Apple が 2024 年 9 月 9 日にイベントを開催すると発表した。私たちとしては礼儀上、びっくりした声で「iPhone 16 ですって? 意外でした! その上に Apple Watch Series 10 と Apple Watch Ultra 3 ですか? Apple にはいつも驚かされます」と言うことになるのだろう。でも私たちがもっと驚いたのは Apple がウェブ版の Apple Podcasts をリリースしたことで、これでユーザーは自分の好きなウェブブラウザでポッドキャストを聴ける。さて、私たちの最新の Do You Use It? アンケートの結果が出たが、回答者の半数近くが Apple silicon Mac 上で iPhone または iPad のアプリを走らせていると分かった。そんなことが可能だと知らなかった人のために、Adam Engst が使い方を説明する。以前から Adam はソーシャルメディアを使うのを止めて信頼できる情報源を使うようにしようと人々に勧めているが、そのためのツールとしてニュースを他の電子メールと一緒に並べて読めるようにする 3 つの RSS-to-email サービスを比較する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは BBEdit 15.1.2、Carbon Copy Cloner 7.0.2、EagleFiler 1.9.15、Fantastical 3.8.23、Final Cut Pro 10.8.1、それに Quicken 7.9 だ。
曜日の選択に驚きはあったが、Apple は 9 September 2024 の 10 AM (Pacific Time) に行われるイベントを発表した。それは Apple の ウェブサイトから、或いは Apple TV 上でストリーミング出来、Apple はそれをカレンダーに追加するのを簡単にしている。月曜日は Apple の発表としては珍しい日であるが、John Gruber が指摘しているように、もし従来通り火曜日とすると、その日は米国大統領討論会が予定されており、Apple のニュースと競合することになってしまう。私は、その日の内に TidBITS のために発表を要約し、週の後半にさらに深く掘り下げなければならなくなるかもしれない。
イベントのじらし題名は "Glowtime" で、ひょっとすると Siri がコマンドを待って耳を傾けているという新しい iOS 18 を示唆する言及なのかもしれない。このイベントの焦点はまず間違いなく iPhone 16 のラインナップで、それと共にApple Watch Series 10 と Apple Watch Ultra 3 も予想される。過去の実績が何らかの兆候だとすれば、予約注文開始は September 13 の金曜日となり、1週間後のSeptember 20 に受け取ることが出来るであろう。Apple はまた、少なくとも iOS 18 と watchOS 11 のリリース日を発表すると思われ、残りの Apple のオペレーティングシステムも同一または少なくとも非常に類似したスケジュールで登場すると思われる。
ウェブベースのこの Podcasts クライアントは podcasts.apple.com からアクセスでき、見た目も動作も iPhone や iPad や Mac 上のネイティブな Apple Podcasts アプリと (ウィンドウサイズさえ揃えれば) ほとんど同一だ。
サインインしたくないユーザーも、何百万もある無料のポッドキャストを聴いたり、Top Charts をブラウズしたり、Apple エディトリアルコレクションを利用したりできる。Apple ID でサインインすれば、自分の Library、Up Next Queue、および購読にアクセスできる。サインインしたユーザーは番組をフォローしたり再生状況を保存したりもできる。
いったいなぜ Apple が突然自らのアプリやサービスのいくつかでウェブ版の作成を始めたのか、好奇心が湧いたことを白状しなければならない。もちろん何年も前から Apple がそれをすることを妨げるものはなかった。Google や Spotify ははるか昔から有能なウェブアプリを作っているのだから。いくつかの可能性が考えられる:
エコシステムに重点を置くため: これまでは、Apple デバイスのみにサービスを制限することで売り上げを促進できるという考え方もあっただろう。けれども今や Apple は、Apple 以外のデバイスにもサービスを広げることで新たなユーザーを呼び込むとともにクロスプラットフォームの既存のユーザーを囲い込む力になると考えているのかもしれない。
我々の最新の Do You Use It? 調査では、Apple シリコンを搭載した Mac 上でiPhone または iPad アプリを使用する頻度を尋ねた。もしあなたが、回答者の 19%の様に、この機能について知らなかったならば、楽しみが待っているかも知れない。Apple は何年もの間、iPhone と iPad 用に独自のチップ A シリーズを作ってきた。同社が Mac を M-series のチップで Apple シリコンの世界に仲間入りさせた時、その利点の一つは、iPhone や iPad 用に書かれたアプリが M-series Mac 上で変更無しに実行出来ることであった。
回答者の 34% は、この機能について知っているが、使っていない。私はこのカテゴリに属するが、常に iPhone をポケットや手元に持っているので、それを使うのに何ら問題はなく、わざわざ M1 MacBook Air に iPhone アプリを置く必要も無い。加えて、私は iPhone アプリを実行できない Intel-based 27-inch iMac上でより多くの時間を費やしているので、一つの Mac にはあるが、もう一つの Macには無いというのは余り意味をなさない。他の人は、単に Mac の文脈で役立つiPhone や iPad のアプリを見つけられなかったと言った。
全ての iPhone や iPad のアプリが Mac 上で走るわけではない。開発者は、彼らのiPhone や iPad のアプリが Mac 上で走るのを阻止することが出来るが、追加のテストとサポートを避けるためにそうする人もいれば、Mac ユーザーにはネイティブの Mac アプリ (別に購入する必要があるかもしれない) か Web アプリのいずれかを使って欲しいと望む人もいる。Mac 上で走るのを拒否するアプリのカテゴリでは、人々は Apple の Health と Logic Pro アプリ、HBO Max と Netflix、iRobot Roomba アプリ、Minecraft、そして Substack について不平を言っていた。
Howard Oakley は自身のブログ The Eclectic Light Company で Mac や Mac ソフトウェアについて素敵な内容の記事を書いているが、彼はそれ以外にも長年かけて基本的に美術史の教室のようなものを運営してきた。アート関係の彼の記事はいろいろな絵画を扱っていて、何らかのテーマ、特定の画家、時期、地方、あるいは対象などで収集し解説している。私には絵画の知識がほとんどなかったので Howard の記事を通じて学ぶのがとても楽しく、しかも彼はいつも自分の文章に添えてその絵画のパブリックドメインのコピーを載せている。
Apple が Final Cut Pro 10.8.1 をリリースして、かなり厄介だった 3 件のバグを修正した。最も重要な点として、トラックパッドで3本指のジェスチャーを使用すると Final Cut Pro が応答しなくなることがあった問題 (多くの場合ユーザーがもう一度1本指のジェスチャーをしていた) がこのアップデートで修正された。また、左矢印キーや右矢印キーでタイムラインのクリップ間を移動した際にオーディオが再生されなくなった問題が修正され、一部の MTS ファイルがオーディオなしで再生されることがあった問題が解消された。(新規購入 $299.99、無料アップデート、5.07 GB、リリースノート、macOS 13.5+)
Apple が 17 年間で最大の賭けを 2 月 2 日に発売した。このデバイスについて何か踏み込んで考えるより前に、私はまず数か月間これを使ってみて、他のユーザーや開発者がどうしたか (あるいはしなかったか) を観察しようと思った。そして今ここに、Apple 自身が期待したものと費やしたもの、この Vision Pro が達成したものと達成していないもの、公正な評価と不公正な評価その他について“6 か月使ってみての 9 つの考察”としてまとめてみた。
Ball の分析は Apple Vision Pro について興味深い視点を提供しており、EyeSight 機能がその代償に見合うものでない (しかもより安価なデバイスに搭載されるとは思えない) こと、現状の Vision Pro は大体において VR デバイスに過ぎないこと、この種のヘッドセット (あるいは Apple の舌を噛みそうな用語を使えば空間コンピューティングデバイス) はほとんどの人にとって日々の使用で何か他のデバイスを置き換えるものとならないので使われるようになるまでには困難な道が待ち受けているであろうことを示唆している。
私自身が Vision Pro に関して読んだ文章や、数か月前に Apple Store で手に取って試した実演のどれも、これを買いたいと私に思わせるものではなかった。ハードウェアは確かに素晴らしいし、大体において言われている通りに動作はするけれども、その空間写真や空間ビデオのいくつかはあまりにも対象に近いところに自分を置くように感じられ、相手のパーソナルスペースに踏み込み過ぎる気がして非常に不快だった。もちろん意見や体験は人によって違うだろうが、それでも私にはまだ Vision Pro が自分の現在のコンピューティングとメディア消費の世界にしっくりはまるとは思えない。