TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#436/29-Jun-98

Apple 社の iMac が出荷されたら、Mac ユーザーはもう Universal Serial Bus の陰で我慢することもなくなるだろう。Jerry Kindall 氏が USB を解 説するとともに Mac ユーザーにとって USB が持つ意味を検証する。また ShareWay IP がどのように TidBITS スタッフを結びつけているかを考察す る。さらにニュースとしては、PlusOptimizer と DiskExpress Pro、Web ログ解析プログラム Summary、Extension Overload、BBEdit 4.5.3、新 WinMac メーリングリスト、The Tilery 4.0、そして PalmPilot ユーザー のための有用なツール Palm Buddy などについてお送りする。

目次:

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MailBITS/29-Jun-98

(翻訳:秋山 晃子 <nobineko@club.udn.ne.jp>)

Mac/Windows 統合メーリングリスト -- 経験豊富なユーザーが知的に Windows 95/98/NT と Mac OS の統合問題を議論することを目的とした WinMac メーリングリストが、Marc Bizer 氏 <mlbizer@mail.utexas.edu> によって新たに開設された。Steve Hyman 氏 <steveh@practech.com> が議 論を積極的に選考し、ソフトウェアの問題に焦点を絞る予定である。受け 付ける内容は、接続性、ファイル交換、エミュレーション、ユーザー管理、 サービスマネージメントなどを含む。合理的に論述されたものなら有用性 の比較も受け付けるが、節度ある議論が要求される。購読を申し込む場合 は <winmac-on@xerxes.frit.utexas.edu> にメールを送ってほしい。開設 初期は大量のメールが行き来すると見込まれるので <winmac-digest@xerxes.frit.utexas.edu> にメールを送ってリストのダイ ジェスト版を購読することもできる。購読を停止する場合は <winmac-off@xerxes.frit.utexas.edu> にメールを送ってほしい。 [ACE]

The Tilery 4.0 攻勢に出る -- Semicolon Software 社の Rick Holzgrafe 氏が今日、同氏の最新デスクトップ・ランチャーアプリケーショ ンである 15 ドルのシェアウェア The Tilery 4.0 をリリースした。 (TidBITS に前バージョンについての記事“Desktop Launchers, Part IV” TidBITS-278 がある。)Tilery は、クリックするだけで、アプリケーショ ン、書類、フォルダ、ボリューム、コントロールパネル、サーバなどを開 くことのできるグラフィックタイルを提供している。加えて、アクティブ なアプリケーションが自動的にタイリングされる。バージョン 4.0 の新機 能には、追加機能を利用するためのタイルポップアップメニュー、キーボー ドコントロール、タイル用のホットキー、タイルの作業セット、編集可能 なタイルテキストラベル、などが含まれている。The Tilery 4.0 は 442K のダウンロードである。

<http://www2.semicolon.com/Rick/Tilery.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=01479>

Mac PalmPilot オーナーのための新 Buddy -- Florent Pillet 氏 <florent.pillet@wanadoo.fr> が Palm Buddy をリリースした。これは 20 ドルの Macintosh 用シェアウェアアプリケーションであり、携帯電子手帳 でデータを扱うためのさらなる重要なオプションを PalmPilot オーナーに 提供する。Palm Buddy はビルトインの HotSync ソフトウェア(Palm デバ イスとデスクトップコンピュータのデータをシンクロさせるソフトである) と異なり、PalmPilot との間に自由でアクティブな接続を構築する。これ により、Pilot 上にあるファイルのディレクトリを調べたり、ドラッグ & ドロップで Finder からアプリケーションをインストールしたり、Pilot のデータすべてのフルバックアップを取ったり、古いバックアップを保存 しておくこともできる。Palm Buddy はまたプラグインアーキテクチャを採 用している。これは現在の段階ではテキストファイルを Pilot 上で読める AportisDoc 書類フォーマットに変換するものである。

<http://perso.wanadoo.fr/fpillet/#palmbuddy>
<http://www.aportis.com/products/AportisDoc/benefits.html>

もし最近 PalmPilot に Palm 2 MB Upgrade をインストールして Mac ユー ザーを悩ますアップグレードカードの ROM に含まれたソフトウェア障害 (“PalmPilot Upgrade カード、Mac ユーザーに問題” TidBITS-435 を 参照)が起きているなら、Palm Buddy が部分的な回避方法を提供してい る。この問題は Mac ユーザーが HotSync 経由で新たにアプリケーション をインストールするのを妨げているのだが、Palm Buddy を使えば直接プロ グラムをロードしたり、そのデータファイルのバックアップを取ることが できる。しかし Palm Buddy には Pilot のビルトインアプリケーション (たとえば Address Book)に関連するデータファイルのバックアップを取 れるが、PalmPilot ファイルをデスクトップファイルと シンクロ させ ることはできないという欠点がある。だから Pilot デスクトップソフト ウェアによる変更は、次に HotSync を使ったとき、おそらく PalmPilot に転送されないだろう。Palm Buddy は 990K のダウンロードである。 [JLC]

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04944>

PlusOptimizer のジャンプ、DiskExpress Pro アップグレードの約束 -- Alsoft 社が HFS Plus ボリュームで動作する同社のディスク最適化ソフト ウェア PlusOptimizer(TidBITS Update の“PlusOptimizer、HFS Plus ボ リュームを最適化”を参照)を 29.95 ドルで出荷してから 1 週間そこそ こだが、早くもバージョン 1.1 への無料アップデートが登場した。この アップデートでは、ディレクトリに Disk First Aid で修復できない損傷 があっても PlusOptimizer が動作し、最適化についてのレポート機能が追 加され、ユーザーがアンカーファイルを指定したり取り消したりでき、よ り克明なプログレスバーが表示される。無料アップデートを入手するため に登録ユーザーは Alsoft 社のメールサービスを利用しなければならない。 登録番号の確認後、532K のファイルがメールで送られてくる。

<http://www.alsoft.com/plusoptimizer.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04937>

いく人かの読者から、TidBITS に掲載された PlusOptimizer の記事を読ん で当惑したという情報がよせられた。PlusOptimizer は DiskExpress Pro のほんのいくつかの機能を実行するものだ。同社の Web サイトでは何も発 表されてないが、Alsoft 社はいく人かの読者に、Mac OS 8.1 と HFS Plus に対応した DiskExpress Pro の無料アップデートを提供する予定だと伝え ている。一方、DiskExpress Pro ユーザーの中には、DiskExpress Pro アッ プグレードが出荷されるまでの一時的な解決策として PlusOptimizer を購 入する以外に選択肢がない、と感じている人がいる。ほかの選択肢は、も ちろん、ディスクの断片化を気にしないことだ。しばしば心配は断片化に 関連したパフォーマンスの問題の実態をうわまるものだからだ。また単に バックアップを取ってそのバックアップから書き込み直すだけですべての 断片化を解消できる。そしてあなたはちゃんとバックアップをとっている、 はず? [ACE]

BBEdit 4.5.3 へアップデート -- 先週 Bare Bones Software 社が、同 社の人気テキストおよび HTML エディタの市販品版である BBEdit 4.5 の 無料アップデートをリリースした。アップデート 4.5.3 では BBEdit のビ ルトイン FTP の性能と Find Differences の機能性が高められ、多くのマ イナーバグが修正されている。アップデートのダウンロードは 2.7 MB (BinHex)または 1.9 MB(MacBinary)である。 [ACE]

<http://web.barebones.com/products/bbedit/bbedit.html>
<http://web.barebones.com/support/update.html>

Web 概要を出力する Summary -- Macintosh 版フリーウェアの Web ログ 解析プログラムである Analog を提供し続けている Jason Linhart 氏が、 Web ログ解析の魅力的な試みの Summary 1.0 をリリースした。Summary は、ただひとつのページに複数のレポートを含んだ Web ページを作るので なく、むしろ独自の目的を持った Web サーバーとして働き、60 を超える レポートのどれかひとつを出力し、Web ブラウザさえあればそこに速やか に送信する。ありがたいことにパスワードプロテクトがあり、ログファイ ルのインデックスを再度作る必要なしに Summary を停止させたり再開始さ せたりできるオプションがあるので、指定した時間だけ Summary を稼働さ せることができる。Summary はまた複数 Web ログ解析が可能なので継時的 総計を提供できるのだが、これは多くの旧来の Web ログ解析プログラムで は実行困難であった。Summary は 59 ドルのシェアウェアで、345K のダウ ンロードとなる。インターネットに接続された PowerPC ベースの Macintosh、Web ブラウザが必要である。 [ACE]

<http://summary.net/summary/>
<http://summary.net/soft/analog.html>

拡張機能満載の Overload -- Teng Chou Ming 氏が 10 ドルのシェアウェ ア Extension Overload 2.7 をリリースした。これはスタンドアローンの DOCMaker 書類であり、666 の機能拡張、245 のコントロールパネル、 Easter Eggs、Macintosh エラーコード、その他の情報を提供するものだ。 これは Dan Frakes 氏の InformINIT 8.1(“InformINIT: あなた個人の Macintosh 情報提供者” TidBITS-429 参照)に比べて小型だが、この 点以外は非常に類似している。このふたつの間にはオーバーラップする部 分がたくさんあるようだが、随所で補完しあう情報も提供している。 Extension Overload のダウンロードは 227K である。 [ACE]

<http://www.mir.com.my/~cmteng/>
<http://cafe.AmbrosiaSW.com/DEF/InformINIT.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04879>


IP ファイル共有

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <odaka@iprolink.ch>)

小規模な組織に最近多く見られるように、TidBITS にも本部というべきも のがない。私たちは全員が自宅で仕事をし、主としてインターネットを通 じて共同作業を進めている。個人的なメールやメーリングリストを使って 連絡を取り合い、プライベートな Web サーバで統計を取り、TidBITS Updates の編集とポストを行い、それに記事の編集作業中には原稿をやり とりする。私たちは今までの数年間でこういった作業のノウハウを積み上 げてきた。これは TidBITS 特有のものではあるが、多くの組織にも似たよ うなニーズがあるはずだ。

AppleShare IP 登場 -- Apple 社が HTTP、FTP、それにインターネット メールをまとめてサポートした AppleShare IP 5.0 を発表した時、私は小 躍りして試してみることにした。その多彩な機能もさることながら、何年 も前から欲しいと思っていた一つのすばらしい能力のためだ。これは AppleShare Client Chooser 機能拡張 のバージョン 3.7 以上を動作させ ているマシンならインターネット経由で標準の Macintosh ファイル共有が 可能だというものだ。この機能拡張は System 7.5 以降で使え、Mac OS 8 には標準で付属している。(インターネット経由で共有ボリュームにアク セスするのは簡単だ。Chooser を開き、AppleShare ボタンをクリックし、 Server IP Address ボタンをクリックし、AppleShare サーバの IP アドレ スをダイアログに入力し、Connect ボタンをクリックすればあとは普通の AppleShare サーバに接続する要領と同じだ。)

<http://www.apple.com/appleshareip/>

ではなぜこの機能が TidBITS にとって大事なのか? 6 人のスタッフが同じ ファイルに手を加えるわけだから、誰がどのファイルをチェックしてある か、どのファイルが別のメンバーが手を加えても良い状態になっているか が分かるように細心の注意が必要だからだ。しばらくは NetPresenz FTP サーバにファイルを置き、ファイルを IN フォルダから OUT フォルダに移 動し、適切なイニシャルをファイル名に追加して誰がどのファイルで作業 しているかがほかのメンバーにわかるようにした。でもこれは大変だった。 複雑なパス名を入力しなければならなかったため、間違いは頻発した。作 業が終わってファイルを戻す時は OUT に入っているファイルを IN にリ ネームするか、ファイルを IN にアップロードして OUT のファイルを削除 する必要があった。ファイルの名前を変えたり移動するのは FTP クライア ントやサーバが得意とする作業ではないのだ。

これとは対照的に、Finder はファイルの名前を変えたり移動するのが得意 だ。いったん AppleShare IP をセットアップして使いだしたら、スタッフ 全員がファイルサーバを普通の AppleShare ボリュームと同じようにマウ ントすることができた。時にはファイルをインターネット経由で開くこと すらあって、私たちの 56K 接続ではさすがにあまりにも遅かったが、T1 経由だったらそこそこスピーディに使うことができるかもしれない。最後 に、私たちのシステムはかなり特化したものなのであまり使うことはない のだが、Find File を使ってインターネット経由でマウントしたボリュー ムを検索することができる。これはなかなか便利だ。

AppleShare IP 退場-- 残念ながら、AppleShare IP 5.0 には問題があっ た。RAM を 32 MB 必要とする大食いだったのだ。(私は Power Mac 7100/66 を開けて RAM を増設するのに一時間かかった。幸先の良い出だし ではない。)AppleShare IP のインターフェースは OpenDoc ベースで、開 発当時は政治的に正しいことだったかもしれないが、複数の管理プログラ ムで混乱の元となった。さらに悪いことには、AppleShare IP の終了の際 に確認のダイアログを表示したため、OpenDoc のせいでサーバを毎晩再起 動することができなかったのだ。普通の Mac アプリケーションだったら無 料のユーティリティ、Okey Dokey Pro でボタンを押して再起動をそのまま 続行することができたのだが、Okey Dokey Pro からは OpenDoc のボタン が見えなかったのだ。それに加え、TidBITS の記事の検索可能なデータベー ス用に不安定なカスタム版の Apple e.g. を使おうとしていたため、シス テムがクラッシュしてもこの AppleShare IP の確認ダイアログのために Keep It Up がコンピュータを再起動することができなかったのだ。要する に、AppleShare IP は他のプログラムと仲良く共存することができず、私 は腹立ちまぎれに AppleShare IP を削除してシステムフォルダをクリーン インストールしてしまった。こうして WebSTAR、NetPresenz、それに Personal File Sharing のシステムへと回帰したのだった。(ここで私が 使っていたのは AppleShare IP 5.0 であることに注意されたい。バグを フィックスした 5.0.2 がこの後間もなく登場し、私のイライラの元が多少 は改善されていた可能性もある。)

<ftp://mirrors.aol.com/pub/info-mac/gui/okey-dokey-pro-203.hqx>
<http://www.research.apple.com/technology/eg/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1045>
<http://www.vl-brabant.be/mac/kiu.html>

ShareWay IP 登場 -- これでスタッフに FTP 経由でのファイル操作に戻 るように強制したら暴動が起きたかもしれない。幸いにして同時期に Open Door Networks 社が ShareWay IP(現行バージョンは 1.1.1)をリリース したのだ。これは Personal File Sharing と AppleTalk Filing Protocol (AFP)互換のファイルサーバ(たとえば初期の AppleShare や、Windows NT、Novell NetWare、または Unix AppleShare 用のもの)のゲートウェイ の働きをするものだ。

<http://www.opendoor.com/shareway/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04178>

TidBITS は大きな組織のではないので、AppleShare IP が苦痛なほど身分 不相応だったのに対し、ShareWay IP はぴったりだった。AppleShare IP 5.0 が 32 MB の RAM を欲しがったのに対し、8 MB 以下の RAM で HTTP には WebSTAR 1.3.2、FTP には NetPresenz 4.1(もっと RAM 不足だった ら NetPresenz を HTTP に使うこともできた)、メールには Eudora Internet Mail Server 1.2、それにインターネットファイル共有には ShareWay IP Personal と Personal File Sharing を使って同機能を実現 することができたのだ。

上記の中で ShareWay IP だけが新顔だったが、全く問題なく動作した。 Personal Edition は Personal File Sharing でしか使えず、一台のマシ ンに限定されるが、その結果、唯一のコントロールはファイル共有が開始 した後に IP ゲートウェイを起動するために押す Start ボタンだけとなっ た。ShareWay IP は、ゲートウェイがアクティブな時に終了されたら (Start ボタンが Stop ボタンに変わる)、次に起動した時には自動的に ゲートウェイをアクティブにするという正しい判断をする。

要するに、ShareWay IP Personal Edition は超簡単だ。Open Door Networks 社はこれ以外にももっと多機能なバージョンを 2 種類販売して いる。いずれも一台のマシンが、ネットワーク上でファイル共有をアクティ ブにしているすべてのマシンか AFP サーバとなっているマシン用のゲート ウェイとなるというものだ。ShareWay IP Standard Edition はもう一台の サーバが利用できるようになるもので、ShareWay IP Professional Edition はそれ以上の数のサーバが利用できるというものだ。これに加え、アクセ ス統計、グラフ作成、ログファイル作成、それにソート可能なアクティブ な接続のリストなどの機能が追加される。

<http://www2.opendoor.com/gateway/ShareWayIPPro.html>

小さな問題 -- だいぶ ShareWay IP を使い込んでみたが、ShareWay IP そのものが原因の問題というものには遭遇しなかった。だが、Apple の AppleShare クライアントソフトウェアが元になっているとおぼしき嫌な問 題には遭遇した。何人か(全員ではなく)がファイルサーバのボリューム をアンマウントすると、そのクライアントマシンで Finder がリスタート したりハングするのだ。サーバには全く影響はないようなのだが、とにか くいまいましい。サーバのボリュームを常にインターネット経由でマウン トしておくのは現実には無理だ。比較的遅いインターネット接続のため、 サーバ側で何か変更があると、サーバをマウントしているユーザー全員が 遅い動作に悩まされることになるからだ。

ShareWay IP の全般的問題としては、セキュリティ機能が全くないという ことがあるぐらいだ。ShareWay IP はゲートウェイしているサーバのセキュ リティ機能をそのまま利用する。これはある程度理にかなっているが、多 くの人はファイル共有をオンにしてゲストに完全なアクセスを許すことが 多い。これは常に好ましくない行いではあるが、ShareWay IP がインター ネット全体から Macintosh へのアクセスを許すことから、問題はより深刻 なものとなる。もし ShareWay IP を使うことになったら、インターネット の荒波にさらされるサーバのセキュリティには大いに注意していただきた い。

ある意味では、ShareWay IP は FTP などの他の方法よりもセキュリティの 面では安心だ。ShareWay IP は接続に特定のポートナンバーを使用するの で、ルータのアクセス制御リストで決められたマシン以外からのこのポー トへの接続をブロックするということができる。加えて、AppleShare が双 方向のランダムな数字の交換でパスワードを暗号化するため、FTP のよう にパスワードがそのままネットワークを渡ることがない。

また、ShareWay IP Personal と Standard Edition、それに Apple の Personal File Sharing にはログ作成機能が盛り込まれていない。System 7 の File Sharing Monitor コントロールパネルや Mac OS 8 の File Sharing コントロールパネルにある Activity Monitor タブからはその時 点で誰がログインしているかを見ることができるが、ログ作成には ShareWay IP Professional か、AppleShare IP と同じく Open Door Networks 社製の AFP Logger の組み合わせが必要だ。

<http://www.opendoor.com/logger/>

ShareWay IP には HTML フォーマットの電子マニュアルが付属している。 やや無味乾燥ではあるが、ShareWay IP の最低限のインターフェースに合っ ているとも言えるだろう。ShareWay IP のPersonal と Standard Edition には同じドキュメンテーションが付属しており、このために Personal Edition のユーザーにはやや混乱の元になるかもしれない。

一芸一筋 -- ShareWay IP が単機能であることは間違いない。AFP 互換 のファイルサーバをインターネットか TCP 経由で Macintosh ユーザーに 利用可能にするというたった一つの機能しか持っていない。RAM もほとん ど使用せず、インターフェースもほとんどなく、サーバのパフォーマンス や安定度にもほとんど影響がなさそうだ。要するに ShareWay IP はイン ターネット経由でファイルを共有しなければならない小規模な組織には理 想的で、私たちのインターネットサーバソフトウェア群になくてはならな いツールになっている。

現行の ShareWay IP のバージョンは 1.1 だ。ShareWay IP Personal Edition は Open Door Networks から 79 ドルで直販されている(教育市 場向け価格は 69 ドル)。Standard Edition は 249 ドル(教育価格は 179 ドル)、Professional Edition は 479 ドル(教育価格は 349 ドル)と なっている。対照的に、AppleShare IP の価格は 5 ユーザーライセンスの 800 ドルからユーザー数無制限の 2,000 ドルまで幅がある。10 日間有効 の ShareWay IP の各種のデモ版が用意されており、Personal および Standard Edition はボリュームディスカウントもある。


USB とともに

by Jerry Kindall <kindall@manual.com>
(翻訳:尾高 里華子 <odaka@iprolink.ch>)

iMac の発表以来、Macintosh 界では全く新しい単語 USB を耳にするよう になった。SCSI を筆頭に ADB ポート、モデムポート、プリンタポートと いうお馴染みのものは消え去ってしまった。Apple 社が USB に乗り換える 理由は? シリアルポートでは何故駄目なのか? USB はどれほどのものなの か?

<http://www.apple.com/imac/>

USB とは? USB は“Universal Serial Bus”の略で、Windows 界で普及 しつつある特殊なシリアルポートである。最新モデル PC のほとんどが USB ポートを最低一つは搭載しており、Windows 98 は USB ポートに繋がるディ バイス用のプラグ・アンド・プレイのサポートを新たに加えた。(COMDEX でのあの有名なクラッシュは Bill Gates 氏が Windows 98 を載せた PC に USB スキャナを繋ごうとしていた時に起きたのだ。もっとも、Windows のプラグ・アンド・プレイがこの程度のものだということ分かった。)

USB は PC に付いているあらゆる低中速のデータポートに取って代わるこ とを目指している(だが、USB を搭載したほとんどの PC には旧式のポー トも備えている)。つまり、シリアルポートだけでなく、(PC ではシリア ルポートの一種である)キーボードポートやマウスポート、そしてパラレ ルポートといったものも含まれている。PC ではパラレルポートは、プリン タ専用ではなく、Zip ドライブ、テープドライブ、スキャナ、そして一部 モデムにさえ使われたりするのだ。

USB が低速のシリアルポートはもちろんパラレルポートにも取って代わろ うとしていること、そしてそれを一気にやってしまおうとしてるというの だから、USB はかなり速い。USB ディバイスがコンピュータとやり取りを するスピードには、1.5 Mbps と 12 Mbps の 2 種類がある(Mbps は100 万ビット毎秒のことであり、バイト毎秒に換算するには 1 バイトが 8 ビッ トであることをお忘れなく)。参考までに、Mac のシリアルポートは最高 出力が 230.4 Kbps であり、ADB ポートは 1 Kbps 強である。キーボード やマウスのようなディバイスは低速の方を使い、Zip ドライブやプリンタ、 スキャナは高速の方を使うことになる。単一 USB バスで 2 種類のスピー ドが可能なのだ。

バスと聞けば Apple Desktop Bus(ADB)を連想してしまうかもしれない。 ADB はデージーチェーン方式でコンピュータに入力ディバイスを接続する Apple の標準である。USB は同様のデージーチェーンをサポートしていな い。しかし、そこに ハブ と呼ばれるディバイスをつなぐことは可能で、 これによりほかのディバイス用の USB ポートを増やすことができる。ハブ を複数利用することにより、一つの USB ポートに 127 個までのディバイ スを接続することができる。(論理的には、デージーチェーン式接続用の “単一ポートハブ”を搭載したディバイスというものも可能なのだが、価 格最優先の PC 市場では実現しそうもない。)

ADB ディバイスと同様 USB ディバイスも限界はあるがバスから直接電源を 取ってくることができる。電力食いの USB ディバイスがたくさんある場合 は、電源供給のできるハブを利用することができる。(プリンタやスキャ ナのような可動部やモーターのついた電力消費の特に激しいディバイスに は自分用の電源部が付いており、USB からは取らないようになっている。)

USB ディバイス -- どのようなものが USB ディバイスになるか? まずは 各種入力ディバイス(キーボード、マウス、タブレット、ジョイスティッ クなど)。そして、PC のパラレルポートに繋がっているものはまずほとん ど恰好の的で、USB Zip ドライブとか比較的遅い巨大ストレージディバイ スが登場してくるだろう(実際、Imation 社と Panasonic 社は 120 MB、 1.44 MB の両ディスクを読むことのできる LS-120 SuperDisk ドライブを すでに発表している)。そのほか USB ディバイスになりえるものとして は、テープディバイス、スキャナ、デジカメ、モデム、プリンタがある。 また Newer Technology 社は iMac 専用の USB ベースのフロッピドライブ の開発計画を発表した。ケーブルモデムや ADSL アダプタの多くが USB の 帯域幅内で動いているので、その手のディバイスも登場するかもしれない。 12 Mbps の USB の方は、標準が 10 Mbps の Ethernet よりも速い。

USB Zip ドライブ(や LS-120 のような似たようなカートリッジタイプの ドライブ)はきっと登場するだろうが、USB に繋がっているハードディス クのパフォーマンスは落ちてしまうだろう。USB Zip は PC のパラレルポー トに繋がる Zip よりも速いものになるだろうし、コンシューマーが周辺機 器として用いるようなものには適しているだろうが、SCSI の方が依然とし て速い。一番遅い SCSI でさえ毎秒 5 MB という USB の 3 倍の速度で伝 送する、新型の Ultra/Wide SCSI III になると 40 MB にも及ぶ。ハード ディスクやデジタルビデオカメラ用にははやり SCSI が欲しいだろうし、 FireWire と呼ばれている超高速シリアルポートに至ってはこの場で取り上 げるべきものではない。

USB と Mac -- Mac ユーザーにとって USB はいかなるものになるのか? 競争の激しいあの PC 市場の恩恵にあずかることができるのは明らかで、 しばらくすると PC ユーザーのように 15 ドルでキーボードを買うことも できるようになるだろう。(もちろん、それは Mac でも動く PC キーボー ドだろう。)USB はそれぞれ自分のアイデンティティを表す属性“タイプ” を(「俺はキーボードだ」「私はマウス」「私は Reality Distortion Field ジェネレーター」のような具合に)持っている。そして USB 互換 Mac には、内蔵ドライバをともなった USB Manager が搭載され、大抵の ディバイスと少なくとも最低限のやり取りはできることになるだろう。周 辺機器の性能をフルに生かすためには Mac 専用のドライバが必要になるだ ろうが、これは製造元にとってもパラレルポート用と SCSI 用のリムーバ ブルメディアのディスクをそれぞれの市場向けに作るよりは、ソフトの追 加部分を作るほうが格段に安く済むのだ。現在 PC カードではおよそこの ような仕組になっている。標準 PC カードモデムドライバは大抵の PC カー ドモデムで利用できるが、特別仕様の PC カードにはそれぞれのドライバ が必要になる。自社の USB 機器を Mac 対応にすると発表したメーカーも 2 〜 3 社ある。iMac が小売店の思惑通り売れたら、追従するメーカーも 増えるだろう。

USB が Windows 界で苦戦を強いられているのはドライバが原因である。近 年の Windows の成功の大きな要因の一つは Microsoft が Windows 自体に 様々なハードウェアディバイスのドライバをどっさり付けて、インストー ルの問題やコンフリクトを軽減していることである。しかし、USB の登場 が Windows 95 より後だったので、USB 周辺機器の開発元がドライバを個々 に用意することになり、無秩序なものになってしまったのだ。先日リリー スされた Windows 98 では結構まともに USB をサポートするようになって おり、定着してくれるのではと期待できる。一般的な USB ディバイス対応 のドライバを取り入れるという Apple の戦略のおかげで、Mac で使われる USB の統一性がさらに増してくれるかもしれない。

ところで、iMac のキーボードにはポートが 2 つ付いたハブが内蔵されて おり、マウス以外にもう一つ別のディバイスを接続することができる。iMac 本体には独立した USB ポートが 2 ある(それぞれが 12 Mbps の帯域幅を 持っている)ので、iMac は(マウスやキーボードに加えて)USB 周辺機器 を 2 つサポートする。一つはマシンに直接接続するもの、もう一つはキー ボードに接続するものだ。USB ポートがもっと必要だというのであれば、 ポートが 4 つ付いたハブを 100 ドルぐらいで購入することができる。もっ とも、USB の受け次第では、Ethernet ハブの時のように 50 ドルぐらいま で値下がりするのではとの予測もある。

Newer Technology 社が発表した USB からシリアルへのコンバータ製造計 画以外に、“旧式の”Mac シリアルポート、ADB ポート、(本当に遅い) SCSI ポートを備えた USB 周辺機器を最低一社が出してくるであろうとい うのが巷の噂で、そうなれば、今までの Mac から iMac に乗り換えるユー ザーは、所有のプリンタ、モデムを利用できるし、古いハードディスクに 接続してデータをコピーすることもできるようになる。このようなアダプ タを使って iMac に ADB クレジットカードリーダー、バーコードスキャナ を繋ぐと、実におしゃれな POS マシンになるだろう(Mac 対応の USB 機 器が出てくるまでは少なくとも)。噂は真に受けるものではないが、妥当 な値段で生産できれば本当になるだろう。ソフトの互換性に完全を求めて はならない。なかには、シリアルポートの属性は決して変わらないものだ と勝手に思い込んでるものもあるのだが。

USB 業界団体が作っている Web サイトに行けばもっと詳しいことが分かる し、USB 周辺機器を販売している USB Stuff のサイトではどんな周辺機器 があるのかを知ることができる。さらに、MacInTouch には読者から寄せら れた USB 関連情報が多種多量にある。

<http://www.usb.org/>
<http://www.usbstuff.com/>
<http://www.macintouch.com/usb.html>

[この記事は MWJ(Weekly Journal for Serious Macintosh Users)の許可 を頂き、加筆転載したものである。洞察の利いた Macintosh 情報が足りな いと感じている方は、完全無料の 2 回分のお試し購読をするか、無料の記 事のサンプルをダウンロードすることができる。詳しくは、MWJ の Web サ イトを参照のこと。]

<http://www.gcsf.com/>


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