TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#471/15-Mar-99

G3 Mac で Sony PlayStation のゲームをする。これを実現させてくれる Connectix 社の Virtual Game Station は依然として引く手あまたである が、同時に訴訟の方も依然として続いている。この現状にどう対処するの か? また、TidBITS の Contributing Editor である Mark Anbinder が不 定期連載コラム TidBITS ご用達ツールで MacTicker を紹介している。ま た今週は、Eudora Internet Mail Server や InterMapper のアップデー ト、Iomega 社製 Jaz の電源部のリコールについて、そして Apple がスポ ンサーとなっている映画、新 Star Wars の予告編のリリースのニュースを お届けする。

目次:

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MailBITS/15-Mar-99

(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)

Episode I: 帯域幅の脅威 -- Lucasfilm と Apple の独占提携のおかげ で、はるかかなたの銀河系を夢見る Star Wars ファンは QuickTime 3.0 フォーマットの Star Wars Episode I: The Phantom Menace の新しい予告 編を入手できる。Apple によればこの予告編がダウンロードできるように なった最初の 24 時間で、予告編と QuickTime 3.0 のダウンロードはそれ ぞれ100 万件、60 万件を超えたそうだ。時間を持て余していてかつ高速の 接続が可能な方は、どうぞ。予告編は次の 3 種類が用意されている。480 x 216ピクセルでステレオの 25 MB のファイル、320 x 144 ピクセルでス テレオの 13 MB のファイル、240 x 128 ピクセルでモノラルの 11 MB の ファイル。この映画は 99 年 5 月 19 日封切り予定である。 [JLC]

<http://www.starwars.com/episode-i/news/trailer/>
<http://www.apple.com/quicktime/trailers/fox/episode-i/>

Iomega 社 Jaz の電源部をリコールする -- Iomega Corporation は電源 部 6 万個の自主回収を行っている。これは 2 GB の外付 Jaz ドライブの 一部および 98 年 8 月 31 日以降販売された 1 GB の再加工外付 Jaz ド ライブに付属していたものである。電源部のケース側面にあるはずの安全 シールがないものがあるとのことだ。このシールがないとケースが開いて しまい内部がさらされ、感電する危険がある。このリコールプログラムに 関する詳細や、所有の電源部がこれにあてはまるかどうかを知るための術 が Iomega 社の Web サイトに出ている。Iomega はオンラインおよび電話 (800/781-3296)で対応している。同社は欠陥品を交換し、返送代も前払 いしてくれる。まだこの問題で負傷者は出ていないとのことだ。 [GD]

<http://www.iomega.com/support/recalls/>

ダートマス InterMapper 2.1 をリリース -- ダートマス大学は InterMapper のバージョン 2.1 をリリースした。これは中規模から大規模 な AppleTalk と IP ネットワーク用の多機能なネットワーク管理およびト ラブルシューティングツールで、Chris Pepper 氏が先ごろファイアウォー ルの記事( TidBITS-468 )で取り上げていたものだ。InterMapper はグ ラフィカルなネットワークのトポロジーの表示、警告やアラーム、サーバ やルータのアクティブなモニタリングなどの様々なことを行うために Simple Network Management Protocol (SNMP) などのプロトコルを採用し ている。この新しいバージョンでは統合 Web サーバが機能強化されてお り、スピーディな PNG グラフィックを用いた画像を送ることによりネット ワーク管理者が InterMapper 管轄内のネットワーク情報の大方にアクセス できるようになった。(PNG 形式に関しては“A Closer Look At Web Graphics”を参照のこと) InterMapper 2.0 の所有者はバージョン 2.1 に無償でアップグレードできる。InterMapper は当大学で 795 ドルで販売 しており、教育関係機関には 50 % の割引が適応される。また 2.1 MB の デモ版も用意されている。

<http://www.dartmouth.edu/netsoftware/intermapper/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05291>
<http://db.netbits.net/getbits.acgi?nbart=04458>

InterMapper では手に余る(または予算を超える)という方は、同大学が 先ごろリリースした SNMP Watcher 1.0 を検討するとよいだろう。これは AppleTalk および IP ネットワーク上の SNMP 情報をシンプルな表に表示 してくれるものだ。SNMP Watcher を使えばネットワークディバイスのエ ラーや動きを始終モニタできるほか、Mac OS 8.5 に同梱されているオプ ションの SNMP ソフトを使っているユーザがいれば離れたところにある Mac にどんなアプリケーション、機能拡張、その他ソフトがインストールされ ているかを見ることができる。これはトラブルシューティングやテクニカ ルサポートに非常に役に立つ。SNMP Watcher 1.0 は 99 ドルで、280K の デモが用意されている。 [GD]

<http://www.dartmouth.edu/pages/softdev/snmpwatcher/>

スパム対策を強化した EIMS 2.2.1 -- Qualcomm 社は Eudora Internet Mail Server (EIMS) for the Mac OS のバージョン 2.2.1 をリリースし た。バグのフィックスおよび機能強化に加え、専用線でない回線 (Vicomsoft Internet Gateway で管理している回線も含む)を使用した サーバー接続の処理を向上するために搭載した Dialup Manager とスパム 止めのために設計されたオプションのメールフィルタが売りである。EIMS 2.2.1 は変なメッセージ ID の付いたメッセージやタイトルから広告であ ることが明らかなもの、MAPS Realtime Blackhole List(MAPS RBL)、MAPS Dialup User List (MAPS DUL)、Open Relay Behavior-modification System (ORBS)のリストに上がっているサーバから発信されたものを拒否 できる。上記の 3 つはスパムに対して甘かったり、進んでスパムを送りだ していたり、ISP のダイアルアッププールの一部であったり、スパマーに 悪用されているとおぼしきオープンなメールの中継を行っていることが知 られているマシンやネットワークをつきとめるサービスを行っている。こ ういったフィルタの使用に関しては完全に本人の意向によるものだし、送 られてくるスパムを一網打尽にするまでには至らないが、効果は大きい。 TidBITS でもこういったフィルタを利用して上手くいっているが、Qualcomm 社は EIMS がサポートしているスパム対策テクニックのドキュメントをもっ と充実させるべきである。EIMS 2.x の正規登録者は無償で EIMS 2.2.1 に アップグレードできる。EIMS 2.2 のユーザー用に 495K のアップデータが 用意されている。まだバージョンが 2.2 になっていない場合は、まず 2.2 にアップデートしなければならない。アップデータは Qualcomm の Web サイトにある。EIMS は 249 ドルでダウンロード購入でき、使用必要条件 は 68030 ベースの Mac 以上、System 7.1、Open Transport 1.1.2 となっ ている。 [GD]

<http://eudora.qualcomm.com/eims/>
<http://www.vicomsoft.com/vig/vig.main.html>
<http://maps.vix.com/>
<http://www.orbs.org/>


TidBITS ご用達ツール:MacTicker

by Mark H. Anbinder <mha@tidbits.com>
(翻訳:松岡 文昭 <mtokfmak@mxa.mesh.ne.jp>)

インターネットを利用する投資家なら、ただもしくは 2、3 のバナー広告 と顔を合わせることを引き替えに、株価情報を提供する様々な無償 Web サ イトを恐らく既にご存じであろう。頻繁な最新情報は望むがそのために Web ブラウザを占有されたくない人達にとって、Galleon Software 社の MacTicker は有用な選択肢だ。

<http://www.galleon.com/macticker/>

MacTicker は特定のタスク用に設計された Web ブラウザ以外のなにもので もなく、HTTP クエリーを用いて PCQuote、Quote.com そして Yahoo (Yahoo UK Ireland そして Yahoo Australia NZ からの海外データも 含む)等の無償 Web サービスから株価情報を引き出すのだ。現在、いくつ かの Web サービスでは定期購読契約で即時情報を提供しているが、無償 サービスのものは全て約 15 分遅れで株価情報を提供している。

<http://www.pcquote.com/>
<http://www.quote.com/>
<http://quote.yahoo.com/>
<http://finance.uk.yahoo.com/>
<http://quote.yahoo.com.au/>

MacTicker は、個々の株式に対する一連の表示オプション、ならびに指定 された株式の現在の株価と変動を絶え間なく更新して報せる移動可能な相 場表示ウィンドウを特徴としている。

MacTicker は次の三通りの方法で個々の株式を表示することが可能だ。先 ずは小さなフローティングウィンドウに、株式シンボル、現在の株価、そ して今日の変動を表示するもので、次はもっと大きなフローティングウィ ンドウに同じ情報がもっとはっきりと大きな文字で表示されるもの。最後 はさらに大きなウィンドウで前述の情報以外に株式のフルネームと直近お よび過去 52 週間の広範な統計データを表示するものだ。個々の株式のウィ ンドウは大きさを変えたり、相場表示ウィンドウと独立して片づけること ができる。またウィンドウは MacTicker がバックグラウンドにあるとき も、隠したり、前面に表示させたりすることが可能だ。株価が上向き、下 向き、また現状維持かを示すための色を付けることや、一定の価格変動を 越した場合にはアラートを発するよう設定することもできる。

最近リリースされた MacTicker 1.1 は再設計されたグラフィックエンジン が自慢で、スクロールする情報を最大 156 ポイントのフォントサイズで表 示することができる。MacTicker 1.1 は Internet Config 経由で SOCKS ファイアウォールもサポートしており、小数点もしくは分数でドル価表示 ができる。

株式のティッカーシンボルを捜すことができる機能があれば便利だが、ほ とんどのユーザーは Web や新聞で株価を調べているであろうからどれが該 当のティッカーシンボルであるか多分ご存じであろう。

MacTicker は 25 ドルのシェアウェアで Galleon 社の Web サイトより ダウンロード可能だ。未登録ユーザーはソフトの全機能を使用できるが、 一度に 15 分間だけの動作となる。MacTicker は、クレジットカードを使 用して BuyDirect からオンラインで、あるいは直接 Galleon 社に小切手 を送るか米国およびカナダ内ならトールフリーの電話番号を利用してて購 入が可能だ。MacTicker は System 7.5 もしくはそれ以降と Open Transport 1.1.2 またはそれ以降で動作する PowerPC と 68K Mac OS コン ピュータで使用可能だ。デモ版は 975K のダウンロードだ。


Virtual Game Station で会おう

by Travis Butler <tbutler@tfs.net>
(翻訳:尾高 修一 <shu@pobox.com>)
(  :亀岡 孝仁 <tkameoka@fujikura.co.jp>)

Atari 世代の私は、Atari 2600 や 5200、Intellivision、ColecoVision が全国の TV ゲームを支配していた頃に育った。だが、最初のビデオゲー ムブームが下火になった頃、我が家ではすでに Macintosh 128 を購入して いたのだった。9 インチのモノクロスクリーンにもかかわらず、Lode Runner や Ancient Art of War、Tycoon、Lunar Rescue といったゲームの シャープさやプレイの質の高さから、ゲームの未来はテレビではなくコン ピュータにあると私は確信した。その結果、Nintendo、Super NES、Sega Genesis といった第二次ビデオゲームブームには目もくれなかった。

そうして去年、ちょっとチェックしたいロールプレイングゲームがあった ので気紛れで処分品の Sega Saturn を買った。Saturn が 28 ドルで売り に出されていた理由はすぐにわかった。ゲームシステムとしての寿命を終 えようとしていて、ゲームやコントローラは入手しにくく、私がプレイし たいと思うようなゲームはほとんど Sony PlayStation で動くのだった。 Saturn が Apple のように起死回生する様子は見えなかったので、そこで また私は興味を失ってしまった。

<http://www.playstation.com/>

Apple が Mac で PlayStation ゲームをプレイできるようにしようとして いるという噂は一部の Mac Web サイトで囁かれていた。だが、噂専門のサ イトでさえもこの説の信頼性を疑っていた。そして Macworld Expo San Francisco '99 の数日前になってニュースが流れた。PlayStation エミュ レータは確かに存在し、しかもローレベルエミュレーションの名手 Connectix 社によるものだという。この知らせが Expo でどれだけの興奮 を呼び起こしたかはさまざまな記録を読めばわかる。Connectix は、とて も売りさばけないほどの数を用意したにもかかわらず、会期中に Virtual Game Station 1.0 を完売した。

<http://www.virtualgamestation.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05242>

技術的課題 -- 技術的視点からすると、PlayStation のエミュレーショ ンは実にエキサイティングだ。Sony のゲーム機は多くのカスタムチップを 使用して速く滑らかな 3D グラフィックを実現しており、コンピュータエ ミュレーションを扱ったサイトでは PlayStation をエミュレートすること は当分、あるいは永遠に実現しないだろうとしていた。

<http://emulation.net/psx/>

こうした技術的なハードルが Virtual Game Station の厳しい必要ハード ウェア条件の理由である。Connectix によると、Apple 純正の G3 Macintoshと Mac OS 8 以上が必要とされている。これにはデスクトップ、 PowerBook、それに iMac が含まれるが、G3 アップグレードカードを搭載 した Mac は含まれない。Virtual Game Station は最低 10 MB の未使用 RAM と 3.5 MB の未使用ハードディスクを必要とする。

実際の動作条件はもっと柔軟なのだが、より複雑で依然として厳しいもの ではある。Connectix 社からの情報に基づき、Adam は TidBITS Talk に以 下の情報をポストしている。

実際の動作条件はマーケティング用にはあまりにも複雑すぎるので、 Connectix としては Virtual Game Station は G3 ベース Macintosh が必 要としている。Virtual Game Station がうまく動作するには 4 つの条件 があり、ゲームの場合は Virtual PC の場合とは異なってスピードは必ず しも最も重要な条件ではない。4 つの条件とは以下の通りだ。

<http://www.sonnettech.com/news/vgs_comp_stmnt.html>

これでことの複雑さがお判りいただけるだろう。G3 Power Mac と G3 PowerBook という以外、Virtual Game Station を動作させることのできる 機種を列挙することは不可能だ。そこで Connectix はこの 2 つを推奨動 作環境としたわけだ。Connectix が Virtual Game Station を他の Mac で 動かすことに反対しているわけではないので、手持ちの Mac でも行けそう だと判断したら試してみる価値はある。

一発インストールにあらず -- Virtual Game Station 1.0 はインストー ル手順が複雑すぎるとの正当な批判を受けていた。最新の ATI ビデオドラ イバを確実にインストールするために、ATI Universal Installer 3.3 を まず使い、標準インストールをオーバーライドし、非互換なビデオハード ウェアに関する警告を無視しなければらなない。続いて ATI Driver Update インストーラを実行し、これで初めて Virtual Game Station 1.0 のイン ストールへと進むことができる。初心者に優しい手順ではないことは間違 いない。

Connectix はバージョン 1.1 と 1.2 でインストール手順を改善した。依 然として Virtual Game Station そのものと ATI ドライバは別々のインス トーラとなっている。だが、ATI インストーラは Virtual Game Station 用にカスタマイズされており、カスタムインストールを強いたり、非互換 ハードウェアの警告を出したり、別のアップデータを必要とすることはな くなっている。バージョン 1.0 のインストーラだと、初心者に使わせたら 最低一回は取り乱して質問の電話をかけてくるだろうが、現行のインストー ラなら安心して使わせることができる。

設定とコントロール -- Virtual Game Station には設定すべきものがあ まりない。シンプルな Preferences ダイアログで音量、フルモーションビ デオ(フルカラーモードだと色数を変更する際に画面がフラッシュする)、 2 人用コントローラ、メモリカードファイルの管理などを設定する。 PlayStation はゲームの設定や位置を保存するためにプラグイン方式のメ モリカードを使用する。Virtual Game Station は小さなファイルを使って このメモリカードをシミュレートするのだ。メモリカードはいくつでも作 ることができるので、ゲームのあらゆる段階を保存しておくことに執念を 燃やす方には好都合だろう。リリースされたばかりの Virtual Game Station 1.2 は DexDrive で Windows PC に転送されたゲームを読むこと もできるようになっている。

<http://www.dexchange.net/>

Macintosh キーボードはゲームに実に向いていることに気が付いた。オリ ジナルの PlayStation コントローラは移動の方向をコントロールするため の 4 方向のボタンパッドを用いている。これはキーボード上の 4 つのキー で対応させれば良い。同様に、ダイアモンド型に配置されている 4 つの キーも逆 T 字型に配置されているキーにマッピングすれば良い。この逆 T 字型の両側にコントローラの前部にあるボタンに対応させれば準備 OK だ。

後期型の PlayStation コントローラにはアナログのコントロールに加え、 Dual Shock 振動フィードバックシステムも搭載されている。私が試した ゲームは初期型のコントローラをサポートしていたのでこの機能は関係が 無かった。後期型コントローラの機能が欲しいという方は、Kernel Productions 社の JoyPort を使えば Mac に PlayStation コントローラを 繋ぐことができる。ADB 版と USB 版(近日発売)が用意されている。最近 登場した JoyPort ソフトウェア用パッチを使えば、Dual Shock コントロー ラを使うこともできる。私は試したことはないのだが、これでオリジナル の PlayStation に近い使用感が得られるだろう。Virtual Game Station は Apple の Input Sprocket 機能拡張に対応したゲームコントローラなら どれでも使うことができるとされている。

<http://www.kernel.com/>

Virtual Game Station 1.1 以降には、PlayStation CD を挿入すると自動 的に Virtual Game Station を起動する機能拡張も同梱されている。私の 場合はまったく問題を経験しなかったが、この機能をオフにして手動で Virtual Game Station を起動することも可能だ。

パフォーマンスと互換性 -- 誰にとってもこれが最大の疑問だろう。 Virtual Game Station での PlayStation ゲームはどんな具合なのだろう?

Virtual Game Station が完璧であるとはいえないが、パフォーマンスと互 換性はほとんどの場合十分なものだ。以下で述べるように、広範な互換性 テストをできるわけではなかったので、5 つのゲームに的を絞った。 Parasite Eve、Road Track The Need for Speed(オリジナル版)、 Darkstalkers: the Night Warriors、Final Fantasy VII、それに Arcade's Greatest Hits: the Atari Collection 2 だ。最後のものには Crystal Castles、Gauntlet、Marble Madness、Millipede、Paperboy、それに RoadBlasters といったアーケードゲームが収録されており、エミュレー ションのエミュレーションということになる。

250 MHz G3 プロセッサと 13.3 インチスクリーンを搭載した PowerBook G3 Series での結果はほぼ満足できるものだった。プレイ不能なゲームは Atari Collection 2 にあった Marble Madness と Paperboy の 2 つだけ だった。Virtual Game Station 1.2 ではこれも改善されている。その場 合、第一世代の G3 PowerBook では画面がいっぱいに使われる。一方 Parasite Eve はほとんど完璧で、フルモーションの移行シーンで時折画面 や音に飛びがある程度だった。The Need for Speed も良好で、時折付属の マルチメディアギャラリーでレーシングカーにブレが出る程度だった。最 後に、Fantasy VII とDarkstalkers は良くも悪くもなかった。武術ゲーム である Darkstalkers での私の成績は散々だった。どうしてもタイミング が合わず、攻撃がヒットすることがなかったのだ。(もちろん単に私が下 手だということなのかもしれない。アニメーションは正しく表示されてい るようだった。)これは Virtual Game Station でフィックスされている のだが、Final Fantasy VII の“戦闘カーソル”が戦闘中に表示されなかっ た。このことは Web 上にあるゲームの互換性を扱ったサイトでも記されて いる。それ以外は私が見た限りゲームは正常にプレイできた。

互換性リストは良いものを 3 つほどオンラインで見つけた。MacsOnly に は CVGS Watch Page があり、emulation.net にはVirtual Game Station Compatibility Page が、PlayStation User's Group には Virtual Game Station に互換と非互換のタイトルを記したリストが備えられている。こ うしたリストが必ずしも相互に、また私の経験とも一致しているわけでは ない。たとえば MacsOnly によると、私の経験では 2 つのゲームを除いて プレイ可能だった Atari Collection 2 は非互換とされている。

<http://www.macsonly.com/cvgsw.html>
<http://emulation.net/psx/compatibility.html>
<http://www.pug.to/cvgs/games.html>
<http://www.pug.to/cvgs/dontwork.html>

法的/倫理的問題−大部分のゲームソフトウエアでは、現行のハードウエ アとソフトウエアでそれがよく動くかどうか考えなければならない、しか し、Virtual Game Station の場合、興味のある側面が出てきた。あなたが エミュレータを実行することができるマシンを持っているとして、あなた にははたしてそれを使う権利があるか?

Connectix 社が Virtual Game Station を Macworld Expo で売るであろう との発表は、伝えられるところ Sony 社と Connectix 社の間で実施許諾 契約に到達していないと言うことから、Sony 社の反応についてかしましい 推測が横行した。3 週後に、Sony 社は連邦裁判所に Connectix 社に対す る訴訟をおこした。理由は、Virtual Game Station が Sony 社の知的所有 権を侵害しており、本当の PlayStation 体験感覚を再現せず、本物の PlayStation コンソールが持つ著作権侵害防止機能を有していない事であ ると主張した。( TidBITS-465 中の“Virtual Game Station 1.1 リリー ス、訴訟もなんのその”を参照)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05252>

TidBITS Talk、ニュースサイト、そしてフォーラムは、Sony の訴訟にかな りの討議を費やした。私の様な門外漢の意見にどんな価値があるかはよく わからないが、しかし私は Connectix 社が勝つチャンスが結構あると思う。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=569>
<http://macweek.zdnet.com/1999/02/07/register.html>

コンピュータソフトウエアに関するこれまでの著作権違反事件は、コン ピュータプログラムの実際のコードは著作権法によって保護されるとして きた;これは、PC、Mac または PlayStation を走らせるオペレーティング システムのコードを含んでいる。しかしながら、企業は合法的にシステム を“逆エンジニアリング”出来る。システムのおおやけに文書化された API を取ってきて - プログラマがそのシステムのためのソフトウェアを書くと きに使う命令セット - そして、オリジナルコードのいかなる部分も使用す ることなく、その API に全くオリジナルの様に応答するシステムをゼロか ら作りあげれば、正当なクローンを作ることができる。Connectix 社は、 Speed Doubler、や Virtual PC の心臓となる 68K のエミュレータに見る ように、上手な逆エンジニアリングの長い歴史を持っている。もし Connectix 社が PlayStation を逆エンジニアリングしたと主張するなら ば、彼らは多分、どの様にやるべきかについて良く知っているだろうと思 う。

これは特許の問題であるかもしれない;PlayStation の感性に関する Sony 社の特許に Virtual Game Station が抵触するかもしれないと聞いた事が ある、しかし、私は断言するのに十分な情報は持っていない。

Connectix 社は 100 パーセントの互換性をうたっていないので、本当の PlayStation 体験感覚の再現性を論ずるのはもっと微妙である。Virtual Game Station Web サイトで、Connectix 社が Virtual Game Station 用に 推薦するゲームをリストしている。もしここでどれが互換でどれがそうで ないかを隠そうとしたなら、苦情の原因となっていたであろう;これまで の所、顧客に Virtual Game Station の限界を知らせることに関しては妥 当な仕事をしていると思う。

著作権侵害防止機能が、多分 Sony 社の訴訟に至った最も大きい理由であ ろう。Sony 社は PlayStation のハードウエアを売ることではほとんど儲 けが無く PlayStation のゲームをライセンスする事で相当の利潤をあげて いるのだと主張する論議をを読んだことがある。PlayStation のゲームは CD-ROM の形なので、CD-Rドライブを利用してゲームをコピーすることは可 能である。Sony 社は海賊達がコピーしたゲームを使うのを阻止する保護機 能を PlayStation コンソールへ埋め込んでいる、その上、輸入されたゲー ムも使えなくしている(例えば、日本のゲームは、アメリカの PlayStation の上では使えない)。Connectix 社は Virtual Game Station の中にも著 作権侵害防止機能を入れているとしている、しかし、Sony 社は Virtual Game Station がソフトウエア製品であることから、これらの保護を除去す るのはパッチを当てることで簡単に可能であると論じている。事実、 Virtual Game Station のリリース 一週間以内に、Virtual Game Station 1.0 のためのこれ用のパッチが、インターネットの上に現れた。Connectix 社は、1.1 および 1.2 のリリースの中で、著作権侵害防止機能を改善した と言っている。

しかしながら、PlayStation コンソールにインストールして著作権侵害防 止を無力化してしまうかなり簡単な変更チップもある。AltaVista、 Excite、GoTo、Infoseek、Lycos と Yahoo 上で“PlayStation 変更チッ プ”のサーチを Sherlock を利用してやってみたら、およそ 1 分で 103 の当たりがあった。Yahoo では、PlayStation Modification Chips と言う カテゴリーがあり、9 つの企業がリストされている、さらに、私の地元の ビデオ店では輸入ゲーム用のカートリッジベースの変更チップを売ってお り、そしてたくさんの輸入ゲームをレンタルしている。この様な環境下で、 Virtual Game Station が著作権侵害上で、どのように重要な影響を及ぼす かについて大いなる疑問を抱かざるを得ない。

しかしながら、意見を異にする見方もある。私はそのビデオ店の主人と会 い上記のことを述べ、出来るだけ沢山のゲームで簡単な 5 分間の互換性テ ストさせて貰えないか話してみた。彼はこのアイディアに非常に腹を立て ており、明らかに Virtual Game Station を海賊製品とみなしていて、一 切の関わりを持ちたくない様であった。また、Sony's PlayStation Underground Radio Network のホストである David Lawrence 氏は TidBITS Talk 上で、Virtual Game Station 上でのゲームの質および Connectix 社 のこの製品をリリースする動機の両方について強い意見を述べている。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkmsg=2572>

Sony 社は 99 年 2 月 4 日に法廷論争の最初のラウンドを失った。San Francisco の連邦裁判所は Virtual Game Station の出荷差し止めの申請 を退けた( TidBITS-466 の“Connectix 社、Sony 社訴訟の第一回戦に勝 利する”を参照)。しかしながら、この問題は法律家の世界にあとしばら く残るであろう、両社が和解に応じるなら話は別であるが。この間、 Connectix 社は Virtual Game Station の Windows 版を進めていると発表 した。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05270>
<http://www.virtualgamestation.com/CVGSpr5.html>

エミュレートするか、それとも本物で行くか? もしあなたがネイティブ の G3 Mac と PlayStation のゲームに興味を持っているならば、Virtual Game Station は試してみる価値が十分にある:RAM と必要なディスクス ペースはきわめて理にかなっている。 [そして今週いくつかの TidBITS ス ポンサーが関連したものを出している - この号の始めにあるスポンサーの 欄を参照されたい - 編者] 私自身、Adam が言っている理論的にプレー可 能な構成をテストしてみることは出来なかったが、要件に合うマシーンを 持っていて 50 ドルを賭けてみてもいいと思うなら、テストしてみる価値 はあると思う。PlayStation の全てのゲームが動くわけではないし、動く ゲームが全て完全に機能するわけでもない。しかし私自身は、少なくとも 動作可能なゲームはちゃんと遊べるし結構楽しめた。

法的そして倫理的問題が Virtual Game Station の将来に陰を投げかけて いるのは確かだが、しかし Connectix 社が Virtual Game Station を売る 権利を有することを私は疑わない。望むらくは、Sony と Connectix の両 社が和解して、PlayStation プラットフォームの人気を高めて共に繁栄す る道を選んで欲しい。


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