TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#484/07-Jun-99

おバカなファックスモデムソフトウェアや判じ物のファックスプリントに もううんざり? 期待集まるシステム、インターネットファックスについて Hudson Barton 氏がリポート。ファックスを電子メールや Web 経由で配信 するのだ。さらに今週は Farallon 社の HomeLINE の追加情報、blue & white Power Macintosh G3 の速度アップ、Macworld 社による MacCentral 社の買収、そして Mizer、DiskExpress Pro、AutoShare のアップデートに ついてお伝えする。ついに Trexar Technologies 社を TidBITS 新規スポ ンサーとしてお迎えする運びとなった。

目次:

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TidBITS 日本語版は TidBITS 日本語版翻訳チーム メン バーのボランティアによって翻訳・発行されています。


今回の TidBITS のスポンサーは:


MailBITS/07-Jun-99

(翻訳:小川 浄 <tao@peanet.ne.jp>)

Trexar Technologies 社 TidBITS スポンサーに -- シェアウェア MacTuner や WeatherTracker の製造元 Trexar Technologies 社を一番新 しいスポンサーとして心から歓迎する。Web ブラウザウィンドウに何でも 詰め込むという昨今の度し難いインターフェースの中で同社のアプローチ は一服の清涼剤である。同社は HTML というトリッキーで限られたプロセ ス中でインターフェースをやりくりする手法を用いずに、インターネット でアクセスできるデータへの真の Macintosh インターフェースを創造し た。

MacTuner をインターネットラジオ、インターネットテレビ局のチューナー と考えてみよう。MacTuner は頻繁にアップデートされるライブや録画のマ ルチメディア・コンテンツのデータベースを検索する、いくつかの手段を 提供する。ひとたび局をみつけてそれをクリックすればそれは RealNetworks 社の RealPlayer へと引き渡される。オーストラリアン・ ロックンロール、アイルランドのトーク・ラジオ、ニューヨーク州ロチェ スターで演奏されるクラシック音楽を聞きたいって? MacTuner はまさにイ ンターネット・ラジオの世界に秩序をもたらす。同じことを気象情報にも たらそうと目論んでいるのが WeatherTracker だ。お天気サーバに定期的 にアクセスし 1,500 以上の北アメリカの都市およびたくさんの世界中の都 市の最新気象状況と地域予報をダウンロードする。表示サイズの変更によ り WeatherTracker を常時走らせておいて一日を通して気象の変化を観察 することが簡単にできる。読者のオフィスには窓がないかもしれないが WeatherTracker 一つで外で何が起きているか分るのだ。

同社は Macintosh のデスクトップにインターネット上のデータをもたらす もっと革新的な手法のプランも練っている。Mac ユーザーがブラウザウィ ンドウ帝国から解放される一助となるよう、心から祈っている。[ACE]

<http://www.macalive.com/>

HouseCall、PowerPC に限る -- TidBITS-483 で Netopia 社の新しいリ モートコントロール製品 HouseCall についてリポートした際、同社からの 情報をもとに 68040 プロセッサで稼動するとした。実際には HouseCall は Mac OS 8.1 以降を搭載した PowerPC ベースのマシンのみをサポートし ている。同社は製品説明を改訂した。TidBITS が引き起こした混乱につい てお詫びします。[GD]

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05410>
<http://www.netopia.com/software/tb2/mac/housecall/>

DiskExpress Pro 3.0.2、8.6 をサポート HFS Plus は見送り -- Alsoft 社は、同社ディスク最適化ユーティリティーの無料アップデート、 DiskExpress Pro 3.0.2 をリリースした。3.0.2 は懸案だった現行バージョ ン Mac OS への対応を果たした。しかし HFS Plus フォーマット・ボリュー ムへの対応は見送られた。HFS Plus ボリュームのディスクの最適化機能が 必要なユーザーには 30 ドルの同社 PlusOptimizer がある。この話題を最 初に TidBITS で取り上げてからほぼ一年が経過しているが( TidBITS-436 「PlusOptimizer のジャンプ、DiskExpress Pro アップグレードの約束」 を参照)同社は引き続き DiskExpress 次期バージョンで HFS Plus への対 応を約束している。DiskExpress Pro には 68020 以降の Mac と System 7.0 以降、1 MB の RAM が必須。DiskExpress バージョン 3.0 以前の登録 ユーザーは 30 ドルでアップグレードできる。DiskExpress Pro 3.0.2 の まっさらのコピーは 90 ドルである。無料アップデートは 1.1 MB のダウ ンロード。[ACE]

<http://www.alsoft.com/DiskExpress/>
<http://www.alsoft.com/PlusOptimizer/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04957>

AutoShare 4.0 リリース -- バージョン 1.0 のリリースから 4 年が経 過し、Mikael Hansen 氏はメーリングリストマネージャ兼電子メール自動 応答フリーウェア AutoShare バージョン 4.0 をリリースした。AutoShare 4.0 の新機能は Sophisticated Circuits 社の Rebound クラッシュ復帰装 置をサポートし、新規の AppleScript コマンドをいくつかサポート、そし て一番重要なのは CGI プログラムとして作動し Web ベースの購読者管理 を可能にする機能である。AutoShare 4.0 には Eudora Internet Mail Server もしくは Stalker Internet Mail Server 1.2.1 以降が必要。3 MB のダウンロードである。[ACE]

<http://www.dnai.com/~meh/autoshare/>
<http://www.sophisticated.com/products/rebound/rebound.html>

Blue & White G3、450 MHz へ速度アップ -- Apple 社は blue and white Power Macintosh G3 をマイナーチェンジした。プロセッサ速度 350 〜 450 MHz となり Mac OS 8.6 が採用された。同社は 450 MHz G3 は従前ライン のトップだった 400 MHz モデルより 23 % 処理能力が向上したとしてい る。同社は新しい blue and white G3 サーバシステムも 2 種導入した。 ポイントは 9 GB Ultra-2 SCSI ドライブを 1 台から 3 台内蔵できる 点と、Mac OS X Server あるいは AppleShare IP 6.2 と Mac OS 8.6 の組 み合わせ。新システムは同社オンラインストアで即日入手可能。[GD]

<http://www.apple.com/powermac/>
<http://www.apple.com/store/>

Mac Publishing、MacCentral 買収 -- オンライン版と印刷版の Macworld およびオンラインの MacWEEK.com を発行している Mac Publishing 社はノ バスコシア州を本拠とする Macintosh ニュース・情報サービスの MacCentral 社を買収したと発表した。買収合意の条件は明らかになってい ない。Mac Publishing 社が MacCentral 社から得ようとしているのが何か は不明だが、MacWEEK.com から毎日入手できるどちらかというと量の少な い情報を、MacCentral 社の一日分のコンテンツを利用して補強したいと Mac Publishing 社が考えていても不思議はない。[GD]

<http://www.macworld.com/>
<http://www.macweek.com/>
<http://macweek.zdnet.com/1999/05/30/maccentral.html>
<http://www.maccentral.com/>

Mizer なお賢く -- Antimony Software 社は太り過ぎの HTML ファイル をキリリと絞りあげる drag & drop ユーティリティのアップデート Mizer 1.5.3 をリリースした( TidBITS-453 「圧縮信仰を盛り上げる HTML 凝 縮ツール」を参照)。Mizer は HTML コメント、ラインブレーク、その他 Web ブラウザが無視するキャラクタを排除することで圧縮を行う。バージョ ン 1.5 では、ファイル処理中により多くの情報を表示、文法解析エンジン の改善(利口にも JavaScript コードを切り取る)、HTML ファイルに加え JPEG 画像の最適化機能など、数カ所の変更がなされている。Appearance Manager と Navigation Service も新規にサポートされた。その結果 System 7.5.5 以降と Appearance Manager を載せた PowerPC ベースのシ ステムが必須である。登録ユーザーにはアップデート無料(一番新しいバー ジョンにたどり着くには有料アップデートを数回行う必要あり)。一方 Mizer をオンラインで買い求めるなら 70 ドルである。[JLC]

<http://www.antimonysoftware.com/mizer.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05154>


HomeLINE 続編

by Matt Deatherage <mattd@gcsf.com>
(翻訳:亀岡 孝仁 <tkameoka@fujikura.co.jp>)

その後の進展及び Farallon 社からの多少混乱した情報のせいもあって、 同社の新製品である HomePNA ネットワーク用の HomeLINE 製品についての 見直しをしたい。( TidBITS-482 の“PhoneNet の精神を継ぐ Farallon 社の HomeLINE”を参照)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05404>

SurfDoubler に関する訂正 -- Farallon 社の Ken Haase 氏の語るとこ ろによれば、バンドルされている Vicomsoft SurfDoubler はインターネッ トに接続する 2 つのコンピュータが全く同じタイミングでアクセスしよう としない限り、同じネット上の 2 つ以上のコンピュータを同時に扱えると いう。その後の情報によれば、SurfDoubler は両方のコンピュータにタイ ムアウト時間を設定できる。ローカルネットワーク上のコンピュータが SurfDoubler を利用して一旦インターネットにアクセスした時、2 つのス ロットのうち一つはインターネットトラフィックが途絶えた状態がタイム アウト値に至るまでそのマシンに独占的に占有される。また、前回のレポー トのインターネットを利用する 2 台のうちの 1 台は SurfDoubler がイン ストールされていないマシンでもよいというのとは違って;LAN 上のどの 2 つのコンピュータでもインターネットに同時にアクセスするのに SurfDoubler を使うことができる。詳細については、TidBITS Talk の David Chapin-Loebell 氏のノートを参照されたい。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkmsg=3561>

USB 経由の HomePNA -- Haase 氏は会話の中で Farallon 社の今後の製 品の詳細を予見するものではないとしながらも、USB 経由で HomePNA を実 現するのは難しいであろう、その理由は Mac OS が必要とされるトラフィッ クに対する十分な USB サポートを有していないからだと明言した。しかし ながら、その会話の翌週 BeadleNet とDiamond Multimedia の両社が USB HomePNA 製品を発表し、真偽のほどはわからないが出荷時までには Mac コ ンパチにすると言っている。そして第 3 の会社、Silicom 社が USB と PC Card バージョンの HomePNA 製品で同じ土俵に名乗りをあげてきた、もっ とも同社は Macintosh コンパチ性については何も言っていない。

<http://www.beadlenet.com/home2000.htm>
<http://www.diamondmm.com/>
<http://www.businesswire.com/webbox/bw.052699/191460101.htm>
<http://www.businesswire.com/webbox/bw.053199/191510006.htm>
<http://www.silicom.co.il/>

他の標準 -- HomePNA はこれからの家庭電話線型の標準になるかもしれ ないしならないかもしれないことを指摘しておきたい - Avio Digital 社 は Cadence Design Systems 社との提携を発表した。これは同社の MediaWire の技術を使って第一世代の製品では 100 Mbps を可能とするチッ プを作ろうというものである。MediaWire は“一本の電話回線で 24-bit のオーディオ回線が 16 本、MPEG-2 (6 Mbps) のビデオ回線が 4 本、電話 あるいは ISDN 回線が 8 本、それにシリアル制御または TCP/IP データ用 の 6 Mbps 以上の帯域を同時に送れる”としている。MediaWire は、もし 予定通り今年の最終四半期に出荷されれば、計画途上の HomePNA 2.0 より も 10 倍早くそして今日の HomePNA 製品よりも 100 倍も早いことになる。 明らかに、この古色蒼然たる電話回線にはまだまだ絞り出す余地が沢山あ るようである。

<http://www.aviodigital.com/>

最後に、Enikia という名前の会社が家庭の電源線の上に 10 Mbps のネッ トワークを構築できる標準 Ethernet カードを用いるチップセットを発表 した。Enikia 社のチップセットは今年遅くにリリースの計画であり、従っ て来年初には他の会社の製品に組込まれて登場するかもしれない。値段は 推測の域を出ないが、Enikia 社では組込んだ製品は現行の HomePNA 製品 よりは割高で、将来の HomePNA 2.0 とは同等だが、無線ネットワーク製品 よりは安いと見込んでいる。Enikia 社はコンセプトデモでは実力を証明し て見せたが、同社のチップセットを使った商品が現実の環境でどの程度働 くのかを見るには時を待たねばならない。

<http://www.enikia.com/>


インターネットファックスの実態

by Hudson Barton <hbarton@highwinds.com>
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)
(  :尾高 修一 <shu@pobox.com>)

Jeff Hecht 氏が TidBITS-476 に書いた記事「FAXstf Pro ファックスソ フトウェアの悲しい状況をこだまする」では主にファックスモデムで利用 するファックスソフトについて取りあげられていた。私は電話網を利用し たファックス転送ではなくインターネットを用いる方法について検証して みた。もしかしたらこちらの方が優れているかもしれない。インターネッ トを介するファックスの料金は無料のものや月々の費用が少々かかるもの があるが、全体的な費用は安くあがり頭痛が減るだけではなく非常に便利 である。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05350>

頼もしいインターネットファックス -- たとえば、ラップトップを持っ てアメリカから何千マイルも離れたヨーロッパにやって来ているとしよう。 ホテルのファックスマシンを使うための順番待ちでげんなりしているビジ ネスマンの列を横目に自分の部屋に行く。そこで自分のメールアカウント をチェックすると自宅や職場のファックスマシンに送られたファックスが メッセージとして届いている。送り主はあなたのいつものファックス番号 宛に送ればそれですむ。その番号にファックスされたものはあなたの利用 しているファックスサービス会社に送られ、そこからメール経由であなた の元に届けられる。

専用のファックスビューワーや GraphicConverter のような普通のグラ フィックプログラムがあれば、ファックスファイル(複数枚でも)を開く ことができる。それを拡大したり、回転させたり、印刷したり、グラフィッ ク編集ツールで書き込みをしたりもできる。さらには、そのファックスを 転送することもできるし、場合によっては OCR プログラムにその画像を食 べさせてグラフィックから編集可能なテキストへと変換することもできる。

<http://www.lemkesoft.de/us_gcabout.html>

そうなると、テキストだけになったメッセージを関係各所に送る際には、 メールとしてでもファックスとしてでも思いのままだ。新しいメールメッ セージを作り、相手がファックスである場合は送付先のところを少しいじっ て(相手のファックス番号に続けて利用しているファックスサービス会社 のドメインを入れて、<1-800-555-1234@example.com> のようにする)他の メールアドレスと一緒に送付先ヘッダ部に並べておけばよい。余計な作業 をすることもなく、ファックス宛にもメールの人と同じ情報を送付できる。

メッセージ送付後すぐに、ファックスがちゃんと送付されたことを知らせ るメールが送られてくる。ファックスがうまく送付できなかった時はその 理由(通話中だったとか、機械ではなく人間が応答するなど)を知らせて くれる。

料金に関しては、ファックス先が米国内であれば一律料金(一ページあた り 10 セント)である。相手が米国外であっても、通信の一部にインター ネットが使われているので通話料が相当節約できる。

その一方でオフィスにいる同僚もその同じファックスアカウントを同時に 利用することができる。ある同僚は顧客からのファックスを読んでいる最 中かもしれない。オフィスから遠く離れた顧客が数多くいる町のファック ス番号をリースしてもらうことができる(その地域宛のファックス費用を 押さえることができる)。職場に共有ファックス番号宛のファックスをし かるべきところに届くようにその現在のアドレスを指定するファックス管 理担当者がいる場合には、そのしかるべき人に直接メッセージをメールで 転送してくれるだろう。

別の同僚は顧客の一部にお知らせを送付しようとしているところかもしれ ない。もちろんそのメールメッセージの BCC ヘッダにはファックス番号と メールアドレスが混在している。さらには自分のサインをスキャンしたも のを利用できるようにしてあるワープロのファックスツールでファックス メッセージを作成中の者もいるだろう。本文はテキストとグラフィックが 混ざっていて、それをファックスドライバーに「印刷」し、ドキュメント をグラフィックファイルに変換する。こうしておけば、メールアカウント には添付書類として、ファックス宛にはそのまま送られる。プリントドラ イバーは住所録を内蔵しており、ユーザーのメールクライアントごとにま とめられている。だからファックス送付はどんなデスクトッププログラム からでもお茶の子さいさいである。

インターネットファックスは今日有効であるし、日々向上している。ファッ クスサービス会社と(ファックスを読む、編集する、送るための)ファッ クスソフトの選択を慎重に行えば、きっと良い結果を得ることができるだ ろう。ファックス兼用モデムでの苦い経験を持つものにとってはなおさら だ。

インターネットファックスの実状 -- インターネットファックスには ファックスモデムやファックスソフトはおろか、LAN でインターネットに つなぐことができれば電話線だって必要ない。要望や予算に合わせて上記 で取りあげたもののすべてまたは一部を享受することができる。確かなイ ンターネットファックス用システムを立ち上げるためには、ファックスを 処理してくれるプロバイダーの選択、作業にもっとも適したソフトの決定、 インターネットファックスの実状把握が重要である。

このファックスの受信に際しては、ファックス番号と最適なインターフェー スの 2 つはまず決めなければならない。送信者の遠距離通話量を軽減する ために、特定の局番なり国番のファックス番号をアサインできるファック スサービスを利用したいと思うかもしれない。地元の局番だけでなく、顧 客のいる町の局番や通話料無料の番号で利用することも可能だ。

どこのファックスサービスも本社のある局番のついた番号を用意してくれ る。Jfax や eFax のような無料のところもあるが、この場合は eFax のロ ゴや広告付きのカバーシートを容認しなければならない。月々 5 〜 10 ド ルのファックス番号料を取るところもあるが番号の選択はできない。

<http://www.jfax.com/>
<http://www.efax.com/>

Jfax や Interpage のようにファックス番号の局番を指定できるところも ある。この指定は思いのままとはいかないが、米国内の主要都市や全国の 局で一つの番号を押さえることもできる。このタイプの制限付き指定を行 いファックス受信サービスを利用すると費用は、月々 12.50 ドル(Jfax) 〜 16.95 ドル(Interpage)になる。

<http://www.interpage.net/>

通話料無料のファックス受信に関しては、eFax が一番お得だろう。先ごろ 年会費として 29.95 ドルおよび一ページあたり 10 セントで通話料無料の 番号が利用できるようになったとの発表があった。利用量が膨大でないの ならば悪い話ではない。

サービスの質と信頼性を必ず確認するように。Jfax を何ヶ月も使っている が、不達ファックスや不適切な添付ファイルにまだ一度もぶつかっていな い。eFax は新参のサービスで経験とともに向上していくかもしれないが、 メールに添付されて届いたファックスをデコードできないということが何 度かあった。

メールに添付される形でファックスを受け取りたいという方は、それに対 応できるメールアカウントを持っていなければならない。25 枚分のファッ クスは(グラフィックの密度によっても変わってくるが)1 MB になること もある。大量のファックスを受け取ることがある方は、自分のメールアカ ウントの上限量に引っ掛かったりしないかどうかを確認するように。特に 頻繁にメールをチェックしないという方は要注意である。

一般的に言って、メールでファックスを受け取る場合 TIFF-F の添付書類 になっているのが一番だ。しかし、Web ブラウザから受信ファックスにア クセスするもメリットがある。たとえば、他の人のマシンからファックス をチェックして、読んだり削除したり、他のファックス機(自分の Jfax や eFax の無料アカウントということもあり得る)に転送したりできる。 Web インターフェースのファックスサービスを行っている大手は Interpage や HT-NET で、希望の形式でローカルにファックスを保存することもでき るのが売りである。Interpage はファックスを(多くのメールクライアン トがインラインで表示することのできる)GIF 形式でメールに添付して転 送してくれる。ただし、GIF ファイルは複数ページに対応できないので、 25 枚のファックスは 25 通のメールになってしまう。

<http://www.htnet.net/>

受信ファックスを読む -- 電子メール方式のサービスは通常 TIFF-F フォーマットを使用する。これは複数ページを扱うことができるのでファッ クスには最適だ。残念なことに Photoshop、GIFConverter、JPEGView と いった一般的な Mac グラフィックソフトはまだ TIFF-F をサポートしてい ない。TIFF-F 画像をインライン表示することのできる Mac 電子メールソ フトもない。一般的な Mac プログラムの中では Microsoft Word 98 が最 も有望で、1 ページだけのファックスに限り TIFF-F に対応している。 QuickTime の TIFF-F 対応が進展すれば、画像表示に QuickTime を利用し ているアプリケーション(たとえば SimpleText)がファックスビューワと して適したものになるかもしれない。現行の QuickTime 4 プレビューの TIFF-F サポートには制約がある。

<http://www.microsoft.com/macoffice/>

今のところ Mac ユーザーには TIFF-F を表示する方法が 3 通りある。Jfax からTIFF-F ファックスビューワを入手することができる(Jfax サービス を利用していればだが)。Jfax のファックスファイル(.jfx という拡張 子が付いている)との相性がベストだが、eFax のファックスファイルなど どんな TIFF-F ファイルでも開くことができる。15 ドルのシェアウェア、 GraphicConverter は拡張子を問わずどんな TIFF-F ファイルでも開くこと ができる。最後に、Blue Globe Software 社からリリースされたばかりの 15 ドルのシェアウェア、TIFF-Sight がある。

<http://www.blueglobe.com/~cliffmcc/homepage.html>

Jfax ビューワは明らかに Windows から移植されたとわかるものだが、ま ずまず使えるものになっている。複数ページのファックスを開くことがで き、拡大・縮小、回転、それに印刷ができる。だが、Jfax ビューワは受け 取ったファックスに書き込みをして再送信するためのツールを備えていな い。既存の Jfax 文書からファックスを新規作成する場合には、ファック スの一部をインライン TIFF 画像をサポートしたアプリケーション(たと えば Word やグラフィックソフト)にコピー & ペーストし、書き込みを加 え、Jfax プリンタドライバに送る。作業はエレガントではないが簡単だ。

GraphicConverter の主な利点は、直接ファックスに書き込みができるとい う点にある。忍耐のいる作業ではあるが、GraphicConverter のドローツー ルを使って紙のファックスに書き込むのと同じように画面上でファックス に書き込むことができる。ただ、GraphicConverter でファックスのページ を 90 度回転させるとページの端が切れたり歪んだりしてしまう。

TIFF-Sight には書き込みをしたり他のプログラムにコピー & ペーストす るという機能がない。画面表示のクオリティもややシャープさを欠いてい る。これは TIFF-Sight がファックスを読みやすくしようとしてアンチエ イリアスをかけることによるかもしれない。

Interpage や HT-NET のように受け取ったファックスを Web ブラウザで扱 う場合には、1 ページ単位しか表示ができないうえ、拡大・縮小、回転な どといった便利な機能とは無縁になる。Web ベースのファックスに書き込 みをする場合には、まずファックスをダウンロードし、別のプログラムで 開いて編集し、それからアップロードするということになる。電子メール で届いたファックスの方が扱いは楽だ。

特に Jfax サービスを利用してファックスを受信している場合には、Jfax ビューワがベストな選択肢だ。Jfax を利用していない場合や、Jfax ビュー ワが入手できない場合には、GraphicConverter か TIFF-Sight を試してみ るべきだろう。あるいは Apple がQuickTime をTIFF-F 対応にするのを待 つという方法もある。

ファックス送信サービスを選ぶ -- インターネット経由でファックスを 送る標準的な方法は、電子メールの送信先アドレスに受信側のファックス 番号とファックスサービス業者のドメインを記入するというもので、たと えば <5551234@example.com> という感じになる。この方式を採用している サービスは多く、Jfax、Faxaway、Interpage、NetMoves、TPC.INT、それに 若干異なるシンタックスを用いる HT-NET がある。

<http://www.faxaway.com/>
<http://www.netmoves.com/>
<http://www-usa.tpc.int/tpc_home.html>

eFax はファックス送信はサポートしていない。同様に、Faxaway と TPC.INT は受信をサポートしていない。NetMoves は双方向が可能だが、 Macintosh をサポートしていない。受信と送信のサービスを組み合わせて 利用することも可能だが、料金的に特にそうする理由がない限り(たとえ ばある業者はニューヨーク市内なら無料でファックス送信ができる)あま り意味はない。

Mac ユーザーにとって最も便利なツールは Jfax のファックスドライバだ。 これを使えばどんなアプリケーションからでもファックスを送ることがで きる。Faxaway と NetMoves も同様のドライバを開発中のようだが、 Macintosh 版がそう近く登場するようには見えない。

送信サービスの選択にあたっては料金体系を注意深く検討しよう。海外向 けの利用がメインの場合、インターネットファックスはコスト的に得だが、 市内向けの場合普通のファックスマシンやファックスモデムの方が電話代 がかからない分安く上がる。たとえば、こうしたインターネットサービス を利用して送信した米国内向のファックスは 1 ページあたり最低 5 セン トというのが一般的だ(1 分あたり 10 セント、1 ページ送信に 30 秒と した場合)。デジタル革命によってあらゆる通信のコストが距離と無関係 になってきてはいるので、海外向けファックスも国内向同様に、だんだん 節約効果が薄れてくることになるだろう。

セキュリティ -- インターネットファックスはセキュリティ上大いに不 安がある。メールが暗号化や認証によってよりセキュアになるのと同様、 インターネットファックスも通常の電話回線を利用したファックスよりも 機密度を高めることが可能だ。だが、メールと同様に、インターネット ファックスを悪用することも簡単なので、こうしたサービスを安全に利用 するにはインターネットファックスがどのようなしくみなのかをはっきり と理解しておく必要がある。

メールを使用したファックスサービスでは、“From”ヘッダをあなたのも のと偽ることができる人は(要するにほとんど誰でも)あなたからのファッ クスだと見せかけることができ、料金もあなたに請求が来る。このため、 メール経由のインターネットファックスは甚大なリスクを伴いかねない。 一方、メールアドレスの本当の主はファックスが送信された後確認のメッ セージを受け取るので、間違いがあったら是正する機会は与えられること になる。

Windows オンリーのファックスサービス、NetMoves はセキュリティ対策と して暗号化ツールを利用する。NetMoves はファックスファイルに要するに 電子署名を加えるのだ。ところが、NetMoves は Macintosh をサポートし ないものと決めたようだ。Faxaway は PGP サポートを開発中だとしてお り、実現すれば役に立つが Macintosh がサポートされるかどうかは不明 だ。HT-NET や Interpage といった Web ベースのサービスは SSL(Secure Socket Layer)接続とパスワード保護が可能だが、SSL 接続は遅いことが ままある。

より良いインターフェースのファックスサービスへ -- インターネット ファックスサービスにはまだまだ改善の余地がある。以下は今後期待でき る機能、それに私が待ち望んでいる機能の一覧だ。

インターネットファックスの恩恵 -- 真の効率は数々の異なるコミュニ ケーション形態を共通のインターフェースに統合することで実現される。 ファックスとメールの統合はその一例だ。多くのインターネットファック スサービスはこの統合へ向けた一歩を踏み出しており、音声のメッセージ をメールの添付書類として配達してくれる。コンピュータにメールを電話 で読み上げてもらうということも可能だ。

だが今のところ、私は Jfax を使ったファックスとメールの組み合わせに 落ち着いている。Jfax はインターネットファックスにおいて Macintosh サポートという面で大きくリードしているからだ。だが、インターネット ファックスの現実は改良が続けられており、別な企業がインターネット ファックスの分野での Macintosh サポートの範を示す余地も残されてい る。

[Hudson Barton 氏は特に Macintosh との関連でセキュリティと電子メー ル関係のソフトウェア開発、コンサルタント、それにインターネットサー ビスを専門にした Highwinds Trading Company の社長だ。]

<http://www.highwinds.com/>


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