクトリからしか写真を読み込めない。Photos ディレクトリの中に暗号化された share への symlink を作ることも試してみたいと思っているが、それはまた別の折にすべきことだ。

Synology NAS をバックアップする

NAS をバックアップのために使うこともできる。Time Machine の保存先となることさえできる。(2022 年 1 月 22 日の記事“ネットワーク接続 Time Machine バックアップ: Time Capsule のその先は”参照。) ただし NAS 自体もローカルとリモート双方にバックアップを作るべきだ。

ローカルなバックアップを作るのは簡単だ。私は 14 TB の Western Digital ドライブが $200 で売られているのを見つけて、Synology の Hyper Backup アプリを使って毎晩バックアップしている。さらなるセキュリティが欲しければバックアップを暗号化することもできる。

リモートのバックアップについては、大量のデータをクラウドにバックアップする費用は決して安くない。私は結局 IDrive に落ち着いた。これは 5 TB のバックアップを最初の年は $8 で提供している。私が DS 920+ に保存しているもののすべてをバックアップすることはできないので、サイズが大きくて置き換えの効くもの、例えば映画などは省いているが、大多数の重要なデータに安価なバックアップを提供してくれる。その上、Synology の Package Center の中に IDrive のアプリがあって自動的にバックアップを実行できる。

余談だが、私は DS 920+ とそのバックアップドライブの両方ともを 1 台の UPS (無停電電源装置) に接続して、停電があってもしばらくは動作し続けるようにしている。残念なことに、もともとこの UPS はルーターだけのために買ったものなので USB 接続のものを手に入れておらず、停電の最中に自動的に Synology NAS を終了させるようになっていない。

Mac を NAS にバックアップする目的で使いたい人のために、Synology は Time Machine share を作成するための説明書を提供している。私はその目的には USB ドライブを使う方が良いと思うので、テストしてみていない。

メディア再生

ダウンロードしたりディスクからリッピングしたりした DRM フリーの映画やテレビ番組を保存して視聴する目的で NAS を買う人たちも多い。再生の方法には選択肢が 2 つある:

私はメディア再生にはほとんど手を出していない。そもそもわが家ではあまりテレビを観ないからだ。たいていのことについて、Plex は問題なく働く。私は Plex Pass に料金を払っていて、これが (他にもいろいろのことをするが) トランスコーディングを有効にする。つまり、Plex は DS 920+ の CPU を使ってビデオのコード変換処理の役に立つ。それを試せるために私が持っている 4K 映画が 1 つあって、たぶんこれをストリーミングに向いたフォーマットにエンコードし直すべきなのだろうと思う。でも、その同じ映画を SMB 接続を使って Mac 上の IINA で再生しても何の問題もない。

もう一つ別のメディアライブラリアプリ Jellyfin というものもインストールした。これはオープンソースの Plex 代替製品だ。インストールには Synology の Package Center にある Docker アプリを使ったが、DS 920+ にできるもっとギーク風の領域に踏み込めた気がした。

単なるファイルサーバではない

ある意味で DSM は macOS に似ている。ユーザーフレンドリーな化粧張りを、パワーユーザーのための複雑な諸機能の上に被せているからだ。例えば:

私は DS 920+ 上で仮想マシンを試してみた。仮想 Linux サーバをセットアップして Nextcloud を試したのだ。いったん仮想マシンのセットアップが済めば、Virtual Machine Manager で Connect ボタンをクリックすることができ、それが別のウェブブラウザタブの中で仮想モニタを動かす。そこからは、そのブラウザの中で仮想マシンとやり取りできるようになって、グラフィカルインターフェイス経由でもコマンドライン経由でも使える。

この DS 920+ 上で Windows は試していない。それは私が Windows を大嫌いだからなのだが、それでも M1 ベース Mac を使い始めて Boot Camp やあるいは VMware Fusion などの仮想化アプリが使えなくなって困っている人ならば (Parallels Desktop は ARM 用に Windows 11 をインストールする説明書を出している)、たまに Windows アプリを使うための良い方法となるかもしれない。オマケとして、そのネットワーク上のどんなコンピュータからでもその仮想マシンにアクセスできるようになる。私にとってはハードウェアの制約があるのであまり重たいものを走らせようとは思わないが、DS 920+ の限界を探るためにも何かゲームを走らせてみようかという誘惑も感じている。

仮想マシンを走らせてみたい人には、RAM のアップグレードをお勧めしておく。仮想マシンのために一定量の RAM を割り当てなければならないからだ。

どんな人に向いているか

どんな人が Synology DS920+ のような NAS への投資を考慮すべきだろうか?

私にとってこの DS 920+ はわが家への素晴らしく有益な補強となったし、もっと早く導入しなかったことを大いに悔やんでいる。自分のすべての書類、写真、音楽、ビデオにアクセスできて、その際にクラウドストレージの容量とか、ネットワークの速度とかを一切気にする必要がない。その上、自分独自のサービスをホストする実験ができる中心的なプラットフォームも手に入ったことになる。

そのすべての鍵となるのは、Synology のソフトウェアが時間を節約してくれることだ。どの Linux ディストリビューションをインストールすべきかと悩んだり、ビルドの依存関係を処理したり、ハードウェアが対応しているか調べたりする必要が一切ない。デバイスに電源を入れて、起動するだけで、あとは Synology があなたの手を引いて残りの過程を処理してくれる。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

ChronoSync 10.1 and ChronoAgent 2.1

ChronoSync 10.1 と ChronoAgent 2.1

Econ Technologies が ChronoSync 10.1ChronoAgent 2.1 をリリースした。これらの同期およびバックアップ用ツールに微調整を施した、メンテナンス・アップデートだ。ChronoSync 10.1 は同期タスク書類が開かなかった問題を解消し、agent 接続が切れた際により有益なエラーメッセージをコンソールにログするようにし、同期タスク書類をロードしたり保存したりする際の例外処理を改良し、Clone Volume コマンドを走らせる際にユーザー活動をシミュレートするロジックを追加し、同期タスクを複製する際にアーカイブが複製されないことがあった問題を解消し、相対日付のルールが同期タスク書類に正しくエンコード/デコードされなかったバグを修正した。ChronoAgent 2.1 は Low Encryption Strength 設定が ChronoSync 10 からの接続を受け付けなかった問題に対処し、ローレベルのファイル処理に関するさまざまの問題を解消した。(ChronoSync は新規購入 $49.99、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、88.1 MB、リリースノート、macOS 10.12+。ChronoAgent は新規購入 $14.99、42.7 MB、 リリースノート、macOS 10.12+)

ChronoSync 10.1 と ChronoAgent 2.1 の使用体験を話し合おう

Logic Pro 10.7.4

Logic Pro 10.7.4

Apple が Logic Pro 10.7.4 をリリースした。このプロフェッショナル向けオーディオアプリのメンテナンス・アップデートで、少数のバグ修正や改良が施されている。今回のリリースでは Slate Digital の使用時に Logic がハングすることがあった問題を解消し、一部のモデルの Mac で Logic の空間オーディオ設定がデフォルトでヘッドフォンによるメディア再生になることがあったバグを修正し、M1 ベース Mac で Audio Unit ソフトウェア音源を再生するとノートがハングすることがあった問題を解消し、Automation と Smart Controls をすべての Audio Unit Instrument パラメータで使えるようにした。(Mac App Store から新規購入 $199.99、無料アップデート、1.1 GB、リリースノート、macOS 11.5+)

Logic Pro 10.7.4 の使用体験を話し合おう

Little Snitch 5.4

Little Snitch 5.4

Objective Development が Little Snitch 5.4 をリリースして、IPv6 接続性を持つコンピュータ上での iCloud Private Relay 接続の探知を改良した。また、iCloud Private Relay で接続を確立した際に接続アラートがそれを示すようになった。このネットワークトラフィック管理ユーティリティはまた、ルールグループ購読を改良してさまざまの一般的なブロックリストフォーマットに対応するようにし、大きな Mach ヘッダを持つアプリケーションのコード認証の読み取りができなかったバグを修正し、キー繰り返しで接続のリストをスクロールする際の Network Monitor のパフォーマンスを改善し、Until-Quit ルールが永続ルールに転化された後にも終了してしまうことがあった問題を解消した。(新規購入 $45、無料アップデート、36.3 MB、リリースノート、macOS 11+)

Little Snitch 5.4 の使用体験を話し合おう

Quicken 6.7

Quicken 6.7

Quicken Inc. が Quicken for Mac のバージョン 6.7 をリリースして、この財務管理アプリが macOS のシステム設定に基づいて Light モードまたは Dark モードをデフォルトとするようにアップデートした。今回のリリースではまた、投資ダッシュボードのカードを並べ替えて投資の表示をカスタマイズできるようにし、資産クラスや証券配分の情報をより詳しく円グラフに表示するようにし、ポートフォリオツールバーの位置を変えてグラフの上側に来るとともに狭いウィンドウ幅にも対応させ、Register で取引の上にポインタをかざすとそれをハイライト表示するようにした。(講読年額 $34.99/$51.99/$77.99、購読者は無料アップデート、リリースノート、145 MB、macOS 10.13+)

Quicken 6.7 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

Apple、AirTag の「迷惑な追跡」サウンドを改良

Apple の位置情報追跡機 AirTag に対する苦情の一つは、未知の AirTag が自分と一緒に移動している場合に鳴る警告サウンドが聞き取りにくいということだ。今年の初め頃に約束していた通りに (2022 年 2 月 12 日の記事“Apple、AirTag プライバシー問題への対処の方法を説明”参照)、Apple は今回 AirTag 1.0.301 ファームウェアアップデートでこの問題に対処して「迷惑な追跡」サウンドを聞き取りやすいものにした。Macworld 記事が指摘するようにこのアップデートは自動的に適用されるので、潜在的なストーカーがアップデートを阻止することはできない。思い出して頂きたいが、もしもあなたの持ち物と共に不審な AirTag を見付けた場合は、Apple の説明に従ってそれについての情報を入手したり (例えば所有者の電話番号の下 4 桁が分かるので Contacts アプリで確認できる)、その AirTag を無効にしたり、法執行機関が Apple に依頼してストーカーを割り出せるようにしたりできる。

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