TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#446/14-Sep-98

何台かの Mac をつないでファイルやプリンタやインターネットの接続を共 有するための最善の方法を知りたい? Adam が Ethernet ネットワークの基 本的構築方法をお送りするので最後まで読んでほしい。また今週は Matt Neuburg がなぜ Conflict Catcher 8 を最高の機能拡張管理ツールだと考 えているか説明する。Internet Explorer セキュリティパッチ、Apple 社 の iMac アップデート 1.0 などのニュース、Anarchie Pro 3.0、 Retrospect 4.1、DoorStop 1.0、Mailsmith 1.1、Speed Doubler 8.1.1 な ど新バージョンについてもお届けする。

目次:

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MailBITS/14-Sep-98

(翻訳:秋山 晃子 <nobineko@club.udn.ne.jp>)

Internet Explorer Cross-Frame セキュリティバグパッチ -- Microsoft 社が Internet Explorer の使用によりセキュリティ問題が起こりうること を公にした。Internet Explorer の利用者のローカルディスクに Web サイ トのオペレーターがアクセスできてしまうという問題である。 “cross-frame navigate”と呼ばれるこの問題は Windows 版と Macintosh 版両方の Internet Explorer 3.x と 4.x で起こりうる。Mac では、 Internet Explorer 3.01、4.0、4.01 で問題が起こるが 3.0 では起こらな い。Windows では、Explorer の HTML エンジンを利用するアプリケーショ ン(たとえば Eudora Pro)のすべてでこの問題が発生しうる。Microsoft 社はこの問題を解決するために Mac 版 Internet Explorer 4.01 用の 2.3 MB アップデータをリリースした。Explorer 3.01 と 4.0 のユーザーはバー ジョン 4.01 へのアップデートをしてからパッチを当てなければならない。 ほとんど情報が手に入らないが Microsoft 社はこの抜け道が悪用された ケースはひとつも報告されてないと述べている。 [GD]

<http://www.microsoft.com/ie/security/?/ie/security/xframe.htm>
<http://www.microsoft.com/security/bulletins/ms98-013.htm>
<http://www.microsoft.com/msdownload/iebuild/xframe_mac/en/30926.htm>

Retrospect 4.1 が FTP でバックアップ -- 今日 Dantz Development 社 が同社の強力なバックアップソフトウェアの最新版の Retrospect 4.1 を 発表した。ことに重要な新機能はインターネットバックアップセットのサ ポートであり、これはリモート FTP サーバへインターネットを経由して バックアップできるようにしたものだ。iMac ユーザーにとっては理想的な 機能だ。またバージョン 4.1 は、最近の Mac を事故時に緊急回復させる 起動 CD が新たに付属しており、周辺機器(DVD-RAMを含む)をサポート し、スピードと信頼性を向上させ、メールの報告機能が拡張されている。 4.1 アップデートは Dantz 社によれば 98 年 10 月 1 日出荷予定で、98 年 9 月 1 日以降に Retrospect 4.0 を購入した人には無料で提供される。 そのほかは 29.95 ドルで Retrospect Clients の無料アップデートが含ま れている。 [ACE]

<http://www.dantz.com/dantz_products/prod_intros/retro4_1_intro.html>

iMac アップデート 1.0 で USB を一捻り -- Apple 社がボンダイブルー の箱用ソフトウェアアップデートを初めて出した。ひとつめは新しい CCL モデムスクリプトである。これは iMac の内蔵モデムを強制的に 33.6 Kbps かこれ以下のスピードで接続させるもので、56 Kbps でのモデム接続時に ノイズが入るという接続にまつわる問題を解消するようだ。このスクリプ トが必要なのは iMac の内蔵モデムで ISP に接続したときに目立った障害 が起こる場合だけである。これより大きなもう一つのアップデートは iMac アップデート 1.0 で、iMac の USB ドライバとサードパーティの USB 周 辺機器との互換性の問題を改善している。Apple 社は iMac のユーザー全 員にこのアップデートをインストールするよう奨励しているが、その効果 に気づくことができるのは iMac 付属のキーボードとマウス以外の USB デ バイスを接続しているユーザーだけであろう。この iMac アップデート 1.0 は 2.1 MB で Mac OS ROM ファイルを全く入れ替える。アップデートは Apple 社のよく作り上げられた iMac Support サイトにある。 [GD]

<http://www.apple.com/support/imac/>

Stairways 社 Anarchie Pro 3.0 をリリース -- Stairways Software 社 が Anarchie Pro 3.0 をリリースした。広く使われているファイル転送プ ログラムの最新バージョンである。Anarchie Pro 3.0 は今や HTTP ダウン ロード機能を実現し Web ページのリンクを Finder のようなしゃれた画像 で見ることができるし、オフラインでブラウズしたりオーサリングできる ような Web サイトのダウンロード機能も加えられている。また Anarchie Pro 3.0 は(リモートサーバで転送再開が可能な場合に)FTP や HTTP ファ イル転送を再開させたり、リモート FTP フォルダを同期させたり、BBEdit 使ってリモート FTP ファイルを手元にあるかのように編集することができ る。Anarchie のインターフェースもずいぶん改良され、いくつかの新しい 便利な機能が提供されている。その中には転送が中断してしまったかどう かの見極めを可能にする直前のファイル転送量の表示、転送の開始および 終了時の告知音などがある。Anarchie Pro 3.0 はインターネット設定に優 先して動作できるので、ほかのアプリケーションから受け取った共通ファ イルタイプを Anarchie にダウンロードさせることが可能だ。また Apple Internet Access Detector(AIAD)を採用しているので AIAD をサポート しているどのプログラムからでも Anarchie Pro にリンクを手渡すことが できる。多数の要望にこたえて今 Anarchie Pro 3.0 はパスワードをブッ クマークと一緒に保存し、まもなく出る Apple 社の Keychain(慎重な扱 いを要する情報の安全な保存方法を提供するようだ)をサポートしている。 Anarchie Pro 3.0 は 35 ドルのシェアウェア(前バージョンからのアップ グレードは 20 ドル)で、System 7 かそれ以上の System、そして MacTCP か Open Transport が必要だ。ダウンロードは 800K。 [GD]

<http://www.stairways.com/anarchie/>
<http://applescript.apple.com/data_detectors/>

DoorStop 1.0 リリース -- Open Door Networks 社がソフトウェアファイ アウォール DoorStop 1.0 をリリースした。これは Macintosh ベースのイ ンターネットサーバのセキュリティを確実に向上させる。特に Open Door 社の ShareWay IP を使い IP による AppleShare サービスを提供するサー バにおけるセキュリティ向上が期待できる。DoorStop はこれをインストー ルした Macintosh でのみ作動し、指定された TCP サービスへのアクセス を遮断したり許可したりできるようにする(詳しくは“ Open ドア、 Network のドアをぴしゃりと閉める” TidBITS-444 を参照)。DoorStop は PowerPC 搭載の Macintosh、Mac OS 8.1、Open Transport 1.3 または これ以降が必要である。DoorStop のシングルコピーは 299 ドルだが教育 関係者には 199 ドルで販売される。ほかのボリュームやほかのサイト用ラ イセンスも用意されている。試用版のダウンロードは 680K である。 [ACE]

<http://www2.opendoor.com/doorstop/>
<http://www.opendoor.com/shareway/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05047>

Mailsmith 1.1 リリースされる -- Bare Bones Software 社が Mailsmith 1.1 をリリースした。新メールソフトの無料アップデートである。 Mailsmith 1.1 は、基本となるデータベースエンジンのパフォーマンスに 顕著な改良が施され、データベース内のスペースをより効果的に利用し、 添付書類の扱いが改良され、ラベルのユーザー定義、コンテクストメニュー のサポート、フィルタ作成を速やかに行う新 Make Filter コマンド、ニッ クネームの自動補完オプション、メールボックス管理ツールなどの機能が 追加されている。現 Mailsmith ユーザー用のこのアップデータは 2.8 MB のダウンロードである。3.8 MB のデモ版も用意されている。 [ACE]

<http://web.barebones.com/products/msmith/msmith.html>

Connectix 社 Speed Doubler 8.1.1 をリリース -- Connectix 社が人気 の高いパフォーマンス拡張ソフトウェアのアップデート Speed Doubler 8.1.1 をリリースした。(“Speed Doubler 8” TidBITS-402 を参照。) Speed Doubler 8.1.1 はまもなく出る Mac OS 8.5 に対応し、Mac OS Easy Open、StuffIt SpaceSaver、サードパーティのファイルシステムや記憶装 置、Finder ウインドウ以外のさまざまな場所からのアイテムコピーを可能 にするユーティリティ(たとえばシェアウェアの FinderPop)などとの互 換性が高められている。Speed Doubler のキーボードパワー機能(キーボー ドでアプリケーションメニューを操作できるようにする)が完全にされ、 PowerPC ネイティブになっている。Speed Doubler 8 のどのバージョンの ユーザーでも Connectix 社から 750K 無料アップデータをダウンロードで きる。 [GD]

<http://www.connectix.com/html/speed_doubler_updates.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04210>


シンプルな Ethernet ネットワークを

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)
(  :西村 尚 <hisashin@axes.co.jp)

最近 TidBITS では iMac に周辺機器を繋ぐ様々な方法を取り上げた。これ は iMac にシリアルポート、ADB ポート、SCSI ポートといった標準的な ポートが搭載されていないからである。一方で iMac に搭載されているも の、それは内蔵の 10/100Base-T Ethernet だ。これは iMac をほかの Mac や Ethernet 対応になっているプリンタに繋ぐ場合に重宝する。そこで自 宅で作る小規模な Ethernet ネットワークが問題になってくるのだ。私自 身 Ethernet ネットワークを構築したが、ほとんど手間も費用もかからな かった。読者の皆さんにとってもこれは可能なことだと思う。

ともあれ PhoneNet コネクタや一般的な電話線を使用するような LocalTalk ネットワークではなく、Ethernet ネットワークにする理由は何だろう。デ バイスが Ethernet だけにしか対応していない場合はともかく、一番の理 由はスピードである。LocalTalk は理論的には最高 230.4 Kbps で動作す る。一方 Ethernet は理論上は 10 Mbps であり、ハードウェア次第では 100 Mbps にも及ぶ。現実は Mac でこのスピードに達することはほとんど 無い。それでも LocalTalk と比べると断然速い。

ところで、Ethernet を主に何に使うのか? Mac OS の Personal File Sharing を用いた高速ファイル共有がまず一番に考えられるだろうし、巨 大なファイルの印刷も Ethernet を使えばだいぶ速くなることもある。そ れ以外にも、Netopia 社製 Timbuktu Pro でほかの Mac を操作するとか、 (もうじき Eudora Planner と名前が変わってしまう)Now Up-to-Date / Now Contact を用いてネットワーク上にあるカレンダーや名簿のデータベー スを共有するとか、複数の Mac で単一のインターネット接続を利用するな どいろいろあるだろう。

<http://www.netopia.com/software/tb2/mac/>
<http://eudora.qualcomm.com/betas/planner/>

最後に挙げた例(複数の Mac での単一のインターネット接続利用)は、も う少し掘り下げる必要があるだろう。高速のケーブルモデムや ADSL イン ターネット接続に手が届くようになり普及してきたので、Mac ユーザーが 複数の Mac でインターネットアクセスを共有したいと考えるケースが増え ている。これを実現させるためには、Ethernet または LocalTalk ネット ワークと特別なゲートウェイソフトが必要になるのだが、現在私が知って いる Mac 用のソフトとして以下の 3 つがある。Vicomsoft 社製 Internet Gateway、2 ユーザー用の Vicomsoft 社製 SurfDoubler、Sustainable Softworks 社製 IPNetRouter。いずれも使用したことはないが、これらの ソフトはインターネット接続をしている Mac で動作させたら、ネットワー ク上にあるほかの Mac(または PC)もインターネット接続が可能な状態に なるというものだ。

<http://www.vicomsoft.com/>
<http://www.sustworks.com/>

Ethernet の配線 -- さて、Ethernet ネットワークを使ってできること の話の次は、そのネットワーク自体について掘り下げてみよう。まずは配 線に使うケーブルの種類を決めなければならない。ここでは 2 つの選択肢 がある(と言うと、ネットワーク畑からは多くの反論の声が上がるだろう が)。ご説明しよう。Ethernet のケーブルには(ツイストペアとも呼ばれ る)10Base-T、10Base-2(Thin Ethernet)、10Base-5(Thick Ethernet) の 3 種類がある。10Base-2 と 10Base-5 のケーブルは同軸ケーブルで、 10Base-2 のコネクタはケーブルテレビやテレビアンテナ用のものにそっく りの丸い BNC コネクタである。10Base-T のケーブルは普通の電話線とよ く似ているが、コネクタは電話用の RJ-11 コネクタより大きい RJ-45 で ある。

10Base-T は Ethernet ネットワークでの確固とした地位を築いており、ほ かのものを使ったことが無いという方がほとんどだろう。最近 10Base-5 を使っている人の話を聞いたことがないし、これをサポートしているハー ドウェアを見つけだすのは至難の業だ。10Base-2 は変わり種ではあるが、 小規模のちょっとしたネットワークを作るなら 10Base-T よりも簡単で安 上がりにもなりえる。

10Base-T を用いたネットワークの典型的な構成はハブを核にした放射状で ある。そのハブからネットワーク上にあるコンピュータの一つ一つまたは 別のハブ(これにより放射状が複数となる)へとケーブルで繋がれる。ハ ブは近ごろではあまり高いものではなくなってきた。だいたい 50 ドル台 で手に入るだろう。しかし、我が家の場合マシンが私の書斎、Tonya の書 斎、サーバールーム、台所と 4 ヶ所にに分散されて置かれている。つまり ハブが 4 つ必要になるのだ。配線を行った当時はそれらを繋ぐためにハブ を幾つも購入するのはあんまりだと思われたので、LocalTalk のようにデ イジーチェーン方式になっている 10Base-2 を採用することにした。 10Base-2 を使ったネットワークの最後には 50 オームの抵抗器を付けなけ ればならないが、ともかくこれで好きなだけデバイスを繋いでいくことが できるのだ。

10Base-T の良いところは柔軟性とたくましさであろう。ケーブルの一つが 駄目になった場合でも、一台のマシンがネットワークから外れるだけであ る。さらに、新たなデバイスを追加したり、外したりするのも簡単ですぐ にできる。これはオフィ状況の変化が激しい場合にありがたいだろう。一 方 10Base-2 を用いたネットワークではケーブルのどれか一つに問題があ ると、ネットワーク全体が駄目になってしまう。新しいデバイスを加える などの作業の間はネットワークのトラフィックが停止してしまう。しかし、 我が家ではほとんどマシンを動かすこともないし、ケーブルもしっかりと 設置してあるので、当時は 10Base-2 の方が理にかなっていたし、数百 ドル安く上がった。

10Base-T の方がデバイスが見つけやすいので一般的にはお薦めである。だ が、私たちと同じような状況にあり、ネットワークについて詳しい友人が いる場合は、10Base-2 の方が安く上がることもある。このふたつは共存 できるものなので、10Base-T しかサポートしていない最近盗難に遭った PowerBook 5300 やその後継者となった PowerBook G3 用に我が家のキッチ ンにハブが一つある。これには 10Base-2 ポートが一つ付いており、 10Base-2 側から見たら一つの普通のデバイスのように見えるのだ。このハ ブに 10Base-T のデバイスを 8 つまで繋ぐことができるのだ。

Ethernet ハードウェア -- Ethernet ケーブルを決めることは重要だ。 それは、このネットワークに Mac(または PC。Ethernet はプラットフォー ムを選ばない)を接続するために購入するハードウェア選びに影響するか らだ。選んだケーブルがどのハードウェアにも合うようにすることに気を つけよう。さまざまなメーカーが Ethernet ハードウェアを販売している が、主な Mac ネットワーキング会社の製品ならだいじょうぶだろう。たと えば Asante 社、Dayna 社、Farallon 社、Sonic Systems 社などだ。 Ethernet ハードウェアはほとんどの場合価格だけで購入していい。

<http://www.asante.com/>
<http://www.dayna.com/>
<http://www.farallon.com/>
<http://www.sonicsys.com/>

<http://www.dayna.com/dayna/specsheets/pktscsi.html>

接続を行う ハードウェアをインストールしケーブル(ハブと Ethernet カードにはネットワーキングの原理を説明する小冊子が付属することも多 い)を差し込めば、ソフトウェアを設定する準備が整う。

Mac OS には必要なソフトウェアがすべて含まれている。最初に、AppleTalk コントロールパネル(または Open Transport を使用していない場合「ネッ トワーク」コントロールパネル)を開き、プリンタポートではなく Ethernet を使うようにセットする。ネットワークをインターネットに接続 するつもりなら、TCP/IP コントロールパネルにも Ethernet を使うように 告げなければならない。残りの設定は環境によって違いがある。ファイル を共有するつもりなら、「ファイル共有」コントロールパネル(Mac OS 8 より以前は「共有設定」)でファイル共有を有効にする。

所有するすべての Mac のパーソナルネットワークでファイル共有する最も 簡単な方法は、所有者としてログインすることだとわかった。これを行う には、すべての Mac で「ネットワーク ID」設定時に一つの「所有者の名 前」を使い「パスワード」を使わない。そうすれば、「セレクタ」を使っ てリモートのマシンに接続するときに、新たに名前とパスワードを入力す る必要がない。さらによいことに、どのボリュームとフォルダを選択して ファイルメニューの「共有」でそれらを共有していたかが問題ではなくな る。厳密なアクセスをしたいなら、最初に「利用者&グループ」コント ロールパネルでユーザー名とパスワードを設定し、「共有」ウインドウで 個々の項目についてアクセス権を設定する。

ファイル共有がアクティブになった後、またはネットワークにプリンタを 接続しているのなら、「セレクタ」で AppleShare または LaserWriter 8 のどちらかふさわしい方をクリックする。リモートの Mac またはプリンタ が右側の窓に現われるはずなので、ダブルクリックすれば選択してマウン トまたはセットアップできる。「セレクタ」になにも表示されない場合は、 リモートの Mac が Ethernet を使うようにセットされているか、ファイル 共有が「使用」になっているか、どのプリンタにも電源が入っているか、 ケーブルがしっかりと差し込まれているかを点検しよう。

ネットワークに PC を加えることは、ハードウェア側の問題では簡単だ。 カードをインストールし、ケーブルを差し込むだけなのだから。ソフトウェ アはもっと難しい。Windows はカードの存在を検知してドライバをインス トールするかドライバの入ったディスクのためのプロンプトを出す。その 後、「ネットワーク」コントロールパネルで適正な設定を行う必要がある。 この方法を説明することはこの記事の範囲を超えるが、TCP/IP コンポーネ ントにだけに注目しよう。TCP/IP は Mac と PC で共通のプロトコルだか らだ。適正に設定が行われれば、たとえば Macintosh FTP サーバを走ら せ、Windows FTP クライアントを使ってこれに接続できる。ファイルやプ リンタを Mac と PC 間で共有するための役立つ製品を他に見つけることも できる。Thursby Software System 社の DAVE 2.0、Miramar Systems 社の PC MACLAN、COPS 社の COPSTalk 2.1、Netopia 社の Timbuktu Pro 32 な どだ。

<http://www.thursby.com/DAVE2/psheet/>
<http://www.pcmaclan.com/products/>
<http://www.copstalk.com/product/ctw/ct2info.html>
<http://www.netopia.com/software/tb2/win/32over.html>

ほとんどの場合、ネットワーク、特に単純なものはともかくすぐに動く。 だから数分以内にケーブルを差し込み適切なコントロールパネルを設定し て稼働できるようになっていることも十分ありうるのだ。


Conflict Catcher、ナイスキャッチ

by Matt Neuburg <matt@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <shu@pobox.com>)

誰もが私のようにシステム起動時に大量のアイコンが画面を横切ったり、 システムヒープが 23 MB に達したりするというわけではないだろうが、シ ステム機能拡張にまつわる不安は世界共通のものだろう。ソフトウェアを インストールするたびにどんな正体不明の物体がシステムフォルダに出現 するか心配したことはないだろうか? また、“ODBC Setup”や“jdgw.ppc” が何なのか不思議に思ったことがないだろうか? 新しいシステムをインス トールして、機能拡張を移動する作業を思ってため息をついたことはない だろうか? クラッシュや誤動作を何か曖昧模糊とした“コンフリクト”の せいにしたことはないだろうか? システム機能拡張を追加したり削除して、 苦労してかろうじて実現させたシステムの安定を崩すことを恐れたことが ないだろうか?

要するにこういうことだ。機能拡張とは世話を焼かなければならないもの なのだ。

もう何年も前から、私は Now Startup Manager で機能拡張を管理してき た。ところが、Now Startup Manager が問題を回避するよりも問題を起こ すようになってきたため、Apple 社古来の Extensions Manager へ戻らざ るを得なくなった。今私は Casady & Greene 社が販売している Jeff Robbin 氏作の Conflict Catcher 8.0.1 を使用している。従来のバージョ ンと比較してどう異なるかは、これまでを知らない私には何とも言えない。 ただ、TidBITS スタッフの間ではかなり前から人気のプログラムになって いる(詳しくは旧バージョンに関する記事を参照)。今では私もこれだけ ははっきり言うことができる ― 私のコンピュータから Conflict Catcher を奪うのなら、先に私を殺せ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04098>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=01496>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=02414>

全知全能 -- Conflict Catcher は、セレクタ機能拡張、共有ライブラ リ、QuickTime コンポーネント、フェイスレス・バックグラウンド・アプ リケーションを含め、機能拡張フォルダとコントロールパネルフォルダの 中にあるものはどんなものでも管理することができる。その気になればフォ ント、アップルメニュー、コンテクストメニュー、コントロールバーモ ジュール、ブラウザのプラグイン、その他特定のフォルダに入っていない と効果を発揮できないものならどんなものでも対象とすることが可能だ。 それに起動時にメモリに読み込むファイルと、読み込まないファイルを明 確に区別することができ、読み込みの順番を変えることもできる。

Conflict Catcher は各起動ファイルの役割も教えてくれる。こういった情 報が入ったデータベースが付属し、自分でコメントを追加することも可能 だ。データベースはかなり網羅的だが、Dan Frakes 氏作の驚異的な InformINIT が不要になるわけではない。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04879>
<http://cafe.AmbrosiaSW.com/DEF/InformINIT.html>

Conflict Catcher には事前にいくつかの“グループ”が設定してある。こ れは“リンク”された機能拡張のセットで、同時にオン・オフしなければ ならないもの、または同時にオンにしてはいけないもの、あるいは特定の 順序で読み込まなければならないものなどだ。もちろんこういったグルー プを変更することもできるし、自分で設定することもできる。機能拡張の 数が多い場合には、何をどんな理由で使っているのかを記録し、一貫性を もって変更を加えるには必須の機能だ。

Conflict Catcher で気に入らない主な点は、グループを管理するインター フェースにある。Conflict Catcher のメインウインドウには、選択された グループにどのファイルが含まれているかをリストしたフレームがあるの だが、フレーム内で名前をクリックしてそのファイルに関する情報を得る こともできないし、ファイル名をドラッグしてグループに入れたり出した りすることもできない。しかも、表示されるのは“リンク”グループだけ だ。グループを作成したり変更するには、グループ名のリストを表示した おぞましいモーダルなウインドウと、メインウインドウを不細工にしたよ うなサイズを変えることのできないウインドウの間を行き来しなければな らない。インターフェースのこの部分は真剣に考え直されなければならな いだろう。怒りだしたくなるし、さらに悪いことにはユーザーがグループ をフルに活用することを妨げることにもなりえる。

Conflict Catcher には各種の“セット”も設定されて出荷される。セット とは起動時に有効になっているすべてのファイルをまとめたものだ。 Conflict Catcher は使用中のバージョンのシステムのデフォルトのセット というものを知っているので、クリーンなセットアップへ戻るのは簡単だ。 もちろん、自分でセットを作成することもできるので、常用するセット、 ソフトウェアのインストール時に使う最小限セット、気難しいゲーム専用 のセットなどといったものを用意しておくことができる。

どのシステムのバージョンにはどのファイルが付属するかを Conflict Catcher が知っていることを利用して、システムマージ機能が実現されて いる。アップグレードやメンテナンスのために新しいシステムフォルダを インストールして、古いシステムフォルダから新しいものへファイルを移 す手間と苦痛を軽減してくれるのだ。私はまだこの機能を試していないが、 なかなか便利そうだ。Casady & Greene 社は Mac OS 8.5 の最終版が出た らアップデートを提供すると約束している。

目を離さず -- Conflict Catcher は、システム機能拡張がどれだけ RAM を消費するかを報告してくれる。残念ながらこの情報はあまり正確ではな い。たとえば、Conflict Catcher は Open Transport 関連ファイルは全く RAM を消費しないとしているが、試したところ実際には 1.5 メガバイトも 使っている。TattleTech のレポートの方が良いが、こちらも正確ではな い。もしかしたらこういった情報を正確に調べることはシステム上の制約 があって無理なのかもしれない。

<ftp://mirrors.aol.com/mir03/INFOMAC/info-mac/cfg/tattletech-258.hqx>

Conflict Catcher は新しい機能拡張がインストールされた日付を記録する ので、いつ何がインストールされたかを調べるのは簡単だ。また、タイプ とクリエータ、機能拡張の読み込みに要する時間、それにほとんどの場合 にはある機能拡張の責任がどの会社にあるかまで教えてくれる。

機能拡張のリストは、こういった情報やその他の情報に基づいてソートす ることができる。これは実に便利だ。それだけでなく、レポートを生成し て印刷したりテキストファイルとして保存することもできる。また、どの 機能拡張がどのトラップをパッチしているかなどといった TattleTech 的 な細かい情報の一部はレポートでしか見ることができない。

この他の多くの機能の中には、特定のシステムフォルダを“指定”する機 能(同一パーティションに複数のシステムフォルダを置いておきたい場合) がある。エイリアスをオリジナルとして扱うこともできるので、機能拡張 のエイリアスをしかるべきフォルダに入れ、オリジナルは別のところに置 いておくことができる。それに不可視のデスクトップファイルを削除して デスクトップファイルをゼロから再構築することもしてくれる。

マニュアルは長年の Macintosh ライター、David Pogue 氏の手によるもの で、良くできている。(まともなマニュアルの滅亡対策としてプロのライ ターを起用するということは、Adam が TidBITS-428 の“ドキュメンテー ションの死”で提案したことだ。)David のスタイルは私の好みではない が、好きだという人は多いし、少なくともマニュアルを読む気にさせてく れる。トラブルシューティングの tips を多数、しかも Conflict Catcher とは何の関係もないものも含んでいるので、一読の価値がある。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04865>

コンフリクトをキャッチ -- 最近モニタのアレンジを変えて以来、私は 一部の文書でグラフィックまわりの不調を経験するようになっていた。そ こで Conflict Catcher の名前の由来になっている機能を試してみること にした。機能拡張ファイルや機能拡張ファイル同士のコンフリクトが原因 になっているトラブルの場合、Conflict Catcher はリスタートを繰返しな がら毎回機能拡張の一部をインテリジェントにロードし、最終的に原因を 突き止める。約 8 回のリスタートと 10 分が経過し、コーヒー一杯を消費 した頃、Conflict Catcher は私の 2 台目のモニタのグラフィックアクセ ラレータカードのドライバが原因であることを突き止めた。これが原因で はないかという気はしていたが(それに Conflict Catcher はこういった 勘を有効利用する機能も持っている)、私は他にもやらなければならない ことがあるのだ。

仮にここで述べたコンフリクトを経験していなかったとしても、Conflict Catcher は次の 5 つの点で私の人生を楽にしてくれた。

Mac を起動させるたび、私は Conflict Catcher に守られているという安 心感を感じることができる。それにもし厄介な機能拡張を探し出したりク リーンなシステムに移行しなければならない場合には、Conflict Catcher が手伝ってくれる。私は Conflict Catcher が大いに気に入った。きっと 皆さんも気に入るだろう。

Conflict Catcher 8 の価格は 80 ドルで、8K の機能拡張、12 MB のアプ リケーション、それに 1.1 MB のデータベースから構成されている。旧バー ジョンのユーザーは 30 ドルの払い戻しを受けることができる。有効期限 は 1999 年 1 月 1 日までだ。他の製品のユーザーは 1.1 MB のデモ版を 試してみることができる。

<http://www.casadyg.com/products/conflictcatcher/8/>


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