今年も 4 月 15 日がやってきた。確定申告の締切日だ。Jeff Carlson の頭の中は、税金の計算をする財務管理ソフトウェアでいっぱいだ。ただし、そのソフトとは、Quicken ではなく Moneydance だ。また、先週から引き続き、インターネットを使ったファックスについて取り上げ、さまざまなサービスやソフトウェアを紹介する。ファックスのやり取りに紙を使いたくなければ、DealBITS 抽選で PDFpenPro に応募してはいかがだろう。さらに、Geoff Bronner が Monster iCarPlay Wireless FM 送信機をレビューし、Adam とMatt Neuburg が来るべき会議のニュースを伝え、Sync Buddy 2.0.1 が Mac OS X の下で Palm OS ハンドヘルドのバックアップができるようになったこともお伝えする。
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Sync Buddy 2.0.1 が Palm と Mac OS X をシンクする -- PalmPilot の初期のころから、Florent Pillet は Palm Buddy(後に Sync Buddy と改名)をリリースしてきた。これは Mac OS 用のプログラムで、Palm OS ハンドヘルドとのあいだに接続を開いて、データのバックアップを可能にする。最近、Pillet は Sync Buddy を Mac OS X 用に書き換えた。Sync Buddy 2.0.1 は、USB や Bluetooth、Wi-Fi 接続によって、ハンドヘルドをバックアップできる。さらに、ファイルをインストールしたり、写真を転送したりもでき、SDカードのような取り外し可能なメディアにファイルをコピーすることもできる。このユーティリティは、Hot Sync Manager(Palm Desktop がデータを同期するのに使う)や、Mark/Space の The Missing Sync ソフトウェアとも共存できる。Sync Buddy が走っているときにはそれらを自動的に停止し、作業が終わったら再び立ち上げるのだ。Sync Buddy 2.0.1 は 25 ドルで、4.3 MBのダウンロードだ。[JLC](羽鳥)
<http://www.florentpillet.com/syncbuddy.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04956> (日本語)Mac PalmPilot オーナーのための新 Buddy
湾岸スクリプティング、再び -- AppleScript の技術を学びたいと思う人、また技術を磨きたいという人のために、Shane Stanley と Ray Robertsonがすばらしい AppleScript Pro 集中セッションを再び指揮する。今回は2005 年 5 月 2 日から 2005 年 5 月 6 日まで、風光明媚なカリフォルニア州 Monterey で開かれる。私も好評だった「AppleScript Studio で強行軍」教室を再び教える。わくわくさせる要素の1つには、Tiger の出荷が間に合うかどうかという問題がある。もし間に合えば、私たちは○○や××のような新機能について話すことができるだろう。(残念、企業秘密保護部隊によって検閲されてしまった)。[MAN](羽鳥)
<http://www.scriptingmatters.com/aspro>
ADHOC 2005 の講演者: Hubbard、Doctorow、Ihnatko -- 私は ADHOC 2005(以前は MacHack と呼ばれていた)で再び講演することにしている。しかし、ADHOC 実行委員会が3つの深夜セッションの講演者として発表したすばらしい人々の名前を見たことで、この会議に参加するのがより一層興味深くなった。その中には、Mac OS X の核である Darwin の Apple 社における責任者である Jordan Hubbard と、SF 作家であり、ブロガーであり、EFF のヨーロッパ担当コーディネータでもある Cory Doctorow が含まれている。最終日の深夜セッションは、ADHOC Showcase プログラミング・コンペで、常に陽気で快活な Andy Ihnatko が司会をする。この業界の最高の開発者からプログラミングについて学びたいと思ったり、魅力的な講演を聞きたいと思ったりしたら、早期登録のしめきりは 2005 年 4 月 15 日だ。2005 年 7 月 26 日から2005 年 7 月 31 日まで、ミシガン州 Dearborn でお会いできることを楽しみにしている。この会議について詳しく知りたいと思ったら、昨年の会議についての私の記事をお読みいただきたい。[ACE](羽鳥)
<http://www.adhocconference.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07752> (日本語)ADHOC 2004: 古いもの、新しいもの、成功の伝統は続く
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>
一年ほど前、初期の DealBITS 抽選で私たちは SmileOnMyMac のPDFpen というソフトを何本かお送りした。このソフトは PDF ファイルを様々な方法で取り扱えるようにするものだった。この度、SmileOnMyMac は PDFpen をバージョン 2 にアップデートすると共に、インタラクティブ PDF フォームを作ることのできる PDFpenPro をリリースした。両プログラムとも、複数の PDF をマージしたり、ページを入れ替えたり、削除したり、テキスト(インタラクティブでないフォームに記入するために使う)やグラフィック(手書き署名のようなもの)を付加したり、さらに多くのことができる。PDFpen 2 はプログラムのパフォーマンスを改善し、PDF 書類でテキストを検索、選択、コピーができるという大変に使い勝手の良い機能が追加されている。Macworld 誌は最近レビューで PDFpen にネズミ 4匹をつけた。
<http://www.smileonmymac.com/PDFpen/>
<http://www.macworld.com/2005/03/reviews/pdfpen201/index.php>
多くの人にとって、PDFpen はファックスを取り扱うときに最も効力を発揮するだろう。もし、ファックスをファックス・電子メール転送サービスを介して、 PDF フォーマットで受け取ることができれば、PDFpen で必要な文字を記入したり、グラフィカルな署名を付け加えたりした上で、Mac OS X に組み込まれたファックス機能や SmileOnMyMac 自身の pagesender ファックス送信ソフトを使ってファックスとして返信することも可能だ。
<http://www.smileonmymac.com/pagesender/>
今週の DealBITS 抽選では $94.95 の PDFpenPro 2.1 に応募することができる。幸運な当選者になれなくても、応募された皆さんは PDFpen とPDFpenPro のディスカウントが受けられる。だから、もしあなたが1度でも PDF ファイルを扱う必要があったなら、下記リンクの DealBITS ページから応募することをお忘れなく。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。なお、ご自分のスパムフィルターにご注意あれ。当選したかどうかをお知らせする私のアドレスからのメールを、あなたに受け取って頂くのだから。
<http://www.tidbits.com/dealbits/smileonmymac4/>
<http://www.tidbits.com/about/privacy.html>(日本語)TidBITS プライバシー規約
最後に、あなたの当選確率が上がる新しい方法について思い出して欲しい。応募の際、確認のウェブページや、確認電子メール上にカスタムURL が書かれているので、あなたがそれをコピーして友人や同僚の人たちに送れば、その人たちもその URL で抽選に応募できる。もしも、私たちの抽選の結果当選した人が、あなたの送った紹介 URL を使って応募した人だった場合には、その人だけでなくあなたも賞品が受け取れる。つまりより多くの人を紹介すればそれだけあなたの当選確率は上がるのである。だから紹介 URL を大いに配って欲しい (とは言ってもスパマーの様になって貰っては困るのだが!)[訳注: 応募期間は 11:59 PM, 17-Apr-2005 Pacific Standard Timeまで、つまり日本時間で 4 月 18 日(月曜日)の午後 5 時頃までとなっています。]
文: Adam C. Engst <[email protected]>
先週の私のファックスをメールで受け取るためのアカウントとして MaxEmail を選定した記事 (TidBITS-774 の "eFax を MaxEmail に替える" 参照) に多くの読者から他のサービスについての進言を頂いた。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08049> (日本語)eFax を MaxEmail に替える
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/404/>
Faxaway -- だいぶ前になるが我々のためにインターネットファックスについて書いてくれた Hudson Barton は Faxaway を推薦している。これは一つのアカウントに対して月に $1、送信ファックスについては国毎に料金は異なる分当たりの料金が課金されるが、受信ファックスは追加料金無しで無制限の受信が提供される。これだとファックス受信に関しては Faxaway が MaxEmail より若干安くなる (年間で $12 対 $15;それにどちらも $10 の初期設定料金がかかるのだが先週はこの事に言及するのを忘れてしまった)。ファックスの送信について言えば、国毎に料金は異なっているが、私が抜き取りで比較した範囲では MaxEmail のレートの方が割が良かった。全体的に見ると、この二つのサービスは殆ど同等と言えるように思うが、私の印象からすれば MaxEmail の Web インターフェースの方が進んでおり使い易いように思う。
<http://www.faxaway.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05428> (日本語)インターネットファックスの実態
K7 -- 奇妙なことだが Faxaway を運用している同じ会社が真の意味で無料の K7 と呼ばれるファックス受信サービスを提供している。全ての番号は 206 の市外局番 (Seattle) に属し、K7 は全てのファックスを TIFF-F フォーマットでのみ配信している。一ヶ月に最低一回は使わないとそのアカウントは抹消されてしまう。勿論そうなっても再度申し込みは出来る(多分違う名前での方が良いと思う)。もし受信ファックスの量がたいしたことがないのであれば、K7 はぴったりのサービスかもしれない。K7 を紹介してくれたのは Sebastian Rueckert である。
Innoport -- Trisha Miller は Innoport からの同様なサービスを推奨している。これは無料ではないが彼女の目的にはよく合っている。Innoport のサービスは月額料金が $4 から $8 であり、最高料金のサービスでは自分の市外局番を選択できる (これは MaxEmail にもあるがもっと高額である)。初期設定料金はかからず、最も廉価なアカウントでも月に 350 分までの受信が受けられので、受信ファックスだけでいい人には十分過ぎると言えるであろう。年間にすれば $48 から $96 であるから (初期設定料金なしで最初の一ヶ月は無料)、Innoport は MaxEmail よりも高いと言えるが、それでも一考の価値はあると思われる。
ファックスサービスのリスト -- Edward Reid は Internet Fax Service Reviews and Discussions サイトへのリンクを紹介してくれた。ここには膨大な数のインターネットファックス関連のサービスへのリンクとそれに関するユーザーからの事例情報が集められている。もしファックスサービスについて検討しているのであれば有用な資源となるであろう。
J2 と国際局番 -- これまで取り上げた MaxEmail 及び他のサービスに共通して問題となりそうな事にファックス受信番号は基本的に米国のものであるということである (MaxEmail は日本の番号も提供しているが)。もし米国以外の国でファックス番号が必要な場合は、Przemyslaw Jablonski は j2 Communications の jConnect を推奨している。j2 Communications は又 eFax も提供している。jConnect は月に $15 で初期設定費用として更に $15 かかる。ファックス受信は無料である;送信は米国内向けは頁当たり $0.10 であり、国際宛先の場合は目的地によって異なる。
自前でやる -- SmileOnMyMac の Greg Scown は自社のファックス送受信ソフトウェアである $30 の pagesender もあることに言及せずにはいられなかった。これは MaxEmail (或いはメール経由でファックスさせてくれる他のどんなサービス) を経由してファックスを送信する時のフロントエンドとして働くことが出来る。要するに、pagesender にプリントすると、TIFF-F フォーマットで画像化し、新しいメールメッセージとして新規作成そしてアドレスし、あなたのメールプログラムを使ってファックスサービスに送出するのである。Greg によれば、手元でファックスを画像化すると他の email-to-fax サービスを使う時よりもより良好な結果が得られる時があるという、とりわけ 2バイト文字や珍しいフォントが使われている場合は。そして勿論のことだが、今週の DealBITS 抽選に登場している SmileOnMyMac の $50 の PDFpen を使えば受信したファックスを pagesender を使って送り返す前に、書き込みをしたりサインしたりする (印刷すること無しに)手助けをしてくれる;pagesender で自分のモデムを使ってファックスの送受信することも出来る。
<http://www.smileonmymac.com/pagesender/>
<http://www.smileonmymac.com/PDFpen/>
もし自分でやろうとしているなら、Mac OS X 10.3 Panther には内蔵のファックス機能があることをお忘れなく。この場合自前のモデムと電話回線そしてファックスするには通常の電話料金を払う必要がある。ファックスを受信するためにはあなたの Mac はオンになっていてかつ起きている必要がある。もっと詳しく知りたい人は Mac Help (Help メニューから) で "fax" を検索すると良い。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
私は現在、いくつかの LetterRip Pro ベースのメーリングリストを Web Crossing に移行させるための準備としてリストのクリーンアップ作業中で、その際に昔からいつも付きまとう問題、すなわちバウンスするアドレスのうちどれを削除すべきか、という問題に直面していた。つまるところ、一つのアドレスが何度もバウンスするようならばきっとそれは悪いアドレスなのだろうし、たった一度バウンスしただけならばそれは一時的な問題なのかもしれないのだ。LetterRip Pro は、前回のメッセージが送信されて以降バウンスしたアドレスのリストを自動的に生成してくれる。そこで問題になるのは、そのうちどのアドレスが何度も繰り返し登場するのかをどうやって見極めるのかということだ。私はこの問題をしばらく考えてみたが、そのうち ProVUE の Panorama データベースがまさにその解決策ではないかと思い当たった。(TidBITS-770の記事“Panorama の眺めを必要とする時”を参照。)よく考えれば、電子メールのアドレスのリストというのは、非常にシンプルなデータベースのレコード以外の何物でもないではないか。
<http://www.provue.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08018>(日本語)Panorama の眺めを必要とする時
最初に私は Eudora で、最近バウンスしたリストのメッセージをいくつか選び、それらを Finder にドラッグした。これで、それらのメッセージを全部含んだテキストファイルが作られた。それから私はそのテキストファイルを Nisus Writer Classic で開き、バウンスするアドレスを含む行をすべて検索してそれらの行を新規のファイルにコピーし、それから電子メールアドレスそのもの以外の文字をすべて消去する、というシンプルなマクロを一つ作って走らせた。
その次に、私はそのテキストファイルを Panorama で開いて、一つ一つのアドレスをそれぞれレコードとして一つのフィールドに含むような、新規のデータベースを作らせた。それから Sort メニューで Group Up を選び、一致するアドレス同士をグループにまとめた。次にアウトラインレベルを切り替えてサマリーだけが見えるようにし、Math メニューから Count を選んでそれぞれのサマリーが含んでいるレコードの個数を数えさせた。(これで、サマリーレコードは電子メールアドレスを表示せずに、代わりにカウント結果の個数を表示するようになった。)Sort メニューで Sort Up を選べば、たった1回だけしか登場しないアドレスを簡単にリストから除外できる。(私はそれらを手で消去した。これはわざわざプロシージャを書いて自動化するほどのことでもなかったからだ。)続いて、私はカウントサマリーを除去してからもう一度 Group Up を選び、アドレスをグループに分け直した。そしてもう一度アウトラインレベルを下げてサマリーレコードだけが見えるようにした。(これでサマリー後のレコード中の電子メールアドレスだけが見えるようになった。)今回は、レコードの個数を数えるのではなくて、Sort メニューから Remove Detail コマンドを使って生データをすべて削除した。これらは重複部分をすべて集めたものだったからだ。これで、残ったのはサマリーレコードのみ、つまり重複した電子メールアドレスの集まりごとに1個ずつで、それを Panorama は自動的に通常のデータに変換してくれた。最後に、私は手早く Panorama の Text Export Wizard を使ってテキストファイルを作り、それを Nisus Writer Classic で開いて、それらのアドレスを購読中止にするために LetterRip Pro に送るべき電子メールコマンドにフォーマットし直すことができた。
この作業を達成するには、もちろん別の方法もあるだろう。grep に熟達した人ならば、きっとテキスト・ファクトリーを持つ BBEdit の中だけですべてをこなすことも可能だろう。でも、今回の作業は別に何度も繰り返し実行するような性質のものではないし、この作業のためだけに何か新しいことを学んだり複雑なプロセスにデバッグをかけたりしたいとも思えなかった。Panorama に内蔵の機能で、すべてわかりやすいメニューで利用できるものだけを使うことで、私は極めて短時間のうちに驚くほど複雑なテキスト処理の作業をすることができた。もちろん、こうやって後から見直してみれば、ちょっとプログラミングの手を加えるだけで Panorama が必要な動作を初めから終わりまで全部自動的に処理するようにもできるだろうという気がする。バウンスするアドレスを長期間にわたって追跡することすら可能だろう。まあ、そういうことは読者のために演習問題として残しておこう。
文: Jeff Carlson <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
現在アメリカ国内に在住の多くの人はそうなのだが、私も、今は税金の書類をまとめるのに大わらわだ。妻と私は、Morgan Stanley 社を通じていくつかの投資をしており、分担所有マネーマーケットも持っている。申告のために私はこのマネーマーケット口座の情報を少し(昨年健康保険のためにいくら払ったかなど)知る必要があった。紙に書かれた報告書はわが家にたくさん溜まっていたが、これらの雑多な情報も私が小切手や貯金、クレジットカード口座などを管理している Quicken の中にそろそろすべて一緒にまとめておかなければいけないなと思った。実は、私はこういうたくさんの情報をデジタル化する作業をこれまで何となく面倒に思って遠ざけていた。なぜなら、たいていの場合それらはすべて Morgan Stanley のファイナンシャル・プランナーが管理してくれていたからだ。この会社は私の口座にオンラインでアクセスできるようにしてくれているので、私はいつでも自分のデータをダウンロードして Quicken に読み込み、レポートを走らせるだけで必要なデータがすぐに出てくるさ、とたかをくくっていた。
<http://www.morganstanley.com/>
<http://www.quicken.com/>
でも、私は Mac を使っている。そのために、すんでのところで私はつまはじきにされそうになった。
いったん書き込んだら、どこにも走らない -- まず何よりも、Morgan Stanley の ClientServ ウェブサイトはサイト内のナビゲーション・インターフェイスのために Java アプレットを使っている。この Java アプレットが、私のコンピュータにあるどのブラウザを使っても、動かないのだ。私の見る限り、このナビゲーションは CSS を使って簡単に再現できるようなものだ。いや、プレインの HTML でもできそうに思える。わざわざ無駄なテクノロジーを使っているだけでなく、その実装も正しく行なわれていない。なぜなら、同じ情報に到達するための別途のリンクが提供されていないからだ。Morgan Stanley のヘルプファイルによれば、Download Activity リンクをクリックすることになっているが、そんなリンクは私のマシンの上では存在していない。というわけで最初のステップ、つまり私のデータをダウンロードできるページに到達する前の段階で、Mac ユーザーは壁に頭を打ち付けることになる。
仕方なく私は職場に行って、二年前にテスト用に買ってあった Dell のラップトップ機を使ってサイトにアクセスしてみた。別に驚くことではないが、あのナビゲーションは Windows XP 下の Firefox で何の問題もなく動作した。けれどもそのすぐ後、私は別の問題に行き当たった。
<http://www.mozilla.org/products/firefox/>
Intuit なのに、直観的じゃない -- Morgan Stanley のサイトで素晴らしいことの一つは、2002 年まで遡ってデータ書類をダウンロードできることだ。たった半年あるいは三ヵ月分のデータしか保存してくれないような銀行があるのに比べれば大助かりだ。私はこれから Quicken の中に新規アカウントを作って財務追跡を始めようという気になっていたので、先月分だけでなくもっと前の分のデータもダウンロードしたかった。一見、これは単純なことのように見えた。カスタムの日付範囲のチェックボックスをチェックしてから、その横に出てくるボックスの日付を変えればよいだけだろうと思えた。ところが、チェックボックスをチェックしても何も起こらない。横のフィールドはグレイ表示のままで、編集できるようにはならなかったのだ。
この問題を調べてみようと思っていた矢先、私はもう一つ別の、このデジタル棺桶に打ち込まれた最後の釘に行き当たってしまった。Mac 版の Quicken では、もともと Morgan Stanley に接続することができないのだ。(Morgan Stanley の FAQ によれば)「現時点では、Quicken は Macintosh コンピュータからの OFX ダウンロードはサポートしていません」なのだそうだ。私が今使っているのは Quicken 2004 だが、この機能が提供されるのならば、私は喜んで Quicken 2005 にアップグレードするところなのに。
残念ながら、単純に OFX ファイルだけをダウンロードしてからそれを BBEdit でいじってデータを取り出す、というわけにもいかなかった。なぜなら、Morgan Stanley でのアクセスは Windows 用の Quicken からの直接アクセスに限られるようになっているからだ。
Mac は袋小路か? -- というわけで要約すれば、Morgan Stanley はすべての顧客のためにサービスを提供する気がない、ということだ。Mac ユーザーは無視できるほどの少数者だと勝手に思い込んでいるのだろう。その上、Intuit も Mac 版のソフトウェアを Windows 版と同程度の機能で走らせることができない。言うまでもなく、Intuit 社の Mac サポートには昔から悪評が高い。この会社は 1998 年に Quicken を打ち切るという暴挙にさえ出たことがある。当時、Quicken は Mac での市場シェアがトップだったというのに。ただ、噂では Steve Jobs が彼らに iMac を見せてくれたお陰で三週間後に彼らの考えが変わったということだ。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04830> (日本語)Intuit 社が Quicken Macintosh 版を打ちきる
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04877>(日本語)Quicken が Mac に早くも復帰
もしも妻と私がこれまでにかなりの投資歴を(ただ単に投資額の面だけでなく、長い時間と、私たち担当のファイナンシャル・アドバイザーを通じた良好な関係の面でも)持っていなかったら、きっと Morgan Stanley は私とのビジネス関係が切れていたことだろう。Quicken の方については、私はそろそろ別の競合製品を試してみようと思った。Moneydance というのがあって、こちらはどうやら OFX フォーマットをサポートしているようだった。
ちょいとジグを踊る -- 競争に参加するのが難しい市場というのがあるとすれば、それは間違いなく財務管理ソフトウェアの市場だろう。この市場は Quicken が独占している。特に Mac ではそうだ。(Microsoft が、Quicken に競合する製品たる Money の Mac 版を開発したことがないからだ。)けれども、その独占状態があるからこそ、ユニークな新手が参入できる余地もあるというものだ。Moneydance と私が出会ったのは、そんな状況の下だった。
私は Moneydance 2005 の無料試用版(3 MB のインストーラ)をダウンロードした。この試用版には商品版の機能がすべて装備されているが、手入力できる取引の回数が 10 回までに限られている。(Moneydance 2005 には Unix 版、Windows 版、それに OS/2 版まである。)インストールした後、私は新規の投資アカウントを作って、使いやすいウィザードの指示に従って Morgan Stanley の ClientServ を財務機関として指定した。それから私の口座番号、ログイン名、それにパスワードを入力すると、Moneydance は接続を開始し、それからこの口座の取引を(2003 年半ばまで遡って)すべて表示した。
<http://www.moneydance.com/download.shtml>
正直言って、私はそのあまりの簡単さに驚嘆させられた。たった一つ不便だったのは、すべての取引を一度に私の Moneydance アカウントの中へ取り込むことができないことだった。表示されたものをすべて選択することはできたが、そこで Accept ボタンをクリックしてもリストの最初の項目が読み込まれるだけだった。何百もの取引が並んで表示されているのを見ながら一個一個にマウスボタンをクリックする気にはなれなかった。
そうする代わりに、私は QuicKeys に働かせることにして、私の代わりにボタンのクリックを指定した回数だけ実行してくれるような短いスクリプトを作った。すべてを諦めて紙に書かれた報告書を寄せ集め、一つ一つの取引を手で入力するのに何時間もかかるところだったものが、驚くことにほんの数分間で、すべての取引を私の Mac に取り込むことができたのだった。私は即座に Moneydance のウェブサイトに行き、ユーザー登録をした。そこで支払った $30 は、私がしようかと思っていた Quicken 2005 へのアップグレード料金の、ほんの半額に過ぎなかった。
<http://www.quickeys.com/>
<http://moneydance.com/purchase.shtml>
私はまだそれほど Moneydance を使い込んでいないので、(過去数年間分にわたる)既存の Quicken データをすべて読み込んで一緒にすべきかどうか決心がついていないが、今のところ私はこの Morgan Stanley 口座に Moneydance を使うことで完璧に満足している。私の税金の申告書のために必要な数字をリストしたレポートも簡単に作れたし、それを印刷して、ちゃんと私の税理士に郵送も済ませた。
文: Geoffrey V. Bronner <[email protected]>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>
昨年、私はついに第3世代の 15 GB iPod を私のガジェットコレクションに加えた。私の通勤時間は長くないが、私も妻も Boston や New York の友人を訪ねるために2時間以上のドライブをすることがよくあるので、長旅のあいだにiPod を使えるよう、FM 送信機がほしいと思った。しかし、私がぐずぐずしていたので、妻がたまりかねて、この問題をホリデーギフトとして解決した。
観察力の鋭い妻は、機能の面で何が私にとって重要であるかを理解していた。数時間続けて使えなければならない。車の中で冬の寒さや夏の暑さに数週間じっとしていなければならない(つまり、電池を使わない)。iPod をケース(Marware の SportSuit Convertible)に入れたままで接続できなければならない。いくつかの製品の組み合わせではなく、ひとつの製品でなければならない。これらの条件にぴったり当てはまるものを彼女は見つけた。Monster iCarPlay Wireless だ。
<http://www.marware.com/convertible3G.html>
<http://www.monstercable.com/productpage.asp?pin=2084>(日本語)The Apple Store (Japan)
デザイン -- おそらく Montser Cable が作ったせいだと思うが、iCarPlay はまるでアダプタケーブルのようで、非常に単純だ。一方の端は自動車の電源アダプタにつながるプラグで、もう一方が iPod の Dock コネクタにつながる。その真ん中には楕円形をしたコントローラ兼送信機があり、ボタンが1つついている。接続すれば自動的に電源が入り、88.1 から 89.5 のあいだの8つの FM 周波数のうち1つから送信を始める。現在の周波数は赤いライト1つで表示され、ボタンを押すとチャンネルが順番に切り替わる。
実際に使ってみると、この単純なデザインはよく機能した。Dock コネクタプラグは Marware ケースの底の穴を通して iPod につながり、リモコンとヘッドホンをはずす必要がなかった。iCarPlay は、使っている間に iPod の電池を充電する。ラジオが干渉して周波数を変える必要があるときは、ボタンを押してからカーラジオを一段階高いチャンネルに合わせればよいから、運転中に前を見ながら操作できる。さらに、iPod をしまいこんだままで、iPod のリモコンを使って手さぐりで一時停止したり曲を変えたりできる。
iCarPlay を使わないときは、くるくる巻いて、グローブボックスなど車の中の適当な場所に押し込んでおける。
iCarPlay の電源プラグには大きなふたがついていて、Monster のロゴが赤く光る。私の車ではこれは問題にならないが、電源が奥まったところについている自動車ではプラグがきついかもしれない。Monster がこれをもっと細長く作っていたら、もっとよかっただろう。同じように、iCarPlay の Dock コネクタは Apple 製の各種ケーブルより太いから、iPod ケースによっては窮屈かもしれない。
iCarPlay は Monster のシンボルカラーである黒、銀、赤で仕上げられているから、あなたがすべての iPod アクセサリを白いプラスチックに似合うものでそろえているなら、気に障るかもしれない。
性能 -- この製品は、Travis Butler が TidBITS でレビューしたほかの FM 送信機と違って、不安定な性能を示すことがないようだ( TidBITS-771の"さらによくなる AirPlay" と TidBITS-681 の "旅の供に iTrip: FM 送信機三つ" を参照)。空いている周波数を選べば、信号は安定している。車の中で位置を変えても、それほど問題にはならないようだ。送信機の中には、たとえば自動車のラジオアンテナが後ろにあると性能が落ちるものもある。音量は、Dock コネクタを使っているため固定されていて、出力は少し弱いようだ。私は、通常のラジオ番組を聴くときに比べてラジオの音量を上げなければならなかった。道を走っているとき、隣のトラックの FM 送信機が同じチャンネルを使っていて、電波が踏み込んできたことが一度あった。そのときは、信号機が変わるまでのあいだ、私の Depeche Mode がカントリー・アンド・ウエスタンに置き換わってしまった。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08027> (日本語)さらによくなる AirPlay
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07191>(日本語)旅の供に iTrip: FM 送信機三つ
周波数が固定されているほかの送信機と同じように、iCarPlay は、大都市では明瞭に聞こえる周波数を見つけることができないかもしれない。しかし、私がこれまで Boston の真ん中で使っている限りでは、問題はない。8つのチャンネルから選べるというのがよいのだろう。それに比べると、Belkin の TuneCast のような製品では4つしか選べない。それでもこの制限が気になるというのなら、Monster から iCarPlay Wireless Plus が販売されている。これには、ほとんどすべての周波数に合わせられるデジタルチューナーと、3つのプリセットボタンがついている。
<http://www.monstercable.com/productPage.asp?pin=2660>
長所と短所 -- 私が住んでいる地域のラジオ局はどれもひどいので、私は短いドライブでも iCarPlay を使うようになった。私たちの家がある郊外でも、立て込んだ都心に行っても、問題なく動いている。特に気に入っているところといえば、何時間かのドライブのあいだ使い続けることができて、車を降りるときには、たとえば空港に着いたときなど、iPod の電池が満タンになっているという点だ。
この便利さは高くつく。iCarPlay Wireless の希望小売価格は 70 ドルで、iCarPlay Wireless Plus ならそれより 10 ドル高い。これは、競合する製品の多くと比べると、2倍から3倍にもなるが、送信機と自動車用 iPod 電源アダプタとのコストを合わせて考えれば、この値段もそれほど高いとは感じなくなる。このオール・イン・ワンのデザインには、より高い対価を支払うだけの価値があると、私は思う。
iCarPlay は、自動車の中で使うために作られている。あなたが、ほかの場所で使うための FM 送信機を探しているなら、この製品を買うことは勧めない。また、この製品には、Dock コネクタのついた比較的新しい第3世代か第4世代の iPod または iPod mini が必要だ。あなたが持っているものが古い iPodだったり、ほかの MP3 プレーヤだったりしたら、この製品の RadioPlay バージョンを買えば、どんな装置のヘッドホンジャックにでもつなぐことができる。
<http://monstercable.com/productpage.asp?pin=2436>
iCarPlay はシンプルで、余計な機能がない。ちょうど iPod のようだ。価格はもう少し安ければよいと思うが、プレゼントとしてもらう分には、いうことない。
[Geoff Bronner は Dartmouth College の Tuck School of Business でウェブ管理者を務めている。彼が iPod で聴いているのは、たくさんの 80 年代音楽と、The Hour of Slack だ。]
文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
各話題の下の2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバでの討論に繋がる。こちらの方が高速のはずだ。
Guest PC -- ある読者が、PC エミュレータの Guest PC についての意見を求めている。(メッセージ数 3)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2538>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/397>
PowerBook を愛用する猫 -- 猫が偶然 Mac OS X の次期バージョンをダウンロードしてしまったという Matt Neuburg のエイプリルフール記事に触発されて、愛猫家の読者たちから猫にまつわるウェブブラウジングの逸話(猫話?)が届いた。(メッセージ数 2)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2543>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/403>
iPod double-shuffle -- おお、何たる偶然だ、ワトソン君! 私たちのエイプリルフール記事で紹介した iPod double-shuffle(Wrigley 社の Doublemint ガムに似せたもの)を知ってか知らずか、iPod shuffle 用にガムをテーマにした図案装飾が、現実に注文できるらしい。(メッセージ数 1)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2542>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/402>
DVD Jon 対 Apple -- コピー防止技術をテーマにしたこの熱い議論は、著作権法に関する検討と、著作権期間の延長措置が与える影響についての話題へと発展して行った。(メッセージ数 50)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2528>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/387>
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, , 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA