M2 MacBook Air の性能は素晴らしく見えるが、もしプロセッサ負荷の高いタスクをやろうと思っているのであれば、初期レビューが入ってくるまでは注文するのは控えた方が良いように思える。アップデートされた M2 13-inch MacBook Pro で 8K ビデオをエクスポートしている時、サーマルスロットリングが起きたという報告がある。8K ビデオのエクスポートは Mac に対する最もプロセッサ負荷の高いタスクの一つである。サーマルスロットリングは、CPU 温度が高くなりすぎると CPU は温度を下げるために意図的にその性能を落とす。13-inch MacBook Pro はファンを内蔵しているので、ファン無しの M2 MacBook Air よりも過熱に対して闘う体制が整っている。サーマルスロットリング報告の妥当性は二つの鍵となる質問次第である。第一に、サーマルスロットリングはどの M2 13-inch MacBook Pro にも当て嵌まるのであろうか、或いはその特定の機器にだけ当て嵌まるのか? 次に、サーマルスロットリングは低価格ラップトップに対してもっと普通の使い方でも生じるものなのであろうか?
watchOS 開発者の人以外が watchOS のベータ版を試すことはお勧めしない。Mac や、iPhone、iPad、さらには Apple TV でさえ、破損したインストールから復旧できる方法を提供しているのに、Apple Watch にはそれがないからだ。もしもトラブルに陥ったなら、Apple の助けを得て Apple Watch を復旧させなければならない。
数多くの基本的なグラフィック操作のために Preview を使っているのは私だけでないと願いたい。Josh Centers と私が Take Control of Preview の中で説明した通り、Preview アプリにはスクリーンショットをトリミングしたり、画像をリサイズしたり、注釈を加えたり、さらにはピクセル単位の編集をしたりするための驚くほど大量のパワーが備わっている。(例えば私はスクリーンショットの背景色部分から長方形領域をコピーして、それをどこかへペーストすることで何かを“消す”ことがよくある。)
残念なことに、私が Preview で最も日常的にする作業であるトリミングが、Monterey では困難になってしまった。なぜなら、Live Text 機能が追加されたからだ。Preview が時々、私が選択ハンドルをドラッグしようとしているのでなくて画像の中でテキストを選択しようとしていると、勘違いしてしまうことがあるのだ。煩わしいことに、この問題は予測できない挙動をする。あるスクリーンショットでこの問題に遭遇しても、後になって同じスクリーンショットで再現を試みたら再現できないということがある。その上、私がこの問題を経験する頻度は下がりつつある。ひょっとすると Apple は選択の背後にあるロジックを改良しつつあるのかもしれない。
もしもその技だけでは不十分であれば、Preview を通常の選択習慣に引き戻す方法がある。そのためには Live Text 機能自体を完全にオフにする必要があるのだが、そもそも画像の中からテキストを選択できるのはとてつもなくクールだとは思うけれども、そんなものを必要とすることなど滅多になくて、その一方でトリミングは私が Preview で頻繁にする作業だ。
私は Live Text を無効にするオプションがあること自体知らなかったのだが、ある日、別の目的で System Preferences の Language & Region 枠を開いた。すると、何とそこにそれがあった。"Select Text in Images" と書かれたチェックボックスだ。そのチェックを外すと、Preview の中で安心して選択ハンドルをドラッグできる状態が戻って来た。
私がこの記事を書き始めた時点では、Live Text を無効にするチェックボックスがこんな場違いの場所に置かれていることを発見してすっかり満足した気持ちで浮かれていたのだが、選択の問題を確実に再現することができないと気付いてその気持ちが少し薄れた。ほとんどの人は Live Text が画像の領域選択を乗っ取ってしまう現象に遭遇することすらないのかもしれない。それでも、もしそんな状況に遭遇したなら、私の発見がお役に立つことを願いたい。
[訳者注: 実はもっと簡単に Live Text を避けられる方法があり、筆者の Adam Engst はその点に気付いていませんでした。次号で、Adam がお詫びとともにその方法を記事にしていますので、どうぞそちらもお読みください。]
Apple は Lockdown Mode の焦点を既知のリスクに直面しているユーザーに当てている。何故ならば、それは自分の機器上で出来る事の一部を制限するからである。その措置だけでも、世界中で何千万もの Apple ユーザーが Lockdown Mode を有効にすることで、恩恵を得られる可能性がある。
Lockdown Mode と並んで、Apple は Dignity and Justice Fund に対する $10 million の資金援助を発表した。これは Ford Foundation の New Venture Fund の中に設けられた助成金提供組織である。この資金からの賞は "金銭目当てのスパイウェアを暴きそして潜在的標的を守る手助けとなる取り組み" に対して資金提供する。これには支援活動と啓発活動が含まれ、人権団体のセキュリティを増進させ、そして研究活動をスパイウェアに対して向かわせる。Apple は、この基金は、Amnesty International や Citizen Lab の様な団体から選ばれた人権擁護指向の技術者から助言を受けると言っている。Apple のセキュリティエンジニアリング及びアーキテクチャの責任者である Ivan Krstic もまた委員会に加わる。
Lockdown Mode は、合法的な政府の行為と、iPhone, iPad, そして Mac セキュリティに入り込もうとする違法な司法管轄外そして犯罪的な行為との整合性を均衡させる Apple の闘いにおける進化と拡大の両方を意味する。昨年、Apple は大手の政府スパイウェア業者である NSO Group を Apple 製品とサービスの悪用に関与した疑いがあるとして訴えた ("Apple の訴訟、スパイウェア企業 NSO Group を追う" 24 November 2021 参照)。
Apple が昨年 NSO Group に対する訴訟を発表した時、同社は、もし訴訟に勝ったら、同社が受け取る損害賠償と合わせて、Citizen Lab と Amnesty International の一部である Amnesty Tech に $10 million を与えると言った。この新しい発表はこの供与には言及していないが、同じ額を挙げ、そして訴訟からの損害賠償も New Venture Fund へ寄付される資金の一部だと言っている。Apple はもっと透明性を提供すべきである - これらは別の動きなのか、或いは以前の資金提供はこの新しいやり方に組み込まれるのか?
現代社会を縛る呪いは、常にバッテリーについて考えるよう強いられるという点だ。いったいなぜ私の iPhone はまだ日が高いのにバッテリー残量がなくなるのか? 昨晩 Apple Watch が充電されなかったのはなぜか? 飛行機の中で MacBook Air で使える電源コンセントはあるのか? そして、ますます増え続ける人たちにとって、電気自動車の航続距離はこのドライブに十分か? こうしていくら気を揉んだとしても、それでもやはり間の悪い時に必要なデバイスのバッテリーが空になったと気付いて驚かされるということは十分にあり得る。私も最近それを経験した。でも、あらかじめ少し考慮して、適切な予備の装置を用意しておきさえすれば、困った状況はきっと避けられる。
陸上競技会では電源が必要
陸上競技の世界での私の趣味の一つは、Finger Lakes Runners Club (FLRC) で陸上競技会を運営することだ。そのためには HyTek Meet Manager と呼ばれるお粗末な Windows アプリが必要で、長年私はこれを Tonya の 2016 年型 MacBook Pro の上で Parallels Desktop か VMware Fusion による仮想化を通じて使ってきた。Windows と Meet Manager を使わなければならない苛立ちはあるものの、このやり方は長年うまく機能してきた。
(実を言うと私のセットアップにはさらにもっと難解なところもある。計時のために Time Machine を使っているが、これはもう何十年も前に作られた競技計時用デバイスで、非常に正確なタイマーに小さな LCD 画面、感熱式プリンター、キーパッドを組み合わせている。下の写真は私たち全員がこれを見つめているところだ。競技者たちのタイムを記録するためにワイヤードとワイヤレス双方のスイッチに対応しており、大画面の Raceclock (写真の中で私の頭の向こうに見えている) を自動的にスタートさせることができ、そして最も重要なこととして、結果を Meet Manager に送ることができる。この接続は Time Machine の RS-232 シリアル接続で始まり、Keyspan RS-232 to USB アダプタで USB に変換され、それから USB-A to USB-C アダプタで Mac に接続、そこで仮想化環境が Windows に接続する。Meet Manager の中では、いったんすべてを繋いだ後に、トラックボタンのインターフェイスがシリアルポート 3 を使っていると教えなければならない。それから結果を Canon Pixma iP110 モバイルプリンターで印刷している。これだけのものがちゃんと動作しているということだけでも驚かざるを得ない。)
だから2週間前、5レースの競技会の2番目のレースであった 800 メートル競技の途中で、MacBook Pro から電源が残り少ないので電源に接続しないと間もなくシステムが終了するという警告が出たと記録担当係に言われた時の私の不安を、容易にご想像頂けるだろう。登録に遅れた人に備えたり、温度の変更に備えたりするためにたぶん 90 分ほど使っていたが、それはいつものことだった。私はこの MacBook Pro をもう何年も使っていて、家を出た時に 100% 充電されていた点に確信はあったが、これがどれほど古いマシンであるかを本当には理解していなかった。去年の陸上競技会では何の問題もなく働いていたけれども、去年はパンデミックに悪天候も重なってかなり短時間で競技会が終わった。その上、調べてみて唖然としたのだが、その内蔵バッテリーはさらにもう一年古いものでアンペア数も弱かった。(わざとらしい例えには違いないが、ここで Merle Travis の "Sixteen Tons" を引き合いに出しておこう。)
他にどうすることもできなかったので、MacBook Pro のリッドを閉じてそのまま続けた。つまり、Time Machine から結果を取り込むことも、結果シートを印刷してランナーたちに配ることもできなかった。私の車をトラックに持ち込むことはできないし、トラックの記者席には電源があったけれども、そもそも MacBook Pro の USB-C 充電器を持って来ていなかった。そんな場所からシステムを走らせることは不可能だと分かっていたからだ。でも、さきほども書いたように私たちには自分のすべきことが分かっていたので、止めずにそのまま競技会を続けた。翌日に Time Machine から結果を取り出すこともできるし、レースごとに生成される感熱式プリンターの出力を見てタイプすることもできるからだ。そして実際その通りに事は進んだ。終わり良ければすべて良しだ。
もっとパワーを、スコッティ!
それでもなお、この体験は私の心を乱した。この MacBook Pro では今後屋外の陸上競技会で使えないのが明らかだったので、今月後半の次の競技会までに何らかの解決策を見つける必要があった。可能性として考えられたのは:
新しい Mac に移行する: 私の 2020 年型 M1 MacBook Air 上で Parallels Desktop 下の Windows for ARM で Meet Manager を走らせることは可能で、それならばバッテリー寿命はずっと長い。ただ、Windows for ARM が Meet Manager のような古い Windows ソフトウェアや Keyspan RS-232 to USB アダプタや Canon Pixma iP110 プリンタドライバに対応しているとは考えにくいので、私はまだこれを試していない。でも、Intel ベースの Mac は絶滅への道を辿っているので、いずれこれは試してみなければならないかもしれない。それでもやはり Windows に時間を費やすというのは考えただけでも頭に血が上る。
PC ラップトップ機を入手する: FLRC が新しい PC ラップトップ機を入手すればおそらく私たちのシステムで動作するだろうが、年間 6 回しか使わないのでちょっとやり過ぎのような気がする。クラブにいる誰かが古い PC ラップトップ機を喜んで寄贈してくれることも考えられるが、その場合もやはりバッテリー寿命の問題を心配しなければならないことに変わりはない。
その代わりに、こんなテストを思い付いた。写真と違って自動車の中では実行していない。まず、MacBook Pro を内蔵バッテリーで動作させている状態で、Google Chrome の中で YouTube ビデオを一時間再生して、バッテリーの充電が 100% から 56% に減ったことを確認した。それから、今度は MacBook Pro を 15 ワットの Tacklife ジャンプスターターに繋いだ状態で同じテストを繰り返した。すると MacBook Pro のバッテリーレベルは 100% からたった 91% までしか減らず、これは大きな違いだ。その最後の時点で、ジャンプスターターはまだ LED が 3 つ点灯していた。ただ、それを再充電し始めると LED のうち 2 つが点滅したので、これはおよそ3分の1が放電していたのだろうと思われる。陸上競技会で MacBook Pro が必要とする電力をこのジャンプスターターがすべて提供できるのかどうか確実なことは言えないが、かなりの助けになることは確かだろう。
うまくいけば、TECKNET power station が次の陸上競技会で MacBook Pro を駆動してくれることだろう。加えて、他のバッテリー駆動のデバイスのどれかが突然電源切れになっても動かすことができるだろう。でも、少なくともいざという時には Tacklife ジャンプスターターの方も取り出す価値があることだけは分かった。