2005 年にようこそ! Macworld Expo を目前にして心を弾ませながら、私たちはこの新年第一号にさまざまの Mac 関係のニュースや情報を集めてみた。Apple は新しい Xserve をリリースし、Xsan の出荷を始めている。Boingo もついに Mac ユーザ向けのサービスを開始した。古くから人気の Graphing Calculator も Mac OS X 版が出た。また、2005 年の初めにあたって私たちのメインのメーリングリストが移行を終え、新しいシステムで動き出した。Adam が詳しく報告する。最後に、Matt Neuburg はいくつかのランダムサウンドユーティリティに耳を傾け、Omni Group が OmniWeb 5.1 をリリースし、Macworld Expo 関係のイベントもあといくつかお知らせする。
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アジアの津波犠牲者を助けよう -- 地震とそれによる津波によって失われた命と損害に心を痛めている。被害を被った何百万の人々、特にこれらの国々にいる私たちの読者に思いをはせる。しかし、ここでさらに重要なこととして、これまで以上の死亡者が出ないよう、食料や安全な飲料水、衣料、衛生などの日常生活の基盤を復興するために活動している支援組織のどこかに寄付するようにお願いしたい。詳細な情報と寄付サイトへのリンクは Google のスマトラ地震・津波 関連情報や CNN の Aid Group ページをご覧いただきたい。私たちの願いは、世界中の個人、機関、政府が一致して、この災害によって被災した人々を助けるために、行動することだ。これは恐ろしい災害ではあるけれども、少なくとも悪意やイデオロギーとは無縁な原因で起こったのだから。[ACE](笠原)
(日本語)<http://www.google.com/tsunami_relief.html>
<http://www.cnn.com/2004/WORLD/asiapcf/12/27/quake.aidsites/>
Circus Ponies Software が TidBITS のスポンサーになった -- 2005年はCircus Ponies が我々のスポンサーになってくれることによって、アップテンポなメロディに乗って始まった。私は、2003年の中頃から、彼らの NoteBookに頼り切ってきた。その頃、私は to-do リストを作らなければならならなかった (TidBITS-745の「よく使い込んだ NoteBook」参照) 。そのときから、NoteBook は、情報の断片や憶えておかなければならないことのリスト、稀にしか発生しないので憶えておけないようなしかし複雑な業務のやり方の貯蔵庫として私の Mac の定番となった。それとはまた別に、私が NoteBook を使う理由には、Circus Ponies の Jayson Adams と Elizabeth Statmore がバグレポートや指摘に対して実によく対応してくれたことがある。これはどんなプログラムについても重要なことだと私は考えている。Circus Ponies は2003 年から NoteBook for Mac OS X を開発してきただけだが、このプログラムのルーツは NextStep にまで遡ることができる。このようなプログラムが現在にまで生き残っているのを見ることは素晴らしい。もし、あなたが情報の貯蔵庫を探しているなら、ぜひ、NoteBook の 30 日デモ版をお試しいただきたい。フルバージョンは $50 だ。 [ACE](笠原)
<http://www.circusponies.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07803>(日本語)よく使い込んだ NoteBook
Nisus Software が TidBITS のスポンサーに -- NoteBook が新しい会社の古いプログラムなら Nisus Writer Express は古い会社の新しいプログラムだ。Nisus Software は20周年を迎えた。その旗艦は Nisus Writer Expressというプログラムだ。これは、TidBITS の発足当時からずっと信頼して使ってきた Nisus Writer の旧バージョンを完全に書き直したものだ。私たちは次世代 CMS によってクラシックモードで走る Nisus Writer からの独立を手助けされるはずだ。その暁には、Nisus Writer Express が、ライティングとテキストプロセッシングツールとの組合せと最も注目すべき Document Manager によって、最も使われるワードプロセッサとなる最有力候補だ。それは、あなたが書き物を始めるときに仕事の保存について心配しなくてもよくしてくれ、リアルタイムに参照できる無償の Nisus Thesaurus や文書と選択範囲の統計の分かり易い表示やプロのライターにとって不可欠な様々なものを提供してくれる小さなプログラムだ。私の使った限りでは、これまでに試したどの新しいワードプロセッサーより良くできていた。もしあなたが Microsoft Word は自分の用途に対して過剰だと感じると同時に TextEdit は不足だというのなら、Nisus Writer Express はチェックに値するだろう。それは $60 で、試用期間30 日の試用版も用意されている。 [ACE](笠原)
<http://www.nisus.com/Express/>(日本語)ナイサス・ライター・エクスプレス
<http://www.nisus.com/Thesaurus/>
Adam が 5 位入賞! -- 恒例の MDJ Power 25 の審査が終了し、業界関係者の投票により TidBITS の出版者の Adam Engst が Macintosh 業界で最も影響力のある人の 5 位に選ばれた。これにより Adam は 5 回連続で上位 5 名に入るという高得票を集めたことになる。しかも、Adam は、上位 5 名のなかで、 Apple Computer で働いていない唯一の受賞者だ。過去数年、 MDJ Power 25 は Apple の役員や従業員に好意的な態度を示してきた。CEO のSteve Jobs、副社長の Tim Cook、ソフトウェア技術担当副社長 Bertrand Serlet、工業デザイン担当副社長 Jonathan Ive が上位4位までの座を占めているのを始め、25 名中 14 名が Apple で占められている。しかしながら、2004年のリストはサプライズがなかったわけではない。Apple の事実上のナンバー 2 のTim Cook は 2002 年と 2003 年にはランクに入っていなかった。Wall Street Journal の技術系コラムニストの Walt Mossberg が 7 位へとランクアップしている。Macworld 誌の編集長である Jason Snell 「赤丸急上昇」で 11 位にジャンプアップした。他に驚くべきは、 Avie Tevanian が10位に落ちていること (これは Bertrand Serlet が入ったことが大きいだろう。) Apple の Phil Schiller が今年はリスト入りしなかったこと。そして、サードパーティの開発関係者としてわずかに座を獲得したのは Microsoft (Bill Gates とMacBU 部門マネージャーの Roz Ho) と Allume の Jonathan Kahn のみだった。 [GD](笠原)
<http://www.macjournals.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1246>(日本語)
我らがナンバー 2!|TidBITS の出版者 Adam Engst が MDJ Power 25 で第3位に|
TidBITS の出版者 Adam Engst が MDJ Power 25 で第4位に|
http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07775| (日本語)パワフルなウェブブラウザ: OmniWeb 5.0
OmniWeb 5.1 出荷 -- Omni Group は、フル機能のウェブ・ブラウザーのアップデート版である OmniWeb 5.1 をリリースした (TidBITS-742の「パワフルなウェブブラウザ: OmniWeb 5.0」を参照)。このバージョンでは、多くの修正が施されているが、最も注目すべきは Apple の WebCore レンダリング・エンジンを組み込んでパフォーマンスとレンダリング互換性を改善したことだ(OmniWeb は、Safari にも使われている、Apple の WebCore フレームワーク上で作られている)。 OmniWeb 5.1 は、現行バージョンの登録ユーザーには無償でアップデートされ、新規登録は $30 。5. 0 以前のバージョンからのアップグレードは $10 になる。機能制限なしの 30 日間デモ版が 5.9 MB のダウンロードして提供されている。 [JLC]] (笠原)
<http://www.omnigroup.com/applications/omniweb/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07775>
<http://www.omnigroup.com/applications/omniweb/releasenotes/>
Macworld Expo SF 2005 関係のパーティー -- 数年前のように贅沢三味のMacworld Expo パーティーが次々と繰り広げられるというようなことはなくなってしまったが、今年のショウにおいても Mac ファンたちが集まって楽しめる機会がいくつかある。Adam と私は今回は講演などの予定がぎっしりという状態だ( TidBITS-760 の記事“Macworld Expo SF 2005 イベント”で、私たちの居る時間と場所をご覧頂きたい)が、あと二つほど追加のイベントをお知らせしておきたい。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07933>(日本語)Macworld Expo SF 2005 イベント
2005 年 1 月 11 日の火曜日にある“Party for the People”には、どなたでもお越しくださいということになっている。これは Parc 55 Hotel の Piazza Lounge で午後 8 時に始まる。それからもう一つ、恒例の第 19 回 Netters Dinner も忘れてはならない。こちらは 2005 年 1 月 13 日の木曜日だ。Hunan レストランでホットでスパイシーな料理の値段が $18 で、現在受け付け中だ。(先月の記事でお知らせした時にはまだ受け付けが始まっていなかった。)例年通り、上記を含めたいろいろな行事についての最新情報は、Hess Memorial Macworld Expo SF 2005 Events List ページで確認して頂きたい。皆さん、会場でお会いしましょう! [JLC](永田)
<http://www.shadovitz.com/partyforthepeople05/>
<http://www.seanet.com/~jonpugh/nettersdinner.html>
<http://www.ilenesmachine.com/partylist.shtml>
Nisus Writer Express 2.1.1 リリース -- Nisus Software 社から最近、Nisus Writer Express のバージョン 2.1.1 がリリースされた。ますますパワフルになって行く、同社の Mac OS X 用ワードプロセッサだ。バージョン 2.1 ではスクロールや検索、タイピング、書類のオープンなどの速度を向上させることに重点が置かれたが、今回のバージョン 2.1.1 ではバグの修正に焦点が絞られた。クラッシュに関係するバグが多数修正されたほか、Paste As Text Only の改良、上付き文字テキストの前後でスペルチェック正確度の向上、Word 書類から読み込まれたスタイルの名前が崩れていた点の修正なども施された。全体的に見て、このバージョン 2.1.1 ではプログラムそのものの感触がかなりしっかりして、以前のバージョンよりも頼れる感じになったと思う。長めの TidBITS 記事の原稿を編集するのに、私はますますこのプログラムを使うようになってきた。Nisus Writer Express 2.1.1 は、以前のバージョンの Nisus Writer Express のオーナーには無料のアップデートで、新規購入ならば $60、Nisus Writer Classic 6.0.x からのアップグレード価格は $45 となっている。(CD 版を購入する場合はすべての価格が $5 増しとなる。)アップデートは 21.3 MB のダウンロードだ。[ACE](永田)
<http://www.nisus.com/Express/>(日本語)ナイサス・ライター・エクスプレス
<http://www.nisus.com/Express/releasenotes.php/>
DealBITS 抽選: GarageSale の当選者 -- 先週の DealBITS 抽選で当選し、iwascoding.com の GarageSale を受け取ることになったのは、mac.com の Tim Williams、hemostat.com の Jim McElligot、multirater.com の Keith Rettig の3名だ。おめでとう! 残念ながら当選しなかった皆さんも、2005 年 1 月 17 日までの期間、GarageSale の購入価格が 20% 割引(シングルユーザーライセンスが $19.99、ファミリーパックライセンスが $35.99)となる。下記の3つ目のリンクで注文すれば、TidBITS 読者の皆さんならばどなたでも割り引きが受けられる。応募して下さった 1,114 人の皆さん、どうもありがとう。また今後の DealBITS 抽選もお楽しみに! [ACE](永田)
<http://www.iwascoding.com/GarageSale/>
<http://www.tidbits.com/dealbits/iwascoding/>
<http://order.kagi.com/?3W91&lang=en>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07931>(日本語)DealBITS 抽選: GarageSale
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
2004 年 12 月 31 日に、私はこの TidBITS(英語版)の購読者すべてのリストを、ListSTAR 1.2 の走る古びた我が Power Mac 7100(このシステムに最後に大きなアップデートを施したのは 1997 年のことだった)から、Web Crossing の走る新品のデュアルプロセッサ Xserve へと移行させた。Web Crossing は静的ならびに動的なウェブページのサーバとなり、ハイ・パフォーマンスのオブジェクト指向データベースを提供し、通常のメールとメーリングリストのメール双方を含む私たちのすべてのメールを一手に管理し、その他さまざまのことをしてくれる。(但し、3個ある TidBITS 翻訳版配布用メーリングリストだけはまだ移行を済ませておらず、これからその作業をしなければならない。)
[訳者注: TidBITS 日本語版を配布するメーリングリストも、まだ移行が実施されていませんので、下記リンク #760 号の記事で説明された移行の手続きもまだこれからです。予定通りに進まずすみません。もう少しお待ち下さい。]
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07930> (日本語)すべての購読者の方々へ重要なお知らせ: メーリングリストの移行
全般的には、この移行はスムーズに行った。ただ、送られた「ようこそ」メッセージが不着で返送されてくる量が予想よりもかなり多かった。これは、従来メールアドレスを追跡するために私たちが採っていた方法が回りくどいものだったからだろう。また、年末休暇の期間中を選んだことで、休暇中不在の自動返送メッセージも多数(ほぼ 400 通)あった。お陰で、私は以前よりもほんのちょっと皆さんとお近づきになれたような気がする。それから、一番驚かされたのは、いろいろな challenge-response リクエストが返ってきたことだった。少なくとも 10 個の異なったシステムからのリクエストで、合計は 125 通ほどもあった。普段私はこうした challenge-response リクエストを受け取ることはほとんどないので、余計に驚かされたわけだ。通常は challenge-response メールには一切返答しないというのが私たちのポリシーだが、今回だけはこの原則を破って、すべてのリクエストにいちいち手で返事を書いた。私たちの新しいシステムに移行するにあたって、それに伴う混乱をできるだけ減らしたいという思いがあったからだ。何はともあれ、私はこの challenge-response システムなるものの有効性について、強い強い意見を持つようになった! でも、それを語るのはまた別の機会にしよう。
多かった混乱の種を解説 -- 言うまでもなく、多少の混乱はやはり起こった。一つの理由は、すべての人々がいつも丁寧に TidBITS を読んでいるわけではないということで、移行のことが寝耳に水だった人もあった。これだけは対策の立てようもない。でも、そういう理由以外にも、いくつか混乱の種となった点も見られたので、ここでそれらの点を少し説明させて頂きたい。
自分用のパスワード付き TidBITS アカウントが勝手に作られたことが非常に気に障って、いったいなぜそんなことが必要なのか、と抗議の声を挙げた人たちがいた。一番主な理由は、読者の方々が電子メールアドレスを変更するのを手助けしたり、古いアドレスが放棄されている状態からメーリングリストを大掃除したりといった作業に、これまで私たちが多大な時間と手間を掛けてこなければならなかったということだ。私たちのチームは本当に少人数のスタッフでやっているので、誰もが自分で簡単にできるような事務的作業のために不必要に時間を割く余裕はない。実際、そもそもこのことが、サーバソフトウェアとして私が Web Crossing を選んだ元々の理由の一つだったのだ。Web Crossing は、ユーザアカウントの諸機能が完備している。だから、例えば読者のあなたが電子メールアドレスを変更したいと思ったら、あなたがご自分のアカウントでその手続きができ、しかもその変更の結果がたちどころに TidBITS や Take Control 関係のすべてのメーリングリストで一斉に有効になる。もしもあなたが電子メールアドレスの変更などしたくないとおっしゃるならば、そういうあなたは一切 TidBITS アカウントにログインして頂く必要は無い。たとえ後日そうする必要が出てきたとしても、その場合はその時になってからいつでも新しいパスワードをリクエストすることができる。
Web Crossing のページに表示される環境設定のインターフェイスですっかり混乱してしまった人たちも数多くいた。もちろんこれは理想的なインターフェイスではないし、見て美しいとはとても言えない。でも、私たちの Account Help ページ(下記リンク)に書いてある指示をそのまま辿って使って頂ければ、トラブルには遭遇しないはずだと思う。環境設定ページをデザインし直すのは私の作業予定リストに確かに入っているし、Web Crossing の中でこういうことが長年インターフェイスの改良課題として取り上げてこられなかったのも事実なので、改善の手を入れる必要があるということははっきりしている。
<http://www.tidbits.com/about/account-help.html>
何人かの人は、二種類の異なった購読用インターフェイスがあるように見えるという事実に困惑させられてしまった。それはこういうことだ。TidBITS Subscriptions ページの方は、以前のサーバからそのまま新しいサーバに持ってきた。これはなかなか良いインターフェイスだし、どの電子メールアドレスについて手続きすべきかをあなたがきちんと認識している限り、購読開始・購読中止のどちらの手続きにも使いやすいからだ。けれども、これはやはり、このページを使って手続きする際にすべていちいち電子メールによる確認を伴わなければならないという、「愚鈍な」フォームだ。電子メールによる確認は、誰かが勝手に他人の購読情報をいじってしまうことを防止するために必要なのだ。そこで、もう一つのインターフェイス、Manage Subscriptions ページが登場する。Web Crossing は、このページをあなた個人の TidBITS アカウント環境設定の一部として、動的かつ自動的に管理するのだ。このページには、あなたが既に購読しているメーリングリストがリストされていて、新しいメッセージがあなたにどのようにして知らされるべきかを、それぞれあなたが変更できるようになっている。というわけで、どちらのページを使っても購読中止の手続きはできる。けれども、新しくメーリングリストに購読を開始するのに使えるのは TidBITS Subscriptions ページの方だけだ。この二重性を単純化したいとは思うのだが、なかなか良い考えが思い浮かばない。アカウントを持っていない人が購読手続きのできる公開ページも必要だし、一方ではシステムがあなたの人格を特定してくれて、あなたが便利に購読情報の管理ができるようになるのも有難い。いずれ、私がもっと Web Crossing の思考パターンに馴染んでいけば、より良いアプローチを思いつくこともあるだろうと期待している。
<http://www.tidbits.com/about/list.html>
今述べた混乱は、私たちが TidBITS の購読を四種類の異なった方法でしているということをご存じでない人々があるという事実によって、さらに悪化させられている。テキスト版、HTML 版、テキスト告知版、HTML 告知版の四種類だ。[訳者注: 四種類の購読があるのは英語版の TidBITS のみです。日本語版は、ウェブサイト経由ならば HTML 版、テキスト版、ハンドヘルド版(MeDoc 版)がご利用になれますが、メール購読はテキスト版一種類のみです。]これら四種類の購読ごとに、それぞれ別々のメーリングリストがある。圧倒的多数の購読者が使っているのがテキスト版の購読で、これは TidBITS の各号の内容全体を 7-bit ASCII テキストとして受け取るものだ。HTML 版購読は、TidBITS の各号の内容全体を最小限の HTML でフォーマットしたものを受け取るもので、HTML メールをサポートした電子メールプログラムで読めばきれいに見える。それに対して、比較的少数の人たちが購読しているのが、テキストまたは HTML の告知リストだ。毎週各号の内容全体を受け取るのではなく、号の内容の要約と記事タイトルのリストに、私たちのサイトにある記事データベースへのリンクが付けてあるものを受け取るのだ。もしもあなたが現在受け取っておられるものとは別の種類を試してみたいと思われるならば、TidBITS Subscriptions ページを使って購読開始の手続きをして頂きたい。但し、その際間違いなくあなたが現在 TidBITS アカウントでお使いのメールアドレスを使って手続きして頂くようにお願いしたい。(もしも別の電子メールアドレスで購読すれば、結局あなたの TidBITS アカウントが二つできてしまうことになるのだから。)
<http://www.tidbits.com/about/list.html>
もっと道を平らかに -- こうしたシステム移行は、どうしても完璧にスムーズに進むという訳には行かない。けれども全体としては、今回の移行はかなりうまく行ったと思う。まだ残っている数ヵ国語の TidBITS 翻訳版配布用のメーリングリストの移行作業を終えたら、その後でいよいよ私はコンテンツ管理システムそのものについて集中して考えてみたいと思う。システムの中断などの支障はできるだけ最小限にとどめたいとは願っているが、こうしたことには何が起こるかわからないものなので、どうかこのサーバ移行の件に関しては、寛大な気持ちで私たちの作業を見守って頂ければと思う。
文: Mark H. Anbinder <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
サンフランシスコの Macworld Expo の冒頭を飾る Steve Jobs の基調講演のお膳立てをしようというのだろうか、Apple は先週、Xserve ラックマウントサーバの新機種ラインアップと、待ちに待ったストレージエリア・ネットワーク製品の Xsan が出荷されたことを合わせて発表した。
<http://www.apple.com/pr/library/2005/jan/04xserve.html>(日本語)アップル、Xserve G5をアップグレード
<http://www.apple.com/pr/library/2005/jan/04xsan.html>(日本語)アップル、Xsanストレージエリアネットワークファイルシステムを出荷
トップ機種の Xserve G5 はデュアル 2.3 GHz PowerPC G5 プロセッサと 1.15 GHz のフロントサイドシステムバスを装備し、Apple はこれを 1U ラックマウントサーバとしては業界最速のものと謳っている。シングルプロセッサの 2.0 GHz G5 機種も引き続き販売される。従来の Xserve G5 は、シングルプロセッサおよびデュアルプロセッサの両方とも 2.0 GHz G5 という構成であった。
<http://www.apple.com/xserve/>(日本語)アップル - Xserve G5
バージニア工科大学 Terascale Computing Facility 所長の Srinidhi Varadarajan は、アップグレードされて 2.3 GHz Xserve で構成されるようになった同校のスーパーコンピュータ・クラスタについて、「1,100 台の Xserve から成るこのクラスタは、毎秒 12.25 兆回以上の演算を達成し、初代システムのパフォーマンスと比較して 20% 以上の演算速度向上となった」と語った。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07542>(日本語)スーパーコンピュータの速度でお手軽にノスタルジーを
<http://www.tcf.vt.edu/>
今回の新しい Xserve は3個までの 400 GB ドライブモジュールをサポートし、最大 1.2 TB(テラバイト)までの内部ストレージ容量を提供する。シングル 2.0 GHz の Xserve の価格は $3,000 で、デュアル 2.3 GHz 機種の価格は $4,000 となる。これら2機種と、クラスタ用に最適化された $3,000 の機種、の3種類が即時入手可能となる。最初の2機種は Mac OS X Server の無制限のクライアントライセンスを含んでおり、個数無制限の Mac、Windows、Linux クライアント機をサーバに接続することができる。クラスタ用の機種には 10 個のクライアントのライセンスが付いている。
それと同時に、Apple はストレージエリア・ネットワークソリューションの Xsan を出荷開始したことを発表した。これは去年 4 月に April が NAB で発表した、ハイパフォーマンスのクラスタファイルシステムだ。(TidBITS-727の記事“Apple がプロ・ビデオ界の注目を NAB する”を参照。)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07647> (日本語)Apple がプロ・ビデオ界の注目を NAB する
<http://www.apple.com/xsan/>(日本語)アップル - Xsan
このソフトウェアはクライアントまたはサーバノードあたり $1,000 で販売され、ネットワーク上最大 64 個までのシステムがファイルを共有できてボリューム容量の合計は最大 16 TB となる。これらが共有ストレージの読み書きを同時実行できる。Xsan は G4 または G5 ベースの Xserve か Power Mac コンピュータで Mac OS X 10.3 または Mac OS X Server 10.3 を走らせているもの、あるいは Xserve RAID ストレージユニットとも動作する。ファイバーチャンネルマルチパス(2台のファイバーチャンネルコンピュータを使ってコンピュータを SAN に接続する)を使えば、Xsan で理論上最大 400 MBps のスループットが得られる。
文: Glenn Fleishman <[email protected]>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>
Boingo Wireless がついに、何千もの有料ワイヤレス 802.11b ホットスポットに接続するための Mac OS X クライアントソフトウェアをリリースした。Boingo は、何十ものネットワークが提供する有料ホットスポットを1つのユーザアカウントに集積するアグレゲータだ。加入者は1つのログインアカウントを使い、料金は1回接続するごとに支払うか1月ごとに支払うかだ。1日8 ドルまたは1月 22 ドルで無制限に使える。あなたが旅行する先で接続しなければならなくなるかもしれないネットワークのすべてにアカウントを作るよりも、Boingo に加入したほうがはるかに安い。
<http://www.boingo.com/boingo_for_macintosh.html>
Adam と私は、Boingo が始まって以来のファンだ。私たちは、Boingo が 3年前に名乗りをあげてからというもの、創設者であり、Adam の古い友人、またEarthLink の創設者でもある Sky Dayton に対して、Mac バージョンをつくるよう働きかけてきた。これだけ遅くなってしまった理由については、話せば長い話があるのだが、重要なことは、待ち時間は終わったということだ。
Boing のオンライン案内板を使って、あなたがどこで接続できるかを調べることができる。Boingo の集積ネットワークには、Wayport が提供するおよそ1000 のホテルや空港のすべてを含む、数千のホットスポットがある。Boingoは新しい契約を次々と結んでおり、今年はこの数が大幅に増加すると見込まれる。また、米国外のホットスポットもどんどん増えているから、海外旅行のときにも役に立つだろう。
<http://www.boingo.com/search.html>
有料のホットスポットでは、ネットワークにログインするためのスタンダードがほとんどない(そして同じスタンダードに従うネットワークもほとんどない)ので、クライアントソフトウェアが重要になる。このクライアントは、見えないところで認証の処理をする。つまり、慎重かつ安全に立ち回ってユーザ名とパスワードを送信し、アカウントを常にアクティブにし、ユーザがネットワークにつながっているようにするのだ。
時間無制限のサービスに申し込むときに、PDLST0419 というコードを使うと、最初の1ヶ月が無料になる。Boingo のクライアントソフトウェアは Mac OS 10.2.8 以降で動く。それ以前のバージョンの Mac OS X 10.2 では、別にSafari をインストールする必要がある。
Boingo には契約期間はなく、月々の使用を停止してもキャンセル料は発生しない。それと比べて、T-Mobile で解約料のかからない月ごとの時間無制限プランは、1月 40 ドルもする。だから、旅行でホットスポットを使う必要がある期間だけ Boingo に加入しても、何の問題もない。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
どんなソフトウェアにも、物語は付いてまわるものだ。けれども私の見るところ、Graphing Calculator にまつわる物語ほど奇想天外なものは他にないと思う。Graphing Calculator(グラフ計算機)は、初めての PowerPC ベースの Mac に装備されて出荷されて以来、ずっと Mac OS 8 にもバンドルされ続け、Mac OS 9 にもバージョン 1.3 が付属していた。その物語をここで私が繰り返して書くのは差し控えよう。なぜなら、Graphing Calculator の中心的な開発者である Ron Avitzur が、既に素晴しい文章を公開してくれているからだ。下記リンクでどうぞお読み頂きたい。[訳者注: そのページは英語ですが、その物語のあらましを紹介した日本語ページもいくつかあります。例えば Hotwired の記事をご覧下さい。]ごく簡単に要点をまとめると、Graphing Calculator は Ron と、もう一人の開発者 Greg Robbins(私たちがシアトルに住んでいた時、Greg の家は私たちの家からほんの数マイルのところにあった)の二人が、二人とも Apple 社を解雇された後に協力して書き上げたソフトウェアだった。でもこの物語が面白いのは、解雇された後も二人が毎日 Apple 社に通って、以前の社員証とオフィスを使い続けたという所だ。Graphing Calculator の誕生の物語は、いわゆる「スカンクワークス」[訳者注: 会社がボツにしたプロジェクトを個人的に進め続けること]の究極の形とも言えるだろう。完成した最後の最後の段階に至るまで、Graphing Calculator は内緒の存在であり続け、公式なところはこれっぽっちも無かったのだが、それにもかかわらず完成品のソフトウェア Graphing Calculator(グラフ計算機)は二千万台もの Mac に付属して出荷され、世界中の数知れぬ学生や生徒たちが数学のわくわくする世界に目を開かれるのを助けてきたのだった。[訳者注: これは個人的な意見ですが、理科系の大学一年生なら、グラフ計算機で二変数関数 z = f(x,y) のグラフを描いて遊ぶのは絶対必須だと思います。]
<http://www.pacifict.com/Story/>
さて、この Graphing Calculator の物語に、今回新しい章が始まった。Ron が、彼の会社である Pacific Tech 社から、Mac OS X 用のバージョン、Graphing Calculator 3.5 をつい最近リリースしたのだ。Pacific Tech 社は、Apple 社が無料バージョンをバンドルさせているその同じプログラムの、より高度なバージョンを販売している。興味深いことに、このプログラムを Mac OS X 用にポートする作業の大部分を担当したのは Marco Piovanelli だった。Marco といえば、数え切れないほどの種類の Macintosh プログラムに使用されている WASTE テキストエンジンの作者として最も有名なプログラマーだ。もちろん、この Graphing Calculator 自身も WASTE を使用している。
<http://www.merzwaren.com/waste/>
私自身は数学にあまり自信がないし、数学を学んでいたのも遥か昔のことなので、このプログラムの数学的な価値についてどうこう言うことはできない。けれどもこのプログラムの機能のリストをざっと見ただけで、こんな私にもこれが相当に凄いものであることがわかる。例えば単純な方程式から複素数の方程式まで、2次元、3次元、さらには4次元まででグラフが描ける。同じグラフの上の複数の方程式も扱える。さらには、方程式の中の一つのパラメータを選んでその値を一定の範囲の中で動かし、その値が変化するにつれてグラフの形がどう変わって行くかをアニメーションで表示することさえできる。数多くの実例やデモが内蔵されていて、このプログラムにどんなことができるのかが一目でわかるようになっており、下記リンクの Complex Functions(複素関数)ページでは、かなり本格的に高度な数学機能を示したスクリーンショットも見られる。Ron が冗談めかして私に語ってくれた言葉によれば、「複素数変数の関数を4次元空間でビジュアル化する助けになる。これこそ、中学一年生全員に必須のことだよ!」
<http://www.pacifict.com/>
<http://www.pacifict.com/ComplexFunctions.html>
どんな方程式でも Graphing Calculator 独自のフォーマットで保存できるのはもちろんだが、それ以外に RTF フォーマット(方程式とグラフとが画像として保存される)で保存して他のプログラムに読み込ませたり、HTML フォーマットで保存してウェブにポストしたり、QuickTime ムービーフォーマットで保存して方程式のアニメーションを見せたりすることもできる。また、グラフの見栄えを変更したり、説明のテキストボックスを加えたり、方程式を印刷したりもできる。それから、無料の Graphing Calculator Viewer プログラムもあって、すべての Graphing Calculator 書類を表示させたり操作したりできる(ただしタイプして書き込むことはできない)ので、これを便利なデモ版として使うこともできる。
<http://www.pacifict.com/FreeStuff.html>
このプログラムの以前のバージョンは、これまでずっと世界中の数学教師たちの間で人気を博してきた。何と言ってもこの使いやすさがあるので、非常に抽象的な数学概念を生徒たちが自分でビジュアル化できるからだ。“Learning Math with Graphing Calculator”というワークブックも内蔵されている(ヘルプメニューにある)ので、このプログラムを使ってもっと深く数学を勉強するにはどうすればよいかが自分で探検しながら自然とわかるようになっている。
<http://www.pacifict.com/Books.html>
もしもあなたがちょっとでも数学に興味があるなら、または誰かに数学を教える立場の人なら、この Mac OS X 用新バージョンの Graphing Calculator を、ぜひ一度試してみるとよい。機能の限定された無料バージョンの Mac OS 9 用 Graphing Calculator 1.3 と Mac OS X 用 Graphing Calculator 1.4 もダウンロードできる。完全装備の機能が欲しいならば、Mac OS X 10.3.6 かそれ以降用の Graphing Calculator 3.5 があり、学生、教師、またはその家族ならば $60 で、学生証を示せる学生用で一台のマシンのみで使えるバージョンは $40 で、それ以外の人は皆 $100 で、購入できる。Mac OS 9 用、Windows 用のバージョンも、それぞれ同じ値段で購入できる。
<http://www.pacifict.com/Order.html>
<http://www.PacificT.com/StudentDiscount.html>
文: Matt Neuburg <[email protected]>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>
私のことを変わり者と呼んでほしい。いや、頼まなくても、そうしたくなるだろう。私は、自分のコンピュータに、ランダムノイズを作らせたくなるときがあるのだ。なぜかというと、私が仕事で、コンピュータを使って書き物をしているときは、静寂がいやなのだ。私にとって、集中を保ち、気を散らすような周囲の自然的または人工的な雑音をかき消すためには、バックグラウンドで常に音が鳴っているのがよい。しかし、その音に、人間の声が含まれていてはいけない。ラジオやテレビではだめなのだ。Terry Gross や Car Talk のような番組がかかっていて、軽妙な話し声が聞こえてくれば、仕事は手に付かず、そっちを聴いてしまう。同じことが音楽にもあてはまる。私は、多くの人と違って、音楽を聞き流すことができない。バックグラウンドで音楽が流れているというのは、私にはあり得ないのだ。それは私がクラシックのトレーニングを受けたせいかも知れない。自分でもよく分からないが、とにかく、音楽が流れてくれば、私はそれを聴いてしまう。ちなみに、この現象は、コンビニやレストランで、有線放送のような「イージーリスニング」がかかっていたり、似非音楽の濫用が行われているときには、特に問題となる。私はそれを聴かずにはいられないし、それで聞こえてくるのはひどいものだから、私はいつも、その場所に踏み込むやいなや、叫び声をあげて飛び出すことになるのだ。どうすればそのようなところで仕事ができるのか、店員はなぜ店長を訴えないのか、それが私にとって大きな謎だ。クリスマスが近づくと職場に充満する、あのぞっとするクリスマスソングには、誰もが不平をいっている。私の場合は、世界中、1年中がその状態なのだ。それは余談だが。
<http://www.npr.org/programs/fa/>
<http://www.cartalk.com/>
最初に述べたように、私がコンピュータで仕事をしているときは、私は話し声でも音楽でもない音がほしくなる。それを解決するのがランダムノイズだ。ここでランダムノイズといっているのは、どこへも行かず、何のパターンも感じられない音で、静かで、心地よく、出しゃばらない音だ。そのような音は、心の注意を引かず、時間の経過を聞き手に気付かせることがなく、それでいて眠くなったり退屈したりしない。この種の音は、私の心を機敏にし、また落ち着かせるように思う。私を楽しませ、雰囲気を暖かくして、なおかつ目の前の仕事に集中できる。
Mac OS X で使えるランダムノイズ作成ソフトには、よいものが驚くほどたくさんある。ただ、そのほとんどは、私の要求にはあまり合わない。Jon Kleinの Musik は、ランダムな音符を奏でるが、1つの楽器しか使わないし、すぐにパターンが現れはじめるので、直に飽きてしまい、同時にうっとうしくなる。(Klein は、クロスプラットフォームの驚くべき人工生命シミュレーション環境 Breve の作者として知られている。)作曲家 Karlheinz Essl は、独力で、いくつかの興味深いリアルタイム音楽生成アプリケーションを開発した。彼の FontanaMixer は、偶然性の音楽による John Cage の有名な作品を再現しようとしたものだ。これは素晴らしいが、CPU のほとんどを持っていってしまうから、他の作業をすることが難しくなるし、その音はギシギシガチャガチャとして、人の声も入っており、長時間の沈黙も含まれている。まるで、誰かがごみ箱を一列に並べ替えながらブツブツつぶやいているようで、格調高い文章を書いているときの役には立たない。彼の Seelewaschen もきわめて重く、私のタイプするスピードが目に見えて遅くなる。これには鐘の音が含まれているが、キーキーチーチーさまざまな効果が加えられていて、目を覚ます効果はあるが、リラックス効果はない。Essl のもので私の好みに合うのは、今では古典となった LexikonSonate だ。これは、ランダムだが、非常に音楽的で洗練されたピアノの音を奏でる。ただ、頻繁に止まったりまた始まったりするし、ピアノの音も打楽器のように聞こえる。その上、その出力が音楽的にきわだって魅力的だという、まさにそのことが、それを潜在意識のバックグラウンドとして使いたいという目的には不利に働く。私はそれを聴きたくなってしまうのだ。
<http://www.spiderland.org/musik/>
<http://www.spiderland.org/breve/>
<http://www.essl.at/works/fontana-mixer/download.html>
<http://en.wikipedia.org/wiki/John_Cage>
<http://www.essl.at/works/seelewaschen/download.html>
<http://www.essl.at/works/Lexikon-Sonate.html>
ムードを作る -- ここまで読み進んでこられたあなたは、このように考えるかもしれない。「このあと何が書いてあるのか分かったぞ。彼は Music From the Hearts of Space 路線の音楽を求めているんだな。ヒップで甘い、耳を洗うような環境音楽。彼が求めているのはアンビエントミュージックだ。」そう、その通り。それは私が聴きたいと思う種類の音楽では全くないが、私が聴きたくないと思っているときにかけたい種類の音楽ではある。だからこそ、私が現在もっとも気に入っているバックグラウンドランダムノイズプログラムは、Bit of Paradise Products からでている SonicMood なのだ。
<http://www.hos.com/aboutmusicright.html>
<http://homepage.mac.com/johnrhall/BitofParadiseProducts.htm>
SonicMood は、私が必要とするすべての要素を備えている。心地よいQuickTime シンセサイザの音色が、小規模の静かなアンサンブル(異なる楽器は3種類まで)としてまとめられ、さまざまな音階の長い音を奏でる。ときどき、港の汽笛と麻薬中毒の Palestrina とをかけ合わせたようにも聞こえる。楽器の数と種類、声部の最大数、持続時間と休止時間の平均値、音の大きさの範囲、そして音階といったパラメータの組み合わせは、Mood と呼ばれる。すでにある Mood を編集することもできるし、新しく作ることもできる。それぞれの Mood の中でパラメータがランダムに変化するだけでなく、SonicMoodは、あなたが指定した時間ごとに、Mood をランダムにまたは順番に切り替える。こうして、SonicMood は、控えめな音環境が永遠に変わり続ける万華鏡を作り出す。また、もしあなたが、ある Mood が気に障ると思ったら、単にそれを削除すればよい。(SonicMood は画像も表示するが、私はこの機能を使っていない。私は、SonicMood を起動したらすぐ、それを隠してしまうのが普通だ。)
<http://en.wikipedia.org/wiki/Giovanni_Pierluigi_da_Palestrina>
SonicMood はすべての人の好みに合うものではないかもしれないが、ときどきはこの種の音がコンピュータから出てきてほしいと思う人が世界中で私一人だということもないはずだ。いずれにせよ、これは確かに私の仕事に役立っているのだから、TidBITS のためにも直接に役立っているのだ。それなので、TidBITS 御用達ツールとして、あなたにもこの製品に注目していただきたい。開発者の John R. Hall は、ユーザからの提案によく答えてくれる。私がSonicMood を表示することなく停止したり開始したりできるように、Dock メニューをリクエストしたら、すぐに追加してくれた。SonicMood はたったの10 ドルで、30 日間無料で試用できる。Mac OS X と Mac OS 9 の両方で使える。現在はバージョン 2.0 がダウンロードできるが、バージョン 3.0 がもうすぐリリースされるはずだ。
<http://homepage.mac.com/johnrhall/SonicMoodPage.htm>
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Take Control 電子ブックのニュースがこの TidBITS の号に時々現われる、その方法について私たちは最近ちょっと違和感を感じ始めてきた。電子ブックのニュースが他の Mac 関係の記事内容を置き換えているという訳でもない。そのニュースのために、TidBITS の号がただ長くなっているだけのように思えてきたのだ。TidBITS の各号をもっと首尾一貫したものにし、内容の一覧も一目でできるものにしておきたいという願いから、今回私たちは電子ブックの発売案内や Take Control プロジェクトそのものに関する記事などを、新たに作ったこの「Take Control ニュース」というセクションにまとめることにした。新刊の本の内容から抽出してそれ自体で役に立つ記事となるようなものは、これまで通り独立の記事という形をとることになる。ここのセクションに載るテキストは、その大部分が私たちの Take Control News ウェブログ(下記リンク)からの転載となるだろう。このウェブログには、Take Control 関係、あるいは電子ブックについて、ここに載る以外のいろいろな文章も含まれる。しばらくは、これでどうなって行くか、様子を見てみたい。
<http://www.tidbits.com/takecontrol/news/>
Take Control of Your AirPort Network 1.1.3 リリース -- クリスマスの直前のこと、私たちは滑り込みの突貫作業で Glenn Fleishman の“Take Control of Your AirPort Network”の無料アップデート版をリリースした。バージョン 1.1.3 だ。アップデート告知メーリングリストで購読していらっしゃらない(従ってまだ通知を受けていらっしゃらなかった)方は、お持ちの電子ブックの表紙にある“Check for Updates”ボタンをクリックして頂ければ、アップデートをダウンロードできるウェブページがロードされるはずだ。今回のアップデートには、AirPort Express または AirPort Extreme(日本では AirMac Express と AirMac Extreme)のベースステーションの USB ポートに接続されたプリンタの名前を変更すること、WDS (Wireless Distribution System) で WPA (Wi-Fi Protected Access) 暗号化を使用すること、Keyspan の Express Remote リモコンを AirPort Express と iTunes に組み合わせて使用すること、それに最新のファームウェアアップデートを使って Ethernet や AirPort のインターフェイスをオフにする方法、などに関する情報が追加されている。また、Glenn は最新バージョンの AirPort Admin Utility 4.1 に合わせてスクリーンショットも更新し、AirPort 互換のプリンタの一覧表を Apple が取り下げたのに代わって、新しい一覧表を見つけられる情報も載せた。
<http://www.tidbits.com/takecontrol/airport.html> (日本語)Take Control Ebooks: あなたの知りたいことがすぐわかる
<http://www.efelix.co.uk/tech/1013.html>
文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
各話題の下の2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバでの討論に繋がる。こちらの方がずっと高速のはずた。
個人用会計ソフトウェア -- 個人用の会計ソフトウェアといえば、文句無しに Quicken がチャンピオンだろう。けれどもそれ以外のソフトウェアも確かに存在している。実際、比べてみたらどうなのだろうか? (メッセージ数 24)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2415>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/275>
アップデートの頻度は、どの程度が多過ぎか? -- 一人の作者が開発中のソフトウェアのアップデートは、どの程度以上頻繁だとユーザーたちが圧倒されたように思ってしまうのだろうか? また、ベータリリースはアップデートの数に入れていいのだろうか? (メッセージ数 12)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2422>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/282>
Mac OS 9 で iPhoto 風のオプションが可能か? -- iPhoto は Mac OS X でしか走らないが、その機能の一部でも提供できるソフトウェアの可能性を、読者たちがいろいろと提案する。(メッセージ数 5)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2419>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/279>
Mac と Windows 双方のコンピュータからバックアップ -- バックアップを異種のコンピュータの混ざったネットワーク上で扱おうとする時、例えば Retrospect のようなプログラムならばうまく行く。では、他のソフトウェアではどんな問題が起こり得るのだろうか? (メッセージ数 7)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2418>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/278>
ローエンドユーザー向けのバックアップも Take Control -- Joe Kissell の電子ブック“Take Control of Mac OS X Backups”は、効果的かつ徹底的なバックアップの方策を練るにはどうすればよいかを扱っている。でも、もっともっとシンプルなバックアップを期待する読者たちもいる。(メッセージ数 30)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2413>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/273>
複数の Mac でメールとブラウザを「共有」 -- 自宅に複数台の Mac を持っているある読者が、どのマシンからも同じ自分の電子メールおよびウェブの設定にアクセスできるようにならないかと考えている。ごく単純な問題に聞こえるかもしれないが、実はその解決法はかなり複雑なものになり得る。(メッセージ数 19)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2412>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/272>
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, , 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA