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#1624: 重要な OS セキュリティアップデート、QuickTake 150 写真を救出、旅行中の AirTag 警告

先週、Apple は iOS 15.6.1、iPadOS 15.6.1、macOS 12.5.1 をリリースして、2 件の深刻なセキュリティの問題に対処した。早くアップデートしておこう。Apple が 1994 年に出した QuickTake 100 は初めてのコンシューマ向けデジタルカメラであったが、ライブラリにそのまま残っていた QuickTake 写真を Photos で開こうとするとクラッシュしてしまう。Adam Engst が、現行バージョンの GraphicConverter を使って QuickTake 写真を現代の Mac で使える形に変換した体験を語る。それから、この夏 AirTags のお陰で荷物の紛失の窮地から救われたという数多くの話を念頭に、旅行中に煩わしいアラートが出ないようにするため Find My を調整する方法を Glenn Fleishman が解説する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Safari 15.6.1 と Lightroom Classic 11.5 だ。

Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

iOS 15.6.1, iPadOS 15.6.1, macOS 12.5.1 Monterey 重大なセキュリティ脆弱性に対応

一対のセキュリティ脆弱性懸念に対応して、Apple は3つのアップデートをリリースした:iOS 15.6.1, iPadOS 15.6.1, そして macOS 12.5.1 Monterey である。脆弱性の一つはカーネルレベルで、もう一つは WebKit に関連している。他の変更は言及されていない。

macOS 12.5.1 release notes

脆弱性の重要さに鑑み - どちらも任意コード実行を許し、1つはカーネル特権を持つ - そしてどちらも実際に悪意の攻撃に利用されている事実があるので、我々は可及的速やかにアップデートする事をお勧めする。何時もの様に、iOS や iPadOS アップデートをインストールするには Settings > General Software Update に行く;macOS アップデートは System Preferences > Software Update からインストールする。

Apple はまた watchOS 8.7.1 を Apple Watch Series 3 に対してリリースしたが、後で分かったことだが、理由はセキュリティ問題では無く、無作為の再起動の原因となるバグの修正であった。Watch アプリの General > Software Update からダウンロード出来る。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

GraphicConverter 11、大昔の QuickTake 150 写真を救う

Apple は今では iPhone のカメラで有名であるが、最初の Apple カメラは 1994 年にリリースされた QuickTake 100 である。それは初めてのデジタルカメラでは無かったが、Time 誌はそれを "最初の消費者デジタルカメラ" と呼んだ。それとその後継機、QuickTake 150 とかなり趣の異なる QuickTake 200、についてのビデオが、最近私の入っている私的なメーリングリストで話題になった。

私は 1995 年半ばから数年間 QuickTake 150 を使ったが、それは目を見張らせるものであった ("デジタルカメラのあるライフスタイル" 2 October 1995 参照)。写真は小さく - 640 x 480 ピクセル - そして品質もかなり貧弱だったが、フィルムを浪費したり現像を待ったりする心配から解放された自由さは人生を変えてしまうものであった。私は QuickTake 150 を自前では買わなかったであろうが - 新品で $700 もした - 私は Apple の Internet 戦略についてホワイトペーパーを書いたことがあったので、私の担当者に内部取引価格でハードウェアで払って欲しいと頼んだ。それは結構な額で、色々なギアを手にすることとなり、このカメラも含まれていた。

QuickTake 150
写真は Christopher W. from Flickr による;ライセンス CC BY-SA 2.0

私は QuickTake 150 写真を長いこと iPhoto とその後は Photos で保存してきたが、それ等は私のライブラリの一番最初の所にあり目にはつかないので、何年もの間それ等について考えたことも無かった。この QuickTake ビデオに触発されて、私はこれらの写真に何があるのか興味が出てきて、一番上の方迄スクロールして行ったが、画像のどれにもプレビューが無いことに気づき心配になってきた。更に悪いことに、私が一つの画像をフルサイズで見ようとダブルクリックしたり、或いは他の選択肢にはどんなものがあるか見るため Control-クリックしたりすると、Photos はクラッシュした。また、オリジナルを外に出せないかとも思ったが、画像を選択し File > Export を選ぶことも出来なかった。幸いにして、それ等全部を選択し Finder の中のフォルダにドラッグすることは出来た。私はまた、Photos Library パッケージの中で .pict 拡張子を検索することでそれ等を探せることも確認した。

エクスポートした後も、全ての写真は空の白いサムネールを持ち、そして Preview で開いても同じ様に空であった。メーリングリストでの論議が進む中 (他の人達からの QuickTake 写真の共有もある)、この様な写真にアクセスするには、クラシック Mac OS の古いバージョンにある QuickTake Image Access 機能拡張が必要なことを認識させられた。その様なシステムを SheepShaver を使って構築するのは不可能ではなかったが、私にはもっとマシな選択肢が有るのではと思えた。

私の思いは直ぐに GraphicConverter に向かった。それはグラフィックスプログラムの昔からの Swiss Army ナイフであり、私は持っている最新版である GraphicConverter 10 の中にそのフォルダをドロップした。ダメであった。ただ、アプリは GraphicConverter 11 にアップデート出来ると教えてくれたが、その様な大昔の画像フォーマットがバージョン 10 ではダメだがバージョン 11 ではサポートされるというのは私には想像出来なかった。

そこで私は Thorsten Lemke に一筆入れた。彼は GraphicConverter の背後にいる画像変換の達人で、"GraphicConverter で Mojave の本物の Dynamic Desktop を作る方法" (10 October 2018) を書く時一緒に手伝ってくれた。結果的には、私は宿題をもっと念入りにやるべきだったことが分かった。Thorsten は数枚の画像を検討用に求め、そして、それ等の QuickTake 150 画像は GraphicConverter 11 で開けそして変換出来ることを優しく指摘してくれた。更に、彼はそのやり方を私に教える簡単な指導ビデオまで作ってくれた。赤面の至りだが、何たる顧客サービス!

GraphicConverter 11 を使って彼の手順を踏むと、私の画像を JPEG に変換するのは何の問題も無かった。そして、これらの画像を - そしてその中のずっと若いころの人々を - 再び見るのは素晴らしい。ここに挙げたのは、私と Tonya で、Seattle の Archie McPhee ストアでトルコ帽をかぶっている。もう一枚は 1995 頃の Renton, Washington での最初の家で、私のオフィスは Mac で満ち溢れている。

QuickTake 150 photos of Adam Engst, Tonya Engst, and Adam's office, circa 1995

と言う訳で、Thorsten と GraphicConverter のお陰で、そしてもし皆さんも QuickTake 150 画像が今でもその辺にあるというのであれば、忘れないうちにそれ等を変換することをお勧めする。

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Glenn Fleishman  訳: Mark Nagata   

旅行中の追跡用に Find My を調整して AirTag や Apple 機器の煩わしい警告をなくす

Apple の AirTag は、低電力かつ短距離の Bluetooth ネットワーキング信号を通じてあなたの持ち物をコンパクトかつ安価に追跡するためのものだ。荷物の紛失が頻繁に起こる夏の期間、スーツケースやその他、旅行中に預け入れる鞄に入れておけば理想的だ。

そうすることで、たとえ航空会社から鞄を紛失して所在についての最新情報も分からないと言われても (あるいは情報提供を拒否されても) 鞄の行方を追跡できる! 現に多くの旅行者たちから、何千個もの鞄で溢れた手荷物受取所で自分の鞄を見つけることができたとか、配達されるはずだった鞄が誰かに盗まれたことが分かったとか、間違った住所に配達された鞄を見つけたとか、あるいは空港の係員に盗まれた疑いのあった鞄を 警察が見つける役に立ったとかいう報告が届いている。ある人に至っては“紛失”の疑いのあった鞄を追跡して、それが自宅に届いていたことを見つけ出した。航空会社が、結婚式に出席するために向かっていたスコットランドのグラスゴーでなく、カリフォルニア州にある彼らの自宅に配達してしまったのだった。特別製のキルトで飾られて結婚式場に届くはずだったのに。

あと 2 か月ほどすれば私は飛行機旅行をする予定だが、その際には必ず私の鞄に AirTag を入れておくつもりだ。3 年ぶりの旅行で、AirTag がリリースされて以来初めての旅行だ。でも、AirTag が苛立ちの種になり得ることも承知していて、それをできるだけ和らげるようにしたいと思っている。Adam と Tonya Engst 夫妻は最近カナダの Vancouver にいる彼らの息子を訪問して、鞄を預け入れなかったにもかかわらずいろいろ問題を経験した。彼らの問題のいくつかは AirTag でなく、所有者の手元から離れた際に同様の挙動をする他の Apple デバイスの問題であった。

Apple デバイスや AirTag、また ChipoloPebblebee の追跡機などサードパーティの Find My デバイスを通じて有効化される Find My ネットワークテクノロジーは、“正しい”けれど望まれない通知を引き起こすことがあり得る、3つの目的を持っている:

何かを特定の場所に置いたまま出かけたり、あるいはちゃんとした理由があって Find My 製品が近くにあったり一緒に動いていたりする場合には、上記の2番目と3番目でそれぞれの挙動を調整することもできる。

(この Find My エコシステム全体についてもっと詳しく知りたければ、どうぞ私の本 Take Control of Find My and AirTags をお読み頂きたい。)

手元から離れる場所を追加する

Apple は当初、デバイス中心に Find My 機能を構築した。アクティブなインターネットアクセスを持つ iPhone、iPad、Mac、Apple Watch はすべて、その居場所を追跡されることができる。この機能は非公式に Find My Device と呼ばれており、それらの Apple 機器が問題の“デバイス”だ。他方 Find My ネットワーク はその機能性を拡張して、暗号化された Bluetooth 通信を利用して近くにある他の人々の Apple ハードウェアでインターネット接続を持っているものを通じて中継することにより、あなたのデバイスにインターネット接続がなくても機能できる。AirTag も、それ以外の Find My 製品も、Find My におけるこのクラウドソースされた Bluetooth の側面のみに依存して働く。

その結果として、Find My ネットワークを利用すれば AirTag も Apple デバイスも、すべて追跡できる。Apple デバイスを追跡することと AirTag その他の Find My 製品を追跡することの唯一の大きな違いは、デバイスの位置情報はその Family Sharing グループに属するすべての人が自動的に共有できるのに対して、Find My 製品はその製品の所有者の iCloud にリンクされたデバイスにしか共有されないことだ。加えて、Find My 製品を一覧して管理するためには iOS、iPadOS、macOS のネイティブな Find My アプリを使わなければならない。

Find My アプリの中で、デバイスや製品が手元から離れたときに通知を受けるか否かのオプトイン・アウトを設定できる。この機能を有効にしている場合にはさらに詳しく、それが手元を離れても通知を受け取りたくない場所 (例えば自宅) の位置情報を追加することができる。

Adam は、彼と Tonya が Airbnb でレンタルした宿泊先を出る度に AirPods と MacBook Air が手元から離れたという不必要な通知を毎日受け取ったと言っていた。これは Find My の側としては正しい挙動であったけれども、実は Apple がその回避策を提供していて、彼は通知の対象外とする場所を追加しておくことができた。自宅以外にもこの通知対象外機能を使えることに、彼は思い至らなかったのだ。ほんの一時的な場所であっても好きなだけたくさんの位置情報を追加して何の問題もない。(Apple は Find My アプリの Devices 表示に AirPods やサポート対象の Beats ハードウェアも表示するが、これらは他の Find My トラッカーと同じくインターネットに接続できない。)

iOS/iPadOS や macOS の Find My アプリの中で Notify When Left Behind (手元から離れたときに通知) を有効にしたり詳細設定したりするには、次のようにする。プラットフォームが違っても違いはほとんどない:

  1. アプリの一番下 (iOS/iPadOS) または左上隅 (macOS) にある Items または Devices をタップまたはクリックする。
  2. 製品またはデバイスを何個でも選択する。
  3. Notify When Left Behind (手元から離れたときに通知) をタップ (iOS/iPadOS)、または地図上のデバイスに付随した i ボタンをクリックしてから Notify When Left Behind (手元から離れたときに通知) をクリック (macOS) する。
  4. もし既にオンになっていなければ Notify When Left Behind (手元から離れたときに通知) をオンにする。(Find My 製品とペアリングされたもの以外のすべてのデバイス上で、Find My アプリはどのデバイスがその製品に関する通知を受け取れるかを表示する。)
    Notify when left behind setting
  5. Notify Me, Except At (以下の場所以外では通知) と書かれている下に、Home 項目が表示されるはずだ。Apple は連絡先カードやその他のことを使って Home (自宅) の位置情報を判断する。New Location (新規位置情報) をタップまたはクリックして位置情報を追加できるし、Suggestions と書かれている下に表示された関連項目の右側の + アイコンを使ってそれを追加することもできる。
  6. 位置情報または住所を入力する。
  7. 地図上に、ピンを中心に半径およそ 100 メートルの円が表示される。ドラッグしてもっと大きな円にすることもできるし、下に見える Medium や Large をタップまたはクリックして除外領域を拡大することもできる。大学のキャンパスで建物から建物へと動き回るような場合には領域を広くしておくのがよい。
  8. Done をタップまたはクリックする。
  9. すると Find My は除外をすべての製品やデバイスに適用するか、それとも現在の製品のみに適用するかと尋ねる。適切だと思う方をタップまたはクリックする。

後になって位置情報を削除したいと思えば、赤い - アイコンをタップまたはクリックしてから削除の確認をする。Home 位置情報を削除できるのは、その Find My 製品がペアリングされている iPhone または iPad からのみだ。

また、Adam は Find My が高速道路のパーキングエリアから出ようとするタイミングで何度か MacBook Air が手元から離れようとしていると警告してきたとも言っていた。その MacBook Air はずっと車の中にあったというのに。おそらくこれは、最後に認識された位置情報が誰か他の人の iPhone に中継されて、それがパーキングエリアで更新されたからなのだろう。車は既に走り去っているのに、Find My システムは彼の iPhone をチェックするより前にパーキングエリアにいる人の iPhone の位置情報を基に問題を報告してしまったのだ。

AirTag が“あなたと一緒に動いている”通知を一時停止する

あなたの知らないうちに誰かが AirTag をあなたの持ち物の中や自動車に仕込むことを防ぐために、Apple はその製品とペアリングされたデバイスが近くにないにもかかわらずその製品の Find My 位置情報を中継している、その近くにある iPhone や iPad すべてに警告を送る。

例えば、私の妻は賢明にも追跡テクノロジーを信用していないけれども、最近自分の iPhone とペアリングした AirTag が欲しいと私に頼んで、主に彼女が運転している自動車の中に置きたいと言い出した。そのような AirTag 追跡が彼女自身の iPhone からしかできない点を重視して、これなら駐車場などで車を見つけるのに役立つと思ったからだ。(私たちは二人ともシアトル市内のあまりにも多くの決まった場所に普段から駐車していて、自分の車を見つけるのに苦労することがよくある。車はとても古いので、iPhone の Maps アプリが駐車した位置を記録しても役に立たないのだ。)

けれども、彼女が AirTag を使い始めると、私も長男もちょっとした問題に遭遇するようになった。私も長男も時々この車を使うのだが、その度に自分の iPhone に AirTag Detected Near You (AirTag があなたと一緒に動いている) という警告が出るようになったのだ。それは良いことだ! 確かにそのように設計されているのだから。(他の Find My 製品、例えば AirPods、対応する Beats ヘッドフォンやイヤーバッド、あるいはサードパーティ製のトラッカー、例えば自転車用の VanMoof や財布サイズの Pebblebee カードなどでも同様の警告が出るだろう。)

この種の警告は、自宅からずっと離れたところにいて、一緒に旅行している人たちが常に一緒にいる訳ではないような場合、なおさら苛立ちを招くことだろう。鞄、鍵束、あるいは他のどんな機器でも、それにペアリングされた iPhone が近くにないようなものは、必ず“あなたと一緒に動いている”警告を出してしまうのだから!

この警告はその Find My 製品の持ち主が Bluetooth をオフにしていても出る。その人が Bluetooth スイッチをオフにしているかもしれないし、iPhone の電源を切っているかもしれないし、Airplane モードをオンにして Bluetooth を無効化しているかもしれない。そんな場合にも、その AirTag などの製品がそれとペアリングされたデバイスと通信できなければ、Apple エコシステムはそれが所有者から“離れて”いると判断して“あなたと一緒に動いている”の警告を出すことになる。TidBITS Talk に Jeremy Roussak がこれに関する体験を投稿して、グループで旅行していた際に誰かの AirTag からの警告を受け続けていたが、結局その持ち主が Bluetooth をオフにしていたのが原因だと分かったと語ってくれた。

しかしながら Apple はここでも回避策を提供していて、自宅でも他の場所にいても使えるようにしている。Pause Safety Alerts のところで Pause for Today をタップすれば、翌日の朝まで新たな警告が出なくなる。Family Sharing グループの一員である場合には、Pause Indefinitely をタップできるオプションもあることになっている。けれども、私たちの場合はグループに属しているのにそのようなオプションは表示されなかった。他にも同じ経験をした人たちがいた。Pause Indefinitely が出る人と出ない人がいるけれども、なぜかは分からない。

AirTag detected with you

AirTag が手元から離れたときのビープ音をなくす

もう一つのストーキング防止メカニズムのせいで、旅先のホテルの部屋で夜中に叩き起こされることがある。AirTag あるいはサードパーティの Find My 製品が、それがペアリングされたデバイスからある時間離れた状態でいると大音量のビープ音を鳴らすのだ。そのある時間というのは 8 時間から 24 時間までの間でランダムに選ばれる。デバイスによって違うけれども、その音量は遮音していないと相当に大きなもので、食洗機の騒音程度からエアホーンのようなものまである。もちろん鞄やポケット、自動車その他の中で鳴れば音量が抑えられる。とにかく時間帯に関係なく、そのランダムなタイマーの気分次第で勝手に鳴る。(間隔がランダムなのは、ストーカーがそれと知って、例えば何時間おきかに近くに来ることで鳴らないようにするのを防ぐためだ。Apple は当初 24 時間間隔に固定していたが、ストーカーによる対策を挫くために間隔をランダム化した。)

悪辣な状況の下では、記事“AirTag 追跡をめぐる 13 通りの状況”(2021 年 5 月 15 日) に書いたものと似ているが、鞄か自動車の中に AirTag がこっそりと仕込まれて、それがランダムな間隔でビープ音を鳴らし始めてその存在に気付くということがあり得る。もしもそういう音に気付いて、誰の AirTag が鳴っているのかすぐには分からなければ、iPhone か iPad で Find My アプリを開いて、Items ボタンをタップし、Identify Found Item をタップして、何が表示されるかを見るとよい。

けれども、完全に正当な理由で警告が鳴ることもあり得る。例えば一緒に旅をしている人がそれを置いたままにして 8 時間以上戻らなかったような場合だ。これは旅行中に十分あり得る。あるいはまた、その所有者のペアリングしたデバイスで、さきほど述べたように、長時間にわたって Bluetooth がオフになっていたり電源が切れていたりしても同じことが起こり得る。

この問題を避けるために、旅行中に物を交換している相手との間で、AirTag やそれに似た追跡機についておしゃべりしておこう。追跡機を本人が持っていてくれればよいし、そうでなければバッテリーを外して無効化してもらうこともできるけれども、これは AirTag や Chipolo ONE Spot といった追跡機ならば可能だが他の多くのサードパーティ Find My 製品では不可能だ。(その人とその人の iPhone が近くにある状態で Identify Found Items を使っても、テストにならないことを知っておこう。この機能はペアリング相手のデバイスが近くにない Find My 製品しか扱わないからだ。) また、タグを使っている人が周囲の人に知らせずに Bluetooth をオフにしたり、Airplane モードの一環として Bluetooth を無効化したりしないようにしておこう!

私は今年の後半に数週間家を空けることにしている。その際には、自宅に残しておく AirTag や Apple デバイスをすべて無効化するかまたはペアリングを解除するかしておかないと、まずいことになる。それをしないと、私が帰宅した時に家族は私の帰宅よりも、むしろ私の AirTag にペアリングした iPhone の帰宅の方を歓迎することになりかねない。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Lightroom Classic 11.5

Lightroom Classic 11.5

Adobe が Lightroom Classic 11.5 をリリースして、いくつかの新機能と拡張をこのデスクトップ中心の写真カタログ・編集アプリケーションに追加した。今回のアップデートではライブラリフィルターに左側の列を追加するとともに、macOS のアクセス権要件をうまく処理するための手順を用意した。興味深いのは非常に多数のバグ修正があることで、DNG プレビューやサムネイルがピンクがかった問題、ビデオファイルを開く際のクラッシュ、Library プレビューが更新されない問題、読み込みでファイルの重複が起こる問題、書き出した写真の中で不透明度 100% 未満のウォーターマークがグレイになってしまう問題、書き出した写真に Simple Watermark が表示されない問題、書き出しの際に private location フラグが無視される問題、Mac 上で HEIC ファイルの読み込みに失敗する問題その他に対処が施された。(月額 $9.99/$19.99/$52.99 の Creative Cloud 購読、購読者には無料アップデート、リリースノート、macOS 10.15+)

Lightroom Classic 11.5 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

Apple、M1 搭載 MacBook を Self Service 修理対象に追加

Apple の Self Service Repair プログラムは米国において iPhone 12 モデルを対象に開始されたが (2022 年 4 月 28 日の記事“Apple、Self Service Repair プログラムを米国で開始”参照)、今回それが M1 搭載の MacBook Air および MacBook Pro モデルに拡張された。2022 年 8 月 23 日から、米国在住の顧客はディスプレイの修理、電池の交換、トラックパッドの修理、その他の種類の一般的な修理をするための部品とツールを Apple の Self Service Repair ストアに注文することができる。(前にも書いたように、見た目はノーブランドのデザインだけれども、これは正真正銘 Apple のウェブサイトだ。) 料金 $49 を支払えば、Apple が修理を実施する際に使うものと同じ正規のツールを含んだツールキットを借りることができる。

この Self Service Repair Program が旧型の MacBook Air や MacBook Pro ユニットを対象としていないのは残念なことだ。そちらの方が、M1 ベースのモデルよりも修理が必要になる可能性が高いのだから。Apple は今年中にこのプログラムをさらなる Mac モデルへ、また米国以外の国へも (まずヨーロッパを手始めに) 拡大する予定だと述べている。この 9 月に iPhone 14 が出荷されたなら、きっと Apple は iPhone 13 モデルもこのプログラムに追加することだろう。

実際問題として皆さんがこの Self Service Repair プログラムを使って自分で自分のデバイスを修理することをお勧めするのは難しい。現実に利点となるのは、デバイスが自分の手から離れる期間が短くなることくらいだろう。レンタルのツールを使えば、かかる費用は (iPhone の場合) Apple に修理を依頼する場合と同等か、むしろ高くなるかもしれない。Mac の修理でも事情はそう変わらないだろうと思う。

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