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#1627: iPhone 14 各モデル、Apple Watch SE/Series 8/Ultra、新型 AirPods Pro、iOS 16 と watchOS 9 リリース、Steve Jobs Archive

大変な一週間だった! Apple が iOS 16、watchOS 9、tvOS 16、それに HomePod Software 16 をリリースしたが、iPadOS 16 と macOS 13 Ventura は来月出る予定だ。先週の Far Out イベントで、Apple は衛星通信や衝突事故検出など新しい緊急事態機能を備えた iPhone 14 と iPhone 14 Plus、加えて Always-On ディスプレイと通知用の新しい Dynamic Island 機能を備えた iPhone 14 Pro と iPhone 14 Pro Max を発表した。また、Apple は第2世代 Apple Watch SE と Apple Watch Series 8、加えて新たに耐久競技のアスリートやアウトドア愛好家たちに向けた頑丈な大型モデルの Apple Watch Ultra も発表した。さらに新型の AirPods を求めている人には、第2世代 AirPods Pro がより良いオーディオと長くなったバッテリー寿命を提供する。Adam Engst は新しい iPhone 14 Pro を注文しつつ Apple Watch Ultra の注文はしないでおこうと決めた際に取り組んだいろいろの障壁について考察する。それからもう一つ、Steve Jobs Archive のスタートをお伝えする。これは過去を振り返ることがほとんどなかったあの人物について振り返ることをテーマにしたウェブサイトだ。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Pixelmator Pro 2.4.7、BusyCal 2022.3.2、Keyboard Maestro 10.2、 1Password 8.9.4、Safari 16、それに macOS Monterey 12.6 と Big Sur 11.7 だ。

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Steve Jobs Archive

2022 年 9 月 7 日の Far Out イベントで Apple が発表した事柄に私たちは注意を集中させていたけれども、同じ週に Code カンファレンスの壇上で故 Steve Jobs の夫人 Laurene Powell Jobs と Tim Cook と Jony Ive が Steve Jobs Archive を発表したことに気付いた。これはまだ内容の少ない、エレガントにデザインされたウェブサイトで、冒頭に Jobs が自身に宛てて自らの中核を成す考え方を述べた電子メールが掲げられ、その後に彼の語った言葉の引用が厳選されて並び、それぞれにオーディオやビデオのクリップが付いている。

Steve Jobs Archive home page

このサイトでは今後さらなる内容が加わると述べるとともに、私たちが寄与をすることもできるようになると示唆している:

過去への敬意と未来への興奮とをもって、ここ Steve Jobs Archive は多くの人たちがそれぞれ自ら寄与できるためのツールと機会を提供します。

Steve の価値を反映し、可能性への彼の感覚を前へ進めるために、プログラムや、研究奨励や、収集や、提携関係を構築しつつあるところです。

Steve Jobs を巡る貴重な資料や個人的な話がたくさんあることに疑いの余地はないが、この Steve Jobs Archive が今後どのように成長し進化するのかはとても興味深いところだ。Jobs 自身は過去を振り返ることに興味を持たない人物として有名であったが、このアーカイブがその本質上過去を振り返ることに集中している以上、私たちとしては Steve Jobs Archive の背後にいる人たちが“過去への敬意と未来への興奮”のバランスをどのように実装して行くのか、興味を持って見守りたい。

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

iOS 16、watchOS 9、tvOS 16、HomePod Software 16 が入手可能

Apple が iOS 16、watchOS 9、tvOS 16 をリリースした。お持ちのデバイスがアップグレード可能か否かは 2022 年 6 月 9 日の記事“Apple の 2022 年版オペレーティングシステムにおける本当のシステム要件”をご覧頂きたい。今年はベータ版が際立って安定していたのだが、やはり多くの人たちには万一の深刻な問題に備えてアップデートを数日遅らせることをお勧めしたい。加えて、初めのうちは Apple のアップデート用サーバの負荷が非常に高くなるので、それに伴う混乱を避けるためにも数日待つのが賢明だろう。さらに言い添えれば、iPadOS 16 と macOS 13 Ventura は来月になるまで出ない。

今のところはまだ iOS 15 を使い続けていようという人たちには、Apple が iOS 15.7 と iPadOS 15.7 をリリースして 11 件のセキュリティ脆弱性に対処したことを知っておいて頂きたい。そこには「悪用された可能性」のある懸念すべき kernel 脆弱性も含まれている。

iOS 16 にアップデートする前に知っておくべきことを 2 点書いておこう:

では、それぞれのアップデートについて見て行こう。

iOS 16

今回の 3 つのアップデートのうち断然最も重要なのが iOS 16 で、多数の新機能を誇り、中でも Lock 画面のカスタマイズ機能は注目すべきだ。複数個の画面を作成して、それぞれに異なる壁紙を使うことができる。さらに、Lock 画面ウィジェットを最大 5 個まで、時刻の上に 1 個、時刻の下に最大 4 個追加できる。サイズが小さいので見栄え上は iPhone の Home 画面ウィジェットよりも Apple Watch のコンプリケーションのような感じだ。

Lock screen widgets

Lock 画面上のもう一つの重要な新機能が Live Activities (ライブアクティビティ) だ。これはリアルタイムで更新される新しいタイプの通知だが、現在のところ Apple はこの機能の実装が遅れていて年内に利用できるようになると言っている。Live Activities の利用法の実例としては、スポーツの試合の途中経過、出荷の追跡、デリバリーの状況などが考えられる。Live Activities は特に Dynamic Island を備えた iPhone 14 Pro で魅力的だろう。Face ID および TrueDepth カメラセンサーパッケージのどちらかの側に表示できるからだ。(2022 年 9 月 7 日の記事“Apple、4 つのモデルの iPhone 14 を発表”参照。) 現時点で Live Activities が働くところを目にできる最も簡単な方法はタイマーをセットすることだが、今後開発者たちはそれほど時間を掛けずにこの新しい機能を利用するようになることだろう。

Timer Live Activity

さらに、カスタマイズした Lock 画面を Focus (集中) 機能に結び付けることもできて、Focus を切り替えればその Lock 画面に切り替わり、またその逆も同様だ。Apple は Focus 機能も改善した。従来は通知が Focus より優先すべきアプリや連絡先を個々に選択しなければならなかったが、今回はその代わりに特定のアプリや連絡先からのものを除いて Focus がすべての通知を許可するよう設定することもできるようになった。また、Apple は Focus Filters (集中モードフィルタ) も導入して、例えば電子メールやカレンダーの通知を隠すことができ、iPhone 上で仕事と私生活の区別がはっきりしているような場合には便利だろう。

大いに宣伝されていた iCloud Shared Photo Library (iCloud 共有写真ライブラリ) 機能の実装は、ベータ版をインストールした人以外には延期となった。私たちの推測では、この遅れは来たるべき iPadOS 16 と Ventura との間の互換性に関するものであって、この機能自体に問題があるのではないと思う。

iOS 16 のその他の重要な新機能としては次のようなものがある:

iOS 16 では細かな新機能もたくさんある。これから数週間かけて少しずつ扱って行きたいと思っているが、とりあえずここで 3 つのことだけ手早く紹介しておこう:

TidBITS 記事に登場するのが待ちきれない人は、どうぞ私の本 Take Control of iOS 16 and iPadOS 16をお読み頂きたい。これらの機能や、もっと他の多くの機能について包括的に学べるようになっている。

Take Control of iOS 16 and iPadOS 16 cover

iOS 16 は Settings > General > Software Update でインストールできる。

watchOS 9

watchOS 9 は iOS 16 に比べてずっと控え目なアップデートだ。私が日々使っていて気付いた主な違いは、ウォッチを使っている間に出る通知が従来のように画面全体を占めるのではなくて、バナーとして表示されるようになったことだ。手首を下げている時には従来通りにフルスクリーンで通知が表示される。それ以外の改善点をいくつか挙げておこう:

いったん iPhone を iOS 16 にアップグレードし終えたなら、watchOS 9 へのアップグレードを遅らせるべき理由は何もないと思う。watchOS 9 のインストールは Watch アプリの General > Software Update でする。ウォッチが充電器に接続されていて、かつ少なくとも 50% 充電されており、あなたの iPhone の近くにあることが必要だ。

tvOS 16

年ごとに Apple は、クロスプラットフォームの Apple TV+ サービスの成長と逆行するかのように Apple TV プラットフォームへの関心を失いつつあるように見える。私の知る限り、tvOS 16 で新しくなったのは以下のことだけだ:

このプラットフォームが単に成熟しただけなのか、それとも放置されつつあるのかはさておき、上記のこと以外にあまり言うべきことはない。アップデートをインストールするには、Settings > System > Software Update へ行くか、あるいはただ放っておいて勝手にインストールされるのを待ってもよい。

HomePod Software 16

HomePod Software 16 が何をするのか、私には分からない。Apple のリリースノートにはただ単に「全般的なパフォーマンスと安定性の改善が含まれます」という、小さなアップデートでいつも使われる曖昧な言葉しか書かれていない。HomePod Software 16 はいずれ自動的にインストールされるはずだが、強制的に直ちにインストールしたいと思えば iOS 15 または iPadOS 15 では Home アプリを開いて、画面の左上隅の Home アイコンをタップし、下へスクロールして Home Settings をタップし、それから Software Update をタップすればよい。iOS 16 では、HomePod のアクセサリータイルにタッチして押さえ続け、Accessory Details を選ぶ。下へスクロールしてギアをタップし、Update をタップする。

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

Apple、4 つのモデルの iPhone 14 を発表

Far Out イベントで Apple は期待通りに iPhone 14 ラインアップを発表し、iPhone 14、iPhone 14 Plus、iPhone 14 Pro、および iPhone 14 Pro Max をお披露目した。最新最高の製品にそれほどこだわりがないという人たちのために、Apple は iPhone 12 と iPhone 13 に加えて、安価な iPhone SE も販売を続ける。小型の iPhone を望む人たちのための iPhone 13 mini も引き続き入手可能だ。

2022 iPhone lineup

今回の新型 iPhone は 2022 年 9 月 9 日に予約注文受付が開始されており、2022 年 9 月 16 日に出荷ならびに店頭販売が開始される。ただし iPhone 14 Plus は例外で 2022 年 10 月 7 日からとなる。

iPhone 14 と iPhone 14 Plus の主な改善点

ワクワクするようなテクノロジーの革新を求めている人はどうぞ次のところまで読み飛ばして頂きたい。iPhone 14 には少数の新機能はあるけれども、大体においてこれは昨年の iPhone 13 を温め直したものであり、同じ A15 Bionic チップを使っている。改善点を手早くまとめておこう:

iPhone 14 の色はミッドナイト、ブルー、スターライト、パープル、そして Product(RED) から選べる。ストレージ容量は 128 GB から 512 GB までだ。

iPhone 14 info card

では、今回の各モデルに搭載された 2 つの最も革新的な機能を見てみよう。

衛星通信による緊急 SOS と衝突事故検出

iPhone 14 における最もクールな新機能はと問われれば、断然それは衛星通信による緊急 SOS 機能だ。つまり、長らく噂されてきた衛星通信機能が iPhone 14 に搭載され、それを利用するのだ。でも、あまり興奮 し過ぎては いけない。iPhone 14 はまだ衛星通信にフル対応していないからだ。そのためには大きなアンテナが必要となる。これが物理的な現実だ。その代わりに、Apple は iPhone 14 の通常のアンテナにカスタムコンポーネントを組み合わせることで外部アンテナを必要とせず衛星と直接に (ただし最小限ではあるが) 接続できるやり方を見つけ出した。

衛星を使う緊急 SOS は、文字通り、緊急の際のためのものだ。広大な自然の中で道に迷い、セルラータワーへのアクセスができない場合に緊急サービスに連絡することを念頭に置いている。衛星は非常に低いバンド幅を持つ移動標的なので、最小限のテキストメッセージを届けるだけでも何分間もかかるかもしれない。緊急 SOS プロセスはユーザーに対して重要な質問をし、緊急サービスの応答者が情報を引き出せるようにするとともに、特別の圧縮アルゴリズムを使ってメッセージを縮める。

Diagram of how Emergency SOS via satellite works

もう一つ別の障害もある。メッセージを送受信するためには iPhone を衛星の方に向けなければならず、理想的には高い丘の上のようなところにいる必要がある。アマチュア無線を使った経験のある人ならよくご存知だろう。衛星を通じて無線信号を送受信できるためには、Yagi (八木) アンテナなどの指向性アンテナを高速で動く衛星に向ける必要がある。衛星は肉眼にはまず見えないので、衛星の位置と移動方向についてかなりの程度把握していることが必要だ。そのために私はISS Detector というアプリを使っている。

幸いにも、iPhone の緊急 SOS モードは衛星との接続のために iPhone をどちらに向ければよいかを示してくれる。衛星が空の一定の区域の中に留まるのはたった数分間程度なので、実際どの程度うまく接続できるのか知りたいものだと私は思っている。例えば International Space Station (ISS) や SO-50 といった衛星と通信するにはスピードと機敏さが必要だ。

Targeting a satellite with iPhone 14

たいていの人は衛星を使った緊急 SOS をテストする機会もないだろう (たとえ普通のやり方で緊急電話 911 をかけるにしても、緊急 SOS 機能のテストのためだけに電話をかけるのは気が引ける) が、セルラー接続や Wi-Fi 接続がない場合に Apple の Find My システムを使う目的で衛星経由で自分の位置情報を手動で共有するためにこの衛星通信機能を使うことは可能だ。Apple が使った画像は荒野の中の人里離れた山の頂上のようなところを示していたが、田舎へ行けばセルサービスに繋がらなくなるのはよくあることだ。

Apple はこの緊急 SOS 機能は 2 年間無料で使えると述べたが、その後の料金がどうなるのか、あるいは他の詳細について、まだ何も語っていない。緊急用としては無料で使えるままになってくれることを願いたい。誰かが買ってから 2 年経った iPhone 14 を持ってハイキングに出掛け、購読するのを忘れていたせいで連絡がつかずに亡くなったとしたら、それは Apple にとっても悲劇的かつ最悪の場面となることだろう。あるいは、サービスを使った人が事後に料金を Apple に払うということも可能かもしれない。実際にはその答はもうしばらく判明しないだろう。この衛星経由の緊急 SOS 機能が実現するのは、11 月になってからだからだ。

もう一つ別に緊急用機能がある。Crash Detection (衝突事故検出) だ。これは新型の Apple Watch モデルに搭載されるものと同じ機能だ。(2022 年 9 月 7 日の記事“Apple Watch Series 8 と Apple Watch Ultra、健康、安全、接続性機能を拡大 ”参照。) iPhone 14 は内蔵の加速度センサー、気圧計、およびマイクロフォンを使って加速度や気圧変化を探知するとともに衝突時の大きな音を探知し、それに基づいて衝突があったかどうか認識する。衝突があった場合には iPhone が自動的に緊急サービスに救助を要請するとともに、あなたの緊急連絡先に通知する。

iPhone 14 Pro と iPhone 14 Pro Max の革新

Apple は新しいアイデアの大多数をハイエンドの iPhone 14 Pro モデルに注いだ。まずは、Dynamic Island に注目しよう。

iPhone 14 Pro info card

いや、Dynamic Island と言っても 2000 年代に Fox で放映された短命に終わったリアリティー番組のことではないし、ラップで知られたコメディー一座のことでも、現実の島の名前でもない。これは iPhone 画面の一番上近くに見える小さな長丸形のセンサーパッケージで、従来のノッチに代わるものだ。iPhone に施されたデザイン変更として、これは iPhone X 以来最大の変更と言える。

Dynamic Island

Dynamic Island はただそこにあってスクリーン面積の一部を無為に空費するのでなく、Apple はこの部分を利用してさまざまのアラートや、通知や、あるいは Live Activities (iOS 16 で導入される新しい動的な通知タイプ) を表示するという決断をした。Dynamic Island は現在再生中の音楽のトラック名、電話で何分間通話しているか、自分のチームが得点した際のポップアップ、Lyft の車が現在どこにあるか、その他多くのことを表示できる。とても巧みだと思うが、iPhone はあらゆるものをセンサーパッケージの上に表示することはできないけれども、そのすぐ下あるいはすぐ横のスクリーン部分を利用して動的に Dynamic Island の表示領域を拡張しながら通知の一部とすることもできる。

iPhone 14 Pro におけるもう一つの革新は Always-On (常時表示) ディスプレイで、最近のモデルの Apple Watch にあるものとよく似ている。ディスプレイのリフレッシュレートを 1 Hz に下げるとともに、賢いやり方で壁紙を暗くすることで電力を節約する。それと同時にこのスクリーンは iPhone 史上最も明るいものとなり、屋外での輝度は 2000 ニトまで上がる。

基本モデルの iPhone 14 と違って、iPhone 14 Pro モデルは新しい A16 Bionic チップを搭載する。Apple は予想通りにこれをスマートフォン史上最速だと宣伝し、競合製品よりも 40% 高速だと主張する! たぶんそれは正しいのだろうし、チップが高速になって文句を言う人はいないが、おそらくそれは主として舞台裏での処理、例えば iPhone の広範な計算写真学的機能に関するものだろう。実際問題として、あなたは近年「もっと高速の iPhone が欲しい」と呟いたことがあっただろうか?

今やしばしば言われるようになった通り、Apple は iPhone 14 Pro のカメラの改良に多くの努力を注いでいる。iPhone 14 の Photonic Engine テクノロジーはここにも備わっていて、中光量や低光量での写真のパフォーマンスがすべてのカメラで 2 倍から 3 倍になる。iPhone 14 Pro のメインカメラは 48 メガピクセルでクアッドピクセルセンサーを搭載し、大多数の写真で 4 個のピクセルを 1 つに組み合わせて使って低光量での撮影を向上させるとともにファイルサイズを 12 メガピクセルのカメラで撮影した場合と同等にする。しかしながら iPhone 14 Pro は 48 メガピクセルをフルに使った ProRAW 写真を撮影することもでき、その場合はかつてないほど大量の詳細を取り込める。また、3 倍の光学ズームインを備えて進化した望遠カメラ、改良されたマクロ撮影モード、焦点距離に応じてパターンを変化させるとともに明度を従来の倍にして新たにデザインされた Adaptive True Tone フラッシュも備えている。

6.1 インチの iPhone 14 Pro の価格は $999 から、6.7 インチの iPhone 14 Pro Max の価格は $1099 からだ。いずれのモデルも色はスペースブラック、シルバー、ゴールド、ディープパープルから選べる。ストレージ容量は 128 GB から 1 TB までだ。

アップグレードの決断は

iPhone 12 や iPhone 13 から iPhone 14 へアップグレードすることをお勧めするのはなかなか難しい。変更点はそれほど大きいものではなく、とりわけ既に Pro モデルを使っている人にとってそれが言える。安全のための新しい機能は歓迎できるけれども、衝突事故検出のため、あるいは衛星経由の緊急 SOS 機能のために iPhone をアップグレードしたい人はそう多くないだろう。そうは言っても、iPhone 14 は iPhone 12 や iPhone 13 に比べて確かに良くなっているので、もっとずっと古い iPhone あるいは Android からアップグレードしたいと思う人たちは相当数いることだろう。

でも、iPhone 14 Pro については話が別だ。Always-On (常時表示) ディスプレイ、Dynamic Island、進化したカメラなどが、最新最高の製品を持っていたい人にとってはアップグレードの決断に結び付きやすいことだろう。とりわけ、既に iPhone Upgrade Program に加入している人には敷居が低いだろう。

皆さんはどう思われるだろうか? あなたは今回のモデルのどれかに心を惹かれただろうか、もしそうなら、その理由は何だろうか?

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

第2世代 AirPods Pro が H2 チップ、タッチコントロール、機能充実のケースを追加

AirPods Pro イヤーバッドは良い評価を得ていて非常に成功しているので、もしあなたが Apple だったならば第2世代でどこを目指すだろうか? Far Out イベントで Apple は AirPods Pro のアップデートを出したが、基本は従来と同じに保ちつつ、オーディオのパフォーマンスを上げ、新しい Touch コントロールによるやり取りのメカニズムを追加し、加えて充電ケースを改訂した。

Second-generation AirPods Pro specs

Apple は第2世代 AirPods Pro に新しい H2 チップを組み込むことで、このイヤーバッドに新たなオーディオ処理機能を追加した。歪みの少ない新しいオーディオドライバとカスタムアンプを組み合わせることによって、この H2 チップは一段と優れた豊かなオーディオ体験を実現する。オーディオの改善に寄与しているもう一つの要素が新しい極小サイズのイヤーチップで、より多くの人の耳にしっかりとフィットするようになる。

H2 チップは他に 2 つの中核的な AirPods Pro 機能を拡張する。Apple によれば Active Noise Cancellation 機能が周囲の雑音を従来に比べて最大 2 倍低減するようになり、新しい Adaptive Transparency (適応型環境音除去) モードが周囲の音をパッシブな外耳道シールを通して伝えつつ、過酷な環境音の下でも雑音のより多くの部分を低減できるという。

iOS 16 においては Personalized Spatial Audio (パーソナライズされた空間オーディオ) を使ってあなたの頭や耳の形に基づいてオーディオ体験をカスタマイズできる。ユーザーたちが実際に差を感じられる程度に良くなるのかどうか、感想を聞いてみたいものだと思っている。

従来、第1世代 AirPods Pro では軸部分を強く押すことでオーディオをコントロールでき、一時停止/再生、次の曲/前の曲にスキップ、ノイズキャンセリングと透過モードの切替ができた。今回の第2世代 AirPods Pro で Apple は Touch コントロールを追加して、軸部分を軽く上下にスワイプすることで音量の調節ができるようにした。他のアクションには軸部分を押したり、あるいは Siri を使ったりする。

Using Touch control with the new AirPods Pro

バッテリー寿命も改善しており、Active Noise Cancellation を使った状態で最大 6 時間となって 1.5 時間の増加だ。充電ケースを使えばあと 4 回充電でき、合計で最大 30 時間の再生時間が得られて従来モデルよりも 6 時間長くなった。今回のケースは Apple Watch 充電器、MagSafe 充電器、Qi 充電器、または通常の Lightning ケーブルで充電できるようになった。

充電方法以外にも、この新しいケースは耐汗耐水性能を持ち、ストラップループも付いているので紛失しにくくなった。もしもケースを見失った場合には、U1 搭載の iPhone を使えば Find My アプリの Precision Finding (正確な場所を見つける) 機能に対応しているお陰で簡単に見つけることができる。このケースは内蔵スピーカーを搭載しているので探す際に大きな音を鳴らすことができる。最後に、このケースは好きなポーズのミー文字、アニ文字、およびステッカーの監修されたリストを使ってカスタマイズできる。

第2世代 AirPods Pro の価格は従来と変わらず $249 だ。2022 年 9 月 9 日から予約注文受付が始まっており、2022 年 9 月 23 日から出荷が始まる。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Apple Watch Series 8 と Apple Watch Ultra、健康、安全、接続性機能を拡大

Far Out イベントで、Apple は三つの新しい Apple Watch モデルを紹介した。低価格帯を維持するそこそこに改善された Apple Watch SE、しっかりアップグレードされた Apple Watch Series 8、そしてとつてもなく能力のある - そして物理的にもとてつもない - Apple Watch Ultra である。全てのモデルが今注文可能で、出荷日は 16 September 2022 (Apple Watch SE と Apple Watch Series 8) 又は 23 September 2022 (Apple Watch Ultra) となる。

2022 Apple Watch lineup

Apple Watch SE

2020 年に Apple は最初の Apple Watch SE を低価格 Apple Watch モデルとして導入した。それは基本的に前年の Apple Watch Series 5 の中身に依存したものであった。それは最安値のモデルではなかったが、Apple Watch Series 3 より遙かに能力に富んでいた。Series 3 の値段は $199 に落ちた。watchOS 9 が Series 3 に対するサポートを停止するのに伴い、Apple はそれをラインナップから外し、低価格品として第二世代 Apple Watch SE に焦点を当てた。

第一世代 Apple Watch SE からの改善点は多くはないが、歓迎出来るものである。一番目につくのは、ケースサイズは 40mm か 44mm と変わらないが、画面は前世代よりも 30% 大きいと報じられている。Apple はまた、Series 5 に使われていた S5 チップを今年の Series 8 と Apple Watch Ultra に使われている S8 チップへとアップグレードしており、同社によると性能は 20% 向上していると言う。他の二つの新モデルで車の衝突を検出することを可能にしている強化されたモーションセンサーも採用されている。最後に、Apple は、その背面ケースはセラミックではなくナイロン複合材を使っていると言っている - この変更で Apple は材料費のコストダウンが図られていると思われる。

Apple Watch SE

コストを低く抑えるための妥協点は同じまま残っている。Apple Watch SE は今でも、より能力の高いモデルにある Always-On ディスプレイ、血中酸素センサー、ECG 計測、そして急速充電を欠いており、また、現行の第三世代モデルとは違い Apple の第二世代心拍数センサーに引き続き依存している。また、新しい温度センサーも IP6X 防塵性能も無い。

どうかそれを否定的に捉えないように - Apple Watch SE はとてもお買い得な商品であり、多くの人が必要とするもの全てを備えている。値段は GPS だけのモデルが $249 で、GPS+Cellular モデルは $299 である。ケースはアルミ製で、色はミッドナイト、スターライト、そしてシルバーから選べる。

Apple Watch Series 8

第二世代 Apple Watch SE は基本的には小規模な仕様改善だが、新型 Apple Watch Series 8 は幾つかの本物と言える興奮を呼ぶ新機能を導入している。旗艦となる Apple Watch モデルに対する Apple の焦点は、健康、安全、そして接続性に当てられている。

Apple Watch Series 8 info card

健康に関して言うと、Series 8 は新しい温度センサーを導入していて、Apple はそれを Apple Watch の Cycle Tracking 能力を強化するのに使っている。(実際には二つのセンサーが使われており、一つはケースの背面に、そしてもう一つが画面の下にあり、Series 8 が外環境温度の変化を打ち消すのを手助けしている。) それは、睡眠中の体温変化を 5 秒間隔で 0.1 度の精度で追跡する。家族計画の目的のために Cycle Tracking アプリは、このデータを分析して何時排卵があったかの過去に遡った推測を提供し、そしてまた、改善された周期予測や周期逸脱の可能性の通知も提供する。

Roe v. Wade (人工妊娠中絶を権利として認める判断) を覆す US Supreme Court の最近の判断そしてその後の周期追跡アプリに関するデータプライバシーの懸念に関して言うと、Apple は Cycle Tracking データに対するプライバシー保護を強調した。そこでは、データは機器上で暗号化され、そしてエンドツーエンドで暗号化されて iCloud 経由で同期される。従って、Apple ですらそれにアクセスすることは出来ない。

私は Apple が温度センサーデータを使って Cycle Tracking を改善することにあれ程の情熱と関心を注いでいることに拍手をおくるが、同社がそのデータをより広い目的のために使っていないことに驚いている。ひょっとすると、他のアプリがこの空白を埋めるのかもしれないが、私としては温度と心拍数のデータを合わせて、病気になりつつあるかも知れないことを警告するアプリが登場するのを望みたい - 皆さんも、COVID-19 にかかったかもしれない事を事前に知りたいと思いませんか? FDA 承認が障害となるのであろう。

安全側での大きなニュースは、Apple が今や新しいそして改善されたモーションセンサーを手にして、Series 8 が - そして新しい Apple Watch SE や Apple Watch Ultra も - 車の衝突事故を検出出来るようにしたことである。この機能は、運転中にしか働かずそして衝突にまつわる時間の中でしか作動しない。その後は、転倒検出機能と同様、Emergency SOS を起動させたいか聞いてくる。

Apple Watch crash detection

センサーは色々なデータを - 減速、圧力、音、等々 - をマシン学習アルゴリズムに送る。Apple は衝突を検出するために百万時間にも及ぶ訓練をしたと言っている。正直言って、Apple はそれをとても大変だった事のように匂わせているが、車の衝突は強烈な変化なので検出はそれ程難しくはないのではと思える。それから、念のために言っておくと、我々はこの機能の試験をする積もりはないが、私個人としては Internet 上に誤検出の報告がどれ程早く現れるかについては興味がある。

接続性の話は多くの人にとっては説得力は落ちるが、世界中を飛び回る人にとっては嬉しい話であろう。Apple Watch Series 8 だと、自分の Apple Watch を iPhone の国際ローミングプランに追加出来る - 恐らく追加料金が発生するであろうが - 従って、あなたの電話は他の国に行ってもそのセルラー接続性を維持出来る。キャリアはその様なプランを提供しなければならないが、有用なものとするには十分なだけ簡単で費用も余りかからないものであるのかどうかは私には良く分からない。

Apple はまた、新しい Low Power Mode は幾つかの機能を不能にすることでフル充電の状態で最大 36 時間の電池寿命を提供出来ると言っている。しかしながら、同社はまた Low Power Mode は Apple Watch Series 4 とそれ以降でも使えると言っているので、それは watchOS 9 の機能の一つであって Series 8 固有のものではないことを意味しているのであろう。

Apple Watch Series 8 アルミケースには4色あり - ミッドナイト、スターライト、シルバー、そして Product(RED) - 値段は GPS だけが $399 から、GPS+Cellular が $499 から始まる。より高価なステンレスケースには、シルバー、ゴールド、グラファイトがあり $699 から始まる。各種の新しいバンドが Apple, Nike, そして Hermes から出ている。

Apple Watch Ultra

Apple Watch の世界における一大ニュースは - 色々な意味で - 同社の新型 Apple Watch Ultra である。高級ファッション時計から歩を進めて、Apple は今や Apple Watch Ultra をもって高級スポーツ・冒険時計の市場に照準を合わせた。

"境界を突き抜ける時計" と表現された Apple Watch Ultra は、完全に再設計された Apple Watch で 49mm チタニウムケースを持ちフラットサファイアクリスタルが横からの衝撃で画面が割れることを防ぐケースに埋め込まれている。それは、これ迄で一番大きな Apple Watch ディスプレイであり、そして一番大きい Apple Watch でもある。従って、がっしりした手首の持ち主か、さもなくばウェットスーツの上から装着することを考えた方が良い。それは分厚くて 14.4mm もあるが、それに比して Apple Watch Series 8 や Apple Watch SE は 10.7mm である。そして、それは重くもある、61.3 グラムもあり 40mm Apple Watch SE の 26.4 グラムよりも二倍以上の重さである。(ステンレスの 45mm Series 8 だともっと近くなり 51.5 グラムである。)

Apple Watch Ultra info card

機能面から見ると、Apple Watch Ultra は Apple Watch Series 8 の上位集合であるので、同じセンサーと基本能力の全てを含んでいて、セルラー能力は標準となっている。しかし、それは遙か先まで行く。特に、Apple Watch Ultra は新しいオレンジ色の Action ボタンを備えており、アプリはそれを独自の目的のためにカスタマイズ出来る。最後に、それは、汗まみれの震える指でスワイプしようとしなくとも済むボタンを押して運動を開始・停止出来る Apple Watch でもある!また、Action ボタンには望みのどんなショートカットでも付属させられる。Digital Crown もより大きくなっており、サイドボタンもケースから出っ張っていて、どちらも手袋を嵌めたままで Apple Watch Ultra を操作しやすくしている。これは現在では殆ど不可能である。

Apple Watch Ultra の Action Button は、とてつもない新規の App Intents API によって動かされている。それと統合することで自分なりのアプリを作ることが出来る。例えば、そのボタンを使ってゴールを記録するホッケーアプリの様なものである! そして、ユーザーには、そのボタンによって望みの如何なる Shortcut でも始められる!

— Michael Gorbach (@mgorbach) September 7, 2022

他の新しいハードウェア能力には、Apple によると直射日光下でも読める程だというより明るい Always-On ディスプレイ、そして高精度2周波 (L1 と L5) GPS が含まれ、後者は GPS 信号がブロックされてしまうことの多い特定の条件下 - 急峻な峡谷、高層ビル街 - ではその威力を発揮する。86 デシベルのサイレンも装着されており最大 600 フィート (180 メートル) でも聞き取れると言う。より良いオーディオ出力と入力のためのビームフォーミングのついたデュアルスピーカーと3マイクアレイもあり、風の強い条件下でも働く。また、水深計と水温センサーもある。

その通り - 数ヶ月後に予定されている Oceanic+ アプリを使えば、Apple Watch Ultra は、ダイブアクセサリに対する European EN13319 標準に適合し、ダイブコンピュータの代わりとなり得る。耐水性は 100 メートルだが、Apple は "泳げる耐水性能、水深 40 メートルまでのレクリエーションダイビングに対応" と表現している。もし、砂漠やツンドラが好みなら、それは IP6X 等級認証の防塵性能を備え、そして、米軍規格MIL-STD 810H の高度、高温、低温、温度衝撃、浸漬、凍結/融解、衝撃、振動に対して試験済みである。

Apple は、過激運動家、冒険家、そしてそこら中にいるなりたい人を Apple Watch Ultra の標的としている。その電池寿命は、通常の使用で Apple Watch Series 8 の2倍で最大 36 時間、そして Apple が将来出すと約束している延長電池寿命最適化モードを使えば最大 60 時間である。 Apple がどの様な人が Apple Watch Ultra を買うかを思い描いているかはそのバンドの名前を見れば容易に想像がつく:Alpine (ナイロン製でフック型留め具付き)、Ocean (伸縮エラストマー製で、ウェットスーツ上でも装着出来る延長具付き)、そして Trail (ナイロンスポーツループで、調節をやり易くするタブ付き) がある。

Apple Watch Ultra bands

また新しい Wayfinder 文字盤も含まれ、それは羅針盤を表示しそして夜間に見やすくする黒地に赤へと切り替える Night モードも持っている。再設計された Compass アプリは複数のビュー、今来た道を戻らせてくれるバックトラック能力、そしてナビを容易にする経由地を提供する。

正直に言って、それは印象的な製品であり、私は Apple Watch Ultra の新機能、とりわけ Action ボタンの特長を生かしてアプリ開発者が何をするかを見るのがとても楽しみである。噂では、Apple はそれの値段を $999 と言った高い値段にするのではないかと言われていたが、同社がたったの $799 だと発表した時、それは歓迎すべき驚きであった。それは Garmin の走者/トライアスロン Forerunner シリーズよりは高いが、Garmin のアドベンチャー時計よりは安い、もっともそれ等は 16 から 28 日の電池寿命を誇るが。

小柄な多くの人を躊躇させる一番の事は Apple Watch Ultra の生の大きさであろう。もしこれ迄 40mm の Apple Watch SE を身に付けていたならば、49mm の Apple Watch Ultra へ跳躍することは、厚さが 1.5 倍になり収まりが付かなく見えるであろう。そして、私は、昔不格好な Garmin Forerunner 305 を身に付けていた者としてこれを言っているのである。

これが誰にでも理想的かどうかはさておいて、Apple Watch Ultra は Apple Watch 製品群に対する歓迎すべき追加であり、そしてもう既に予約注文をした人が沢山いるであろうことを私は疑わない。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

iPhone 14 Pro と Apple Watch Ultra の注文に際して考える

私は TidBITS と TidBITS Content Network 購読者たちのために新型 iPhone 14 と Apple Watch 各モデルについての記事を書くことに集中するあまり、私自身の iPhone 13 Pro と Apple Watch Series 5 をアップグレードしたいかどうかについてじっくり考える時間がなかった。もしも Apple 製品について記事を書く仕事をしていない友人の誰かが私に助言を求めたなら、腰を据えて考えなさいと答えただろう。でもその一方で、最新最高の Apple 機器に手を触れられることは確かに私の利益になるし、記事の参考にするためにはできる限り早く入手しておけば役に立つかもしれない。iPhone 14 は 9 月 16 日、Apple Watch Ultra は 9 月 23 日が最も早い入手可能日だ。

少し考えてみた結果、私は iPhone 14 Pro にアップグレードする決断をした。そうすれば Always-On (常時表示) ディスプレイと Dynamic Island を自分の手で評価できる上に、進化したカメラも利用できるからだ。Apple Watch Ultra についてはまだ決めかねている。競技をするランナーとして、私はずっと以前から Apple Watch の物理的デザインに批判的な意見を述べてきたし、今日に至ってもまだ屋外を走る際には Garmin Forerunner 645 を反対の手首に着けて、ずっと具合の悪い Apple Watch を着けている方の手首を見るのは Garmin を着け忘れた日だけだ。

けれども、Apple Watch Ultra には新しい Action ボタンが付き、スクリーンがずっと明るくなっていて、使い勝手とスクリーンの読みやすさに感じていた私の不満に対処が施されると約束している。その上 WorkOutDoors などのアプリが私の Forerunner 645 よりもっとカスタマイズ可能なインターフェイスを提供できるらしいことを考えれば、ランニング専用ウォッチを欲しいと思う私の願いを Apple Watch Ultra が代わって引き受けてくれるかもしれない。ただ、きちんと機能している Apple Watch Series 5 と Garmin Forerunner 645 の組み合わせに私が 2 年前に支払ったのは (オプションのランニングダイナミクスポッドも含めて) $300 以下だったのに、$799 という値札はあまりにも高過ぎる。その上、Apple Watch Ultra のでっぷりしたサイズでは、買う前に試してみなければと思わされる。なのでこちらは当面保留にしようと決めた。

でも、そういう決断をしてさらに実際に iPhone 14 Pro の注文に至るまでの道のりは、あまり平坦ではなかった。

iPhone Upgrade Program の奇妙な点

過去には、私はいつも iPhone を単純に購入していた。Tonya と私はたいてい年ごとに交代で購入し、その度に余った中で最新の iPhone を息子の Tristan に渡していた。でも息子はもう大学生で自分の iPhone を買うことになるし、Tonya は iPhone SE より大きなものは使わないと言っているので、アップグレードの際に私がそれまで使っていた iPhone を置いておく必要がなくなった。そこで私は iPhone Upgrade Program に加入する時が来たと思った。これは、iPhone の価格 (プラス AppleCare 料金) を 24 か月間に分割して支払い、少なくとも 12 か月支払済みの場合は次のモデルにアップグレードすれば古いローンが閉じられ新たなローンが始まるというものだ。

けれども、購入プロセスを何度か試みた挙句、私は iPhone Upgrade Program に加入することができなかった。そこには 4 つの障壁があった:

2回連続して拒否されたことで、私は苛立ちのあまり両手を挙げて諦め、新しい iPhone 14 Pro を単純に購入してその購入プロセスの中で iPhone 13 Pro を下取りに出すことに決めた。

アップグレードの最中に AppleCare に対処する

数え切れないほどある購入オプションを網羅して価格比較をしたスプレッドシートを広げて見ている訳ではなかったが、ざっと見積もっていくつか考えてみた結果価格はどれもほとんど同じだと分かった。iPhone の価格を全額前払いしても、24 か月の分割払いにしても、iPhone Upgrade Program を使っても、どれも結局大体同じくらいの金額を払うことになる。

もちろん、大体だ。変化の種たる要素は AppleCare で、iPhone Upgrade Program 以外ならばどの方法でもこれは選択可能なオプションだ。iPhone 14 Pro 用の AppleCare 価格 $199 を勘定に入れれば、どの方法も大差なくなる。

ただ、実際に購入手続きに入ってみると、本当はそうでないことが分かった。私は iPhone の購入についてはいつも AppleCare をお勧めしていて、自分自身でも必ず買うようにしている。従来私はどの iPhone も 2 年間持っていて、2 年契約の AppleCare がぴったりうまく機能していた。去年 iPhone 13 Pro を購入した際にもそうだったので、AppleCare がそのデバイスに付随する契約だということは、この iPhone 13 Pro を下取りに出せば AppleCare 契約の残り 1 年分、つまりおよそ $100 が使われずに残ることになる。

幸いにも、Apple は未使用の AppleCare 保証期間に対して按分計算で返金してくれる:

購入後 31 日以降に AppleCare プランを解約される場合は、プランの保証残存期間の割合に基づいて按分計算した金額から、すでにご利用になったサービスの対価を差し引いた残額を返金いたします。

どうやらこの返金を受けるためには Apple サポートに連絡する必要があるらしいので、iPhone 13 Pro を Apple に返送した後にプランを解約するようにというリマインダーを作っておいた。AppleCare の現在の状況を知りたければ、Settings > General > About > AppleCare+ を見ればよい。

新しい iPhone 14 Pro については、月額 $9.99 の方法を試してみることにした。他のやり方に捕らわれている訳ではないけれども、このやり方ではもし来年に iPhone 14 Pro から買い換えるとすれば $20 余計にかかること、あともう一年待てば $40 余計にかかることを承知している。ひょっとすると Apple サポートに電話をかけずに iPhone 自体から AppleCare 購読をキャンセルできればその違いを感じられるかもしれない。それともちろん、この iPhone 14 Pro を 2 年より長い期間持ち続ければ、あとになって月額払いの AppleCare+ が歓迎すべきものとなるかもしれない。

あと 2 点だけ、AppleCare について書いておきたい。まず、Apple はつい最近になって AppleCare+ の対象を拡大して、偶発的な破損に対する保護を回数の制限なく含めるようにした。一回ごとにある程度の料金を払わなければならないけれども (スクリーンや背面のガラスの破損には $29、それ以外の偶発的な破損には $99)、以前のような年間 2 回までという制限はなくなる。

AppleCare+ unlimited incidents

次に、Apple は現在 AppleCare+ with Theft and Loss (AppleCare+ 盗難・紛失プラン) という新たなレベルの保証も提供している。従来の AppleCare+ より料金が $70 高い。これは従来の AppleCare+ のすべてに加えて、年間 2 回まで盗難・紛失に対する保証が得られ、免責額は $149 だ。つまり盗まれた $429 の iPhone SE に対して $298 の料金で新品をもらえるのは割に合わないが、オプション満載の $1599 の iPhone 14 Pro Max がポケットから滑り落ちた場合に $418 の料金で回復できるのならば価値があると思える。

Apple Watch Ultra は小柄な人やダイバーにあまり人気がない

最後にもう一点、Apple Watch Ultra の購入オプションについていろいろ考えている間に、配達日について興味深いことに気付いた。Apple Watch Ultra で可能な構成は 18 種類ある。Alpine Loop は 3 色で 3 サイズ、Trail Loop は 3 色で 2 サイズ、Ocean Band は 3 色で 1 サイズだ。2022 年 9 月 11 日にこれを書いている時点で、出荷開始日の可能性は 4 通りあった:

Apple が各種のバンドをそれぞれ同じ個数だけ生産したのか、あるいは同じ比率で生産できるものなのか、私は知らない。仮にそうだとすれば、2 つの推測が成り立つだろうと思う:

どうか私の推測を深読みし過ぎないで頂きたい。ここには未知の要因があまりにも多くあり過ぎる。でも、これは私の全般的な意見とも合致しているので、当面はこれで押し通すつもりだ。そしてもし私の Apple Watch Series 5 が動かなくなったり、あるいはバッテリー寿命の問題が目立つようになったりしたならば、まずはその時点で Apple Watch Ultra にどんな Trail Loop を組み合わせたものが入手可能かを調べることにしよう。

結びにあと一言だけ。今すぐ Apple Watch Ultra を注文したい、できる限り早く入手したいと思うならば、とにかくどんなバンドでも一番早く届くものを購入しておいて、別のバンドで使うとよい。安価な複製品で良いものもあるかもしれない。(2021 年 3 月 19 日の記事“Nylon Sport Loop 複製品を賞賛する”参照。) Apple によれば 45mm バンドは Apple Watch Ultra の 49mm ケースで使えるとのことだが、Apple の互換性情報を読んだ限りでは Solo Loop や Braided Solo Loop が使えるのかどうかははっきりしない。同様に、Apple Watch Ultra 用のバンドはケースサイズが 44m や 45mm の従来の Apple Watch でも使えるようだ。

Apple Watch band compatibility note 1

Apple Watch band compatibility note 2

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Pixelmator Pro 2.4.7

Pixelmator Pro 2.4.7

The Pixelmator Team が 8 月末に Pixelmator Pro 2.4.6 をリリースして、Type ツールの拡張やその他の改良をこの画像エディタに施した。新しい Shrink to Fit 機能は大き過ぎてテキストボックスに入り切らないテキストのサイズを自動的に小さくし、またタイプ中に Shift-Enter を押せば新規の段落でなく新規の行でテキストを続けられるようになった。このアップデートではまた、写真ブラウザでスペースバーを押すだけで素早く画像のプレビューができるようになり、大きな画像をキャンバスに収まるように自動リサイズし、レイヤーや図形の置き換えやカスタム図形の保存が手早くできるようにメインメニューやショートカットメニューの項目を追加し、複雑な構成を編集するパフォーマンスを高速化し、Halide RAW ファイルの処理を改善し、PDF 書類を挿入できなくなっていたバグを修正した。

それから一週間後にバージョン 2.4.7 が出され、10-bit-per-channel HEIC 画像を開く機能への対応を改善するとともに、Edit With 機能を使って開いた画像を Photos へ保存して戻す際の問題を修正した。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、無料アップデート、450 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

Pixelmator Pro 2.4.7 の使用体験を話し合おう

BusyCal 2022.3.2

BusyCal 2022.3.2

BusyMac が BusyCal 2022.3.2 をリリースして、このカレンダーアプリに拡張、アクセシビリティの改善、バグ修正を加えた。アップデートされたアクセシビリティオプションとしては、Month 表示で個々の日ごとに月の略称を常時表示できるようにしたこと、Month 表示でオーバーフローした日については Option キーを押す必要なしにスクロールできるようにしたことがある。今回のリリースではまた、スマートフィルターバーのコンテクストメニューから新規フィルターの追加ができるようにし、縦方向のスワイプジェスチャーが BusyCal Menu のミニカレンダーでも動作して月を切り替えるようにし、Inbox の総数表示がアプリのアイコン上に一瞬しか表示されなかったバグを修正し、メニューバーアプリのタイトルが補助モニタ上でグレー表示されてしまった問題を解消した。(BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、Setapp からも利用可、59.3 MB、リリースノート、macOS 10.12+)

BusyCal 2022.3.2 の使用体験を話し合おう

Keyboard Maestro 10.2

Keyboard Maestro 10.2

Stairways Software の Peter Lewis が Keyboard Maestro 10.2 を出した。この人気の自動化およびクリップボード用ユーティリティに拡張やバグ修正を施した、メンテナンス・アップデートだ。今回のリリースでは新しい Prompt With List アクションを追加し、Press a Button アクションがボタンが存在して有効化されるまで待てるようにし、ファイルを Application Switcher 上のアプリへドラッグする機能への対応を追加し、名前に non-ASCII 文字を含んだショートカットを実行する際の問題を解消し、Command-Option-F のグローバル検索が誤って Command や Option の文字を検索フィールドに追加していたバグを修正し、Clipboard History の保存を有効にしている場合に 3 時間ごとに保存するようにした。(新規購入 $36、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、アップグレード $25、無料アップデート、34.5 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

Keyboard Maestro 10.2 の使用体験を話し合おう

1Password 8.9.4

1Password 8.9.4

AgileBits が 1Password 8.9.4 をリリースして、Touch ID でロックを外す際にアカウントパスワードをどの程度頻繁に要求するかを選べるようにした。このパスワードマネージャはまた、サイドバーでタグを Control-クリックして改名できるようにし、1Password アプリから 1Password の二要素認証をオフにできるようにし、大きなファイルをアップロードする際にファイルアップロードのタイムアウトを延長できるようにし、上下の矢印キーを押したままにして項目リストをスクロールすることができなくなっていたバグを解消し、いくつかのクラッシュを解消した。(購読年額 AgileBits から $35.88、新規にアカウントをセットアップする TidBITS 会員は 6 か月間無料、無料アップデート、2.9 MB のインストーラダウンロード、リリースノート、macOS 10.15+)

1Password 8.9.4 の使用体験を話し合おう

Safari 16

Safari 16

Apple が macOS 12 Monterey と macOS 11 Big Sur 用に Safari 16 をリリースして、新機能を追加しセキュリティアップデートを施した。これは間もなく macOS 13 Ventura と共に出荷されるものと同じバージョンだ。改訂されたこのウェブブラウザは Tab Group 機能を拡張して個々の Tab Group ごとに異なる背景画像やお気に入りを追加できるようにし、また個々の Tab Group でよく訪れるウェブサイトをピン留めできるようにした。さらに、サイドバー上のタブが開いたタブのリストを表示できるようにし、特定のウェブサイトでの設定をデバイス間で同期できるようになり、ウェブサイトごとの要件に合うように強力なパスワードを調整できるようになった。また、Safari 16 には4 件のセキュリティアップデートが含まれている。(無料、サイズはいろいろ、リリースノート、macOS 11+)

Safari 16 の使用体験を話し合おう

macOS Monterey 12.6 and Big Sur 11.7

macOS Monterey 12.6 と Big Sur 11.7

Apple が macOS 12.6 MontereymacOS Big Sur 11.7 をリリースして、Monterey では 8 件、Big Sur では 10 件のセキュリティ脆弱性をパッチした。iMovie、Maps、および kernel に固有のパッチも含まれている。これらのアップデートは Monterey または Big Sur の走る Mac 上で Software Update を使ってダウンロードできる。kernel 脆弱性の中には実際に悪用されているものもあるので、直ちにこれらのアップデートをインストールすることをお勧めしたい。アップデート後に何か問題に気付かれたら、ぜひコメントで教えて頂きたい。(無料、サイズはいろいろ、macOS 12 と macOS 11)

macOS Monterey 12.6 と Big Sur 11.7 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

ダウンロードしたアプリは最初に起動する前に移動させよう

私たちが知らなかった情報だ。Eclectic Light Company ブログで Howard Oakley が、Jeff Johnson による古い調査をもとに、Apple がほとんど明文化していないセキュリティメカニズム App Translocation について解説している。要約して言えば、macOS の Gatekeeper は無害なアプリの中に潜む悪意あるプラグインからの保護を目的として、アプリをランダム化された、読み出し専用の場所へ移動させる。新しい場所に移すことで、アプリが相対パスを使ってコードやコンテンツにアクセスすることが防がれるのだ。結果として、あなたがダウンロードして unzip したアプリを即座に開くと、開かれる前にそのアプリがランダム化されたディレクトリへと移され、その場所から開かれることになる。通常は何の問題も起こらないけれども、アプリが最初に起動される時点でクラッシュすることがごく稀にある。その回避策は (Oakley はダウンロードしたアプリでいつもそうすることを勧めているが) まずそのアプリ自体を (そのアプリを含むフォルダを動かしても意味がない) Finder を使って別の場所へ移動させてから起動することだ。例えば標準のアプリケーションフォルダ (つまり /Applications または ~/Applications) へ移すとよい。どうやら、そうするだけで macOS の App Translocation の必要がなくなり、それに伴うクラッシュが予防できるらしい。

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