TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#346/23-Sep-96

今週のビッグニュースは大量のバグを潰した Mac OS 新バージョン System 7.5.5 の登場。その他 Motorola 社が間もなく投入する Macintosh クロー ンについて、そして Apple と Sun の両社の製品をうまく連携機能させる ための将来のプランについてのニュースもある。David Blather 氏からは QuarkImmedia の記事が寄せられている。Adam はイメージマップ作成のヒ ントを紹介。また、一部製品を記事にしない理由トップ 10 を取り上げた。

今週号の TidBITS は次の各社の提供を受けています:

Copyright 1990-1996 Adam & Tonya Engst. 詳細は末尾を参照してください。
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西村 尚   <hisashin@st.rim.or.jp>
水木 潔   <HGH03125@niftyserve.or.jp>
村上 浩   <murasan@yk.rim.or.jp>
矢倉 遠十吉 <oto@mb.infoweb.or.jp>
山浦 礼子  <raeko@bnn.co.jp>

目次:


MailBITS/23-Sep-96

(翻訳::杉浦雄一郎 <ysugiura@direct.ca>)

Motorola、Mac クローンを発表 -- Motorola は先週、StarMax と命名さ れた Macintosh クローンの最初の製品群を公式に発表した。StarMax 製品 群はデスクトップ機とミニタワーケースの 8 機種により構成(3000 シリー ズと 4000 シリーズそれぞれ 4 機種づつ)。PowerPC 603e および 604e プロセッサ(速度は 160 から 200 Mhz の範囲)、IDE ドライブ、業界を リードする 5 年間保証を備えている。Motorola のマシンは驚愕するほど の性能を持つものではないが、Apple の現在の Macintosh ラインより性能 で上回るとのレポートが見られる(またプロセッサは取り外し可能なドー ターボードに取り付けられていないと伝えられている)。Apple の同等機 に価格で勝る、充実の高性能マシンとして 11 月に登場予定。 [GD]

<http://www.mot.com/GSS/MCG/products/systems/ds/starmax/SMfamily.htm>

Sun と Apple、企業マーケットに着目 -- Apple と Sun は、高性能の ネットワークサービスと、Mac の持つマルチメディア機能と使い易さの融 合を目指して、Macintosh コンピュータと Sun のハイエンド企業向けサー バー Solaris をシームレスに結ぶ意向を発表した。さらに重要なのは、両 社は Sun の各種 Java 技術と、QuickTime および OpenDoc の相互運用化 の計画を発表したということだろう。現在は企業のイントラネットマーケッ トをターゲットとしているが、Apple と Sun の提携により、Apple 技術を 将来のインターネット技術を睨んだ有利な位置に持っていくことが可能に なる。特に宣伝過剰気味の Java の売り口上が実現され始めた時にそれが 言えるだろう。 [GD]

<http://product.info.apple.com/pr/press.releases/1996/q4/ 960918.pr.rel.sun.html>


QuarkImmedia 出荷

by David Blatner <david@moo.com>
(翻訳:村上 浩  <murasan@yk.rim.or.jp>)

ちょうど Seybold San Francisco が開催されていた今月はじめ、Quark 社 は待望の Mac 版 Immedia をついにリリースした。QuarkImmedia(昔のコー ドネームは Orion)によって QuarkXPress はマルチメディア・オーサリン グ・ツールとして生まれ変わる。QuarkXPress の使い方を知っていれば、 一時間ほどでマルチメディア・プロジェクトを創り上げることができるだ ろう。それほど簡単なのだ。

筆者と同じような境遇の方なら、おそらく Macromedia Director を使って みようと考えたことがあるだろう。残念ながら、Director(と、そのスク リプト言語の Lingo)の使い方を習得するために 2 週間腰を据えてじっく りマニュアルを読めたことは一度もない。同じく、Adobe Persuasion もス ライド等に利用しているが、そのアウトライン機能はすばらしいものの、 文字と画像のレイアウトに関してはとても十分なものとはいえない。 Immedia なら Director が持つ機能の 75 % 程度は提供していると思うし、 XPress 上で動作することからして、十分すぎるほどのレイアウト能力を備 えているのだ。

ボタン、ムービー、それにサウンド。すごい! Immedia はマルチメディ アの装飾をフルに扱うことができる。ボタン、サウンド、ポップアップメ ニュー、アニメーション、QuickTime ムービー、トランジション、それに カーソルなどなど。アニメーションをある経路に沿ってスライドさせ、ク リックしたら音を出すようにすることもできる。眼球をアニメーション化 したようなボタンを作成することもできる。フロッピーディスク 1 枚に収 まる宣伝用資料といった簡単なものでも、CD-ROM ゲームの Myst ぐらい複 雑なプロジェクトでも組み立てることができるのだ。

Immedia のインターフェースは非常にシンプル(ポップアップメニューと パレット)なので、習得も簡単だし、すぐに使えるようになる。自分に必 要な機能をすべて満たしていないとしても、Director で作成予定のプロ ジェクトにとって優れたプロトタイピング・ツールであることには変わり ない。(Immediaのバージョンはまだ 1.0 である。現在のマルチメディア 作製には適しているものの、決してハイエンドの製品ではないのだ)。

<http://www.quark.com/immedia.htm>

CD-ROM、広告塔、そして Web -- Immedia は CD-ROMや広告塔さらには Web 用のプロジェクトを作ることができる。このところ Quark 社は Immedia のインターネットやイントラネットへの利用を前面に押し出して いるが(その理由は明白だ)、確かにImmedia を使えば他の方法では実現 不可能な(あるいは、少なくとも難しい)ものを Web 上に置くことができ る。その秘密は HTML をエクスポートしないという点にある。Acrobat が Portable Document Format(PDF)を使っているように、Immedia も独自の フォーマットなのだ。Immedia のプロジェクトはそのオーサリングツール 自身で見ることができるが、ほかのいくつかのフォーマットでエクスポー トすれば、フリーの Immedia ビューワー(約 750K)でも見ることができ る。Quark 社によれば、このビューワーを使うには 68030 以上のプロセッ サ、8 ビット(256 色)のモニター、Sound Manager 3.1 と QuickTime 2.1 を組み込んだ System 7.1 以上のシステムが必要とのこと。

<http://www.quark.com/imm013.htm>
<ftp://ftp.quark.com/immedia/viewers/macos/qiv_1m.hqx>

もちろん、Immedia で QuickTime アニメーション等を取り込むことはでき るが、まだ Web サイトにはそれを置く気にならないかもしれない。Web 用 の Acrobat PDF で実現したいものならば、たいていは Web 用の Immedia ドキュメントでも可能だ。しかしながら、Acrobat よりも Immedia のほう がもっとしっかりとしたプロジェクトを作れるのだ。ただし、Immedia の ページはモデムで低速接続するインターネットよりも、高速なイントラネッ トの方に適している場合が多いかもしれない。

買う価値はある? 希望小売価格が 995 ドルということからして、 Immedia は安い買い物ではない。Immedia を使うには、QuarkXPress 3.32 か QuarkXPress Passport 3.32、Adobe Type Manager、System 7.1 以上、 Sound Manager 3.1、QuickTime 2.1 が必要となる。Mac は 68030 以上、 最低 8 ビットカラーのモニター、CD-ROM ドライブ、4 MB の RAM 空き領 域が必要である。

QuarkImmedia は印象的な製品だ。この製品に触れたことのある人、トレー ドショーで目にしたことのある人は大概「今すぐ Immedia が欲しい。値段 なんか気にしない。XPress を使っているし、もってこいの製品だ」と口を 揃える。すでに出荷となっている現在、彼等はこの機会を逃さないことだ ろう。

Quark, Inc. -- 800/676-4575 -- 303/364-5735 -- 303/343-2086 (fax) <qimmediasupport@quark.com>

[ David Blatner 氏はグラフィックアートのコンサルタントで、 QuarkXPress と Photoshop を専門としている。Peachpit Press 社から多 数の著書、共著を出しており、その中には『The QuarkXPress Book』や 『Real World Photoshop』 などがある。現在、『Real World QuarkImmedia』 を執筆中。]


イメージマップとつきあう

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <odaka@iprolink.ch>)

依然として Web サイトでの適切なグラフィックの使用を支持するメッセー ジがたくさん送られてくる。その中に、大きなイメージマップグラフィッ クに伴う、グラフィックを見ることができない(または見たくない)ユー ザーがサイトのナビゲーションができなくなるという問題を軽減する提案 が 2 つほどあった。

Tony Grant 氏 <tg001@dial.oleane.com> は、Bill Shackleton 氏から 聞いた、多少の労力を必要とするもののグラフィックなしでも(美しくは ないかもしれないが)アクセスだけはできるようにする方法を教えてくれ た。

最初に、非常に小さい(たとえば縦横 2 ピクセルとしよう)、一色だけの GIF ファイルを作る。これを透明にすると、グラフィックをオンにしてい るユーザーからは見えなくなる。次に、イメージマップの中にあるすべて のリンクについて、イメージマップの HTML の下の行にこの透明グラフィッ クに IMG タグを付けたものを置く。各 GIF イメージとリンク先をつなげ、 それぞれの説明を ALT タグに書く(ここが最も重要だ)。

この結果、もしグラフィックをサポートしていないブラウザを使っている ユーザーやグラフィックをオフにしたユーザー、そして数は少ないけれど もより重要なことに、視覚障害を持っているために text-to-speech コン バータを使っているユーザーにとって、透明グラフィックの ALT タグがイ メージマップに代わる機能を果たしてくれるのだ。

Drew D. Saur 氏 <dsaur@spectra.net> は以下の指摘を寄せてくれた。

「最近の TidBITS に載った Web サイトの再設計の記事を読みましたが、 イメージマップの部分で一つ誤りがあります。2 週間ほど前、Foteos Macrides 氏 はクライアント側のイメージマップをサポートした Lynx 2.6 をリリースしました。私見ですが、これはなかなかエレガントにできてい ます。Lynx はまだ無償で配布されていますので、システム管理者の方に アップグレードを頼めば良いでしょう。重複したリンクで Web ページをご ちゃごちゃさせることなく、普通のイメージマップを使いながらクライア ント側のイメージマップを使うことが可能になったので、クライアント側 のイメージマップを使わない理由はもうありません。

<http://www.nyu.edu/pages/wsn/subir/lynx.html>


でも、取り上げなかったじゃないですか

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 里華子 <odaka@iprolink.ch>)

日頃ソフトウェアの記事を書いる者は、「どうして xxx を取り上げなかっ たのですか?」という類の言葉を繰り返し耳にする。たいていは、著者がそ のトピックについてあまり知らないのではないかとか、当該の製品のこと を一般に知らせないようにしようという意図が働いているのではないかと いう含みがあるのだ。Tonya も Geoff もそして私もあまりにもよくこの類 の言葉を耳にするので、コンピュータ・ジャーナリズムの内幕を皆さんに お目にかけて、製品が記事から外れる理由の top 10 をお教えすることに した。

10: 不適切である -- あるプログラムが記事にしてもらえないのは、単 にそれが不適当だということが主な理由だ。記事にも色々あり、仮にある プログラムの最新版のリリースのことを書いているとすると、それに競合 するプログラムを取り上げるのがふさわしくないこともあるのだ。それに、 特定の機能の善し悪しを比較するために競合するプログラムを一つ取り上 げるかもしれないが、だからと言って、既存の競合するプログラムの全て を取り上げるということにはならないのだ。

9: プログラムがひどい -- 現実を直視してみると、世の中にあふれてい るソフトウェアがみなホットだとは限らない。ある種のソフトウェアにつ いて書いていると、その内の最低一つは列挙するに値しないという状況に 陥る。起動する際にクラッシュしたり、エラーのダイアログが繰り返し現 れたり、つまらない HyperCard スタックだったり、単に機能しないもの だったりするのだ。動きはするが、取り上げるほどの機能が付いていない プログラムというのもまずいと言えるだろう。

8: スペースがない -- TidBITS に関してはあまりスペースのことに気を 配る必要はないのだが、紙の出版物のほとんどはスペースの制約で命懸け になっている。私の場合 MacWEEK の記事を書く時は、自分用の特別のテン プレートファイルを使っている。そのテンプレートは 115 行がめどになる ようになっていて、数行カットしたい場合には、記事にあまりそぐわない 製品の余計な記載を削るのが良い方法なのだ。TidBITS といえども、スペー スのことは考慮すべき事柄で、個々の記事のサイズには気を使っていない が、全体としては常に 3 万字を越えないようにしている。

7: 全能なる編集者 -- 手が入れられる出版物では、著者が最終稿を見る 立場になることはほとんどない。多くの場合、著者は記事を渡してしまっ たら、そこから先のことはなにも分からないのだ。その記事が活字になっ た時には、著者が全く知らない重大な変更が施されているかもしれない。 質問をしてきたり、手を入れた原稿を送ってくる編集者も多いのだが、そ れでも、スペースの制約のために数語取らなければいけないような時は、 コピー担当編集者は主要でない製品の記載を削除するかもしれない。要す るに、遺漏の責任が著者にあるとは限らないのだ。

6: リストはつまらない -- あるカテゴリーに当てはまるプログラムが 2 〜 3 しかない場合は、それら全てを取り上げるのは簡単だ。しかし、例 えば Macintosh の Web サーバの数を考えていただければ、それら全てを 取り上げるのがどんなに難しいかお解りになるだろう。私は少なくとも 17 の Macintosh の Web サーバを思い浮かべることができるが、そのうちの 一つについてとか、Macintosh の Web サーバ一般について書く度に、それ ら全てを取り上げるのはあまりにも馬鹿げた話だ。さらに悪いことには、 TidBITS では 関連の URL を載せる義務があると思っているので、17 のプ ログラムの全てのホームページの URL が加わる。URL が 17 行並ぶなんて とんでもないことだ。

5: 別世界にある会社 -- 中には信じられないぐらいつきあうのが難しい 会社もあり、そういった会社の製品は見落とされがちになる。例えば、そ の会社の Web サイトがわかりにくいとか、ライターがダウンロードできる 無償のデモ版がないとか、メールの返答がない、地獄からやってきた弁護 士が書いた守秘同意書を要求する、電話のでの応答がない、レビューを 送ってこない、その他この類のことがある場合は、そこの製品を取上げる のをやめるのはたやすいことだ。ソフトウェアについて書くのが著者の仕 事であり、暴き立てるのが専門のジャーナリストのような行動をとったり、 理由がなんであれ会社が漏らそうとしない基本事項を漁ったりするのは 仕事ではない。

4: うちわの情報 -- ある製品についての未公開情報を知っていても、デ ベロッパーから漏らさないように頼まれているために、その製品を取り上 げないことがある。例えば、あるプログラムに近く大幅なアップグレード が予定されているとしたら、デベロッパーは古くて機能が劣るバージョン をレビューしてもらいたくないかもしれない。

3: 間違った製品・間違った出版物 -- ある製品や Web サイト、または 何らかの大義を取り上げてはどうかと言ってくるメールをよく受け取る。 素直なところ、何かをカバーするように頼まれるのは少しばかり気詰まり だ。だが、私たちがカバーしてない範囲のことだったら余計厄介である。 今まで一度も TidBITS で取り上げたこともない Windows のプログラムに 関する情報を受け取ることもまれではない。それに、Web サイトのことは 時折取り上げたりもするが、常にやっていることではないので、いかした Web サイトのことを知らせてきてくれても、それがクールだとか価値があ るとかに関係なく、それら全てを取り上げるつもりはない。

2: 陰謀説 -- 思いもよらないことかもしれないが、デベロッパーが著 者の配偶者と関係があるとか、デベロッパーは悪魔の申し子だというささ やきが著者の耳に届いたとか、これに類似したナンセンスな話など、とて も奇妙な状況があったとしたら、ある製品が記事いや、出版物全体として も取り上げるに値しないということが考えられるのだ。このような実例は 知らないが、私が今まで被ったすべての陰謀説は、笑い話にしかならない ようなあまりにも間違ったものだった。

1: 著者も間違いを犯しうる -- 時折、私たち物書きはただのへまで、記 事にすべきだった製品を漏らしてしまうことがある。特に新製品だったり 宣伝が悪かったりして、その製品のことを知らなかったりするが、単に忘 れてしまっていたか、調べる時間がなかったかする場合のほうが多いのだ。 頭の中に一度にたくさんの情報をしまっておこうとするとき、時には何か がぬけ落ちたり、書いている際に取り上げるのを忘れたりする。珍しいこ とではないが、もし担当の編集者がそのトピックについてあまり知らなかっ たりすると、その過ちは正されない。


Apple 社が System 7.5.5 Update をリリース

by Geoff Duncan <geoff@tidbits.com>
(翻訳:高島 均 <hitak@can.bekkoame.or.jp>)
(  :尾高 修一 <odaka@iprolink.ch>)

数週間の遅れはあったが、Apple 社は予想どおり System 7.5.5 Update を リリースした。これは、System 7.5.3 を稼働させている Mac で、パフォー マンスと信頼性を向上させるための様々なバグフックスやアップデートを 集めたものとうたわれている。このアップデートは、3 枚分のフロッピー ディスクイメージかまたは“net install”アーカイブかのどちらででも入 手できるが、いずれの場合でも約 4.1 MB のサイズがある。Apple 社は、 自社やサードパーティを含みたくさんのサーバーからこれを入手可能にし ており、またこれらダウンロードのできるサイトのリストを作成している。 ダウンロードサイトの一例とサイトリストがある URL は以下のとおり。

<ftp://download.info.apple.com/pub/System_7.5.5_Update/>
<http://support.info.apple.com/ftp/7.5.5.html>

もしフロッピーディスクバージョンを使うのなら、イメージファイルを実 際のディスクにコピーしたり、デスクトップにマウントしたりするため、 ShrinkWrap のようなプログラムがあるとよいだろう。

<ftp://mirror.aol.com/pub/info-mac/disk/shrink-wrap-201.hqx>

アメリカ国内では、800/293-6617 に電話すれば Apple/Claris 社に 13 ド ルでフロッピーディスクバージョンを注文できる。

その内容 -- Update 7.5.5 には、新しい機能の数々、すごい新技術、シ ステムフォルダにおさまる驚くようなアイコン、などなどは含まれていな い。これは、とりもなおさず System 7.5.3 への目には見えないパッチや バグフィックスやアップデートをまとめたもので、機種に特定したバグの フィックスのほか、Virtual Memory、SCSI Manager、LocalTalk や Ethernet に関する重要なアップデートを含んでいる。さらには、喜ばしい ことに、全ての Power Mac で発生したあの“Type 11 error”を取り除く Modern Memory Manager のフィックスをも含んでいるのだ。

7.5.5 Update の主な改善点は次のとおりである。

7.5.5 Update のインストール -- System 7.5.5 Update は System 7.5.3 を稼動させている Mac に しか インストールすることができない。7.5.3 以前のシステムを使用している場合には、7.5.5 にアップデートする前に System 7.5 Update 2.0 を使って 7.5.3 にアップグレードしなければなら ない(7.5.3 へのアップグレードについては TidBITS-318 を参照)。7.5 以前のシステムについては、7.5.5 にアップデートする前に System 7.5 を購入する必要がある。インストールの際、アップデータは 10 MB のディ スクスペースを使用する。7.5.3 にアップグレードする際には、ハードディ スクのドライバが SCSI Manager 4.3 対応になっていることを事前に確認 していただきたい。

System 7.5.5 Update は System 7.5.3 Revision 2( TidBITS-332 を参 照)で導入されたフィックスを含んでいるので、7.5.5 Update の前に System 7.5.3 Revision 2 をインストールする必要はない。

インストールの前に、Update に付属する ReadMe ファイルを読み、以下の 手順に従っていただきたい。いうまでもないことだが、どんなシステムソ フトウエアをインストールする場合にも 必ず 事前にバックアップをと るように。

Apple 社は今後数週間で System 7.5.5 Update のローカライズ版が用意で きるだろうとしている。Installer にある多数の言語で書かれたライセン ス許諾書に惑わされてはいけない − このアップデートは U.S. 版のシス テムソフトウエアでしか動作しないのだ。U.S. 版以外のシステムには使用 しないように。

7.5.5 Update インストーラを使用する前に、Apple 社は Disk First Aid で起動ディスクをチェックすることを推奨している(Disk First Aid は アップデートに同梱されている)。Disk First Aid が異常を発見した場合 には、まず Disk First Aid またはほかのディスク修復ユーティリティで 修復することを勧めている。問題がなかった場合には、Extensions Manager コントロールパネルを開き、Sets ポップアップメニューから“System 7.5.3”を選択する。(サードパーティ製のシステム機能拡張管理ツールを 使用している際には、やや操作が異なるかもしれない。)その次に、イン ストールに必要なリムーバブルドライブ、ビデオカードやサードパーティ 製の入力デバイス(Zip ドライブやサードパーティ製のマウスなど)のド ライバを再度オンにする。

また、バージョンが 1.x の Energy Saver コントロールパネルがインス トールされている際にインストーラが起こす問題があるようだ(このバー ジョンは Energy Saver モニタを使用できがシステム全体をスリープさせ ることはできない NuBus Power Mac や一部の Quadra に使用されてい る)。7.5.5 Update をインストールする前に、Energy Saver 1.1 を Control Panels フォルダから取り除き、System 7.5.5 にアップデートし た後に元に戻す。

システム機能拡張やコントロールパネルを正しくセットしたら、再起動し て 7.5.5 Update インストーラを実行する。7.5.5 インストーラはシンプ ルだ − Custom Install オプションに頭を悩ます必要はない。ただ起動 ディスクを選んで Install をクリックするだけで良い(もちろんライセン ス許諾書を読んでからだ − 10 ヶ国語で書かれているので外国語の練習に はちょうど良いだろう)。インストールが終りに近づくと、Installer は 「システムを高速化しています」というメッセージを表示する。これはシ ステムファイルのへのアクセスが高速化されるように、圧縮されているリ ソースを解凍しているという意味だ。インストールが終わったら、インス トーラはコンピュータを再起動するので、サードパーティ製のシステム機 能拡張やコントロールパネルを再度オンにする。

7.5.5 インストーラには Remove オプションがないことに注意されたい。 アップデータは System ファイルにパッチを当て、既存のコードに必須の アップデートを加えるので、インストーラは必須ではない部分を取り除く 機能は持っていない。アップデートをインストールする前に必ずシステム をバックアップするように!

重要事項 -- 以下は System 7.5.5 に関する既知の不具合や問題点だ。

<http://www.oakland.edu/%7Elandau/sadmacs/library/tul/FinderHeapFix.sit.hqx>

System 7.5.4 は? 何人かの読者の方は、なぜ Apple 社が System 7.5.3 から System 7.5.5 へ飛んだかを質問してきた。答えは簡単で、System 7.5.4 は 存在したのだ 。7.5.4 は完成後、数週間前に主なデベロッパー に配布されたのだ。しかし、最後の最後になって浮上した IR Talk や 5400/6400 シリーズのコンピュータでの仮想メモリの設定の問題があり、 それから Energy Saver コントロールパネルの小さな修正を加えなければ ならなかったため、Apple 社は 2 つの“最終版”System 7.5.4 ができて しまうよりバージョン番号を一つ増やすことを選んだのだ。

さらなる情報 -- この記事にはふんだんに情報が盛り込まれているが、 もっと詳しい情報も入手可能だ。Apple 社は 7.5.5 Update について詳細 なテクニカルノートをリリースした。これはパワーユーザーやデベロッパー の関心を惹くだろう。さらに、Ric Ford 氏 の MacInTouch サイトや Ted Landau 氏 の Sad Macs Update Site はこのアップデートに関する大量の 情報を載せている。そのあまりの量に圧倒されてしまうかもしれないが、 どちらのサイトでも良質の情報を手に入れることができる。

<http://devworld.apple.com/dev/technotes/tn/tn1069.html>
<http://www.macintouch.com/>
<http://www.oakland.edu/%7Elandau/sadmacs/system7.5.5.html>


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