11 月最初の号は色とりどりの話題でお送りしよう。Adam は新型 iMac G5 で Photo Booth を使って遊んでみた後で、それぞれ独自の点で Photo Booth を打ち負かせるユーティリティを2つ紹介する。Travis Butler は先週に続いて AC アダプタについてもう少し詳細をお知らせする。Jeff Carlson は Missing Sync 5.0 のリリースをお伝えする。それから Glenn Fleishman が珍しく三つも記事を書いて、外付けモデムについて(新型 iMac にはモデムが付かなくなったので)と、新型 Power Mac G5 で複数の 30 インチシネマディスプレイを動かす方法の詳細、それにモバイル Mac ユーザーにきっと役立つ Sprint Nextel の新しいセルラーデータサービスについてお知らせする。
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<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08159>(日本語)P2P、バシッと打たれてもキチッと動き続ける
<http://www.grokster.com/>
文: Travis Butler <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
PowerBook 用の AC アダプタについて書いた先週号の記事(TidBITS-803 の記事“三種類の AC アダプタを比較”を参照)が出てから、私は読者の皆さんから MadsonLine MicroAdapter と MacAlly アダプタについていくつかお便りを頂いた。中でも、これらのアダプタが供給できる電力量についてのお便りが多かった。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08312>(日本語)三種類の AC アダプタを比較
私は、MicroAdapter が新しい PowerBook(1 GHz PowerBook G4 Titanium や 15 インチと 17 インチの PowerBook)に対してはお勧めできない、なぜならこのアダプタは 45 ワットの電力しか供給できず、Apple の出しているアダプタの供給する 65 ワットより少ないからだ、という趣旨のことを書いた。これに対して何人かの方々から、実際にそれらのマシンで MicroAdapter を使っているけれどもきちんと動いているようだ、と教えて頂いた。ただ、何人かはアダプタが「かなり暖かく」なる、と言い添えていた。一人の人はこのオーバーヒートの問題が MadsonLine がこれを対象機種に含めなかった主な理由なのだろうという意見だった。もう一人の人は新しい PowerBook で必要ワット数が上がったのはピーク使用時のみのためのもので、マシンがそれほど集中的な作業をしていない時には低電力のアダプタでも何の問題もないという意見だった。
けれども私を一番驚かせたのは、2つの MicroAdapter が次々に焼け切れてしまった、という体験談の報告だった。残念ながら私は自分でテストすることはできなかった。私の MicroAdapter は、私がうっかりとジャック部分を潰してしまった時に名誉の戦死を遂げていたからだ。
でも、MacAlly アダプタの方については私は自分の個人的体験談を語ることができる。実際、今これを書いている最中も使っている。何人かの人たちからも報告があった通り、MacAlly の電力スペックは MicroAdapter と似ている。たった 48 ワットしか供給されず、これは新型 PowerBook の公式な必要量には足りない。私はこれまで電力スペックなんか気にしたこともなかった。なぜなら、私がこれを買った店ではすべての PowerBook に対応として売っていたからだ。それに、私の 15 インチ PowerBook G4 でも、これまで何の問題もなく動いている。だから、私としては、新型の PowerBook で MicroAdapter が問題なく使えているという人たちの報告を信用できるものと思う。ただもちろん、焼け切れたという報告があるのも事実なので、使う時にはやはり注意を怠らないようにしたい。
文: Glenn Fleishman <[email protected]>
訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>
最新の iMac G5 には電話回線を使うための内蔵モデムはない。Apple は最初のモデルがリリースされてからずっと iMac には内蔵モデムを提供してきたのに。
<http://www.apple.com/imac/>(日本語)アップル - iMac G5
PowerPC G5 ベースのコンピュータを買う余裕があればブロードバンドも持っているはず、というのがその理屈だろう。これは Apple にとってわずか数ドルのハードウェアコストの節約になる(小売価格では数倍の $20 から $40 になるのだが)。この削減は、Apple がより多くの利益を確保するか利益に影響しないように予算を他の機能にシフトすることを許すことになるだろう。
ダイヤルアップによるインターネットアクセスやファックスが必要な人のために、Apple は Apple USB モデム を $50(日本では 5,670 円)のアクセサリとして提供している。しかし、それは BTO オプションでしか注文できない。Apple USB モデムは Apple のウェブサイトではほとんど注意を払われていないので、Apple ストアに行って G5 iMac を選び、オプションのモデムを選んでやっと仕様(スペック)の詳細に到達できるという次第だ。
スペックによると、それは、ナンバーディスプレイ(オンライン時)、留守番電話機能、モデムによるインターネットキャッチホンといったいくつかのしゃれたモダンなモデムの機能をサポートした V.92 モデムだ。これらの機能のうち後ろの二つ機能は、特定の電話回線の機能が使える場合だが、ダイヤルアップモデムで ISP とのコネクションを断たれることなく電話の着信をうけるという一石二鳥な使い方ができるようになる。ただし、ISP が同等の機能を持ったデバイスを使っていなければならない。V.92 モデムの最高速度は、下り 56 Kbps、上り 48 Kbps だ。それは小さな一体型のデバイスで、一昔前のモデムとは異なり USB フラッシュドライブのように見える。
私は外部モデムを購入するためにどのようなオプションがあるか嗅ぎ回ってみた。最後に買ったのがいつかは思い出せないがおそらく1996 年か 1997 年だ。Small Dog Electronics が Mac コンパチブルな V.92 をサポートし、USB 接続で Mac OS 8 以降に対応した Best Data 56K を扱っている。他のサイトを覗いた限りではこれ以上のものは見つけられなかった。
<http://www.smalldog.com/product/35097>
読者の Robert Pyle によると、彼は Best Data 56K を買ったが Mac OS Xと互換性のあるモデムファイルが一つも付いて来なかったためにモデムスクリプトを探し回らなければならなかったということだ。後になって、彼はもっと 簡単な解決法を見つけたと書いてきてくれた。Best Data のモデムチップは Conexant 製で Mac コンパチブルな $100 の Zoom 製 USB モデムでも使われている。そこで、Zoom Universal(115K) CCL スクリプト群をダウンロードしてインストールすれば、Best Data モデムは Zoom Universal モデムスクリプトが選ばれたとして、その最高速度で作動するようになるということだった。Zoom 2986 は純正のテクニカルサポートがついているのでそれに $50 のプレミア価格の価値が有るのだろう。更に、この機種はオンラインの小売店からの購入の便もいい。
<http://www.zoom.com/products/dial_up_external_usb.html>
<http://www.zoom.com/techsupport/dial_up/298x.shtml>
文: Jeff Carlson <[email protected]>
訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>
Palm, Inc. は Macintosh への興味を失ってしまったように見えるが、忠誠心の高い Mac デベロッパである Mark/Space は Palm OS ハンドヘルド所有者に対して Mac との同期サポートを続けている(TidBITS-717"PalmSource が Palm OS Cobalt での Mac サポートを停止"参照)。Missing Sync for Palm OS 5.0 が先週リリースされ、ハンドヘルドマシンは現在へと接続された。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07543>(日本語)PalmSource が Palm OS Cobalt での Mac サポートを停止
シンクサービス -- シンクサービスの追加は Mac OS X 10.4 の密かに行われた変更のうちの一つだった。このテクノロジーのセットは、Apple が .Mac と標準のアドレスブックと iCal を同期するのに使っているものだ。それだけでなく、Missing Sync が使ったように、外部のデベロッパがそのシステムを利用することができるようにもしてあった。このおかげで、Missing Sync は、Apple の iSync コンジット設定を使わずに、直接 Tiger のアドレスブックと iCal のデータベースにシンクできる。
<http://www.apple.com/macosx/features/dotmacsync/>(日本語)アップル - Mac OS X - .Mac Sync
このアプローチはいくつかの利点を提供している。コンピュータとハンドヘルドとでカテゴリ設定が変わることはなくなった。最近の Palm ハンドヘルドのコンタクトフィールドをうまく活用している、そして恐らくは Tiger とのより高い互換性を享受することができるはずだ。(既存のサードパーティ製のコンジットはまだサポートされているはずだ。)親切な同期アシスタントが全てのコンジットの同期オプションの設定を簡単にしてくれる。
更なるメディアとのシンク -- Missing Sync の以前のバージョンはデジタル音楽ファイルと写真をハンドヘルドのメモリカードへコピーすることができた。Version 5.0 は当然ながら次のステップとして、あなたが選択した iTunes のプレイリストと iPhoto アルバムの同期を提供するようになった。もちろん、iTunes Music store から購入した保護された AAC の楽曲を Palm デバイスで再生することはできない。しかし、これは FairPlay 著作権保護をライセンスしないという Apple の選択によるものだ。無駄な大量コピーを回避するために、iTunes でそのような種類のファイルを除外したスマートプレイリストを作って、Missing Sync で使うプレイリストとしてマークすることをお勧めする。
Missing Sync の iPhoto 同期はどのアルバムを同期するかだけではなく、保存に必要なストレージ容量を小さくするために写真をリサイズするかを選択することができる。独立した設定により、必要なメモりの合計(5 MB というように)をストレージカード上に残すことができる。私がテストした感じでは、リサイズは、Tungsten のメモリカードの保存領域を確保するというより、ファイルのコピーに要する時間を削減することに効果があった。私は同期には Bluetooth を使っているが、これは基本的なカレンダーやコンタクト情報を同期するときには素晴らしいのだが、数メガバイトに及ぶファイルを扱うときには泥沼と化してしまう。
他の新機能として、フォルダ同期があり、あなたの Mac からハンドヘルドへ、リムーバブルドライブを扱うかのようにコンテンツをコピーすることが可能になった。以前にも、いくつかの Palm デバイスは USB ドライブとしてデスクトップにマウントできるものがあったが、フォルダ同期はコピーを自動的に行うところが違う。DataViz の Documents To Go のようなソフトを使っていたなら、Palm デバイス上の Microsoft Word や Excel ファイルを編集し、Documents To Go コンジットを使わずに Mac のデスクトップに最新バージョンを戻すことが可能なのだ。
<http://www.dataviz.com/products/documentstogo/index_palm.html>
更なる柔軟性 -- Missing Sync の前のメジャーリリースにあった機能のうち私の最もお気に入りの一つは、シンクプロファイルをカスタマイズできることだったTidBITS-743「Missing Sync 4.0 が Palm のギャップを埋める」参照)。私は、Palm にあるすべてを毎回全部バックアップしようとは思わない。だから、私はカレンダーとコンタクトのみを同期する最小のコンジットの組合せを使っている。Missing Sync 5.0 には接続に応じてプロファイルを自動的に切り替える機能が加わり、Bluetooth 経由のクイックシンクと USB ケーブルを掘り起こせたときに使う徹底的バックアップとを使い分けられるようになった。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07784>(日本語)Missing Sync 4.0 が Palm のギャップを埋める
バージョン 4.0 で導入された他の機能は新しい Mark/Space MemoPad で、Mac でメモを見ることができるようにするものだった(Apple の iSync コンジットには無視されていた)。Missing Sync の新バージョンでは Spotlight 検索とメモの並べ替えに対応した。
[訳注:日本では、株式会社ミヤビックスが取り扱っていて、他社からの購入品についてもアップグレードを受け付けています。ダウンロードによる新規購入価格は 5,670 円(税込み)で、アップグレードは 2,835 円です。なお、日本語によるサポート対象になりますがソフト自体は同一です。]
文: Glenn Fleishman <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Apple が新しいデュアルコアの Power Mac G5 モデルをリリースした時、同社は 1 台の Power Mac G5 が 8 台のディスプレイをサポートできると述べた。そんなことが本当にできるのだろうか? 数カ月前に Apple が Jeff Carlson に 2 台の 30 インチ Apple Cinema Display をレビュー用に送ってきた時(下記の 2 つの Flickr リンクに写真がある)にさえあっけにとられてしまった私たちは、今回は巨大なスクリーンが並ぶ明るい壁(間違いなく温度も高いだろう)を連想してしまった。
<http://www.apple.com/powermac/graphics.html>(日本語)アップル - Power Mac G5 - グラフィックス
<http://www.flickr.com/photos/jeffcarlson/15194718/>
<http://www.flickr.com/photos/jeffcarlson/13050332/>
内蔵の GeForce 6600 カードを定価 $2,500 の Quadro FX 4500 512 MB PCI Express カードにアップグレード(Apple Store でのアップグレード価格は $1,600)すると、2 基のデュアルリンク DVI アダプタが付けられ、それぞれ 2 台の 30 インチディスプレイに繋げる。この Power Mac G5 には 4 基の PCI Express スロットがある。そこで合計 4 枚の Quadro FX を組み込めば... 合わせて 8 台の 30 インチディスプレイという計算になる。そのためには、あと 3 枚の Quadro FX カード(1 枚あたり $2,500)と、最初の 1 枚の Quadro FX は Apple Store から(上記のアップグレード価格は 1 枚のみに適用可)ということで、カード全部に、Power Mac G5 Quad が 1 台、それに 8 台の 30 インチディスプレイの合計金額は、おやまあ何とも凄い、$32,500 也!
この Power Mac G5 は本当にそれだけのものを処理できるのだろうか? 残念ながら、答はノーだ。Apple はこのことを脚注に記している:「4 枚の NVIDIA GeForce 6600 グラフィックカードを使って、20 インチまたは 23 インチ Apple Cinema Display 8 台を Power Mac G5 に接続できます。」
問題は、この新しい PCI Express システムが「レーン」と呼ばれる仕様を持っていて、このレーンがそのスロットの扱えるデータ量を測るための基準となっていることだ。個々のレーンはおよそ毎秒 250 メガバイト (MBps) だ。この Power Mac G5 はグラフィックス用の 16 レーンスロット (4 GBps) を 1 基と、その他に 1 基の 8 レーンスロット (2 GBps) と 2 基の 4 レーンスロット (1 GBps) を備えている。
GeForce 6600 は 4 レーンでしか働かないので、結局この Power Mac G5 はそのカードを 4 枚サポートしているとは言っても、それぞれが小さめのモニタ (20 または 23 インチ LCD) にしか使えない。Quadro FX の方はフルの 16 レーンと 2 基のカードスロットを必要とする。
50 台ではいかが? -- という訳で私の仕事部屋に超絶ビデオシステムを作るのは無理だと分かった。でもだからと言って、他の人たちが実際に試してみて... そして成功した (!) のが嘘だという訳ではない。TidBITS の頼りになる友人の Joe Kissell と Dan Frakes が二人とも、HIPerWall について私に教えてくれた。これは California Institute for Telecommunications and Technology で進められているプロジェクトだ。HIPerWall (Highly Interactive Parallelized Display Wall) は何と 50 台の LCD パネルから成り、総ピクセル数は 2 億にものぼる。これはもともと地球科学のビジュアル化のためにデザインされたものだが、生物医学や工学への応用も考えられているという。デュアル 2.7 GHz の Power Mac G5(それぞれ 2 GB の RAM を持つ)が 25 台、それぞれが 2 台ずつのモニタを動かしている。アクセスできる保存容量の総合計は 10 TB だ。
<http://vis.eng.uci.edu/cg/projects/hiperwall/>
この HIPerWall システムで公表されている仕様を見つつ考えるに、第二世代 HIPerWall は 13 台の Power Mac G5 Quad を使って、それぞれが 4 GB の RAM を持ち 4 台ずつのディスプレイを動かせば、バックエンドのかさばりが減り、コストも少しだけ減らせるのではないかと思う。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>
リリースされたばかりの iMac G5 のハイライトの1つが、Photo Booth だ。これは、iMac に内蔵された iSight カメラと一緒に使う、小さくて楽しいアプリケーションだ。これを使うと、内蔵 iSight のレンズを通して見たものに、リアルタイムでいくつもの画像効果を適用し、クリック1つで、被写体を照らすために画面が白くフラッシュして、写真を撮ることができる(被写体は大抵あなた自身だろうが、ちょっと待てよ、どんなものだってレンズの前に置くことができるじゃないか)。写真を撮った後は、それを iPhoto に読み込んだり、iChat でメンバーのアイコンとして保存したり、友達に電子メールで送ったりできる。すごくない?
<http://www.imac.com/imac/isight.html>(日本語)アップル - iMac G5 - iSight
でも、新しい iMac を持っていない人はどうすればいいのだろう。Apple が将来の iSight アップデートに Photo Booth を含めることもあり得るけれど、Apple は Photo Booth を広く提供するというようなことを言ってはいない。喉から手が出るほど Photo Booth が欲しいけれど、新しい iMac G5 を持っていない(あるいは欲しいとは思わない)人にとっては、うれしいことに、代わりになるものがある。そしてそれはいくつかの点で Photo Booth より優れている。その名は iCamShare だ。
iCamShare -- 有名な Mac 開発者を何人か抱えた小さなソフトウェア開発会社 Arbor Bits が開発した iCamShare は、実に使いやすいアプリケーションで、iSight やほかのウェブカメラを使って、写真でもビデオ(音声付き)でも撮ることができる。そしてその成果を、電子メールで送ったり、.Mac アカウントで公開したり、ハードディスクに保存したりして、共有できる。
iCamShare を使うのは本当に簡単だ。1つ1つ手順を追ってくれるアシスタント風のインターフェースが、そのままよくまとまった説明書となっている。自分の写真を撮るには、最初の画面で Picture ラジオボタンを選択し、2番目の画面で、顔を適当なしかめつらにしてから、Snap Picture ボタンをクリックする(デジタルズームを使って、顔を画面一杯にすることもできる)。結果が気に入らなければ、Try Again をクリックすれば、文字通り、もう一度試せる。気に入った写真が撮れたら、3番目の画面では、ボタン1つで、写真を電子メールで送信したり(Apple Mail、Eudora、Entourage、Mailsmith に対応している)、写真を iDisk の Pictures フォルダにコピーしたり(そうすると簡単に HomePage のアルバムに加えることができる)、写真を JPEG ファイルとしてハードディスクに保存したりできる。また、写真のドラッグを受け入れることのできるどんなアプリケーションにでも、写真を iCamShare からドラッグできることを、iCamShare は教えてくれる(そのアプリケーションには iPhoto は含まれていない。iPhoto はファイルのドラッグしか受け付けないので、最初に写真を JPEG ファイルとして保存して、それを iPhoto にドラッグしなければならない。しかし、iSight の写真は 640 × 480 ピクセルしかないので、保存したい写真が多すぎて困るということにはならないだろう)。
ビデオ録画は、途中に画面があと2つ増えるが、同じようにしてできる。気に入ったビデオクリップが録画できたら、3番目の画面でビデオを再生して、最初と最後を少し切り詰めることができる。ビデオをうまく開始したり停止したりするのは難しいから、この機能は役に立つ。4番目の画面では、圧縮の種類を選び、ビデオを圧縮し、その結果をプレビューする。受け取り人のインターネット接続がどのタイプであるか選択して、圧縮したサイズでのダウンロード時間を見積もることができる。ダウンロード時間が長すぎたり、圧縮されたビデオの画質が悪すぎたりしたら、スライダーを Receive Quicker から Better Image のあいだでいろいろ動かして、圧縮をやり直すことができる。5番目の画面が最後の画面で、先ほどと同じように、動画を電子メールで送信したり、iDisk の Movies フォルダにアップロードしてムービーとして公開したり、ハードディスクに保存したりできる。iCamShare から別のアプリケーションにドラッグすることもできる。
iCamShare は 15 ドルで、たった 759K のダウンロードだ。15 ドルというのは高くはないけれど、購入する前に試してみることもできる。Mac OS X 10.2.8 か、Mac OS X 10.3.4 以降が必要だ。私が試したところでは、Mac OS X 10.4 Tiger でも問題なく動く。
ImageTricks -- というわけで、iCamShare は、写真とビデオの両方を撮影できることと、電子メールで送ったり .Mac にアップロードしたりするのが簡単なこととで、Photo Booth に勝っている。しかし、iCamShare には、少なくともそれ自体の機能としては、Photo Booth に敵わない点がある。Photo Booth のように画像効果を加えることができないのだ。この点で Photo Booth を打ち負かすには、もう1つのプログラムを加えなければならない。BeLight Software から出ている無料の ImageTricks だ。これを使えば、Mac OS X 10.4 Tiger に組み込まれている Core Image の効果とフィルターを、どんな画像にでも適用できる。
ImageTricks には大きなパネルがあって、そこに作業中の画像と、その画像に適用できる効果のスクロールリスト、いつかの効果を調整するスライダーと、画像を開く、画像を保存する、コピーとペースト、iPhoto を開く、左回りおよび右回りに回転、のボタンが表示される。もう1つスライダーがあって、これでメインパネルの画像をズームできる。そして Apply ボタンを押せば、それまでにほどこした変更が最終的に固定される。1度に1つの効果しか適用できないので、1つの効果を適用し終えてから、別の効果を加えなければならない。ドロワには、画像の様々な部分を見せたり隠したりするマスクがたくさん集められている。
iCamShare と ImageTricks を統合するのは簡単だが、完全にはできない。iCamShare から ImageTricks に写真をドラッグすれば、思う存分操作することができる。Photo Booth でできることよりもはるかに多くのことができるのだが、操作した画像を iCamShare に戻す方法がない。電子メールプログラムによっては、iCamShare で写真を添付した電子メールメッセージを作成しておいて、それを送信する前に添付画像を編集できる。ImageTricks は Eudora からドラッグした JPEG 添付画像を受け取らないが、Eudora の添付ファイルアイコンを Control-Option-ダブルクリックするという超裏技を使えば、オリジナルファイルが現れて、その JPEG 添付ファイルの実物を Dock の ImageTricks アイコンにドラッグすれば、開いて、編集して、変更を保存することができる。
ImageTricks を使うと病みつきになる。新しい写真をドロップするたびに、私は様々な効果をすべて試してみたいという欲求に駆られる。この効果の種類たるや、Photo Booth など全く相手にならない。ImageTricks では 43 の効果が適用できる(これは長いリストだが、とにかくお伝えしよう)。クロップ、カラーコントロール、露出調整、ガンマ調整、色相調整、ホワイトポイント調整、モノクロ化、ポスタライズ、色の反転、アンシャープマスク、ガウスブラー、モーションブラー、輝度シャープ化、ズームブラー、バンプ(凸凹)、円形しぶき、円形状ラップ、穴、つまみ、らせん、渦巻き、ガラス、ブルーム、暗影、クリスタル化、ポインティライズ、ピクセレート、エッジワーク、エッジ、チェッカーボード、ランダムジェネレータ、円、点、平行線、線、カレイドスコープ、オプタイル、平行四辺形、三角形、レンズハロー、スターシャイン、そしてサンビームだ。
Photo Booth には 16 の効果がある。セピア、白黒、グロー、Comic Book、Colored Pencil、Thermal Camera、X線、Pop Art、膨らまし、へこみ、Twirl、Squeeze、Mirror、Light Tunnel、Fisheye、そして Stretch だ。どちらのプログラムの効果がより良いか、判断するのは難しい。ImageTricks には多くの効果があるが、その中にはやや馬鹿げたものもあるからだ。もちろん、これは Photo Booth の効果についても言える。だから、私としては ImageTricks に軍配を上げたい。
BeLight Software は ImageTricks を無料で提供している。1.5 MB のダウンロードで、Mac OS X 10.4 以降が必要だ。
<http://www.belightsoft.com/products/imagetricks/overview.php>
まとめ -- 確かに、Photo Booth は良くできている。iSight 内蔵の iMac G5 を購入した人の多くが、これを楽しんで使うことだろう。しかし、購入しなかった人も、iCamShare と ImageTricks を使えば、ビデオがサポートされ、特殊効果もずっとたくさん使えるので、Photo Booth を越えることができる。この2つのプログラムの唯一の短所は、統合が完全でないことだから、ひょっとして将来のバージョンで、両者がより緊密に連携するようになれば、今のようにばらばらに動くより、さらに使いやすくなるだろう。
文: Glenn Fleishman <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Sprint Nextel は先週、その第三世代 (3G) のセルラーデータサービスを発表し、何十もの都市が既にライブでカバーされていること、今年末までにさらにカバー地域を拡げる予定であることなどを公表した。Verizon Wireless はもう一年以上も前から同様のネットワークを提供しているが、公式には Mac のサポートは全く無い。Sprint Nextel の方はどうやら違ったアプローチを採っているようだ。ワイヤレスのインターネットアクセスが必要だけれどもコーヒーショップやホテルのロビーなどで Wi-Fi ホットスポットを探し回るのは嫌だという Mac ユーザーたちにとって、これは嬉しいニュースだ。
<http://www.sprint.com/business/products/products/wirelessHighSpeedData_tabB.jsp>
Sprint と Verizon のネットワークはどちらも EVDO (Evolution Data Only) を使っている。これは Qualcomm によって開発された規格で、毎秒数百キロビットという実地の速度をカバー地域全体で提供でき、その地域は大都市の市街地全域をもカバーできるというものだ。これら両社はまた、ほとんどの主要な空港やいくつかの通勤経路地域などでもサービスを提供している。
どちらの会社も独立の個人購読契約によるサービスを提供しており、最高レートは月額 $80 で PC カードによる無制限の使用ができる。もしもあなたが既にその会社の音声電話顧客であって、かつ二年間の契約保証をするならば、レートが月額 $60 と安くなる。(二年以内にデータサービスを途中で止める場合にはキャンセル料がかかる。)
Verizon の PC カードオプションには公式の Mac OS X サポートが含まれていない。けれども解決法はある。EVDOinfo というサイトに、そのサイト独自の回避方法と、ちょっと隠れた Apple 側のサポートについての説明がある。Sprint Nextel は Novatel カードを採用しており、こちらにもやはり Mac ドライバは無いが、やはり EVDOinfo サイトを見ればうまい解決法がある。(このサイトではカードやサービスプランの販売もしている。)
しかしながら、もっと良い解決法もある。実は、PC カードは必要ないのだ。Verizon と Sprint はどちらも、EVDO にも、さらにより広範に利用可能な音声およびデータ用低速ネットワークにも対応できる携帯電話を提供している。これらの携帯電話は通常、USB と Bluetooth を両方サポートしており、コンピュータに接続してデータの同期もできる。
Verizon は、携帯電話を EVDO モデムとして使えるような EVDO 用接続契約を用意してはいない。それがあれば、PC カードの限界を回避できる分かりやすい裏道として使えるだろうに。けれども Sprint の方は、EVDO 対応携帯電話の最も制限の厳しい音声電話契約の上にでも使える、追加月額 $25 の無制限データサービスというオプションを加える予定にしている。これこそ、Mac ユーザーがとるべき最も安価で最も自然な道と言えるだろう。
このことはまた、このサービスが Bluetooth 対応のどんな Mac とも組み合わせて使えるということを意味している。PC カード付きの PowerBook である必要はないのだ。それに、PC カードならばドライバが必要だし、特別の設定もしなければならないが、携帯電話ならばもっと簡単にさまざまのコンピュータと組み合わせて使えるわけだ。
Cingular も、また独自の高速サービスを掲げてこの競争に参入しようとしている。こちらは HSDPA (High-Speed Download Packet Access) という名で知られた W-CDMA の一種を採用しており、EVDO の速度に優るとも劣らない。価格やどんなプラットフォームをサポートするかはまだ発表されていないが、このサービスは今月中に全国およそ 15 か 20 ほどの都市でスタートする予定だ。
ちなみに、3G セルラーデータ接続は必ずしも Wi-Fi サービスに取って替わるものという訳ではない。それでも、これは利用可能な範囲をますます増やし続けており、充分考慮の対象になり得るオプションだ。なぜなら、一つの会社と一つの契約をするだけで、全国規模で、空港でのアクセスも含め、一律に利用できるようになるからだ。
Wi-Fi の長所は、ホットスポットでの利用にほとんど何も設定の作業が必要ないこと、ほとんどのコンピュータにハードウェアが内蔵されていること、利用ごとに支払う料金も手ごろなこと、ローカルなネットワークにもインターネットへの接続でも高い帯域幅が期待できることなどだ。(ホットスポットによっては 512 Kbps の DSL 接続しかないところもあるが、ほとんどの有料ホットスポットではダウンストリームで 1.5 Mbps、大規模なところではその何倍もの速度を提供していることがある。)
けれども社用で旅行する人たちにとっては、Wi-Fi にいくら利点があるとしても、北アメリカのいろいろな空港での Wi-Fi がさまざまな種類の料金と多数の運営者を交錯させている状況は堪え難い。主要な空港をすべて Wi-Fi でカバーしているような会社は一つもないし、アメリカ合衆国内だけに限っても、大きな空港すべてが Wi-Fi を持っている訳ではない。でも、EVDO ならばどこの空港にもある。旅行者たちにとって、数百 Kbps という帯域幅で我慢するのと引き換えに、Sprint Nextel のカバー地域の広さとほんの少しだけ高い月額コストの方を選ぶというのも悪くないと言えるだろう。
文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
各話題の下の1つ目のリンクは従来型の TidBITS Talk インターフェイスを開く。2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバ上で同じ討論に繋がる。画面上の見栄えが異なるほか、こちらの方が高速のはずだ。
Tiger からのファクス送信で問題 -- Mac OS X 10.4 ではファクスを送り出す際の方法が少し変わってしまった。(メッセージ数 2)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2765>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/612/>
10.4.3 へのコメント -- 最新の Tiger に付属して出された技術ノートの文章をめぐって、はたして“high ASCII”というものが存在するのか、という議論が始まった。また、Tiger での別の変更点の話題、例えばアップデート後にプリンタがきちんと動くようにするためのヒントなども議論された。(メッセージ数 14)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2767>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/613/>
10.4.3 でアクセス権の問題 -- Mac OS X 10.4.3 にアップグレード後、10.4.2 とは違った扱いを受けるファイルに対しディスクユーティリティが特別のアクセス権をレポートするようになった、という読者からの報告がある。(メッセージ数 3)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2766>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/614/>
10.4.3 で Mail Server が止まる -- 最新の Tiger Server アップデートは Mail Server に優しいとは言えない。(メッセージ数 3)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2768>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/615/>
AC アダプタを比較 -- 三つの AC アダプタを比較した先週号の記事に対し、読者たちからそれぞれの感想が寄せられ、その中には旅行に役立つ豆知識もいくつかあった。(メッセージ数 9)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2769>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/616/>
PowerBook 用アダプタ -- サードパーティの AC アダプタの使用体験が、まだまだ読者たちから届く。(メッセージ数 2)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2770>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/618/>
_ Take Control 電子ブック日本語版好評発売中
Tiger でのファイル共有、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther でのユーザとアカウント、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther のカスタマイズ、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther へのアップグレード、TidBITS 翻訳チーム訳
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, , 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA