TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#690/28-Jul-03

新しいメールソフトに乗り換えるのは他のソフトを取り替えるよりずっと難しい決断だ。Matt Neuburg は Mailsmith 2.0 がどうして彼のメールクライアントなのかを説明する。また Adam は 13歳未満の子供を排除した IDG のMacworld Expo ポリシーに異議を申し立て、Jeff Carlson は SuperDrive の無い Mac で iDVD 3 を使う方法を明らかにする。さらに Palm Tungsten T2、BBEdit 7.0.4、Griffin iTrip Station Finder、そして Steve Wozniakの新しい wOzNet ワイヤレスネットワークなどのリリースをお知らせする。

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MailBITS/28-Jul-03

オリジナルより進歩した Palm Tungsten T2 -- 先の11月、Palm Tungsten T は PDA メーカーの新たな幕開けをしるした。明るいカラースクリーン、十分なメモリ容量、速いプロセッサ、そして Palm OS 5 によって、Palm 社の数年間の平凡な歩みの後でも革新はまだ可能であることを、Tungsten T は証明した( TidBITS-655“Palm の再生をかけた Tungsten T”を参照)。そして今回、Palm 社は Tungsten T2 を発表した。これは先代の成功をさらに改良している。内蔵メモリは2倍の 32MB になり、そしてフラッシュメモリ(ここには OS や標準アプリケーションが収納される)は 8MB となった。これまでは CD にのみ入っていた email や Web ブラウザといったアプリはフラッシュメモリに入っている。このリリースではテキスト入力に Graffiti 2 ソフトウェアを使っている。いくつかの文字でストロークが多少変わっていて、Graffiti エリアではなく、直接スクリーンに書き込むことも可能になった。半透過型 TFT を採用することで、すでに印象的だった先代の Tungsten T よりも明るくシャープなカラースクリーンに改善した。その他の機能として、先代に引き続き、内蔵ブルートゥース・ネットワークや音声メッセージ用内蔵マイクもある。Tungsten T2 は $350 で発売中だ。[JLC](溝畑)

<http://www.palm.com/us/products/handhelds/tungsten-t/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06992>
(日本語)<http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/TidBITS-jp-655.html#lnk3>
<http://www.palm.com/us/products/handhelds/tungsten-t2/>

BBEdit 7.0.4 リリース -- Bare Bones Software は BBEdit 7.0.4 をリリースした。これは彼らのフラッグシップ テキストエディタたる BBEdit 7.0 のバグフィックス版で、すべてのオーナーはアップグレードが推奨されている。このリリースの新しい点は、拡張された HTML 設定と CVS (Current Versions System)ログだ。またエラーダイアログにおけるスペル修正から、syntax-colored 文章におけるスクロール速度の改善といったものまで、このアップデートには 60 の変更を含んでいる。BBEdit 7.0.4 アップデートは 15MB、無料でダウンロードでき、Mac OS 9 と Mac OS X の両方で利用可能だ。[JLC](溝畑)

<http://www.barebones.com/support/bbedit/current_notes.shtml>
<http://www.barebones.com/support/bbedit/updates.shtml>

iTrip Station Finder リリースされる -- iPod に取り付けて音楽を好きなラジオで聞けるようにする FM 送信機、Griffin Technology 製の $35 の iTrip について Travis Butler がレビュー記事を書いた時、彼はこの機器にデザイン・機能性の双方共に高い評価を与えたが、一方では特に都会の中などで受信感度の良い周波数を見つけるのが困難な時がある、ともコメントした。(TidBITS-681 の記事“旅の供に iTrip: FM 送信機三つ”を参照。)ところが先週、Griffin から iTrip Station Finder がリリースされた。これは無料の Mac OS X 用アプリケーションで、アメリカ合衆国内の 254 の都市を網羅したデータベースを備えており、それぞれで推奨される周波数を教えてくれる。iTrip は 2003 年版の iPod モデル(本体の底部に FireWire を持つもの)と、本体上部に FireWire ポートを持つ旧モデルの双方で使える。[JLC](永田)

<http://www.griffintechnology.com/products/itrip/>
<http://www.griffintechnology.com/software/software_itrip.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07191>
(日本語)<http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/TidBITS-jp-681.html#lnk3>

wOzNet: 車輪は空で廻り続ける -- Apple Computer 社を共同で創立し、その後5年生にコンピュータのスキルを教える仕事をしていた Steve Wozniak が、次に狙っている仕事は何だろうか? その答えとして先週、Woz が御披露目したのが、wOzNet だった。これは彼の新会社、Wheels of Zeus (wOz)(「ゼウスの車輪」)がこれまで 18 ヵ月間にわたって開発を続けてきたプロジェクトだ。wOzNet とはミニチュアサイズの追跡機器から成るワイヤレスのネットワークで、いろいろな物やペット、あるいは人間などの所在地を見つけるために使うものだ。この追跡機器は GPS ハードウェアを使ってその位置を特定し、低出力の 900 MHz ワイヤレスネットワーク回路からその位置情報を近くのベースステーションへと送信する。その信号は毎秒 20,000 ビットというゆったりとしたもので、これはたいていのモデムよりも低い。取り付けられたタグはカスタマイズされた警報メッセージを電話または電子メールで送ることも出来る。1つのタグからの信号を複数のベースステーションで受信すれば近距離での位置の追跡も可能になるが、これが困った結果を生むことのないようにプライバシーコントロールでその機能を制限するオプションも提供される。この wOzNet テクノロジーは現在もまだ開発中の技術であるが、同社では 2004 年中には消費者向けの製品をリリースする予定だという。この wOzNet の核心は何かといえば、それは近年在庫管理などのために盛んに使われ出しているより安価で低出力の RFID (Radio Frequency Identification) タグと、より高価で高い出力を必要とする高速 Wi-Fi ネットワーク機器との、ちょうど中間に位置するものとしての存在意義を見い出した、というところにあるのだろう。[JLC](永田)

<http://www.woz.org/>
<http://www.woz.com/about/>


iDVD 3.0.1 を非 SuperDrive Mac で使う

文: Jeff Carlson <[email protected]>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>

数週間前、Apple は iDVD 3.0.1 Update をリリースした。これは一見大したことないパッチで、Apple の簡単な説明によると「iDVD プロジェクトのエンコーディング・作成・管理方法の性能と安定性を改善した」と書いてある (アップデータは 4.1 MB のダウンロードだ) 。

<http://www.apple.com/idvd/download/>

Apple がその時は触れていなかったが最近 Knowledge Base の記事で明らかになったことがある、それは iDVD 3 が、それまで動作する条件だった SuperDrive 内蔵の Mac だけでなく、PowerPC G4 あるいは G5 プロセッサを持つ Mac _すべて_で動作するようになることだ。もちろん SuperDrive を持たない Mac では最終的に DVD を作成することはできないが、プロジェクトを作成したりエンコードするなど別のマシンで作成するための準備が可能となる。

<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=93274>

残念ながら、iLife を購入して Mac にインストールすることはできない。SuperDrive が無いと iDVD 3 はインストールできないのだ (最新の iLife パッケージ版に iDVD 3.0.1 が含まれているかどうか、またそれがどの Mac にもインストールできるかどうかは確認できていない。確かに最初に発売されて以来、iLife は iTunes 4 を同梱するよう変更されている。しかし、iDVD 3.0.1 を含むパッケージがすでに小売店へ流れているかどうかは疑問である)。代わりに、他のSuperDrive 内蔵 Mac から iDVD 3 アプリケーションフォルダをコピーしてきて、それに対し iDVD 3.0.1 アップデータを実行するとうまくいく。

<http://www.apple.com/ilife/>


思慮に欠けた Macworld Expo New York の年齢制限

文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ニューヨークでの Macworld Expo について報告した先週号の記事で、今年の Macworld Expo が従来と違っていた点について、なかでもちょっと微妙な違いのうちの1つについて是非書きたかったのだが、先週は行数が尽きてしまった。それは、今年は 12 歳以下の子供が展示会場のフロアに立ち入るのが禁止となったことだ。子供連れで参加する予定の無かった人にとっては大した問題ではないのかも知れないが、そうとは知らずに子供連れで会場に着いた人にとっては一大事だった。親も子供も、どちらも一日を台無しにされてしまったからだ。TidBITS 読者の Evan Blonder から私に届いた嘆きのメールのタイトルにいわく「私は CreativePro から蹴り出された」ということだ。また、別の TidBITS 読者も、生まれて7週になる彼の娘がすやすやと眠っている抱き籠を胸に着けていたために、入場を拒否されたそうだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07279>(日本語)Macworld Expo New York 2003: 中身は濃厚

私は会場に到着してすぐ、ドアに「12 歳またはそれ以下の子供は展示フロアに入場できません」と大きく掲示してあるのを見て、Tonya が今年も Tristan と一緒に家に残る方を選んだという、我が幸運の星に感謝した。彼女は Tristan を連れて私と一緒に参加し、大勢の友達や業界の同僚たちと会ったり、私が旅先でどんな風に過ごしているのかを見たりもしたい、と迷っていたのだ。けれどもその幸運はさておき、実際この掲示は私にとって不意打ちだった。私は、今回は特に例の Apple と IDG World Expo の間の駆け引き騒ぎについて取材した後でもあり、普通の人たちよりもずっと注意深く細々とした発表にも目配りしてきたつもりだった。それなのに、この年齢制限条項の変更については、当日会場入り口での掲示を見るまで私には全く見聞きした覚えが無かったのだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06966>(日本語)<Apple と IDG World Expo が Macworld
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07127>
(日本語)Macworld Expo NY が Create に生まれ変わる
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07161>(日本語)旧 Macworld Expo NY が再び改名

私はこの問題について IDG World Expo の宣伝担当主任の Beth Wickenhiser に尋ねてみた。彼女は、一番最初の発表に伴っていた付帯条項書類には従前からと同じ極めて道理に叶った年齢条項、すなわち 16 歳以下の子供の入場には登録入場者の大人が同伴することが必要、5 歳未満の子供は入場無料、ただし危険防止のため歩行器や乳母車は入場禁止、という内容が盛り込まれていた、と認めた。しかしながら、彼女の言うところによれば「それ以後のすべての発表や、ウェブサイトでの記述、ならびに登録参加者に送られたお知らせの電子メールなど、すべてことごとく新しい年齢制限条項が明確に記述してあるし、またオンライン登録のためのフォームにはすべての参加者がこのイベントの付帯制限条項を了解し同意の上で参加することが要請されており、その付帯制限条項にははっきりとこの新しい年齢制限が記述してある」とのことだった。

<http://www.macworldexpo.com/macworld2003/V40/index.cvn>

私は過去の電子メールをチェックしてみた。(こういうことがあるので、私は決して Eudora で Trash を空にしないのだ。)1つのメールから、そのメールの一番最後のところにこの新しい年齢制限について書いてあるのが見つかった。これは、講演者としての私が友人や知人に送るようにと許可されたお知らせのメールだった。けれども、私の別のアドレスに送られた8通の他のメール、これらは私にショウへの参加を勧誘するものだったが、こちらには年齢制限のことは何も触れられていなかった。確かにウェブサイトには書かれていたかも知れないが、従来とは変更されて新しい制限条項になったという事実がきちんと目立つように書かれていなかったのは確かで、だからこそ私を含めて多くの人がその変更に気付かなかったのだ。

この年齢制限条項について意見をお持ちで、ショウの主催者たちにそれを伝えたいとお思いの方がおられるだろうか? ご意見は、 <[email protected]> 宛にメールで送るか、または 800-645-EXPO に電話することもできる。

いったい何故? -- これが私が Beth に一番尋ねたかった質問だ。これはいったい何故なのかと。すやすやと眠っている乳児を抱いた人がショウのフロアを歩き回っているかどうかということが、いったい IDG World Expo にとってどんな問題なのか、私には全然想像もつかなかった。ところが彼女の返答は私にとっては完全に意外なものだった。彼女はこう言ったのだ。「Macworld CreativePro Conference & Expo は、クリエイティブなプロフェッショナルのための教育的なイベントなのだから、出展者たちが期待する観客というのは、購買力を持った、プロフェッショナルの資格を持つ参加者だ。確かに 12 歳以下の子供でも Mac を使ったりいろいろなアプリケーションを使いこなしたりするのに堪能な者たちが大勢いるだろうが、それだけではこのショウの出展者たちが相手にすべきプロフェッショナルユーザーとは言えない。」

おいおい、いったい何を言っているんだ! 誰も、生まれて7週目の赤ん坊がハイエンドのプリンタについて専門的な質問をしたり、3-D モデリングソフトウェアの購入を真剣に検討したりできるなんて、思っているわけがないではないか。そうではなくて、その赤ん坊の父親が、IDG の言うところの「購買力を持った、プロフェッショナルの資格を持つ参加者」であって、もし会場内に入れてもらえたならばそういう質問をしていただろう、と言っているのだ。それに、もしも赤ん坊を連れた母親がプロフェッショナルなグラフィックデザイナーで、たまたま現在その子を母乳で育てていて一日中その子と離れ離れでいることができないとしたらどうするのだろうか? それに、Macworld New York の開かれている7月は、たいていの子供たちは学校が夏休みなので、フリーランサーや時間契約で働いている多くのクリエイティブなプロフェッショナルたちにとっては、子供の面倒を見ることが夏の間の生活の重要な一部分であることも多いのだ。今回の年齢制限が実際に意味するところが何かといえば、それは、子供の世話をしながら同時に自分のキャリアを保って働こうと苦闘している親たちには、何故か Macworld Expo に参加する資格が無いということなのだ。こういう人たちはメダルを贈られて皆から喝采を受ける資格こそあれ、差し出がましい妨害を受けるいわれは無いと思うのだが。

Evan Blonder からのメールにはこうあった。「私たち‘クリエイティブなプロフェッショナル’の中にも、ショウに参加するために一日休みを取っている人が多くいて、しかも子供を持っている人たちもいるのだ、ということを IDG World Expo はきちんと認識するべきだ。私たちは、CEO やデザイナーやアーティストであると同時に、父親や母親でもあるのだ。もちろん、私は8歳の娘を家に置いてくることもできたのだが、娘は行きたいと言ったのだ。去年のショウに一緒に行ってとても楽しかったので、あの子は今年も行きたいと思ったのだ。会場の入り口に来てから追い返されるというのは、実に嫌な気分にされるものだ。」私は、もう Macworld Magazine の購読も取り止めたいと言う Evan に返事を書いて、雑誌の Macworld Magazine は名前の使用ライセンスを得ている以外には一切 IDG World Expo 社とは関係ないし、ショウに対する関与も、影響力も全く持っていないのだから、と説得する羽目になってしまった。

Macworld Expo が主として大人のためのものであるということには、もちろん疑問の余地が無い。それに、今年はたぶんゲーム関連の展示を除けばとりたてて 13 歳未満の子供たちの興味を引くようなものはあまり無かったかも知れない。それにしても、いったい何故年齢制限の線を 13 歳ということにしたのだろうか? この点についても、Beth は同じ論調を続けた。「もちろん子供たちは一人一人違うだろうが、一般的に言ってティーンエイジャーになれば製品の購買力もあって展示フロアに呼ぶだけの価値があるはずだ。また、ショウの出展者たちもティーンエイジャーたちがあとほんの何年かでプロフェッショナルな顧客になるということを承知しているので、その分展示フロアに招き入れたいという動機が高くなる」と。それ程までに IDG World Expo が入場者を参加資格のある人たちだけに制限したいと望んでいるのならば、いっそ入場料金を大幅に値上げすれば良かったのではないだろうか。

事実、ここにはもっと大きな問題点が隠されている。私たち自身のプロフェッショナルな生活の中に自分の子供たちを巻き込んでいくことは、状況の許す限り積極的に奨励すべきものなのではないだろうか。なぜなら、そのことによって肯定的なロールモデルの形成が促され、親子の関係がより深まるからだ。子供たちが、仕事場で働く親の姿を一度も目にしたことがないとしたら、いったいどうやって子供たちに我々という人間を理解し、我々が何を喜びとして生きているかを知ってもらうことができるだろうか? このことの最高の実例と言えるのが、MacHack だ。MacHack では、数え切れないほどの人数の生徒たちが、彼らはほとんど例外なしに聡明で、積極的な、態度もきちんとした子供たちなのだが、こぞって Macintosh 世界における最高のプログラマーたちの何人かと一緒になって仕事に励むのだ。何も私は MacHack 自体が子供たちに良い影響を与えていると言っているのではない。私が言いたいのは、Jim Matthews (Fetch の作者)、Jon Gotow (Default Folder の作者)、その他何人もの有名な開発者たちが、自分自身のプロフェッショナルな生活の中に自分の子供たちを存分に取り込んでいて、子供たちが自ら MacHack のような機会を利用して親と一緒になって何かを成し遂げるという状況さえも実現させている、ということなのだ。自分が大人と一緒になって仕事をしたという経験と自信とが、後日子供たちが成長してから、きっと彼らの人生の後押しをしてくれる力になるはずだと、信じたいではないか。

私は何も IDG World Expo が“Bring Your Child to Macworld Expo Day”(子供と一緒に Macworld Expo に参加する日)のような企画をしろ、などと言っているわけではない。(もっとも、そういうものもあれば素晴しいとは思うが。)私はただ、今年の New York のショウで起こったような形で Macworld Expo から親たちを締め出すような行動にだけは、IDG World Expo は出るべきではなかったと言っているのだ。

今後のショウでは? -- San Francisco での Macworld Expo については、Macworld New York のようにクリエイティブ・プロフェッショナルに焦点を絞ったものにはなっていないので、従来の Macworld Expo と同じ年齢条項が引き続き San Francisco でも適用される、と Beth は確約してくれた。これは安心できるニュースだ。だから、子供のためにしろあなた自身のためにしろ、もしもあなたが子供連れでショウに参加したいと思っているなら、安心してこれまで通り入場することができると考えていてよいだろう。もちろん、今後制限条項が変更されるようなことが無ければ、という条件の下での話だが。

Beth によれば、それ以外の今後のイベントについては、どのような年齢制限になるのかはまだコメントするには早すぎるとのことだった。というわけで、今後このような年齢制限にかかる可能性があると思う人は、Macworld に参加登録をする前に、ぜひ忘れずに関係書類の中に小さい文字で書いてある部分を注意深く隅から隅まで読んでおくことをお勧めしたい。もしかしたら、その小さい文字が突然特大の文字になって会場入り口のドアに警備員の手によって貼り出されることになるかも知れないのだから。今回の New York で起こったことはまさにそれだったのだ。そしてもちろん、私も今後はこの種の方針変更がないかどうか、常に注意して目を光らせていたいと思う。スーツ・ネクタイ着用の会場に子供が入場禁止になっても誰も文句は言わないし、また例えば乱暴者のティーンエイジャーの一団がブースの展示をぶち壊したりした場合に急遽年齢制限が適用されたような場合には我慢しなければならないかも知れない。でも、これは Macworld なのだ。ここに居るのは、Macintosh コミュニティーの人々なのだ。これまで何年も私は Macworld Expo に参加してきたが、年齢制限で一斉に子供を入場禁止にしなければならない程の悪行は、私は一度も見たことが無い。今年のような事態はこれで最後にしてもらいたいと、皆で一緒に願おうではないか。

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どうして私が Mailsmith にスイッチしたか

文: Matt Neuburg <[email protected]>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>

[訳注: この Mailsmith というメイラーは日本語のメールを扱うことができず、Bare Bones Software 社も当面2バイト文字のメールをサポートする予定はないと言っていますことをご承知おき下さい。]

電子メールクライアントは犬のようなものだ。何故か? たとえば、その飼い主はいろいろなものを認めたがらない。運の悪い通行人が足の噛み跡から血を流しているのを目の当たりにしているにもかかわらず、飼い犬が噛んだことを認めない飼い主もいるのだ (そう、私はこの目でみたのだ)。さらに、犬とその飼い主はだんだん似通ってきて、相互依存の関係を作る。また、飼い主がどのような犬を選び好きになるか、誰も予想することができない。

同じように、あなたにはどの電子メールクライアントが合うのかは私にはわからない。あなたは今使っているプログラムに充分満足していることだろう。電子メールが生活の一部となった今、切り替えたときのトラブルや不安、リスクはとても大きく思える。それに加えて、私に合うものがあなたにも合うとは限らないことがある。しかし、これだけは言える。9 ヶ月程前のある日、長年使っていて支持もしていた Eudora の欠点に我慢できなくなった私は、Bare Bones Software 社の Mailsmith に乗り換えた。それ以降、また元の Eudora に戻ろうと思ったことはない。今でも自分のしたことにいくらか唖然とさせられている。たぶんそれを皆さんに説明することが自分自身に説明することにつながることだろう。あなたも Mailsmith を検討することになるかもしれない。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=00800>(日本語)私がまだ郵便局に住んでいる理由(あるいは、Eudora は生きている!)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07239>(日本語)メールは速やかに、確実でなけりゃ
<http://www.barebones.com/products/mailsmith/>

ここから先を読む必要があるか -- 電子メールクライアントを切り替える必要が出てくるということを脅威に感じることもあると思うので、ここから先を読む必要が無い理由をいくつかの挙げたい。もし IMAP サポートが必須なら、あるいは電子メールにテキスト以上のもの、HTML、format=flowed、あるいは画像などが電子メールクライアント内で表示されたほうが良いと思うなら、ここから先は読む必要がない。Mailsmith は IMAP をまったくサポートしていないし、テキストしか表示しない。送られてきた HTML や画像は容易に他のプログラムで開くことができるが、それらを Mailsmith の中で見ることはできない。自分はそれでまったく問題ない。自分にとって電子メールとはテキスト (と添付書類) だけで充分なのだ。もしあなたが画像や小さな文字、下線、引用を示す縦棒などを含むメッセージを見たいのなら、Mailsmith は適任ではない。

また、メッセージをデータベースに格納するというやりかたに納得できない場合も、ここで読むのをやめたほうが良い。実のところ私もそう思っている。電子メールは単なるテキストなのに、なぜデータベースにする必要があるのか? そしてそうすることによりファイルやデータのサイズが大きくなり何かあったときに元に戻せないという問題をどうするのだろうか? これは、Mailsmith を受け入れるために何とか押さえつけた偏見だった。自己分析を重ねれば私と同じように受け入れることができるだろう。

最後に、あなたが過去に捕らわれるタイプならこれ以上読むことはない。Mailsmith 1.0 が 1998 年春に初めてリリースされたとき少し試してみたが、すぐに手を引っ込めてしまった。詳しいことは覚えてないが、このプログラムは自分がどのように電子メールを使うか、さらにどのようにウインドウを使うのかをわかっていないようだとほとんど即座に結論付けた。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04860>(日本語)Eudora Internet Mail Server 2.1 がリリース

しかし、去年の 10 月に Mailsmith 1.5 を試したとき、以前とはまったく変わったことを実感した。このバージョンは私がどのようにメールを使うか、_完璧に_理解していた。私は 3 つの絶対不可欠な情報 - すべてのメールボックス、あるメールボックス内の全てのメッセージ、そしてあるメッセージの文章 - を 3 分割ウインドウ、メールボックスのリストが別々になった 2 つのウインドウ、あるいは 3 つの別々のウインドウで見られたのだ。送信者あるいは送信者とその他の受信者に対して返事を出すのは簡単。複数の署名も持てた。複数のサーバで設定をそれぞれ別個にでき、転送、回送、そして再送信もできる。添付書類のエンコード方法も 5 種類の中から選べ、メッセージを書き終えたあと、下書きとしてセーブしたり、送信待ちにしたり、即座に送信することが出来た。POP サーバを直接覗いて個々のメッセージを消去したりダウンロードすることもできた。簡単に言えば、Mailsmith がメールを扱う方法は素晴らしかったということだ。それに特別なパワフルさもあり、私はすぐにこれの大ファンとなった。

鉄壁の組み合わせ -- それでは、その特別なパワフルさとは何だろう? 私はその疑問に関しいろいろな考えを巡らせたが、大きく 3 つに分けられるだろうと結論付けた。それらがすべて合わさって Mailsmith のすばらしい優秀さと性質を形作っているのだ。以下に列挙してみる:

バージョン 2.0 のパワー -- 2002 年 10 月のことだが、私は Mailsmith 1.5 デモ版に実験的に移行してみた。作業自体は容易だった。4 日程使ってみたあと、知らない間にすっかり虜になっていたことに気が付き、Mailsmith をやめることなど考えられなくなっていた。それでも私は、他の人たちに自分の心変わりを告げるのは気が引けた。私は隠れ Mailsmith ユーザであったのだ。問題は、自分自身が Mailsmith 1.5 を他人に推薦できなかったことにある。このバージョンはインターフェースに特異なところがあったのだ。動作は遅く、処理待ちのまま止まってしまうことも多々あった。クラッシュすることも、一日に一回程度と際立って多かった。時にはデータまで壊れてしまうことあった。このようなことは言うべきではないのだろうが、残念ながら 1.5 の問題を抜きに 2.0 の良い点は語れない。

実際の話、2.0 は本当に良くなった。1.5 での問題は過去のものとなった。Bare Bones の社員たちは、プログラムを改訂するのにすばらしくプロフェッショナルな仕事をしたようだ。メニュー項目やインターフェースは使いやすくアレンジし直され、スレッドにも手を加えられ、全体的に高速化し、バグが徹底的に排除された。その結果、Mailsmith 2.0 はきびきびと動作し、動作はクリーンで使いやすく、そして信頼性が高くなった。Mailsmith 1.5 では強力さを手に入れる代わりに不便さも被っていたが、2.0 ではすべてにおいて満足している。

若干気になる点 -- Mailsmith で私がまだ述べていない注意を引く点はたくさんある。ドラッグ &ドロップのサポートは素晴らしく、コンテクストメニューに大いに役立っている。新しく統合された PGP (Pretty Good Privacy)も優秀である。Apple の Address Book を初めて使うようになったのも、これがサポートされたからだ。これは SpamSieve の“ホワイトリスト”として働き、送信先のアドレスを入力している最中のオートコンプリート機能でも使われる。検索は速い。Eudora 程ではないが、ほとんど同程度と言ってよい(Entourage とはまったく逆だ。私は一年ほど前に一週間程これに浮気したが、検索がナメクジのように遅く使うのをやめざるを得なかった。TidBITS-550 の“Entourage: グランドツアー”を参照)。他にも触れたい点はたくさんあるが、そうすると備わっている機能の一覧となってしまうので、これ以降は Mailsmithのウェブサイトを見て欲しい。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06139>(日本語)Entourage:グランドツアー
<http://www.barebones.com/products/mailsmith/features.shtml>

Mailsmith にはまだ私を満足させられないことがいくつかある。大きいメッセージを POP サーバに残すよう設定できるのだが、その際、メッセージの断片が受信簿に現れる。これを使って後で実際のメッセージを消去したりダウンロードできる。それ自体は素晴らしいのだが、いったんダウンロードしてしまうと断片が実際のメッセージと置き代わってしまい、オリジナルがまだサーバに残っていることを示すものがなくなってしまう。

メッセージの日付による並べ替えの動作は変だ。グロッサリーのエントリーや署名は特殊なプレースホルダーを示す項目を含むことができ、その値はメッセージが送信されるときに書き替わるが、このプレースホルダーの一覧や挿入のための便利なインターフェースが見当たらない。グロッサリー機能自身もまたぎこちない。Microsoft の Word のように、名前をタイプしただけでグロッサリー項目を挿入することが出来ない。良く使われる多くのシンプルな動作、例えばメッセージを消去すること、などが Undo で元に戻せない。

メッセージが含まれているメールボックスを移動するとき、そのメッセージが選択されない。メッセージの文脈を見ながらそうする必要があるのに、馬鹿げたことだ。Option-Command-Delete はゴミ箱に移動させる代わりにメッセージを完全に消去するが、Option を押しながら Delete ボタンを押しても消去されず、混乱してしまう。スペルチェックは備わっているが、みんなが望むようにインラインで動作するものではない。接続ウインドウはサーバとの接続状態を表示するものだが、これが時々見えないことがある。

結論 -- このように細かい問題はあるが、このバージョンの Mailsmith はプログラムを新しいカテゴリーへと導いている。Mailsmith 1.5 は、使えたものの不備があった。少数のコアなユーザはいたが、どちらかというと盲信的だった。Mailsmith 2.0 は、それとは違い、本当に素晴らしいプログラムであり、多くの注目を浴びることだろう。待った甲斐があった。気になるようであれば、もう一度、あるいは初めてかもしれないが Mailsmith を見てみると良いだろう。

Mailsmith は最低 Mac OS X 10.1.5 を必要とし、いくつかの機能は Mac OS X 10.2 Jaguar でないと動作しない。10.2.6 を強く推奨する。30 日間利用可能な 13 MB のデモ版があり、これはライセンスを購入すれば製品版になる。Mailsmith 2.0 の価格は 100 ドルで、アカデミックあるいはクロスアップグレード割引を利用すれば 20 ドルとなる。Mailsmith 1.5 ユーザは 2003 年 9月 15 日までは無料でアップグレード可能だ。バージョン 1.0 あるいは 1.1のユーザは 50 ドルでアップグレードできる。

<http://www.barebones.com/products/mailsmith/demo.shtml>
<http://www.barebones.com/store/ms_upgrades.shtml>

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TidBITS Talk/28-Jul-03 のホットな話題

文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: 湯本 敬<ymo@big.or.jp>

AirPort Extreme と 802.11g 装置 -- 802.11g規格のワイヤレス・ネットワークでアップル以外の製品を使用することについて最近の記事に喚起されて、読者達から色々な低価格無線 PC カードの経験談が寄せられた。 (5 コメント)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2018>

Safariのブックマークのインポートとエクスポート -- Safari は Internet Explorer や Netscape、Mozilla ブラウザーなどからブックマークをインポートすることができる。しかし、そのプロセスは常に簡単にというわけにはいかない。いくつかの問題点についてここで、チェックしてみて欲しい。(4 コメント)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2013>

画面をきれいにする -- ラップトップの LCD スクリーンあるいは他のアップル・モニターをきれいにするには、何が最も良い方法なのだろうか。いくつかの提案が出されたが、しかし、結論には到達しなかった。 (3 コメント)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2012>

iChat AV についての機能要求 -- iChat AV は完全ではない。しかし、このアップル製オーディオ・ビデオ・チャット用アプリケーションに、それが現在うまく働いている本来の機能から焦点をずらさないままで、新たに加えるべきものとしては、何がふさわしいのだろうか? (5 コメント)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2006>

iBook バッテリー問題 -- なぜある一部の iBook のバッテリーが Mac OS Xバージョン10.2のいくつかのアップデート版では、正しく充電されないのかという探求はまだ続いている。この進行中の議論では、数人の読者がバッテリーを交換させるにとに成功した報告をするとともに、リチウムイオンバッテリーの寿命を伸ばすことについての他のウエッブ・ページを指摘している。 (13 コメント)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=1999>


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA