TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#465/01-Feb-99

Netscape と Microsoft の両社はそれぞれの Web ブラウザをアップデート した。ところで、その新機能はフルに活用されているだろうか? Adam がこ の二大 Web ブラウザの新しいところや向上したところ(新しいところとお 粗末なところ)を細かに検証している。Jeff Carlson は一人一人に向けた メール作成のための差込み機能を備えたプログラム eMerge を取り上げる。 ニュースとしては、Connectix 社が Sony 社に提訴されているにも係わら ず Virtual Game Station をアップデートしたことと、Bare Bones 社が BBEdit 5.0.2 をリリースしたことをお伝えする。

目次:

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MailBITS/01-Feb-99

(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)

Virtual Game Station 1.1 リリース、訴訟もなんのその -- Connectix Corporation 社は Virtual Game Station 1.1 をリリースした。これは先 日サンフランシスコでの Macworld Expo で売り出された同社の Sony PlayStation 用エミュレータのアップデートである。1.1 での変更点の詳 細はあまり明らかにされていないが、同社によると「互換性と機能性の向 上」がなされたらしい。また PlayStation の海賊版タイトルを使用できな いようにセキュリティテクノロジーも追加されたとのことだ。Sony 社が提 訴したこともあり、この 49 ドルの Virtual Game Station は Expo での 発売以降購入の道を閉ざされていたのだが、Connectix のオンラインスト アは 99 年 2 月 6 日までには販売にこぎ着けたいらしい。Macworld Expo で Virtual Game Station 1.0 を購入するという幸運に恵まれた方は、828K の無償アップデータをダウンロードできる。 [ACE]

<http://www.virtualgamestation.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05242>

BBEdit 5.0.2 無償アップデート登場 -- Bare Bones Software 社は BBEdit 5.0.2 をリリースした。これは BBEdit 5.0 または 5.0.1 の正規 登録ユーザには無償となっている。このアップデートは BBEdit の FTP ク ライアントをアプリケーション本体に組み込むものだ。また、BBEdit とそ の HTML ツールに対するフィックスが少々と、入れ子のインクルードファ イルのサポート、多くの BBEdit ブラウザウインドウで複数のアイテムを 選択する機能が含まれている。Bare Bones 社は BBEdit 5 の全ユーザーが アップデートすることを推奨している。ダウンロードサイズは 1.9 MB で ある。 [GD]

<http://web.barebones.com/products/bbedit/rnotes.html>
<http://web.barebones.com/support/update.html>


正当電子ダイレクトメールの出現

by Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <shu@pobox.com>)

ほとんどの人と同様、私は押し売りメールが嫌いだ。毎日のようにクレジッ トカードや自宅でできる高収入、それにスペルミスだらけでアダルト向け Web サイトへの招待がたくさん送られてくる。TidBITS はスパム対策の記 事( TidBITS-442 の「スパムに反撃」)を掲載したこともあるし、ワシ ントン州の反スパム法に基づいた先駆的な訴訟も起こしている ( TidBITS-439 の「TidBITS、スパマーを起訴」を参照)。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05032>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05000>

スパム根絶を急ぐあまり触れてこなかったことに、電子ダイレクトメール 用ソフトウェアの正当な使い方というものも存在するということがある。 私が言うのだから間違いない。というのは、私は Galleon Software 社の 秀逸なプログラム、eMerge を使って相手によってカスタマイズしたメッ セージを大量に送信するということをしているからだ。

<http://www.galleon.com/emerge/>

一対一かつ多数 -- コンピュータを使う理由の一つとして、人生を楽に するということがあるとされている。電子メールのメッセージを何種類も 用意するかわりに、一つだけのメッセージを複数の送信先ごとにカスタマ イズすれば文字通り何時間もの労働を省くことができる。受け取り人の名 前を入れることもできるし、個々の相手に応じてメッセージの内容を変え ることもできる。たとえばシェアウェア作者はユーザーに製品のアップデー トを連絡する際、適切なアップグレード情報や登録コードを各メッセージ に盛り込むといったことができる。

もう一つ、私のクライアントであるイベント会社の例を挙げよう。同社は イベントの後、出席者に礼状を出す。当然メッセージは紋切り型なのだが、 相手に直接語りかけることによって一定の愛着を持ってもらおうというわ けだ。もっと重要なこととして、このクライアントは顧客データベースに 格納された情報を毎回そのまま利用することができる。同様に、バンドだっ たら特定の地域のファン向けにカスタマイズしたメッセージを送るという ことができる。公演の予定や、さらには道順まで個別に盛り込むことがで きるのだ。

キャンペーン始動 -- eMerge は大量のメールを送出するためのもとでは なく、ほとんどのワープロソフトにある差込み印刷機能の電子メール版だ と考えるべきだろう。eMerge を起動すると、名前のない“キャンペーン” が開く。ここには Message Header(氏名、アドレス、題名のフィール ド)、Letter それに List フィールドがある。Internet Config か Apple の Internet コントロールパネル(Mac OS 8.5 の一部)がインストールし てあれば、氏名とアドレスフィールドにはあなたの情報が自動的に入る。 本文を入力またはペーストした後、Standard Variables と Custom Variables のポップアップメニューを使って List データ(後述)に応じ てカスタマイズすることができる。Variable は色つきのテキストで表示さ れ、二重の大なり・小なり記号で囲まれている。以下に例を挙げよう。

<<firstname>> さん、こんにちは! <<lastname>> 家の集いへの出席ありが とうございます。

Custom Variables リストを編集することによって、ソースデータに応じた 変数を定義することが可能だ。たとえば私のクライアントは、連絡先が一 定でない顧客には新旧の住所を対照して確認を求めるということをしたこ とがある。

リストの積み上げ -- 送信先の数が少ない場合には手動で送信先を入力 することもできる。だが普通は外部のソースから情報をインポートしたい と思うことだろう。幸いに連絡先情報を解析するオプションが多数用意さ れているため、この作業は簡単にできる。

eMerge は様々な種類のテキストファイルをインポートすることができる。 Claris Emailer、Outlook Express、LetterRip、PowerMail、それに Netscape Address Book と Eudora Nicknames フォーマットだ。私の経験 では、タブで区切られたテキストファイルが最も相性が良く、単にデータ の並び方(たとえばインターネットアドレス/名/姓)をラジオボタンで 選択してあげれば良い。データが既存の並び方と合致しない場合には、テ キストファイルを Excel などの表計算ソフトで開き、カラムを入れ換え、 再度エクスポートすれば良い。eMerge の Import ウインドウにある便利な チェックボックスで空のアドレスを削除することもできる。

データを事前にフォーマットしない場合は、ファイルやフォルダをスキャ ンしてメールアドレスを抽出する dredge 機能を使うこともできる。たと えばシェアウェアプログラムを CD-ROM に収録する許可を求めるために Read Me ファイルからメールアドレスを集めてくるような場合には便利だ。 これが eMerge でもっともスパム的な機能ではあるが、それを悪用するか どうかはユーザー次第だ。恥知らずなスパマーとは異なり、Galleon 社は この機能について Web サイトとドキュメンテーションで控え目にしか語っ ていない。

キャンペーンには添付書類を付けることもできる。Galleon Software 社が 一部のメールサーバは 32K より大きな添付書類の扱いに問題があることを 指摘していることは特筆すべきだろう。複数の添付書類が「ストレージス ペースを占領し、インターネットの渋滞をさらに悪化させることになる」 と述べているのは立派だ。

キャンペーンを配付する段階になったら、eMerge は個々の送信メールをプ レビューさせてくれるので、簡単にリストデータが正しく反映されている かを確認することができる。送信には、eMerge はデフォルトでは直接メッ セージを送信し(通常のメールサーバを経由することもできる)、帯域幅 にもよるが最高 24 の接続を同時に利用する。送信が終わると、個々のア イテムには送信が成功したかどうかを示すステータスフラグが付き、失敗 の場合にはその原因も推測してくれる。後でリストをエクスポートしてス テータスレポートを含むこともできる。

正当派現わる -- 電子ダイレクトメールの需要は意外とあるのではない かと思う。まともな企業ならスパマーと勘違いされることは避けたいから だ。つまるところ、この違いはアプローチの違いなのだろう。正当なユー ザーは eMerge を責任をもって使い、メッセージを受け取りたいという意 思表示をした人だけに送る。eMerge にはメールサーバのハイジャック機能 やヘッダの偽造、それに Web サイトをトロールしてメールアドレスを収集 する機能などがないため、スパマーなら eMerge に目を向けることはない だろう。明確なアプローチと使い易いインターフェースで、eMerge は黙っ て仕事をするタイプのプログラムのように見える。eMerge の価格は 99 ド ルで、Galleon Software 社の Web サイトや一部のオンラインベンダー (たとえば TidBITS スポンサーの Digital River)から購入することがで きる。eMerge インストーラは 1.5 MB のダウンロードで、デモ版も Galleon から入手することが可能だ。

<http://www.galleon.com/emerge/purchase/>
<ftp://ftp.galleon.com/pub/eMergeDemo.sea.hqx>


4.5 Web ブラウザを使いこなそう

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)
(  :西村 尚 <hisashin@hotsync.co.jp>)

Web ブラウザは事実上無償だし頻繁にアップデートされているが、一番アッ プグレードしてもらえないソフトの一つであろう。TidBITS の Web サイト はいまだに MacWeb を使っている人からのヒットが一週間あたり約 1,000 ぐらいある。この退役ブラウザは Internet Starter Kit for Macintosh の初期のバージョンにバンドルされていたものだ。ちゃんと機能するブラ ウザを持っているのだから変える必要はないというのが正直なところだろ う。何かのきっかけで遂に移行することになったとしても、大抵はそれま でに出た幾つもバージョンを飛び越すことになるのが普通だろう。面倒だ というのもよく判るが、Netscape Communicator と Microsoft Internet Explorer がともにバージョン 4.5 になった時、私は両方を試してみずに はいられなかった。結果は、どちらも明らかに前より良くなっていて、幻 滅を味わずに済んだ。

<http://home.netscape.com/download/>
<http://www.microsoft.com/mac/ie/>

設計の傾向 -- Netscape、Microsoft 双方のデベロッパーと話をして、 それぞれのプログラムの歩みに今回のリリースがどう位置づけられるか判っ た。

Netscape Communicator 4.5 では Web ブラウザ部分の機能に関する改良は ほとんどされておらず、パフォーマンスの向上や付属のメールやニュース 部分への改良がメインに行われた。メールやニュースに関してはここで取 り上げないが、Netscape 社によると Netscape Communicator のメール、 ニュース機能を使用しなければ、その分のメモリは負担にならないとのこ とである。つまり、Communicator を Web ブラウザに限って使用するので あれば、ディスクスペースはとるが、まだ 4.5 にアップデートされていな いスタンドアロンの Netscape Navigator Web ブラウザを使うのと比べて メモリを大幅に食うということはない。Internet Explorer のメモリの仕 組もよく判っておらず、空きメモリがたくさんある場合でも Internet Explorer 4.5 は未だにメモリが足りないと文句を言うことがある。特に複 雑なページや複数のウインドウを開くとなおさらだ。

Netscape 社によるとフィックスの多くと新しいアイデアは、オープンソー スリリースの第一段となる予定の Netscape Communicator 5.0 までお預け だそうだ。このリリースで、新しいページレンダリングエンジンと新しい 標準規格のサポートが加わるらしい。お暇な方は、プレリリース版を試す ことができる。

<http://www.mozilla.org/>

Microsoft 社は Internet Explorer 4.5 で使いやすさを向上するための新 機能をいくつか追加した。標準規格のサポートに関しては、5.0 で改良す ることにしたため今回は変更がない。この決定は Microsoft 社にとって微 妙な判断である。Web ブラウザが使いやすくなるのはほとんどの人にとっ てありがたいことなのは確実だし、一方の標準規格のサポートを気にかけ るのはごく一部の人達なのだから。しかし、標準規格推進派が声を大にす るのはもっともな話である。オープン標準規格のサポートはインターネッ トの基本なのだから。

この 2 つの Web ブラウザを吟味していると、近ごろ備わった機能に関し てどちらの製品も同様の動きをしており、どちらも実に同等になっている ということに気がついた。では、似ている部分から見てみよう。まずは誰 もが気になるパフォーマンスと安定性から始めよう。

パフォーマンスと安定性 -- Netscape Communicator 4.5 と Internet Explorer 4.5 はどちらも前のバージョンよりもいくぶん速くなっている。 以前にも述べたように、Web ブラウザの性能を意味のある数字を出して比 較するのは不可能なことだ。だから、どちらのブラウザも以前のバージョ ンよりも最初は速く感じるととだけ言っておこう。もっとも 2 日もすれば 変化を忘れてしまってどちらも遅く感じるようになる。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04906>

安定性に関しても同様のことが言えるだろう。どちらも理想ほどは安定と 確実さを備えていない。どうやらインターネット上では Netscape Communicator 4.5 よりも Internet Explorer 4.5 のほうがバグに関する 噂は多いようだ。

<http://www.macfixit.com/reports/explorer4.5.shtml>

改良されたナビゲーション -- Netscape Communicator 4.5 は Command + クリックのショートカットをサポートするようになった。これは Internet Explorer が新しいウインドウにリンクを開くのに使用している ものである。両ブラウザともポップアップするコンテクストメニューをサ ポートしているがこちらを使うよりも、リンクを Command + クリックする 方が、速くて簡単である。残念なことに、Communicator がどこに新しいウ インドウを開くかは(特にマルチモニタを使用している場合)予測しにく く、この機能の便利さが損なわれる。

マルチモニタを使用していない人(または複数のウインドウを開くのが現 実的な話ではない人)のために、Microsoft Internet Explorer には Page Holder と呼ばれる機能が加えられた。左側にある Explorer バーに新しく Page Holder タブが付き、リンクの出ているページを一時的にそこにスト アし、リンク先をメインのウインドウに手早くブラウズしていくことがで きる。Microsoft は見出しが並んでいるサイトを見に行って、そこにある リンクのほとんどをたどるような人用にこの機能を用意した。私はこの手 のリンクは新しいウインドウに開いて読むほうが好きだが、Page Holder を使おうと思うのであれば、是非とも Explorer バーの幅を広げておくよ うに。そうすれば、Page Holder にストアしたページが少しは見やすくな る。

印刷 -- Microsoft はようやく Web ブラウザの印刷機能を改良してくれ た。私はたまに紙で欲しいページを印刷することがある。案内図や地図、 それに TidBITS の記事とか。Internet Explorer 4.5 には Print Preview のコマンドが加わり、Print Preview ダイアログボックスからページのプ レビューを見ながら、紙に合わせて縮小印刷するか、幅広のページの余計 な部分を外して印刷するか、幅広のまま印刷するかを選択できるようになっ ている。また、(ページのタイトル、日付、URL、ページ番号が入った) ヘッダやフッタ、(大抵の場合は止めておいたほうがよい)バックグラウ ンド、画像といったものも印刷できる。

これらの印刷機能は貴重な第一歩を踏み出しているが、まだまだ改良の余 地がある。まず、Print Preview ダイアログボックスはデザインが良くな いうえに完全なモーダルである。このため、このダイアログが出ているか ぎりは Macintosh で他のことができない。アプリケーション内でのモーダ ルにするか全くのモードレスにすべきである。つぎに、Internet Explorer は複数のフレームあるページを印刷できず、印刷したいフレームを Print Preview ダイアログを出す前にクリックして選択しておいて印刷するよう になっている。また、Print Background チェックボックスは、バックグラ ウンドでの印刷と混同しやすいので、“Print Page Backgrounds”という 言葉を採用したほうがよいだろう。また、印刷はされないもののプレビュー に表示されてしまうゴミのようなものも目にした。

Netscape 社はあまり宣伝していないものの、Communicator 4.5 も印刷機 能の改良がなされている。Page Setup のポップアップメニューに、 Communicator 4.5 に紙のサイズに合わせて Web ページを印刷するように とか、Web ページのバックグラウンドは印刷しないようにとか指示するオ プションが隠れている。こういった機能は大歓迎であるが、是非とももっ と分かりやすくし、印刷のプレビューが見れるようにして欲しい。

関係を結ぶ -- Microsoft は Internet Explorer 4.5 を Sherlock と統 合することで Apple 技術に対するサポートを強化した(Navigation Services へのサポートは依然欠けているが)。残念なことに、3 つのオプ ションが役に立たない。一つは、Sherlock を開かせること、もう一つは、 ページの要約をクリップボードにもっていかせること、そして 3 つ目が、 類似サイトを論理的に探させること。この 3 番目の機能は、これが機能す ればすばらしいのだが、現在の検索は Sherlock Homes というよりは Scooby Doo と一緒にやっているようなものだ。

この統合化に失敗した理由は 2 つの相反する理由がある。第一に、 Microsoft は、META DESCRIPTION タグがあれば Sherlock にここから最初 の 100 文字を食わせ、ない場合はページテキストの最初の 100 文字を処 理するという方法を選択している。TidBITS の一号のような場合は、META DESCRIPTION と META KEYWORDS タグの両方を持つので、Sherlock はキー ワードを使う方がよりよい結果をもたらすと思う。ディスクリプションを 使うのはよいアイデアだが、100 文字に切り詰めるのは検索をだめにする。 ページテキストの最初の 100 文字を元にする検索は、われわれのホーム ページのように META タグが存在しない場合に一般に役に立たない。とい うのは、表示用ではないナビゲーションバーのテキストをヒットするから だ。第二に、完全に META タグに依存することは、エラーになりやすい傾 向がある。ほとんどの Web ページはディスクリプションタグを含んでいな いからだ。これらのタグが実際に存在した場合でも、そのコンテンツはサ イト用のものでありページのためのものでないことが多い。これは不適切 な検索結果をもたらす。

Netscape は別のアプローチを選択している。Communicator 4.5 には、 Communicator 4.06 で最初に登場した Smart Browsing 機能がある。Smart Browsing 機能は 2 つの別々の機能を含む。“関連サイト”と“インター ネットキーワード”(下記参照)だ。関連サイトは、あなたが今見ている サイトに関連したサイトのリスト表示を提供する Netscape の NetCenter サイト上の Web カタログと一緒に機能する。これはかなり正確で、TidBITS に関連したものを要求したときに、MacWEEK や Macworld、MWJ、Apple と いったサイトを返してくる。

しかし、関連サイトは サイト という用語のみを考えている。例えば、 私はコーネル大学の Web サイトで Joan Brumberg 氏の優れた著書『The Body Project』がある賞を受けたことを知ったが、この本の賞に関するペー ジの関連情報を調べるても他の大学サイトのリストが現れるばかりで、こ の本とはまったく関係のないものである。この制限を心に留めておけば、 関連サイトはきっともっと役立つものになるに違いない。

<http://www.amazon.com/exec/obidos/ISBN=0679735291/tidbitselectro00A/>

補完機能狂い -- Internet Explorer 4.5 の 2 つの新機能、AutoFill と AutoComplete は Web 上のフォーム入力をとても簡単にする。AutoFill は、ツールバーボタンをクリックすることで呼び出せ、自動的にあなたの 連絡先情報(初期設定に入力しているもの)を Web フォームに入力する。 これは、フォームの HTML を読み取り、どの情報がどこに行くのかを予測 することで行う。私がどんなに自分の住所と電話番号を入力しないで済む ことが嬉しいか、言い尽くせない。Microsoft は、こういう情報を集めて いないと私に明言したが、あなたにとっては煩わしいならこの機能を使わ ないことだ。

AutoComplete はどんなフィールドにも働くが、補完すべきワードを教えて やる必要がある。これは、初期設定内か 入力したフォームを Control + クリック して Add to AutoComplete List を選択するかして行える。唯一 の不満は、AutoComplete が AutoFill 情報も使うことだ。つまり、ある フィールドで 4 か 9 を入力したら AutoComplete は私の電話番号か ZIP コード(これらは同じ数字で始まる)を入力しようとしてしまうというこ とだ。恐らく Microsoft は AutoComplete を働く前に 2、3 文字をユー ザーに入力させるようにすべきだろう。

URL 自動補完機能は以前のバージョンでも他プラットフォームの Communicator では利用できたが、Communicator 4.5 は Macintosh でこの 機能をサポートした最初のバージョンである。Internet Explorer のよう に、Communicator は、現在“場所”欄に文字を入力するにしたがって URL (とインターネットキーワード、下記参照)を自動補完するようになった。 Internet Explorer と違って、communicator の URL 自動補完機能はブッ クマークのタイトルを考慮しない。しかし、これらはあなたが最も再訪し たいと思うことがありそうなページなのだ。

Netscape のインターネットキーワード機能の感触はいい。これまで、場所 欄に“apple”と入力すると www.apple.com に行くことができたが、イン ターネットキーワードは、名前を探すことでは DNS より優れたやり方を試 みている Netscape のデータベースを通してこのフィールドのエントリへ のルートを探す。だから、“Southwest Airlines”と入力して www.iflyswa.com となり、“Apple iMac”で iMac の Web ページに行け る。インターネットキーワードはそのデータベースと同程度の優秀さしか ないので、直接マッチがなければ、インターネットキーワードのサイトは NetCenter 検索にリダイレクトする。

ブックマーク無情 -- もっとも嬉しい Netscape Communicator 4.5 の改 良点は、ブラウザウインドウ内にユーザー定義のブックマークを表示する ブックマークツールバーだ。加えて、ブックマークを編集して、表示メ ニューから“ツールバーフォルダに設定”を選ぶことで、このツールバー に表示するブックマークのフォルダをどれでも選択できる。このコマンド はその他にも役に立つオプションを取り入れている。“新規ブックマーク フォルダにする”と、新しいブックマークがデフォルトでどこに保存する かとどのフォルダをブックマークメニューに表示するかを定義できる“ブッ クマークメニューフォルダにする”だ。この便利さは、ブラウザ間でブッ クマークの組を切り替えるときにわかった。

Internet Explorer にはずっと以前からあるお気に入りツールバーがあり、 私は以前はこれに気づいていなかったが、どんなお気に入りフォルダも “Toolbar Favatites”と呼ばれればなんでもその中身を表示する。した がってフォルダの名前を変えることで、異なるフォルダ間でお気に入りツー ルバーの項目の切り替えができる。

Microsoft は Explorer のお気に入りタブにも少し手を加え、チャンネル をお気に入りに降格した(インターフェースの観点からは以前のアプロー チよりもいいが、チャンネル技術を誰にも気づかれないところに貶めてい る)。また、お気に入りタブの新機能はお気に入りを追加、編集するため のボタンだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05051>

概して、両ブラウザのブックマーク機能は、もはや外部のブックマークユー ティリティを探し求めなくていいほど優れている。しかし、改良点はたく さん考えられる。訪れたページの履歴を扱う場合は特にそうだ。Netscape Communicator にはもっと安定した履歴がすごく必要だし、Microsoft は ユーザーが履歴のリストを素早くフィルターさせることに関してもっとや りようがあるはずだ。

フォントのサイズ変更 -- Netscape Communicator 4.5 はページのフォ ントサイズを変更するためのコマンドを備えるようになった。これは Windows ユーザーのためにデザインされたサイトに立ち寄ったときに欠く ことができない。Windows はモニターがデフォルトで Mac の 72 dpi では なく 96 dpi の画面解像度を使うと考えるので、Windows ベースの Web デ ザイナーは、Windows ユーザーのためにテキストが大きすぎないように、 フォントサイズをより小さくすることが多い。Mac ユーザーはこうして読 みにくい詰まったテキストに出くわすことになる。

Communicator は表示メニューの“フォントサイズを大きくする”と“フォ ントサイズを小さくする”コマンドのためのツールバーボタンを持ってい ないが、キーボードショートカットがある。私がテストしたところ、残念 ながら、多くのページで安定してフォントサイズを変更することができな かった。フォントを僅かずつ増加しているように見えるときもあるが、こ れでは無数の呼び出しを必要になってくる。幸い、この機能は 5.0 で改良 され、どのようにフォントサイズを変更したかというなんらかの表示が含 まれそうだ。

インストールおよびアップデート -- System Folder におびただしい数 のファイルがインストールされてしまうのは相変わらずだが、Internet Explorer は Office 98 で使われているドラッグ & ドロップインストール や自己修復テクノロジーを採用した。これにより、必要なディスクスペー スが増えるものの、インストーラーを起動したり、必要なファイルを捨て てしまうことを憂慮する必要がなくなった。このテクノロジーは気に入っ ているが、そもそもファイルの数がもっと少ないプログラムの方が私は好 きだ。

Netscape Communicator は新しいバージョンを自動的にダウンロードして インストールしてくれと言われている SmartUpdate 機能を搭載している。 これに関してはまだ未体験なので、ちゃんと動作するかどうかなど何とも 言うことができない。Microsoft 社は Internet Explorer 4.0 にアップ デートの連絡をしてくれることになっているチャンネルを装備したのだが、 Microsoft 社内でのチャンネルのうけはあまりよくないようで、自動化さ れた連絡やアップデートなどは登場していない。

Microsoft 社はドラッグ & ドロップインストールや自己修復テクノロジー に鼻高々である。素晴らしいものではあるが、私としてはアップデートの 行程を単純化することにもっと力を注いでもらいたいと思う。Netscape 社 は頑張って SmartUpdate を出してきてはいるが、真価のほどはまだわから ない。両方とも Peter Lewis 氏作の Anarchie Pro から学ぶべきものがあ るだろう。SIVC(Simple Internet Version Control)を用いてアップデー トをチェックして、ユーザーがダウンロードする気になるように仕向けて あるのだ。

選択 -- 最後に、私としては Internet Explorer 4.5 の方を使うことに したのだが、その理由は 7 ヶ月前の決定の時とほとんど変わっていない。 つまり、Communicator にはブラウズする際に気になるような細かなことが あまりにも多いのだ。すでに書いたことに加えて、Communicator はウイン ドウのサイズ変更を行うと全ページを描き直すし、ヒストリ機能は相変わ らずセッションおよびウインドウ固有で役に立たない。それに、ブラウザ ウインドウの下部にあるダウンロード状況を示すバーは床屋の看板の柱の ような模様に重なって非常に見辛くなっている。

Internet Explorer に対する不満は少なく、問題もいつも悩まされる質の ものではない。たとえば、Internet Explorer 4.5 は起動しまま接続をモ デムから専用回線に切り替えると混乱してしまう。また、同様に PowerBook で Explorer を起動したまま接続をオン・オフすると似たようなことが起 きる。さらに、Favorites Bar、Address Bar、Button Bar の位置を変更で きるようになっているのだが、Favorites Bar を Address Bar の横に動か すと Internet Explorer は Favorites Bar を置いた位置を忘れてしまう ことがある。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05189>
<http://www.operasoftware.com/alt_os.html>

ということで、私にとって不満が少なく、さらに AutoFill や AutoComplete 機能があり、印刷機能の向上した Internet Explorer が私 の Macintosh の Web ブラウザの座を今のところ確保している。Netscape 社が Communicator 4.5 をリリースしたのが昨年の 10 月半ばであり、 Internet Explorer 4.5 は今年の 1 月の Macworld Expo で登場し、2 ヶ 月半ほど新しいのだ。Communicator 5.0 が大幅な改良を遂げて現れる時に Internet Explorer の新機能を搭載していても驚くことではないし、 Microsoft 社の方にしても Internet Explorer 5.0 で大掛かりなことを やってくるのは間違いないだろう。America Online による Netscape 買収 によって Communicator の Macintosh 開発に水を差されないかぎり、我々 は双方の改良合戦を堪能していられるだろう。さらには、近年中の Macintosh 版の出荷が待たれる Opera も控えているのだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05189>
<http://www.operasoftware.com/alt_os.html>


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