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#1612: OS への提案、新しいアクセシビリティ機能、セルラー料金値上げ、古い Mac で Chrome OS Flex、Memorial Day 休刊

来週は米国の Memorial Day の祝日なので電子メール号を休刊とさせて頂く。2022 年 6 月 6 日の次号までお待ち頂きたい。さて、AT&T と Verizon の顧客の皆さんはセルラー料金の値上げについて知っているべきだが、T-Mobile もそれに続くのだろうか? Apple が先週プレビューした新しいアクセシビリティ機能はすべてのユーザーの役に立つものだが、その内容の説明を辿りつつ、来たるべき Apple の WWDC での発表を待ちたい。その WWDC を控えて Adam Engst が Apple オペレーティングシステムに期待する5つの拡張を述べ、TidBITS 読者たちもそれぞれに期待を寄せた。皆さんは何を期待されるだろうか? もしあなたがある程度古くてもう使い物にならない Mac を持っているなら、Google の Chrome OS Flex を使ってマシンを現代の世界へ生き返らせてはいかがだろうか。Julio Ojeda-Zapata が亡くなった弟の 2012 年型 Mac mini でそれを試してみた。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Safari 15.5、SoundSource 5.5.1、Agenda 14.1、Pixelmator Pro 2.4.3、Transmit 5.8.5、PopChar X 9.4、それに ChronoSync 10.2 だ。

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Memorial Day の祝日のため 2022 年 5 月 30 日号は休刊

次の月曜日は米国の Memorial Day (戦没者追悼記念日) の祝日なので、旅行したり家族のために過ごしたりするため電子メール号をお休みにさせて頂く。Tonya と私はパンデミック以来初めての大切な旅行に乗り出して、息子の Tristan を訪ねてカナダの British Columbia 州 Burnaby の Simon Fraser 大学まで行くつもりだ。二人ともきちんと 4 回の COVID-19 ワクチン接種を受けているし、公共の屋内の場所では必ず N95 マスクを着けるので、そのことと British Columbia での比較的低い感染率とのお陰で米国北東部で感染を急増させている Omicron 変異体からも十分保護されると願っている。

これからの二週間もウェブ上での新しい記事の出版はいつも通りに続けるし、TidBITS の次回の電子メール号は 2022 年 6 月 6 日、つまり Apple の WWDC キーノートの当日にお届けする。(2022 年 4 月 5 日の記事“WWDC 2022、今年も June 6 から仮想で開催”参照。) 遠隔キーノートの最中には、皆さんどうぞ遠慮なく SlackBITS の #events チャンネルでお喋りに参加して頂きたい。

その間も、TidBITS 会員は個々の記事が出版され次第電子メールで受け取ることができるし、フルテキスト付き RSS で読むこともできる。もちろんそれ以外のすべての読者の皆さんも TidBITS ウェブサイトを訪れて、Apple News を使って、TidBITS News iOS アプリで、Google News で、お好きな RSS アプリで、あるいは Flipboard を使っても、記事を読んで頂くことができる。既存のフォロワーの皆さんのために Twitter と Facebook でも記事見出しの通知を提供しているけれど、そういったソーシャルメディアは頭脳を吸い取る厄介な存在と思ってできるだけ避けることをお勧めしたい。

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Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

AT&T と Verizon、インフレに対応して値上げ

Bloomberg は、AT&T と Verizon の両社ともインフレに対応して値上げをすると報じた。AT&T はレガシープランの価格を 単一回線に対しては最大で月額 $6 そして家族回線に対しては最大で月額 $12 上げる。6月には、Verizon は間接経費を値上げし 、個人回線に対しては "管理費" として月額 $1.35 を、ビジネス回線に対しては "景気調整費" として月額 $0.98 から $2.20 が追加される。

Verizon の値上げは全てのプランに対して、新旧を問わずに、適用されるが、AT&T はその値上げをレガシープランに対してのみ焦点を当てて、旧プランに固執しているユーザーに現行の使い放題プランに切り替えてもらおうと意図している。値上げに関係なく、節約の一つの方法としてより新しいプランを調べて見るのはそれだけの価値があることが多い。

T-Mobile も値上げで AT&T や Verizon の仲間入りするのか、或いは、この向こう見ずの会社がより高額の請求書で不安を感じる AT&T や Verizon の顧客を惹きつけるためにより安いことの多い価格設定を更に下げていくのかは、時間が経ってみないと分からない。

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

Apple、登場予定のアクセシビリティ機能をプレビュー

Apple が登場予定のアクセシビリティ機能のいくつかをプレビューした。おそらく Apple のオペレーティングシステムに対する今年のアップデートで実現されるのではないかと思われる。具体的には次のようなものだ:

Apple は他にもいくつか登場予定のアクセシビリティ機能について概略を語っている。例えば Buddy Controller は2つのゲームコントローラを1つのものとして使うことができ、Apple Books アプリでは新しいカスタマイズのオプションが導入される。英語を話す者がおそらく最も歓迎すべきなのは Voice Control の Spelling Mode で、Voice Control Dictation を使って文字ごとの入力をする際に、その間違いをユーザーが口述して訂正できる。

Apple がアクセシビリティ機能への努力を約束していることを私たち皆が歓迎すべきなのは、それを必要とする人たちにとって途方もなく大きな違いを生み出すからだ。私たち誰もがいずれはそれを必要とするだろうし、誰もがテクノロジーを通じて社会への参画をする機会を与えられるべきだからだ。どうやら Apple は、それによる売り上げの増加に比べても、はるかに多くの時間と努力をこれらの機能の開発に注ぎ込んでいるようだ。

より一般的に言って、さきほどから触れているように、これらの機能の多くは特に障がいを持っていない人々の利益にもなるように作られている。Apple Watch のクイックアクションはパワーユーザーのお気に入りの機能になるかもしれないし、騒がしい環境にいたり、何らかの理由で聞き取りにくい話し方をする相手と会話したりする場合など、ライブキャプションをありがたいと思う人は非常に多くいることだろう。ゲームの Buddy Controller でさえ、身体的限界を超えたゲームをプレイしたがる子供を持つ親には画期的なものとなるかもしれない。

この記事の初期のバージョンで、私はいったいなぜ Apple が WWDC を控えたこの時期にこれらの機能のプレビューを公開したのかと思い悩んだのだが、Apple がちょうど一年前に同じことをしたのを私はすっかり忘れていた。一年前も、Apple は Global Accessibility Awareness Day (GAAD) を記念してそうしたのだった。(2021 年 5 月 20 日の記事“Apple、提供予定のアクセシビリティ機能を発表”参照。)

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

将来の Apple オペレーティングシステムに対する5つの改善策

わずか数週間後に控えた WWDC キーノートで、Apple はそのオペレーティングシステムの全般に亘って新機能を披露するであろう ("WWDC 2022、今年も June 6 から仮想で開催" 5 April 2022 参照)。同社は既にそれらの機能の幾つかについて語り始めている ("Apple、登場予定のアクセシビリティ機能をプレビュー" 17 May 2022 参照)。噂では、Apple はほぼ一年前に約束したクラシック音楽アプリをリリースし ("Apple、クラシック音楽サービス Primephonic を買収" 31 August 2021 参照)、新しい健康追跡機能を提供、そして通知を強化する等が挙げられている。何時ものことだが、変更の中には有益なものもあるだろうし、うまく行かないものもあるであろう。

我々 TidBITS では、最近皆で頭を突き合わせて Apple に変更したり追加したりして欲しいことの希望リストを作り上げた。全部が新しい訳ではない - 我々は既に、iOS Settings アプリの構成について ("Bad Apple #2: iOS の設定をアルファベット順にする" 21 February 2018 参照), ユーザーが Siri を訓練することに Apple は手を貸さない ("何故ユーザーは Siri にその間違いを教えられないのか?" 14 August 2019 参照)、Focus は複雑すぎる ("Apple の新しい Focus (集中モード) 機能 - これはやり過ぎかも" 20 January 2022 参照), そして iCloud Drive でのより良いデータ保護("Bad Apple #5: iCloud Drive フォルダ共有のデータ喪失リスク" 12 May 2022 参照) の問題に注目を引いてきた。従って、これらの提言は未だ生きているとしよう。

しかし、我々のブレーンストーミングの他の結果も - 殆どは既存の Mac 機能に対する改善だが - 共有する価値があると思えた。我々は、これらの考えを公開したからといって直ぐに効果が現れるだろうなどという幻想は持っていないが - Apple は間違いなく macOS 12.5, iOS 16, 等々に対する機能セットに対してとうの昔に鍵をかけたであろう - 我々はそれらが将来の変更を生み出すことを期待したい。

Time Machine インターフェースの抜本改革

2007 年に Mac OS X 10.5 Leopard と共に出てきた時に、Time Machine はバックアップに対する重要な再考を促した。それは Mac 上にある全てのものを毎時間ごとにバックアップし、変更されたファイルのバージョンを保持し、そして容量を節約するために不必要なバージョンを切り取る。ファイルの復元は慣れ親しんだ Finder 似のインターフェースとタイムラインを使ってユーザーにファイルの保存されたバージョンをナビゲートさせてくれる。それ以降、根底にある Time Machine コードは劇的に変わった、とりわけ最近の APFS への移行を受けて。しかしながら、この 15 年間変わらなかったのは、Time Machine 復元インターフェースである。

問題はそこにある。Time Machine は遅く、不器用で、そして方向感覚を失わせる。Time Machine のウィンドウのディレクトリ階層をナビゲートするのは遅く、そしてあるファイルの特定のバージョンを見つけるのは失望の鍛錬とも言える。我々は、Apple が Time Machine インターフェースを見直し、そしてそれをナビゲートしやすくし、使えるファイルの日付バージョンを一見しただけ見える様にし、そして現在と以前のバージョンの違いを可能な範囲で明らかにすることを求めたい。

或いは、Time Machine は Finder 自身と統合することも可能であろう。Matt Sephton は復元をより簡単にするシステムをハックして作り上げた - Restore from Time Machine 文脈メニュー項目 で、Finder 内でファイルを Control-クリックすることでアクセス出来る。勿論、Apple だってその様な機能を Finder に組み込み、そして現行以外のバージョンへ戻りたいと思うユーザーのための追加のインターフェースを提供することは可能なはずである。

Mac に対する iCloud バックアップ、或いは iCloud Time Machine

バックアップの必要性と、Mac に対する Time Machine そして iPhone と iPad に対する iCloud Backup を通しての Apple のそれに対する認識を考慮すれば、Apple が未だ次の段階に進みそしてクラウドベースのバックアップの特性を生かして Time Machine を iCloud にバックアップすることを追加のオフサイト選択肢として可能にすることをしていないのは理解しがたい。

ユーザーは、追加で必要となる iCloud+ ストレージに対して支払いをしなければならないであろうが、それは Apple の Services 部門にとっても損な話には見えない。Apple は全てのデータを収容するためには追加のデータセンター容量が必要になるであろうが、何百万台もの iPhone や iPad が既に iCloud にバックアップされていることを考えれば、Apple はそれをどうやれば良いのかは知っているはずである。

その様なサービスは、改善された Time Machine 復元インターフェースを必要とするであろう。Time Machine をハードドライブからナビゲートするのがのろいと思うのであれば、Internet 接続を通してではどれ程遅くなるか想像してみて欲しい。

Mac 用 Safari サイト特定ブラウザ

iPhone や iPad 上で定常的に訪れるウェブサイトがあるのであれば、それに対するアイコンを Home 画面上に追加出来る。小規模ではあるが、そのウェブサイトを一つのアプリに変化させているのである。それは Safari のそのウェブサイトの他のインスタンスとはクッキーを共有しないし、少なくともある場合には、他をナビゲートするために Safari のアドレスバーや他のタブへアクセスすることすら出来なくする。それは基本的にはサイト特定ブラウザである。

我々は、サイト特定のブラウズ能力が Mac 上の Safari にも来て欲しいと思っている。サイト特定のブラウザは色々でているが、それぞれに問題を抱えている ("Google Docs に最良の Mac 用サイト特定ブラウザ" 18 June 2021 参照)。個人的には、私は毎日かなりの時間を TidBITS と TidBITS Talk サイトや Finger Lakes Runners Club のために私が走らせている幾つかのサイトで費やしている。TidBITS と FLRC を別々のアプリでやれたらとても助かるであろう - それはまた関連したドメインに向けられたクリックしたリンクも捕捉するであろう - 現状では、毎日の終わりにはそれぞれのサイトに対して 10 から 15 のタブが開かれた状態になってしまっている。

WebKit の普遍性と macOS への統合を考えれば、Apple がこれを可能にするのは難しくないはずである。少なくともサードパーティ開発者がするよりは簡単なはずで、macOS と iOS ユーザー体験の統合を更に進めることにもなるであろう。

Preview 用のバージョンを使った Undo 改善

Preview は驚くほど能力に満ちたグラフィック編集アプリであるが、他のものと比べると一つの大きな障害に悩まされている:グラッフィクに対する変更はそれが開いている間にしか出来ない。保存しそして閉じた途端に、なされた変更はファイルのピクセルに書き込まれてしまい変更不可能となってしまう。我々は多くのスクリーンショットを Preview の中で編集する。と言うのも、それは手早いマークアップや注釈付けのために必要なツールの全てを備えているからであるが、後で間違いだと気付いて最初からやり直さなければならなくなるのはとてもやりきれない。

多くのグラフィックプログラムはこれを、追加されたオブジェクトを編集可能に保つカスタムのファイルフォーマット、独立に変更出来るレイヤー、バージョニング、或いはこの三つ全てを提供する事で解決している。Preview は独自のファイルフォーマットは持っていないが、比較的少ない努力で、Apple は macOS の長年続いてきているバージョニングシステムを活用して変更をやり直す簡便な方法を提供出来るはずである。既に File > Revert To と言うサブメニューがあり、それは最も新しく保存されたバージョンへと他のバージョンを比較するための Time Machine 似のインターフェースへとのアクセスを提供する。もしその能力が Edit > Undo 経由でアクセス可能であれば、Preview ユーザーは、ファイルを保存して閉じた後でも、変更が必ずしも永久的である必要はないことを認識するであろう。そして率直に言って、Preview はもっと多く使われるかも知れない。

Apple は更にもう一歩進んで、Preview ファイルに対して裏でバージョニングデータベースによって管理されるネイティブのファイルフォーマットを開発することも可能なはずであるが、同社が Preview に対して再びその様な時間を費やすのは想像し難い。

重要な構成変更のユーザーレベルのログ

我々は皆自分の機器上で構成変更を常に行っている。我々は、アップデートをインストールし、ネットワーク設定を変え、通知オプションをいじり、そして他にも色々行う。iOS での Settings そして macOS における System Preferences はどちらも数百の、数千ではないとしたら、選択肢を提供するし、これら二つのアプリの外で起こる構成も沢山ある。我々の多くは自分がやったことの多くを覚えておらず、その結果後で色々な種類の混乱が生じている。

我々は、Apple がそのオペレーティングシステムに "重要な" 変更のログを作り込み、そしてアプリが自らの変更を記録するための API を提供する事を望みたい。ユーザーが "重要な" の判定基準に見合う行動を起こした時は何時も - 例えば、File Sharing を有効にする、アプリに Full Disk Access を与える、Focus を構成する、システム全般に亘るテキスト表示を調整する、機器を再起動する - その行動は記録されるべきである。

そのログを解析しやすくするのは不可欠であろう - Console ではダメである。ログビューアーには、日付と時間、その変更がなされた機器、行動の詳細、そして理想的には、行動が取り消されるか変更されうる場所を示す何らかの方法が含まれるべきである。それは、勿論、完全に検索可能であるべきで、そして、結果をフィルター出来るように行動が分類されれば更に良い。それは Mac, iPhone, そして iPad 上で走るべきで、そしてその内容は iCloud 経由で機器間で同期されるべきである。そうすれば、Mac を使って iPhone に対するログを見ることも可能になる。

その様なログは、グズり始めたシステム上で最近何が変わったのかに見当を付ける大きな助けとなるであろう、とりわけ、より経験の少ない友人や親戚を手助けしようとしている人にとっては。言うまでもないであろうが、電話して来た人の問題の原因を探ろうとしている Apple のサポート技術者にとっては恵みとなるであろう。また、新しい機器上に一つの設定を再現する時にも有用であろう。

あなたの Apple のオペレーティングシステムを使う経験を改善するためには、何か他にも具体的な機能改善や機能がありますか?

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Julio Ojeda-Zapata  訳: Mark Nagata   

古くなった Mac に Google の Chrome OS Flex で新しい活力を

弟が 2017 年に事故で亡くなった時に彼の Apple デバイス一式を私が引き継いだが、そこには 2012 Mac mini も含まれていた。当初はこのコンピュータをどこかへ寄贈しようと思っていた私だったが、Apple の熱心なファンだった Frankie の思い出に、手元に置いておこうと考えを変えた。けれども段々と活発さを失いつつある Mac には良い使い道が見つからなかったので、結局何もせずそのままにしていた。

でも最近になって、私はこれを毎日使っている。仕事部屋兼ジムとして使っている屋根裏部屋の隅に置かれていた Frankie の Mac mini は、今や立ち机の上の良い場所を占めて、ウェブブラウズ、メッセージング、ビデオのストリーミングその他のために利用できるようになった。(弟の控え目なディスプレイと、有線キーボードとトラックボール、そこに私の大好きな Apple iPod Hi-Fi スピーカーボックスを加えてハードウェア一式が完成する。) これが今挙げた目的を信頼性をもって高速に実行できているのは、現行の、最先端のオペレーティングシステムを使っているからだ。

その秘訣は何かと言えば、これが macOS でなく Google の Chrome OS Flex を走らせているからだ。

おそらく皆さんは Chrome OS のことはお聞きになったことがあるだろう。Chrome OS は Google の、ウェブ中心のオペレーティングシステムで、ラップトップ機 Chromebook を駆動して幼稚園や小学校の教室で一般的に使われ、一部のコンシューマやビジネスでもとにかく安価だから品質のことは問わないという人たちに受け入れられている。

Google は今回、誰でも既存のコンピュータの上に無料でインストールできるバージョンの Chrome OS を作って、Chromebook を買わなくても使えるようにした。Chrome OS Flex の最大の魅力は、既に耐用寿命を終えた古い Mac や PC にも互換性があることだ。私の古い Mac に Chrome OS Flex をインストールする作業も簡単だった。

Get early access to Chrome OS Flex

どこかで聞いたことのある話だとお思いの方は Neverware のことを考えておられるのかもしれない。この会社は Google のオープンソースの Chromium OS に基づいた CloudReady オペレーティングシステムを提供している。2020 年 12 月に Google が Neverware を買収し、CloudReady をりブランドして Chrome OS Flex と名付けた。Google が Chrome OS Flex の不備な部分を補う作業を続ける一方で、無料版の CloudReady は今もまだ入手可能だが、未来はやはり Flex にある。

実際に Google は、中央で管理された古いマシンを多数抱える組織のためのツールとして Chrome OS Flex を位置付けるという大きなプランを持っている。中央管理こそ、Chrome OS の強みだからだ。Google は、それに付随する Google サービスの売り上げを通じてこのプランから利益を追求しようとしている。

でもこの記事では、古い Mac の埃を払ってそこに新しい命を与えようと考えている個人ユーザーに話題を絞ることにしよう。使っていると頭がクラクラすることもあるかもしれない。Chrome OS Flex にはお馴染みの macOS インターフェイスがなく、Google エコシステムの目玉機能 (例えば Google Assistant、これは Neverware の CloudReady にはない) の中に浸らされるからだ。

Mac 上で Chrome OS X Flex を使うのは Chromebook 上で Chrome OS を使うのと同じとは言えないし、欠落している機能もいくつかある。(この点についてはあとでまた述べる。) それでも、弟の Mac に新たな有用性ができたことで私は満足できる体験だと思った。ほんのちょっとだが、まるで Frankie が戻ってきたかのような感じさえした。

Chrome OS Flex の予備的セットアップをする

Chrome OS Flex のセットアップは 2 段階か 3 段階の素早い手順でできる。まず、USB フラッシュドライブまたは SD カードを使ってインストーラを作成するのだが、これはフラッシュドライブの macOS インストーラを作成するのとよく似ている。次に、再利用したいコンピュータにそのフラッシュドライブを差し込んで、インストーラを走らせる。他のコンピュータに Chrome OS Flex をインストールしたい場合にはそのフラッシュドライブを再利用できる。

How Chrome OS Flex works

でもその前に、あらかじめはっきりさせておくべき点がいくつかある。これらの予備的手順が、Chrome OS Flex のインストールを手軽に素早く進めるための役に立つ。

古い Mac のシステム要件

Chrome OS Flex は Intel ベースの 64-bit Mac に少なくとも 4 GB の RAM と 16 GB のストレージを搭載したものを必要とする。Google によれば、最良の結果を出すためには 2010 年前後またはそれ以降のプロセッサとグラフィックスチップが必要だという。

Google はさまざまのメーカーの製品の中から Chrome OS Flex で使うために“認定済み”のものを分類している。2022 年 3 月 29 日時点で認定されている Mac には 2014 年型 Mac mini、2010 年型 MacBook、2012 年型 MacBook Air、2012 年型 MacBook Pro が含まれる。Google によれば、リストされた他の Mac モデルでは“マイナーな問題”が起こるかもしれないという。(あらゆる Mac モデルとそれぞれの識別子については EveryMac の包括的リストを参照するとよい。)

弟の Mac mini は Google のリストに載っていないが、やってみると問題なく動作する。他方、テクノロジーサイト Chrome Unboxed は認定外の 2010 年型 MacBook Pro に Chrome OS Flex をインストールしようと試みてうまく行かなかったという。

Adam Engst が Chrome OS Flex を 2008 年型の 13 インチアルミニウム製 MacBook で試したところ、動くには動いたけれども、スクリーンの再描画の度にほとんどいつも視覚的アーチファクトが大量に残った上に、頻繁に Chrome OS 自体が勝手に再起動したという。

より前向きな話としては、Adam が大好きな 2014 年型 27 インチ iMac でテスト用ドライブを使ってみると、Chrome OS Flex はどうやらうまく動いてくれたという。ただし、その Mac の古い Matias Tactile Pro キーボードの修飾キーには一切反応しなかったそうだ。Apple キーボードは Chrome OS の制約 (例えば少し違うキーボードショートカットなど) さえ我慢すればちゃんと使えたという。

この話の教訓は、過去 10 年から 12 年以内に製造された Mac だけにすることだが、それでも Google の認定リストに載っていない場合はいろいろ問題が起こることもあり得る。幸いにも、Chrome OS Flex は USB フラッシュドライブから走らせることのできる試用モードを含んでいるので、Mac の内蔵ドライブを再フォーマットする前にその Mac で動作しそうか否かを確かめることができる。

USB フラッシュドライブの要件

Google は最低限 8 GB の容量を持つ USB フラッシュドライブまたは SD カードを推奨している。セットアップ手順の一環としてそのドライブは消去される。また、Google は一部の Sandisk モデルで問題が起こることがあると警告しているが、再フォーマットすれば問題が解決するかもしれないという。Chrome Unboxed は USB 3.0 ドライブを使うこと、USB 2.0 のタイプを使わないことを勧めており、そうすればインストールがずっと早く済み、トラブルも起こりにくいと言っている。ただ、私は USB 2.0 16 GB フラッシュドライブを使って特に問題を経験しなかった。

オプション: Mac のクリーンアップ

Chrome OS Flex をインストールするとその Mac の内蔵ドライブは消去されるのだけれども、いったん macOS Recovery でブートしてから内蔵ドライブを消去して、その後でインストールするようにしよう。私が最初に Chrome OS インストーラでインストールを試みた際には、Mac のドライブがパーティションに分けられていたのを忘れていたせいで躓いた。ボリューム全体は使えない状態になっていたからだ。そこでいったん macOS Recovery から Disk Utility を使ってボリュームを消去し、その後でやり直したところ Chrome OS Flex は問題なくインストールされた。

たとえ Google の外見を纏っていても、この Mac mini が今後もやはり Mac であり続けるという事実に私は何となく安心感を覚える。昔ながらにつつき回したくなれば、いつでも macOS Recovery でブートすることができる。ありがたいことに、Chrome OS Flex に成り代わられた後も、起動時にはちゃんと Mac のチャイムが鳴る。

オプション: Google セットアップ

Google 関係のことをいったんきちんと片付けておくのも良いかもしれない。もちろん、現在 Google アカウントを持っていない人は、アカウントをセットアップすべきだ。主に使っている Mac 上に Google Chrome ブラウザを持っていなければ、それをインストールしてから同期をオンにし、Chrome インスタレーション同士の間でデータをやり取りできるようにしておこう。また、Safari などお使いのブラウザから、ブックマークを Chrome に転送しておくのもよいだろう。

Chrome OS Flex インストーラを作成する

主に使っている Mac 上に Google Chrome ウェブブラウザを持っているべき理由がもう一つある。それは、Chrome OS Flex インストーラの作成のために使うからだ。

Chrome で、最初の手順は Chromebook Recovery Utility 拡張をインストールすることだ。ロードされれば、この拡張のアイコンがブラウザウィンドウ右上に他の拡張と共に並ぶはずだ。(丸の中にレンチが見えるアイコンだ。) もし見当たらなければ、ジグソーパズルのピースのように見えるアイコンをクリックして、インストールされた拡張のフルリストを開く。それから Chromebook Recovery Utility の横に見える押しピンアイコンをクリックすれば、ブラウザウィンドウ右上隅にピン留めされる。

Create a recovery media for your Chromebook

フラッシュドライブを差し込んでから Chromebook Recovery Utility をクリックする。すると次の順にプロンプトが出る:

Chrome OS Flex をインストールする

フラッシュドライブを Mac に差し込んでから Mac の電源を入れれば、Chrome OS Flex のインストールが始まる。さきほど私がお勧めしたようにあらかじめ Disk Utility を使って内蔵ドライブを消去してあれば、Mac は自動的にインストーラでブートする。そうでなければ、ブートする間 Option キーを押し続けて、起動ディスクとしてフラッシュドライブ (EFI Boot という名前になっている) を選ぶ。

その後はまず下のような愉快なスタート画面が出て、その後は単純明快に Chrome OS Flex のインストールが進む。

Welcome to ChromeOS Flex

しかしながら、そこには途中で何度も分岐する道筋があって、その度ごとに決断を下す必要がある。それぞれの決断が Chrome OS Flex がどのように設定されるかに影響し、それをあなただけが使うのか、または家庭内の他の人も使うのかに応じて決断が違ってくる。

決断事項 #1: Chrome OS Flex をそのフラッシュドライブから走らせるのか、それとも Mac の内蔵ドライブにインストールするのか

どちらを選んでもそのように機能するが、Google は前者をテスト用と見なしており、思い切って完全に飛び込む前によく考えてみるためのものと位置付けている。私としては、いずれは Mac のドライブにフルにインストールすることをお勧めしたい。フラッシュドライブで使っていた間に、データストレージ量の制約や、その他のマイナーな頭痛の種に遭遇したからだ。

初めはフラッシュドライブで使う道を選んでも、後になってフルインストールに切り替えることも簡単にできる。ログイン画面の左下隅に Install Chrome OS Flex ボタンがあるので、それを使ってインストールが済めば、Chrome OS Flex はフラッシュドライブを取り外して Mac を Chrome OS Flex でブートするよう促してくる。

Chrome OS Flex のインストーラは手が届く場所に置いておこう。将来別の古い Mac をセットアップしたいと思うかもしれないし、他の人のコンピュータを使ってあなた自身の Google 環境にブートして、手早くオンラインセッションをするために使いたいこともあるだろうから。

決断事項 #2: Google を使うのは初めてか、それとも Mac 上の既存の Google Account を移行させようとしているのか

もし前者ならば、新規アカウントを作成するよう促される。既に Google Account を持っており、かつどこか他のところに Chrome ブラウザがあって同期がオンになっているならば、単純にログインするだけで、ブックマークやその他の設定がすぐに伝達される。過去に Chromebook を使ったことがある人にとっては Chrome OS でする場合と同じことだ。

私は Google Chrome と Chromebook を使ったことがあったので、Mac mini に Chrome OS Flex を入れるとスクリーンは下のように見えた。私の Chrome OS カスタマイズのすべてがそこにあり、"shelf" ドックにアプリのアイコンが並んでいた。すべてが完璧に同期され、私の Google 認証情報を使ってログインしたどんな本物の Chromebook のスクリーンとも同じものだった。

Chrome OS desktop

決断事項 #3: あなたや他の大人がその Chrome OS Flex を使うのか、それとも未成年を監督して使わせる予定があるか

後者の場合は、いくつかの手順を踏む必要がある。具体的には:

新規の子供用アカウントをセットアップした後の Chrome OS デスクトップは下のような見栄えだ。右下隅に見える小さな凧のアイコンが、これが大人に監督されたアカウントであることを示している。

Chrome OS desktop for kids

Google は Family Link という素晴らしい iPhone 用アプリを出していて、指定された Family Manager が家庭内の未成年たちのアカウントの管理を洗練された、ナビゲートしやすいインターフェイスを使ってできるようにしている。これにより、iPhone 中心の家庭では Chrome OS Flex の魅力が増すかもしれない。なぜなら、再利用されたマシンを使う子供たちは監督を受けずにインターネットを使うことができないからだ。

Google Family Link iPhone app

Chrome OS Flex はあなたに向いているか?

お蔵入りした Mac を生き返らせるツールとして Chrome OS Flex には明らかな魅力がある。ただ、 それをどのように利用するかはよく考えておくべきだ。

結局のところ、Chrome OS はコンピューティングの手法として劇的に異なるものだ。Chrome OS はウェブ中心の手法に依存しているので、あなたのお気に入りの Mac アプリはもう使えない。いや、どんな種類の従来型のアプリも使えない。これは、Google Chrome を強化したものと思えばよい。ドックやデスクトップの壁紙などの拡張は加わっているけれども、機能的に見れば、これはやはり本質的にウェブブラウザに過ぎない。私の shelf に並んだアイコンはアプリのように見えるけれども、実際には単なるブックマークだ。(Chromebook によっては Android アプリを走らせるものもあるが、Chrome OS Flex にその機能はまだなく、基盤となるハードウェアが何であっても使えない。)

私自身は Chrome OS の制約が気にならない。長年 Google Chrome と Google の各種サービスを使ってきて慣れ親しんでいるからだ。Chromebook だけで何週間も仕事を続けても苦にならないが、やはり Apple ハードウェアの方が好ましいし、それが必要となる種類の仕事もある。ただしこれは私だけの話だ。

あなたに向いていないとしても、それは自然なことだ。ただ、あなたの家族の誰かが、あるいは親戚の誰かが大いに気に入るかもしれないので、古い Mac が放置されているのならばどうか見過ごさないで頂きたい。Chrome OS Flex マシンが家庭内で役立つ使い方としては次のようなものが考えられる:

資金の余裕のない家庭でも、Chrome OS Flex を使って子供たちの切なる願いを実現できる。兄弟と共有しなくてもいい自分だけのコンピュータを持てるのだから。

Chrome OS Flex をインストールする際には、ハードウェアによるちょっとした不具合や障害を覚悟しておく方がよい。私の場合、一つには Bluetooth を正しく働かせることができず、そのため有線接続の入力デバイスを探さざるを得なかった。お陰で、ほとんど忘れかけていた Kensington Expert Mouse Wired TrackballLogitech Washable Wired Keyboard K310 を再び役立てることができてとても嬉しかった。私の iPod Hi-Fi も使われないまま放置していたが、これを単純な 3.5 mm オーディオケーブルで繋ぐだけで私の Mac mini が迫力満点の音楽・ビデオ用デバイスに早変わりした。

この Mac mini に内蔵マイクが付いていなかったことで、私は外付けマイクを探してきて、Google Assistant (Google で Siri に相当するもの) を使うようになった。

それからまた、Chrome OS Flex は場合によって Mac のハードウェアとあまり相性が良くないこともある。私は Mac mini で DVD の視聴ができることを期待していたけれども、Apple の USB SuperDrive には対応していなかった。それ以外にも、指紋読み取り装置、FireWire や Thunderbolt、その他のものでも問題に遭遇する可能性が高い。例えば、私が昔から頼りにして使ってきた Elgato Thunderbolt Drive+ を Mac mini の Thunderbolt ポートに差し込んでも動作してくれない。幸いにも、このドライブには USB 3.0 Micro-B ポートも付いていて、それを Mac の USB-A ポートに繋ぐことはできた。

さきほども書いた通り、Chrome OS と Chrome OS Flex は必ずしも同じものとは言えない。PC や Mac の上で使うバージョンの Chrome OS の制約のいくつかはセキュリティ、Android 対応、Windows 仮想マシン用の Parallels Desktop 対応その他に関係している。Google は Chrome OS と Chrome OS Flex の違いに関する詳細な説明を公開している。

ちなみに、この記事の最初のところで Chrome OS Flex を備えた Mac mini が「高速で」走ると書いたが、それは比較的に言えばの話だ。何と言ってもこれは回転するハードドライブを搭載した大昔のマシンなのだから。遅いハードドライブから Chrome OS Flex を走らせるよりも USB 3.0 フラッシュドライブから走らせた方が速いということもあり得なくはない。

たとえそうだとしても、この Mac mini が macOS のオーバーヘッドから解放され、より軽量の、より許容度の高いオペレーティングシステムを備えることで、これほど元気一杯に働くようになったことに私は驚きを禁じ得ない。もっと現代的なコンピュータとも相並んで、十分に仕事をこなせるようになったのだから。テクノロジーおたくだった弟も、きっと喜んでいることだろう。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Safari 15.5

Safari 15.5

Apple が macOS 11 Big Sur と 10.15 Catalina 用に Safari 15.5 をリリースして、3 件の WebKit 脆弱性をパッチした。いずれも、悪意を持って作成されたウェブコンテンツによって任意のコードが実行される可能性があるものだ。Safari 15.5 は Software Update 経由でのみダウンロードできる。(無料、サイズはいろいろ、リリースノート、macOS 10.15+)

Safari 15.5 の使用体験を話し合おう

SoundSource 5.5.1

SoundSource 5.5.1

Rogue Amoeba が SoundSource 5.5 をリリースして、macOS 12 Monterey の Shortcuts アプリに対応するとともに、デバイスの音量変更、エフェクトプリセットの設定、エフェクト処理の切替、その他を自動化できるようにした。このオーディオコントロール・ユーティリティは保存した Audio Unit エフェクトが他のアプリケーションからも読めるようにし、オーディオエフェクトにカスタマイズした名前をラベル付けできるようにし、Stardew Valley から正しくオーディオを認識できるようにし (農場狂いの息子は大喜びするだろう)、プラグインウィンドウをドラッグすると起こることのあったグラフィカルな不具合を解消し、また Audio Capture Engine をバージョン 11.8 にアップデートして内蔵マイクロフォンを使う際の FaceTime の音量の問題を回避した。

そのリリースの後間もなく Rogue Amoeba はバージョン 5.5.1 を出して、特定の Audio Unit 用にプリセットが保存された稀なセットアップ下でアプリが起動しなくなったバグを修正し、AUNBandEQ の最初のバンドでクリックした際にハングに繋がらないようにした。(新規購入 $39、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、26.6 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

SoundSource 5.5.1 の使用体験を話し合おう

Agenda 14.1

Agenda 14.1

Momenta が日付に集中したノート取りアプリ Agenda のバージョン 14.1 をリリースして、スペルチェックを改良するとともに、同期の動作状態が "islands" ボタンを横切って動く雲として表示される (macOS 10.14 Mojave かそれ以降が必要) ようにした。今回のリリースではまた、右側のパネルからリンクをノートに追加した際にリンクがリマインダーに挿入されるようにし、数字付きのリストをペーストした際に数字がフリーズしないようにし、自動補完の最中に最初のオプションの自動選択を有効にし、Command-S を押した際にビープ音が鳴らないようにし、水平定規が Dark および Black モードでも正しく見えるようにし、ノートパネルでのいくつかの不具合を解消し、何件かのクラッシュに対処している。(無料、プレミアム機能のアプリ内購入 $24.99、無料アップデート、70.3 MB、リリースノート、macOS 10.12+)

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Pixelmator Pro 2.4.3

Pixelmator Pro 2.4.3

The Pixelmator Team が Pixelmator Pro 2.4.3 をリリースして、改装された Photos ブラウザを導入するとともに、ワークフローにいくつか便利な改良を加えた。デザインを新たにした Photos ブラウザは iCloud Photos 対応を改善し、開いた写真のフル解像度版を自動的にダウンロードするようにし、Apple の Photos アプリで施された変更が即座に Pixelmator Pro の Photos ブラウザに反映されるようにし、(Recents、Favorites、Panoramas、Selfies、Screenshots など標準項目も含む) Photos アルバムへのアクセスを提供した。

Pixelmator Pro 2.4.3 Photos Dialog

今回のリリースではまた、図形や Color Fill エフェクトの色を Layers サイドバーで変更できるようにし、レイヤーに施されたカラー調整をカラー調整レイヤーの中へ変換できるようにし、特定のサードパーティのアプリでの SVG 対応を改良し、MacBook Air のトラックパッドで Option-スクロールしてズームする機能が壊れていたバグを修正し、書き出した PSD ファイルが Adobe Photoshop の中で編集可能な Level、Curve、Channel Mixer、および Invert adjustment レイヤーを備えて開くようにした。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、無料アップデート、456 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

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Transmit 5.8.5

Transmit 5.8.5

Panic が Transmit 5.8.5 を出して、このファイル転送アプリに機能追加、改良、バグ修正を施した。今回のリリースでは Open In Terminal で使うデフォルトアプリを設定する環境設定項目を追加し、ファイルの切り分けアップロードへの対応を導入し (これで 32 GB より大きなファイルも転送できる)、Copy Signed URL オプションの並び順を AWS S3 での持続時間順にし、ファイル同期の操作で常にバイナリモードを使うようにして変更の探知を改良し、アクセシビリティに関係したクラッシュに対処し、macOS アプリケーションパッケージをファイル同期操作を使ってコピーできるようにし、二重前方矢印文字を含むファイル名やフォルダ名が再帰的なディレクトリリスト作成を引き起こしていた AWS S3 の問題を解消し、非常に長い転送操作の最中に Transmit が再認証に失敗することがあった OneDrive の問題に対処している。(新規購入 $45、無料アップデート、33.9 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

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PopChar X 9.4

PopChar X 9.4

Ergonis Software が PopChar X 9.4 をリリースした。今回から M1 ベース Mac にフルにネイティブ対応するユニバーサルアプリとなった。この文字発見およびフォント探査ユーティリティは文字レンダリングのコンポーネントをデザインし直して、フォントを切り替える際の速度と一貫性を向上させた。今回のリリースではまた、表のセル内部での文字の垂直方向の整列を改良し、ノッチを持つ MacBook スクリーンの丸まったコーナーにより“コーナーの P”が一部見えなくなっていた問題に対処し、拡大表示で特定のフォントの合字が正しく表示されなかったバグを修正し、検索フィールドに名前の特定の一部分を入力しても文字が見つからないことがあった問題を解決し、滅多にない特定の状況における内蔵スクリプトの処理を改善した。(新規購入 29.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、6.0 MB、 リリースノート、macOS 10.10+)

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ChronoSync 10.2

ChronoSync 10.2

Econ Technologies が ChronoSync 10.2 をリリースして、macOS 12.4 Monterey およびそれ以降の走る M1 ベース Mac でのブート可能バックアップへの対応を復活させた。(macOS 12.3 で Apple の ASR ユーティリティに導入されたバグの結果としてブート可能バックアップが使えなくなったが、Apple は 12.4 でバグを修正した。) この同期およびバックアップ用ツールはまた、新しいパワーマネージャ挙動を導入し、Bootable Backup の自動除外項目リストを変更し、ChronoSync がキーチェーン項目を正しく作成できなかった問題を解決し、Direct Messaging の電子メールプロバイダへの接続に失敗したバグを修正した。(新規購入 $49.99、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、88.2 MB、リリースノート、macOS 10.12+)

ChronoSync 10.2 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

Google、G Suite のレガシーユーザーが無料で電子メールを使い続けられるようにする

長年にわたり、Google は個人や家族が無料の G Suite アカウントを作成して Gmail でカスタムドメインを使えるようにしてきた。しかしながら最近になって Google は、アカウントを使い続けるためには Google Workspace の有料購読をしなければならないとそれらのユーザーたちに告げた。これを受けて一部の TidBITS 読者たちは、今後も Google を使い続けるか、それともどこか別のところで電子メールをホストしてもらうべきかと頭を悩ませた。

けれども土壇場になって、Google は態度を変えた。Ars Technica の記事によれば、G Suite のレガシーユーザーは無料で電子メールアカウントを使い続けられる。ただしそのためには 2022 年 6 月 27 日までに手入力で無料オプションにサインアップしなければならない。何もしなければ、2022 年 8 月 1 日をもって G Suite アカウントは停止される。この G Suite レガシー無料版は個人用または家族用に限られる。ビジネスユーザーは有料の Google Workspace に移行するしかない。既に Google Workspace に料金を払い始めたけれどもレガシー無料版 G Suite の資格がある人は、Google サポート担当に連絡しよう。

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APFS の Time Machine ドライブで余った容量を使う方法

Time Machine バックアップのためにドライブを購入する場合、必要と思われるよりも大きな容量のものを入手しておくのは賢明なことだ。未来に備えて計画を立てるのだ! そうして入手した 8 TB の Time Machine ドライブに 4 TB が使われずに余っているのを見れば、内蔵ドライブ上にあるバックアップとは別の何ギガバイトものファイルを一時的に、あるいは恒久的なアーカイブとして、そこに置いて内蔵ドライブに空きを確保したいと思うこともあるだろう。デフォルトの設定では、APFS の Time Machine ドライブの空き容量を他の目的に使うことはできない。けれども、Apple によればそのディスク上に追加の APFS ボリュームを作成すれば可能になるという。Eclectic Light Company の記事で Howard Oakley が、この Apple のアドバイスにさらなる磨きをかけて、Time Machine APFS コンテナの内部に新規ボリュームを作成すべきなのはどんな場合か、あるいは別の方法として別途に APFS コンテナを作成すべきなのはどんな場合なのかを説明する。そのようにした場合にも、何らかの別方法を使ってそれらの追加ファイルを Time Machine ドライブにバックアップする必要があることは忘れないようにしよう!

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