TidBITS-J#482/24-May-99 TidBITS-J#482/24-May-99PhoneNet の場所を押し退け、HomeLINE 登場！Farallon 社の新製品 HomeLINE は今ある電話ジャックに差し込んで、音声通信や DSL を邪魔す ることなく Mac と PC をネットワークする。また、Jeff Carlson はファ イルシンクロのユーティリティ、Synchronize を眺め、我々は Macintosh SETI@home クライアントのリリースをお知らせし、Apple は第 4 回年次 アップルデザイン賞の受賞者を発表する。
目次：
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（翻訳：西村 尚 <hisashin@hotsync.co.jp>）
SETI が家庭の Mac に情報空間の探索をもたらす -- SETI（Search for Extraterrestrial Intelligence）プロジェクトが現在 SETI@home クラア ントの Macintosh バージョンを提供している。Arecibo 電波望遠鏡から 340K“仕事単位”で SETI のサーバからダウンロードして収集したデータ を凝縮するアイドル時間のスクリーンセーバアプリケーションである。大 量の収集データ（毎日約 35 GB）を処理するために、SETI は、遠距離通信 信号用の検索が何千というパーソナルコンピュータの分散処理能力によっ て高速化されると期待している。SETI@home クライアントは 210K のダウ ンロード容量で、スクリーンセーバまたはスタンドアロンのアプリケーショ ンとして動作することができ、System 7.5.5 以上と 32 MB の RAM を伴う PowerPC ベースのシステムを必要とする。我々は常に Macintosh とイン ターネットの世界に知性を求めてきた。あなた方は、今や SETI@home TidBITS チームに参加することで、世界のどこででも知的生活の予兆を探 求する手助けができるようになった。下記の 2 番目の URL を訪れて、 SETI@home クライアントを使ってあなたの Mac で行う仕事を我々のチーム に登録するように参加登録してほしい。 [JLC]
<http://setiathome.ssl.berkeley.edu/>
<http://setiathome.ssl.berkeley.edu/cgi-bin/cgi?cmd=team_join_form&id=3308>
Apple がアップルデザイン賞の受賞者を発表 -- Apple Computer 社は、 第 4 回年次アップルデザイン賞の受賞者を発表した。REAL Software 社の REALbasic 1.0 と Alsoft 社の Disk Warrior 1.0 が数々の賞を受けた。 REALbasic は Best New Product 賞を受賞し、Disk Warrior が次点であっ た。Most Innovative 部門では、状況が逆転して Disk Warrior が受賞、 REALbasic が次点となった。Best Macintosh User Experience には、Cajun Games 社の Food Chain 1.0 が受賞し、REALbasic がここでも次点となっ た。最後に、Best Apple Technology Adoption では、インタラクティブな デスクトップアニメーション作成用のアプリケーションであるコーシング ラフィックシステム社のキューティマスコット Jr. 1.5 が受賞し、 Connectix 社の人気の Virtual Game Station が次点となった。受賞者の みなさん、おめでとう。Food Chain とキューティマスコット Jr. 1.5 を よく知らない方は、各社の Web ページを訪れるようにお薦めする。 [ACE]
<http://www.apple.com/pr/library/1999/may/19awards.html>
<http://www.realsoftware.com/realbasic.html>
<http://www.alsoft.com/DiskWarrior/>
<http://www.CajunGames.com/foodchain/>
<http://www.kohshin-graphic-sys.com/e_version/mascot_e.html>
<http://www.virtualgamestation.com/>
by Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
（翻訳：亀岡 孝仁 <tkameoka@fujikura.co.jp>）
私の PowerBook G3 は、外出先でも机の上でも今は私のメインコンピュー ターの役をしているが、私の以前の PowerBook 5300 はサテライトマシン として主に存在していた。モバイル Mac としてはかけがえのないものだっ たが、家の中でもオフィスでもバッテリに充電している間は、書類とかフ ロッピーを積み上げるもう一つの平面にすぎなかった。マシンの間の切換 えには、問題があった：私のデータが両方のマシンの上で最新であること を保証する最善のやり方は何であろうか？私はその解を、巧みに命名され たシェアウェアユーティリティ Synchronize の中に見いだし、それを私は 現在いろいろなマシンの上でファイルおよびフォルダーを同期するために 使っている。
<http://www.qdea.com/sync.html>
鏡越しに、ぼんやりと -- Synchronize の機能は、他の類似したツール、 たとえば Apple 社の File Assistant と同様である：それは、ファイルの 修正時刻を比較して、古いバージョンを新規のもので置換する。この様に すれば、例え 2 つのマシン上で 2 つの別個のファイルを変更したとして も、最終結果は各ファイルの最新版を含んだフォルダーとなる。Finder の 上で、それに対応する行き先に各ファイルをドラッグすることによっても 同じこと、自動的に修正時刻を比較する、ができるが、しかし、“.....と 入れ替えますか？”という会話に 2、3 十回応答していれば、すぐに嫌気 をさすであろう。
同期化ユーティリティによくある問題は、それらがソースと行き先フォル ダーの正確な複製が欲しいのであろうと仮定するために、効率的にフォル ダークローンをつくってしまう事にある。しかし、正確な複製など欲しく ないとしたらどうだろう？Date & Time セッティングが一つのマシンの上 で狂ってしまい、そして数時間もの努力の成果が効率的に上書きされてし まうとしたらどうだろう？私はかって Claris Emailer 1.0 用のフォルダー を同期を取っていた時（そしてそれは Emailer 2.0v3 の様に一つのデータ ベースとしてではなく、固有のファイルとして各メッセージを格納してい た）、PowerBook の日付けがオフであったため私はかなりの量のメールを 失ってしまった事がある。盲目的効率は、すぐにその魅力を失ってしまった。
選択肢のパワー -- Synchronize は同じ機能性を提供するが、ずっと多 様な管理機能を有している。指定するディレクトリーをスキャンした後に Synchronize はコピーするファイルのリストを色分けされた矢印で、どの ファイルが上書きされるかを表示する。ファイルまたはフォルダーを表示 しているラインをクリックすることで、修正日と時間およびファイルのサ イズ（ファイルの日付けが大きく異なる時など役に立つことがありえる） を表示する。もし一対のファイルが誤って関連づけられていると思われた 場合、リストから取り除くような選択もできる。また、ファイルを削除の 対象に選ぶことができる（対になっている両方のファイルは削除される）。
同期化オペレーションを細かい点まで管理することができることは登録価 格の価値があるが、他にもプログラムを非常に魅力的にする機能がある。 時として、Synchronize はできすぎてしまう事がある、たとえばエイリア スやカスタムアイコンの様な不可視のファイルでもコピーしてしまう。 Synchronize の設定オプションで個々のファイルとフォルダーの名前を指 定して無視するようにできる、あるいは、ラベル、修正日、ファイルタイ プ（エイリアスとか不可視のファイルのような）または親アプリケーショ ンに基づいてフィルターをかけることができる。規則的に同じ2つのフォル ダーを同期している人ならば、Files to Copy リストからマニュアルでそ のような項目を削除する必要のないことに感謝するであろう。
Synchronize は、マスターフォルダー、たとえばフォルダーのバックアッ プを保持したい時、の正確な複製をつくる力づくコピーを行うようセット できる。Synchronize の多重 Start and Completion オプションを使って 自動セッションをスケジュールする事もできる。たとえば、夜中にネット ワークボリュームをマウントして、それとあなたの Mac との間でファイル を同期させ、次にそのボリュームを片づけて、それからあなたの Mac をス リープさせると言ったこともできる。
プログラムはフォルダーの場所と設定値を独立した Synchronize ファイル の中に保持するので、同期化ジョブを始めるには、通常単にそのファイル をダブルクリックするだけで十分である。それらのファイルをプログラム を始めるときに自動的にオープンするようにセットすることができる。こ うすれば、頻繁に使われるオペレーションも同時に準備完了状態にできる。
Synchronize に関しての根強い問題としては、Files to Copy ウィンドウ におけるズームボックスの欠如がある。私は通常少なくとも何十ものファ イルを比較している、しかしデフォルトのウィンドウサイズでは 10 未満 の項目しか表示されない。もちろん右下コーナをドラッグすることによっ て手でウィンドウを拡大することはできるけれども、私はズームボックス をクリックするだけでウィンドウを私のモニタの高さに合わせられる様に したい。Synchronize はローカルのボリュームあるいは AppleTalk LAN の 上だけでしか働かないが、インターネット上でファイルを同期できる能力 をもって欲しいと長いこと願っている。Qdea 社の近々予定されている Synchronize Pro 4.0（別個の製品、現在パブリックベータ）は、TCP/IP 同期化を約束している。
私の意気込みにもかかわらず、実際には私はあまり多くの時間を Synchronize を使うことに費やしていない；非常に良く動くので私が必要 とするファイルを同期するのはあっと言う間で、私の次の日課にすぐ取り かかれる。この手の効率はその魅力を簡単には失わない。
Synchronize 3.7 は、無償の 650K のダウンロードとして利用できる。非 登録のバージョンは、10 MB 以下のデータを含んでいるフォルダーの同期 化にのみ制限される；先進機能は、1MB以下のフォルダーに適用できる。 29.95 ドル登録料金を払えば、ファイルサイズ制限（同期するファイルの 数によっては割り当てられた RAM の量を増やさなければならないかもしれ ない）が取り外され、無料アップグレードが含まれる。
by Matt Deatherage <mattd@gcsf.com>
（翻訳：松岡 文昭 <mtokfmak@mxa.mesh.ne.jp>）
（ ：尾高 里華子 <rikako@pobox.com>）
（ ：尾高 修一 <shu@pobox.com>）
Farallon 社は、単純なものをさらに単純にすることで、Macintosh 用ネッ トワーク・ベンダーの間で常に特別な地位を有してきた。LocalTalk の信 号が Apple の比較的高価な LocalTalk Connector Kits に入ったカスタム ケーブルではなく、普通の電話ケーブルで送れることに気づいた後、1980 年代半ばに同社はその名声の頂点を極めた。誰もが Farallon 社の PhoneNet 製品で Mac のピアネットワークを、驚くべき柔軟性をもって構 築できたのだ。六フィートの固定長ケーブルが入った接続キットに 40 ド ル支払う代わりに、30 ドルで PhoneNet コネクターを購入し、近所の Radio Shack 店で入手が可能ならいくらでも必要な長さの電話ケーブルが 使用できたのだ。
現在 Farallon 社は、同社の発明技術ではないが、電話ケーブルを用いた 次世代ローカルエリアネットワークを Macintosh ユーザーに供給してい る。世界は 15 年の間に変わった。ローカルエリアネットワークもしかり だ。新しい HomeLINE 製品は、Macintosh と Windows コンピュータを LocalTalk より 4 倍高速な 1 Mbps で接続し、それも単に通常の電話線で なく、既に壁に埋め込まれている電話ジャック経由でやってしまうのだ。 それも音声の送信や DSL（Digital Subscriber Line）インターネット接続 を妨げずにだ。
HomePNA へようこそ -- The Home Phoneline Networking Alliance は、 既に家庭にある電話線経由で高速かつ簡単に使えるネットワークの提供を 目的とする、発足後 11 ヶ月の企業コンソーシアムだ。市場調査会社の Dataquest 社によると、米国では 44 百万件の家庭に少なくとも既に一台 のコンピュータが設置され、それらの内 18 百万件 - 米国でコンピュー タを保有する全世帯の 40% - が二台以上のコンピュータを所有している。
マーケッティング担当者達の強い関心は、コンピュータを複数所有する人 達が、もし彼等のコンピュータが相互通信できれば何をしたいかにある。 調査員達が発見した第一のリクエストは、一つのモデムで家庭内のすべて のコンピュータがネットサーフィンを行えるよう、一つのインターネット 接続を複数のコンピュータで共有する方法だ。1 本の電話線と 1 個の ISP アカウントを減らすことで、平均的世帯では年間 250 ドルから 500 ドル の節約となる。次に最も多いリクエストはマルチプレーヤーゲームを楽し む方法で、その後に続くのは、高品質プリンタのコンスタントな価格下落 に伴いプリンタ共有の重要度は低くなっているが、ネットワークプリンタ とファイル共有だ。
現在の HomePNA 製品は、通常の電話線経由でのネットワークを提供する装 置メーカー Tut Systems 社の HomeRun 技術に基づいている。Tut Systems 社の Expresso MDU と関連製品は、すべての部屋にケーブルを追加するこ となく、ネットワークへのアクセスを提供したい寮やアパート、ホテル、 およびその他の大きな複合住宅施設をねらいとしているので、電話線が自 然な目標媒体となったわけだ。PhoneNet もこれらの環境では動作しない。 PhoneNet は標準の電話線の中にある 4 本のワイヤーの内の 2 本のみを使 用するが、標準の 4 本の代わりに 2 本のワイヤーのみが入った電話線を 通常見ることはない。また PhoneNet は音声電話のトラフィックと一緒の ワイヤーを共有できないので、Tut Systems 社はそれができる技術、つま りネットワークコンピュータがネットワークを使用している最中に同じワ イヤを使用する電話をブロックしない技術を必要としたのだ。
解決策は、音声トラフィックと同じペアのワイヤーを異なった周波数で共 有させ、音声とデータトラフィックが同じワイヤー上に同時に存在するこ とを可能にするという革新的な技術であった。その周波数は DSL データが 使用するものとも異なり、結果、三つの標準すべてが同時に同じワイヤー を使用できるのだ。
HomePNA のネットワークとパケットフォーマットは 1.2 Mbps の理論最大 値を有しているが、HomePNA のメンバーは、10Base-T ネットワークで 2 から 3 Mbps の通常の Ethernet のスループット（理論最大出力は 10 Mbps）に比べ、1 Mbps のスループットであると主張している。不断のバル ク転送では差に気がつくが、通常のインタラクティブな Web サーフィンで は、特に HomePNA の 1 Mbps はほとんどすべての家庭用インターネット接 続をしのぐことから、多分、ほぼ同じと「感じる」であろう。
Farallon 社によれば HomePNA 技術は古い電話回線や怪しげな電話回線に 対して非常に寛容で、ほとんどの状況で速度や接続が落ちることがない。 もし電話がかかってきたとき、家庭内の電話すべてが鳴るようであれば （PBX やその他の電話装置の助けなく）、HomePNA はあなたの電話回線で も使用できるはずだ。
HomePNA は、電話番号が同じ複数の電話ジャックを既に有し、家中にケー ブルを張りめぐらしたくない人達をターゲットとしている。HomePNA を、 ネットワークしたいコンピュータ間に電話線を張り、ちょうど LocalTalk のように使用することもできるが、もしそれだけのケーブルを張るなら、 最近のほとんどの Mac に内蔵されている Ethernet 接続を使用し、もっと 高速なネットワークを構築した方が良い。あなたのコンピュータすべてが 100Base-T Ethernet をサポートしているならなおさらだ。
Macintosh 入り -- 普通の Macintosh ユーザーにとって Intel 社は PC で使用する Pentium チップの製造元という認識しかないだろうが、実は ネットワーク界の有力企業になるべく奮闘しているのだ。同社はコンピュー タが 2 台以上ある世帯が 1,800 万あり、家庭内マシン接続は未開の大市 場だと受け止めている。Intel は USB はもちろん HomePNA にも多角的に かかわっている。（Tut Systems 社からライセンスを得た）HomePNA テク ノロジーを実現するためのチップセットの製造のみにとどまらず、自社製 HomePNA 製品の販売も行っているのだ。これは AnyPoint と呼ばれ Windows ベースのマシンを HomePNA ネットワークに接続するためのもので PCI ス ロットおよびパラレルポートに対応している。
<http://www.intel.com/anypoint/home.htm?iid={intelhome=anypoint3>
しかし最近まで Mac で使える HomePNA は作られていなかった。Farallon 社はそこに目をつけ、新しい HomeLINE ソリューションを出してきた。売 りは Power Macintosh でも Windows ベースのシステムでも動作する PCI カードで、完全に Mac フレンドリーな同社のクロスプラットフォームソフ トウェアがバンドルされる。HomeLINE は AppleTalk と TCP/IP の両方を サポートし（System 7.5.5 をサポートしているものの、Open Transport の性能の点から Mac OS 7.6.1 以降が推奨されている）、クロスプラット フォームの CD- ROM に付属しているソフトもなかなかである。
<http://www.farallon.com/tidbits/homeline/>
HomeLINE のスループット 1 Mbps は、（56K モデム、ISDN、DSL、ケーブ ルモデムを含めた）大抵の家庭のインターネットアクセスソリューション よりも速い。1.54 Mbps の T1 回線の 3 分の 2 の速さで、このスピード でインターネットにアクセスしている家庭はほとんどないだろう。インター ネット接続がどんなものであれ、HomeLINE がスピードの妨げになることは ないのだ。HomeLINE にはインターネット接続を別のマシンと共有できるよ うするための（正式な使用許諾付き） Vicomsoft 製 Macintosh 用 SurfDoubler が付属している。
<http://www.vicomsoft.com/surfdoubler/surf.main.html>
SurfDoubler により一インターネット接続をネットワークで繋がった 2 台 のマシンで共有することができる。ローカルネットワークに関してはマシ ンの台数に制限はないが、インターネットに同時にアクセスできるマシン は 2 台までに限られており、しかもその内の一台に SurfDoubler がイン ストールされていなければならない。Farallon のマーケティングディレク ター Ken Haase 氏は、同社のテストの結果、通常使用で 3 台のマシンが Web ブラウザを使用していてもパケットがぶつかることはないので SurfDoubler の 2 台のマシンという制限に引っ掛かることはなく、 SurfDoubler はほとんどの家庭では合格点になると述べている。連続的に 回線を使用するビデオやファイル転送といったものは例外である。 SurfDoubler に不満の方は制限の少ない SoftRouter Plus がある。これを 手元にある SurfDoubler を下取りにして Vicomsoft 社から直接購入すれ ば、通常価格から 64 ドル割引になる。学校の各教室にあるマシンのネッ トワークを考えている場合は、同社の Internet Gateway の方が良いかも しれない。CyberNOT というコンテンツフィルタ機能が付いているがお値段 の方は高くなる。
<http://www.vicomsoft.com/softrouter/sfr.main.html>
<http://www.vicomsoft.com/vig/vig.main.html>
Farallon 製 Ethernet とは異なり HomeLINE PCI カードにはネットワーク が正しく設定されているかどうかを確認できるLED が付いていない（通常 の電話線ではできないのだ）。その代わりクロスプラットフォームの HomeLINE Link Test というアプリケーションが用意されているる。これは AppleTalk や TCP/IP を無視して、電話線に直接パケット送りだす。 HomePNA のネットワーク上にあるすべてのマシンでこのユーティリティを 動かし、すべてのマシンが別のマシンからのパケットを確認できればグリー ンのステータスバーが現れ、電話線がネットワーク上のトラブルの原因で はないことが確認できる。また同社は Windows と Mac OS 双方で利用でき る TCP/IP 接続をテストするための Ping アプリケーションも用意している。
HomeLINE には Miramar Systems 社製 Windows 95/98 用 PC MACLAN 7.2 のお試し版が入っている。PC MACLAN は Windows に AppleTalk クライア ントとサーバの機能を追加するものである。これにより、Mac クライアン トは普通の Chooser の AppleShare やプリンタドライバーから PC のディ スクやプリンタを共有できるようになり、PC はすべての AppleTalk ファ イルサーバおよびプリンタサーバにアクセスできるようになる。PC MACLAN は IP を使った AppleTalk Filing Protocol もサポートしており、 AppleShare IP サーバへの完全なアクセスを実現する。HomeLINE に付いて いる PC MACLAN のお試し版は、全機能を使うことができるが、PC の起動 以降 3 時間しか動作しない。それ以上使いたい場合は PC を再起動させる と再び 3 時間使用することができるようになるし、これは際限なく繰り返 すことが可能である。
<http://www.miramarsys.com/products/pcmaclan72.htm>
Netopia 社の最初の社名は Farallon だったし、最近まで Farallon はそ この一部門だったのだから、HomeLINE に Timbuktu Pro のデモ版が付いて くるのも驚く話ではない。Timbuktu Pro はファイル共有、チャット、イン ターコムサービス、ノートのやり取りの機能もあるが、筆頭はあるマシン から他のマシンを監視または完全にコントロールする機能である。同社の Haase 氏は HomePNA と Timbuktu で一般家庭のインターコムシステムをほ とんど置き換えることができると指摘している。HomeLINE に付いてくる Timbuktu Pro のお試し版は機能は限定されていないが、試用期間が 30 日 となっている。
<http://www.netopia.com/>
<http://www.timbuktupro.com/>
HomeLINE に付属しているソフトには SurfDoubler のような完全な使用許 可の付いたものと、PC MACLAN のようなお試し版のものがある。お試し版 の場合でも、HomeLINE の購入者にはその正規版用“Friends of Farallon” 価格が用意されており、アップグレード料だけで最新のフルバージョンを 入手できるようになっている。たとえば、PC MACLAN は小売価格 199 ドル のシングルユーザー版が 100 ドル引きになり、Timbuktu Pro は 70 ドル でマシン 2 台用のライセンスにアップグレードできる。
クロスプラットフォーム・ソリューション -- Farallon の推定によると 複数のコンピュータを持っている家庭のうち 300 〜 400 万世帯が Mac と PC の両方を持っているので、クロスプラットフォームであることはプラス になる。Windows 用には、HomeLINE CD-ROM に Intel 社の Windows 用イ ンターネット共有ソフトウェア、AnyPoint に加え、Windows 版 Timbuktu Pro と PC MACLAN ソフトウェアのデモが収録されている。Windows ユー ザーは Intel の AnyPoint ハードウェアなどバラエティ豊富なハードウェ アから選ぶことができる。これは今まで Mac ではできなかったことだ。 Farallon の HomeLINE Starter Kit には Mac／PC を問わずに 2 台のコン ピュータを HomePNA 経由で接続することができるハードウェアとソフト ウェアが含まれている。それぞれの PCI カードには電話用ジャックが 2 基備わっている。付属のケーブルを片方のジャックに入れ、壁のジャック にもう一方の端を差し込む。カードにあるもう一つのジャックには電話を 接続する。こうして壁に一つしかジャックがなくても電話とネットワーク の両方が利用できるようになる。
Windows 版 HomeLINE ソフトウェアの動作条件は Pentium プロセッサ、8 MB の RAM、Windows 95/98 となっているが、すべての Windows マシンに PCI カードが挿せるわけではない。Mac OS 版は 16 MB の RAM と System 7.5.5 以降が必要だ。Intel の AnyPoint シリーズにはパラレルポートを 使用するネットワークインターフェースカードが用意されており、ノート 型コンピュータや空いた PCI スロットがないデスクトップマシンには最適 となっている。Windows マシン用にこういった製品が必要な場合は、いず れも HomePNA 規格に準拠しているので HomeLINE でも問題なく使える。さ らに、他の HomePNA ハードウェアを使っても決して損をすることはない。 どの HomeLINE PCI 製品にも完全なクロスプラットフォーム CD-ROM が付 属するからだ。Power Macintosh を Windows ラップトップに繋ぐために PCI カードを一枚買ったとしても、PC MACLAN や Timbuktu Pro のデモ版 を手に入れそこなうことはないのだ。
Ethernet ほど安価ではないものの、HomeLINE Starter Kit は 2 台のコン ピュータを接続するにはさほど高価ではない。HomeLINE PCI カードが 2 枚、電話ケーブルが 2 本、クロスプラットフォームの NetPack CD-ROM、 それにユーザーガイドと QuickStart ガイドが推定小売価格 139 ドルで入 手できる。HomeLINE Single Pack は PCI カードが一枚と電話ケーブルが一 本になる以外は全く同じで、79 ドル程度で販売されるはずだ。どちらの製 品も明日出荷される見通しで、オンラインでも販売されている。
<http://www.farallon.com/sales/store/homeline/>
私たちの見解 -- Mac ユーザーにとって最大の制約は、空き PCI スロッ トがなければならないということだ。PowerBook や iMac ユーザーはアウ トとなる。Intel が非 PCI ソリューションを提供しているということもあ り、Farallon はこの問題をはっきり認識している。Haase 氏によると、 Farallon は iMac 用 HomeLINE 製品の開発を進めており、今年半ばには登 場する予定になっているものの、すでに PCI 対応 Power Mac が多数出ま わっていることから今回発売となった製品の投入を遅らせることはしたく なかったそうだ。1 Mbps という HomeLINE のスピードは USB の遅い方の スピードである 1.5 Mbps の範囲内に収まるものの、Haase 氏は Mac OS の USB Manager には USB 機器がネットワークデバイスとして機能させる のに必要な条件が揃っていないと述べている。具体的にどんな製品になる かは明かしてもらえなかったが、外付 HomeLINE 製品が夏頃に PCI カード 製品と“同等”の価格で登場するそうだ。[iMac や最近の PowerBook にも 付いている RJ- 45 10Base-T Ethernet ポートを利用することになると考 えた方がおそらく正解に近いだろう。 -Adam]
HomeLINE は今のところ北米での使用しか認可されていない。電話の方式と 規制は世界各地でまちまちなので、HomeLINE が他国でも利用できるように なるかどうかは不明だ。
HomePNA は今日ベストのネットワークソリューションであるとは言えない が、最も便利なものの一つではある。技術屋のいる家庭でなければ、 Ethernet ケーブルを壁に入れる（あるいは多くの人がやっているように床 を這わせる）よりは電話会社にジャックを取り付けてもらうほうが簡単だ ろう。1 メガビット／秒というのは決してすごいスピードではないが、 HomePNA も立ち止まっているわけではない。Tut Systems はすでに Broadcom 社と共同開発した新チップを披露しており、通常の電話回線を 使って 10Base-T Ethernet と同じ 10 Mbps を実現している。これならビ デオのストリーミングにも耐えられる。この連合と競合しているのは InsideLine 技術を開発した Epigram 社だ。こちらはすでに電話回線で 10 Mbps を実現しており、1999 年末には 100 Mbps に達する予定だ。Home Phoneline Networking Alliance は現在このどちらの技術を HomePNA 2.0 に採用するか検討しているところだ。現行の HomePNA 1.0 規格との下位互 換性は至上命題となっている。
<http://www.news.com/News/Item/0,4,32151,00.html>
HomePNA 技術のライバルには、電線を利用したネットワーキングとワイア レスネットワーキングがある。多くの家庭には複数の電話ジャックがある が、どんな家でも電話ジャックの数よりもはるかに多くの電源コンセント があるし、ワイアレスならジャックそのものが必要ない。だが、今日すで にクロスプラットフォームであることと、Intelogis 社製 Windows 専用の Passport の 3 倍のスピードを持っており、かつより信頼性が高いという 点で HomePNA の方が優っている。ワイアレスネットワーキングはスピー ド、信頼性と使い易さという点で HomePNA と互角だが、価格ははるかに高 い。
HomeLINE の素晴らしいところは、完全な Macintosh 製品である一方、 Macintosh だけの製品ではないというところだ。PCI 対応のコンピュータ が 2 台あれば、カード 2 枚が入った Starter Kit さえあれば HomeLINE がすぐ利用できる。Mac 用のカードを買い、Windows 用に別のカードを買 い、ソフトウェアがなんとか通信するように骨を折るという必要がない。 Farallon ならではの診断ユーティリティも、プラグ & プレイがうまくい かなかった場合の支えになってくれる。
HomePNA 2.0 が登場した暁には、多くの家庭で Ethernet に挑戦できるよ うになるといういう点でさらにおもしろいことになるだろう。だが今のと ころは HomePNA 1.0 はほとんどどんな家庭用インターネット接続よりも高 速なので、低めのスピードもさほど問題ではない。HomeLINE を際立たせて いるのはソフトウェアバンドルだ。Mac を通じてインターネット接続を共 有するには、オンラインのみで 64 ドルで販売されている SurfDoubler の ようなものが必要だ。HomeLINE カード 1 枚は 79 ドルなので、 SurfDoubler を買って 15 ドル上積みすれば HomePNA とデモソフト、安価 なアップグレード、それに診断ツールが買えることになる。
コンピュータをネットワーク接続しようと考えたことがあって、かつマシ ンの隣に電話ジャックがある場合には、HomeLINE のおかげで HomePNA が 非常に魅力的な選択肢になるだろう。（それに一つの電話ジャックの側に 2 台のコンピュータがあるのなら、Radio Shack で安く買えるアダプタで HomeLINE 用のジャックを増やすことができる。）ケーブルを配線したり電 話ジャックを増設したくないという場合には引き続き Ethernet を使うと いうこともあるだろう。だが今日からは、手頃な価格でクロスプラット フォームな選択肢が、電話線を利用した Macintosh ネットワーキングを人 たちによって実現されたのだ。選択の自由は良いことだ。
[Matt Deatherage 氏は、真面目な Macintosh ユーザーのための週刊誌 MWJ とまもなく復活の Macintosh 日刊紙 MDJ の発行者である。MWJ には無料 のお試し購読がある。]
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