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#1721: Apple イベントは 9 月 9 日、ウェブ版の Apple Podcasts、Mac 上の iPhone アプリ、RSS-to-email サービスを比較

Apple が 2024 年 9 月 9 日にイベントを開催すると発表した。私たちとしては礼儀上、びっくりした声で「iPhone 16 ですって? 意外でした! その上に Apple Watch Series 10 と Apple Watch Ultra 3 ですか? Apple にはいつも驚かされます」と言うことになるのだろう。でも私たちがもっと驚いたのは Apple がウェブ版の Apple Podcasts をリリースしたことで、これでユーザーは自分の好きなウェブブラウザでポッドキャストを聴ける。さて、私たちの最新の Do You Use It? アンケートの結果が出たが、回答者の半数近くが Apple silicon Mac 上で iPhone または iPad のアプリを走らせていると分かった。そんなことが可能だと知らなかった人のために、Adam Engst が使い方を説明する。以前から Adam はソーシャルメディアを使うのを止めて信頼できる情報源を使うようにしようと人々に勧めているが、そのためのツールとしてニュースを他の電子メールと一緒に並べて読めるようにする 3 つの RSS-to-email サービスを比較する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは BBEdit 15.1.2、Carbon Copy Cloner 7.0.2、EagleFiler 1.9.15、Fantastical 3.8.23、Final Cut Pro 10.8.1、それに Quicken 7.9 だ。

Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Apple "Glowtime" イベント 9 September 2024 に

曜日の選択に驚きはあったが、Apple は 9 September 2024 の 10 AM (Pacific Time) に行われるイベントを発表した。それは Apple の ウェブサイトから、或いは Apple TV 上でストリーミング出来、Apple はそれをカレンダーに追加するのを簡単にしている。月曜日は Apple の発表としては珍しい日であるが、John Gruber が指摘しているように、もし従来通り火曜日とすると、その日は米国大統領討論会が予定されており、Apple のニュースと競合することになってしまう。私は、その日の内に TidBITS のために発表を要約し、週の後半にさらに深く掘り下げなければならなくなるかもしれない。

イベントのじらし題名は "Glowtime" で、ひょっとすると Siri がコマンドを待って耳を傾けているという新しい iOS 18 を示唆する言及なのかもしれない。このイベントの焦点はまず間違いなく iPhone 16 のラインナップで、それと共にApple Watch Series 10 と Apple Watch Ultra 3 も予想される。過去の実績が何らかの兆候だとすれば、予約注文開始は September 13 の金曜日となり、1週間後のSeptember 20 に受け取ることが出来るであろう。Apple はまた、少なくとも iOS 18 と watchOS 11 のリリース日を発表すると思われ、残りの Apple のオペレーティングシステムも同一または少なくとも非常に類似したスケジュールで登場すると思われる。

Apple のイベント中に他の TidBITS 読者とおしゃべりしたい場合は、SlackBITSでご参加下さい

Apple Glowtime event

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Apple Podcasts がどのウェブブラウザでも利用可能に

Apple が、Apple Podcasts がウェブ上でも利用できるようになったと発表した。先月 Apple Maps のウェブ版をリリースしたのに続いて (2024 年 7 月 24 日の記事“Apple Maps on the Web がベータで登場”参照)、これは仕事で Windows を使わざるを得ない Apple ユーザーにとって嬉しい知らせだ。

ウェブベースのこの Podcasts クライアントは podcasts.apple.com からアクセスでき、見た目も動作も iPhone や iPad や Mac 上のネイティブな Apple Podcasts アプリと (ウィンドウサイズさえ揃えれば) ほとんど同一だ。

Apple Podcasts on the Web

サインインしたくないユーザーも、何百万もある無料のポッドキャストを聴いたり、Top Charts をブラウズしたり、Apple エディトリアルコレクションを利用したりできる。Apple ID でサインインすれば、自分の Library、Up Next Queue、および購読にアクセスできる。サインインしたユーザーは番組をフォローしたり再生状況を保存したりもできる。

いったいなぜ Apple が突然自らのアプリやサービスのいくつかでウェブ版の作成を始めたのか、好奇心が湧いたことを白状しなければならない。もちろん何年も前から Apple がそれをすることを妨げるものはなかった。Google や Spotify ははるか昔から有能なウェブアプリを作っているのだから。いくつかの可能性が考えられる:

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Do You Use It? M-Series Mac 上での iPhone アプリの使用は中程度

我々の最新の Do You Use It? 調査では、Apple シリコンを搭載した Mac 上でiPhone または iPad アプリを使用する頻度を尋ねた。もしあなたが、回答者の 19%の様に、この機能について知らなかったならば、楽しみが待っているかも知れない。Apple は何年もの間、iPhone と iPad 用に独自のチップ A シリーズを作ってきた。同社が Mac を M-series のチップで Apple シリコンの世界に仲間入りさせた時、その利点の一つは、iPhone や iPad 用に書かれたアプリが M-series Mac 上で変更無しに実行出来ることであった。

Do You Use It? poll results for iOS apps on a Mac

回答者の 34% は、この機能について知っているが、使っていない。私はこのカテゴリに属するが、常に iPhone をポケットや手元に持っているので、それを使うのに何ら問題はなく、わざわざ M1 MacBook Air に iPhone アプリを置く必要も無い。加えて、私は iPhone アプリを実行できない Intel-based 27-inch iMac上でより多くの時間を費やしているので、一つの Mac にはあるが、もう一つの Macには無いというのは余り意味をなさない。他の人は、単に Mac の文脈で役立つiPhone や iPad のアプリを見つけられなかったと言った。

しかしながら、回答者の半数近く - 47% - は、時折または定期的にこの機能を使うと言った 。これらの人々は、Mac 上で役に立ったとして、幅広い iPhone またはiPad アプリを引き合いに出した。最も多かったのは人気のポッドキャストクライアント Overcast であった。また、多用されていたのは、Authy 等の2要素認証アプリ、WyzeEufy のような会社からの防犯カメラを管理するためのアプリ、発電機、ヒートポンプ、温度計、サーモスタット、センサー、換気、給湯器、そして窓用ブラインド等のスマートホーム機器に関連するアプリであった。何人かの人は、Apple の iPhone Weather アプリを Mac 上で 走らせていると言っていたが、macOS 13 Ventura 以降、ネイティブの Mac バージョンの Weather が利用可能になっているので、どうしてそうしているのかは私には分からない。

全ての iPhone や iPad のアプリが Mac 上で走るわけではない。開発者は、彼らのiPhone や iPad のアプリが Mac 上で走るのを阻止することが出来るが、追加のテストとサポートを避けるためにそうする人もいれば、Mac ユーザーにはネイティブの Mac アプリ (別に購入する必要があるかもしれない) か Web アプリのいずれかを使って欲しいと望む人もいる。Mac 上で走るのを拒否するアプリのカテゴリでは、人々は Apple の Health と Logic Pro アプリ、HBO Max と Netflix、iRobot Roomba アプリ、Minecraft、そして Substack について不平を言っていた。

macOS 15 Sequoia と iOS 18 の来るべき iPhone ミラーリング能力が、Mac 上でiPhone アプリを走らせたいという欲求を減らすかどうかはまだ分からない。iPhoneミラーリングは T2 チップを搭載した Intel-based Mac でも動作するので、私にとっては役立つであろう。iPhone ミラーリングがどれほど人気になったかは来年確認したいと思う。

M-Series Mac 上で iPhone や iPad アプリをインストールし使用する

iPhone や iPad アプリを Apple シリコン Mac にダウンロードするには、まず Macの App Store アプリを開く。サイドバーの下部にある自分の名前をクリックし、Account の下の iPhone & iPad Apps をクリックすると、自分がすでに購入したアプリが表示される。アプリは時系列で逆順にソートされ、最新のダウンロードが上部に来るので、特定のアプリを見つけるのが難しくなる可能性はある。

Downloading a purchased iOS app on a Mac

App Store で、サイドバーの上部でアプリを検索し、必要に応じて iPhone & iPad Apps をもう一度クリックして結果を表示する方が簡単かもしれない。どちらにしても、クラウドダウンロードをクリック、Get、または価格ボタンをクリックしてアプリを入手する。

Searching for an iOS app on a Mac

ダウンロードしたら、Mac アプリと同じように iPhone と iPad のアプリを起動する。通常は1つのウィンドウに制限されているため、使い勝手は多少異なるかもしれない。一部の iPad アプリは、複数のウィンドウ (例えば、CARROT Weatherの Map ウィンドウ) を開くことが出来るが、設定ペインなどは、時にはぎこちなくインターフェースにロックされたままになる場合がある。以下に示す Overcastのような iPad アプリを使う場合、iPad アプリは異なる画面サイズに調整する必要があるので、通常はウィンドウの大きさに合わせられる。

Overcast iPad app on a Mac

iPhone アプリは別の話である。私がテストした2つは4つのサイズを許可するが、エッジをドラッグしてサイズを変更することは出来ない。代わりに、 アプリ名 >Settings > General を選択して、Smaller か Larger かのウィンドウサイズを選択する (アプリを再起動する必要がある)。

iOS app on a Mac General settings

Smaller と Larger の両方で、アプリの緑色のズームボタンを Option-クリックすることでサイズをさらに大きく出来、4つの可能な解像度が得られる。(緑色のズームボタンを普通にクリックすると、アプリがフルスクリーンの高さまで拡大され、巨大な黒いバーで囲われる。) どのサイズが最適かは、アプリと利用可能な画面スペースによって異なる。

多くの場合、iPhone や iPad のアプリを使うのは自明である - 指で操作するようにポインタを使う。しかしながら、多くのアプリには、追加のやり取りモードを必要とするマルチタッチインターフェースがあり、Apple はそれを Touch Alternatives 設定ペインで説明されているオプションでサポートしている。ご覧の通り、W、A、S、D キーを使ってデバイスを傾けるのを模したり、Option を押してトラックパッドを仮想タッチスクリーンとして使用したり、Space を押して画面の中央をタップしたり、矢印キーを使ってスワイプしたり、トラックパッド上でタップ&ドラッグしてドラッグさせてくれる。タッチの代替手段に慣れるには少し時間がかかる。

iOS app on a Mac Touch Alternatives settings

System 設定ペインには、アプリが要求したシステムレベルの権限が表示される。でもここでは何も出来ない;System Settings でこれらの権限を管理する。

iOS app on a Mac System settings

最後に、どの iPhone や iPad のアプリをダウンロードしたか知りたい場合は、System Information アプリの Applications 画面にリストが表示される。Kindで並べ替え、iOS まで下にスクロールする。1Password、Google Chat、Google Drive、python 等の iOS 以外のアプリもこのリストに表示される理由を私は説明出来ない。

System Information showing iOS apps

忘れないで欲しいのは、Mac 上で iPhone または iPad のアプリを走らせられるのはおまけなので、完璧に機能しないからといって腹を立てる程の価値はない。また、私の投票や上記の批判を、この機能に対する低い評価と解釈しないで欲しい。Mac で数百万の iPhone および iPad アプリを走らせられると言うのは歓迎すべき追加機能なので、自分の Mac 上で使いたい特定のアプリがある場合は、試してみて欲しい。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

RSS フィードを電子メールで送るツール Blogtrottr、Feedrabbit、Follow.it を比較

私は Facebook や X/Twitter といったものでニュースを読むことは断じてしたくない。その種のものは意図的な操作をするアルゴリズムを使っているからだ。(また、それらが引き起こす他の数多くの社会的な悪に対する抗議の意味もある。) その代わりに、私はニュースを電子メールで受け取るのが好きだ。電子メールならば自分の好きなように読めるし、トラッカーをブロックする意味合いもある。伝統的なメーリングリストや、Substack など電子メールに焦点を合わせたサービスもあるが、プロ向けの出版の多くは特定の話題に絞った電子メールニュースレターを出しているし、私もそれらのうちから自分が興味を持ったものを少数選んで購読している。長らく私はニュース見出しの類いを完全に無視する習慣を続けてきた。それは、十分に重要なニュースならばきっと他の方法で私の生活に入り込んでくるはずだと思っているからだ。けれども、最近になって私は 1440 にサインアップした。これは、100 以上の情報源から最もインパクトのある記事を抽出する日刊の電子メールニュースレターだ。もちろん私に興味のない話題も含んでいるけれども、素早く目を通すことができるので購読を続けている。

けれども、ニュース購読を電子メールに集中化させるための本物の解決策は、RSS-to-email サービスを使うことだ。長年にわたって私は多くの RSS リーダーを試してきたが、どれか一つに落ち着くことは結局なかった。なぜなら、RSS リーダーを使うにはいちいちニュースを読むための時間を割くことが必要だからだ。だからそうすることを覚えていなければならず、その際に毎回気持ちを切り替えなければならない。一方、電子メールで最新情報を見るのならば毎朝にもその後の一日中も自分で積極的に迎え入れることができるのだが、わざわざ RSS リーダーを起動するなどということに考えを巡らせたいとは思わない。Apple News でも問題は同じだと思う。結局私の Mac でも iPhone でも Apple News は何週間も起動されないまま放置されている。ところが RSS-to-email サービスを使えば、RSS フィードを提供するものならばどんなブログでもその他のサイトでも、いつでも自動的に電子メールとして届くようにできる。

では、どの RSS-to-email サービスを使うべきか? 私は 3 つのサービスを試してみた。BlogtrottrFeedrabbit、それに Follow.it だ。それぞれインターフェイスは少しずつ違うが、基本はよく似ている。feed URL を入力して、オプションをいくつか設定するだけで、あとは放っておいても新規投稿がある度に電子メールが届くようになる。3 つのサービスのいずれも、無料のアカウントを提供した上で、有料アカウントにアップグレードすれば制限が外れたり追加機能が利用できるようになったりする。以下ではこれら 3 つのサービスを比較してみよう。

セットアップの手軽さ

Blogtrottr と Feedrabbit はどちらも単純明快にできていて使いやすいが、Feedrabbit の方がインターフェイスが引き締まって、クリーンで、魅力的だ。Follow.it のインターフェイスが複雑なのは、より幅広いサービスであって複数の出版元からの情報を集めそれらをさまざまのやり方でユーザーに合わせてまとめて提供するように作られているからだ。Follow.it はまず始めに、記事を取り寄せるべき出版元の一覧を提供するが、好きな RSS フィードの URL をペーストすることもできる。Blogtrotter と Feedrabbit は電子メールでの発送しかしないが、Follow.it はニュースページに記事を追加したり、別途 RSS フィードを作成したり、Telegram メッセージやツイートとして記事を届けたり、さらには Chrome 拡張経由でウェブブラウザに通知を受け取らせたりすることもできる。

私のようにただ単にほんの少数の RSS フィードを電子メールで受け取りたいだけの人ならば、Blogtrotter と Feedrabbit の双方とも問題なく使えるだろう。Follow.it にはいろいろの追加オプションがあるが、おそらくほとんどの人には過剰な機能に思えるだろう。

Comparing UIs of RSS-to-email services

電子メールの細かな点いろいろ

3 つのサービスのいずれも、RSS フィードを電子メールメッセージにパッケージすることについては満足できる働きをする。けれども、違いが生じる分野が 3 つある。Subject 行と、大きな画像の処理と、要約のみフィードの扱いだ。

Subject 行

Blogtrottr と Feedrabbit はいずれもデフォルトで、ソースフィードの名前と記事タイトルとを電子メールのメタデータに組み込む。最も良いのは Feedrabbit で、Sender 行を "[ブログ名] via Feedrabbit" のようにする。一方 Blogtrottr はどんな RSS フィードを転送する際にも Sender 行を Blogtrottr としている。また、Blogtrottr では設定を使って Subject 行をカスタマイズできる。この点で Follow.it は最も自由度が低く、Sender 行を Follow.it とした上で Subject 行にはフィード名に "new message" と追加するのみだ。

Subject lines of RSS-to-email services

画像の見栄え

Howard Oakley は自身のブログ The Eclectic Light Company で Mac や Mac ソフトウェアについて素敵な内容の記事を書いているが、彼はそれ以外にも長年かけて基本的に美術史の教室のようなものを運営してきた。アート関係の彼の記事はいろいろな絵画を扱っていて、何らかのテーマ、特定の画家、時期、地方、あるいは対象などで収集し解説している。私には絵画の知識がほとんどなかったので Howard の記事を通じて学ぶのがとても楽しく、しかも彼はいつも自分の文章に添えてその絵画のパブリックドメインのコピーを載せている。

Blogtrotter (下図左) はそのような画像を完璧に扱えるのだが、Follow.it (下図中央) も Feedrabbit (下図右) も彼のブログ記事にある大きな画像を正しく扱えない。ウィンドウの内部に収まるように画像を縮小できないので、電子メールの中では画像が見えなくなる。私が iPhone で使っている Gmail アプリでは問題がさらに深刻で、私がそれを報告したところ Feedrabbit の開発者は問題点を見つけたので修正するつもりだと言ってくれた。

Comparing email formatting with RSS-to-email services

要約のみフィード

3 つ目に、例えばあの素晴らしい Explain xkcd のように、記事の要約とウェブ上で記事をフルに読むためのリンクのみを提供するタイプの RSS フィードがある。つい最近になるまでは 3 つの RSS-to-email サービスのいずれも、リンクを表示するのみでそれをクリックしてウェブブラウザの中で記事を読むようになっていた。Blogtrottr と Feedrabbit はそのリンクを電子メールでそのまま送ることで直接アクセスさせているが、最近 Follow.it は無料プランでそこを変更して、いったん隙間広告ページを開いてそこにカウントダウンタイマーを表示し、5 秒経てば Go To Article リンクを示すようにした。広告を隠すブロッカーがインストールされていなければ Sponsored のところに広告が表示される。(私の場合は Arc で広告ブロッカー uBlock Origin が働いているので図のようになる。) Follow.it が無料プランで広告を表示すること自体は嫌ではないが、5 秒間のカウントダウンタイマーはやはり煩わしい。

Follow.it interstitial ad

購読すると何が得られるか

では、それぞれの無料プランの制約は何か、料金を支払えば何が得られるか、それぞれの有料プランの料金はいくらなのかを見て行こう。

RSS-to-email サービスをこれから使い始めようという人には、Feedrabbit をまず試してみることをお勧めしたい。インターフェイスが最も使いやすく、電子メールアプリの中での表示方法も一番優れている。まずは無料でその Basic プランを使ってみて感じを掴み、フィード数が 10 では足りなかったり、特に記事数の多いフィードがあったり、あるいはフィルターが欲しくなったりすれば、その時には年額 $25 を払ってもよいと思えることだろう。

Blogtrottr はセットアップや使いやすさが多少劣るが、有料プランでの違いが独特だ。無料プランでの購読数の制限がなく、フィルター分けにも対応しており、大きな画像を含むメッセージの扱いが最良だけれども、個々のメッセージに付く広告を我慢しなければならない。Blogtrott で広告をなくすための料金は年額 $18.99 で Feedrabbit の有料プランより安い。

これら 2 つのどちらを使ったとしても後悔はしないだろう。その一方で、私は Follow.it をお勧めすることはできない。なぜなら電子メールの表示方法が (メッセージリストの中でも大きな画像を含むメッセージのフォーマッティングでも) 最悪である上に、単に RSS フィードをフォローする目的だけのためにはセットアップが複雑過ぎるし、Free プランに付く広告も煩わしい。有料プランの料金は年額 $60、$120、$240、$480 というもので、他の 2 つのサービスに比べるとものすごく高い。Follow.it を有益だと思えるのは、熱狂的なニュース中毒者か、あるいはコンテンツを何らかの方法で集約して共有し直そうとしている企業くらいのものだろう。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

BBEdit 15.1.2 Adam Engst  訳: Mark Nagata   

BBEdit 15.1.2

Bare Bones が BBEdit 15.1.2 をリリースして、書類が既に開いていた場合や状態復旧の際などに状況によって自動復旧が意図した通りに働かないことがあったバグを修正した。この古参のテキストエディタの今回のメンテナンス・アップデートではまた、HTML guesser を更新して巨大なファイルを回避するようにし、HTML 書類に画像をドラッグしても何も挿入されないことがあったバグを修正し、Zip または tarball ブラウザで選択した SVG ファイルを正しく表示するようにし、Go to Line パネルに入力された数字でコンマやピリオドを無視するようにし、起動時に稀に起こったクラッシュを解消し、Shortcuts の "Quit app" 命令に応えて終了するようにし、他にも多数の細々したバグを修正している。(新規購入 $59.99、無料アップデート、29.6 MB、リリースノート、macOS 11+)

BBEdit 15.1.2 の使用体験を話し合おう

Carbon Copy Cloner 7.0.2 Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Carbon Copy Cloner 7.0.2

Bombich Software が Carbon Copy Cloner 7.0.2 (CCC) をリリースした。数か月前にメジャーなアップグレードをしたこのドライブクローン作成およびバックアップ用ユーティリティの、メンテナンス・アップデートだ。(2024 年 5 月 16 日の記事“Carbon Copy Cloner 7.0”参照。) CCC 7.0.2 では "Verify files copied by this task" ウィンドウに関するいくつかの見栄え上のバグ、Dark モード下の Notes テキスト、CCC ウィンドウ最下部に表示されるアイコン、Task Plan における "missing character" フォントの問題などを修正した。また、Apple のバグの結果として ExFAT ボリュームをリセットしていた UUID を無効化し、Snapshot Retention Policy 表の中で 2 つの値が入れ替わってしまっていた問題を修正し、FileVault がパスワードで明示的に有効化されている場合を除いて Disk Center の中で "at rest" 暗号化ボリュームを提示しないようにし、CCC タスクのソースまたはコピー先として指定されている場合にのみ暗号化ボリュームのユーザー指定パスワードをシステムキーチェーンに保存できるようにした。(新規購入 $49.99、アップグレード $24.99、無料アップデート、23.6 MB、リリースノート、macOS 13+)

Carbon Copy Cloner 7.0.2 の使用体験を話し合おう

EagleFiler 1.9.15 Adam Engst  訳: Mark Nagata   

EagleFiler 1.9.15

C-Command Software の Michael Tsai が EagleFiler 1.9.15 をリリースして、この書類整理およびアーカイブ作成用アプリが X/Twitter からツイートを読み込む機能を拡張して Safari からだけでなく Google Chrome、Brave、および Microsoft Edge からも HTML 読み込みができるようにした。また、ウェブページをキャプチャする際に EagleFiler が Safari のみならず上記の 3 つの Chromium ブラウザでも記録のメモの中で選択されたテキストを維持できるようにした。その他の改良点としては、Two Pages モードで PDF の最初のページを表紙として表示するようにし、キャプチャキーを使う際に現在のライブラリを探知する機能を強化し、macOS が時折出すアプリが破損していますというエラーを回避するために Download Fixer ツールを追加した。EagleFiler 1.9.15 ではまた、macOS 15 Sequoia での FastMail メッセージの読み込みを改良し、索引付けが無効になっていても Activity ウィンドウが索引付けをしているように見えた問題を解消し、x.com ドメインから X/Twitter の読み込みができなくなることがあった問題に対処している。(C-Command Software からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、34.4 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

EagleFiler 1.9.15 の使用体験を話し合おう

Fantastical 3.8.23 Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Fantastical 3.8.23

Flexibits が Fantastical 3.8.23 をリリースして、Focusmate セッション URL への対応を追加するとともに、RSVP link 設定ウィンドウでの VoiceOver 対応を改善した。またこのカレンダーアプリはさまざまの細かなバグにも対処しており、RSVP 招待での電話会議の情報を登録後にのみ利用できるようにし、日表示と週表示で水平方向に動かしても日付の選択が変わらないようにし、Exchange での招待への返信が届いた際に余計な通知が出ないようにし、多数のイベントが表示されている際に CPU 消費が高くならないようにし、検索結果から開いたイベントやタスクを編集している際に起こることがあったクラッシュを解消した。(Flexibits からも Mac App Store からも Cardhop および Flexibits の購読年額 $56.99、無料アップデート、65.9 MB、リリースノート、macOS 11+)

Fantastical 3.8.23 の使用体験を話し合おう

Final Cut Pro 10.8.1 Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Final Cut Pro 10.8.1

Apple が Final Cut Pro 10.8.1 をリリースして、かなり厄介だった 3 件のバグを修正した。最も重要な点として、トラックパッドで3本指のジェスチャーを使用すると Final Cut Pro が応答しなくなることがあった問題 (多くの場合ユーザーがもう一度1本指のジェスチャーをしていた) がこのアップデートで修正された。また、左矢印キーや右矢印キーでタイムラインのクリップ間を移動した際にオーディオが再生されなくなった問題が修正され、一部の MTS ファイルがオーディオなしで再生されることがあった問題が解消された。(新規購入 $299.99、無料アップデート、5.07 GB、リリースノート、macOS 13.5+)

Final Cut Pro 10.8.1 の使用体験を話し合おう

Quicken 7.9 Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Quicken 7.9

Quicken Inc. がバージョン 7.9 の Quicken Classic for Mac をリリースして、ユーザーがアカウントに添付ファイルを追加したり表示させたりできるようにし、スケジュールされた取引でデフォルトのアクションを選べるようにし、証券の情報を表示する Security Detail 表示を開いてグラフ、価格履歴、購入履歴その他の情報を一覧できるようにした。また、この資産管理アプリは Income タブに Memo カラムを追加するとともに、記録プリントアウトに開始時と終了時の残高を含めるようにした。バグもいくつか修正されており、証券価格を手動で更新した後に投資アカウントの Market Value が更新されなくなることがあったバグ、監視リストに証券が重複して追加されることがあったバグ、Volume や Opening Price の値が保存されなかったバグ、Update Accounts 進行状況インジケータが正しく表示されなかったバグなどが修正された。(講読年額 $59.88/$83.88/$119.88、購読者は無料アップデート、3.2 MB のインストーラダウンロード、リリースノート、macOS 11+)

Quicken 7.9 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

Takeaways after Six Months of the Vision Pro

ベンチャー投資家でありプロデューサーであり、(The Metaverse を書いた) 著述家でもある Matthew Ball が、エッセイ "9 Takeaways from the Vision Pro After 6 Months" の中でこう書いている:

Apple が 17 年間で最大の賭けを 2 月 2 日に発売した。このデバイスについて何か踏み込んで考えるより前に、私はまず数か月間これを使ってみて、他のユーザーや開発者がどうしたか (あるいはしなかったか) を観察しようと思った。そして今ここに、Apple 自身が期待したものと費やしたもの、この Vision Pro が達成したものと達成していないもの、公正な評価と不公正な評価その他について“6 か月使ってみての 9 つの考察”としてまとめてみた。

Ball の分析は Apple Vision Pro について興味深い視点を提供しており、EyeSight 機能がその代償に見合うものでない (しかもより安価なデバイスに搭載されるとは思えない) こと、現状の Vision Pro は大体において VR デバイスに過ぎないこと、この種のヘッドセット (あるいは Apple の舌を噛みそうな用語を使えば空間コンピューティングデバイス) はほとんどの人にとって日々の使用で何か他のデバイスを置き換えるものとならないので使われるようになるまでには困難な道が待ち受けているであろうことを示唆している。

私自身が Vision Pro に関して読んだ文章や、数か月前に Apple Store で手に取って試した実演のどれも、これを買いたいと私に思わせるものではなかった。ハードウェアは確かに素晴らしいし、大体において言われている通りに動作はするけれども、その空間写真や空間ビデオのいくつかはあまりにも対象に近いところに自分を置くように感じられ、相手のパーソナルスペースに踏み込み過ぎる気がして非常に不快だった。もちろん意見や体験は人によって違うだろうが、それでも私にはまだ Vision Pro が自分の現在のコンピューティングとメディア消費の世界にしっくりはまるとは思えない。

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