TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#498/20-Sep-99

クラッシュを防ぎ、生産性を上げ、Mac の寿命を延ばす安上がりの方法を お探し?Adam が 高価な機器を保護する無停電電源(UPS)を使う多くの利 点を検証する。また、今週号では、我々の任意寄付プログラムを発表し、 Web Confidential、Keep It Up、MacHeadlines のアップデートを眺め、 EvangeList を再び歓迎し、新しい Palm ベースのハンドヘルド機、 Handspring 社の Visor の発表をお知らせする。

目次:

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今回の TidBITS のスポンサーは:


MailBITS/20-Sep-99

(翻訳:西村 尚 <hisashin@hotsync.co.jp>)

EvangeList 復活 -- Web ベースの Macintosh 雑誌とポータルサイトの SemperMac の社員が、1999 年 4 月以来休刊していた Guy Kawasaki 氏の 人気の EvangeList を復活させた。EvangeList は継続していれば勇ましい リストであり、Mac についてのよいニュース、Mac 賛成派の議論を助ける リクエスト、Macintosh 優位の求職、そして(最も議論がましいことに) Apple または Mac について不適当な情報を書いた主流派の報道ジャーナリ ストを“教育する”ための召喚で知られていた。Guy はもう EvangeList に関係していないが、代わりにこれまでの成果を garage.com に集め、 SemperMac の社員に EvangeList の名前を使う許可を与えた。元の EvangeList を購読していた場合も、新しい EvangeList ページで再度購読 申し込みをしなければならないだろう。 [ACE]

<http://lists.apple.com/lists.taf?function=showlistsdetail&Layout_0_uid1=53>
<http://www.garage.com/>
<http://www.sempermac.com/lists/evangelist/>

Visor が Palm ハンドヘルド機の面影のある機器を発表 -- Handspring 社は先週 Visor を発表した。Visor は、Palm オペレーティングシステム をベースとしたハンドヘルド機で、現行の Palm 機より速く動作し、より 多くの情報を格納し、より拡張性に富むという。また、Visor には Macintosh のソフトウェアと USB ベースの接続ケーブルが付属する。一 方、Palm Computing 社の現在の製品では、Mac シリアルまたは USB 接続 用のケーブルアダプタの購入と別売の Mac Palm Desktop ソフトウェアの 購入(またはダウンロード)が必要だ。( TidBITS-469 の“Palm Desktop、馴染みの Organizer 復活を記す”を参照。)10 月の出荷時に、 Visor は 150 ドルから 250 ドルまでの価格範囲に 3 つの構成で発売さ れ、2 MB と 8 MB の間の RAM を提供する。Visor Deluxe モデルは 5 色 が購入でき、もちろん半透明のオプションもある。Visor は Palm OS を ベースとする。これは現存の Palm アプリケーションとソフトウェア的に 互換性があることを意味するが、また、アップデートされた Date Book (Pimlico Software 社の優秀な DateBk3 のライセンスを受けて変更した バージョン)と Calculator アプリケーション、さらに新しい World Clock ユーティリティも備えている。Visor と Palm Computing のオーガナイザ 製品群との最大の差は、製品裏にある Springboard スロットである。ここ に、拡張メモリやモデム、バックアップ装置、ソフトウェアアプリケーショ ン、そして携帯電話モジュールや MP3 音楽プレーヤーのような将来の可能 性といった、アドオン用の拡張モジュールさせる。 [JLC]

<http://www.handspring.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05300>
<http://www.gorilla-haven.org/pimlico/datebk3.htm>

Web Confidential 1.3 が Keychain のサポートを追加 -- Alco Blom 社 は Web Confidential 1.3 を静かにリリースした。パスワード、クレジッ トカード番号などの注意を要するデータを安全に格納するための同社の 20 ドルのシェアウェアユーティリティの最新版である( TidBITS-441 の “Web Confidential:あらゆる秘密に安全を”を参照)。Web Confidential 1.3 は、次期 Mac OS 9 の Keychain のためのサポートを加え、旧バージョ ンよりさらに強力な暗号化アルゴリズムを特色としている。また、 Preferences ウインドウ内のバルーンヘルプ、iCab に対するサポート、 Revert Card コマンドも新しい。バージョン 1.3 は、登録ユーザーには無 料であり、643K のダウンロード容量である。 [ACE]

<http://www.web-confidential.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05020>
<http://www.icab.de/>

MacHeadlines 1.8 が Pro と Lite に分離 -- Trexar Technologies 社 は Web サイトのタイトルをスクロール表示するカスタマイズ可能なティッ カである MacHeadlines ( TidBITS-493 の“Trexar 社、MacHeadlines 1.7 をリリース”を参照)を 2 つのバージョンに分離した。MacHeadlines Pro 1.8 は 20 ドルのシェアウェアで、フローティングのティッカウイン ドウの見た目を改良し、大量の株価記号の取り扱いを強化している。 MacHeadlines Lite 1.8 は、無料であり、MacHeadlines Pro のサイト設定 とティッカ表示機能のみを欠いている。両プログラムは 430K のダウンロー ド容量である。 [ACE]

<http://www.macalive.com/macheadlines/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05507>

Keep It Up 2.3 が再起動を改良 -- Karl Pottie 氏は Keep It Up 2.3 をリリースした。彼の有益なサーバ監視、遠隔管理ユーティリティ ( TidBITS-451 の“Keep It Up 2.0.1 が遠隔管理機能を追加”を参照) への無料のアップデートである。Keep It Up 2.3 の新機能は、“Clean Restart”と“Forced Restart”オプションを提供する Mac を再起動する ための非常に改良された方法である。また、Keep It Up 2.3 は、次期 Mac OS 9 と互換性があり、Mac OS 9 の複数ユーザー機能との互換性のために 初期設定フォルダ内にログファイルを格納するようになった。Keep It Up は 22 ドルのシェアウェアのままに据え置かれ、286K のダウンロード容量 である。 [ACE]

<http://www.vl-brabant.be/mac/kiu.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05139>


TidBITS の後援が可能に

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)

時は 1992 年 7 月、Web が台頭する前のこと、我々は TidBITS のスポン サーシッププログラムを設定した。それは明らかに PBS(公共放送網)の やり方を踏襲したものだった。その後インターネットでは我々と違い広告 収入を主軸とするところが大多数になり、今では広告バーナーが 10 以上 あるような Web ページもざらである。我々は創刊通算 500 号を目前に控 え、PBS 方式から一歩足を進めて個人や小さな組織も TidBITS を財政的に 支援できるようにした。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=02995>

私は、TidBITS を有料にするのは小額課金方式が実現できるようになった 時だけだと言い続けている。そうでなければ TidBITS は無料であるべきだ と考える。それにより注目を惹いて購読者数を売りにしようともくろんで いるのではなく、TidBITS が Macintosh やインターネットに関する情報が あまりなかったような時代に生まれたという背景がその所以である。当時 その手の情報のほとんどは商用出版物にしかなく、質の高いニュース、レ ビュー、解析が無料で入手できる必要性を感じたのだ。

ポワロ探偵のミステリー番組の最中それもポワロ氏が殺人犯を暴こうとし ているという緊張した場面で、まじめなアナウンサーがあなたの支援の大 切さを耳打ちするような最近の PBS のやり方を思い起こして、狼狽してい る方がいるかもしれない。普段の読んでいただく中に援助のお願いを混ぜ て煩わしい思いをさせようというつもりはないのでご安心いただきたい。 使用を続けるならば支払わなければ ならない といったシェアウェア的 な手段を講じるつもりもない。TidBITS は無料であり今後も無料であり続 けるので、寄付をしたくないからと言って後ろめたさを感じる必要は全く ない。これを慈善購読方式と受け止めていただいてもよいだろう。

TidBITS Talk のメンバーからこの慈善購読方式を採用するようにとの暖か く強い言葉をいただき、援助を受けるインフラを準備しなければならない という気持になったのだ。一部の人から TidBITS に金銭的な援助を行いた いという声が上がった時、後援者に対して見返りとなる何かを上げること ができるかどうか判らないと答えたところ、独り合点していると諭された。 つまり、彼らは新しい何かを望んでいるのではなく、TidBITS が長年して きたことに対して、そして今後も毎週続けることができるようにお金を出 したいと言ってくれたのだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=664>

私は鈍い時もあるが、ちゃんと理解できこともある。それから TidBITS に 対する評価を TidBITS が今後もちゃんとやっていくことができるようにと の援助という形で表現したいという方のために Kagi と調整を行った。そ して今それが現実となった。TidBITS Contributors ページを訪れてこの成 果をご覧になっていただきたい。

<http://www.tidbits.com/about/support/contributors.html>

細部の決定 -- この寄付プログラムをどんなものにするかについてはか なり悩み、数人の方から貴重な意見をいただいた。その一部を以下に紹介 する。

<http://www.tidbits.com/about/badges.html>

TidBITS への寄付に関する質問やコメントをお持ちの方は、今までこの件 を話し合った場、TidBITS Talk 宛にお寄せいただきたい。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=781>

謝辞 -- この寄付プログラムの今後の展開が楽しみである。しかし、こ の寄付で Web サーバにメモリを追加できるとか、島を買うことができるよ うになるかとかが問題なのではない。結果はどうあれ、TidBITS を読んで いただき、また励ましの言葉を贈ってくださっただけですでにありがたい と思っている。この寄付プログラムは TidBITS の読者が目に見える形で支 持を表明し、それにより、皆さんが期待する形(そしてレベル)に TidBITS を作り続けるのに役立つだろう。


邪魔しないで!いざという時の UPS

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)
(  :尾高 修一 <shu@pobox.com>)

我々はハードディスクをいじったり、クラッシュしにくくしてくれたり、 生産性を向上させてくれるユーティリティに何百ドルもつぎ込んでいる。 では、生産性を向上させ、クラッシュやハードディスクの破損を阻止し、 しいては Macintosh や周辺機器の寿命も延ばしてくれるような製品を 100 〜 300 ドルで買うことができると聞いたら、どうお思いになるだろうか。 さらに、その製品がすべての Macintosh およびすべてのバージョンの Mac OS に(そして万が一あるかもしれない PC にもということはさておき)対 応できるという代物だと聞いたら、何と答えるであろうか。

こういった製品は実在する。地味ではあるが、上記に述べたことすべてを やってくれる。そう、UPS で名の通っている無停電電源装置の話をしてい るのだ(トレードマークの茶色のトラックで走り回っているやつらと混同 しないでいただきたい)。

UPS があると風が吹くたびに電気がちらつくような強風の時でも安全に作 業を続けることができ生産性が増す。私にも UPS を持っていないために高 価なマシンに電源を入れる勇気がなかった時があった。生産性を上げたい と思っていると、このようなときに過ぎてしまう時間ですぐにもとがとれ るのが判るだろう。とりわけ締め切りが近い時に嵐になったりするものだ。

クラッシュやハードディスクの破損から守るという点に関しては、大きな サグやサージを排除してコンピュータの電源部が対応できる範囲に電圧を 保つことで(全くの停電になった時でさえ)、マシンをスムーズに動かし 続けることができる。私が初めて UPS を購入したのは 1992 年、酔ったド ライバーの車が電柱に衝突したために電力の供給に異変が起きて 105 MB のメインのハードディスクがだめになった後のことだった。幸いバックアッ プはちゃんととってあったものの、ハードディスクを新しくしなければな らなかった。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=02994>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1041>

電源部で対応できる範囲内のサグやサージでもマシンの部品に悪い。我々 は今でも古い Mac を使っている話をよくするが、これらのマシンを UPS で守ってあげていることが今でも動いている理由の一つである。

UPS の仕組み UPS の理屈は単純である。コンピュータと周辺機器の線を 大きな一つのバッテリに挿す、そのバッテリの線を壁に挿す。壁からちゃ んと電気がきている時はこのバッテリは何もしない。だが、一瞬でももち ろん 10 分でも電気が来なくなるとこのバッテリは良質の電気を送り始め る。

「PowerBook にはバッテリがついているから、小さな UPS を持っているよ うなものだ」とお思いの方がいるだろう。これは、正解でもありはずれで もある。バッテリがついているラップトップはどれも電流が来なくなった 時はちゃんと動作するが、悪質な電気をのぞいたり、サグやサージから守っ てくれるような回路構成にはなっていない。少し前に Tonya の Power Mac 7600 とそれについていた UPS の置き場所を変えたのだが、PowerBook Duo 230 は UPS を付けずにそのままにした。その後、電気が不安定になるたび に Duo はフリーズする。プラグを壁から抜いた時は何事もなく動作すると いうのに。古いタイプの PowerBook は似たような状況にもっと対応できる 可能性がある。Westwind Computing 社の修理屋によると、PowerBook 100 シリーズのマシンはバッテリの電気だけを使い、プラグを挿している時は そのバッテリを充電するようになっている。そして、それよりも新しい PowerBook はプラグが挿してある時は壁からきている電流で動き、プラグ が抜けた時点でバッテリの方を利用するようになっているとのことだ。 PowerBook のもう一つの利点は、電圧が急増した場合に、本体よりも AC アダプタが先にやられるということだ。

UPS 内部のテクノロジーは極めて洗練されている。UPS は電流を壁からの ものとバッテリと即座に、つまり千分の 2 〜 8 秒ぐらいの間に切り替え ることができなければならない。そのためコンピュータはこの切り替えに 気がつかない。(ハイエンドのモデルの UPS は常時バッテリから電気が来 るようになっていて、このわずかな切り替わり時間さえもなくなってい る。)ほとんどすべての UPS は電流の急増を抑える装置と回線ノイズを除 去するフィルタが内蔵されており、つねに良質の電流がマシンなどに送ら れるようになっている。また、稲妻が電話線に当たった時にモデムやマザー ボードがダメージを受けないようにするオプションが付いた UPS もある。 この電話回線用のプロテクションは ISDN や DSL でも大丈夫らしいが、二 重線(4 本ワイヤ)の電話ケーブルに対応していない UPS もある。

UPS とダウン -- 電源のことは考えるのは断たれた時ぐらいなのだが、 実際はほとんどの人が気がつかないようなことがいろいろとあるのだ。電 源の問題は少なくともタイプ別に 5 つのカテゴリに分けることができるだ ろう。

<http://www.apcc.com/power/power_event.cfm>
<http://www.tripplite.com/power/>

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=03950>

UPS 選び -- ニーズに合った UPS モデルを選ぶのは簡単ではない。一番 難しいのは、停電になった時にコンピュータシステムが UPS にどのぐらい の電力負荷をかけるかを判断することだ。使用機材に応じて UPS モデルを 推奨してくれる APC UPS Selector のようなもののお世話になるのが良い だろう。

<http://www.apcc.com/template/size/workstation/single/index.cfm>

または、機材の背面や下部にアンペアやワットで表示されている消費電力 を見る。表示がアンペアの場合には電圧(北米なら 120 ボルト、ヨーロッ パなら 230 ボルト、等)をかけ、ボルト・アンペア(VA)値を得る。この 手動計算方式の問題は、メーカーが余裕を持たせて最大値を表示すること が多いため、実際に必要なものよりも大きな UPS を買うことになってしま うことにある。

複数のコンピュータに電力を供給する強力な UPS を買おうかとお考えの方 は、小型の UPS をいくつか買って個々の UPS に接続する機材の数を少な くしたほうが安く上がることがあることに注意していただきたい。どんな UPS でも出力コンセントの数は限られており、一部周辺機器が使用する AC アダプタは複数のコンセントを塞いでしまうということもある。安価な延 長コードでコンセントの数を増やすことはできるが、UPS メーカーは UPS にサージ保護装置を差し込まないことを推奨している。電源があまりにも 悪質なので、サージやスパイクが比較的高価な UPS に到達する前にフィル タをかけるという目的でサージ保護装置に UPS を差し込むことは構わない。

サージ保護機能を持った出力コンセントを装備している UPS モデルもある が、このコンセントはバッテリによるバックアップがない。この狙いはレー ザープリンタのように通常は UPS に接続することが禁止されている機材を UPS に繋ぐためだ。稼働中のレーザープリンタは肝心なときに UPS をオー バーロードすることができるだけの電力を消費する。しかも、レーザープ リンタは電力の高下の原因にもなるので、他の機材をサージから保護する ためには電源を分けなければならないのだ。

UPS バッテリの寿命は約 5 年となっており、それ以後は交換が必要にな る。最近のモデルの UPS ではバッテリ交換は比較的簡単だが、旧型のもの では困難だったり不可能だったりする。私が最初に買った UPS はバッテリ 交換ができないものだったので、今では単に重い延長コードと化している。 最近携帯電話とビデオカメラ用のバッテリを探したサイトの多くは UPS バッテリを販売している( TidBITS-494 の“オンライン力試し:電池購 入”参照)。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05520>
<http://dir.yahoo.com/Business_and_Economy/Companies/ Consumer_Electronics/ Shopping_and_Services/Accessories_and_Supplies/Batteries/>

最後に、停電になった時に機材の電源を切る人がいなかった場合にはどう なるのだろうか? UPS が機材に必要な電力を供給できなくなると、UPS は 電源を切ってしまい、保存されていない作業は失われてしまう。これでは 良くないのだが、UPS は電源にフィルタをかけ続け、十分な電力が供給で きるようになるまでオンにならないというメリットはある。最近の Mac は Energy Saver コンロトールパネルの Server Settings で指定しない限り 停電後に自動的にオンになることはない。一部の旧型 Mac では Auto Power On/Off コントロールパネルを使うことになり、さらに旧いソフトパワー型 Mac では、パワーボタンを押し込んでドライバで回すことによってロック することができる。

停電を感知してつつがなく Mac をシャットダウンするソフトウェアもあ る。APC は一台の Mac をシャットダウンすることができる無料の PowerChute ソフトウェアを同梱している。Best Power 社の NetWatch Basic は 99 ドルで、Powerware 社の LanSafe III は多くの UPS モデル に無料で付属しており、Mac とモニタをシャットダウンし、メールで問題 があったことを連絡してくれる。これ以外にもあるだろうが、ほとんどの 電源監視ソフトウェアは Windows か Unix 用となっており、Mac 版は少な い。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkmsg=4219>

だが、Tripp Lite 社はつい最近 UPS の稼働状況、付加、容量などをグラ フィカルインターフェースで表示する Mac 用ソフトウェアを発表した。短 時間の停電中も作業を続けることができるようにシャットダウンを遅延す るほか、UPS のテスト、UPS のリブート、それにアウトレットのオン・オ フを Mac 側で行うことができる。このソフトウェアは Tripp Lite 製 UPS にはすべて無料でついている。将来はネイティブ USB サポート(現在はシ リアルを USB に変換している)やネットワーク上にある複数の UPS を管 理する機能が計画されている。

<http://www.tripplite.com/press/9908007.html>

最後に、どのブランドの UPS を買うかという質問がある。聞こえてきた ユーザーの声から判断すると、APC が最もポピュラーで Tripp Lite も知 名度が高い。他の UPS ブランドには Best Power と Powerware(旧称 Exide)があり、Yahoo にはさらに多くがリストされている。価格はどのブ ランドでも大体同じで、小型の UPS はどれも 100 〜 300 ドルとなってい る。UPS は重いものなので、注文する際には送料に注意しよう。

<http://www.apcc.com/>
<http://www.tripplite.com/>
<http://www.bestpower.com/>
<http://www.powerware.com/>
<http://dir.yahoo.com/Business_and_Economy/Companies/Computers/Hardware/ Components/Power_Supplies/Surge_and_Transient_Protection/>

以上をすべて消化するのはちょっと大変なので、ここで注意すべき点をリ ストアップしておこう。

セットアップ -- UPS を受け取ったら、機材を接続する前に電源に差し 込んで充電してあげた方が良いだろう(私の APC Back-UPS 600 では 6 時 間の充電を推奨している)。工場出荷時にはフル充電してあっても、どれ だけ倉庫で眠っていたかわからないからだ。

その気になれば UPS の電源スイッチを使ってシステム全体をオン・オフす ることもできる。電源が切ってあってもサージ保護機能は動作しているのだ。

局地的な雷雨の最中や、電源が不安定になっていることがわっている時に コンピュータを使用する必要がないのであれば、壁のコンセントから UPS の電源(つまり全部の機材の電源)を抜くことも悪いことではない。私た ちは長期間家を空ける時にも、留守中に何が起きるかわからないのでこの ようにしている。UPS メーカーはどれも機材を電源が原因となる損害から 保障しているが、システム全部を買い替えたりファイルをバックアップか らレストアする手間などないに越したことはない。

私の UPS は 1 〜 2 週間ごとに電源まわりのトラブルを知らせる警告音を 発する。家の明かりが同時に少し暗くなることもあり、UPS の警告音だけ が何かが起きたことを知る手掛りになることもある。数ヶ月に一度は完全 な停電に見舞われることがあり、その時点で私は開いている文書をすべて 保存し、電気を食うモニタをオフにする。数分経っても電力が復旧しない 場合には、パワーキーを押してリターンを押し、ひたすらシャットダウン する。こういった時、なぜ私がすべてのデスクトップ Mac に UPS を付け ることにしたかを思い出す。電気を失わないためには UPS を使うべきだ。

[TidBITS Talk で最初にこの話題を持ち出し、調査結果を報告してくれた Marc Sarrel 氏 <msarrel@pacificnet.net> に感謝したい。このおかげで 私はついにこの重要なトピックについて書くことになったのだ。]

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=754>


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