そのことを別にすれば、私は前回の記事に書いた提案をそのままここでも述べざるを得ない。つまり、画面記録の承認を最初に得た後は、その数日後にもう一度だけ "Continue to Allow" プロンプトをユーザーに向けて表示するのだ。そうすれば、アプリをインストールした後間もなく記憶に新しいうちにユーザーがこの承認について考えることができ、承認を取り消したり、あるいは短期間のみ使う予定だったならばアプリを削除したりもできるだろう。その Mac に管理者アクセス権を持つ誰かによって (例えば家庭内の乱用者によって) 悪意ある録画アプリがインストールされたというような仮説上の状況においても、ランダムにスケジュールされた第2のプロンプトを隠すことは難しいだろう。
開発者や、ベータテスターたち、そしてメディアからの否定的な反応を受けて、Apple は既にこの機能を少しだけ後退させるに至った。けれども、この現状を私たちは受け入れる価値のある歩み寄りと見なすべきではない。そもそもなぜ Apple がこのようなお粗末な選択をしたのか、何も説明されていないからだ。私は引き続き、皆さんの思いを Apple に知らせるようにとお勧めしたい。もしあなたが公開ベータ版の Sequoia を使っているなら、もう一度あらためて Feedback Assistantを使ってこれらのダイアログについてバグ報告をして頂きたい。ベータ版をテストしていない人も、Apple の Feedback ページを使ってみることはできる。例えば Mac をアップグレードするつもりだからと書けばよいだろう。
Apple が macOS 14.6 Sonoma をリリースした際に、Apple silicon Mac 上で iPhone 用アプリや iPad 用アプリを走らせるとアプリがクラッシュしたバグがその前回のリリース候補版で修正されたことを Howard Oakley が報告した。私自身は単に可能だと確かめるために M1 MacBook Air 上で一つだけ iPhone 用アプリを走らせてみたことがあるのみだったので、彼の記事を読んだ私の反応は、皮肉を込めた「いったい誰がそんなことに気付いたのか?」だった。
いや、確かにそれは公正を欠いた言い方だし、Apple silicon Mac 上で iPhone や iPad のアプリを走らせている人はきっといるに違いない、と私は思い直した。でも、実際にそれをしている人が TidBITS 読者のうちでどれくらいいるのだろう? これは調べてみたい。ということで、今週のアンケートの質問は Apple silicon Mac を持っている人限定とさせて頂き、 M シリーズ Mac 上でどの程度頻繁に iPhone または iPad のアプリを走らせていますか、と尋ねることにした。もしあなたが iPhone または iPad のアプリを Mac 上で走らせているなら、どのアプリを走らせているか、なぜそうしているかもお教え願いたい。Apple silicon Mac を持っていない人にはアンケートへの回答をご遠慮願いたいが、この機能に関する議論にはどうぞお考えを書き込んで頂きたい。
iOS 18.1 より、デベロッパは Apple Pay および Apple ウォレットとは別に、iPhone 上の自社アプリ内で、Secure Element を使って NFC 非接触決済を提供できるようになります。デベロッパは新しい NFC API と SE (Secure Element) API を使って、店内の支払い、車のキー、交通系ICカード、社員証、学生証、ホームキー、ホテルの部屋の鍵、店舗のメンバーズカードやポイントカード、イベントのチケット、および今後サポートされる政府機関発行の身分証明書に、アプリ内の非接触決済を提供できるようになります。
今年の後半に iOS 18.1 が出荷された後で開発者たちがこの機能を利用するようになれば、iPhone は常に手元に持っているべきものとしてますます重要な存在となることだろう。注意すべきは Apple が上で挙げたものが応用の可能性のすべてであることで、開発者向けマニュアルには上に挙げられた目的のどれかに使うアプリのみを Apple は承認すると明記されている。
この機能に関連してApple は Apple Watch に触れていないが、私たちユーザーとしては watchOS アプリも、現在使えている Apple Pay での使用と同様にこれらの非接触決済に使えるようになることを願っている。
カリフォルニア州では間もなく運転免許証と州発行身分証明書を Apple Wallet に追加することができるようになり、iPhone または Apple Watch のみを使ってシームレスかつセキュアなやり方で運転免許証や州発行身分証明書を呈示できるようになります。
Apple はこの機能の登場を素晴らしいものに見せようとしているけれども、これは大体において象徴的なものだと言わざるを得ない。なぜなら、引き続き運転免許証や州発行身分証明書を携帯しなければならないからだ。今回のことはカリフォルニア州のモバイル運転免許証 (mDL) 社会実験の一環であり、詳しく読めば州発行身分証明書への対応は詳細不明の企業と米国内 27 の空港での TSA PreCheck に限られていることが分かる。カリフォルニア州の発表によれば「警察、州政府機関、および諸企業はまだ mDL 受け入れに対応していない」という。また、カリフォルニア州は独自の CA DMV Wallet アプリをiOS 用 と Android 用に出している。
カリフォルニア州は今回 Apple Wallet でデジタル身分証明書に対応する他の5つの州、アリゾナ、コロラド、ジョージア、メリーランドおよびオハイオに加わることになる。私が住むニューヨーク州もつい最近になって独自の Mobile ID (MiD) プログラムを発表し iOS 用 と Android 用のアプリを出したので、近いうちにこれらの州に加わることになるだろう。ただし、これらのデジタル身分証明書のいずれも、従来の物理的な身分証明書の携帯義務をなくす訳ではない。残念なことに、デジタル身分証明書と物理的身分証明書を同等に使えるようになるまでにはまだ何年もかかるようだ。