TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#533/05-Jun-00

本当に身軽に旅行したくはないだろうか? 重い PowerBook のかわりに Palm ハンドヘルド機を持って旅行することを考えてみようではないか。 Jeff Carlton が、これを現実にするには何が必要なのかを検分する。ま た、Brady Johnson 氏が、スパムと戦うための情報やツール類を提供する サイト集をお伝えする。そして、ついに、Apple が現行の Mac 達のための ファームウェアアップデートとイーサネットアップデートをリリース。そ の他、Eudora 4.3.2、Spring Cleaning 3.5、そして、AMUG の 3.2 GB シェ ウェア DVD のリリースについて述べる。

目次:

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MailBITS/05-Jun-00

(翻訳:三好 泰子 <yokomo@mio.to>)
(  :吉田 節 <benjamin.takashi@nifty.ne.jp>)

Eudora4.3.2、膨大なマイナーバグをフィックス -- Qualcomm 社は、 Eudora 4.3.2 をリリースした。人気の電子メールソフトのマイナーアップ デートである。Eudora 4.3.2 は、クラッシュを引き起こすようなバグも含 めて、長いリストになっていたマイナーなバグをフィックスした。そのた め、この無償アップデートは、ダウンロードする価値が十分ある。Eudora 4.3 と 4.3.1のどちらからでも 4.3.2 にアップデートする 375K のパッチ をダウンロードできる。また、今までアップグレードをしていなかった場 合は、代わりに、既存の Eudora Pro 4.x を 4.3.2 にアップデートする 5 MB のアップデータが入手可能である。Eudora 4.3.2 には、Power-PC 搭 載の Mac と Mac OS 7.6 以上が必要。Eudora に関するより詳細な情報に ついては、“All About Eudora”シリーズの記事を参照のこと。[ACE]

<http://www.eudora.com/download/eudora/mac/4.3.2/Relnotes.txt>
<http://www.eudora.com/pro_email/updaters.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1035>

最近の Mac に Ethernet アップデート -- iBook、FireWire 搭載の PowerBook、スロットローディング方式の iMac、そして、1999 年 11 月以 降に出荷された PowerMac G4 をお使いのユーザーで、Ethernet 関連の問 題を経験したことがあるなら、Apple の Ethernet Update 1.0 が解決して くれるかもしれない。このアップデートは、めったにないネットワーク構 成において、Ethernet の信頼性を高めるよう意図されてつくられている。 このようなネットワークは、大規模なスイッチ化されていない 10Base-5 (太い Ethernet)または、10Base-2(細い Ethernet)を使ったセグメン トを含み、異常に小さいパケット間のギャップ(Ethernet のデータパケッ トの転送の遅れ)や、ネットワークが非常に混んでいるために起こるデー タの抜け落ち(データ再送信を繰り返しても、失敗した後に起こる)が見 られることが多い。アップデートは、2.5 MB のダウンロードで、Mac OS 9.0.4 が必要。そして、アップデートは、Mac OS の ROM ファイルを入れ 替える。しかし、Ethernet 関連の問題が起こっていないなら、このソフト をダウンロードする必要はない。 [GD]

<http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11687>

Spring Cleaning 3.5 に iClean 機能が追加 -- Aladdin Systems 社は Spring Cleaning 3.5 をリリースした。これはハードディスクを掃除する 同社のユーティリティの最新バージョンである。Spring Cleaning は重複 ファイルの削除、壊れたエイリアスの修復、空フォルダの除去、アプリケー ションをアンインストールしたため不要になったファイルの削除といった 機能を持つが、新たに iClean 機能が追加された。iClean はブラウザの キャッシュ、インターネットのヒストリファイル、cookies を削除するこ とにより、ディスク容量を節約すると同時にプライバシーを保護する。 Spring Cleaning は、あなたが自分の手や様々な他のユーティリティを使っ てもできないことをたくさんやれる訳ではないが、要らないファイルをす べて見つけて消すという処理を自動化し、簡単にしてくれる。Spring Cleaning 3.5 は 50 ドルだが、旧バージョンまたは Aladdin 社の他の製 品の所有者は 20 ドルで(Spring Cleaning 3.0 を最近購入した人は送料 および手数料として 7.50 ドルで)アップグレードできる。[ACE]

<http://www.aladdinsys.com/springcleaning/>

AMUG が 3.2 GB のシェアウェアを DVD に -- 650 MB の記憶容量をもっ てしても、CD-ROM はもはや大きなファイル保管庫としては役不足である。 しかし Arizona Macintosh Users Group(AMUG)は Macintosh 用フリー ウェアとシェアウェアのコレクションを DVD にしてリリースした。これに は全部で 3.2 GB になる 9,500 個以上(解凍すると 5 GB 以上)のファイ ルが入っている。もちろん、コレクションされているものはほぼすべてイ ンターネットで見つけてダウンロードできるだろう(Apple からライセン スされた数多くのアップデートやユーティリティを含めて)。しかし高速 なインターネット接続を持たない人々にとって DVD はより速いアクセス手 段であり、後で参照するのに便利なアーカイブでもある。また AMUG は DVD の内容をデータベース化したものをいくつかのフォーマットで含めている。 残念ながら Sherlock による DVD 検索は妙に遅いのだが。この DVD は 20 ドル(米国外なら 26 ドル)で AMUG から直接入手できる。[ACE]

<http://www.amug.org/amug-web/html/amug/store/amugdvd.html>

アンケート結果: あなたの秘密を守る -- 人々が自分のプライバシーを どのように見ているかを扱った前号の記事( TidBITS-532 の“脅威モデ ルと抑圧体系”を参照)により、私たちは“あなたはオンラインのプライ バシーを守るのに何か特定の作戦を立てているか”という質問を思いつい た。全部でたったの 732 人が回答しただけなので、あなたの脅威モデルは 多くの部分をオンラインのプライバシーに捧げていないに違いない。回答 者のうちおよそ 3 分の 2 は、強力なパスワードを使い、個人情報を Web サイトに出さず、cookies をブロックするか監視していると言っていた。 他の選択肢はもっと低い使用率だった。すなわち 7 ないし 22 パーセント の回答者が匿名メールや Web プロクシ、暗号化したメール、ファイル、 ディスクを使っていると回答した。またこの話題から、PGP を日常的に使 うのは耐えられないほどうんざりすることかどうか、といった興味深い議 論が TidBITS Talk に派生した。[ACE]

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbpoll=42>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05951>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1043+1044+1047>

アンケートのお知らせ: もう一度出かけよう -- 今週号の後半で Jeff Carlson は、Palm オーガナイザを外出中にもっと便利なものにするための デバイスをいくつか調べている。Jeff が PowerBook の代わりに Palm を 使うことができるかどうかは読んでみてのお楽しみとして、私たちは、あ なたが旅行中にもっとも便利だと思ったコンピューティングデバイスと通 信デバイスは何かを知りたい。あなたが自分をハイテクなロード戦士だと 思うかローテクなラッダイト(訳注: 産業革命時代に機械打ち壊しを集団 で行った手工業者)だと思うかはともかく、何を使うのが好きかを私たち のホームページで投票して欲しい!(このアンケートの目的に鑑みて、あな たが“旅行中”というのは日常の仕事場を離れて働いている任意の時と考 えていただきたい。記事“一風変わった働き方”の Gideon Greenspan 氏 ほどに遠くへ行かなくても大丈夫!)[ACE]

<http://www.tidbits.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1162>


すべての現行 Mac にファームウェアアップデート

by Geoff Duncan <geoff@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <shu@pobox.com>)

Apple は Mac OS 9.0 以降を搭載したスロットローディング式の iMac、 iBook、PowerMac G4、それに FireWire 内蔵 PowerBook にそれぞれ対応す るファームウェアアップデートをリリースした。このパッチにより、ファー ムウェアのバージョンは 2.4 となり、以下の問題が解決される。

<http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11698>

<http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11702>

<http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11699>

<http://asu.info.apple.com/swupdates.nsf/artnum/n11701>

以上のアップデートはすべて自動マウントディスクイメージとして配布さ れ、ファイルサイズも 700K 未満となっている。ファームウェアをアップ デートする前に、必ずファームウェアのアップデート方法が書かれた説明 をよく読むように。万が一のためにデータの完全なバックアップを取って おくのもいいだろう。ただ、Apple のファームウェアアップグレードは取 り消しができないうえ、SCSI PCI カードなどのサードパーティ製周辺機器 との問題が発生することがある。こうした周辺機器を使用している場合に は、アップデートをする前に販売元に問い合わせたほうがいいだろう。


対スパム用ツールをもっと

by Brady R. Johnson <brady@seanet.com>
(翻訳:尾高 修一 <shu@pobox.com>)
(  :畔上 毅範 <azegami@mwe.biglobe.ne.jp>)
(  :亀岡 孝仁 <tkameoka@fujikura.co.jp>)

最近反スパム法に関する二部構成の記事を書いてから( TidBITS-528 の 「メールスパム:宣伝カーは鳴りやまず」参照)、多くの読者から個別に、 または TidBITS Talk で実用的な対応策について質問された。米国での法 律がどのようにスパムに対処しているかは興味深くて結構だが、普通のイ ンターネットユーザーが法廷で戦う以外にどんなことができるのだろうか?

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1169>

私は常々訴訟は紛争の解決には悪い方法だと説いている。手間と時間がか かるうえ、お金と時間がかかりすぎ、時代遅れなルール(一部は古代ロー マまで遡る!)に則っており、最終的なリスクも大きすぎる。ほかに方法が あれば、たいていはそちらを使った方がいいのだ。

個人としてスパムと戦うには、Eudora、Outlook Express などのメールク ライアントでフィルタを設定して見つけやすいスパムを網にかけることが 可能だ。自分でやるのが面倒なら、Brightmail などのサービスがかわりに やってくれる。もっと積極的にやりたいのなら、署名運動に参加したり、 地元選出の議員に手紙を書いたり、スパムポリシーを軽視ないし無視して いる企業をボイコットするということもできる。

このために有用な Web サイトを以下で紹介しよう。多くは読者の皆さんか ら教えていただいたもので(感謝!)、他のものは私が自分で探したもの だ。ここで述べる以外にも色々なサイトがある。特筆に値するサイトに出 会ったら、TidBITS Talk で知らせていただきたい。

<http://www.tidbits.com/about/tidbits-talk.html>

以下のサイトを私が認定するわけではない。あるサイトに言及していない からといってそれが悪いというわけでもなく、これは単に私が知らないと いう可能性が高い。TidBITS 読者の皆さんために、私はこのリストを Web に載せて新たな発見や TidBITS Talk での薦めに従って時折更新していく つもりだ。というわけでぜひ新しいサイトを見つけたら知らせていただき たい。ここで紹介したサイトの感想もお知らせいただけると幸いだ。

<http://www.fremontlaw.com/antispam/antispamsites.html>

サーバ側フィルタサービス -- このスパム対抗ツールは、サーバ側でス パムをフィルタにかけるメールアドレスを提供してくれるので、メールク ライアント側でフィルタを設定する必要がない。加えて、スパムが受信者 の手元に届く前に排除されるために、ダウンロードに要する時間やディス クスペースが無駄になることがない。

Brightmail はメールプロキシサーバとして機能し、スパムであるとの疑い があるメールを除外してくれる。Brightmail を使用するには、無料のアカ ウントをセットアップし、メールクライアント側で Brightmail サーバか らメールを取ってくるように設定する。Brightmail は単にスパムと疑われ るメールを削除するのではなく、サイトに保存しておいてくれるので、後 でメッセージを読んでどれをとっておいてどれを削除するかを選別するこ とができる。Brightmail の FAQ に個人向け、企業向け、ISP 向けのより 詳しい情報がある。

<http://www.brightmail.com/>
<http://www.brightmail.com/support/faq/>

SpamCop は Brightmail に似たサービスを有料で提供している。SpamCop がメール用プロキシサーバの働きをして、スパムが届く前にフィルタにか けてしまうというしくみだ。疑わしいメールも一週間までは保存しておい てくれるので、その間は読むことができる。

<http://www.spamcop.net/>

The Spam Bouncer は Unix シェルアカウント と procmail が必要で、こ の両方を使いこなす知識も必要だ。The Spam Bouncer は 基本的には一連 の procmail フィルタで、スパムが到着するとこれをブロックしたり印を 付けることができるものだ。

<http://www.spambouncer.com/>

スパマーを割り出す -- 以下のサイトのグループは、スパマー割り出し に関する情報を提供するので、ISP、そして必要な場合は警察へ、スパマー を報告することができる。スパマーを割り出すのは、別の理由でも大切だ。 つまり議員に提供できる情報が多ければ、実践的な法が成立し執行される 可能性がそれだけ高くなるわけだ。Geoff Duncan の TidBITS 記事、「ス パムに反撃」( TidBITS-442 )を参照してほしい。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05032>

Get That Spammer は、スパマー割り出しに関する情報とツールを提供す る。Tools リンクは、スパマーに悪用されたシステムの割り出しを助ける、 Web に基づいたツール群を提供する。もちろん、ツールを有効に使うには、 メールと DNS がどのように機能するか理解する必要があるが。 Information リンクは、スパムを無くすための方針と実践的な対策に関す る、最新の法的な事例と記事のリストだ。またこのサイトは、ISP 向けに より良い利用規則の作成方法、ユーザー向けに苦情の申告についてのアド バイス(苦情申告書の見本つき)、そのほかにも多くのスパマー対策用の 情報、ヒント、ツールを提供する。

<http://kryten.eng.monash.edu.au/gspam.html>

SpamCop の無料のサービスは、受け取ったスパムを登録ユーザーが SpamCop に送信すると、該当する ISP 管理者等に対する苦情メッセージを作成す る。

<http://www.spamcop.net/>

スパム教育 -- 以下の教育サイトは、スパムに関する情報、スパム対策 に関してのアドバイス、さらに反スパムサイトへのリンクも提供する。ま た、スパマー報告に関するコンタクト情報と、適切な法の成立を議員に求 めるコンタクト情報も載っている。

F.R.E.E. は、Forum for Responsible and Ethical Email(責任と道義の あるメールのフォーラム)の略だ。F.R.E.E. は、スパムがなぜいけないこ となのかをユーザーに教える手引書、そしてメールヘッダの読み方、スパ ムをブロックするフィルタの作り方、苦情の書き方などいろいろな情報も 提供する。

<http://www.spamfree.org/>

Spam.abuse.net は、スパマーが起こした損害の記事だけでなく、 spam.abuse.net が認めたスパムを行わない販売会社とそのサイトのリスト も提供する情報サイトだ。

<http://spam.abuse.net/>

Mail Abuse Prevention System の Anti-DMA 情報ページは、Direct Marketing Association のスパムとスパマーを護る活動に関する情報を提 供している。

<http://maps.vix.com/rbl/anti-dma.htm>

合衆国におけるスパム法 -- 以下のサイトが合衆国における望まないメー ルを規制する法的な動きに関する情報を提供している。

CAUCE、Coalition Against Unsolicited Commercial Email はよく知られ た反スパムグループで最近の反スパムの動き、法制化の現況と論議に関す る情報、およびどうやってスパムに対して闘うかに関するアドバイスを提 供している。CAUCE は合衆国内および海外のスパム問題を追跡しているの みならず、かっこいいティーシャツも用意している。

<http://www.cauce.org/>

John Marshall Law School Cyberspace Law サイトはスパムに関する法令、 訴訟や他の法的資料の情報とリンクを提供している。このサイトは David Sorkin 教授によって更新され維持されている。

<http://www.jmls.edu/cyber/index/spam.html>

Spam Laws サイトも David Sorkin 教授によって維持されていて John Marshall サイトよりももうちょっとアップデートされているだけでなくス パムを対象とした合衆国連邦法と州法に関する情報も提供している。

<http://www.spamlaws.com/us.html>
<http://www.spamlaws.com/federal/>
<http://www.spamlaws.com/state/>

SueSpammers.org は合衆国内のスパムに関する出来事を追跡するには格好 の情報源である。

<http://www.suespammers.org/>

Mad About Spam Web サイトはスパムあるいはスパマーを擁護しようとする Direct Marketing Association の動きを規制する要望書を提供しており、 これにサインをして合衆国議員達に送りつけることができる。

<http://www.madaboutspam.org/>

国際的なスパム法 -- 最後に、インターネット使用のかなりの部分は合 衆国に集中しているとはいえ、スパムは 現に 国際的な問題であり、合 衆国の法制がもっと規制的になってきた場合はさらにその意味合いは増す であろう。以下のサイトは世界各地での反スパム法制化について扱ってい る。

David Sorkin 教授の Spam Laws サイトにも Europe でのインターネット 利用の増加に伴う European Union 命令、政策、そしてインターネットお よびスパムの規制に関する指針に関するセクションが含まれている。他の セクションでは世界のその他の地区でのスパムとインターネット規制につ いて扱っている。

<http://www.spamlaws.com/eu.html>
<http://www.spamlaws.com/world.html>

CAUCE には世界規模での数多くの関連組織がある。その中には EuroCAUCE、 CAUBE.AU(Coalition Against Unsolicited Bulk Email, Australia)、と CAUCE India が含まれている。もしあなたがこれらの地区の住人であれば、 その地区の CAUCE 組織からその地区での法制化問題に関するリンクを探し 出してみて欲しい。

<http://www.euro.cauce.org/>
<http://www.caube.org.au/>
<http://www.india.cauce.org/>

Electronic Commerce and the European Union のサイトでは、増加を続け るインターネット商取引に関する European Union 政策についての情報を 提供している。

<http://www.ispo.cec.be/Ecommerce/>


ハンドヘルド機に PowerBook の代役はつとまるか?

by Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
(翻訳:尾高 里華子 <rikako@pobox.com>)
(  :冨田 将英 <atimot18@sa2.so-net.ne.jp>)

ノート型パソコンがいまだに受けの良いものだとお考えの方は、様子を窺 いに空港へ行ってはいかがだろう。以前はラップトップを持っている人を 見かけるのは嬉しかったが、今や膨れ上がったキャリーバッグを抱えた人 とぶつからないようにするのも容易でなくなってしまった。ラップトップ 機のおかげで机に縛られなくなり、屋外で作業したり、ほぼどこにいよう ともメールや Web にアクセスできるようになった。(PowerBook を背負っ てアジアを駆け巡る旅に出た Gideon Greenspan 氏の話は、顕著な例だろ う。)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05686>

ところが、小型のラップトップであろうと、それを持って一日中展示会場 を歩き回ると肩にこたえる。乗り換えがやたらに遠い大きな空港でもきつ い。軽量化への術を求め、ラップトップマシンを家に残して Palm だけを 持って出かけるというのは可能だろうかと私に尋ねる人の数は増える一方 だ。私の最新本“Palm Organizers Visual QuickStart Guide”(Peachpit Press、ISBN 0201700638)を書いている最中に、ハンドヘルド機を電子ス ケジュール帳として以上に利用することのできるプログラムやテクノロジー を色々と試してみることができた。(もっとも、これらのアイテムすべて を同時に試してみることはお薦めしない。各種 Palm デバイスとアクセサ リの重さを合わせると PowerBook よりも重くなったりすることもあったの だ。)

<http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0201700638/tidbitselectro00A/>

判定は、イエスだ。ハンドヘルド機を PowerBook の代役にすることは可能 である。しかし、ニーズにもよるが、かなりの犠牲を払わなければならな いだろう。

入力手段の確保 -- もしあなたが本当にラップトップを家に置いていこ うと思っているなら、絶対にハンドヘルド機用のキーボードを考えるべき だ。何年にもわたって様々な Palm オーガナイザーを使用してきた結果、 私は Palm OS での文字速記入力法である Graffiti に熟練した。だが、私 の手がけいれんする前に書ける量には限界があるし、言うまでもなく素早 く書こうとすれば正確さは激減する。これに替わるものとして、Palm 機器 用の二つのキーボードを推薦しよう。

LandWare 社の GoType キーボードは、Palm 専用にデザインされた最初の モデルだ。貝殻型の GoType(そして新しい GoType Proも)は、軽く、比 較的安価( 70 ドル)であり、持ち運び用のバッグに簡単に入る。これは、 Palm の内蔵アプリケーションを起動できるプログラマブルファンクション キーといった Palm OS 専用のキーを備えており、オンスクリーンボタンを 有効にしたりダイアログボックスに反応するコマンドキーショートカット もある。もしあなたがフルサイズキーボードに慣れてしまっているなら、 このキーの小ささが唯一の短所となる。GoType は Palm III と Palm VII 機器で使用できる。また、GoType Pro は Palm III Handspring Visor で使用できる上、ハンドヘルド機をキーボードから直接コンピュータと同 期させる能力を備えている。

<http://www.landware.com/>

この分野に新たに参入してきた Palm Portable Keyboard は、私が唯一持 ち歩いている Palm 用のアクセサリーで、いつも人々を「おぉっ」とか 「ハァー」とうならせる。これはもちろんプログラマブルキーやショート カットキーといった Palm 専用の機能も持っているが、なんと言ってもウ リはフルキーボードでありながら折り畳むと Palm オーガナイザーそのも のとほぼ同じ大きさになってしまうことだ。Palm は Think Outside と呼 ばれる会社から意匠権を受け、オーガナイザーのラインアップとしてキー ボードを 100 ドルで販売している。また、Targus 社は 6 月中に Visor 向けのバージョンを提供する。

<http://www.palm.com/products/keyboard/>
<http://www.thinkoutside.com/>
<http://www.targus.com/default_product.asp?sku=PA800U>

連絡を保つ -- 本物の休暇中でもない限り、私には電子メールとウェブ へのアクセスが必要だ。以前の Palm 機に比べれば現在は接続も簡単だが、 そのやり方はかなりいろいろある。

ハードウェア側からすると、まずモデムが必要だ。Palm 社は Palm 機器用 のクリップオンモデムのシリーズを、また Handspring 社は Visor の Springboard スロットに差し込むモデムを提供している。場所によっては、 Palm VII または OmniSky モデムといった無線サービスを探すこともでき る。Palm と Handspring のモデムを使って ISP に接続するには通常の電 話回線を使う。無線機器では月々 30 ドルから 45 ドルの無線アクセスプ ランを契約する必要がある。

<http://www.palm.com/products/palmiii/modem.html>
<http://www.palm.com/products/palmv/modem.html>
<http://www.handspring.com/products/mmodem.asp>
<http://www.palm.net/>
<http://www.omnisky.com/>

Palm 機器の電子メールソフトには、シンプルなものと洗練されたものがあ る。Top Gun Postman のようなプログラムを使うと、ISP にダイアルし、 組み込まれた Mail アプリケーションに電子メールメッセージを読み込む ことができる。しかしながら、Mail は 32K を超えるメッセージを途中で 切り捨てるだけの最低限のフィルタを持つ簡素なメールクライアントだ。 また、Macintosh とのメールを同期するサポートは組み込まれていないが、 In box と Out box のメッセージを Eudora や Outlook Express 、または Emailer と同期するための MultiMail の HotSync コンジットを購入でき る。

<http://www.isaac.cs.berkeley.edu/pilot/TGpostman/>
<http://www.actualsoft.com/>

MultiMail Pro や One Touch Mail といったプログラムは、さらに強力な フィルタや、一部の添付書類をサポートする。Palm が予想外に PowerBook よりも優れている点は、PocketFlash を使えば America Online のアカウ ントから電子メールを受信できることだ。現在のところ Mac では、AOL の Emailer ソフトウェアか Netscape Communicator 6(今のところプレビュー バージョンのみ)でしか受信できない。

<http://www.jpsystems.com/>
<http://www.powermedia.com/pilot/pocket2/pocket2.html>

データ用の(小さい)ウィンドウ -- Palm オーガナイザーの小さなスク リーンは、カレンダーや細々としたいろいろな情報をチェックするのには 驚くほど優秀に働いてくれるのだが、アプリケーションによっては限界が でてくる。ワードプロセッサは問題ないし、Cutting Edge Software 社の Quicksheet 5.0 のようなソフトウェアを使えば表計算さえできてしまう (頻繁にスクロールすることにはなるだろうが)。

<http://www.cesinc.com/quicksheet/quicksheet.html>

したがって、何をするにしても 14 インチのアクティブマトリクスカラー ディスプレイは必要ないだろうが、長時間見ているのであればディスプレ イは大きい方が目には楽だ。タイプするときにも小さいスクリーンを見つ めているのを不快に感じるだろう。ラップトップならまっすぐに座ること ができるし充分に広いスクリーンがあるから良いのだが、ハンドヘルド機 の場合はスクリーンに近付くように身体を傾けたり首をうなだれたりと、 長時間続けていると人間工学的には悪夢のような、健康に有害な姿勢をとっ ていることにすぐに気付くだろう。

(非)互換性 -- PowerBook の代わりに Palm 機で済ませようとした場 合、共通するアプリケーションやファイル形式がないということが最大の 難点になるだろう。もっとも、注目に値するような例外もあるのだ。

DataViz 社製 Documents to Go を利用すると、ハンドヘルド機で Microsoft の Word と Excel ファイル(および AppleWorks などの他の フォーマットも一部)を読むことができるようになる(ただし、編集はで きない)。これは、参照用情報を入れておくとか、長いフライト中にレポー トを読むなどに使える。ところが、Excel 用のプラグイン(Mac 用は現在 ベータである)が入っている Quicksheet では、両方のプラットフォーム でスプレッドシードの作業ができる。

<http://www.dataviz.com/products/documentstogo/>

Palm でワープロを使いたいという場合は、付属の Memo Pad アプリがある が、これには 4,096 文字以内という文字数の制約がある。SmartDoc また は QED のようなマシン上の空きメモリ量だけが制約となるプログラムを 使ったほうがよいだろう。

<http://www.cesinc.com/smartdoc/smartdoc.html>
<http://www.visionary2000.com/qed/>

Palm データベースとシンクロするためのソフトウェア入れれば、Palm で FileMaker データーベースを扱うこともできるようになる。Rick Holzgrafe 氏作の HanDBase Desktop for Macintosh を利用すると DDH Software 社 製 HanDBase Palm アプリケーションをシンクロできる。また、Richard Carlton 氏作のフラットファイル Palm データベース JFile をシンクロす るには FMSync Software 社製の FMSync コンジットがある。

<http://www2.semicolon.com/Rick/HDM.html>
<http://www.handbase.com/>
<http://www.fmsync.com/>
<http://www.jfile.com/>

グラフィックデザイナーのケースはひとまず置いておこう。(TealPoint Software 社の TealPaint のような)Palm OS 用のドローやペイントプロ グラムは存在するものの、今どき出回っているグラフィックプログラムと はほど遠く、MacPaint 的な代物である。もっとも一部の例外として、最近 登場した Palm 機用のデジカメがある。Palm を使って写真を撮りコン ピュータに送るという仕組みになっている。私はまだ実際に手にしてはい ないのだが、高解像度ではないカラーまたはグレースケールの画像を撮る 小型のものをお探しの方は Visor 用の eyemodule や Kodak 社製の PalmPix カメラを検討いただきたい。

<http://www.tealpoint.com/softpnt.htm>
<http://www.eyemodule.com/>
<http://www.kodak.com/US/en/digital/cameras/palmPix/>

ポータブルな電源 -- 最後に電源について考えてみよう。ほとんどの Palm 機については、鞄に単 4 電池を放り込んでおけばそれですむ。 PowerBook の予備バッテリと比べて桁違いに軽い。しかし、Palm IIIc や Palm V のような充電式のモデルは、HotSync クレードルと電源アダプタが ないと充電できないし、これをもって歩くと重いうえに不細工である(丸 みのある三角の HotSync クレードルは納まりが悪いのだ)。そこで、1 〜 2 週間以上クレードルなしで済ませるためには、Palm 社製の旅行用充電 キットを検討することになるだろう。その他の方法として、LandWare 社が 出している単 4 電池を利用してハンドヘルド機に電気を送る取り付け簡単 な Palm V 用アタッチメント BattPac や Tech Center Labs 社製の緊急用 充電器がある。

<http://www.palm.com/products/palmiiic/recharger_ac.html>
<http://palmorder.modusmedia.com/P5/P5-10413U.htm>
<http://www.landware.com/battpac/>
<http://members.aol.com/gmayhak/tcl/e-charge.htm>

携帯性 -- 私は現時点では PowerBook と Palm の両方をもって移動する という処置をとっている。どちららにも長所があり、(ワープロを使いた いという場合などで)使い分けている。(特に機内は快適に座っていられ るほど広くないので、PowerBook を使うことはほとんどない。)しかし、 作業に制限されることを厭わないならば、PowerBook を持ちださずに Palm だけで済ますことも可能である。


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