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#1613: M2 MacBook Air と 13 インチ MacBook Pro、OS に登場する待ちに待った機能、watchOS 9、TidBITS ウェブサイトへの変更、tvOS と HomePod のアップデート

今日は Apple の WWDC キーノート (基調講演) の日だ。この会社の次世代のオペレーティングシステムのあちこちに散りばめられた新機能のいくつかについては私たちもまだ頭を悩ませている段階だが、ずっと以前から延び延びになっていた機能を 10 個紹介したい。Apple Watch ファンのために、Julio Ojeda-Zapata が watchOS 9 に期待できるものをいくつか挙げる。Apple は、新しい M2 プロセッサに加えて、デザインを新たにした MacBook Air と、アップデートされた 13 インチ MacBook Pro も発表した。それから、TidBITS ウェブサイトに施した舞台裏の変更点を Adam Engst がお伝えし、また Apple TV と HomePod へのマイナーなアップデートについても紹介する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Keyboard Maestro 10.1、Default Folder X 5.6.6、Carbon Copy Cloner 6.1.2、MarsEdit 4.5.8、Zoom 5.10.7、GraphicConverter 11.6.1、1Password 8.7.1、それに Mellel 5.1.2 だ。

Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

Apple、tvOS と HomePod Software を 15.5.1 にアップデートし音楽バグに対応

tvOS 15.5 と HomePod Software 15.5 をリリースして間もなく ("Apple、iOS 15.5, iPadOS 15.5, macOS 12.4, watchOS 8.6, tvOS 15.5, HomePod Software 15.5 をリリース" 16 May 2022 参照)、Apple は tvOS 15.5.1HomePod Software 15.5.1 をリリースして、音楽が "しばらくすると再生を止める" バグを修正した。どちらにもセキュリティ修正は含まれていない。

どちらのアップデートも自動的にインストールされるはずだが、この問題を経験していて直ぐにアップデートしたいのでれば、手順は以下:

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

LittleBITS: 速度とセキュリティのためのウェブサイト変更

電子メール号の TidBITS で一週間お休みをいただいたので、私たちはウェブサイトでも少し開発作業をした。私たちのサイトはかなり複雑なものとなっているので、少しの変更でも予期せぬ副作用が発生することがある。だから私たちは今も荒削りなところを探しては磨きをかけている最中だ。もしもサイトが期待通りに働かないことに気付かれたら、どうぞ私にご連絡いただきたい。

パフォーマンスの高速化

まず第一に、私たちはここ数か月間にわたって画像の最適化、キャッシング、コンテンツ配送ネットワークなどに関するいろいろな問題点に取り組んできた。それらの問題を解決するための私たちの最新の取り組みが、Cloudflare の Automatic Platform Optimization (APO) サービスを使ってみることだ。このサービスは、私たちのサイトのより多くの内容を Cloudflare の CDN (負荷分散ネットワーク) にキャッシュする。私たちのサイトでまず何回かパフォーマンスのテストをしてみて、大体において結果は良好だったので、このサービスを使ってもそう変わらないのではないかという気もしたが、料金が月額 $5 と安価だったのでとにかく試してみることにした。

私の疑いはたちまち消えた。皆さんもぜひ今すぐ tidbits.com を訪れて、あちこちブラウズしてみていただきたい。パフォーマンスは以前も悪くはなかったが、今はそれよりずっと良くなっている。

この変更の実装は簡単だったが、私たちは今もまだ調整すべき細々としたことがあるのを見つけて取り組んでいるところだ。とりわけ、今朝早く検索が働かなかったが、今はちゃんと働いているようだ。解決していることを願いたい。

会員チェックアウトを攻撃に対してより堅牢に

さて、こちらは Cloudflare APO への移行と完全に無関係な話だが、私たちの会員システムに一つかなり重要な変更を施した。記事“LittleBITS: 第 1600 号、Card Testing 攻撃、意図せぬ購読中止を予防”(2022 年 2 月 28 日) に書いたように、私たちはうっかりとカードテスティング攻撃を可能にしていた。攻撃者がボットを使ってアカウントを作成し、会員にサインアップすることで盗まれたクレジットカード番号がまだアクティブであるかどうか識別しようとするものだ。私たちはボットがフォームを提出することを予防するために reCAPTCHA を使ってブロックしたのだが、この reCAPTCHA は Apple Pay を受け付けることに関連してさまざまの問題を起こした。結局その問題を解決できなかったので、私は運試しにと思って reCAPTCHA を無効化してみた。

良くない考えだった。その数か月後にまた攻撃が起こって、今回もまた Custom Monthly Amount 会員レベルでデフォルトの月額 $2 を選ぶ攻撃であった。$2 という少額の課金ならば気付かれる可能性が低いということでカードテスティング攻撃にとっては魅力的なのだ。当時私はとても忙しかったので、攻撃者は少額のみを試そうとすると期待をかけて私は Custom Monthly Amount レベルを無効にすることで対処した。でもそれはまたもや良くない考えだったと分かり、三度目の攻撃が $20 の TidBITS Contributor レベルを標的にしてやって来た。いずれの攻撃でも Stripe は攻撃の大多数をブロックしてくれたし、残りのすべてに私はすぐ返金をしたけれども、そのような犯罪的挙動に関係するのは容認できないので、私は再び reCAPTCHA をオンに戻した。

問題を解決するために Apple Pay を丸ごと無効にすることはしたくなかったので、私たちの開発担当者に相談したところ、Stripe Checkout に切り替えることを勧めてくれた。これは、会費支払いプロセスに Stripe がホストする支払いページを追加する。余計な手順が一つ増えるけれども、Stripe が提供する保護は、ボットに対抗する手段として私たちの手で可能なものよりもはるかに強力なものだろうと願ってのことだ。この変更を施すことに決めたので、今後は皆さんが会費支払い手続きをチェックアウトする際に下のようなページが開く。

Stripe Checkout for TidBITS memberships

正直者がばかを見るという格言の通り、Stripe Checkout に駆動されたこの処理が支払いを受けるのだが、それと WordPress の Paid Memberships Pro との間に断絶ができてしまい、この支払いと会費資格がアカウントに反映されなくなっている。言ってみれば未決の Web フック反応のようなものだ。私たちのサポート担当者 Lauri Reinhardt はこの問題を認識しており、既に開発者に問題を報告してあるので、近いうちに解決されると期待している。今のところ、読者の皆さんが TidBITS 会員の更新あるいは加入をして下さってもすぐには支払った額がアカウントに反映されないのだが、それはこういう事情だ。[訳者注: この問題は既に解決されたとのことです。]

TidBITS Talk とナビゲーションバー

最後にもう一つ、しばらく前に、TidBITS Talk 参加者からの要望に応えてインターフェイスの変更を施した。私たちのサイトのメインのナビゲーションバーに、新しく TidBITS Talk というトップレベル項目を追加したのだ。ここには対になる Discourse サイト上で記事へのコメントを投稿したり、一般的な議論を読んだりするためのリンクと、加えて SlackBITS へのリンクも設けてある。この変更によって Get TidBITS メニューからそれらの項目を削除することができた。もともとこれらは Get TidBITS メニューでは場違いな感じだったし、これで TidBITS Talk がもっと目立った存在になれば嬉しい。

TidBITS nav bar with TidBITS Talk menu added

その反対側を見れば、TidBITS Talk サイトには一番上のナビゲーションバーに TidBITS Home というリンクを付けたので、TidBITS Talk を読んでいてメインの tidbits.com サイトに戻りたくなった人に便利に使っていただけるだろう。言い回しの選択には少し悩んだ。単に "Home" だけでは説明が足りない感じがしたが、"TidBITS Home" ならば少々くどいとしても、双方のサイトを区別するために妥当な方法に思えた。

TidBITS Talk nav bar

今回の変更点のいずれも、皆さんがこのサイトを使う体験を劇的に変更するものではないが、いったん騒ぎが収まれば、以前より高速で、使いやすく、攻撃に対してもより良く保護されたものとなるはずだ。

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Julio Ojeda-Zapata  訳: 亀岡孝仁  

watchOS 9、健康と運動機能を追加

Apple の Worldwide Developers Conference で明らかにされた watchOS 9 は、Apple Watch の健康と運動の能力を強化することに焦点を当てているが、何時もの様に、一連の文字盤とインターフェース強化も追加している。

まず最初に、際立つ watchOS 9 機能だと思うものを見て、それからそれ程には目立たない変更へと移りたいと思う。

watchOS 9 features

新しい薬アプリ

この真新しい Apple Watch アプリは - iPhone の Health アプリには補完的な機能がある - 幾つもの薬を飲んでいるが定められた時間に飲むことを忘れてしまうことを心配してる人達を狙いとしたものである。

自分の薬、ビタミン剤、そしてサプリメントを Health アプリに入力した後、それぞれについての情報を iPhone や Apple Watch 上で見られ、そしてスケジュールやリマインダーを設定出来る。Health はまた、米国では、二つ或いはそれ以上の薬の間での "重大な相互作用" が健康リスクを生じさせる恐れがある場合、ユーザーに警告する。

Medication interaction warning

我々は、Medications を試してみるのをとても楽しみにしている - 毎日幾つもの薬を飲むことになるのは全く珍しいことではないし、相互作用や飲み忘れを回避する手助けはどんなものでも歓迎である。

使用中のアプリを Dock にピン留め

Apple Watch 機能で Dock よりも重要だというものはまずない。それは、ユーザーに時計のサイドボタンを押すだけで最近使った或いは好みのアプリにアクセスさせてくれる。

watchOS 9 は賢い小さな改善を追加した:Dock の中で、使用中のアプリは他のアプリよりも先に現れ、それ等に手早く戻るのをより簡単にしてくれる。

四つの新しい文字盤

新しい文字盤が常に watchOS の披露では目立つのには理由がある - それ等を嫌う人はいますか? (皆さんは、多くの TidBITS スタッフの様に結局の所は Infograph Modular に戻るとしても、見てみるのは楽しくありませんか?) watchOS 9 には、四つの新しいそして改装された文字盤がある:

watchOS 9 watch faces

Apple はまた既存の文字盤に対しても色々な改良を発表している。コンプリケーション (複合表示) は、Utility, Simple, そして Activity Analog 盤面で化粧直しが行われている。また Modular, Modular Compact, そして X-Large 盤面での背景色の編集も可能である。

しかし、サードパーティ開発者は未だに自らの盤面を作成出来ない。

AFib History

Apple Watch の ECG アプリは、不規則な心拍の通知と相俟って、だいぶ前から心房細動 (或いは AFib) の兆候を見いだせていた。治療せずに放っておくと、AFib は脳卒中になる人達の一つの健康要因となる。

watchOS 9 を使えば、AFib を持つユーザーは、Apple の FDA 承認が通るとして、その状態を時間と共に観察出来る。AFib History 機能は、ユーザーの心拍が憂うべきパターンをどの様な頻度で示すかを推測し、そして毎週通知してくるのでユーザーは経過を追える。

障害を持つユーザーのために

Quick Actions と呼ばれる最近の watchOS 機能は、身体障害を持つユーザーに彼らの Apple Watch を指ピンチや拳を握るといった身体的ジェスチャーで操作させてくれる。数週間前に Apple が発表したように ("Apple、登場予定のアクセシビリティ機能をプレビュー" 17 May 2022 参照)、watchOS 9 はこの機能を、電話に出る或いは切る、写真を撮る、メディアを再生する或いは一時停止する、そして運動を制御すると言った操作にも使えるようにする。

更に、watchOS 9 は Apple Watch Mirroring と呼ばれる機能を、身体或いは運動障害を持つ人達に対して追加している。それはユーザーに彼らの Apple Watch をペア付けされた iPhone を使って遠隔で操作させてくれる。それには音声入力、頭部追跡、外付けの Made for iPhone スイッチ、等々が使える。.

運動アプリの強化点

watchOS の Workout アプリは、多くの人が Apple Watch を持つ主な理由であるが、運動能力を測るためのより良い測定要素とフィットネス目標を達成するためのツールとでアップデートされた。

まず始めに、見慣れた一緒にやる運動画面は今や Digital Crown を使って一目で分かる色々な運動ビューを巡っていける。

Heart Rate Zones は、手動でも作れるし、健康データに基づいて生成されることもあるが、運動の強度を監視するためには有用であり得る。もっとも、心拍数は回復状態、睡眠、或いは病気によって変化することを知っておくべきであり、必ずしも常に信頼の置ける運動計測要素ではない。

watchOS 9 heart rate zones

新しい Custom Workouts 機能は、インターバル訓練をする人にとっては便利である。と言うのも、それは動と静の段階を含む体系化された運動を作成させてくれるからである。

Cardio Recovery は有用な運動計測要素で、心臓血管の健康の指標でもあり得る。Apple Watch は今や Outdoor Walk, Run, 或いは Hiking 運動の後の Cardio Recovery 推定を提供する。それはピーク強度に達していなくとも提供される。

走者のために

Apple Watch は、そのぎこちない物理的なデザインにも拘わらず、既に走者の間でも人気があり、そして watchOS 9 は重要な機能性を追加しており Garmin の様な走者のみを対象にした時計と比べても負けないまでになっている。

新しい走りのフォームデータには、歩幅、接地時間、そして垂直方向の振動があり、Workout Views に測定要素として追加出来る。これらは Fitness アプリのサマリーや iPhone の Health アプリに現れ、そこから傾向を見たり、パターンから学んだり出来る。少なくとも、理論上はそうである - 多くの人にとって走りのフォームをしっかりしたコーチ無しで変えるのは難しい。これらの測定要素が、足や腰に付けたセンサーに依存する他のシステムからのものと比べてどうであるかは、間もなく分かるであろう。

Workout アプリはまた、よく使われるルートを覚え、そして自分のベスト或いは前回の結果に対して競争する事が出来、走っている最中にペースに先行しているか送れているか、或いはコースを外れているかの警告を受け取れる。新しいペースメーカー機能は、走る距離と目標時間を選ばせてくれ、目標を達成するために必要となるペースを計算する。運動中に、ペース警告と関連する測定要素を追うことが出来る。

上記したように、これらの機能は Apple Watch を走り専用の時計に対してもより競争力を有するものにする。そして、TidBITS 出版者の Adam Engst は、Apple Watch Series 5 と Garmin Forerunner 645 (腰ポッド付きで) を全ての走りで身に付けているので、間もなくその性能比較をしてくれるであろう。

他の健康と運動の機能

他の watchOS 9 アップデート

最近の幾つかのメジャーな watchOS アップデートの場合と同様に、watchOS 9 はあっと驚くようなものではないのにとても歓迎出来るとの印象を与える。それは、Apple Watch 体験を革新はしないが十分に強化する優秀なアップグレードの様に見える。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Apple、M2 駆動の MacBook Air と更新された 13 インチ MacBook Pro を発表

Apple は今日の Worldwide Developer Conference キーノート (基調講演) で、同社の最新のチップである M2 を搭載したローエンドのラップトップモデルを 2 つ発表した。第2世代の 5 ナノメートルテクノロジーのお陰で、この M2 は M1 の既に画期的であったワットあたりパフォーマンスをさらにもっと拡張している。Apple によれば M2 は 18% 高速化した CPU パフォーマンスと 35% 高速化した GPU パフォーマンス (M1 の 8 コアから増えた新しい 10 コアの GPU にもよる) を誇り、メモリ帯域幅も 50% 増しているという。M2 は最大 24 GB の RAM に対応するが、これに比べて M1 は最大 16 GB であった。

M2 spec card

M2 は M1 よりサイズも大きく、(M1 より 25% 多い) 2 百万個のトランジスタを持つ。ビデオのプロフェッショナルたちは Apple の ProRes ビデオエンジンが追加されたことを歓迎するだろう。これにより 4K および 8K の複数ストリーム再生が可能となる。また、メディアエンジンが備える高帯域幅のビデオデコーダは 8K H.264 および HEVC ビデオに対応する。

M1 の場合と同様に、Apple は新しい M2 をまずローエンドのモデルでお披露目する道を選び、完全に新しいデザインとなった MacBook Air と、アップデートされた 13 インチ MacBook Pro をリリースした。今回 Mac mini がリリースに加わらなかったことに注目したい。当初の M1 ベースのラインアップでは MacBook Air と 13 インチ MacBook Pro とともに Mac mini も出ていたのだが。(2020 年 11 月 10 日の記事“Apple の M1 チップ駆動の新型 MacBook Air、MacBook Pro、Mac mini”参照。)

Apple は M2 が M1 と比べてどうかに集中していたが、私たちは今回の M2 が M1 ファミリーの他のチップ、例えば M1 Pro に比べてどうなのか知りたいと思った。M2 Pro、M2 Ultra、M2 Max といったものがいつ出るのかについても Apple は何も語らなかった。そういったチップを搭載した Mac モデルが出たのが比較的最近であったことを考えれば (2021 年 10 月 18 日の記事“M1 Pro および M1 Max チップ駆動の新型 14 インチおよび 16 インチ MacBook”と 2022 年 3 月 8 日の記事“新しい Mac Studio と Studio Display が Mac 購買の計算式を変える”参照)、早くても今年の終わり、おそらくは 2023 年になるまで待たなければならないのだろう。

M2 ベース MacBook Air

新しい 2 つのラップトップ機のうち、M2 ベースの MacBook Air の方が断然興味をそそる。完全に再設計されており、従来のくさび形の外形を捨ててかっちりした縁を持つ直方体となり、24 インチ iMac や iPhone 13 や最新の iPad Air を思わせるデザインだ。M1 ベース MacBook Air より 0.1 ポンド軽い 2.7 ポンドの重量で、厚さも 0.63 インチから 0.44 インチと薄くなった。横幅は従来と変わらず 11.97 インチだが、奥行きは 0.1 インチ長い 8.46 インチだ。仕上げは 4 色から選ぶことができ、シルバー、スペースグレイ、ミッドナイト、それにスターライトだ。そして非常に好ましい MagSafe 3 充電テクノロジーを使っている。

M2-based MacBook Air design and MagSafe 3

縁の部分が狭くなったお陰で従来より大きな 13.6 インチ Liquid Retina ディスプレイを搭載しており、高さが 64 ピクセル増えた 2560×1664 の解像度を誇る。輝度も明るくなり (500 ニト、従来は 400)、10 億色に対応していて従来モデルのスクリーンでの「数百万色」対応より進化している。要するに、従来のスクリーンが良くなかった訳ではないが、今回はそれよりもっと良さそうだということだ。

Apple は M2 ベース MacBook Air に 2 つのモデルがあると説明しているけれども、実際には $1199 のモデル 1 つだけで、それに追加の構成の選択肢があるというだけのことだ。選択肢は次の通り:

30 ワット USB-C 電源アダプタが付属するが、追加料金 $20 を払えば USB-C ポート 2 基搭載の 35 ワット電源アダプタ、または M2 ベース MacBook Air の高速充電機能に対応した 67 ワット USB-C 電源アダプタが付く。ハイエンドの方の M2 チップと 512 GB かそれ以上のストレージを選べば、高機能な電源アダプタのいずれかを無料で選べる。バッテリー寿命は従来と同じだが、バッテリー自体は従来より少し大型のものになっている。

それ以外の改善点としては、1080p FaceTime HD カメラが先進的な画像信号プロセッサを備え、とりわけ低光量の状況でより良い画質を提供するはずだ。依然として低価格の iPad に搭載されたカメラに比べても優れたカメラとは言えないが、それでも従来より良くなっている。Apple はオーディオも強化して、4スピーカーサウンドシステムと、空間オーディオ対応を盛り込んだ。指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイは引き続き標準で付く。この新型 MacBook Air は従来と同じく Touch ID 付きの Magic Keyboard を備えるが、今回はフルハイトのファンクションキーを装備して、従来の MacBook Air にあったハーフハイトのファンクションキーから進化している。

M2-based MacBook Air spec card

M1 ベースのモデルと同じく、新型の MacBook Air も 1 台の外部ディスプレイで最大 6K 解像度、60 Hz にしか対応しない。同様に、従来と同じく左側に 2 基の Thunderbolt/USB 4 ポートが、MagSafe ポートの隣にあり、右側には 3.5 mm ヘッドフォンジャックがある。

Apple は MacBook Air を「世界で最も多く販売されているノートブック」と宣伝したが、その理由は明らかだ。MacBook Air は従来もこれからも、値段に比べた価値が素晴らしい。M2 ベース MacBook Air は従来のローエンドの M1 ベース MacBook Air (7 コア GPU モデル) に比べて $200 高いベース価格で、ハイエンド寄りの M1 モデルを直接置き換えるものと言える。

M1 ベース MacBook Air を持っている人はアップグレードすべきだろうか? 私の第一印象ではその答はノーで、改善点にそれに見合うほどの魅力はないと思う。これはむしろ、Intel ベースの Mac ラップトップ機を持っている人や、デスクトップ Mac にラップトップ機を買い足して持ち運んで使いたい人のための Mac と考えるべきだろう。

しかしながら、ローエンドの M1 ベース MacBook Air も引き続き $999 で販売されるので、予算が限られている人はそちらを選んで何百ドルか節約することもできる。特に、ビデオを編集したりすることのない学生には、こちらでも十分に素敵なマシンだ。

M2 ベース 13 インチ MacBook Pro

M2 ベース MacBook Air は完全に再設計されたものだったが、$1299 の 13 インチ MacBook Pro はただ単に M2 チップを搭載しただけのもので、価格も、それ以外の仕様のほとんどすべても、従来と変わっていない。M2 のお陰でパフォーマンスが強化され、長時間続く負荷の下では同等構成の MacBook Air をパフォーマンスで上回る可能性もある。この 13 インチ MacBook Pro は冷却用のファンを備えていて、ファンのない MacBook Air では起こるかもしれない過熱による性能制限が避けられるからだ。

M2 でパフォーマンスが高速化したことと、メモリ量の上限が上がったことを別にすれば、13 インチ MacBook Pro の技術仕様を眺める鍵り、残る変更点はただ一つ、空間オーディオへの対応だけだ。

M2-based MacBook Pro spec card

正直言って、M2 ベース 13 インチ MacBook Pro を M2 ベース MacBook Air よりも推奨したい気持ちにはなれない。古い 720p FaceTime HD カメラのままだし、キーボードにはまだあのお荷物の Touch Bar が付いている。比べてみればスクリーンは少し小さく、表示できる色数も少ない。長時間続けて高負荷の作業をするつもりのある人だけが、ファンの恩恵を受けられるので購入を考慮すべきだろう。でももしあなたがそういう人なら、M1 Pro 搭載の 14 インチ MacBook Pro を検討してもよいかもしれない。

最後にもう一言。環境への責任を考えた製品を作ろうとする Apple の努力を数値化するのは困難だけれども、それは極めて重要なことだ。今回の 2 つの M2 ベースのラップトップ機の双方に関して、Apple は持続可能性分野のデータを表示したカードを示した。そのことについて、また環境への影響を最小限に抑えた製品を作るための努力を続けていることについて、この会社を称賛したい。

M2-based laptop environmental card

Apple によれば、いずれのモデルも“来月”販売開始予定とのことだが、注文の受付を開始する日程については述べなかった。現時点で私たちにできるのは、いろいろな構成の価格を比べてみることくらいだろう。

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

WWDC 2022 で“やっとのことで”登場した機能 10 個

今日の WWDC キーノート (基調講演) の内容は幅広い話題にわたっていた。Apple はいくつか新機能を発表して、例えば Lock 画面の大幅なカスタマイズ、Stage Manager、Passkeys といったものもあったが、これらはもっと時間をかけてテストしなければ説明することすらできず、ましてや評価することなどまだできない。その上にまた iOS 16、iPadOS 16、そして macOS 13 Ventura の他の機能もたくさんあって私たちもまだ頭を悩ませている段階だが、近いうちにもっと詳しく扱いたいと思う。でも、Tim Cook と仲間たちはずっと以前から要望の多かった機能をしっかりと実現することもいくつかやってくれて、それを聞いた私たちは“やっとのことで!”と叫んだのだった。私たちはそういうものを 10 個数えることができた。他にも“待ちかねた!”という言葉が漏れたものに、皆さんはお気付きだっただろうか?

ここに述べる機能はすべて現時点で開発者がベータ版で利用できるものであり、Apple は 7 月に公開ベータ版をリリースする。9 月か 10 月には最終版のリリースが期待できるだろう。

iPad 用と Mac 用の Weather アプリ

この見出し以上の言葉が必要だろうか? 2010 年に iPad がリリースされて以来、ユーザーたちは一体なぜ Weather (天気予報) アプリがないのかと首を捻り続けてきた。iPhone には初代モデル以来ずっと標準アプリとして付いていたのだから。去年 Apple が iOS 15 で Weather アプリのデザインを一新して以来、ついに iPad にも Weather アプリが登場するのではないかという期待が高まったのだが、実際にはそうならず、iPadOS 15 に Weather Channel のウェブサイトにリンクする天気予報ウィジェットが付いたこともあって人々はさらにもっと首を捻っていた。

Apple は iPadOS 16 でようやくその状況を変える。その上、macOS 13 Ventura にも Weather アプリが登場する! やっとのことで、Apple が長年抱えていた不釣り合いが解消された。

Weather for iPad

Maps で複数個の経由地指定

長年、Google Maps では複数個の経由地点を指定して道順を組むことができている。長く複雑な道順で、途中でちょっと寄り道して「世界最大の絵の具玉」を見たり、あるいは旧友を訪問したりしたい場合にとても便利な機能だ。そして、Apple の Maps アプリでもついに最大 15 個までの経由地を道順の中に指定できるようになる。既に Google Maps を使っている人や、あるいは経由地ごとに道順を作り直してもよいという人には別に大したことではないが、Apple の Maps の方が好きな人には大いに歓迎すべき機能だ。このアプリは既にそれ自体で立派に競争できるものになっているのだから。たとえ、時々違法なUターンを勧めてくるとしても。

Multiple stops in Maps

Messages の改善

これまでは、Apple が Messages をアップデートする際には、ミー文字とか Messages アプリとか、誰も頼んでいないようなガラクタをたくさん追加するのがいつものことだった。でも今年の Apple は、ユーザーが望み続けてきた機能を 3 つ、追加してくれた。その 1 つは記事“TipBITS:Slack メッセージを Mac 上でもっと簡単に編集”(2022 年 4 月 11 日) に書いたものだ。次の 3 つのことができるようになる:

送信したメッセージの編集と取り消しについては、Apple は 15 分間の猶予があると言っている。もちろん、これらの機能は Apple デバイス間で送られる青いバブルの iMessage メッセージに対するもののみで、Messages を通じて送られる緑色のバブルの SMS テキストメッセージには適用されない。

再デザインされた Home アプリ

既存の Home アプリは... まあまあ素敵だ... もしも、ほんの少数のアクセサリーしか持っていないのならば。けれども、Apple は最も忠実なる HomeKit ユーザーたち (そこには Apple ホームオートメーションの本を執筆した、かく言う私も含まれている) の期待を無視していると思えることも多い。自宅がたくさんの HomeKit アクセサリーで一杯になれば、Home アプリはうまくそれに合わせることができず、乱雑な、使いにくいゴチャゴチャに陥ってしまう。

今回 Apple は Home アプリを一から構築し直して、新しいインターフェイスとより良いパフォーマンスを実現し、多くのアクセサリーが加わるに応じてうまくスケールできると主張している。私たちはまだキーノートの最中に新しいアプリの画面をいくつか覗き見しただけなので、実際にどれだけ改善したかを判断することはできないが、良くなっていて欲しいものだと期待している。

Redesigned Home app

このデザイン変更は必要なものだ。なぜなら、今年の後半になって Matter が実体化する頃には、今よりずっと多くの HomeKit アクセサリーが出回って管理されるのを待っているだろうからだ。(2021 年 5 月 17 日の記事“ホームオートメーション規格に新しい公式名称が決まる”参照。) Matter はメジャーなホームオートメーションベンダー各社すべてに採用されており、少なくとも理論的にはそのすべてが相互互換になるはずだ。だから、Apple の Home アプリから Google Nest デバイスをコントロールすることも、HomeKit 専用のアクセサリーに Android からやり取りすることもできる。ただし Matter は何度も遅延されているので、私たちも過剰な期待はしていない。

Matter partners

Mail の新機能

Apple の長年来の Mail アプリは同社のプラットフォームを横断して最も使われているアプリの一つかもしれないが、その重要性ゆえに注目を浴びる事が滅多にない。ありがたいことに、Apple は今年後半には Mail に大いに歓迎すべき改善をいくつか施す:

iCloud Shared Photo Library

Google Photos は何年も前から共有フォトライブラリを持っているが、今回ようやく iCloud Photos がそれに追い付こうとしている。Family Sharing のグループ内で最大 5 名までの人たちとの共有フォトライブラリを別途に管理することができ、そのすべての人たちが同等のアクセス権を持って写真を追加・編集・削除できる。Family Sharing グループ用に作成した共有 Family アルバムと比べてこれがどう違うのかはまだはっきりしないが、この新しい iCloud Shared Photo Library には自分のライブラリにあるすべての写真を、あるいは特定の日付以後の写真を、または特定の人たちを含んだ写真を、投入することもできる。

さらにもっと興味深いのが Photos アプリに設けられるスイッチで、新規に撮影した写真を共有ライブラリに追加する。その上、他の家族が近くにいる場合に自動的に写真を共有することもできる。これは、そういう場合には共有写真を撮影しているのだろうという前提によるものだ。

何年も前から私たちは、Apple はカップルがすべての写真を共有できるようにすべきだと考えてきた。でもそれは今や多くの人たちにとって適切でない。記録目的の写真を撮ったり (空港の巨大な駐車場に車を置く場合など)、スクリーンショットを撮ったり (Wordle-in-two で勝った証拠写真など) することが多くなって、そのような写真は共有相手を混乱させるだろうからだ。なので、iCloud Share Photo Library がこの問題に対して良い解決法を提供してくれることを願っている。共有 Family アルバムは解決してくれなかったのだから。

Shared Library switch in Photos

口述の改善

多くの人たちにとって、口述は極めて重要な機能だ。Apple によればこの機能は毎月 180 億回使われているという。手でタイプすることが困難な状況下で、文章を口で話して入力できればとても便利だからだ。残念ながら、口述機能を呼び出した途端にキーボードは消えてしまうので、間違いを直したくても終わるまで待たなければならない。その点が、iOS 16 と iPadOS 16 で変わる。どうやら Apple は私たちが記事“iOS と macOS の口述が Voice Control の口述から学べること”(2020 年 8 月 31 日) で書いたことに注意を払ってくれたようだ。これからは、口述をしながら同時にキーボードを使えるようになる。さらには指先でカーソルを動かして、Voice Control の口述と同じように音声でテキストを編集することさえできる。すべての口述はそのデバイス自体の上で処理されるようになるので、接続が不十分でも高速で信頼できる。それから、句読点が自動的に追加される。ようやく!

Dictating alongside the keyboard in iOS 16

Safety Check

私たちが持っている Apple デバイスはパワフルだが、それは同時に悪用の媒介としてもパワフルに働く。例えばあなたが iPhone を持って外出したとして、悪意を持った配偶者が家にいてあなたの iPad を手にすれば、あなたの Messages での会話がすべて読まれてしまう。何年も前から、犠牲者たちや支援者たちは Apple に対して悪用を減らすためのより良いツールを求めてきた。そして今回、Apple は Safety Check でその要望に応えた。これを使えばその Apple ID にリンクされたすべてのデバイスにわたって素早くアクセス権をリセットしたり取り消したりでき、その対象には他の人と自動的に共有しているものや、アプリのプライバシーアクセス権、どのデバイスが iCloud コンテンツにアクセスできるかといったことも含まれる。

Safety Check

Apple Watch を使わない Fitness アプリ

Apple の Fitness アプリ (以前は Activity と呼ばれていた) がその iPhone に Apple Watch がペアリングされている場合にしか見えるようにならないという事実は、以前から少し奇妙に感じられていた。iPhone 自体も運動センサーを備えているのだからなおさらだ。Apple は iOS 16 でその点を是正する。Fitness アプリがすべてのユーザーのためにあらかじめインストールされており、Apple Watch を持っていない人でもこのアプリを使って日々の歩数を追跡できるようになる。

Fitness in iOS 16

連携カメラをウェブカメラに

Mac に搭載されたウェブカメラは、最も安価な iPhone や iPad に比べても見劣りするという点で悪評高かった。私たちは引き続き Apple が iPad レベルのカメラを Mac に搭載してくれるのを待たなければならないが、Apple は今回ハック風の回避策を出してきた。macOS 13 Ventura では、iPhone を Mac とペアリングして、好きなビデオ会議アプリでそれをウェブカメラとして使うことができる! さらに Apple は Belkin との共同開発で、iPhone を別のスクリーンに取り付けるための小さなクリップを作る予定だ。Camo が Sherlock 化されるのは悲しいことだが、Apple が出す公式のソリューションならばきっとスムーズに働くことだろう。(2020 年 7 月 24 日の記事“Camo で iPhone をパワフルなウェブカメラに変えよう”参照。)

Continuity Camera webcam

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Keyboard Maestro 10.1

Keyboard Maestro 10.1

Stairways Software の Peter Lewis が Keyboard Maestro 10.1 を出した。数多くの新しいアクションやトリガーを追加した、メンテナンス・アップデートだ。この人気の自動化およびクリップボード用ユーティリティは Paste by Name アクションに "Shift paste plain" を追加し、Keystroke 選択における修飾キーの調整に対応し、Insert Text by Typing アクションの記録でトークン展開が無効となるようにし、Try/Catch アクションの catch アクションでの AppleScript 対応を修正し、ウェブブラウザアクションによる変数の暗黙の読み込みを変数の使用回数に含めないようにし、AppleScript Search および Search & Replace コマンドが大文字・小文字を区別するフラグを無視していた問題を解消した。(新規購入 $36、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、アップグレード $25、無料アップデート、34.5 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

Keyboard Maestro 10.1 の使用体験を話し合おう

Default Folder X 5.6.6

Default Folder X 5.6.6

St. Clair Software が Default Folder X 5.6.5をリリースして、Open/Save ダイアログを拡張するこのユーティリティにさまざまな改良とバグ修正を加えた。このアップデートではブラウザにアップロードされたファイルや電子メールに添付されたファイルを Recent Files リストに含めるようにし、macOS 11 Big Sur やそれ以降で Save As シートの Finder-クリック機能を改良することで開いた Finder ウィンドウへのより良いアクセスを提供し、Finder が動作していない場合には Default Folder X による Finder コメントの表示と編集を無効にし、クラウド同期されたフォルダの中の項目が Recent Files 機能や Recent Folders 機能に無視されていたバグを修正し、いくつかの Java アプリ (RazorSQL、RubyMine、WebStorm) への対応を追加し、10.12 Sierra の下で Save As ダイアログを正しく探知できなかった問題を解消した。

そのリリースの後間もなく St. Clair Software はバージョン 5.6.6 を出して、インストールされたばかりの Default Folder X が macOS プライバシー設定の Automation セクションに表示されなかった (その結果として Finder-クリック機能が働かず、Default Folder X がアクセス権に関するエラーを出していた) 問題を修正した。(新規購入 $34.95、TidBITS 会員には新規購入 $10、アップグレード $5 の値引、Setapp からも入手可、15.7 MB、 リリースノート、macOS 10.10+)

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Carbon Copy Cloner 6.1.2

Carbon Copy Cloner 6.1.2

Bombich Software が Carbon Copy Cloner 6.1.2 (CCC) を出して、このドライブクローン作成およびバックアップ用ユーティリティに改良とバグ修正を施した。今回のリリースでは CCC の CloneKitService が稀なエラー状態に遭遇すると例外エラーを報告していた問題を解消し、現在の起動ディスクを保存先として選択した際のタスク設定を処理する方法にいくつか細かな調整を施し、複数のボリュームが同一の一意的識別名を持っているという誤った報告を CCC が出すことがあったバグを修正し、System ボリュームのファイルが欠けているという誤った報告が出ていた macOS 10.15 Catalina の問題に対処し、システムのアピアランスが自動的に切り替わった際 (例えば Dark/Light モード) の背景色の処理を改良した。(新規購入 $39.99、無料アップデート、19.4 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

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MarsEdit 4.5.8

MarsEdit 4.5.8

Red Sweater Software が MarsEdit 4.5.8 をリリースして、ブログ記事のメインウィンドウプレビューのパフォーマンスと信頼性を改善した。このブログエディタは大きな画像に視覚的に制約を加えて Rich Editor の横幅に収まるようにし、デフォルトのフォントとカラーに戻すリセットボタンを環境設定に追加し、一つの記事に複数の単語が別々に見つかった場合にも検索がマッチするようにし、フォント環境設定での VoiceOver アクセシビリティを改善し、一部のブログでサイトアイコンがロードされなかったバグを修正し、未設定のブログを更新する際にエラー警告が繰り返し出た問題を解消し、昔の Blogger API にしか対応しないブログに添付ファイルをアップロードしようとする際に起こることがあったハングを予防した。(Red Sweater Software からも Mac App Store からも新規購入 $49.95、21.3 MB、 リリースノート、macOS 10.12+)

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Zoom 5.10.7

Zoom 5.10.7

Zoom が会社名と同名のビデオ会議アプリをバージョン 5.10.6 にアップデートして、今回から OS X 10.10 Yosemite またはそれ以降を要するようになった。Zoom は今回、ローカルな録画の一部として参加者の名前が記録されるかどうかをホストが制御できるようにし、Zoom Chat の内部および外部のユーザーが送信し合うことのできるファイルのタイプを管理者が制御できるようにし、かかってくる電話の音量を調整したりミュートしたりできるようにし、クラウド連絡先の同期の更新の容易さを改善し、Zoom Apps にゲストモード (参加者のアカウントデータへのフルアクセスをアプリに与えることなくミーティングやウェビナーの参加者がアプリを使えるもの) を追加し、ユーザーの電話の状態が実際の状態とマッチしていないことがあったバグを修正し、SMS を試みた後に読み込んだ連絡先が消えてしまうことがあった問題を解消した。Zoom はその後バージョン 5.10.7 にアップデートされて、ウェブポータルまたはデスクトップクライアントで作成された Zoom Whiteboard を Zoom Chat Channel に共有する機能への対応を追加した。(無料、65.8 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

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GraphicConverter 11.6.1

GraphicConverter 11.6.1

Lemkesoft が GraphicConverter 11.6.1 をリリースして、多数の新機能、改良、バグ修正をこのグラフィックスプログラム Swiss Army ナイフに施した。今回のアップデートでは 4 つのぼかし効果 (Box、Gaussian、Dics、Bokeh)、Correct Horizon バッチアクション、Black&White バッチアクション付きの Smart Crop、それに ISO、ISO と F 値、F 値と ISO での並べ替え機能を追加した。また、このメンテナンス・リリースではコラージュが前回の設定を記憶して次回も再利用できるようにし、OneDrive への対応を改良し、Quick Convert を改良してソースフォルダの中に保存するとともにオリジナルのコピーをサブフォルダの中に置くようにし、ブラウザにズームジェスチャを追加し、M1 ベース Mac で画像を 32-bit から 64-bit へ変換する際に発生する Apple のバグへの回避策を導入し、M1 ベース Mac で起こった OneDrive の問題を解消した。(Lemkesoft からも Mac App Store からも新規購入 $39.95、無料アップデート、274 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

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1Password 8.7.1

1Password 8.7.1

AgileBits が最近アップグレードしたパスワードマネージャ 1Password のメンテナンス・リリースを出して、最近バージョン 7 からジャンプを果たしたものに続くバージョン 8.7.1 と公式に命名した。(2022 年 5 月 9 日の記事“1Password 8.0”参照。) 今回のリリースではメニューとキーボードショートカットを現在選択されている項目に応じて動的に調整するようにし、Universal Autofill 機能が DuckDuckGo ブラウザでも情報を補完できるようにし、SSH エージェントがどの程度頻繁に認証を求めてくるかについての診断報告の情報を含めるようにし、1Password アカウントの認証情報を iCloud Keychain から読み込む処理を高速化し、新規ウィンドウで項目を表示している際にパスワード履歴ボタンが働かなかった問題を解消し、Mac がインターネットに接続されていなかった場合に CPU 使用量が増えることがあった問題を修正し、パスワード生成器の単語リストから不快語の可能性を持つ単語を削除した。(購読年額 AgileBits から $35.88、新規にアカウントをセットアップする TidBITS 会員は 6 か月間無料、無料アップデート、2.9 MB のインストーラダウンロード、リリースノート、macOS 10.15+)

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Mellel 5.1.2

Mellel 5.1.2

Mellel が 会社名と同名の Mac 用ワードプロセッサ のバージョン 5.1.2 を出して、不正な形式の表を含んだ書類を開く際の処理を改良するとともに、開く際に表を修正するようにした。今回のリリースではまた、引用部分の上に画像をドラッグすると Mellel が反応しなくなったバグを修正し、タブウェルからドラッグしたタブ位置の表示が切れてしまったバグを解消し、ヘッダ/フッタを編集している際に稀に起こったハングを修正し、空白のフローティング要素 (画像やテキストボックスなど) を含んだ書類を開けなかった問題に対処した。(Mellel からも Mac App Store, からも新規購入 $49、無料アップデート、107 MB、リリースノート、macOS 10.9+)

Mellel 5.1.2 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

Apple、Apple Music ラジオステーションとプレイリストに宣伝コンテンツを押し込む

Macworld の記事で Jason Snell が嘆くのは、Apple が宣伝コンテンツを Apple 作成のラジオステーションやプレイリストに挿入し始めているからだ。Apple のオンデマンドのラジオステーションを再生すると、他の Apple Music ラジオ番組の広告を聞かされる。広告をスキップすることは可能だが、そんな手間は必要であるべきでない。プレイリストについては、Apple は毎週特定のアーティストを特集しており、冒頭にそのアーティストとの短いインタビューが入るようになった。Music アプリ内部からプレイリストの再生を始めた場合はこれも簡単にスキップできるけれども、Siri 経由で呼び出したりシャッフルしたりしている場合にスキップするのは簡単でない。残念なことに、これらの広告やインタビューを取り除く手段は提供されていない。少なくとも、その種の余計なものを取り除く設定はあってしかるべきだ。でも、全体的に見てこれは、従来は音楽のみに集中していたこのサービスを Apple が向けようとしている姿勢として懸念すべきことに思える。

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