Apple はまた watchOS 8.7.1 を Apple Watch Series 3 に対してリリースしたが、後で分かったことだが、理由はセキュリティ問題では無く、無作為の再起動の原因となるバグの修正であった。Watch アプリの General > Software Update からダウンロード出来る。
Apple は当初、デバイス中心に Find My 機能を構築した。アクティブなインターネットアクセスを持つ iPhone、iPad、Mac、Apple Watch はすべて、その居場所を追跡されることができる。この機能は非公式に Find My Device と呼ばれており、それらの Apple 機器が問題の“デバイス”だ。他方 Find My ネットワーク はその機能性を拡張して、暗号化された Bluetooth 通信を利用して近くにある他の人々の Apple ハードウェアでインターネット接続を持っているものを通じて中継することにより、あなたのデバイスにインターネット接続がなくても機能できる。AirTag も、それ以外の Find My 製品も、Find My におけるこのクラウドソースされた Bluetooth の側面のみに依存して働く。
その結果として、Find My ネットワークを利用すれば AirTag も Apple デバイスも、すべて追跡できる。Apple デバイスを追跡することと AirTag その他の Find My 製品を追跡することの唯一の大きな違いは、デバイスの位置情報はその Family Sharing グループに属するすべての人が自動的に共有できるのに対して、Find My 製品はその製品の所有者の iCloud にリンクされたデバイスにしか共有されないことだ。加えて、Find My 製品を一覧して管理するためには iOS、iPadOS、macOS のネイティブな Find My アプリを使わなければならない。
Find My アプリの中で、デバイスや製品が手元から離れたときに通知を受けるか否かのオプトイン・アウトを設定できる。この機能を有効にしている場合にはさらに詳しく、それが手元を離れても通知を受け取りたくない場所 (例えば自宅) の位置情報を追加することができる。
Adam は、彼と Tonya が Airbnb でレンタルした宿泊先を出る度に AirPods と MacBook Air が手元から離れたという不必要な通知を毎日受け取ったと言っていた。これは Find My の側としては正しい挙動であったけれども、実は Apple がその回避策を提供していて、彼は通知の対象外とする場所を追加しておくことができた。自宅以外にもこの通知対象外機能を使えることに、彼は思い至らなかったのだ。ほんの一時的な場所であっても好きなだけたくさんの位置情報を追加して何の問題もない。(Apple は Find My アプリの Devices 表示に AirPods やサポート対象の Beats ハードウェアも表示するが、これらは他の Find My トラッカーと同じくインターネットに接続できない。)
iOS/iPadOS や macOS の Find My アプリの中で Notify When Left Behind (手元から離れたときに通知) を有効にしたり詳細設定したりするには、次のようにする。プラットフォームが違っても違いはほとんどない:
また、Adam は Find My が高速道路のパーキングエリアから出ようとするタイミングで何度か MacBook Air が手元から離れようとしていると警告してきたとも言っていた。その MacBook Air はずっと車の中にあったというのに。おそらくこれは、最後に認識された位置情報が誰か他の人の iPhone に中継されて、それがパーキングエリアで更新されたからなのだろう。車は既に走り去っているのに、Find My システムは彼の iPhone をチェックするより前にパーキングエリアにいる人の iPhone の位置情報を基に問題を報告してしまったのだ。
この警告はその Find My 製品の持ち主が Bluetooth をオフにしていても出る。その人が Bluetooth スイッチをオフにしているかもしれないし、iPhone の電源を切っているかもしれないし、Airplane モードをオンにして Bluetooth を無効化しているかもしれない。そんな場合にも、その AirTag などの製品がそれとペアリングされたデバイスと通信できなければ、Apple エコシステムはそれが所有者から“離れて”いると判断して“あなたと一緒に動いている”の警告を出すことになる。TidBITS Talk に Jeremy Roussak がこれに関する体験を投稿して、グループで旅行していた際に誰かの AirTag からの警告を受け続けていたが、結局その持ち主が Bluetooth をオフにしていたのが原因だと分かったと語ってくれた。
しかしながら Apple はここでも回避策を提供していて、自宅でも他の場所にいても使えるようにしている。Pause Safety Alerts のところで Pause for Today をタップすれば、翌日の朝まで新たな警告が出なくなる。Family Sharing グループの一員である場合には、Pause Indefinitely をタップできるオプションもあることになっている。けれども、私たちの場合はグループに属しているのにそのようなオプションは表示されなかった。他にも同じ経験をした人たちがいた。Pause Indefinitely が出る人と出ない人がいるけれども、なぜかは分からない。
けれども、完全に正当な理由で警告が鳴ることもあり得る。例えば一緒に旅をしている人がそれを置いたままにして 8 時間以上戻らなかったような場合だ。これは旅行中に十分あり得る。あるいはまた、その所有者のペアリングしたデバイスで、さきほど述べたように、長時間にわたって Bluetooth がオフになっていたり電源が切れていたりしても同じことが起こり得る。
この問題を避けるために、旅行中に物を交換している相手との間で、AirTag やそれに似た追跡機についておしゃべりしておこう。追跡機を本人が持っていてくれればよいし、そうでなければバッテリーを外して無効化してもらうこともできるけれども、これは AirTag や Chipolo ONE Spot といった追跡機ならば可能だが他の多くのサードパーティ Find My 製品では不可能だ。(その人とその人の iPhone が近くにある状態で Identify Found Items を使っても、テストにならないことを知っておこう。この機能はペアリング相手のデバイスが近くにない Find My 製品しか扱わないからだ。) また、タグを使っている人が周囲の人に知らせずに Bluetooth をオフにしたり、Airplane モードの一環として Bluetooth を無効化したりしないようにしておこう!
私は今年の後半に数週間家を空けることにしている。その際には、自宅に残しておく AirTag や Apple デバイスをすべて無効化するかまたはペアリングを解除するかしておかないと、まずいことになる。それをしないと、私が帰宅した時に家族は私の帰宅よりも、むしろ私の AirTag にペアリングした iPhone の帰宅の方を歓迎することになりかねない。
Apple の Self Service Repair プログラムは米国において iPhone 12 モデルを対象に開始されたが (2022 年 4 月 28 日の記事“Apple、Self Service Repair プログラムを米国で開始”参照)、今回それが M1 搭載の MacBook Air および MacBook Pro モデルに拡張された。2022 年 8 月 23 日から、米国在住の顧客はディスプレイの修理、電池の交換、トラックパッドの修理、その他の種類の一般的な修理をするための部品とツールを Apple の Self Service Repair ストアに注文することができる。(前にも書いたように、見た目はノーブランドのデザインだけれども、これは正真正銘 Apple のウェブサイトだ。) 料金 $49 を支払えば、Apple が修理を実施する際に使うものと同じ正規のツールを含んだツールキットを借りることができる。
この Self Service Repair Program が旧型の MacBook Air や MacBook Pro ユニットを対象としていないのは残念なことだ。そちらの方が、M1 ベースのモデルよりも修理が必要になる可能性が高いのだから。Apple は今年中にこのプログラムをさらなる Mac モデルへ、また米国以外の国へも (まずヨーロッパを手始めに) 拡大する予定だと述べている。この 9 月に iPhone 14 が出荷されたなら、きっと Apple は iPhone 13 モデルもこのプログラムに追加することだろう。
実際問題として皆さんがこの Self Service Repair プログラムを使って自分で自分のデバイスを修理することをお勧めするのは難しい。現実に利点となるのは、デバイスが自分の手から離れる期間が短くなることくらいだろう。レンタルのツールを使えば、かかる費用は (iPhone の場合) Apple に修理を依頼する場合と同等か、むしろ高くなるかもしれない。Mac の修理でも事情はそう変わらないだろうと思う。