Josh Centers はレビュー用の iPhone 14 を公式出荷日の数日前に思いがけなく手に入れることができたので、iPhone 11 Pro を使っている者の観点からこの iPhone 14 の第一印象を語る。今年の末をもって Dark Sky は終了するという Apple の発表を聞いて、Adam Engst は Apple の Weather アプリに新たに組み込まれた2つの Dark Sky 機能を検討する。それから、今週はいつもと違った趣向として、Adam が TidBITS スポンサー Rogue Amoeba のいろいろなオーディオアプリの珍しい使用事例を紹介する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Live Home 3D 4.5、Camo Studio 1.8、Fantastical 3.7 と Cardhop 2.2、それに Agenda 15 だ。
私は iPhone 11 Pro をまだ使っていて、これで 3 年になるが、たぶんあともう 1 年は使うだろうと思う。以前の私は TidBITS と Take Control ブックの仕事のために最新の進展について行きたいという気持ちもあって毎年 iPhone をアップグレードしていたのだが、ひっきりなしの出費にうんざりする気持ちになってきた。デバイスをテスト用に手元に置くことも、あるいは Apple に返品することもできたのだが、それにしても無駄なことに思える。
驚いたことに Apple が私にテスト用の iPhone 14 を送ってくれた。まだ数日間しか使っていないけれども、確実に言えるのは、そう、これは iPhone だ。新型の iPhone 14 Pro が Always-On ディスプレイと Dynamic Island センサーパッケージを備えていることを除いて、Face ID を導入した iPhone X 以来の iPhone はあまり大きくは変わっていない。毎年のアップグレードでより高速のプロセッサ、より良い接続性、よりシャープなカメラを実現しているけれども、古い iPhone も十分良いものだったので、私も含めて多くの人たちはアップグレードすべき切実な理由を見出せずにいる。
Apple は常に iPhone のカメラの改良に力を注いでいる。別に本格的に写真に取り組んでいる訳ではない私だが、妻と私はこの iPhone 14 で面白がって何枚か自撮り写真を撮影してみた。最初、私は大して感銘を受けなかった。写真は素敵だったが、ご覧の通り右上のところがやっぱり少し白飛びしている。
でも、私の古い iPhone 11 Pro で同じように撮影してみたところ、歴然とした違いがあった。
iPhone 14 は完璧ではないかもしれないが、背景に見える青空や雲の一部は失わなかった。これはおそらく、Apple の Deep Fusion テクノロジーが露出の異なる複数個の画像を組み合わせたことによるのだろう。でも、iPhone 11 Pro の方は夕方の太陽の光が空を完全に白飛びさせている。白くなりかけている私の髪も iPhone 14 の方がはっきり見えているし、妻やケチャップまみれの娘の顔も光の反射が目立たない。革新的な改善とは呼べないが、違いははっきり分かる。
Photographic Styles 機能も試してみた。これは Apple が iPhone 13 で導入した機能で、写真の色温度を素早く簡単に調整できるようにする。結果は感動するほどではなかった。違いは微妙なもので、わざわざ時間をかけて色温度をチェックしたい気にもならなかった。
The Office で Pam が言うように「どれも同じ写真」だ。
Night モードがよりシャープに
Apple は低光量下の写真と Night モードで大幅な改善がなされると約束した。新しい Photonic Engine のパイプラインを通すお陰だという。それが何なのかは知らないが。そして、この会社はそれをやり遂げた。もともと Night モードは露出を長くして光をより多く取り込もうとするが、それは同時に動きの影響が写真に出てしまうということも意味する。だから、例えばウサギのように速く動く被写体で Night モードを使うとぼやけてしまうことが多い。
iPhone 14 の Night モード写真はシャープさで明確な改善を示す。低光量での写真に不満を感じていた人は iPhone 14 を検討してみる価値があるかもしれない。
衛星経由の緊急 SOS と衝突事故検出機能はテストできない
この二つの安全のための機能は iPhone 14 における最も興味深い新機能二つだと言えるが、私はどちらもテストすることができない。衛星経由の緊急 SOS 機能は 11 月まで使えるようにならないし、衝突事故検出機能のテストが難しいことは明白だろう。(もっと長期間 iPhone 14 を持っていたなら、近所で開催されるスタントカーレースのドライバーを説得して試してもらうこともできたかもしれない。でも悲しいことに、つい最近ちょっと離れた場所だが Tennessee Valley Fair が終わったばかりだ。) 衝突事故検出の際のセンサーとしてマイクロフォンも使われるとのことなので、試しに自動車の衝突シーンを映したビデオクリップを大音量で再生してみたが、誤検出させることはできなかった。偶然に検出を引き起こすのは実質的に不可能だろう。
衝突事故検出をテストすることはできないけれども、この機能はきっと古くて安価なモデルを iPhone 14 に買い替えたいと思う主たる理由となり得るだろうと思う。ほとんどあらゆる人が自動車事故に巻き込まれる可能性を持っているし、大体においてそれは自分の手で防ぐことはできないので、万一衝突事故に巻き込まれた場合に即座に緊急サービスに連絡できる可能性が増すのならば (他の機能でほぼ同等と言える iPhone 13 に比べて) $100 余分に払う価値はあるのではないか? あるいは新型 Apple Watch も購入しようというのならば、全モデルの新型 Apple Watch が衝突事故検出機能を備えているので、衝突事故への保険はそちらに任せて iPhone の方は古いものにして少々節約するというやり方もあるかもしれない。
Action モードは何をするのか
iPhone 14 は Camera アプリに新しい Action モードボタンがあって、ビデオ撮影の安定化を向上させることで、撮影中に iPhone が動くのが避けられない状況下でもより安定した手ぶれの少ない映像が得られる。少なくとも、理論的にはそうなっている。
MacRumors が Apple に問い合わせて確認したところによれば、iOS 16.0 のバグによってオープンな Wi-Fi ネットワーク上でデバイスをアクティベートする際に問題が起こり、新しい iPhone 14、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Max を手にした人たちを悩ませているという。Apple が勧める回避策は、iPhone のセットアップの最中に Wi-Fi ネットワークに接続するよう促されたところで "Connect to Mac or to a PC with iTunes" を選んでから、一つ前の画面に戻ったところでもう一度 Wi-Fi を試すことだという。iOS 16.0.1 は新型 iPhone 14 モデル専用に出されていてこのアクティベーションのバグを修正しているけれども、iOS 16.0.1 はまだアクティベートされていない iPhone にしか Mac または PC を使ってインストールできない。新型 iPhone 14 のオーナーはいずれにしても iOS 16.0.1 をインストールすべきだ。これは、iMessage および FaceTime でアクティベーションが完了しないことがあるという別のバグも修正しているからだ。