TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#741/09-Aug-04

わが国では今が夏の真っ盛りで、Jonathan Jackel はドライブしたい気分で一杯、地図ソフトウェアの Route 66 でクルーズしてみるつもりだ。いっぽう Andrew Laurence はソファーにゆったりと座って Elgato 製のデジタルメディア機器、EyeHome を試してみている。ニュースの部では、Apple が Mac OS X 10.3.5 と Security Update 2004-08-09 をリリースし、Intuit は Quicken 2005 をリリース、Apple は iPhoto 4.0.2 をポストしたかと思えばすぐにそれを iPhoto 4.0.3 と入れ替え、また iData Pro が Mac OS X 用の iData 2 として復活した。今週の DealBITS では、DLexpo の無料 VIP パスが当たる!

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MailBITS/09-Aug-04

Apple、Mac OS X 10.3.5とSecurity Update 2004-08-09をリリース --月曜日の夜遅く、Appleはソフトウェア・アップデートを通じてMac OS X 10.3.5とSecurity Update 2004-08-09をリリースした。今号を出すすぐ前このアップデートの知らせを聞いたので何も確認を取れないが、重要と思われる改善点は以下のものだ(下記の一つ目のリンクはより完全なリリースノートである)。Mac OS X 10.3.5ではMailとImage Capureがアップデートされ、サードパーティ製アプリケーションとの互換性が向上、フォント管理の改善、対応FireWire/USBデバイスの追加、Apple Wireless Keyboard and MouseやBluetooth携帯電話のためのBluetoothの互換性の改善がなされた。複数のプラットホームのまざった環境で仕事をする人には、NTFSへのサポート向上がありがたい。また、高度にネットワーク化された環境にある人は、ユーザログインとホームディレクトリのマウントの信頼性の向上を見るだろう。Mac OS X 10.3.5は過去の独立したSecurity Updateも全てインストールし、またSafariがforward/backボタンを押した時にフォームを再送信してしまう問題、"Rose Attack"というTCP/IPベースのDoS攻撃に対処する修正が含まれている。10.3.5アップデートのサイズはどれをダウンロードする必要があるかによる。ソフトウェア・アップデートによると22.9MBだ。10.3.4を10.3.5に、あるいは任意のバージョンの10.3を10.3.5にアップデートするスタンドアロン版も間もなくApple Downloadsページに置かれるだろう。いつものことだが、主要なアップデートをインストールする前にはバックアップを取ろう。

<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=25791>(日本語)Mac OS X 10.3.5 Update について
<http://www.apple.com/support/downloads/>(日本語)ソフトウェアアップデート

Security Update 2004-08-09はPNG(Portable Network Graphics)フォーマットでのグラフィックの扱いに関するMac OS Xのコードを更新し、悪意のあるPNGイメージがアプリケーションをクラッシュさせたり任意のコードを実行したりする問題を防ぐ。Security Update 2004-08-09はMac OS X 10.3.5に含まれているので、Mac OS X 10.3.5にアップデートするつもりならこれをダウンロードする必要はない。[ACE](古川)

<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=61798>(日本語)Apple Security Updates

iData Pro、Cocoaに対応 -- iData Proは TidBITS-675(デジタル下駄箱:iData Pro X 1.0.5)で説明したように、私の長年のお気に入りのデジタル下駄箱、つまりごちゃごちゃしたテキストの断片の格納庫だ。このプログラムはCasady & Greeneから提供されていたが、2003年6月に店じまいした。配布元を失ったiDataの作者Mike Wrightは、それからすぐプログラムを気前よく配布し始めた。Mac OS 9(非Classic)では永久にフリーとなり、Mac OS Xでは試用期間6ヶ月のデモであったが、全機能が使え、8つのバグフィックス用アップデートのおかげで試用期間が切れずにすんだ。その間に、WrightはRobin Casadyとパートナーを組み、プログラムをCocoaで書き直し復活させた。この努力の結果がiData 2(現在バージョン2.0.2で、名前から意図的に"Pro"が外されている)だ。Cocoaで書き直されたことによって、スタイル付テキスト、Unicode、画像、サービス、スクロールホイールのサポート、音声読み上げ、スペルチェックなどのCocoaがフリーで提供するクールな機能や良い動作が得られる。使えそうな新機能は、ディスク上のどんなファイル/フォルダにもライブリンクを張ることができるというものだ。iData 2とiData 1.0.17はお互いのファイルを読み込むことができる。iData 2はまたinfoGenieやQuickDexファイルも読み込める。iData 2の価格は50ドルだ。ラベル印刷や高度なダイヤリングなど、iData 2に欠けているiData 1.0.17の機能は、次のメジャーアップデートで戻る予定で、その時価格は70ドルに値上げされる。30日間試用可能のデモがダウンロードできる(1MB)。iData 2にはMac OS X 10.3 Panther以降が必要だ。[MAN](古川)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07145> (日本語)デジタル下駄箱: iData Pro X 1.0.5
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07247>(日本語)Casady & Greene が閉店
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07276>
<http://www.idata2.com/>(日本語)iData Pro X 試用の機会

Envision 1.0がリリース -- Macでインターネットベースのスライドショーを行うソフト、Open Door NetworksのEnvisionを5月に紹介した。現在正式に発売され(実際は数週間前に出た。Macworld Expo期間中に発売されるソフトは見逃されがちだ)、新しい特に便利な機能が一つ追加された。Envisionのスライドショーの画像をMac OS Xのスクリーンセーバフォルダに使われるフォルダに保存する機能だ。Envisionは2004年8月15日までは15ドルで、その後の価格は50ドルとなる。30日間有効なバージョンがダウンロードできる(2.1MB)。デジタル写真立てがあなたの未来図に入るか試してみてほしい。[ACE](古川)

<http://www.opendoor.com/envision/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07678> (日本語)EnvisionでビジュアルにWebを見る

iPhoto 4.0.3がリリース -- 先週の初めにAppleはiPhoto 4.0.2をリリースしたが、ヨーロッパでiPhotoブックを注文しない限りは極めて小さなアップデートのようだった。また、スマートアルバムで複数のテキストルールを使用する場合の問題が解決され、新しいバージョンがある場合にユーザに知らせるようになった(おそらくソフトウェア・アップデートを使わない人のために)。ところが、週半ばにAppleは予告なしでこのアップデートを引っ込め、同じ新機能をうたうiPhoto 4.0.3が木曜日に現れた。新バージョンはiPhotoカタログの更新を必要とするので、アップデートする前に既存の写真をバックアップしておいた方が良いことに注意。このアップデートはソフトウェア・アップデート(7.1MB)かスタンドアロンのダウンロード(5.9MB)で入手できる。[JLC](古川)

<http://www.apple.com/ilife/iphoto/>(日本語)アップル - iLife - iPhoto
<http://www.apple.com/support/downloads/iphoto.html>(日本語)アップル - サポート - ダウンロード - iPhoto 4.0.3

Quicken 2005がリリース -- Intuitは金銭管理ソフトの最新版、Quicken 2005をリリースした。この新しいバージョンではさらなる金融機関へのサポート、スムーズな口座作成機能、iPhotoと連携した視覚的持ち物リストの作成機能が追加された。Quicken 2005 for Macは現在60ドルで、32MBのダウンロードあるいはパッケージ版で入手できる。[JLC](古川)

<http://www.quicken.com/quickensw/mac/>


DealBITS 抽選:DLexpoのフリーパス

文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 貞広正則 <msadahiro@peccom.com>

もしあなたがカリフォルニアのロングビーチから通勤できる距離に住んでいて、今週末(2004年8月13日から8月15日)に自由な時間があるならば、始まったばかりの新しいトレードショー、Digital Lifestyle Expo (DLexpo) を覗いてみるといいかもしれない。(もしロングビーチの近くに住んでいないか、今週末忙しいのであれば、9月後半にはニューヨークで、10月半ばにはジョージア州のアトランタで、DLexpo が開催されることを覚えておいてほしい。さらに、2005年には多くの他の都市での開催を検討中。)

<http://www.dlexpo.com/>

その名前から期待するように、DLexpo は主に Macintosh 中心のショーで、DVカメラ、Bluetooth 携帯電話、MP3 プレーヤー、プロ用オーディオ機器、そしてこれら全てのハードウェアを動かすソフトウェアなど、最新のデジタルツールを紹介してくれるだろう。数々のプレゼンテーションやワークショップが開かれる予定で、Apple からは QuickTime の製品マーケティング担当責任者である Rhonda Stratton がメインのプレゼンテーションをすることになっている。高い料金を取ってそれですべてをカバーする数多くのコンファレンスと違い、DLexpo はアラカルト方式を採用している。つまり参加者はショーフロアーには10ドル、土曜日と日曜日に開かれるシンポジューム・プレゼンテーションには100ドル(これはショーフロアの料金を含んでいる)、そして 土曜日と日曜日のワークショップには一日につき25ドル支払うことになる。このワークショップの講演者は Andy Ihnatko や David Pogue といった面々だ。59ドル出せば、DVcreators.net のJosh Mellicker が行う3.5時間の DV ワークショップが受けられたり、300ドルを出せば3.2メガピクセルの Nikon 3200 Coolpix カメラがもらえる、3時間のNikon Digital Camera Workshop を受けることもできる。アラカルト方式であるけれど、費用はかさむ可能性はある。そこで、今週の DealBITS 抽選だ。

DLexpo は5枚の VIP パスを用意していて、ショーフロア、土曜日と日曜日のシンポジューム、そして土曜日と日曜日のワークショップへは無料で入場できる。このパスは150ドルに相当する。フリーパスを勝ち取れなかった場合には、DLexpo はさらに全ての料金を大幅に下げる(学生や教育関係者にはさらなる)ディスカウントを用意してある。そこで、もし行きたいと考えているならば、ぜひ奮って下記リンクの DealBITS ページで応募して頂きたい。その際、ページに記された応募のルールをよく読んでそれに同意してから応募されたい。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。最後に一言: ご自分のスパムフィルターに注意されたい。当選したかどうかをお知らせする私のアドレスからのメールを、あなたに受け取って頂くのだから。DLexpo の開催までは間がないので、2004年8月11日、水曜日の夜、11:59 PM(Pacific) に、DealBITS くじを終了させる予定だ。そして翌日の朝には勝者とディスカウント・コードをメールでお知らせする。DLexpo への参加登録はいつでも可能で、ショーが始まった後でも登録することができる。

<http://www.tidbits.com/dealbits/dlexpo.html>
<http://www.tidbits.com/about/privacy.html>(日本語)TidBITS プライバシー規約

[訳注: 応募期間は 8 月 11 日までで、残念ながら日本語訳は間に合いませんでした。すみません。この週末にある DLexpo の入場券ですので、今回は早く締め切られてしまいました。]


EyeHome: これがほぼ理想... いやまだ遠い

文: Andrew Laurence <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私には夢がある。いや、本当に単純な夢なのだ。

私の夢は、私のデジタルメディアを、音楽もムービーも写真もすべて、ゆったりしたソファーに座って本格オーディオのスピーカーと大画面のテレビに囲まれた、そんなホームシアターシステムで楽しめるようにしてくれる機器があれば、ということだ。TiVo のお陰で、私は放送局のテレビ番組スケジュールの制約から解放された。(TidBITS-594の記事“TiVo: 時間をずらせばそこに自由が”を参照。)次に私は、物理的メディアの制約から私を解放してくれるような機器が欲しいのだ。私は、自分の音楽コレクションがずっと流れ続けるようになって欲しい。私の母が来てくれた時には、コンピュータのモニタと格闘せずに彼女の孫のデジタル写真をたっぷりと見せてあげたい。家に友達が集まった時には、何時間も続く赤ん坊のビデオ映像でみんなをうんざりさせてみたい。それからもう一つ、たぶんこれが一番重要な願いだろうと思うが、私をお手上げにさせないようなリモコンを一度は使ってみたい。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1204> (日本語)TiVo: 時間をずらせばそこに自由が(第1部)|TiVo:時間をずらせばそこに自由が(第2部)|TiVo をアップグレード |TiVo Series2 初代に改良を加える

この夢が、ほとんど実現したのではないかと思えて、そのあと一歩にじらされる思いになるのが Elgato Systems から出ている EyeHome だ。仕様書を読む限りでは、ほとんどすべてのことができるように見える。MP3、AIFF、それに保護のかかっていない AAC ファイルも、ステレオでプレイできる。iTunes のプレイリストもサポートしていて、アルバム・アーティスト・曲名でブラウズできる。JPEG、GIF、PNG、それに BMP の画像イメージファイルはテレビ画面に表示でき、iPhoto のアルバムやスライドショウも使える。また、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、それに DiVX のムービーファイルもテレビ画面で再生できる。シンプルな環境設定パネルがあって、これはあなたの Mac 上の Java ベースのサーバーソフトウェアを動かし、その存在の疎通は Rendezvous 経由で行なわれる。EyeHome 自体は小さな銀色の箱状のもので、あなたの Mac へは Ethernet で、あなたのテレビその他へは RCA、S-Video、あるいはオプティカル S/PDIF ジャックで、それぞれ接続される。(ワイヤレスネットワークがある場合は例えば Linksys WET11 や NetGear ME101 のような 802.11b/g ブリッジを使うこともできる。)

<http://www.elgato.com/index.php?file=products_eyehome>
<http://www.linksys.com/products/product.asp?grid=33&scid=36&prid=602>
<http://www.netgear.com/products/details/ME101.php>

細かい点に目を凝らす -- 実際問題として、EyeHome は主張していることが全部できるようだ。セットアップもインストールも、何の問題もない。ソフトウェアをただインストールして、機器を接続して電源を入れるだけだ。あなたの Mac を(複数台の Mac であっても)Rendezvous 経由で見つけてくれ、それだけ! あなたの写真もムービーも音楽も、たちどころにすべてテレビ画面やハイファイのステレオで楽しめるようになる。

iPhoto のフォトアルバムは、iPhoto 内で現われるのと同じ順序で表示される。個々の写真を見ることも、アルバムをスライドショウとして表示させることもできる。パーティーの最中、私は赤ん坊の写真をランダムなスライドショウとしてテレビ画面に表示させた。これは手頃な会話のきっかけとなってくれた。(その上、赤ん坊本人がずっと寝入っていても、客たちが赤ん坊の成長の様子を実感できる良い材料ともなった。)

iTunes Library からは、曲でもアルバムでもプレイリストでもすべて再生できる。ただ、EyeHome の Music セクションはライブラリ中の階層の移動が思うように行ってくれなかった。Artist で Aretha Franklin に行けば、彼女のアルバムのリストへ行くと思っていたところ、実際には曲目リストへ行ってしまった。また、Genre で Jazz に行けばアーティストのリストが現われて欲しいが、実際にはここでも曲目リストになってしまう。

EyeHome は iTunes で既存のプレイリストに限定されていて、その場で改めてプレイリストを作ることはできない。私は既に Slim Devices の SlimServer ソフトウェアでその豊かな自由度を味わっているので、この iTunes 専用という仕様は自由が縛られているように感じてしまう。その場で作るプレイリストは一度使い出せばもうやめられない。それに比べて、EyeHome の Java ソフトウェアはとてものろのろしたものに感じられる。(TidBITS-726 の記事“良いノリは Squeezebox から”を参照。)説明書によれば EyeHome はインターネットラジオ放送も聴けるとのことだったが、私はどうやってもその機能をうまく動かすことができなかった。

<http://www.slimdevices.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07637>(日本語)良いノリは Squeezebox から

私はまだ DV 映像を互換フォーマットに変換して試してみてはいないが、いくつかダウンロードした映像についてテストしてみた限りでは、ビデオ映像の再生もうまくできているようだ。画質については、これはそのファイルのビデオフォーマットによって大きく左右される。ファイルに多くの情報が保存されていればいる程、画質は良くなる。MPEG-1 は粗い感じに見え、MPEG-4 や DiVX はかなり素晴しい出来映えに見えることもある。デジタルビデオについていつも言えることではあるが、使用するコーデックによって画質が大きく違うこともある。私はいくつかの DiVX ファイルで問題に遭遇したが、私の試した MPEG ファイルはすべてうまく動作した。

<http://www.archive.org/movies/details-db.php?id=5269>

(この EyeHome はウェブのブラウズもできるが、私はこの機能にはあまり魅力を感じない。テレビ画面でウェブを見るのは WebTV ではうまくいかなかったし、ホテルの部屋では全く使えず、かと言って私の自宅にはラップトップコンピュータにブロードバンド接続があるのでわざわざ使う気にもなれない。)

インターフェイスに注目する -- けれども、私の夢を実現してくれるかに見えた EyeHome も、そのお粗末なインターフェイスと、小さなボタンと分かりにくいアイコンのリモコンのために、台無しになってしまっている。

コンピュータの画面を NTSC テレビ画面に出力すると、その際の画像は 640×480 ピクセルでしか提供されない。現代のコンピューティング標準から見ればあまりにも小さすぎる画面だ。家電では止むを得ないこの制限に直面して TiVo が選んだ方法は、シンプルな縦方向のリストを表示して項目を選択させるというものだった。項目を1つ選べば画面が切り替わって新しいオプションのリストが表示されるようになるわけだ。この TiVo のインターフェイスはとても分かりやすく、すっきりしていて、しかも現時点でするべき作業だけに焦点が絞れている。これと対照的に、Elgato の選んだ方法は、この限られたスペースの中に何と3個のペインのインターフェイスを押し込むというものだった。画面の左側には大きなテキストボタンが並んでいて、主な機能のそれぞれに対応している。EyeTV、Movies、Music、Photos、Internet、Services というボタンだ。(一番上にある EyeTV ボタンは非常に苛立たしい。これは EyeTV 機器が無ければ何の役にも立たないのに、動かしたり削除したりもできないからだ。)画面の右側は選択された分野のコンテンツをブラウズするのに使われ、メディア再生用の小さなソフトボタンが上辺に沿って並んでいる。

ちょっとごちゃごちゃしているけれど、これなら十分シンプルだと思われるだろうか。けれども、実際に使ってみると、使い心地は最悪だ。このインターフェイスをナビゲートするには、リモコンに付いている小さな方向ボタンを使う。画面上のボタンが選択されている時、そのボタンは青い長方形の枠で囲まれる。ところが、大きなメディアボタンのどれかが有効な時は、そのボタンがアクア調の青い水玉となって表示され、そのボタンを選択しようとしてクリックすると、長方形の枠が消えてしまうのだ! つまり、どの項目が現在選択されているのかが、突然全く分からなくなってしまう。

さらに使い続けていくと、混迷の度はますます深まる。リモコンで Select を押すと、カーソルが選択された領域(例えば Music としよう)に移動する。ここにリストされている各項目は、同じく丸みのある青い水玉で区切られている。カーソルをどれかの項目の上に動かすと、やはりそのテキストが青い長方形の枠で囲まれるが、これが唯一、自分の視線をどこに合わせるべきかの手掛かりなのだ。リスト画面にビジュアルなハイライト表示は無く、左側の Music ボタンは相変わらず大きくてやたら目立つ青い水玉のままで、私の視線を肝心のコンテンツ画面から逸らそうとするばかりだ。

リスト画面の内容が一画面分よりも多い場合には、次の画面へ行くボタンがリストの下の端にではなく、リストの上部に現われる。Down を押し続けてリストを移動してきた時(あるいは例えば何か選択を済ませた後で別の画面に移動したい時)次の画面に行くためには必ず Up を何度も押して上のほうにあるボタンにまで行かなければならない。TiVo 風の「ページ」によるスクロール可能リストにすれば、どんなに便利になるだろうかと思う。

いろいろな場面で、再生オプションのソフトボタン(Search、Back、Play All、Random)が画面の上部に現われる。これらのボタンは黒地に白のアイコンで示され、ここで使われるフォントは他のどのボタンのテキストとも違う。(ひょっとしたらただフォントのサイズが小さいだけなのかもしれない。NTSC ビデオの画面で見ているだけなので文字書体の細かい点までは分からない。)これらのボタンだけ見た目が違うというのも、また一つの不整合な点だ。それに、Search ボタンを押すとシンプルなテキスト入力フィールドが現われるのだが、このフィールドは入力用にハイライト表示されていない。ハイライト表示されているのは、あのいまいましい EyeTV ボタンだ! ため息をつきながら入力するのだが、それにはまず Right ボタンを押してから、携帯電話でするのと同じように数字ボタンを複数タップして文字を入力しなけらばならない。煩わしいことこの上ないのだ。(ここでも、TiVo ならば画面上にアルファベット一覧が出て矢印キーで選択できるという使い易さだ。)

品質の「フィーリング」というのは定義が難しい判断基準だが、この EyeHome のインターフェイスはとにかくお粗末なものだ。ナビゲーションのフィーリングはまるでウェブブラウザでいくつものフィールドをタブ切り替えし続けているかのようだ。これは実は驚くには当たらない。と言うのはこれが実際ウェブブラウザだからだ。このブラウザは TCP port 8000 を使ってあなたの Mac にアクセスする。Mac 上の EyeHome ソフトウェアは、Apache ウェブサーバに Tomcat Java アプリケーションサーバを組み合わせたものだ。どうやら EyeHome は OEM デジタルメディア供給者の Syabas からテクノロジーのライセンスを受けているものらしい。この機器のウェブブラウザは自分自身を“Syabas”と称しており、サーバの .jar ファイル名も“syabas.”で始まっている。これ以外に Syabas のライセンスを受けている製品としては、D-Link Wireless Media Player や Neuston MC500 などがあるようだ。

<http://www.syabas.com/solutions_myihome.html>
<http://www.syabas.com/solutions_myibox.html>
<http://www.dlink.com/products/?pid=318>
<http://www.neuston.com/en/mc500.asp>

まとめて言えば、自分のデジタル写真をテレビ画面で見られるという便利さは優れ物だし、あっという間にデジタルムービーにダイヤルアップできるのも素晴しい。音楽の再生は一応動作するが、Slim Devices の Squeezebox で使われている SlimServer ソフトウェアと比べれば見劣りがする。インターフェイスの不便ささえ我慢できるならば、この EyeHome はかなり使う価値があると言えるだろう。価格は $250 で、Elgato Systems から直接、あるいはいろいろなオンラインディーラーからも入手できる。

[Andrew Laurence は、理想のホームシアター用デジタル・ハブを求めての探索を今もまだ続けている。正直なところ、この分野の今の状況は、iPod が登場する以前の MP3 プレイヤーの状況と似たところがある。うむむ...]


Route 66 で行こう

文: Jonathan Jackel <[email protected]>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@earthlink.net>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私はずっと地図が好きだった。小さな町の気の利いた名前、州ごとに違う色(どうしてルイジアナ州はピンクなのだろう?)、そして目的地までのさまざまな行き方。地図なら何時間見ていても飽きない。

ロサンゼルスで育った私には、Thomas Brothers 社の地図が相棒だった。ここの地図は何百ページものボリュームがあり、それぞれのページは約 70 平方マイルをカバーしている。通りの名前を索引から探し出し、地図でその住所を見つけ、ルートを書き入れたりしていたものだ。

<http://www.thomas.com/>

当然ながら、最近は多くの人が MapQuest、MSN's Maps、Yahoo Maps、あるいはTopoZone などのオンライン地図あるいはナビゲーションサービスなどを使っていることだろう。地形図や人口、さらには衛星写真さえも提供しているサイトもいくつかある。

<http://www.mapquest.com/>
<http://www.mapblast.com/>
<http://maps.yahoo.com/>
<http://www.topozone.com/>
<http://tiger.census.gov/cgi-bin/mapbrowse-tbl>
<http://terraserver.homeadvisor.msn.com/default.aspx>

でも、もし Mac OS X で (インターネット接続無しに) 国内全部をカバーしている地図ソフトをお望みなら、この時点で選択肢は一つしかない。それはオランダ Geographic Information Systems BV 社発行の Route 66 だ。同社はヨーロッパ、カナダ、そして米国向けの地図ソフトを販売しているが、ここで私がレビューしているのは米国/カナダが一つになったパッケージである。(この他に唯一 National Geographic 社が Mac 用に地図ソフトを販売している。これは地形図が主だが、同社は道程を計画するのにも使えると述べている。)

<http://www.66.com/>

インターネットを使えば無料で地図やナビが使えるのに、どうして地図ソフトを買う必要があるのだろうか? 以下に理由をいくつか列挙する:

Route 66 は、これらのことをすべてこなす。いくつかは驚くほどうまく動作するが、そうでもないものもいくつかある。時々距離が不正確だったり住所の場所が間違っていたりしたが、このような地図ソフトで悩みの種であろう。また、道程を表示するフォーマットが奇妙な形式になっているのも気になった。しかし、印刷した地図は信じられないほど高品質だ。

残念ながら、私には Route 66 を使う理由が一つ無くなってしまった。Route 66 の GPS 機能がどうしても動作してくれなかったのだ。理論的には NMEA-0183 v2.0 プロトコルに準拠している GPS ユニットならどれでも動くはずだし、最近のものはすべて程度の差はあれ NMEA 互換を謳っているはずだ。しかし、Route 66 で互換性のある Navman GPS e Series を試してみても動作しなかった。もしあなたが Mac で GPS を使っているのなら、どこのメーカーやモデルが良いか是非お教え願いたい。

それでも Route 66 はとても便利だと思う。Route 66 のウインドウは一つだけで、これが検索、地図表示、そして定義済み中間地点表示のためのエリアにわかれており、最後のものは中間地点を結ぶルートを示している。ツールバーではズーム、選択、距離計測、場所の情報、画鋲アイコンで場所をブックマーク、そしてルート設定のため中間地点を指定するためなどのツールが選べるようになっている。

ルート検索 -- 検索エリアは玉手箱のようだ。住所を入力すれば地図が出てくる。地図だけではない。時にはその住所にある会社のリストがいくつか示されることもある。Sun Microsystems 社のオフィスが私のビルにあったと知ったときにはビックリした。こういった驚きは、紙の地図では味わえないものだ。

店舗あるいは企業名でも検索ができる。私の主治医の名前を入力すれば、住所と場所を示す地図に加えて電話番号と専門分野も分かる。自宅周辺の地図を表示後、半径 5 マイル以内の医者のリストを作成するよう Route 66 に指示することもできる。Route 66 はまた、すべての医者を地図上に赤十字アイコンで表示したり、指定した半径を表示するために地図の倍率を変更することも可能だ。

この機能を使いこなすにはある程度経験が必要だ。一番近い銀行はどれだろう?Apple Store は? (残念ながら Route 66 データベースには Apple Store はほんの一部しか登録されていない) 7-Eleven から CompUSA まで、多数のショップが独自のアイコンで表示され、これを印刷あるいは画面上で見るときに表示するのか隠すのかを決められる。礼拝所を検索したとき、自宅周辺の 3 マイルに 9 つの教会があるのが分かった。残念ながら、ユダヤ教会堂でもモスクでも礼拝所はすべて十字架のロゴで表示されている。なんてことだ!“失礼”はオランダ語で何というのだろう?

この検索機能には弱点がある。もしワシントン DC の典型的な住所、例えば1500 H St NW を入力すると、ワシントンの通りすべてが表示されるだろう。どうやら“Washington”も含め H を含むものすべてが該当してしまうようだ。

ルート設定が基本 -- ルート設定は簡単だ。場所を画鋲アイコンで指定しておけば (このようにしていくつでもブックマークを作成しておくことができる) Route 66 に対してそれを出発点として設定し、どの場所でも (あるいは地図上の道ならどこでも) 終点と定義できる。Route 66 は自動的に、そしてとても素早くその二点間のルートを見つける。“通行止め”を設定することにより、特定の道路を使わなくすることもできる。これは、一方通行の道で逆方向へナビしたり、あるいは詳細の分からない交差点で左折させてしまう MapQuest に比べて一歩抜きんでている。何ヶ所か立ち寄る場所を指定して、速度、距離、あるいは料金毎に最適なルート設定を探すことも可能だ。

しかし、会話型ナービゲーション機能は少し奇妙に聞こえるし長すぎだ。私は次のような省略した形が好みだ。

W Apple Ridge Rd. 0.25
R Watkins Mill Rd 0.90
B/C Neelsville Church Rd

私には、これは「Apple Ridge Road を西に 4 分の 1 マイル走る。Watkins Mill Road で右折。0.9 マイル行くと、Neelsville Church Road だ。」となる。車や自転車に乗っているときは、次の目標物とどれくらい先で道を曲がるかが一目でわかるだけで充分だ。

Route 66 は、これとは逆にとても雄弁だ。

(開始) Apple Ridge Rd (Montgomery Village) を南西に向かう。1,330 フィート行った後 Watkins Mill Rd に向かって右折し Watkins Mill Rd を 1,330フィート。0.9 マイル直進後、Neelsville Church Rd と変わる。

「簡潔なルート説明を使う」オプションがオンでこれである。上記の文章には、隠したりアレンジすることが不可能な Route 66 のカラムもまったく含まれていない。ここで、Route 66 が 1,330 フィートを 4 分の 1 マイル (1,360フィート) に丸めることができないことに注目してほしい。ユーザーが精度を選ぶことはできない。個人的にはフィートよりもマイルの方が何百倍も好きだ。普通ではないフレーズ (誰が通りに“向かって”曲がる?) は「これは翻訳された文章だ」と言っているようだが、何はともあれ米国やカナダ向けの商品にしてはおかしく聞こえてしまう。

X マークはドンピシャリとはいかない -- Route 66 の - いやどんなコンピュータ化された地図でも一緒だが - 最悪のことはそのデータが正確かどうか確かでないことである。そこで非科学的ではあるが私なりのテストをしてみた。いくつかの州で私が過去に行ったことのある地点を試してみたのである。Route 66 のデータでは、大体三回に一回は何らかの奇妙な不具合に遭遇した。

全般に Route 66 のデータは MapQuest のものより少々劣るようである。自分のコンピュータに地図ソフトウェアを持つことの欠点の一つは、その出版社がアップデートしていくのが Web サイトよりはるかに難しいことである。私はいつでもコンピュータ化された道案内は多少割引して聞くようにしているがRoute 66 もその例外ではないということである。

Route 66 を自転車で -- 私が地図ソフトウェアを買うことに個人的に興味を持つ理由は自転車乗りの計画作りの助けとするためである。旅を計画する時、とりわけ新しい地域では、曲がらなければならない角と次の曲がる角までの距離の簡潔なリストが欲しいものである。これは "キューシート" と呼ばれるものである。 私の経験からすると正確なキューシートがあると確信が持てる度合いが違う。というのも常に距離計を見ていれば来すぎたのかまだ先なのかがはっきり分かるからである。しかしながらキューシートを作るのは結構大変な作業を要する。かなりの精度で計測をするには紙の地図を広げて小さな測距輪で辿っていく作業を何回か繰り返さないといけないのである。

<http://www.epinions.com/Brunton_MM10602_Digital_Map_Measurer_Outdoor_Electronics/display_~reviews>

私の望みは、Route 66 がこのキューシートを作り出してくれて、ついでに曲がり角毎の地図も出してくれるというものであった。最低でも、私のルートの距離は正確に測ってくれることを望んでいた。

結果的には多くの試行錯誤が必要だったが、今では半ばきちんとした結果が出せる所まで来た。鍵はルートを注意深く選んで Route 66 の限界をよく頭に入れておくことである。もし森の真ん中に目標地点を定めようと思っても、Route 66 は最寄のストリートアドレスを使ってしまうのでハイキングの計画を作るのはあきらめた方がいい。Route 66 には道路の交差点という概念すらない;従って交差点から場所を探すことは出来ない。一方で、キューシートは交差点の集合といってよい:この道を X マイル行って、Y Road との交差点を右折する。"10305 Z Street 迄行って右折する" とは言わないのであるが、Route 66 はこの様に考えるのである。

実用的な妥協案は、交差点の真ん中に画鋲を立ててそれに名前付けるのである。例えば "Warfield/Dorsey" の様に。その後で "Dorsey Warfield" という検索をかければ、Route 66 はその画鋲を見つけてくれる。計画を立てるにはルートに沿って曲がり角毎に画鋲を立てていくのである。その上で画鋲を使ってルートを決めていく。注意しなければいけないのは、この画鋲は通る順に加えていかなければいけないことと、そして次の画鋲を(最初のものは除いて)"最終" 目標地点とすることである。もし作業中に間違ってしまったら、ドラッグして正しい位置に移してやればよい。

もう一つの鍵は反心理学の応用である:通る全ての交差点を教えていくのではなく、自分の行きたいルートを選ぶよう Route 66 をたぶらかしてみようとするのである。Route 66 は、短い距離の中で多くの曲がりするようきっちりと指定していくと後戻りをしてとんでもない距離を出してくる傾向がある。

もし目標地点の数を出来るだけ少なくして Route 66 により多くのルート選択をさせてやるようにすると、距離計算も安定してきて正確さもまあまあとなる。付け加えれば、道順と曲がり角毎の地図はもっと分かりやすい。というのも余分の後戻りはないからである。大体二つの目標地点と、そして障害点を一つ追加するぐらいが、Route 66 があなたの欲するルートをプロットするのに必要なものである。目標地点間にいくつもの曲がり角がある場合でもこの方がいい結果が出やすい。

Route 66 のかっこいい機能として、ある目標地点から指定の距離内にある給油所と商店をリストアップし、そのロゴを地図上に表示するというのがある。PowerBar が欲しくなった場合でも次のはどの辺にあるかの大体の見当は付けられる。Route 66 はこの検索を全ルートに対してやれるといっているが、その検索にはあまりの時間がかかるので忍耐の限度を超えてしまい本当に出来るのか私自身見たことはない。

Route 66 が紙の地図に較べて勝っている他の点に標高情報がついている事がある。地図の上では全ての道路は平らである。自転車ではそうはいかない。行ったことがない所にいく場合、地形が自分の能力の範囲内かどうか分かればありがたい。Route 66 を使えばある特定の地点或いは通りの標高情報を得るのは比較的易しいが、更にルート全体について高所と低所も示してくれれば嬉しい。

自分のルート沿いに全ての目標地点を追加し終えれば、道順案内の中にも画鋲の名前として示され至って好都合である - そのルートを保存して再度開くまでは。こうしてしまうと Route 66 は全てをストリート番号アドレスに変換してしまう。これでは自転車クラブの仲間にもおかしく見えてしまうであろう。道順案内を理解できる姿にするには保存する前に自分のルートを印刷しておかなければならない。Route 66 から道順をエクスポートする方法はない。Print Preview 経由での PDF として以外は。道順案内に手を加えたいという場合は自分で再タイプするしかない (もっとも Adobe Acrobat のフルバージョンを持っていれば別だが; PDF2Office ではただ台無しにしてしまうだけである)。

インターフェイスとツール -- ユーザーインターフェイスは全般的に改良の余地がたくさんある。「最近使った項目」というメニュー項目が無い上に、私が最後に訪れたディレクトリを全く覚えてくれない唯一の Mac OS X アプリケーションが Route 66 だ。保存してあるルートファイルを開こうと思う度に、自分のホームディレクトリから始めなければならない。

ズームインやズームアウトなど、どのツールも全然キーボードショートカットが付いていない。カーソル位置の正確な住所を表示してくれる“info”ツールを使っている時は、ズームしたり、中間地点を指定したり画鋲を立てたり、あるいは“通行止め”を設定したりすることは、ツールの切り替えなしにはできない。そして、ツールの切り替えをするためには、ツールバーにまで手を伸ばすか、あるいは Control-クリックをするかしかない。ツールパレットでもあれば移動距離が少なくて済むだろうが、もちろんキーボードショートカットがあれば最高だろう。

そうは言っても、このズームツールはかなり賢い。ちょうど iPhoto で写真の一部をクロップするように、長方形をドラッグしてからズームすればその長方形が拡大されてウィンドウのマップ領域一杯の大きさになる。数ブロック程度のサイズまでズームインしてから、それぞれの道路に“info”ツールを使うこともできる。それぞれの住所はツールチップとして表示される。ルーラツールで直線距離を測れるし、緯度と経度(それぞれ 1 度の 100 分の 1 の精度まで)や標高(10 フィートまでの精度というが、あなたのパイロット免許を賭けられる程信用はできない)も表示される。

しかしながら、素早くズームアウトしたくてもその方法が無い。最大スケール(1:2,300、つまり 1 インチが 192 フィートにあたる)から最小スケール(1:84,000,000、つまり 1 が 1,326 マイル)にまで行くのに 25 回以上もクリックしなければならない。幸いなことに、スケール表示部分はドロップダウン・メニューにもなっていて、ここで地図のカバーする面積(例えば 2 マイル平方など)を選んだり、州などを表示するように指定したりもできる。

私にとってもっと深刻な問題なのは、どうにも調子の悪いヘルプシステムだ。ユーザーたちが何かの問題を解決したいと思った時に行くこの場所こそ、まさにソフトウェア出版者としては問題が起こるのを最も避けたいと思う場所に他ならないだろうに。Route 66 のヘルプは単純な HTML ベースで、Windows から移植したものだ。(小さな紫のブックアイコンに至るまで同じで、これらは私が Safari 1.2 をインストールしたとたんに正しくレンダリングできなくなった。)Safari の側からは、Route 66 のヘルプ検索ボックスにタイプすることはできない。幸いなことに、ペーストはできる。回避法として、Google 検索フィールドにタイプし、それをコピーして Route 66 の検索ボックスにペーストすればよい。Internet Explorer 5.2 ならば動いてくれるが、この場合は Safari の一般設定を使ってデフォルトのブラウザを設定し直さなければならない。

このヘルプシステムによれば、電話番号で場所を検索することができるというが、少なくとも私にはうまく行かなかった。実際、私がそれを試した時には、Route 66 は何の警告もなく終了してしまった。「Route 66 は予想できない理由により終了しました」というようなメッセージさえも出なかった。

最後に、印刷関係のオプションはたくさんある。ただ、ちょっと分かりにくいとも言える。(印刷ダイアログの“Copies and Pages”ポップアップメニューに隠された“Route 66”項目を選ばねばならない。)道程のみを印刷したり、道程にあなたの指定した曲がり角ごとにその付近の地図を付け加えたり、あるいは全行程の概観図を加えたりすることもできる。行程情報とは無関係に地図だけを印刷したりコピーしたりもできる。「地図を分離」する機能もあるが、これは AAA の TripTiks(こちらは行程各部の拡大地図を複数の薄紙に印刷してくれる)のような、私の期待した機能には及びもつかなかった。基本的に、これは各ページの概観地図が出るだけだ。

結局、改良して欲しい部分はたくさん残っているが、それでもローエンドの市場にこのような Mac 互換のソフトウェアを積極的にリリースしてくれたことで、Geographic Information Systems BV 社は賞賛に値すると思う。Route 66 の価格は $35 と、とてもお買い得だ。もう少し労力をつぎ込み、人々がさまざまの目的のためにどんな風に地図を使うのかについて注意を払ってもらいさえすれば、きっと Route 66 は第一級の製品に成長することもできるだろうと思う。

[Jonathan Jackel は Washington, DC の郊外にあたる Maryland 州に住み、自転車乗りで地図が大好きだ。]

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TidBITS Talk/09-Aug-04 のホットな話題

文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

各話題の下の2つ目のリンクは、私たちの Web Crossing サーバに繋がる。こちらの方がずっと高速だが、まだ望ましいデザインに改良できる所にまでは至っていない。

<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/>

RealNetworks 対 iTunes -- RealNetworks は、Apple の FairPlay DRM システムを回避する道を追及することで、他種の保護された音楽ファイルを iPod で再生できるようにしようとしている。読者たちが、RealNetworks がこの方法を採った理由について推論する。(メッセージ数 5)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2282>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/146>

Web Crossing より、もっと自由なものは? -- TidBITS がますますそのバックエンドとして Web Crossing を採用し続けている今(特にごく最近の ExtraBITS ウェブログもあって)人々はもっと Web Crossing について知りたい、また他に代替品はないのか、と思い巡らせている。(メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2283>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/147>

iTunes ネットワークでの音楽サーバにかかわる法律的諸問題 -- 会社が従業員のためにネットワーク上で音楽サーバをホストするのは違法だろうか? (メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2284>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/148>


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