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#1635: Adobe と Pantone の紛争、Matter は今すぐ重要か、OneWorld 65W 国際充電器、SaneBox で電子メールを飼い馴らす、TidBITS スポンサー e3 Software

いったいなぜ Adobe ユーザーは特定の色を使うために追加料金を払わなければならないのか? Adam Engst が色の持つ複雑な世界に足を踏み入れ、Adobe Creative Cloud ユーザーが今後 Pantone Connect を有料購読するか、または“Pantone 風”の色で我慢する回避策を使うかしなければならない理由を説明する。Josh Centers は Matter が公式にスタートしたことについて議論する。将来のホームオートメーションが壁に囲まれたエコシステムから解放されることを約束するものだが、まだその段階には達していない。Adam はギリシャ旅行から戻ったばかりだが、世界中どこでも 6 個のデバイスに電力を供給できる小型の国際プラグアダプタ OneWorld 65W をレビューする。Josh は他の手段に失敗した挙句 SaneBox を使ってようやく自分の電子メールを飼い馴らすことができた体験を語る。それから、新しい TidBITS スポンサーとして電子メールニュースレターアプリ Direct Mail のメーカー e3 Software を歓迎したい。今週注目すべき Mac アプリのリリースは (さあ深く息を吸って) Transmit 5.9、Logic Pro 10.7.5、GarageBand 10.4.7、Photos Search 4.0、Pixelmator Pro 3.1、Ulysses 28、Alfred 5.0.5、Hazel 5.2、1Password 8.9.8、Fantastical 3.7.3、それに HoudahGeo 6.3.3 だ。

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

e3 Software が TidBITS スポンサーに

私たちの最新の TidBITS 長期スポンサーとして e3 Software を心から歓迎したい。この会社は Mac 用の電子メールニュースレターおよびマーケティングアプリ Direct Mail のメーカーだ。電子メールは個々のメッセージレベルでは易しいものだが、受取人のリストを作ってテキストと少数のグラフィックス程度を超えるメッセージを送ろうとなると複雑なものになる。そのような状況に至る人々は多い。例えば何らかの非営利団体にボランティアとして参加して、数百人のメンバーに宛てて毎月ニュースレターを送りたいということもあるだろう。あるいは、コンサルタントとして働いていてクライアントたちに宛てて重要なセキュリティアップデートを知らせたいということもあるかもしれない。

Direct Mail は、メーリングリストを作って、魅力的な電子メールメッセージを書き、きちんと届くかに留意しながら送信して、その効力を追跡し、同僚たちと共同作業を進め、返信を自動化し、他のシステムと統合する、そういったことすべてを実行するために必要なあらゆる機能を提供する。

Direct Mail を使うことの最大の利点は、これがネイティブな Mac アプリであって、数多くの Apple テクノロジーにフル対応していることだ。これに似たソリューションの多くはブラウザの中で走る使い勝手の悪いウェブアプリなので、あなたのインターネット接続に依存しなければならない上に、うっかりタブを閉じてしまってそれまでの作業を一瞬で失うということもありがちだ。

Direct Mail Apple technology support

私は職歴の大半を電子メール中心の世界で生きてきた。私たちが TidBITS で (そして Joe Kissell に売却するまでの間は Take Control でも) する仕事の規模はカスタム開発に投資するに見合う大きさであったけれども、たいていの人にはそれと同じことのお勧めはできない。それよりも、Direct Mail のような Mac ネイティブなソリューションを利用する方がずっと早くて楽で安価だ。

Direct Mail は無料でダウンロードでき、月あたり 150 通までのメッセージ送信ならば無料で、人によってはこれで十分かもしれない。日常的にもっと大量の処理をしたい人は、メッセージ数は無制限だが購読者の人数に応じた月額料金を支払うことになる。あるいは、あまり頻繁に電子メールを送信しないという人は、メッセージ数に応じて料金を支払うこともできる。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Adobe/Pantone 色論争の説明と解決策

もし皆さんが出版界で色を使う仕事をしているのであれば、Adobe と Pantone の間のライセンスを巡る争いがどの様にして Pantone Color Books が Adobe Creative Cloud アプリから姿を消す結果となったかについて聞いたことがあるかも知れない。それは Illustrator, InDesign, そして Photoshop に対して 16 August 2022 以降にリリースされたアップデートから始まったのだが、November 2022 以降は3つの Pantone Color Books だけが存続する:Pantone + CMYK Coated, Pantone + CMYK Uncoated, そして Pantone + Metallics Coated である。

その他の Pantone Color Libraries にアクセスするには、Creative Cloud ユーザーは年額 $59.99 の (月額 $7.99) Pantone Connect ライセンスを購入し、そして概して評判の悪い Pantone Connect プラグインを通してライブラリにアクセスしなければならない。大抵の場合、既存ファイルはこれ迄の様に働くはずであるが、Adobe は Illustrator, InDesign, そしてPhotoshop のファイルがどの様に影響を受けるかの詳細を提供している。

可能性のある回避策は Culture Hustle の Stuart Semple からの FREETONE カラーパレットプラグインからくるかも知れない。このプラグインは 1280 の "Pantone ぽい" 色を提供する。Semple はこれらの色は Pantone 色と殆ど区別がつかないと言っている。それは Adobe や Pantone で働いておらず、提携関係にもない人に限り、このプラグインは無料で提供される。

我々と同様、これ全てが良く分からないと言うのであれば、Dan Vincent が自身の Userlandia ブログ及びポッドキャストに掲載した記事 The Adobe and Pantone Color Apocalypse: Frequently Asked Questions を参照されたい。

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Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

Matter 到着、しかし、今意味はあるか?

ホームオートメーションの頭痛の種の一つは、独自の壁に囲まれたプラットフォームが各種存在することである。Apple はその HomeKit エコシステムを持ち、Google には Google Home があり、そして Amazon は Alexa を持つ。もしあなたのホームオートメーション機器を統合するために Apple の Home アプリを使いたのであれば、購入する製品全てについてそれが HomeKit と働くかを評価しなければならない。そして、競合するチームからの機器に惹かれているのでれば、例えば Google Nest 温調器の様な、それが HomeKit 統合を諦めるだけの価値があるかどうかも判断しなければならい。

業界は、この分断がホームオートメーション市場全体の障害となっていることを認識し、集まって Connectivity Standards Alliance を結成した - 全てのホームオートメーション機器が通信出来るよう、その壁を取り壊そうと望む全ての大手のホームオートメーション業者の連合体。その解は Matter と呼ばれ、そしてそれは遂に現実となった。まあ、言ってみれば。

Matter は、4 November 2022 に Amsterdam での大きなイベントで発足し、それに対応する最初の機器についての発表も行った。このイベントに先立ち、Apple は Matter に対応するため iOS 16, iPadOS 16, そして macOS 13 Ventura で Home アプリを一から作り直した。

そのビジョンは? どんなエコシステムに属するどんなアクセサリを使っても継ぎ目のないホームオートメーションが構築出来る新しい世界である。

今の現実は?

私は長い目で見れば、それは業界から広く支援されているので、素晴らしいものになると確信している。しかしながら、今すぐどうこうなると言うものではないと思う。最先端にいる我々の様な者に試させて行けば、時間と共に自然とそれは収まるべき所に収まるであろう。

何が Matter に対応するか

公式の発足には実際の製品が必要となり、Matter も品揃えしたが、対応する製品の種類は下記のものに限定されている:

Matter チームは、他の人気のある機器に対するサポートにも力を入れている。例を挙げると、セキュリティカメラやロボット掃除機である。繰り返しになるが、Matter サポートは未だ進行中の長期プロジェクトである。Matter は6ヶ月毎に新しい機器カテゴリを公開する予定である。

Matter 認証の製品はもう既に 190 もある。他よりも目につく業者の一つは Eve である(同社は私の本 Take Control of Apple Home Automation のスポンサーでもある)。これ迄、Eve はもっぱら HomeKit に焦点を当ててきたが、12 December 2022 には、Eve Energy, Eve Door & Window, そして Eve Motion の Thread 対応バージョンに対してオプションとして Matter 有効化ファームウェアアップデートをリリースする。他の現行製品は来年アップデートされる。残念ながら、Thread 対応が必須なので、もっと前のモデルは Matter を利用するためのアップデートはなされない。

Eve 機器に対する Matter ファームウェアアップデートがオプションなのは、元に戻すことが出来ないからである。最初、機器をアップデートすると幾つかの機能を失うことになるかも知れないと思われていたが、Eve は静かにその問題を iOS 16.1 アップデートを使って解決した。

Eve 機器をアップデートする事に関するもう一つの問題は、Matter に対応するには Thread ボーダールーターが必要となることである。もし既に HomePod mini か第二か第三世代 Apple TV 4K を持っていれば問題は無いが、以前の HomeKit ハブ (iPad や HomePod の様な) は働かない。最近の Nest Hub やルーター、最近の Eero メッシュルーターもまた Thread ボーダールーターとして機能出来る。

Q1 2023 には、Philips Hue ハブもまた Matter 対応のためのアップデートを受ける。Hue アーキテクチャーの良い所は、アップデートが必要なのはハブだけであることである;個々の照明はそれを必要としない。しかしながら、Matter への移行で取り残されるものもある。例を挙げると、Hue Play や Hue Tap Dial Switch である。

現時点で私がお勧めするのは、その仕様が時間をかけて熟しそして自分の機器のどれがサポートされるのか評価する時間が取れるまで、オプションの Matter アップデートを全て避けることである。

私は何時 Take Control of Apple Home Automation をアップデートするのかという質問を何人かから受け取った。HomeKit と Home アプリに対する大幅な変更を考えれば、直ぐにやる必要があるが、私は未だ Matter が HomeKit に対して意味するものは何かについて理解しようとしている最中である。私はその答えを一年以上待ってきたが、まだはっきりしない。今までに幾つかの具体的なことは明らかになってきて、例えば、Matter サポートには何が必要か、そして最初に製品を市場に出してくる業者は誰かが明らかとなっている。しかし、その多くは、私が機器の試験を始めそしてその痛点は何処にあるかを見られるようになるまでは、未だ大部分が理論上にある。私としては、2022 年の終わり迄には何かを出したいとは願っている。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

OneWorld 65 が国際プラグアダプタを 65W USB-C 充電器に統合

最近、Tonya と私は休暇でギリシャに旅行した。旅行自体は私にとって COVID による厄介ごとに満ちたものであったけれども、少なくとも新しい機器の実地テストをする機会にはなった。それが、OneAdaptr 製の OneWorld 65 International Adapter with 65W Charger だ。

OneWorld 65

過去数年にわたって、私は旅行の際には Saunorch International Travel Power Adapter を使ってきた。ユニバーサル AC ソケットに 4 基の USB-A 電源ポートが付き、そのすべてがカラフルな小さな立方体に収められて、英国、ヨーロッパ、オーストラリアの電源コンセントにプラグを差して使える。(2018 年 6 月 15 日の記事“英国旅行のコツ: モバイル用の Giffgaff と交通機関用の Apple Pay”参照。) 問題なく使えたけれども、多くのデバイスが USB-C を使うようになったのでこの機器も古臭く見えてきた。

今回紹介する OneWorld 65 もそれと同じような製品だが、より大きな電力を使えて柔軟性も大きい。これも、プラグを内蔵していてスライダーを使ってプラグを切り替えることができ、米国、英国、ヨーロッパ、オーストラリアの電源コンセントに対応する。ちょっと巧妙な変換機能として、米国とオーストラリアのプラグ型を一つに組み合わせて、2 本の金属のブレードを少しだけ回転させることで傾斜のついたオーストラリアのジャックにも使えるようになる。今回の旅行で私はこれを米国とヨーロッパの電源コンセントに使って何の問題も経験しなかったが、この機器自体がかなり重いので壁のコンセントから落ちてしまうのではないかという気がした。(実際に落ちたことはなかった。) プラグは本体の中に格納されるので、ラップトップバッグの中に放り込んでも何かに突き刺さる心配はない。

OneWorld 65 country compatibility

充電ポートについては前面のユニバーサル AC ソケットの他に、底面に 2 基の USB-A ポートと 2 基の USB-C ポート、加えて側面に 3 番目の USB-C ポート 1 基がある。ユニバーサル AC ソケットは 10A で 100-250V、最大 2500 ワットに対応する。底面の USB-C はそれぞれ最大 15 ワットを提供し、USB-A ポートは最大 12 ワットで使える。けれども最大の特徴は側面にマウントされた USB-C ポートが 65 ワット Power Delivery 充電ポートであることで、これを使って私の MacBook Air を直接充電でき、重たい電源アダプタを家に置いて来ることができた。

この OneWorld 65 は最大 6 台のデバイスを同時に充電できるが、私が仕様表を正しく読めているとすればその状態では USB-C PD ポートが最大 45 ワットに落ちる。私たちは通常の AC 電源コンセントに差し込む必要のあるデバイスを持っていなかったが、同時に 5 台の USB デバイスを充電してみると完璧に動作した。MacBook Air の充電が他のデバイスに比べて時間が掛かったか否かは分からない。いずれにしても充電はすべて夜通しでしたのだから。

ポートのタイプが混合されていることでいろいろのことが楽になったが、それでもすべてを差し込むにはやはり手間が掛かった。Apple Watch 充電器はまだ USB-A だが、iPhone や AirPods ケースは USB-C to Lightning ケーブルをそれぞれ持っている。また、Tonya の iPad Air と私の MacBook Air はどちらも USB-C ケーブルを必要とする。すべてうまく行ったのだが、一度私は古い Lightning ケーブルを使えるようにするために超小型の USB-A to USB-C アダプタを使った。

これまで使っていた電源アダプタに比べれば OneWorld 65 は少し大振りに感じられるものの、これが 65W 充電器でもあることを考えれば十分小さなサイズだと言えるだろう。それが可能になったのは窒化ガリウム (GaN) テクノロジーのお陰だ。より小型の、高効率の、より低温で動作する充電器を作ることが可能になったからだ。

OneWorld 65 に対して私が本気で批判したい唯一の点は青い LED だ。暗いホテルの部屋の中であまりにも明る過ぎる。Tonya はこの種の LED が大嫌いで、旅行する度にいつも部屋の中で光を発するものの上に服を掛けて隠している。なので私は Amazon で LightDims Black Out Edition を見つけてとても嬉しかった。$7 ほどでさまざまのサイズのビニール製の遮光ステッカーが 100 枚以上手に入り、これで苛立たしい LED を覆って隠せる。(単に光量を減らすだけのタイプのものもある。) 再利用可能で、剥がしてもベタベタしたかすは残らず、その点が Tonya が前のアダプタに使っていた Band-Aid と違うところだ。彼女はステッカーが大好きなのだが、残念ながら OneWorld 65 の LED は USB-A ポートのすぐ横にあるのでそこから光が漏れ出てしまう。これをブロックするのは不可能なので、結局夜中に服で覆うやり方に戻った。

LightDims light-blocking vinyl stickers

OneWorld 65 の価格は $69 で、妥当な額だと思える。もっと安い値段で同等な充電器と国際プラグアダプタを入手することは可能だが、65 ワットの GaN 充電器と国際プラグアダプタを一つにして同時に 6 台のデバイスを充電できるとなれば他に比べるものはない。私はこれを旅行中だけでなく普段使いもしようと思っている。これは Apple 製の充電器と同等に機能するだけでなく、追加の USB 充電ポートも便利だし、MagSafe より前の世代の私の MacBook Air を充電するための磁気接続充電ナビンにも使える。(2021 年 3 月 4 日の記事“USB-C 用の安価な MagSafe 風アダプタは使う価値ありか?”参照。)

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

SaneBox で受信箱の主導権を取り戻す

TidBITS スタッフに加わって以来、私の電子メールはずっと酷い状態にある。テクノロジー系ジャーナリストなら誰でもそうだが、私のところにも無関係な広報や売り込みのメールが洪水のごとくひっきりなしに届いて、電子メールそのものがほとんど使い物にならない状態になっている。結果として、本物の人から届いた重要なメールを見逃してしまい、機会を掴み損ねたり読者を苛立たせたりすることになる。"inbox zero" などという言葉があったが、とんでもない、私の電子メールの実態は "inbox 600,000" だ。60 万通ものメールが溜まっていれば、いくらフィルターをかけたり削除したりしても、洪水に立ち向かうことなどもはや到底不可能だ。でも、SaneBox を試した途端に状況は一変した。(このリンクを使えば $25 値引きになる。)

SaneBox はどんな電子メールアカウントでも使えるアドオンのサービスで、パワフルなカスタムフィルタリングを追加する。これは迷惑メールフィルターよりもパワフルであり粒度も細かく、Apple Mail や Gmail のようなクライアントで一般的な電子メールフィルターよりもずっと賢くて管理もしやすい。

使い方は次のようにする。まず、あなたの電子メールログインを SaneBox に提供する。(つまり SaneBox にあなたの電子メールへのアクセスを許すことになるが、それは認める必要がある。) すると SaneBox は異なるいくつかの機能ごとに特別なフォルダを作成し、それを使って自動的に電子メールの仕分けをする。SaneBox はあなたが望まない電子メールを遮断したり、ニュースレターをそれぞれ専用のフォルダに入れたり、何日か後に電子メールについてのリマインダーを出したり、その他多くのことができる。

もっと何年も前から SaneBox にサインアップしておけばよかったと思うが、まずはそれをしなかった理由を説明させて頂きたい。

SaneBox の価格

SaneBox をべた褒めする人たちの声は何年も前から聞こえていたけれども、私は価格モデルを見て使う気をなくしていた。必ずしもそれは価格自体が理由ではなかった。価格は年額 $24 から $299 まで (月払いならば $7 から $36 まで) だが、私が気に入らなかったのはその価格レベルの仕組みだった。

たいていの購読サービスでは、設定された月額料金を払えばすべての機能を使えるか、あるいは少なくともレベルごとにそれぞれ機能の一部を使える。ところが SaneBox では機能の個数が固定されていて (個数は最初に自分で選ぶ) いつでもその個数の機能を有効化できる。例えば 6 個の機能の料金を払っていて 7 個目の機能を使いたければ、使っている機能のどれかをオフにするか、または追加料金を支払うかしなければならない。

私がそのやり方を厄介だと思ったのは、どの機能が必要なのか、何個が必要なのかが分からなかったからだ。ただ、ありがたいことに 2 週間の無料試用期間があるのですべての機能を試してどれを使いたいか選ぶことはできる。

利用できるレベルは次の通りだ:

現在私は Lunch レベルを購読しているが、しぶしぶこれを選んだというのが正直な気持ちだ。なぜなら、私が主に使っている機能は 3 つだけだからだ。費用対効果の一番良いものをと思って 2 年分を先払いした。

けれども予算が厳しいのなら、本当に必要な機能はたった 1 つだ。

望まないメールのためのブラックホール

SaneBox の最も重要な機能は SaneBlackHole フォルダだ。これは、望まないメールを 7 日間だけ保管してから、それをゴミ箱へ移す。あなたが一つのメッセージを SaneBlackHole へ移すと、その差出人からのすべての電子メールが自動的にそのフォルダに入る。これで、受信箱の管理がぐっと楽になる。なぜならメッセージを何度も手で削除したり、unsubscribe リンクが働くようにと願ったり、フィルター分けのカスタムルールを作ったりせずに済むからだ。

この SaneBlackHole が本当に素晴らしいのは、あなたがメッセージをその中へ動かして、その後考えが変わっても、その差出人からのメールをどれでもそこから inbox へ戻せば、その差出人からの他のすべてのメールもそれと一緒に戻って来るからだ。あなたが大きな間違いをしたと思っても SaneBox には Reset Trainings 機能があって、あなたが指定した二つの日付の間にしたトレーニングをすべて取り消し、その期間に SaneBlackHole に送られたすべてを元に戻すことができる。

Reset SaneBox trainings

SaneBlackHole のもう一つの素敵な点はメッセージを削除する前に一週間保持してくれることで、目を通したいけれども一定期間を過ぎれば価値が失われるもの、例えばオンライン小売店からのセール案内などをそれに任せてもよい。

SaneBlackHole のトレーニングはウェブサイトでも、あるいは対となる iOS アプリを使っても、一度に実行することができる。表示される提案は必ずしも私の気持ちと合致する訳ではないので、私は試用期間の初めに少し時間をかけて広報や売り込みの迷惑メールのうちどれを SaneBlackHole フォルダに送るか決めるようにした。

Training SaneBlackHole

当初、私はこの SaneBlackHole の働きについて疑いの気持ちを持っていた。けれども使ってみると驚くほどうまく動作する。私が SaneBlackHole に入れるように指定したメールのみがそこに入り、それ以上でもそれ以下でもない。驚くほど効果的に、私の inbox は再び使えるものとなり、それまで電子メールを飼い馴らそうと思って使っていた Fastmail フィルターやら余分のフォルダやらをすべて削除することができた。

SaneBox のその他の機能

SaneBox の機能はあなたが選んで使うものなので、SaneBox の使用体験は人によって大きく異なる。そこで、ここでは私が使っている他の機能を説明した後で、それ以外の機能が何をするものなのかを簡単に紹介しておこう。

SaneBlackHole 以外で私が最もよく使う SaneBox 機能は SaneNews だ。これはニュースレターやメーリングリストから届いた電子メールメッセージを手懐ける。全体的に見てかなりうまく働いているが、望まない迷惑メールもかなり多く紛れているので手作業で SaneBlackHole に送ってやらなければならない。

Sanebox ではあなた独自の基準に基づいて働くカスタム DIY フォルダを作ることもできる。しかしながらそうやって作った個々のフォルダはそれぞれ個別の機能 1 個としてカウントされるので、私はあまり多く使っていない。私が実際に使っているものの一つはアカウントをセットアップした際に SaneBox から提案されたもので、SaneReceipts という。これは注文の確認、支払い確認、出荷通知、更新メッセージなどを一か所に集める。役に立つ機能だ。

私は機能 6 個を使える料金を払ったので、SaneNoReplies もオンにした。これは送信したメールのうちで返信が届いていないものを集めておくことになっているのだが、なぜだか分からないが私が送信して返信が届いていないものはここに入ってくれない。どうなっているのかサポート担当に尋ねてみるつもりだが、とりあえず今はあまりお奨めできない。いずれにしても Apple ユーザーにとってはあまり必要でないものかもしれない。iOS 16、iPadOS 16、および macOS 13 Ventura の Mail には同じことをするフォローアップ機能が付いたからだ。

私が使ったことのない他の機能を挙げておこう:

SaneBox ツール

これらの機能と別に、SaneBox はすべての購読者を対象に無料でいくつかのツールを提供している:

電子メールのためのパワーツール

ここで私から見た SaneBox に関する現実的な期待度を述べておこう。これは電子メールをクリーンアップするためのパワフルな自動化ツールであるけれども、それでもやはりかなりの手作業を必要としている。メッセージを手作業で削除するのを木を斧で切り倒すことに例えるならば、電子メールフィルターはチェーンソーで切ることに例えられ、そして SaneBox は木材伐採機に例えられる。ある程度の時間と労力は必要だけれども、SaneBox があれば私がこれまでに試したどの方法に比べてもずっと速く仕事をこなすことができる。

電子メールの数があまりにも多くて圧倒されているなら、一度 SaneBox の 2 週間無料試用を試してみてはいかがだろうか。私のようにわずかのお金を惜しんで悲惨な状況に陥ることだけはしてはいけない。(繰り返すが、このリンクを使えば $25 値引きになる。)

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Transmit 5.9

Transmit 5.9

Panic が Transmit 5.9 をリリースして、SSH 証明書を使ったクライアント認証と、FIDO2 ECDSA-SK および Ed25519-SK キー認証への対応を追加した。また、このファイル転送アプリは FTP w/TLS ファイル転送の最大速度を増し、環境設定の "Connect to servers automatically" チェックボックスのチェックが突然外れてしまう問題を解消し、"Tab title shows folder" 設定の信頼性を高め、将来の macOS リリースに備えてデザイン上の各種の調整を加えた。(新規購入 $45、無料アップデート、35.4 MB、リリースノート、macOS 11+)

Transmit 5.9 の使用体験を話し合おう

Logic Pro 10.7.5

Logic Pro 10.7.5

Apple が Logic Pro 10.7.5 をリリースして、多数の追加機能、改良、バグ修正をこのプロフェッショナル向けオーディオアプリに施した。今回のアップデートでは Region Gain ツール、新しい Remove Crossfades キーコマンド、Ableton Link 対応、32-bit 浮動小数点形式のオーディオファイルへのネイティブ対応、ヒップホップ制作のために作られた力強い Stereo Output トラックプリセットを追加する。このリリースではまた、プロジェクトからプロジェクトへトラックをコピーした際に起こったクラッシュを解消し、Sampler でサンプルをブラウズする際のパフォーマンスを上げ、領域が選択された状態で VoiceOver を使ってコンテクストメニューを開くことができるようにし、複数個の既存の Flexed 領域にまたがって録音する際に Flex 編集を維持するようにし、同一グループ内のオートメーション変更がロックされたトラックに適用されなかった問題を修正している。(Mac App Store から新規購入 $199.99、無料アップデート、1.1 GB、リリースノート、macOS 12.3+)

Logic Pro 10.7.5 の使用体験を話し合おう

GarageBand 10.4.7

GarageBand 10.4.7

Apple が GarageBand 10.4.7 をリリースして、この音楽制作およびオーディオ編集アプリにアクセシビリティとパフォーマンスの改善を施した。今回から GarageBand は Smart Controls インスペクタの mono/stereo セレクタの状態を VoiceOver を使って正しく知らせるようにし、Guitar Lesson ページで立ち往生することがないようにし、Intel Audio Unit プラグインが期待通りにロードし機能するようにし、トラック上で Voice Memo をドラッグできるようにし、メトロノームの音色スライダーを調整する際の一貫性を改善し、トラックヘッダの横幅にかかわらず常に音量スライダーが見えているようにした。(Mac App Store から無料、無料アップデート、795.1 MB、リリースノート、macOS 12.3+)

GarageBand 10.4.7 の使用体験を話し合おう

Photos Search 4.0

Photos Search 4.0

Alco Blom が Photos Search のバージョン 4.0 をリリースして、Photos ライブラリと統合するとともに、画像の中のテキストを検索できるようにした。(2021 年 8 月 23 日の記事“TextSniper と Photos Search で画像の中のテキストを扱う”参照。) 今回のアップデートでは回転や手書き文字に対する認識能力を向上させ、また macOS 13 Ventura で日本語、韓国語、ロシア語、ウクライナ語への対応を追加している。macOS 用アプリを購入すれば iOS 用アプリ (iOS 13 かそれ以降が必要) も無料で使える。(新規購入 $12.99、無料アップデート、480.6 KB、macOS 10.15+)

Photos Search 4.0 の使用体験を話し合おう

Pixelmator Pro 3.1

Pixelmator Pro 3.1

The Pixelmator Team が Pixelmator Pro 3.1 (ニックネームは Fortuna) をリリースして、macOS 13 Ventura とフル互換にするとともに、AVIF 画像ファイルを開くための初期対応を追加した。この画像エディタはまた、書類を開く際のパフォーマンスを改善し、角の丸い長方形を編集する際に新しいキャンバス上のコントロールを使って角の調整ができるようにし、書き出しの進行状況を追跡するための新しいキャンバス上の進捗インジケータを導入し、倍率 0.5x で書き出す際にテキストレイヤーが消えてしまうことがあったバグを修正し、ML Super Resolution を使用した後に Export for Web 設定の一部が反応しなくなった問題を解消している。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、無料アップデート、506.7 MB、リリースノート、macOS 11+)

Pixelmator Pro 3.1 の使用体験を話し合おう

Ulysses 28

Ulysses 28

Ulysses が会社名と同名の執筆アプリ Ulysses のバージョン 28 を出して、macOS 13 Ventura への対応を追加するとともに、シートの共有を改良し、画像の Photos からの追加に対応した。今回のリリースではまた、段落や表の中の画像のプレビューを表示するようになり、Revision モードをアップデートして表の中のテキストをチェックするようにし、いくつかのクラッシュ (例えばコードブロックや番号付きリストで作業している際のもの) を修正した。Ulysses は iPadOS 16 用にもアップデートされ、こちらは Stage Manager にフル対応した。(Mac App Store から購読月額/年額 $5.99/$49.99、Setapp からも入手可、無料アップデート、29 MB、リリースノート、macOS 11+)

Ulysses 28 の使用体験を話し合おう

Alfred 5.0.5

Alfred 5.0.5

Running with Crayons が Alfred 5.0.4 をリリースして、このキーボード駆動ランチャーに 2 件の macOS 13 Ventura 関係の調整を加えた。具体的には Cryptexes フォルダ内のアプリで search-result subtext をクリーンアップし、Safari の pre-cache location を更新した。このリリースでは Folders in Home が選択されている場合のホームフォルダの検出を改良し、"search scope Reset..." ボタンに新たなオプションを追加し、Workflow ユーザー設定を AppleScript で設定・削除できるようにした。そのリリースの後間もなく、バージョン 5.0.5 が出されて日付のプレースホルダーに関する若干のロールバックと拡張を施した。(基本的機能は無料、Powerpack は 34 ポンド、6.4 MB、リリリースノート、macOS 10.14+)

Alfred 5.0.5 の使用体験を話し合おう

Hazel 5.2

Hazel 5.2

Noodlesoft が Hazel 5.2 を出した。このファイル自動化およびクリーンアップユーティリティに拡張とバグ修正を施した、メンテナンス・アップデートだ。今回のリリースでは Full Disk Access のユーザーインターフェイスを macOS 13 Ventura 用に更新し、Ventura 上のヘルパープロセスがヘルパーを走らせることに失敗したり、ルールを走らせようとすると問題を起こしたりしていた不具合を解消し、保存先フォルダのポップアップに Show in Finder を追加し、ゴミ箱にあるファイルを削除する際に SSD や暗号化されたドライブでは "secure delete" 設定を無視するようにし、またいくつかのハングやクラッシュを修正した。(新規購入 $42、5 名のファミリーパックは $65、無料アップデート、20.6 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

Hazel 5.2 の使用体験を話し合おう

1Password 8.9.8

1Password 8.9.8

AgileBits が 1Password 8.9.8 をリリースした。このパスワードマネージャに改良やバグ修正を施した、メンテナンス・アップデートだ。今回のリリースではロックを外すアニメーションの速度を上げ、別のヴォールトへ項目を移す際に見えるポップアップのスクリーンリーダー対応を改良し、ロック画面上のパスワードフィールドにフォーカスがないことがあった問題を解消し、一時的パスワードフィールドをセットアップする際の QR コードのスキャンを改良し、ポップアップメニューに表示される項目のサイズを調整し、タイトル冒頭に記号がある場合のアルファベット順並べ替えに関係する問題点に対処し、Manage Accounts ウィンドウの速度低下を招いていたバグを修正した。(購読年額 AgileBits から $35.88、新規にアカウントをセットアップする TidBITS 会員は 6 か月間無料、無料アップデート、2.9 MB のインストーラダウンロード、リリースノート、macOS 10.15+)

1Password 8.9.8 の使用体験を話し合おう

Fantastical 3.7.3

Fantastical 3.7.3

Flexibits が Fantastical 3.7.3 をリリースして、Beacon および Gong の会議と、カスタムカラーの Fastmail との同期への対応を追加した。このカレンダーアプリは今回、カレンダーセットの変更の取り消しとやり直しができるようにし、"day starts" 設定が 11 PM または 12 PM になっている場合に 10 AM にスタートするイベントが 10 PM にジャンプしてしまったバグを修正し、データベース統合を実行中に起こったクラッシュを解消し、招待状への返信やキャンセルの際に ICS ファイルの読み込みに失敗した問題に対処し、また macOS 13 Ventura.を試したり走らせたりした際のクラッシュを解消した。( Flexibits からも Mac App Store からも購読年額 $39.96、無料アップデート、62.4 MB、 リリースノート、macOS 11+)

Fantastical 3.7.3 の使用体験を話し合おう

HoudahGeo 6.3.3

HoudahGeo 6.3.3

10 月末に Houdah Software は HoudahGeo 6.3.1 をリリースして、macOS 13 Ventura に対応するとともに圧縮 RAW ファイルに関係する稀なクラッシュとバグを修正した。その後同社はバージョン 6.3.2 をリリースして、このアプリケーションをインストールしたものとは違うアカウントからログインした際の問題に対処し、それからバージョン 6.3.3 をリリースして Adobe Lightroom Classic 12 への対応を追加した。(新規購入 $39、TidBITS 会員は 25 パーセント割引、無料アップデート、27.3 MB、 リリースノート、macOS 10.14+)

HoudahGeo 6.3.3 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

Ventura のバグによりセキュリティソフトウェアのリアルタイム機能が無効に

Thomas Reed が Malwarebytes Labs ブログで報告したところによれば、macOS 13.0 Ventura のバグによって Malwarebytes のリアルタイム保護機能が働かなくなっているという。このバグは、Full Disk Access のアクセス権を必要とする他のセキュリティソフトウェアにも影響を与える。Apple は問題を認識しており、macOS 13.1 で修正されると述べている。当面の対策として、Reed は影響を受けたソフトウェアで Full Disk Access のアクセス権を一旦破棄してからリセットする簡単な手順を述べている。別の方法として、Malwarebytes あるいは他の同様のアプリでスキャンを手動で走らせるのもよいだろう。一般的に言って私たちはパフォーマンスやその他ユーザー体験に悪影響を与えるのでアンチマルウェアソフトウェアのリアルタイム保護機能を推奨していないが、企業のセキュリティ方針によって他に選択の余地がないこともあるだろう。

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