最近 iOS 15 と iPadOS 15 に施したセキュリティ中心のアップデートに続き、Apple は iOS 12.5.6 をリリースして、それと同じ深刻な WebKit 脆弱性を旧型のデバイスでも修正した。iOS 12 以降にアップグレードできない iPhone、iPad、または iPod touch をまだ使っている人は、直ちにアップデートしよう。AirTag の電池を交換しなければならない人のために、Josh Centers が Duracell 製の電池では苦い経験をすることになるかもしれない理由を説明する。Apple 世界の外にあるテクノロジーの話だが、Josh は息子のために最近 Kindle Kids 電子ブックリーダーを購入して、そのソフトウェアでは子供たちが読む本に対して親が十分にコントロールできないことに気付いた。今週注目すべき Mac アプリのリリースは ChronoSync 10.3 と ChronoAgent 2.2、Fantastical 3.6.10、Nisus Writer Pro 3.3 と Nisus Writer Express 4.3、Bookends 14.1.2、それに Paprika 3.7.1 だ。
Apple は iOS 12.5.6 をリリースした。これは従前の機器に対する小さいが重要なセキュリティアップデートで、重大な WebKit 脆弱性を修正していて、iOS 15.6.1 でも対応されている ("iOS 15.6.1, iPadOS 15.6.1, macOS 12.5.1 Monterey 重大なセキュリティ脆弱性に対応 " 17 August 2022 参照)。このアップデートは Settings > General > Software Update からインストール出来る。この脆弱性は実際に攻撃対象として悪用されているので、もし以下の機器の何れかを使っているのであれば、直ちにアップデートするようお勧めする:
iPhone 5s
iPhone 6
iPhone 6 Plus
iPad Air (第一世代)
iPad mini 2
iPad mini 3
iPod touch (第六世代)
Apple によると、iOS 12 は iOS 15.6.1 で修正されたカーネル脆弱性には影響を受けないと言う。
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Apple は最初の製品となる AirTag を昨年の4月にリリースした ("Apple の AirTag、鍵探しの手助けを約束 " 20 April 2021 参照)、そしてその電池寿命は1年間なので、AirTag の電池をもう既に取り替えていないとすると、間もなくそうする時が来るはずである。AirTag 電池がどれ位残っているかを調べる事は出来ないが、あなたの iPhone は電池残量が少なくなると警告を発し、そして Find My アプリにその状態を表示する。
Apple 機器には珍しく、電池交換は簡単に出来る:
AirTag をひっくり返し、光るメタルカバーの面を上に向ける。
カバーを押して (私は親指を使う) そしてそれを反時計回りに回しネジを緩める。
カバーを取り外す。
電池を取り出す。
新しい CR2032 電池をプラス面を上にして入れる。(こちらの面は平らで + と刻印されている。)
カバーをのせ時計回りに回して元に戻す。
最後の手順:iPhone 上で Find My アプリを開いて Items タブに行き、そしてそれがフルに充電された AirTag 電池を検出していることを確認する。この確認は鍵である。と言うのも、正しく装着されている事と互換性がある事を確認しておきたいからである。電池がフル充電で正常に動作していれば、充電レベルを見ることはない。では、では、なぜ Find My は下記のスクリーンショットで電池は弱いと表示しているのであろうか?
最近妻の AirTag 電池を交換した時、私はこの電池残量表示を見逃してしまった。それは過ちであった。我々は、数日後彼女が鍵をなくしてしまう迄その問題に気付かなかったが、要は AirTag が働いていなかったのである。何が間違っていたのか挙げてみる。
AirTag 電池を買う時には気をつけて
AirTag は標準の CR2032 電池を使うが、CR2032 電池の中には AirTag で働かない物もある。Apple の説明書きによると :
苦味剤がコーティングしてある CR2032 電池は、コーティングと電池端子との位置関係によっては、AirTag やその他の電池式製品では使えない場合があります。
これらの小さな電池には窒息の危険性があるので、多くの会社がそれ等を小さな子供から遠ざけておくように警告している。少なくとも Duracell はもう一歩進んで、電池を苦味剤で覆っている。その味はどうしようもなくひどく、万が一小さな子供が口にしても直ぐに吐き出すであろう。その考えは素晴らしいが、この苦味剤は電気接続の邪魔となることもある。それは何も AirTag に限ったことではない;Garmin もまた Duracell の CR2032 苦味剤コーティング電池を使わないよう警告している 。
残念ながら、私はこのコーティング層を取り除く信頼性ある方法を知らない。電池を消毒用アルコールを使って綺麗に出来る と言う人もいる。私は綿棒と 91% のイソプロピルアルコールで試したが、何の効果も出せなかった。
電池を光にかざしてみれば、電池の陰極側の苦味剤コーティングの端を見ることが出来る。科学のために、私は電池の両側を舐めてみた - 陰極側は本当にひどい味でちょっとした身震いを覚える程であった。私はこの苦味剤を、アルコール、爪、そしてポケットナイフで積極的に責めてみたが、それを取り除くことは出来なかった。どうしようも無い場合であれば、細かいサンドペーパーでやってみるであろう。しかし、品物の供給が続く限り、その価値よりも問題の方が勝ってしまう。
最善の選択肢はコーティング無しの電池を買うことである。具体的には、Duracell の電池は避けることで、同社は今や 全てのボタン型電池にこのコーティングを施している 。Duracell の包装には辟易した子供の漫画でコーティングがされていることが表示されている。
他の電池製造会社はどうであろうか? 多くの記事がこの問題を "多くの会社" からの電池という表現で曖昧にしている。私の調べた限りでは、苦味剤で電池をコーティングしているのは Duracell 以外にはない。Energizer の安全ページ も Panasonic の電池安全に関わる記事 も苦味剤について述べていないし、Adam が持っている Sony や Toshiba の包装にも苦味剤コーティングの気配は全く無い。その理由は、その製造方法に関わる 2020 年の特許を Duracell が持っている からかもしれない。その特許の中では、自社が一歩先んじていることを示そうとしているのかもしれないが、今は期限切れとなっている 1991 年の UK 特許を引用していて 、その特許は Ever Ready, Ltd. (現在は Energizer Holdings の一部) によって保有されている。
AirTag を生き返らせるために電池を買う場合には、包装をしっかり見てこのコーティングがされていない事を確認し、そして入れ替えた後には、Find My アプリを使ってそれが働いていることを確認して欲しい。
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Amazon の Kindle Paperwhite は、Apple 以外の機器の中で私のお気に入りと言えるかもしれない。多くの電子機器に比べて長持ちするし (私は 2013 年に TidBITS で仕事を始めた頃に買ったものを今もまだ使い続けている)、バッテリーは永遠に保つし、読みたい電子ブックを何でも電子メールまたは USB でサイドロードできる。実際のところ、年月とともにますます良くなっていて、PDF 対応が大幅に改善されたし、素晴らしい“ページめくり”機能 (2016 年 6 月 28 日の記事“Amazon Introduces Page Flip for Kindle ”参照) もある。その上 Amazon は EPUB 対応 まで展開しつつある。
だからこそ、長男の 9 歳の誕生日のプレゼントとして Kindle Kids 電子ブックリーダーが最適だろうと私は思った。Harris は最近読書に興味を持ち始めたので、母親の iPad を毎回借りるよりも自分の Kindle があれば大喜びするだろうと思ったのだ。その上私は親として、Minecraft やら YouTube やらその他時間を浪費する何やかやが付かない電子機器を与えられるというところにワクワクした。
でも、Kindle Kids を選んだのは大きな間違いであった。皆さんも、子供や孫のためにこの製品を買うことだけは止めた方がよい。それがなぜなのかを以下で説明させて頂きたい。
Kindle をどうすれば Kindle Kids になるか
ハードウェア的には、 Kindle Kids に何も特別なところはない。これは単なる標準の Kindle だが、磁気カバーがバンドルされていて、カバーを閉じると Kindle がスリープする。カバーの色はブルー、ピンク、"rainbow birds"、"space station" から選べるが、これが良いのか悪いのかは性別に基づく役割に対するその人の考え方に応じて変わることだろう。
Kindle Kids のモデルの大多数は売り切れとなっていて、私の想像だが Amazon はこの基本モデルを廃止の方向へと促しつつ、より高価な Kindle Paperwhite Kids で置き換えようとしているのではないかと思える。こちらのモデルにはもっと性的に中立な色のカバーが付いていて、ブラック、"emerald forest"、"robot dreams" という取り合わせだ。(後で述べるように、この Kindle Paperwhite Kids も私はお奨めしない。問題はハードウェアに関するものではないからだ。)
2つのモデルの主たる違いは、Paperwhite の方が高解像度のスクリーンで目に優しく、耐水性能もあることくらいだ。双方とも何らかの種類の内部照明が付いていて暗い場所でも読むことができ、Bluetooth オーディオに対応しているので Audible オーディオブックも聴ける。
カバー以外で、これらの Kindle モデルには通常版の大人向け Kindle モデルとの違いが2点ある:
長い保証期間: 保証期間は 2 年間で、大人向けの Kindle の 1 年間より長い。Amazon はこれを“心配要らずの保証”として宣伝し「もしも壊れたら、返品して頂ければ、無料でお取り替え致します」と述べ、それはもしも 子供が 壊したならば Amazon が無料で交換するという意味だとしている。けれども細かな文字で書かれた文言 を読めば、保証対象は標準的な“通常の消費者使用の下での材料と細工の不良”のみに限られると書いてある。そうは言うものの、大体において Kindle はスクリーンの擦り傷以外にはダメージを受けにくく、スクリーンの傷はカバーによってかなり防がれるはずだ。
子供向けのコンテンツ: Amazon Kids+ の年間購読で、各年齢層に応じて Amazon がセレクトしたライブラリにアクセスでき、料金は最初の 1 年間が無料、それ以後は年額 $4.99 となる。苛だたしいことに、ライブラリにある本の完全なリストを見る方法はないし、このサービスが提供する本を検索することさえできない。定評ある本は古いものから新しいものまで、例えば Black Beauty、The Hobbit 、Harry Potter シリーズ、さらには妻 Hannah が“ガラクタ”と称する Minecraft、Star Wars、その他いろいろの大衆文化的シリーズものに関する本なども揃っている。(確かに The Hobbit や Harry Potter は今や映画を中心とした大衆文化に属しているけれども、これらはもともと本から スタート したのだ!)
Amazon Kids+ パッケージの一部分として、標準のインターフェイスを持った Kindle を Amazon Kids モードに切り替えることもできる。その設定を使えば、大人としてのあなたが Kindle Kids を あなたの Amazon アカウントに同期させて、あなたの子供のためにプロファイルをセットアップできる。すると Amazon Kids のインターフェイスが Kindle のホーム画面に取って代わり、あなたが読んでいる恋愛小説を子供たちが盗み読むことも、表紙に描かれた筋肉隆々の長髪男について子供たちに厄介な質問をされることもなくなる。そして Kindle Kids モードを脱すれば、デバイスはまた元に戻って他の Kindle と見栄えも動作も同じになり、あなたは安心して大人向けの本が読める。
表面上はすべてが意味を成しているけれども、実は Kindle Kids の仕上げにはあまりにも大きな問題があって、製品パッケージを台無しにしている。
込み入った手順
ライブラリから子供の Kindle に本を追加する作業が、私がこれまで目にしたあらゆるものの中で、最も受動攻撃的にユーザーに敵対的なインターフェイスの一つだと言える。Kindle の中から直接に、次の手順で本の追加ができる:
右上隅にある 3 つの点をタップする。
Exit Amazon Kids をタップする。
セットアップ時に作成した Parental Control PIN を入力する。
右上隅にある 3 つの点をもう一度タップする。
Settings をタップする。
Parental Controls > Amazon Kids へ行き、子供のプロファイルの隣にある鉛筆アイコンをタップする。(この画面から元に戻ることはできない。ここから Settings に戻る唯一の方法は、一旦 Settings を閉じて最初からやり直すことだ。とても遅い E Ink スクリーンでの作業だということをお忘れなく!)
Add Books をタップする。
デフォルトで Amazon が“子供向け”と見なす本だけを表示するので、あなたのライブラリ全体を見るためにはおそらく All をタップしなければならないだろう。
さてここからがお楽しみだ。理論上は単純な話で、追加したい本を選択してから Done をタップするだけだ。ページをめくっても心配は要らない。ライブラリの中をページをめくりつつ進んでも、あなたが選択したものは維持される。
問題が一つだけある。ライブラリ全体とは、私の場合 226 冊の本で、すべてがアルファベット順に並べられていて、並べ替えも検索もできない。ただページをめくり続けて探さなければならない。欲しい本を求めて、しっかりと目を配りつつめくり続けるのだ。また、ページをめくりつつ、意図しない本を誤って子供のライブラリに追加してしまうこともありがちだ。きっと私がどこかのページで誤ってタップしてしまい、The Sex Lives of Cannibals の Audible 版を 9 歳の息子に与えてしまったのだろう。その本を誤って追加してしまったことが分かれば、さきほどの Amazon Kids 設定画面にまた戻り、その本のチェックを外して Done をタップすることになる。
あるいはまた、Amazon ウェブサイトからする方法もあるが、こちらもやはりかなり面倒な手順を要する。Amazon ホームページから:
Accounts & Lists > Content & Devices をクリックする。
Books をクリックする。
どのページでも、好きなだけの数の転送したい本を選択する。
Add to Library をクリックする。
あなたの子供のライブラリを選択する。
Make Changes をクリックする。
このウェブインターフェイスがデバイス上のやり方より優れているのは、並べ替えの選択肢があることと、特定のタイトルを検索できることによる。ここでもやはり、ライブラリの中をページをめくりつつ進んでもあなたが選択したものは維持される。
私が Amazon のウェブインターフェイスで気に入らないのは (数え切れないほどあるオプションの中から欲しいものを見つけるのが困難なことを別にすれば) どの本を送り出そうとしているのかを見直す方法がないことだ。なので、2番目のページでクリックし間違えて、ライブラリの最後のページまで行き、本を何個選択したか忘れてしまったまま、Make Changes をクリックし、その結果 Danielle Steele の熱々のロマンス小説を知らずに子供の Kindle に送ってしまうことも簡単に起こり得る。ウェブサイトを使ってタイトルを削除する方法はいくつかあって、そのうちで最も簡単なのは上記の手順をそのまま辿り、Add to Library の代わりに Remove from Library をクリックするやり方だ。
誰がボスなのか?
私たちが Kindle Kids を買った目的は、息子 Harris の教科書をここにロードしておいて、毎日読ませることであった。大人向けの Kindle を使ってきた体験から、私は問題が起こるとは思っていなかった。Amazon Kids+ の購読は単に添え物のお楽しみのつもりで、Harris が自分で本を選んで自分で読めるようになるだろうと思っていた。たとえそれが“ガラクタ”の本であったとしても、読書が好きになってくれれば良いではないか。
ところが、すぐに次のことに気付いて愕然となった。大人向けの Kindle のインターフェイスではライブラリへのアクセスが一番上のところに大きなアイコンで示され、ライブラリ専用のタブまであるというのに、Amazon Kids のインターフェイスでは一番上に Amazon の購読タイトルの宣伝が並ぶ。デフォルトでは、私が追加した本は第2ページの中ほどに登場する。
左が私の Kindle ホーム画面だ。自分のライブラリにある本が一番上に大きなアイコンで並び、一番下に見える Library タブをタップすれば自分の本だけを一覧できる。右は Kindle Kids のインターフェイスで、私が追加した本は右側のスクロールバーでお分かりの通り第2ページの中ほどの Added For You というところに埋もれている。
また、第2ページへスクロールしようと思っても、うっかりタップし間違えると全然違う本を意図せず開いてしまうこともよくある。全体的に、このインターフェイスは私を不安な気持ちにさせる。Amazon は、私と妻が明確な意図を持って子供に読んで欲しいと Kindle に追加したものよりも、Amazon が読ませたいと思っているコンテンツを押し出すことの方を優先させているからだ。通常の Kindle インターフェイスにあるような Library タブは存在せず、タブは Home と Recent だけしかない。
ちょっとした回避策を私は発見した。私が Harris のライブラリに追加した本を手動で開くと、それまでは隠れていた Recent セクションが一番上に見えるようになる。けれども、通常版の Kindle インターフェイスと違って、本のアイコンは他のすべてのタイトルと同じ大きさで、Amazon が推奨する他の子供向け本の目を引くタイトルと競合しなければならない。
Amazon Kids+ の本のどれかが好ましくないと思っても、その本を隠すための明らかな方法はない。でも私はついにその技を発見した。Amazon のウェブサイトで Accounts & Lists > Content & Devices > Devices > Kindle > 子供の Kindle > Go to Parent Dashboard へ行く。それから歯車アイコンをクリックして、Kids+ Subscription Content をクリックし、懐中電灯を片手に地下室へ下りて (もはや階段はないので注意しよう)、"Beware of the Leopard" と書かれたドアを開いてもう使われていない実験室に入り、鍵の掛かった書類棚を開く。[訳者注: このあたりは 1980 年代にベストセラーとなった The Hitchhiker's Guide to the Galaxy から引用した比喩表現です。]その中に、Amazon Kids+ から来た本を個々に隠すためのコントロールがあるのだが、ここでもやはり、一度に1ページしか (つまり何千冊もある本のうち 30 タイトルずつしか) 表示されないので、信じられないほどのろのろして退屈な作業だ。
テクノロジーの世界では、この種のテクニックを“ダークパターン ”と呼ぶ。つまり、ユーザーの挙動を操作して何らかのアクションを促進したり思いとどまらせたりしようとするためにインターフェイスを設計するのだ。多くの場合、このテクニックはユーザーを誘導して何かを買わせたり、あるいは購読をキャンセルするのを忘れさせたりするために用いられる。Amazon で知らぬ間に何かを買ってしまった経験をお持ちの方なら、この会社がそういったダークパターンの利用にいかに長けているかをご存知だろう。
設定を使いにくく、見つけにくくし、インターフェイスを制約の多い、カスタマイズの選択肢の少ないものとすることによって、あなたは自分の子供のデバイス上に何が表示されるかについてほぼ完全に Amazon のなすがままとなる。それは不必要なことであり容認できないことだと思うのだが、Kindle Kids を返品する決断を私にさせるための最後の一押しとなったのはもう一つ別のことであった。
壁に囲まれた Amazon の庭の中に取り残される
私が Kindle で気に入っている理由の一つはそれが非常にオープンだからだ。Kindle を Mac に接続して、Finder を通じて本で一杯のフォルダをドラッグ&ドロップして持ち込むことができる。(必要ならばあらかじめ Calibre を使ってフォーマットを変換しておく。) 個々の Kindle デバイスにはそれぞれ電子メールアドレスが付随していて、書類を Kindle に送信することができる。これによってありとあらゆる可能性が広がる。例えば Instapaper から長い記事を Kindle に送るといったことだ。Gumroad は個人がデジタル商品を販売できるようにするサービスだが、ここで本を購入して、それを電子メールアドレスを使って Kindle に送ることができる。もう一つのお気に入りの使い方として、Standard Ebooks (Project Gutenberg のテキストをクリーンアップして美しい電子書籍にするプロジェクト、2021 年 5 月 10 日の記事“Standard Ebooks が古典作品を美しい電子書籍に ”参照) の本を私の Kindle に送っている。
悲しいことに、子供の Kindle Kids プロファイルにコンテンツをサイドロードする方法が何もないと分かった。追加できるのは Amazon から購入したコンテンツ のみ だと私が知ったのは、妻が私に電子ブックを送ってきてこれを Harris の Kindle に追加するよう頼んだ時だった。
それで踏ん切りがついた。ゲーム・オーバーだ。私が長い間 Kindle プラットフォームに忠実であり続けた主たる理由の一つは、どんな電子ブックでもどんな書類でもそこに放り込むだけでちゃんと受け入れてくれるからだ。そして、私の妻は (彼女は教師なので) インターネットを探し回って Harris のために膨大なコレクションを集めている。それらの本を Kindle に追加できないとしたら、もはや何の意味もない。
確かに、回避方法はある。最も簡単な方法は、Harris のために Amazon アカウントを作成して、彼を私たちの Family Library に追加し、それから彼のアカウントに Kindle を登録するやり方だ。ただ、このやり方にもいくつか問題点がある:
Harris が Amazon Kids+ サービスにアクセスできなくなる。そもそもそれがこのデバイスを買おうとした動機の一つだった。それが中心的な理由ではないけれども、やはり息子が他のタイトルにもアクセスできる方が望ましい。
またもう一つ新たなアカウントを私が管理することになり、しかもクレジットカードを登録する必要もあって、そこからさまざまな問題も起こる。
Amazon は際どい内容の本や論議の的となっている本を推奨する傾向があり、そういう本をまだ 9 歳の息子の目に触れさせたいとは思わない。
私のアカウントを息子に使わせることも可能だが、現時点で息子にアクセスさせたくない本もいくつか持っているし、いずれは私の読書の場所を息子に荒らされるようになることが避けられないだろう。
だから、私はこの Kindle Kids を返品するつもりだ。プレゼントとしては良い思い付きであったけれども、Harris は Hannah の iPad で自分の本を読むことができている。息子が使える時間が長くなり過ぎないように普段は隠しているが、いずれは Screen Time を使ってロックダウンするべきだろうと思う。
Amazon Kids のインターフェイスには本当にがっかりさせられた。至る所で、Amazon は顧客の懸念や必要を脇に押しやって自らの意図に重点を置いているかのように感じられる。エンドユーザーが大人の場合でさえ十分に悪い状態なのに、子供向けに作った製品ではさらにもっと問題ある状態となっている。
私が望むのは、ライブラリの表示をもっとずっと単純化して、私たち親が子供のために手で選んだ本が子供のデバイスに呈示されるようになることだ。そこには親のライブラリからの本も、Amazon Kids サービスからの本も、そして、そう、USB や電子メールを通じてそのデバイスにサイドロードした本も含まれる。それから、そういう本を追加するためのインターフェイスは、見つけやすくて使い勝手の良いものであるべきだ。無理な注文だとは思わないのだが。
子供向けに作られたデジタルデバイスにおいて何より大切なのは、親がきちんと掌握できることだ。親がお金を出しているのだし、そのデバイスを使った結果に対処するのも親なのだから。
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