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#1622: OS 機能アンケートの結果、Continuity Camera ウェブカメラのレビュー、OWC miniStack STX

先週、Apple の 2021 年のオペレーティングシステム、つまり iOS 15、iPadOS 15、および macOS 12 Monterey で導入されたトップ 20 の機能のうち、皆さんはどれを使っているだろうかというアンケート調査をした。その結果がまとまったので、Adam Engst がそれぞれの機能ごとに投票結果を評価しつつ、機能についてコメントする。macOS 13 Ventura と iOS 16 が織りなす未来に目を向けつつ、Julio Ojeda-Zapata はウェブカメラ機能 Continuity Camera をプレビューする。これは、iPhone を Mac のウェブカメラとして使うものだ。それからもう一つ、Josh Centers が OWC miniStack STX を調べる。Mac mini オーナーのために追加の Thunderbolt ポートと外付けストレージを提供することを狙った、珍しい拡張アクセサリーだ。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Cardhop 2.1、MarsEdit 4.6、Evernote 10.42、SpamSieve 2.9.50、Nitro PDF Pro と PDF Pro Essentials 13.3、それに Tinderbox 9.3 だ。

Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

OWC miniStack STX、Mac のストレージと接続性を拡張

何十年もの間、OWC は Apple 社会に対する革新的なハードウェアアクセサリを創り出すことに特化してきた。同社は最近我々の同僚 Glenn Fleishman に彼等の新製品の一つを送ってきた。OWC miniStack STX である。しかし、Glenn にはその使い途が無く、OWC はそれを送り返す必要が無いと言い、それは私の所に回ってきた。それは有用であると同じ位不可解でもある。

OWC miniStack STX は一つの箱に二つの解を詰め込んだものである。それは、3ポートの Thunderbolt 4 ハブであり、そして内蔵の SATA と NVMe 接続経由で Mac に対するストレージ拡張を提供する。それは Mac mini を念頭に置いて設計されており、形も寸法も全く同じに出来ている。その狙いは、Mac mini を miniStack STX の上に置いて、同梱されている Thunderbolt 4 ケーブルを使って接続し Mac mini のストレージと接続性を拡張すると言うものである。

miniStack STX on a Mac mini

私は Mac mini は持っていないが、27-inch iMac を持っており、その高さは私の首の快適さから言うと少し低すぎる。私は一冊の本を iMac の下に置いて台にしていたが、この miniStack STX は iMac を丁度良い高さに上げてくれるし、見かけもよりそれらしく見えるし、加えて私が抱えていたもう一つの問題も解決してくれる:それは私の留まることを知らずに増え続ける Photos ライブラリである。私の Photos ライブラリが 600 GB を超えた頃から iMac の 1 TB の内部ストレージ上に十分な空き容量を保つのが難しくなっていた。私は放置されたままの外部ドライブを幾つか持っていたが、私のそうでなくとも狭い机の上では場所を取り過ぎてしまっていた。私はこの miniStack STX を使って見ようと思った。

27-inch iMac on top of the miniStack STX
私の 27-inch iMac の下に置いた OWC miniSTack STX。青い LED ロゴは消しておくことも出来るが、今日この頃は、この類いのものは電子機器に対してはほぼ義務化されている様に見える。

miniStack STX の値段はストレージ無しで $279 だが、色々な SATA と NVMe ストレージ構成を使って事前設定出来る - 両方合わせて最大 26 TB まで。或いは、miniStack STX 単体を買ってその辺にゴロゴロ転がっているドライブを付け加えることも出来る。Glenn が私に送ってくれたモデルは 2 TB 7200 RPM ハードドライブが付いたもので、この構成のものの定価は $349 となっている。

私はそのハードドライブは遅くうるさいのではと気がかりだったが、その速さと静かさには驚かされた。私の Photos ライブラリを移行するのには1時間もかからず、そこから発せられる音は静かな冷却ファンの回転音だけであった。

勿論、ハードドライブを使わなければならない訳では無い。代わりに、SATA SSD や NVMe M.2 SSD モジュールをインストールすることも出来る。私は良いセール製品が見つかった時に、この miniStack STX のストレージを全てフラッシュにアップグレードしようと思っている。SATA スロットは 2.5-inch 及び 3.5-inch ドライブのどちらも受け入れる。OWC はまた SoftRAID ユーティリティも同梱しているので、SATA と NVMe ストレージを一緒にして RAID 1 構成にして冗長性を保つことも出来る。

私はそれ程沢山の Thunderbolt アクセサリを持っていないが、一つのポートは私の LG モニターを USB-C 経由でつなぐのに使い、それは完璧に働いた (私のモニターの詳細については、"LG 27UK850-W: Mac 用の十分使える 27 インチディスプレイ 18 December 2020 を参照されたい)。miniStack STX は Intel-based Mac 上では最大2台までの外部モニターをサポートするが、M1 Mac につないだ時には1台限りになる。

一つのポートは Mac に接続されなければならず、結果として miniStack STX には3つの空きポートが残る。それ等のポートは 60 ワットの電力をフルに供給するので、一つのポートを iPhone の急速充電に、或いは iPad や MacBook Pro を充電するのにも使える。

理屈の上では、Thunderbolt 4 の帯域は、ハブや追加のポートとして色々な可能性を提供する。現実には、ケーブルやドングルで乱雑になってしまい、miniStack STX の小ぎれいな装いを台無しにしてしまうであろう。OWC はここで好機を逸している。もし miniStack STX の正面に幾つかの USB-A ポートとヘッドフォンジャックを設けていれば、もっと売り方も簡単になっていたであろう。ポート数には多すぎると言うことは無く、それに Apple のデスクトップ Mac のポートはとても手の届きにくい所にある。

The miniStack STX back ports

miniStack STX はどんな問題の解決となるのか?

OWC は miniStack STX を Mac mini のために設計しているのは明らかだが、私の iMac の下にもうまく納まるし、外付けディスプレーを持つ Mac ラップトップのための充電と Time Machine ドックとしても十分機能する。(注意すべきは miniStack STX は Thunderbolt 1 や 2 をサポートしないことで、アダプタを使ってもダメである。)

有用性は優れていると思われるが、miniStack STX は少々不可解でもある。それは特定のユーザーを念頭に置いて作られている:更なるストレージともっと多くの Thunderbolt 4 ポートを必要とする Mac mini 所有者である。それは高品質の製品であり、私の机上にある事も嬉しいが、OWC はその工業デザインと能力をより広いユーザー群のニーズに合わせられたのではないかと思ってしまう。例えば、iMac の足の形に合う、或いは Mac ラップトップをサポートするプラスチック製の外骨格とかはすぐに思い付くし、正面に位置する幾つかの追加のポート等も歓迎されるであろう。

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Julio Ojeda-Zapata  訳: Mark Nagata   

Continuity Camera で iPhone を Mac のウェブカメラに

親戚たちが複数の大陸に散らばっており、かつ当分の間は完全に自宅で本業の仕事を続けている者として、私はビデオ会議を非常に多くしている。ただ、それが満足できない体験となることも多い。

その理由の一つが、コンピュータのウェブカメラ、例えば Mac に内蔵された FaceTime HD カメラの画質が、歴史的に並以下であることによる。(2020 年 4 月 8 日の記事“2020 年型 MacBook Air の FaceTime HD カメラはまだ貧弱なまま”と 2021 年 1 月 25 日の記事“なぜウェブカメラはこんなに質が悪いのか”参照。) Apple は馬鹿馬鹿しいほど古臭かった 720p の解像度をようやく最新の Mac モデルで 1080p にまで引き上げたが、それでもまだ画質はがっかりしてしまうレベルだ。Apple の外付けモニタ Studio Display もカメラを内蔵しているが、それについても同じことが言える。

果たして Apple には将来のモデルでウェブカメラのスペックをもっと引き上げるつもりがあるのかどうかはっきりしないが、現時点で動作する代替方法は存在している。それが、iPhone 搭載の光学的に優れたカメラを Mac のウェブカメラとして利用する方法だ。これは別に新しいアイデアでもない。Elgato はそのための Epoccam ソフトウェアを提供している。同様に、Reincubate は独創的な Camo 仮想カメラシステムを提供している (2020 年 7 月 24 日の記事“Camo で iPhone をパワフルなウェブカメラに変えよう”参照) が、この製品の複雑さと費用 (ごく基本的な無料レベルもあるが) のせいで手を出し渋る Mac ユーザーもいる。

そして今や、Apple が独自のやり方として Continuity Camera 機能を提供する。(2022 年 6 月 6 日の記事“WWDC 2022 で“やっとのことで”登場した機能 10 個”参照。) これは現時点ではまだベータ版の段階にある iOS 16macOS 13 Ventura の新機能の一つであり、いくつかの理由からビデオ会議における魅力的な拡張となり得る潜在性を秘めている。まずこれは無料であり、セットアップも使い方も簡単で、圧倒された印象を与えずに高度な諸機能を提供できる。iPhone や iPad でお馴染みのカメラ機能、例えば Center Stage、Studio Light、Portrait Mode といったものも Continuity Camera に内蔵されているので、単にカメラが良いということ以上の価値を持つ。

私はここ数週間かけて Continuity Camera をテストしてきた。Mac の新機能である Stage Manager (2022 年 7 月 18 日の記事“Stage Manager の第一印象: iPad と Mac で”参照) と同じように、私は自分のテクノロジーライターとしての実験的使用を終えた後もずっとこれを使い続けようと思っている。当然ながら Continuity Camera はまだリリース前の段階にあるので荒削りなところも見られる (特に Desk View と呼ばれる機能はまだ完成には程遠い) が、将来有望に感じられる。

物理的に iPhone をマウントする

Continuity Camera を使うために、まず初めに iPhone をどうマウントするか決めなければならない。ビデオチャットの際に適切であるような位置に置く必要があって、理想的にはラップトップ機のリッドや独立ディスプレイの上端のすぐ上に置くのがよい。Reincubate がさまざまの選択肢を比較した調査結果を公表している。

Apple は近いうちに Belkin 委託生産という形で独自のマウント方法を提供する予定だ。このアクセサリーは Mac ノートブック機のリッドまたは Studio Display の上端のところにクリップ留めされ、MagSafe を使って最近モデルの iPhone を取り付けて、その背面カメラがユーザーの方を向くようにする。

Belkin's upcoming iPhone mount

このマウントはまだ一般公開されていないが、一部の幸運なテクノロジーライターたちがプレリリース版を受け取っている。私もそのリストに載っているという話を聞いたので到着を待っているところだが、自宅でテクノロジー機器をしまってある場所を探してなかなか良いものを見つけた。PopSocket の PopGrip for MagSafe だ。これは楕円形の板で iPhone の背面に磁力で取り付け、二本指で使う古典的な伸縮タイプの丸いグリップが付いている。

Continuity Camera で使うには、このグリップを MacBook のリッドや Studio Display の上端に挟んで (完全ではないが十分使える)、iPhone を理想に近い位置に置いてビデオチャットに使える。ただし、私のお気に入りの 23.7 インチ LG UltraFine Display (2019 年 5 月 20 日の記事“Apple、LG の最新型 23.7 インチ UltraFine ディスプレイを披露”参照) では全然使えないので、こちらでは何らかの方法を考えなければならない。

Balancing an iPhone on Mac screens with a PopSocket

嬉しいことに、自分用に PopGrip を注文すれば、今すぐ Continuity Camera を試してみることができる。

Continuity Camera をセットアップする

Continuity Camera を使う前に、しておくべきことがいくつかある:

The Continuity Camera Webcam setting

Continuity Camera を使う: 基本編

あとのことは非常に簡単なはずだ。Mac 上でビデオ会議アプリを起動して、そのアプリ内部でカメラを選ぶオプションを探す。選択肢の一つとして iPhone が表示されているはずだ。それを選べば、iPhone がシームレスにウェブカメラモードに移行するはずだ。すべてがワイヤレスであって、Camo を使う場合のように iPhone と Mac を Lightning ケーブルで繋ぐ必要はない。

例えば FaceTime では、Video メニューをクリックすれば、カメラのリストが見える。私の iPhone は時々ここに表示されないことがあり、Continuity Camera に切り替えようとすると FaceTime が固まってしまうことも時にはあるが、Mac または iPhone を再起動することで問題が解決することが多いので、きっとこれはベータ版特有の問題なのだろうと思っている。

Automatic Camera Selection が選択されている場合には、Mac と iPhone のペアリングが自動的に起こるはずだ。

Continuity Camera settings in the Ventura menu bar

場合によって、iPhone のマイクロフォンを別途オーディオ入力デバイスに割り当てるのが可能なこともある。FaceTime はこの柔軟性を提供しているアプリの一つだ。

Apple は Mac 用のアプリまたはウェブアプリとして機能するサードパーティのビデオ会議サービスとの幅広い互換性を約束しており、実際それは達成されているように見える。私が少しだけ試してみて良い結果を得られたアプリの名前を列挙しておくと、Zoom (アプリとウェブ)、Google Meet (ウェブ)、Skype (アプリとウェブ)、Microsoft Teams (アプリとウェブ)、Facebook Messenger (アプリとウェブ)、WhatsApp (アプリとウェブ) だ。Continuity Camera は WebEx でも動作したけれども、そのアプリ内のビデオ画質は悪く、ウェブインターフェイスでの画質はもっとひどいものだった。

Continuity Camera の有用性は単にビデオチャットのみに留まらない。少なくとも録画機能を持つ他のビデオアプリのいくつか、例えば Photo Booth や QuickTime でも、ビデオに対応していた。対照的に、iMovie はどうしても iPhone をビデオ入力のオプションとして認識しなかった。この点は将来改善されて欲しいものだ。

ビデオ画質は非常に良い

iPhone ウェブカメラのビデオ画質をちょっと見ただけで、Continuity Camera がベータ版を脱したらすぐに私の Mac でデフォルトのビデオチャット用カメラとして使おうと心を決めた。

私は iPhone 13 mini を使っていて、Continuity Camera はその 12 メガピクセル Ultra Wide カメラを絞り値 f/2.4、視野角 120 度の設定でデフォルトとする。もっと旧式の iPhone でカメラのハードウェアが劣るものでは違う設定になるだろうが、少なくともビデオ画質は Mac やサードパーティのウェブカメラを使った場合と同等、あるいはおそらくそれ以上になるはずだ。

下に画質の比較例を示してみた。比較対象に使ったのは 2020 年型 M1 MacBook Air の FaceTime HD カメラ、最近リリースされた M2 MacBook Air、それに今年リリースされた Studio Display だ。いずれの場合も Continuity Camera の映像の方が画質が良かった。M2 MacBook Air は M1 MacBook Air よりも良いが、劇的に改善されたと言えるほどではない。Studio Display の画質は曖昧で、少し暗い。(注意: ここで使った借り物のディスプレイは最新のソフトウェアアップデートを適用済みで、このアップデートは初期の画質の問題を修正するために出されたものだ。確かにある程度画質が改善されたが、奇跡は起こらなかった。)

iPhone 13 mini camera vs M1 MacBook Air webcam
Continuity Camera (iPhone 13 mini) 対 FaceTime HD (M1 MacBook Air)
iPhone 13 mini camera vs. M2 MacBook Air webcam
Continuity Camera (iPhone 13 mini) 対 FaceTime HD (M2 MacBook Air)
iPhone 13 mini camera vs. Studio Display webcam
Continuity Camera (iPhone 13 mini) 対 Studio Display

Continuity Camera を使う: 高度な諸機能

Apple は Reincubate と違って、しっかりした機能セットよりも単純さの方を狙っている。そうは言っても、Continuity Camera にもいくつか付加機能はあって、柔軟性と高度化を実現している。これらの付加機能にアクセスするには Continuity Camera の使用中に Control Center > Video Effects へ行く。以下に説明する設定項目を、好きな組み合わせでオン/オフすることができる。

Continuity Camera advanced settings

Center Stage

この iPad 機能は“自動フレーミング”の一つの形で、ビデオ会議の最中にあなたが動き回ってもあなたを画像の中央に維持する。(2021 年 9 月 23 日の記事“Center Stage 機能が人物をビデオチャットフレームの中央に”参照。) Center Stage は Studio Display にも搭載されている機能だが、iPhone にはまだこの機能はない。少なくとも、iPhone を単体で使った場合にはない。

けれども iPhone を Continuity Camera モードにすると、Center Stage 機能が魔法のように出現する。ただし iPhone 11 モデルまたはそれ以降であることが必要だ。私が見た中ではこれが最高の自動フレーミング実装だが、Center Stage をオンにするとビデオ画質は少し悪くなる。

Center Stage comparison

Portrait Mode

2016 年の iPhone 7 Plus 以来、iPhone ユーザーは Portrait モードの写真を撮影することができた。これは、最前面にいる被写体にピントを合わせて、背景をぼかす手法だ。ビデオに Portrait モードが導入されたのは昨年の iPhone 13 からで、Cinematic モードという名前で登場した。これは浅い被写界深度で撮影するものだ。

そして今、Continuity Camera にも背景のぼかしをオン/オフするオプションとしてこれが登場した。その意味でこれは遅れを取り戻すためのものだ。Zoom や Google Meet のようなビデオ会議サービスは近年この機能をうまく使っている。

Portrait Mode comparison

Studio Light

新しい Studio Light 機能は、計算写真学を用いてユーザーの顔を明るくし背景を暗くする。Continuity Camera では、多少微妙な感じもあるが、見事にこの機能が働いている。(ここでは iPhone 12 またはそれ以降であることが前提となる。) Apple が WWDC で Continuity Camera を実演した際に述べたように、リングライトを使った場合に似た効果を持つ。

Studio Light comparison

残念ながら、Continuity Camera には画質を調整したり強化したりするためのオプションがこれ以外にない。その点、Reincubate の Camo はその種のオプションを多過ぎると言えるほどに提供している。Continuity Camera で私の顔が変色したように見えた瞬間が何度かあったし、自分の見栄えを調整する機能があったら使いたいのにと思ったこともあった。将来にはそういう設定も追加されれば嬉しい。

Desk View

ビデオ会議の際に参加者が2台のカメラを使って、1台は自分の顔に向けておき、もう1台を下向きに設置して実演や議論の目的で仕事机の上を撮影するために使うのは珍しいことではない。

Desk View (iPhone 11 またはそれ以降が必要) で、Apple はこれを1台のカメラだけでやり遂げようとした。つまりあの Ultra Wide カメラだ。これは極めて広い視野角を持っているのでその目的に適している。1つのウィンドウに顔を映したままで、もう1つのウィンドウがデスクの上を表示する。確かにクールな技だが... 正しく実行するのは難しい。

カメラの下向き角度を変更するのは困難なので、ノートブック機のリッドや外付けディスプレイのヒンジを調節して役に立てることはできる。少し傾けて、デスク上のものが Desk View ウィンドウに正しく収まるようにするのだ。(それでも Portrait モードがオンならばあなたの顔はもう片方のウィンドウの枠の中に留まるはずだ。) でも残念ながら、デスクの映像の画質は良くない。

Desk View

Desk View は、平らな物体 (例えば書類、写真、硬貨、その他) を映すのに使えばベストだ。けれども高さのある物体、例えば下のスクリーンショットに映ったコップや HomePod などは、滑稽なほど歪んで見える。

Skewed objects in Desk View

ちなみに Desk View はただ単に Video Effects 内のメニューオプションであるだけでなく、それ自身独立した Mac アプリでもある。ただし macOS System フォルダの奥深くに隠されている。おそらくこれは、他の方法では Desk View のビデオストリームにアクセスできない古いアプリとの互換性を確保するためのアーキテクチャ上の必要なのだろう。

Continuity Camera を考察する

Apple が WWDC で初めて Continuity Camera を発表した際に、私はちょっと戸惑いを感じた。Studio Display や、最近のモデルの Mac には最善されたウェブカメラが搭載されているというのに、いったいなぜそんな間に合わせのシステムを使おうとするのだろうか、と。でも、数週間 Continuity Camera を使ってみて、今や私はこちらを信じるようになった。

提供される画質が、著しく優れている。全然違うと言ってよい。それに、ずっと多くの機能を提供する。Studio Display も、MacBook Air の FaceTime HD カメラも Studio Light や Desk View を提供しないし、MacBook Air のカメラは Center Stage にも対応しない。

Webcam settings

Apple が Continuity Camera を開発した理由の一つは、Mac 内蔵のカメラを iPhone や iPad のものに匹敵するレベルに引き上げる作業を続ける間の当座しのぎのものとしてであったのかもしれない。仮にそうだとしても、私には不満はない。私は Mac mini を購入して私の LG UltraFine と組み合わせて使おうかと思っているところだが、その両者ともカメラを内蔵していないので、Continuity Camera 機能を使って iPhone をウェブカメラとして利用できれば、それは私が近年試してきたいろいろなサードパーティのウェブカメラに比べてずっと良いオプションとなることだろう。(2021 年 1 月 25 日の記事“なぜウェブカメラはこんなに質が悪いのか”参照。)

たとえ Mac 内蔵のウェブカメラで十分だという人であっても、iOS 16 と Ventura にアップグレードしたならば、Continuity Camera 機能を試してみることをお勧めしたい。代替方法があるのは良いことだし、使ってみれば Mac で iPhone をウェブカメラを使うのも案外気に入るかもしれないから。

その一方で、Reincubate の Camo も一度試してみよう。基本機能だけならば無料で使えるし、料金を払えばさまざまの機能が追加される。私が特にワクワクしたのはその多彩な画像処理機能だ。そのうちのほんの少しでも Continuity Camera にあったならと願わずにいられない。

討論に参加

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

アンケート結果: どの iOS 15, macOS 12 Monterey 機能を実際に使っていますか?

iOS 15、iPadOS 15、macOS 12 Monterey の機能のうちどれをよく使っていてどれを使っていないかをお尋ねした先週のアンケートに投票して下さった 1319 名の方々に感謝したい。(2022 年 7 月 28 日の記事“アンケート:どの iOS 15, iPadOS 15, macOS 12 Monterey 機能を実際に使っていますか?”参照。) その結果はとても興味深いものであった!

内容に入る前に、いくつか注意点を書いておきたい。まず何よりも、このアンケートは参加して下さった方々、主に TidBITS 読者の皆さんと、その人たちから話を聞いて二次的に参加された方々との意見を反映したものに過ぎない。この結果を Apple ユーザー層全体の意見とか、さらには TidBITS 全読者層の意見だとか考えることはできない。

しかしながら、ご覧になればお分かりの通り、参加層にはある程度の外れ値が含まれでいたかもしれないが、方向性として外れてはいない。最も重要な発見は、大多数の人がリストされた機能の大多数を使っていないということだ。3つの選択肢 Frequently (頻繁に使う)、Occasionally (時々使う)、Never (使ったことがない) のうち、Frequently と Occasionally の合計が Never より多かったのはたった4つ、つまり Live Text、Shortcuts、Hide My Email、それに Photos の Memories のみであった。(5つ目の機能、App Privacy Report はギリギリそれに届かず、半数よりたった 57 名だけ多い人たちが Never を選んだ。) アンケートに参加した人たちは平均的な Apple ユーザーよりもこれらの機能を使う可能性が高いと予想するのが妥当だろうと思えるので、もっと広範囲の調査をすれば使用度レベルはさらに下がると思われる。

また、このアンケートは意図的に単純化してあり、機能の使用度が「頻繁」か「時々」か「全くない」かの三者択一しか記録していない。なぜそうなのかを見極めようとはしていないので、そこから得られるいかなる結論も推測の域を出ない。具体的に例で説明すれば:

では、個々の機能を、参加した TidBITS 読者の皆さんの人気の低かったものから高かったものへ順に並べて、結果とそれに対するコメントを述べよう。

Features survey graph

SharePlay: 頻繁 1% / 時々 6% / 全くない 93%

SharePlay が最下位になった原因の少なくとも一部は、アンケートに答えた人たちの年齢層に関係あると思う。TidBITS 読者の年齢は次第に高くなる傾向にあり、FaceTime 通話で誰かと話しながらそれと並行して映画を観たり音楽を聴いたりするという考え方そのものが理解し難いのが実態だろう。また、これはパンデミックによるロックダウンの最も暗い時代に一般的だったということも言えるかもしれない。けれども Tristan にこの話をしてみると、彼はむしろ FaceTime なんかあまり使っていない人が多いからなんじゃないかと言っていた。それももっともな話だ。私だって滅多に FaceTime を使わない。

FaceTime リンク: 頻繁 1% / 時々 10% / 全くない 89%

ここでは Tristan の言うことが当たっているのかもしれない。FaceTime リンクは、他の人にいきなり通話をかけて驚かす代わりに、FaceTime 通話をスケジュールできるようにする機能だが、SharePlay よりほんの少し多く使われているに過ぎなかった。Zoom や Google Meet といったサービスではずっと以前から通話をスケジュールしたりリンクを共有したりできるようになっていたのだから、FaceTime にとってこれが歓迎すべき追加機能であることに疑いはない。でも、Apple は参入するのが遅過ぎたのかもしれない。

Safari での音声検索: 頻繁 2% / 時々 13% / 全くない 85%

どうしたんですか皆さん! iPhone や iPad 上の Safari の音声検索は素晴らしい機能で、Safari で検索をするなら (しない人なんているだろうか?)、絶対に試してみるべきだと思う。Safari の検索フィールドにあるマイクロフォンボタンでこの機能を有効にして、検索語を声で話すだけだ。あなたが話しやめたのを賢く判断して、すぐに検索を始めてくれる。私自身は HomePods 上の Siri を使って自宅のいろいろなものをコントロールするのに慣れているので音声入力にかなり馴染んでいるということはあるとしても、オンスクリーンのキーボードに比べれば音声入力の方が断然使いやすい。

Voice search in Safari

Tags in Notes: 頻繁 5% / 時々 14% / 全くない 81%

ここでも私の偏見が混じっているに違いないとは思うが、思い通りに Notes を使いこなせたことが一度もない者として、Apple が Notes の新たな整理のオプションとしてタグを追加してもあまり使われないことに何の不思議もない。

全画面メニューバー: 頻繁 9% / 時々 16% / 全くない 75%

この機能を使ったことが全くないと答えた人たちの多くは、それが存在していることを知らなかったからなのではないかと私は思う。System Preferences > Dock & Menu Bar > Dock & Menu Bar を開いて "Automatically hide and show the menu bar in full screen" のチェックを外せば、フルスクリーンモードでもメニューバーが見えているようになる。日常的にフルスクリーンモードのアプリで作業をしている人にとって、この上なくありがたいことだと思う。私はメニューバーを見るためにいちいちマウスをスクリーンの上辺に動かさなければならないのは大嫌いだ。メニューバーを常時表示することの唯一の難点は、フルスクリーンのビデオ再生やビデオ会議の際に邪魔になることくらいだろう。そういう場合にはアプリとやり取りする必要がなく、できる限り広い面積をビデオのために確保したいからだ。

Full-screen menu bar setting

AirPlay to Mac: 頻繁 5% / 時々 21% / 全くない 74%

AirPlay を使ってオーディオやビデオを Mac に送信できる機能にあまり人気がなかったのは、私には意外ではない。別にありがたくないと言っているのではない。実際、これは長年欠落していた機能だった。ただ、AirPlay というのは時折必要に応じて使うタイプの機能であって、毎日使うようなものではないので意外でないと言っているのだ。「時々」という答がかなりあった点がこの考えを裏付けている。そもそも AirPlay が頻繁に使うタイプの機能でない上に、これが新しい機能であることもあって、知らなかった、あるいは知っていても忘れていたという人たちが多かったのだろう。この機能を試す際は、あらかじめ忘れずに System Preferences > Sharing で AirPlay Receiver を有効にしておこう。また、AirPlay to Mac のシステム要件も確認しておこう。

Enable AirPlay Receiver in Sharing

Legacy Contacts: 頻繁 9% / 時々 20% / 全くない 72%

この機能は今後もっと多くの人たちに使われるようになって欲しいと思うし、今後記事でも取り上げなければならないと思う。簡単に言えば、いったん誰かを Legacy Contact (故人アカウント管理連絡先) に指定しておけば、あなたが死んだ後にその人があなたの Apple アカウント内のデータにアクセスできるようになる。どうか信じて欲しい。そうすることで残された人たちの負担が大幅に軽くなるのだ。

この Legacy Contacts のアンケート項目については、誰かを既に Legacy Contact に指定しており、かつ誰か他の人の Legacy Contact に指定されている人は Frequently (頻繁) を選ぶように、またその片方だけに該当する人は Occasionally (時々) を選ぶようにとお願いした。だから、この結果の数字は悪くない。全体の3分の1近くの人たちが何らかの形で使っているのだから。

Focus: 頻繁 13% / 時々 15% / 全くない 72%

このアンケート項目では、iOS 15、iPadOS 15、macOS 12 Monterey での新しい Focus 機能と、Apple が Focus 機能に組み込んだ従来からある Do Not Disturb、Do Not Disturb While Driving、Sleep の諸機能とを区別したいとはっきりお願いした。従来からある機能、特に基本的な Do Not Disturb については大いに使われていると期待したい。けれども新しい Focus 機能は、何と言うか、焦点 (focus) が合っていない。あまりにも多くのことをやろうとし過ぎて、高度なテクノロジーに通じた私の友人たちさえ混乱してしまっている。(2022 年 1 月 20 日の記事“Apple の新しい Focus (集中モード) 機能 - これはやり過ぎかも”参照。) どうやら Apple は iOS 16、iPadOS 16、macOS 13 Ventura で Focus 機能をさらに強化しようとしているらしいので、私たちとしてはその変更の結果として iPhone が特定の時刻に通知を出すか出さないかを予測するのが今より容易になるのか困難になるのか、楽しみに待ちたいと思っている。

Safari Tab Groups: 頻繁 13% / 時々 16% / 全くない 72%

先週の記事で紹介したように John Gruber がこの質問を Twitter に投稿した際には、やはり多くの人たちが熱意を見せなかった。Safari Tab Groups の使用が "A lot" だと答えた人が 15%、"Sometimes" と答えた人が 19%、"Never" と答えた人が 66% であった。私たちのアンケートの結果は、ご覧の通りそれよりもう少し頻度が少ない方に寄っていた。タブグループは一部の人たちにとっては便利に使えるが、他の多くの人たちにとってはあまり意味がない。私たちの記事“WWDC 2022 で登場したが困惑してしまう機能 7 個”(2022 年 6 月 13 日) で登場予定の Shared Tab Groups 機能に対する否定的な意見を書いたが、それに対して寄せられたコメントを見てもそのことが裏付けられる。

Universal Control: 頻繁 10% / 時々 19% / 全くない 71%

Univeral Control は悪い方の半分に属してしまったけれども、これは悪くない結果だと思う。この機能の登場は macOS 12.3 と iPadOS 15.4 にずれ込んでしまったので、ほんの数か月前まで誰もこの機能を目にすることもできなかった。(2022 年 3 月 24 日の記事“macOS 12.3 Monterey と iPadOS 15.4 で Universal Control を使う”参照。) 出荷された後でさえ、この機能を使うには複数個のデバイスを並べて同時に使うことが必要で、専門家でもない限り比較的稀な組み合わせと言えるだろうから。

システム全般に亘る翻訳: 頻繁 8% / 時々 23% / 全くない 69%

ここでもやはり、Mac 上で一つの言語から別の言語へ翻訳する必要がある状況はたいていの人にとってそうそう頻繁に起こることではないので、使ったことがあると答えた人が3分の1をほんの少し下回る程度という結果は着実な利用を示しているのだろう。Control-クリックするだけでシステム全般に亘る翻訳が使えるのは素晴らしいことで、多くの人にとって最大の障壁はそれが役立つ状況ですぐに使い方を思い出せるかどうかだ。

System-wide translation in Monterey

Visual Lookup: 頻繁 4% / 時々 27% / 全くない 69%

これもまた“必要な時だけ使う”機能だ。Visual Lookup (右下図) は、機械学習を使って写真に写ったオブジェクト、例えばアート、花、建造物、ペット、植物などを識別する。(2021 年 10 月 8 日の記事“iOS 15 と iPadOS 15 の Photos からもっと多くの情報を引き出す”参照。) 私の場合基本的に自分が何を見ているのかは分かるので、この機能は主として目新しさ以上の意味を持たないが、その理由の一つとして植物を見分けたい場合に私が iNaturalist のSeek 機能 (左下図) を使っていることがあるだろう。

Visual Lookup and Seek app

QuickNote: 頻繁 7% / 時々 25% / 全くない 68%

QuickNote に難点を見つけるのは簡単でない。これは、iPad 上では Apple Pencil のジェスチャーで、Mac 上ではホットコーナーやキーボードショートカットを使って、素早くノートを作成できる機能だ。でももちろん、その前提条件としてあなたが日常的に Notes アプリを使っていて、とにかくできるだけ素早くノートを作りたいと思っているのでなければならない。

iCloud Private Relay: 頻繁 22% / 時々 13% / 全くない 65%

iCloud Private Relay は Safari トラフィックのすべてを二つの暗号化されたウェブプロキシサーバを通してルートする機能で、iCloud+ ユーザーのみが使えるものだが、System Preferences > Apple ID > iCloud にあるスイッチ一つで使える。なので、既に追加の iCloud ストレージ料金を払っている人にとっては簡単に決断を下せるし、そのこともあって Frequently (頻繁) の得票数が Occasionally (時々) の得票数を上回る結果になったのだろうと思う。iCloud Private Relay は名目上まだベータ版の段階にあるので、この機能をオンにして何か問題が起こったならば、オフにしておけば問題ない。(2022 年 6 月 20 日の記事“連動し合う Apple プライバシー設定で起こる接続性の問題を解決する”参照。)

iCloud Private Relay switch

Shared with You: 頻繁 8% / 時々 28% / 全くない 64%

正直言って、Shared with You がこんなに上位に来て私は少し驚いた。これは他の人から Messages で送られたリンクを集めて、Apple アプリ Music、News、Photos、Podcasts、Safari、TV の中に表示する機能だ。どうやらこれが役に立つと思った人が多かったようだが、私自身はこの機能を知ってはいたけれどもまだ使ってみたことがなかった。

App Privacy Report: 頻繁 7% / 時々 40% / 全くない 52%

半数近くの人たちが App Privacy Report をチェックしていると知って私は勇気づけられた。これは iPhone や iPad で Settings > Privacy > App Privacy Report にある。どのアプリがデータやセンサーにアクセスしているか、アプリのネットワーク活動、ウェブサイトのネットワーク活動、最も多く連絡したドメインなどを報告する。たとえ詳細情報のすべてを理解できなくても、どのアプリが何をできるか、自分のデータがどこへ送られているかについて知るだけでも、安心できることもあるだろうし、プライバシーを侵害しているアプリの使用を止める助けになることもあるだろう。

App Privacy Report

Hide My Email: 頻繁 18% / 時々 32% / 全くない 50%

ちょうど半数の人たちが Hide My Email を使っていた。これもまた、Apple にとってプライバシーに関する成果の一つだろう。新たなアカウントを作る度に電子メールアドレスを提供するよう要求されて、宣伝メールを送りつけられることになると知りつつサインアップすれば、誰もが眉をひそめたくなる。Hide My Email を使えば宣伝メールが届かなくなる訳ではないが、その会社に自分の本当のメールアドレスを知られずに済む。また、いつでも好きな時に特定の送信者からのメッセージをブロックすることもできる。(2021 年 10 月 21 日の記事“iCloud+ の Hide My Email でジャンクメールを減らす”参照。) Hide My Email アドレスの管理は System Preferences > Apple ID > iCloud > Hide My Email でする。

Hide My Email management

Photos の Memories: 頻繁 13% / 時々 37% / 全くない 50%

このアンケート項目では Photos の Memories 機能全般を考えて選ぶようにとお願いすることにした。iOS 15、iPadOS 15、macOS 12 Monterey で Apple が改良した点のみを取り出せる首尾一貫した方法がないからだった。なので、上位にランクされたことも驚きではない。もうかなり以前からこの機能は存在しているからだ。私自身は Memories 機能があまり好きでないと言っておこう。なぜなら、仕事中に邪魔されたくないタイミングでこの機能からの通知が出ることがよくあるからだ。でも正直言って、私は古い写真を見返すようなタイプの人間ではない。まあ、もう少し歳をとれば違ってくるかもしれないが。遠い過去の写真の記憶に触れるための私の理想的な方法は Apple TV のスクリーンセーバが表示する写真によるものだが、これもまた思うようにうまく働いたためしがない。

Shortcuts: 頻繁 17% / 時々 35% / 全くない 48%

今回のオペレーティングシステムサイクルで Shortcuts が新登場したのは Mac のみだったが、このアンケート項目ではすべてのプラットフォームで考えるようにとお願いした。結局のところ Shortcuts は理論的にクロスプラットフォームのものであり、どちらかと言えば Mac でショートカットを作成したり編集したりする方が iOS や iPadOS でするより簡単なはずだ。おそらくそのこともあって、今回のアンケートで Shortcuts は好成績を残した。個人的に、私は Shortcuts にかなり失望している。自動化したいと思うアプリが対応していないことが多いからだ。なので私は Mac 上で自動化の必要があればたいてい Keyboard Maestro を使っている。でももし Keyboard Maestro を持っていなかったならば、もっと真剣に Shortcuts に取り組んで、その難点を見極め回避策を見出して使いこなそうとすることだろう。

Live Text: 頻繁 18% / 時々 42% / 全くない 40%

今回のアンケートで最も傑出した機能は明らかに Live Text で、Never (全くない) が Occasionally (時々) を下回った唯一の項目となった。Live Text が大好きな人たちは多く、TidBITS Talk にもこの機能をシステム全般に亘る翻訳と組み合わせて使えば特に便利だというコメントが多く寄せられた。写真を撮影して、そこからテキストを選択して、翻訳機能を呼び出すのだ。(ただし、そういう使い方をする場合には Google Translate も試してみるとよい。こちらはカメラのファインダーに見えたテキストを即座に翻訳できる。) いずれにしても、画像の中のテキストを単なるピクセルとしてでなくテキストとして扱える Live Text が、大いに役に立つ機能であることに疑いの余地はない。(2021 年 10 月 4 日の記事“iOS 15 と iPadOS 15、Live Text でどんなテキストでもデジタイズする”参照。) まだ使ったことがない人は、ぜひ使ってみよう。

やれやれ、結構大量のデータだった! それでもこのアンケート結果には気付かされるところが多くあった。これからは、どの機能を詳しく知りたいと思う人が多いのか、注意深く考えつつ注目していたいと思っている。Apple は革新の手を止めないだろうし、この会社が発明するもののすべてをあなたが使わなければならない決まりなどないけれども、将来あなたの生活をより豊かにできるかもしれないものに気付けるよう、気を配っておくべきなのは確かだろう。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Cardhop 2.1

Cardhop 2.1

Flexibits が Cardhop 2.1 をリリースして、この連絡先マネージャに改良とバグ修正を施した。今回のアップデートでは Cardhop のあらゆるアクションからタスクやイベントを Fantastical の中に作成できる機能を追加し、チャットや会議を開始する Microsoft Teams アクションを追加し、住所ラベルの複数個のコピーを印刷するオプションを導入し、ソーシャルメディアの URL から取り出したユーザー名の処理を改良し、コピーアクションを使う際のコンテンツ表示を拡張し、ニックネームの設定が機能しないことがあった問題を解消し、電話番号でデフォルトの国番号が常に尊重されるようにし、名前の表示順が Last, First になっている場合に mail アクションに起こった問題に対処した。(Flexibits からも Mac App Store からも購読年額 $39.96、無料アップデート、33.9 MB、リリースノート、macOS 10.13.2+)

Cardhop 2.1 の使用体験を話し合おう

MarsEdit 4.6

MarsEdit 4.6

Red Sweater Software が MarsEdit 4.6 をリリースして、Share Extension をアップデートすることで他のアプリの Share メニューから画像を開く機能に対応した。今回のリリースではまた、新しい Color Scheme 環境設定を追加して Dark、Light、System のアピアランスを選択できるようにし、macOS の将来のアップデートにおけるカラー設定表示のアピアランスを改良し、記事に HTML エンティティが含まれている場合に文字数カウントが正しくないことがあったバグを修正し、Media Manager が選択したブログが意図せず変更されてしまった問題を修正し、Micro.blog 出版に拡張 2 件を施している。(Red Sweater Software からも Mac App Store からも新規購入 $49.95、22.1 MB、 リリースノート、macOS 10.12+)

MarsEdit 4.6 の使用体験を話し合おう

Evernote 10.42

Evernote 10.42

Evernote が社名と同じ名前の Mac 用情報管理アプリのバージョン 10.42 をリリースして、いくつか改良を加えた。今回のアップデートでは題名フィールドをクリックすることで新規ノートの題名にノート本文の最初の一行を自動記入するようにし、タグメニューからタグを直接ノートの中へドラッグできるようにし、Preferences ファイルを Settings に改名し、複数個のノートを管理する際に必要に応じて進捗バーを表示するようにし、CPU 使用量が多いという報告が時折出ていた問題を修正し、テンプレートライブラリをロードしたりテンプレートを保存したりする際のいくつかのバグを解消した。(Evernote からも Mac App Store からも無料、222 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

Evernote 10.42 の使用体験を話し合おう

SpamSieve 2.9.50

SpamSieve 2.9.50

C-Command Software が SpamSieve 2.9.50 をリリースして、macOS 12.5 Monterey に関係するバグを修正するとともにこのスパムフィルタリングユーティリティの精度を上げた。今回のアップデートでは Mail の起動直後に届いた電子メールを誤って Junk メールボックスに動かしてしまった macOS 12.5 の問題を解消し、SpamSieve が Apple Mail のルールを遅い起動の結果無効化してしまった macOS 12.5 のもう一つの問題を解消し、macOS 13 Ventura の Mail で Message メニューをセットアップする際に起こる可能性があった問題を予防するための変更を加え、また壊れたルールファイルの処理に改良を加えた。(新規購入 $30、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、21.2 MB、リリースノート、macOS 10.9+)

SpamSieve 2.9.50 の使用体験を話し合おう

Nitro PDF Pro and PDF Pro Essentials 13.3

Nitro PDF Pro と PDF Pro Essentials 13.3

Nitro がバージョン 13.3 の PDF 編集アプリ Nitro PDF ProNitro PDF Pro Essentials (旧名 PDFpenPro と PDFpen、2022 年 7 月 12 日の記事“Nitro が Smile から PDFpen を買収”参照) をリリースして、macOS 12 Monterey の Shortcuts への対応を追加した。今回のリリースではまた、PDF テキストに透明なハイライトを追加できるようにし (色が滲んだり重なり合ったりするのを防ぐため)、Edit メニューに OCR Pages/Documents のフルオプションを備えた。(新規購入 $179.99/$129.99、Nitro ライセンスがあれば無料アップデート、Setapp で利用可、259/212 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

Nitro PDF Pro と PDF Pro Essentials 13.3 の使用体験を話し合おう

Tinderbox 9.3

Tinderbox 9.3

Eastgate Systems が Tinderbox 9.3 をリリースして、このノート取りアシスタントに改良とバグ修正を施した。今回のリリースではさまざまのアクションやアトリビュートを更新し (例えば Date の計算が秒数を切り捨てないようにし)、Document Settings ウィンドウタイトルが Unicode 文字を正しく扱えるようにし、プレビュー枠を更新して Tinderbox テキストリンクに対応するリンクをクリックした際にそれを正しく捕捉して正しいノートを選択するようにし、アクションがその書類の root ノートの兄弟ノートを数え上げようとすると起こったクラッシュを解消し、また複数個のノートからテキストを表示している際に最後のノートの名前が欠けていたバグを修正した。(新規購入 $249、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、47 MB、リリースノート、 macOS 10.13+)

Tinderbox 9.3 の使用体験を話し合おう