TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#422/30-Mar-98

シアトルへ引っ越してスパム屋を訴えよう! 新法ではワシントン州住民を 騙すようなメールを送ると最高 1,000 ドルの罰金が課せられる。今週 Adam はさらに複数モニタについてお届けする。今回は読者から寄せられた有益 な情報だ。そして Michael Jardeen 氏による Claris Home Page 3.0 のレ ビューもお送りする。このほか Steve Jobs 氏の暫定 CEO 留任に期限を設 けないと Apple 社が述べた話、そして QuickTime 3.0、WebSTAR 3.0、 QuarkXPress 4.02r1、Remove Office 98 ユーティリティ 1.1、Myrmidon 2.1 などのリリースについてもお伝えする。

目次:

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MailBITS/30-Mar-98

(翻訳:秋山 晃子 <nobineko@club.udn.ne.jp>)
( :亀岡 孝仁 <tkameoka@fujikura.co.jp>)

無期限の暫定 -- 先週 Apple 社の取締役会が、暫定 CEO の Steve Jobs 氏に対し、承諾か辞退かの決断に期限を設けようとしていると伝えられた。 これは Jobs 氏の正式 CEO 就任か、あるいは Jobs 氏が辞退した場合、 Apple 社がほかの候補者に経営引き継ぎの要請を始められるようにとの配 慮からだ。現在 Wall Street Journal 紙によると、Apple 社の取締役会は Jobs 氏の決断に期限を設け ない ことを取り決め、事実上 Jobs 氏が暫 定 CEO に留まりたいだけ留まれる許可を与えたということだ。明らかに、 取締役会の決定と Jobs 氏の会社経営は投資家に好評である。Apple 社の 株価は 1997 年 7 月に Jobs 氏が経営を引き継いでから 2 倍を越える上 昇をしている。 [GD]

<http://www.msnbc.com/news/154538.asp>

Washington 州スパムを違法化 -- Seattle Times 紙の記事によると、 Gary Locke Washington 州知事は先週、スパム( NetBITS-003 の“Damn that Spam!”参照、または NetBITS サーチエンジンで“spam”をサーチの こと)としてよく知られている望まない商業メールを減らすことを目的と した法案を法律とすることにサインした。この新法は 90 日後に発効し、 スパマーが偽造返信アドレスで、あるいは嘘のヘッダー情報で、あるいは 誤解を招きやすい主題でメールを送る事を違法とする。この法律は Washington 州内から発信されたスパムおよび Washington 州の住人である とスパマーが知りながら、あるいは知っていると思われる理由があって、 その住人に宛てたスパムの両方に対して適用される。さらに法はスパマー に対してある個人が Washington に住んでいるかどうかを判断する責任を 負わせている。このようなスパムを受け取った人は一メッセージ当たり最 高 500 ドルまで、インターネットプロバイダは最高 1,000 ドルまで請求 できる。実際に損害賠償を受けることがどれだけ容易にできるかは時を待 たねばわからないが、いずれにせよこの新法はこれまで全く何も存在しな かったスパムに対する経済的責任を問う可能性を与えることになる。

<http://www.seattletimes.com/news/local/html98/junk_032698.html>
<http://db.netbits.net/getbits.acgi?nbart=04488>

関連したニュースでは、悪名高いスパマーである Cyber Promotions 社は 同社に対する最後の未決訴訟を ISP EarthLink Network 社に対して 200 万ドルの支払と EarthLink メンバに対する望まないメールを送り付けるこ とを中止する事で和解した。これまでに、Cyber Promotions 社はスパム訴 訟で AOL 社、CompuServe 社、そして Bigfoot 社と和解にいたっており、 AGIS 社からはネットワーク接続契約を解除されている。[ACE]

<http://www.news.com/News/Item/0,4,20010,00.html>

Office 98 を削除するな! -- Microsoft 社は Microsoft Office 98 の ユーザに対して Macintosh が一時的に動作不可能になってしまう事態が起 こりうる事に警告を発している、これは System Folder が誤って Trash に移されてしまうことによって起こる。Office 98 CD は Remove Office 98 と呼ばれるユーティリティを含んでおりこれが Microsoft Office 98 フォルダを Trash に移す働きを持っている。これはさらに Microsoft Office 98 と呼ばれるライブラリをも探し出しそれも Trash に移す。通常 は、Microsoft Office 98 ライブラリは Microsoft Office 98 フォルダ内 に存在する、しかしもしユーザが Microsoft Office 98 ライブラリを Extensions フォルダに人為的に移動させた場合(もうすでにやってしまっ ているかも知れない - 不必要ではあるが - もしこのライブラリをダブル クリックしたとするとライブラリは Extensions フォルダ内に置かれなけ ればならないと指示される)、次に CD 上の Value Pack フォルダから Remove Office 98 ユーティリティを走らせると、そのユーティリティは 誤って Microsoft Office 98 フォルダの代わりに System Folder を Trash に移してしまう。いったんこうなってしまうと、Mac を立ち上げるために は別のブートディスク(フロッピィ、CD、あるいはハードディスク)を用 いて起ち上げねばならない、ここまで来れば System Folder を Trash か ら戻してやることで Mac を通常の動作状態に回復する事ができる。 Microsoft 社は Remove Office 98 のバージョン 1.1 をリリースしており (132K ダウンロード)、この問題は解決されている。 [ACE]

<http://www.microsoft.com/macoffice/productinfo/issues.htm>
<http://www.microsoft.com/macoffice/productinfo/98dl/o98u.htm>

Apple 社 QuickTime 3.0 を出荷 -- 1997 年末から開発者版は出されて いたが、本日 Apple 社は Mac OS のみならず Windows 95 と Windows NT 用メディアソフトウェアである QuickTime のバージョン 3.0 をリリース した。QuickTime の最初の完全なクロスプラットフォームリリースである ことに加えて、バージョン 3.0 は多くの新しいメディアフォーマットをサ ポートしており(PNG や DV デジタルビデオフォーマットも含んで)、 QuickTime VR や QuickDraw 3D に自然につながり、静止画のための QuickTime PictureViewer も含んでおり、さらにほとんどすべてのタイプの メディアに対応できる拡張可能なアーキテクチャを提供している。 QuickTime 3.0 は MPEG 4 の基盤として活躍する事になっており、来るべ き HyperCard 3.0 を陰で支えている技術でもある。QuickTime 3.0 のほと んどの機能は 68K 機でも PowerPC ベース機でも動くが、MPEG と DV プレ イバック、3D オブジェクト、さらにいくつかの効果機能は PowerPC だけ である。QuickTime 3.0 は Apple 社から無料でダウンロードできる (MacBinary フォーマットで 6.4 MB)。

<http://www.apple.com/quicktime/>

Apple 社はさらに QuickTime 3 Pro を 30 ドルで販促している、これは QuickTime 3.0 のメディア編集とエクスポート機能の一部分を表に出して きているもののようだ; QuickTime ユーティリティのドキュメンテーショ ンを含み;さらにいくつかの機能を追加している、例えば動画を Web ブラ ウザから直接ディスクにセーブするとか。 [GD]

StarNine 社 WebSTAR 3.0 で光輝く -- StarNine Technologies 社は先 週、同社の人気 Web サーバへのアップグレードである WebSTAR 3.0 をリ リースした。WebSTAR 3.0 は次のような機能強化をしている;FTP とプロ キシサーバ;IP マルチホーミングと仮想ドメインサポート;暗号化された TCP/IP 接続下でも機能する改良された WebSTAR Administrative アプリ ケーション;そして興味深い、言語ベースのルーティング、それは Web ブ ラウザの言語設定を読み取りその言語のための適切な内容を提供する。 WebSTAR 3.0 の価格は 499 ドル;WebSTAR 2.x ユーザアップグレードは 199 ドルで WebSTAR 1.x ユーザへは 299 ドルである。97 年 11 月 15 日 以降に WebSTARを購入した人にはアップグレードは無料であり、さらに StarNine 社の Bundle Up プログラムの一部として WebSTAR と一緒に他の 製品を購入した人には割引が適用される。WebSTAR 3.0 の 30 日期限の評 価版が 14 MB のダウンロードで提供されている。[ACE]

<http://www.starnine.com/webstar/webstar.html>
<http://www.starnine.com/bundle_up.html>

Myrmidon 2.1 が CyberStudio に相乗り -- Terry Morse Software 社は ドキュメントをプリンタにではなく HTML に“プリント”する人気の高い document-to-HTML コンバータである Myrmidon 2.1 をリリースした。いく つかの新機能とプリファレンスに加えて、新バージョンは GoLive Systems 社から出されている CyberStudio のレイアウトグリッドとの互換性を提供 している、これを使えば CyberStudio のユーザは Myrmidon レイアウトを 簡単にいじることができるようになる。この Myrmidon は 69 ドル(直販 価格)で最低 68020 ベースの Mac で 8 MB RAM と System 7.1を必要とす る。Myrmidon のデモ版も出ており 450K のダウンロードである。このデモ 版は 25 回の変換まで有効である。(TidBITS では TidBITS Updates で “Myrmidon 2.0 Brings Numerous Enhancements”として 2.0 版のリリー スを報じている)[TJE]

<http://www.terrymorse.com/>
<http://www.golive.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04173>

Quark 社 4.02 アップデートをリリース -- 昨年 12 月に Macintosh 用 QuarkXPress 4.0 を出して以来、Quark 社は 4 度の小規模なアップデート を出している。最新版は 4.02r1 で 6.8 MB のダウンロードサイズである。 これは QuarkXPress 4 のどのバージョンでも 4.02 にアップデートしてく れ、4.01、4.01r1、と (出たばっかりの) 4.02 アップデータを置換するも のである。4.02 はいくつかのバグをつぶしたのに加えて、MS Word と XPress Tags フィルタと Index そして JPEG Import XTensions のアップ デート版を提供している。4.01 でリリースされた Bleed Redefine XTension は QuarkXPress 4.02では直接取り込まれている。Quark 社は数 週間前に TypeTricks 1.01 XTension をリリースした、これで QuarkXPress 3.3 でしか働かなかった無料の XTensions の機能のいくつかを代替できる ようになった。情報によればこれからの数週間でもっと XTension のフリー ウェアがリリースされると言うことで、これでようやく 4.0 の XTension も 3.3 版並みになる。[GF]

<http://www.quark.com/>
<http://www.quark.com/ftpusp.htm>
<ftp://ftp.quark.com/xpress/xtensions/mac/quark_xt40/TypeTricks101.hqx>


さらに複数モニタについて

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:高島 均 <hitak@kk.iij4u.or.jp>

TidBITS-421 の“複数モニタで楽しさ 2 倍”の記事に寄せられた反響の 大きさに思わず圧倒されるところだった。多くの人々が複数モニタを使っ ているようで、複数のスクリーンを享受する人々は私と同様これに病みつ きになっているようだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04768>

もう一台のモニタを探す -- 複数モニタを使うとコストがかかることを 嘆く人が何人かいた。この問題は全くそのとおりだと思うし、タダのビデ オカードやモニタを探し出すのが容易ではないのはもっともである。だが しかし、ほとんどの Mac は安価なモニタアダプタでほとんどの PC モニタ を使うことができる。マルチシンクモニタがベストだろうが、単なる VGA モニタであっても大丈夫なはずだ。[補足だが、Marc Zeedar 氏 <marc@designwrite.com> が TidBITS スポンサーの Cyberian Outpost 社 が 99 ドルで販売する XLR8 Warp Vision 2 MB PCI ビデオカードのことを 教えてくれた。(ここにはいくつかのモニタアダプタもある。)もう一つ の TidBITS スポンサーである Small Dog Electronics 社も安価なモニタ やビデオカードを提供している。-Adam]

<http://www.tidbits.com/tbp/warp-vision.html>
<http://fm.smalldog.com/RD/SmallDogPriceList.txt>

最近では新品のグレースケールモニタを購入するのはほとんど不可能だが、 多くの人がこれらを時代遅れと見なすということは安価な中古品なら探し やすいということなのかもしれない。(ネットワーク監視やメールやワー ドプロセッサなど)カラーが重要ではない場面なら使えることだろう。

ビデオ出力付きの AV Mac ならば追加モニタにテレビ受像機が使えるとい うコメントを数人からいただいた。解像度は大したことないし、VRAM を追 加する必要があるかもしれないが、640 x 480 で Web ページをプレビュー するには十分な手段である。

干渉を管理する? 多くの読者が近接するモニタ間に発生する干渉につい て尋ねてきた。この干渉により、一方もしくは両方のモニタで波が打った り色調がおかしくなったりする。私は Apple 社の 21 インチモニタに交換 して以来この問題を忘れていた。というのも、このモニタでは干渉の問題 が発生していないからだ。それはさておき、干渉を除去するいくつかのア ドバイスを紹介しよう。

複数モニタその他活用法 -- 副モニタの使用法で最もみんなが推薦した ものは、デスクトップパブリシングやグラフィックアプリケーションで使 われるたくさんのパレット類を置いておくためであった。これらパレット を安価な 13 インチモニタに置くことによって、24 ビットカラーで動く高 価な 21 インチカラーモニタであるような主モニタ上のスペースが解放さ れる。Victor Gavenda 氏 <victor@peachpit.com> は、複数モニタは音楽 の記譜にうってつけであると指摘してくれた。この場合スクリーンは広け れば広いほど良いのだそうだ。また、Max Heim 氏 <mvheim@studiolimage.com> は、2 台目のモニタを考えているアーティス トのために次のようなアドバイスを送ってくれた。

“2 つのモニタの色をほぼ一致させることが大切です。そうすればカラー パレットから色を選択するときその色は画像上でも同じに見えることでしょ う。こうした理由で、私はいつも Trinitron モニタを指定し、それらを必 ず同じ色温度とガンマ値に設定しています。2 つのモニタの解像度を同じ かあるいはほぼ同じ“インチ当たりピクセル数”(必ずしもサポートされ る最大解像度である必要はありません)にするのがベストだと思います。 また、こうすることで例えば文字もそれぞれのモニタで同じサイズで表示 されます。これははっきりとわかるパターンの繰り返しであるデスクトッ プパターンを選択するか、あるいは小さなウィンドウをモニタ間に跨るよ うドラッグして外枠が揃っているかを見ることで、簡単にチェックできま す。”

Macromedia Director で作業する人もまた複数スクリーンの恩恵に授かっ ている。前出の Max Heim 氏は Director 作業をするときには 3 つのモニ タ、つまり Paint ウィンドウと Cast ウィンドウ用に 20 インチのカラー モニタ、Score ウィンドウ用に 20 インチのグレースケールモニタ、そし て Stage 用に 13 インチのカラースクリーンを使っているとのことだ。

Web デザイナーなら、一方のスクリーンで HTML を記述しながらもう一方 でプレビューできることから、複数モニタの使用に強く同意することだろ う。最低レベルの公約数的現実との照合ができるので、640 x 480 で稼動 する安価なモニタがよく使われている。Netscape Navigator と Internet Explorer の両方でプレビューするために 3 つのモニタを使っているとい う人まで何人かいた。ネットワーク管理者を兼任する Web デザイナーは、 ネットワーク稼動状況を示すウィンドウを開いておくのに副モニタが役立 つことも見出していた。

プログラマーには、アプリケーションを他方のスクリーンで稼動させなが ら一方でデバッガを動かし続けるという、複数モニタに対する特別な需要 がある。私は、プログラマーには、手掛けるアプリケーションが複数モニ タでちゃんと作動するかどうかを確認するために複数モニタを使ってもら いたいとも考えている。アプリケーションによっては副モニタで適切にズー ムしないものがあったり、また、副モニタにウィンドウを敢えて移動でき ないようにしているアプリケーションをかつて見たことがある。

SoftWindows、Virtual PC、もしくは PC Compatibility カードを使ってい る人たちは、それぞれに一つのモニタを持たせれば 2 つのオペレーティン グ・システム間を行き来するのが容易になると言っている。私も確かにこ のことを PC を Timbuktu でコントロールするときに感じたところである。

そして最後に、ゲーム仲間たちは、ParSoft Interactive 社の A-10 Attack と GSC 社の F/A-18 Hornet 2.0 を強く奨めてくれた。これらは複数モニ タを使うとさらに視野が広くなるフライトシミュレータである(伝えられ るところによれば、その次のバージョンの F/A-18 Hornet はプログラムが クロスプラットフォーム化されて複数モニタのサポートが無くなったとの ことであるが)。

<http://www.parsoft.com/games/attack.html>
<http://www.graphsim.com/fsProd.htm>

ユーティリティ -- たくさんの人が複数モニタ環境で作業するのに便利 なユーティリティを伝えてくれた。Mac OS 8 を使っていない人のために、 Secret Finder Features 機能拡張を奨める読者がいた。これはゴミ箱に選 択ファイルを移動するのに Command + Delete のキーボードショートカッ トを可能にしてくれるもので、目的のアイコンがゴミ箱から遠いときには とても時間の節約になる。同様のことが、これもまた非公式の Hidden Finder Features コントロールパネルでもできる。

<http://www6.zdnet.com/cgi-bin/texis/swlib/mac/infomac.html?fcode=MC14472>
<http://www6.zdnet.com/cgi-bin/texis/swlib/mac/infomac.html?fcode=MC14471>

もう一つの有名なユーティリティである West Code 社の OneClick では、 ウィンドウ位置をちゃんと憶えてくれないお粗末なアプリケーションのた めにウィンドウを自動的に再配置するスクリプトが可能だ。さらに、 OneClick には Load/Save Desktops ボタンがあり、Finder アイコンを決 めておいた位置に並べ直してくれるので、デスクトップのレイアウトを乱 してしまうような操作をしてしまったときに役に立つ。Finder ウィンドウ に関してのみでよいのなら、Brookline Software 社の Window Set Manager が特定の目的のために一連のウィンドウを開いて配置するのに便利だろう。

<http://www.westcodesoft.com/>
<ftp://ftp.westcodesoft.com/OneClick_Button_Circle/Solutions/ desktops.sit.hqx>
<http://www.brooklinesw.com/>

2 台目のモニタを持つ余裕の無い人のために、Martin Sweitzer 氏は Virtual を奨めている。これは複数の仮想スクリーンとともに実サイズよ り大きな仮想スクリーンを提供する 10 ドルのシェアウェアである。 Virtual は、SE/30 を今でもサーバとして使っている我々のような人々に も有益かもしれない。実サイズより大きなスクリーンを事実上要求するソ フトウェアにたまに出くわすことがあるからだ。

<http://olympe.netsurf.org/~pilp/VirtualF/>

PowerBook ユーザー -- 最後になるが、たくさんの読者が、新しい PowerBook に取り替えないただ一つの理由は、これらが複数モニタのサポー トを欠いていることだと記していた。ただ、少なくとも PowerBook 1400 ユーザーには望みがある。John W. Fox 氏 <jfox@runet.edu> は、Newer Technology 社の VIEWpowr 1400/16 ビデオカードのことを教えてくれた が、このカードは、ビデオミラーリングでも 2 つの独立したスクリーンと してでもどちらででも 2 台モニタのシステムをサポートする。John の唯 一の問題は、PowerBook のスクリーンから 2 台目のモニタへのカーソル移 動が右辺からしかできないことで、私たちはこのことを確かめたわけでは ないが、Apple 社の初期の PowerBook 1400 用 8 ビットビデオカードな ら、ビデオミラーリングと独立スクリーンの両方を正しく可能にしている。

<http://www.newertech.com/video/viewpowr.html>


Home Page から戻って

by Michael Jardeen <ronin47@earthlink.net>
(翻訳:尾高 里華子 <odaka@iprolink.ch>)

Claris 社の Web オーサリングツール Claris Home Page 3.0 をレビュー しようと考えた時、ちょうど Claris 社が分裂し同社のソフトの大半は Apple のものになり、FileMaker と Home Page は FileMaker という名前 の新会社に任されることになった(詳細は TidBITS-415 の“Claris 社が FileMaker 社として再編へ”を参照)。Home Page 3.0 は FileMaker との 連携およびその総合的なインターフェースや機能が抜きんでており、特に 階層スタイルシート、サイト管理、本格的な JavaScript アシスタントの ような高度な機能を必要としない Web ページの作成には適しているだろう。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04684>
<http://www.clarishomepage.com/>

私は、Power Computing Power 100(100 MHz の PowerPC 601 と 40 MB の RAM を搭載)と Performa 6360(160 MHz の PowerPC 603 と 56 MB の RAM を搭載)の 2 台で Home Page を動かしてみたが、スピード、反応ともに どちらのマシンでも全く問題はなかった。

バージョン 1.0 使っていた頃は数多くの問題に悩まされた。たとえば、 バックグラウンドのグラフィックを表示できなかったし、プレビューの時 でさえ Netscape Navigator で表を表示するとおかしくなったりしていた し、フレームをサポートしていなかった(もっとも当時は気にならなかっ たが)。総合的な表のサポートは唯一ちゃんとしたものだった。

表のグリットを利用すると、Web ページのどこでも好きなところにアイテ ムを置くことができる。表(やハイエンドのスタイルシートをベースにし た位置決め)を使わない HTML では、非常に限られたレイアウトしかでき ない。Home Page 1.0 が登場した当時、私は表が大好きだった。それはひ とえに、私が HTML というものを理解していなかったからだ。プロバイダー からもらった 2 MB のスペースを使いたくてたまらないだけのガキだった のだ。[Web の黎明期にしっかりと HTML 巡りをした者のご類に漏れず、今 や Michael は正真正銘のプロの Web マスターである -Tonya]

ライバル -- 趣味でやっていた Web ページ作りが今のようになろうとは 夢にも思わなかった。Home Page に触れて以来 WYSIWYG 表示の HTML をい ろいろと試してみたが、いずれにも欠点があった。このレビューを書くに あたり Home Page 3.0 がその直接の競合製品である Adobe PageMill や Symantec Visual Page に勝るのはどういったことかに特に注意してみた。 はたして Home Page が、私の頭の中のランキングや私のエイリアスリスト の PageMill と Visual Page の座を奪い取ることができるものだろうか。

Adobe PageMill 2.0 の機能の総合点は高いが、表のセルを選択することに 関しては際立って貧弱なプログラムである。PageMill は初めてビジュアル 編集を実現したソフトだったことから、今でも初心者向けの Web オーサリ ングソフトとして広く知られている。一方 Symantec Visual Page は私の お気に入りである。サイト管理機能がもう少し充実してくれればと考えて いたので、最近の 1.1.1 アップグレードは特に良かった。言うなれば、 Home Page の良いインターフェースに PageMill の良くまとまった機能を 掛け合わせて、フォント特定機能を追加したようなプログラムである。

<http://www.adobe.com/prodindex/pagemill/>
<http://www.symantec.com/vpagemac/>

[上記製品の詳細およびその他 Web オーサリングツールに関しては、1997 年半ばに掲載したシリーズ“Web を編む”を参照頂きたい -Tonya]

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1010>

入門 -- Home Page はなんと一枚の CD-ROM に Mac OS 版と Windows 版 の両方が収録されているのだ。そしてバージョン 3.0 が 62 MB 以上のディ スクスペースを食うのにも驚いた。どうやらアプリケーション自体は 5 MB ほどしか必要としないのだが、オプションのクリップアートやテンプレー ト、そしてヘルプ関連のファイルが残りを占めるようだ。

個人的にはテンプレートとかクリップアートとかいったものにはほとんど 興味がないのだが、ページレイアウトの初心者にとっては価値があるかも しれない。クリップアートの質は標準以上だし、テンプレートはカレン ダー、子供のページ、仕事用サイトなど目的別に豊富に揃っている。

もう一つ驚いたことは、印刷したマニュアルがないということだった。もっ とも 9 MB のオンラインヘルプや 17 MB の使えそうなアシスタントは付属 しているし、以前のものよりは役に立つだろう。ソファーでマニュアルを 読みふけるタイプの方のために付け加えておくと、オンラインになってい るものは分かりやすく良いできだし印刷することもできる。

新規 Web ページの作成は、Home Page を立ち上げて、New コマンドを実行 するなり必要に応じてテンプレートやアシスタントを利用するなりすれば よい。サイトフォルダを定義したり、アシスタントを使って立派なサイト を作ることもできる。アシスタントを使えば、背景やリンクの色、タイト ルのようなデフォルトを指定する際に時間の節約になるし、ナビゲーショ ンツールを簡単に作ることもできる。

特筆すべき機能 -- Home Page の一番の特徴はそのエレガントで Mac ら しいインターフェースだ。ほかの Claris 製品を使っている人には親しみ やすいであろう。例を挙げると、表作成が実に簡単で、ハンドルをドラッ グするだけで表のサイズ変更ができるようになっている。同様の機能は PageMill や Visual Page にもあるが、PageMill では Home Page ほど簡 単にセルを選択することはできない。さらに、列や行を合体させる処理も Home Page が一番スムーズである。

Home Page のウインドウサイズは一般的なモニタの解像度(640 x 480、800 x 600、1,024 x 768 または505 ピクセル幅のデフォルト)を模すことがで きるようになっているというのも嬉しい。選択されたテキストのフォント フェースが複数でもフォントを適応できるというのも良い。この機能は、 Visual Page にはあるが PageMill にはない。ただし、複雑なフォントタ グ(例: <font face=Geneva, Arial>)を便利なメニューコマンドとして ストアする Visual Page のフォントグループの機能には及ばない。

タグいじり -- Home Page 3.0 では HTML が見やすくなるように Edit HTML モードでタグなどに色を付けたりインデントして表示されるように指 定できる。Edit Page モードにいる時にあるアイテムを選択して、そのま ま Edit HTML モードに移ってもそのアイテムはそのまま選択されている。 しかし、せっかく気を配って書いた HTML を Home Page の Edit HTML モー ドで開いたりすると手が加えられてしまうのは何とかして欲しい。ほかの もので作成した HTML のインポートは未だに悪夢である。この点が改善さ れれば、自分で直接 HTML を入力・編集したい時があるという人をもっと 引きつけることができるだろう。Macromedia 社の Dreamweaver には “Roundtrip HTML”機能が付属していて、ずっと上手にこの HTML いじり ができるようになっている。また GoLive Systems 社の CyberStudio でも 同様のことができる。

FileMaker をサポート -- Home Page 3.0 から FileMaker のデータベー スを利用したページ作りができるようになった。前から、スクリプトなり CGI なりを使って Web ページにデーターベースにある情報を載せるという ことはできた。Home Page では CDML(Claris Dynamic Markup Language) タグの入ったページを作ることができるようになっている。FileMaker Pro 4 の Web Companion がこの CDML を解釈して FileMaker Pro のデーター ベースの情報に置き換えてくれるのだ。

CDML を使うと FileMaker データベース内のレコードを検索、表示、作成 できるページを作ることができる。また、日付、時間、クッキーなどをサ ポートした機能もある。この CDML タグはドラッグ & ドロップで挿入で き、変更は手作業で行うことになる。

CDML を効果的に使用するには、FileMaker とその機能をしっかり把握して おかなければならないが、Perl のようなもっと複雑なプログラム言語を学 ばなくてもすむ。FileMaker Pro 4.0 の Web 機能を利用したデーターベー スのあるページを考えているのならば、この CDML サポートは PageMill や Visual Page にはない大きな選択要素になる。

マイナス面 -- Home Page は一目瞭然の大問題を少々抱えている。その 筆頭は、インポートした HTML をいじってしまうことだが、ビジュアル編 集ツールは優秀なテーブルツールにはなかなかなれない。それに、Home Page のフレーム機能は頭の堅い役立たず者の感がある。細かいことだが、 Home Page が自動的にリンクを張った画像に一ピクセルの枠をアサインす るようになっているのは理解に苦しむと最後に付け加えておこう。

結論 -- Home Page 3.0 は PageMill や Visual Page の基本的ビジュア ル Web オーサリングツールとしてのトップの座を奪うことができるものだ ろうか? まあノーということになるだろう。Home Page は覚えやすくかつ 使いやすいし、インターフェースも全体的にさっぱりしている。Mac OS、 Windows 95、Windows NT に対応しているので、クロスプロットフォームで のページのやり取りが可能だ。FileMaker のデータを利用したページを作 る際の性能においては一票獲得で、FileMaker のビルトインツールを使っ たデーターベースの利用者には、FileMaker のデーターベースを Web のア プリケーションに統合するツールになるのは必然であろう。

しかし、FileMaker との統合機能が Home Page 本来の使いやすさとシンプ ルさを持ったほかの機能と対等になるためには、まだまだ磨きをかける必 要がある。機能と使いやすさそして FileMaker のサポートの組み合わせに 引き込まれる人もいるだろうが、PageMill や Visual Page の方が全体的 なデザインと使いやすさが勝っているというのが私の意見だ。WYSIWYG 表 示の完ぺきな Web オーサリングツールは未だ現れていない。それに登場 してもすぐに世の中が変わってしまうだろう。

Home Page 3.0 は 99 ドルで、動作必要条件は 68020 の Macintosh、 System 7.1、12 MB の空き RAM、5 MB の空きディスクとなっているが、最 少インストールをしても 12 MB のディスクスペースが必要になる。お試し 版をダウンロードすることができる。MacBinary 版(10 MB)と BinHex 版 (13 MB)が用意されている。

<http://www.claris.com/software/highlights/clarispagetrial.html>

[Michael Jardeen 氏は MedLynx のチーフデザイナー兼 Web マスターである。]

<http://home.earthlink.net/~ronin47/>
<http://www.medlynx.net/>


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