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#1617: Pages にメールマージ機能が復活、HomeKit がセンサー機能を改良、Monterey でキーボードに国旗

ここ米国では 7 月 4 日が合衆国独立記念日で、旗竿にも芝生にもアメリカの国旗が飾り付けられているというのに、Mac ユーザーはもはやキーボード入力メニューの U.S. 項目に星条旗を見ることができなくなってしまった。Apple が macOS 12.4 Monterey でこのメニューの国旗アイコンをモノクロの言語アイコンに変えてしまったからだが、ここに国旗を取り戻すためのユーティリティを紹介しよう。今週号ではまた、Glenn Fleishman が Pages の新しいメールマージ機能の使い方を説明し、Josh Centers が HomeKit の改善点を利用してホームオートメーションのセットアップを一段良いものにする方法を解説する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは 1Password 8.7.3、Timing 2022.3、Firefox 102、Piezo 1.7.9、Lightroom Classic 11.4.1、Transmit 5.8.7、Pixelmator Pro 2.4.5、PowerPhotos 2.0、Lunar 5.7、CleanMyMac X 4.11 だ。

Josh Centers  訳: Mark Nagata   

macOS 12.4 Monterey でキーボードに国旗を取り戻す

Apple が macOS 12.4 Monterey をリリースした時点では、これはマイナーなアップデートのように見えた。(2022 年 5 月 16 日の記事“Apple、iOS 15.5, iPadOS 15.5, macOS 12.4, watchOS 8.6, tvOS 15.5, HomePod Software 15.5 をリリース”参照。) けれどもそこにはリリースノートに載らない小さな変更があって、一部のユーザーを苛立たせた。個々のキーボード入力ソースに添えて表示されていた、カラフルな国旗が削除されてしまったのだ。従来は、System Preferences > Keyboard > Input Sources で、U.S. キーボードの横にアメリカの国旗が、Canadian English キーボードの横にカナダの国旗が、British キーボードの横に英国の国旗が、といった風に表示されていた。

Keyboard preferences with flags

もっと重要なことに、それと同じ国旗がメニューバーの Input メニューにも表示され、さらに現在選択されているキーボードの国旗がメニューアイコンとして示されていた。

Flags in the menu bar's Input menu

ところが macOS 12.4 で、Apple はこれらの国旗の代わりに殺風景な、モノクロの四角の中にキーボードを識別するコードを1文字または2文字で表示するやり方を採用した。文字のコードといっても見ただけではほとんど見分けがつかないような代物だ。

Menu bar Input menu without flags

どうやら近年の Apple は、色を撲滅する戦いに乗り出しているかのようだ。とりわけ Finder ウィンドウのサイドバーアイコンを見ればすぐにそうと分かる。しかしながら Daring Fireball の John Gruber は“小耳に挟んだ”話として、これは国旗によって言語を示すことを避けたいという Apple の側での意図からのようだと言っている

ある意味それは頷ける。言語と国とは必ずしもきちんと対応しているとは限らないからだ。でもいったいなぜ今なのか、これまで何十年もこのやり方で入力言語を表示してきたというのに? とりわけ、ずっと以前から macOS は国に対応しない言語を区別する目的でこの小さな四角を使ってきた。例えばチェロキー語やウイグル語もそうだし、さらには日本語やタイ語など国にマッチしたように見える言語でさえも小さな四角を使ってきた。

いずれにせよ、あなたのメニューバーにカラフルな国旗を復活させることのできるシンプルなアプリがいくつかある。

キーボードの国旗の解決策

John Gruber が、App Store にあるアプリでこの問題を解決できるものを2つ紹介している。$0.99 の Colorful Input Menu Flags と、$1.99 の Keyboard Switcheroo だ。いずれのアプリも個人データの収集はしない。Keyboard Switcheroo の方が洗練されていると Gruber が言っているので、私はそちらを試してみることにした。

Keyboard Switcheroo は Apple の昔の Input メニューと似た働きをするが、重要な違いは初めて起動した際にスプラッシュ画面を開いて、基本的な説明を表示するとともに、ログイン時に Keyboard Switcheroo を起動するよう促すことだ。画面を閉じるには Get Started をクリックすればよいし、あとでまた開こうと思えば Switcheroo メニューから Options > Help を選べばよい。

Keyboard Switcheroo's help panel

初めて Keyboard Switcheroo をインストールすると、メニューバーの並びの一番左にそのアイコンが出現した。Command キーを押した状態でメニューバーアイコンをドラッグすれば、ロックされた右端を除く好きな位置に変えられる。

The Keyboard Switcheroo menu

Keyboard Switcheroo のメニューから Edit を選べば、System Preferences へ行く必要なしに言語をメニューに直接追加できる。(Keyboard Switcheroo で施した変更は System Preferences には反映されないし、逆も同じであることに注意しよう。) それから、言語アイコンをカスタマイズすることも可能で、標準の国旗、国旗の絵文字、文字ラベル、または Mac 上にある好きな画像から選べる。

Editing input sources in Keyboard Switcheroo

そういう訳だ。macOS 12.4 における小さな、しかし苛立たしさの原因ともなり得る変更に対する、シンプルな解決策がここにある。

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Josh Centers  訳:亀岡孝仁  

Apple、センサーベースのオートメーション、時限 Turn Off で HomeKit を強化

Take Control of Apple Home Automation を書く前に、私は TidBITS に、我が家の地下にある TV ルームの湿度が許容出来ないレベルに上がる度に自動的に除湿機をオンにする設定をどの様にしたかを書いた ("大草原の HomeKit のお伴: Elgato の Eve Room" 19 June 2017 参照)。簡単に言うと、我が家の Eve Room が湿度のレベルを監視し、私は除湿機に接続する Eve Energy コンセントをオンにするオートメーションを設定した。当時、問題は Apple の Home アプリが Eve Room をオートメーションのためのセンサーとして認識しなかったことで、私は Eve の HomeKit アプリを使って面倒な手順を踏まなければならなかった。

最終的にこの本を更新している間に (Matter 協業が実現するのを待ったのは最善の動きではなかったのかもしれない;"ホームオートメーション規格に新しい公式名称が決まる" 17 May 2021 参照)、私はこのオートメーションを見直し、Home アプリに対する目立たないが重要な変更を利用する機会とした。iOS 15.1 で Apple はついにセンサーベースのオートメーションが空気品質、湿度、或いは照明レベルに応じて作動され得るようにした ("Apple、macOS 12 Monterey 及び iOS 15.1, iPadOS 15.1, watchOS 8.1, tvOS 15.1, HomePod Software 15.1 をリリース" 25 October 2021 参照)。

該当するセンサーがあれば、この新しい能力は可能性の世界を開けられ、そして、もし沢山の HomeKit アクセサリを持っているのであれば、思っている以上に多くのセンサーを持っているのかも知れない。

隠れたセンサー

前の設定では、私は湿度を測るのに一つの Eve Room を使っていた。それは他の事もし、例えば、空気品質や温度も計測する。でも問題が一つある:それが何処に行ったか分からないのである。それは小型で幾つかの小さなボタンと一つのスクリーンがあり、そして結構目につく所に置いておいたので、想像するに、我が家の子供達がいじり回して何処かに置きっぱなしにしてしまったのであろう。

幸いにして、Automation 設定を探求している間に、私は Ecobee 温調器が秘密の湿度センサーを持っている事を発見した。この温調器は Home アプリではアクセサリとして現れないが、Ecobee 温調器が設置されている台所の湿度について Siri に尋ねることが出来、次のセクションで見られるように、それはオートメーションに対するセンサーとして現れる。それは、我が家の除湿機と同じ部屋にある訳ではないが、数フィートしか離れていない。おまけに、それは電池ではなく我が家の HVAC システムの電源から給電されており、心配しなければならないことが一つ少なくなる。それに、それは壁に取り付けられており、子供達もいたずらすることはないであろう。

Humidity in the Kitchen is high, at 56%

と言うことで、オートメーションのために新しいセンサーを買いに行く前に、Home アプリで今まで知らなかったセンサーがあるかどうかを調べて見る価値はある。

センサーベースのオートメーションを作成する

それはさておき、私の前のオートメーションを再構築するのは簡単だった。皆さんも、同じ様なことをやりたいと思うのであれば、やり方は以下のようである。

Home アプリを iPhone, iPad, 或いは Mac 上で開いて、+ アイコンをタップ (下記左)、 Add Automation をタップ、そして A Sensor Detects Something をタップする(下記右)。 (もしその選択肢がグレーのままだったら、使えるセンサーは何もないことを示す。)

Adding an automation in Home

次の画面はあなたの家の使えるセンサーを表示する。全てがうまくラベル付けされている訳ではないので - 下記の左のスクリーンショットに見られる様に - アイコンの読み方を学ばなければならない:

センサーをタップして選択する;オートメーション当り一つのセンサーしか選べない。Next をタップしてオートメーションをどの様に作動するかを設定する (下記右)。詳細はセンサーの型毎に異なるが、理解するのは難しくないはずである。例えば、モーションセンサーはモーションを検出するかしないかに応じて作動するよう設定出来る。湿度に対しては、湿度パーセントを設定して、そのパーセントを上回ったり、下回ったりしたら作動するオートメーションを設定出来る。

Adding accessories and settings to the automation

底部に、Time と People に対する設定があり、そこでオートメーションを微調整させてくれる。Time はオートメーションが何時作動するかを設定させてくれる。デフォルトでは、何時でもだが、昼、夜、或いは特定の時間に設定出来る。People 設定は、誰が家に居るかに基づいてオートメーションを作動させられる。

私はかつてユーザーに People 設定については気をつけるよう言っていた。何故ならば、それはセルラーサービスが弱かったり、ほぼ存在しない所では、我が家のように、うまく働かなかったからである。それは iOS 14 以降改善されたので、私は前よりはそれを多用しているが、主として我々が家を離れている時にカメラを記録させると言った影響の少ないオートメーションに限っている。しかしながら、この場面における "人々" の Apple の定義は、あなたの Family Sharing グループに属する iPhone ユーザーであるので、注意が必要である。例えば、我々が家を離れた時には照明を消すべく設定したとすると、妻と食事に出かけてしまうと、子守や子供達を暗い中に置き去りにしてしまうこともあり得る。

必要事項の設定が終わって、Next をタップすると、そのオートメーションが作動させられる全てのシーンとアクセサリの画面が現れる (下記左)。含めたいものをタップする。そのアクセサリが何をするかを規定するのはこの段階では気にすることはない。全ての該当するアクセサリを選択したら、Next をタップ、そうすると最終画面にいざなわれる (下記右)。

最終画面で、頭頂のフィールドをタップしてオートメーションの名前を変えられるが、一番大事なのは、アクセサリタイルに注意を払うことで、それ等が何をするか設定させてくれる。多くのアクセサリに対しては、タップすることでそれ等をオン又はオフにする。通常のアクセサリ制御と同じ様に、長押し (或いは Mac 上ではControl-クリック) して動作を微調整出来る。

Selecting accessories for the automation and automatically turning off the automation after a time

オートメーションを自動的にオフにする

この最終画面の底部にあるもう一つのオートメーション改善に注目して欲しい。Turn Off で、Apple が HomeKit オートメーションにもたらしたもう一つの価値ある強化点である。オートメーションがアクセサリをオンにした後、この Turn Off 機能は、指定した長さの時間後にそのアクセサリをオフにする事を可能にする。

Turn Off は結果的には多くの状況下で有用であることが分かった。夜中にトイレに行くためにベッドからよろめき出る時に、モーションセンサーが照明をオンにして欲しいとしよう。これ迄だったら、その照明をオフにする簡単な方法は無かったが、今やこのオートメーションで、数分後にそれを自動的にオフに出来る。

私はこの設定を除湿機システムを更に効率化するために使っている。以前、私は二つのオートメーションを設定しなければならなかった:湿度があるレベルを超えたら除湿機をオンにするものと、湿度があるレベルを下回ったらそれをオフにするものである。今や、二つ目のオートメーションの代わりに、除湿機を一時間後にオフにする設定とする事が出来る。それでも湿度が高ければ、それは再度オンとなる。

時間制御の Turn Off は有用であるが、それは Home アプリの能力の中のギャップを明らかにした。我々が本当に必要とするものは、オートメーションがそれ等自身をオンにするのと同じ様に、それ等をオフにすることが出来る事である。つまり、湿度に関しては、レベルが 60% になったらオンにし、そして 40% を下回ったらオフにする事も出来る。或いは、モーションセンサーによって作動されたオートメーションがモーションが最早検出されなくなったら設定分後にオフにする事も出来る。

何れにしろ、私は、皆さんの家で HomeKit をもっと活用するやり方に対して何らかのヒントを与えられたら嬉しく思う。

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Glenn Fleishman  訳: Mark Nagata   

Apple、メールマージ機能を Pages に復活させる

10 年近くの空白期間を経て、Apple はようやくメールマージ機能を Pages に復活させた。Apple は 2013 年に、Pages、Numbers、Keynote の抜本的な書き直しの一環としてこの機能を iWork スイートから削除した。メールマージは少なくとも 40 年前に遡る概念で、テンプレート書類の中にプレースホルダーを挿入しておき、それをスプレッドシートまたはそれに似た表形式のフォーマットのデータの中にあるカラムの項目で置き換えられるようにする機能だ。定型文の手紙や、宛名ラベル、名札などによく使われる。

Microsoft Word は常にメールマージ機能を備えてきたが、私が前回見た時に比べて桁違いに複雑なものとなってしまった。最近になって私は Word と取り組んで Kickstarter プロジェクトの返礼品を発送する宛名ラベルを印刷したのだが、その手順のどの段階もことごとく骨の折れるものであった。Avery ラベル用の内蔵テンプレートを使ったというのに。(Avery はありとあらゆる印刷用ラベルを作っているメジャーなメーカーだ。) 1990 年代や 2000 年代にならば手早くクリックしてフォーマッティングの作業をするだけで完成していた覚えがあるのに、今回は何時間もかけていじくり回した挙句、結局は望んだ見栄えにならなかった。

他の選択肢も消え失せてしまった。私は BeLight の Labels & Addresses アプリを何年も使っていたが、この会社は 64-bit 互換性へのアップグレードをしない決断をしたので、macOS 10.15 Catalina の登場をもってこのアプリは死んだ。この会社の名誉のために言っておくと、BeLight はユーザーたちに Swift Publisher の無料ライセンスを配った。これは同社のデスクトップ出版用ソフトウェアで、メールマージ用の初歩的ツールを備えている。でも、この機能に BeLight が注いだ努力にもかかわらず、スプレッドシートからデータをマージするのは Word よりも骨が折れた。ただ、Contacts からのみマージするのはこちらの方が簡単だった。

Apple が Pages 12.1 にメールマージ機能を復活させてくれたことは、それ自体素晴らしい喜びだが、Word や Swift Publisher と比較しても本当に素晴らしい。それらのアプリのライセンスを持っていない多くの人たちにとってはなおさらだろう。

ただ、喜ばしくないこともある。Apple によれば「手紙やカードや封筒」にしかマージできない。つまり ページベース の書類しか扱えない。Pages はまだ、ラベルや、自由なプレースホルダーの組み合わせは処理できない。そういうものは、一つのページの上に複数個のデータを挿入して次の項目をデータ源から取り込まなければならないからだ。

長い長い時間をかけてテストした結果私が宛名ラベルの印刷のために選んだのは Avery の Design & Print サービス (無料アカウントが必要) で、これはうまくできているけれども機能に限界がある。自分の連絡先データベースからのみラベルを印刷したい場合には、Apple の Contacts アプリが内蔵するラベル印刷機能があって Avery や DYMO のテンプレートを選んで使うことができる。けれどもページベースの書類へマージする場合には、Pages が最も良い選択肢となる。

まず始めに

Pages でメールマージをするには、まず既存の書類を開くか、または空白の書類を作成する。この書類は文書作成モードのままにしておかなければならない。File > Convert to Page Layout で変換した途端に、メールマージは使えなくなる。

ツールバー右端にある Document アイコンをクリックして、ページの寸法を変更する。例えば封筒やノートのサイズに合わせる。それが済んだら、Document サイドバーの一番下にある Mail Merge をクリックすると、Mail Merge オプションのサイドバーが開く。(画像で示した私の例は macOS 上の Pages だが、Apple は iOS や iPadOS の Pages にもメールマージ機能を付けている。)

Getting started with mail merge in Pages

データは Contacts (連絡先) から、またはスプレッドシートから読み込めるので、それぞれをセクションに分けて説明しよう。

連絡先からのマージ

Mail Merge 枠が右側に見えている状態で、データで置き換えられるべきフィールドを書類の中に追加する:

Mail merge from contacts

  1. テキストの中で、フィールドを置きたい場所にカーソルを置く。
  2. Mail Merge 枠にある Add Merge Field をクリックする。(または Insert > Mail Merge Field を選んでもよい。)
  3. リストされるフィールドは Contacts アプリから来たものだ。リストからどれかを選ぶか、または More Fields を選ぶ。そうすると他の連絡先フィールドを掘り下げることができる。(複数行項目があることに注意しよう。例えば住所は行末ごとに強制改行を挿入する。下に述べるヒントを参照。)
    More Fields
  4. フィールドの追加が終わったら、枠の一番上にある Merge ボタンをクリックすれば Mail Merge ダイアログが開く。
    Mail merge dialog
  5. All Contacts から、またはグループでフィルター分けして、データを取り込むことができる。(必要とするグループがまだなければ、Contacts アプリへ行ってそれを作成し、それを追加する。)
  6. Preview をクリックして、マージされる個々のカテゴリーごとにどのデータが入るのかを確認する。Close をクリックしてプレビューを終了する。
  7. プレビューが良さそうに見えれば、Merge をクリックする。すると Pages が新規の書類を作成し、マージされた項目ごとに1つずつページを作る。
  8. マージされた書類を保存する。
  9. これで、その書類を一連のページ、カード、または封筒として印刷できる。
    Printing a mail merge envelope

関連するヒントをいくつか書いておこう:

スプレッドシートを使ったマージ

連絡先からマージできるのは便利だが、スプレッドシートからの読み込みはどうか? 実はこちらも簡単だ。次の手順を使う:

  1. Contacts からのマージと同様に、テキストの中にカーソルを置く。
  2. Mail Merge 枠にある Add Merge Field をクリックする。
  3. メニューの一番上にある Add from Spreadsheet を選ぶ。
  4. Numbers 書類を選び、Open をクリックする。
  5. Table フィールドから欲しい情報源の表を選べば、読み込まれるフィールドがプレビューされる。その Numbers スプレッドシートが複数のシートを含んでいる場合には、Mail Merge がそれぞれを シート名:表の名前 の形でリストする。(Change をクリックすれば別のスプレッドシートに切り替えることもできる。)
    Choosing a table in mail merge
  6. Add as Fields をクリックする。
  7. するとそれらのフィールドが、さきほどのセクションの手順 3 と同様に、Add Merge Field メニューの項目として表示される。
    Preview Merge Fields

フィルター分けのオプションはない。その Numbers 書類はあなたがマージしたい項目のみを含んでいるものでなければならない。

改善の余地、実現への願いを込めて

メールマージには数多くの改善の余地があるけれども、私はこれを素晴らしい再契約だと見なしたい。これまで Apple は自社製の生産性アプリには大して注意を払ってこなかった。とりわけ最近の数年間は、単なる機能追加や細かなクリーンアップが多かったように思える。

では、他にどんなことを私は望みたいか?

皆さんは、他にどんなメールマージ機能を Pages に実現して欲しいと思われるだろうか?

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

1Password 8.7.3

1Password 8.7.3

AgileBits が 1Password 8.7.3 を出した。頻繁に、また最近に使った順番で項目を並べられるようにした、メンテナンス・リリースだ。アップデートされたこのパスワードマネージャは、1Password SSH Agent を使う際にセッションをどれだけ長くアクティブに保つかを変更できるようになり、言語を変更した後でのユーザーインターフェイスにいくつか更新を施し、Mighty ブラウザ用の Universal Autofill を追加し、Watchtower のロード中スクリーンとセキュリティスコアをデザインし直し、ヴォールトや項目の長い名前がサイドバー上で正しく切り詰められなかった問題を解消し、Universal Autofill を使った後でウィンドウマネージャが正しく動作しなかったバグを修正し、クレジットカード番号フィールドで数字以外の文字を除外しないようにした。(購読年額 AgileBits から $35.88、新規にアカウントをセットアップする TidBITS 会員は 6 か月間無料、無料アップデート、2.9 MB のインストーラダウンロード、リリースノート、macOS 10.15+)

1Password 8.7.3 の使用体験を話し合おう

Timing 2022.3

Timing 2022.3

Daniel Alm が Timing 2022.3 をリリースして、レポートに新しい Easy モード (いつでも Advanced モードに切り替えて戻れる) を追加した。この Easy モードは書き出されるレポートにどのカラムが含まれるかをライブのプレビューで表示し、タイトルまたはプロジェクトでの並べ替えを追加し、第1または第2レベルのプロジェクトによるグループ分けができるようにしている。また、この時間と生産性追跡アプリはタイマーの予想継続時間が過ぎればサウンドを鳴らすオプションを追加し、20 時間より長いカレンダーイベントを隠し、日付範囲を選択する際の VoiceOver/Accessibility 対応を改良し、Orion ブラウザSigmaOS での URL 追跡への基本対応を追加し、AppleScript ベースの追跡の信頼性を高めた。次回の Timing の機能追加アップデートが macOS 10.15 Catalina かそれ以降を必要とする可能性が高いことを知っておきたい。(購読年額 $42/$66/$96、現行の購読者には無料アップデート、Setapp からも入手可、28 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

Timing 2022.3 の使用体験を話し合おう

Firefox 102

Firefox 102

Mozilla が Firefox 102 をリリースして、Enhanced Tracking Protection (強化型トラッキング防止機能) の厳格モードでサイトをナビゲートする際のクエリパラメータを用いた追跡を軽減した。Bleeping Computer のセキュリティおよびテクノロジーニュースサイトによれば「Facebook、Marketo、Olytics、HubSpot など多数の会社がカスタム URL クエリパラメータを用いてクリックやリンクを追跡している」という。この新機能を有効にすれば、それらの会社が Firefox の中であなたがクリックしたリンクを追跡できなくなる。また、Firefox 102 は新規ダウンロードの度にダウンロードパネルが自動的に開くのを無効化できるようになった。(無料、121 MB、リリースノート、macOS 10.12+)

Firefox 102 の使用体験を話し合おう

Piezo 1.7.9

Piezo 1.7.9

Rogue Amoeba が Piezo 1.7.9 をリリースして、Audio Capture Engine をバージョン 11.8.2 にアップデートし、内蔵マイクを使った際の FaceTime の音量の問題に回避策を施し、またうまく実装されていない Audio Unit への対処を改善した。さらに、今回の Piezo アップデートでは CPU 使用量を減らし、デバイス間のクリック同期を改良し、持続的なデバイス追跡を拡張した。このシンプルなオーディオ録音アプリはまた、VoIP オーディオ源として StarLeaf への対応を追加し、特定の低サンプルレートをアップサンプルする際にオーディオのアーチファクトが残ることがあった問題を解消し、仕上げ上の細かな改良を 2 件施した。(新規購入 $19、無料アップデート、22.4 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

Piezo 1.7.9 の使用体験を話し合おう

Lightroom Classic 11.4.1

Lightroom Classic 11.4.1

Adobe が Lightroom Classic 11.4 をリリースして、少数の新機能と拡張をこのデスクトップ中心の写真カタログ・編集アプリケーションに追加した。今回のアップデートでは新しい Preset Amount サイドバーを追加してプリセットの適用度を調整できるようにし、Select Subject や Select Sky プリセットを1回のクリックで複数の選択された写真にコピー&ペーストできるようにし、3点ボタンメニューに Invert Mask オプションを追加し、定義済みの切り抜きオーバーレイ「5分割」(建築写真家に役立つ) を使えるようにし、ディスク領域の不必要な消費を防ぐため使われていないプレビューや古いプレビューを自動的にクリーンアップし、スマートプレビューの削除に掛かる待ち時間を短くした。このリリースの後間もなく、Adobe はバージョン 11.4.1 を出して 2 件のバグを解消した。(月額 $9.99/$19.99/$52.99 の Creative Cloud 購読、購読者には無料アップデート、リリースノート、macOS 10.15+)

Lightroom Classic 11.4.1 の使用体験を話し合おう

Transmit 5.8.7

Transmit 5.8.7

Panic が Transmit 5.8.7 を出して、このファイル転送アプリに機能追加、改良、バグ修正を施した。今回のリリースでは Transmit の環境設定の Sync セクションから Panic Sync アカウントの削除ができるようにし、タブをドラッグして並べ替える機能が働かなかった問題を解消し、Dropbox Business アカウントの設定によってディレクトリのリスト作成ができないことがあった問題を修正し、まだリリースされていないバージョンの macOS でラベルが切れてしまう問題を解消し、ローカライズに関するいろいろな改良を施した。(新規購入 $45、無料アップデート、33.9 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

Transmit 5.8.7 の使用体験を話し合おう

Pixelmator Pro 2.4.5

Pixelmator Pro 2.4.5

The Pixelmator Team が Pixelmator Pro 2.4.4 をリリースして、完全に新しい図形ブラウザと改善された写真ブラウザを装備した。図形ブラウザは大きくてナビゲートしやすくなった図形サムネイル、名前から図形を検索できる検索バー、異なる図形カテゴリーを切り替えることなく図形ライブラリ全体をブラウズできる機能を備えている。写真ブラウザは改善されたスムーズな体験を提供し、ツールバーの Favorite ボタンを使って画像をお気に入りに追加でき、iCloud から写真をダウンロードする際に進行状況を表示、その他がある。

また、画像エディタでは選択した複数のレイヤーのレイヤースタイルを追加・編集できるようになり、同じ編集セッション中に画像を複数回書き出す場合に最後に使った書類のカラープロファイル設定を記憶するようになり、SVG ファイル内のテキストの処理を改良し、特定のエフェクトを使用した画像を書き出すと見た目が変わってしまうことがあった問題を解消し、Adobe Photoshop の調整レイヤー色精度を改善し、Pixelmator Pro が変更を保存する際に応答しなくなることがあったバグを修正している。

このリリースの後間もなく、このアプリはバージョン 2.4.5 にアップデートされて、Photos アプリ用の Pixelmator Pro 拡張が動作しなくなることがあった問題を修正した。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、無料アップデート、449 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

Pixelmator Pro 2.4.5 の使用体験を話し合おう

PowerPhotos 2.0

PowerPhotos 2.0

Fat Cat Software が PowerPhotos 2.0 をリリースした。長年来の Photos ライブラリマネージャへのメジャーなアップデートで、パフォーマンスと iCloud Photos 互換性の処理を改善している。PowerPhotos は Mac 内蔵の Photos アプリと協力して働き、重複した写真を見つけて取り除いたり、大きなライブラリを小さいものに切り分けたり、ライブラリの統合をしたり、写真やアルバムを書き出したり、といったことができる。

今回の PowerPhotos 2 は iCloud 写真ライブラリにあるどんな写真でも (必要に応じて自動的にダウンロードして) 表示し操作できるようになり、より有能な書き出し機能 (フラットなフォルダとして書き出すことも、また Live Photos からはバースト内のすべての写真から作成したビデオも含めることもできる) を導入し、グローバルなメニューバー項目を追加して素早くアクセスできるようにし、サイドバー上でライブラリをグループに分けて整理できるようにし、ライブラリをロードする時間を短縮し、新しい重複比較アルゴリズムを使うことで完全には同一でない写真をより多く見つけられるようにした。PowerPhotos 2 は 2022 年 4 月 6 日かそれ以降にアプリを購入した人には無料アップグレードで、過去のバージョンの PowerPhotos または iPhoto Library Manager を購入した人には 50% 割引となる。(新規購入 $29.95、アップグレード $14.95、29.5 MB、リリースノート、macOS 11+)

PowerPhotos 2.0 の使用体験を話し合おう

Lunar 5.7

Lunar 5.7

Alin Panaitiu がバージョン 5.7 の Lunar をリリースして、このディスプレイ輝度制御ユーティリティにいくつか便利な追加機能や改良を施した。今回のアップデートでは音量スライダーの上にマウスをかざすと見える mute/unmute ボタンを追加し、電力消費と LED の熱を抑制するために XDR Brightness を使う際に Dark モードに切り替えるオプションを提供し、Feather ESP32-S2 ボード用に ALS 対応を追加し、標準的でない DDC 実装の結果として mute が動作しないモニタのための調整可能な回避策を導入し、スクリーンのスリープイベントへの反応を早くしてスタンバイに入らないバグのあるモニタでの問題を回避した。(新規購入 $23、無料アップデート、18 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

Lunar 5.7 の使用体験を話し合おう

CleanMyMac X 4.11

CleanMyMac X 4.11

MacPaw が CleanMyMac X 4.11 をリリースして、Mac についての情報が一目で分かるように改良されたメニューを装備した。CPU 負荷の追跡に加えて、特に負荷の大きいアプリ、システムのアップタイム、異常なアクティビティ増加などを表示するポップアウトが加わった。また、ストレージの空き容量を追跡したり、ドライブの温度や状態をチェックしたり、ラップトップ機のバッテリーの状態をより良く表示したり、CleanMyMac のマルウェア保護のリアルタイム表示をしたりもできる。将来のバージョンの CleanMyMac では macOS 10.10 Yosemite と 10.11 El Capitan への対応が省かれるものの、Malware Database のアップデートは定期的に続く予定だ。($89.95 の一回払いまたは $34.95 の年間講読、Setapp からも入手可、無料アップデート、82.2 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

CleanMyMac 4.11 new menu

CleanMyMac X 4.11 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

ウクライナを防衛: Microsoft がロシアのサイバー戦争から学んだ初期教訓

ロシアがウクライナに戦争を仕掛けていることは誰もが知っているが、侵攻が始まって以来ロシアが全世界を相手に秘密のサイバー戦争を仕掛けていて、42 か国の 128 の団体に実際に攻撃がなされたことはあまり知られていない。Microsoft の脅威インテリジェンスチームは仮想の最前線となっており、同社は今回その経験に関する 27 ページの報告書をリリースするとともに、その要点をまとめたブログ記事も出した。それによれば:

  1. 各国は国境を越えてデータを分配する必要がある。ウクライナのデータセンターはロシアの巡航ミサイルの最初の標的となったが、ウクライナ政府はその運用を素早くヨーロッパ各地にあるデータセンターにホストされた公共クラウドへと分散させた。
  2. インテリジェンスとエンドポイント保護の進歩をはじめとするサイバー防衛が、ロシアのサイバー攻撃の多くをウクライナが緩和できる役に立った。
  3. ロシアの諜報機関はウクライナを支援する国々のネットワークに侵入するための努力を強化している。とりわけその対象となったのが米国とポーランドで、ポーランドは NATO 加盟国としてウクライナのための軍事的ならびに人道的援助の多くを調整する場所となっている。
  4. ロシアの機関は侵入を支援するための強力な宣伝活動をしており、それと並行してウクライナ人の自信を挫き、西側諸国の結束を乱し、ロシア人の支持を維持しようと努めている。
  5. Microsoft は「あらゆる種類のサイバー破壊行為、スパイ行為、影響工作に対抗する防衛を強化するために組織的かつ包括的な戦略」を呼び掛ける。つまり、私たち全員が参加しているのだ。

おそらく最も興味深いのは、Microsoft のような巨大テクノロジー企業がこの戦争で積極的役割を果たしていることだ。企業は当然ながら軍産複合体の一部分ではあるけれども、サイバー攻撃の広範さがある以上、あらゆる顧客を保護するためテクノロジー企業が援助を提供する必要が存在することは劇的な転換とも思える。テクノロジー世界の巨人たちが世界に与える影響については以前から私たちも議論してきたけれども、今回のことはそれらの企業が国民国家の権力 (と責務) にまた一歩近付いた実例と言えるだろう。

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Apple、コミュニティーで活躍する貢献者に "格別の扱い" への招待

Apple Support Community のフォーラムはずっと以前から、参加を奨励するためにゲーム風のポイントやレベルを提供してきたが、今回それを一段高いものとするため Apple Community+ を導入する。これは特別な招待制のプログラムで、コミュニティーで最高レベルの貢献をしている人たちが対象となる。Apple によれば、毎年ごく限られた人たちを招待するという。どんな特典があるかについても Apple は曖昧に「特典や、格別な体験を提供いたします」と述べているだけなのでよく分からない。(そこに言う "white-glove" ("格別") という表現は通常、上質で高度にパーソナライズされた顧客サービスで使われる言葉だが、コミュニティーに貢献している人たちへの報償プログラムとしてどんな意味を持つのかははっきりしない。)

もうずっと昔に、Apple は Adam Engst に "thank you" と書かれたマグカップを贈って Apple Discussions (Apple Support Community の前身) の iPhoto フォーラムにおける彼の貢献に感謝の意を示したことがある。どうやら今回の Apple Community+ ではその種の物質的な報償はないようだ。

たとえあなたに宛てた招待状がメールに埋もれて見つからなかったとしても、あなたはいつでも私たちの TidBITS Talk フォーラムに貢献することができる。ここでは私たちの CEO がすべての投稿に目を通しており、自ら最も投稿数の多い貢献者ともなっている。Tim Cook にそこまでのことができるだろうか?

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