新しい Intel パワーの iMac を購入したばかりのあなた、このマシンが外部ドライブからはブートできないかもしれないことにご注意あれ! Jonathan Rentzsch がその理由を説明する。Matt Neuburg はプログラムを2つレビューする。DropCopy と、Bare Bones Software から新しく出た情報マネージャの Yojimbo だ。また、15 インチ PowerBook G4 に新しいリペアエクステンションプログラムが始まったことをお伝えする。Geoff Duncan は Disney による Pixar の買収について検討し、それが Mac コミュニティーにとって何を意味するのかを考える。今週の DealBITS 抽選では、SmileOnMyMac の browseback が当たる!
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RAM トラブルに対応する PowerBook リペアエクステンション -- Apple は最近 PowerBook G4(15-inch 1.67/1.5 GHz)メモリスロットリペアエクステンションプログラム(名は体を表すそのものだ)を発表した。このプログラムは、多くの PowerBook G4 ユーザが経験したメモリスロットの片方が使えなくなるというトラブルを解決するものだ。2005 年 1 月から 2005 年 4 月の間に製造された特定の PowerBook G4(シリアル番号が W8503xxxxxx から W8518xxxxxx までの範囲)が対象となる。Apple はメモリスロットを交換し保証期間を購入日から 2 年間まで延長する。このプログラムについての詳細は Apple のウェブページでご確認いただきたい。 [JLC](笠原)
<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=303173>(日本語)アップル - サポート - TIL (PowerBook G4 (15-inch 1.67/1.5 GHz) メモリスロットリペアエクステンションプログラムについて)
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>
Google は偉大だ。しかし、あなたが見たウェブページだけに限って情報を探したいときには役に立たない。そんなときには、SmileOnMyMac がリリースした browseback のようなユーティリティがあなたの Mac に必要になる。他のウェブ履歴ユーティリティと異なり、browseback は、あなたが訪れたページのサムネイルを、時系列的にトランプの山札のようにして見せてくれる。おかげで、ウェブ旅行で訪れたところを振り返るのが簡単になる(まさに browse back の名の通りだ。)さらに、フルテキスト検索で、それらのページの中から条件に合うものを絞り込むこともできる。目的に合うページを見つけたら、それを訪れたときと同じように PDF で見たり、ブラウザで元のページへ飛んだり、PDF ファイルとして保存したり、印刷したり、誰かに電子メールで送ったりできる。browseback は楽しくて便利だ(1 月上旬に行われた Macworld Expo San Francisco で Macworld から Best of Show Award を受賞した)。これは試してみる価値が大いにある。2.6 MB のダウンロードで、Intel ベースの新しい iMac を買った人のために universal binary 版も用意されている。
<http://www.smileonmymac.com/browseback/>
<http://www.macworld.com/news/2006/01/12/bestofshow/>
今週の DealBITS 抽選では、$29.95 の browseback を 3 本賞品にする。幸運が足りずに当選から漏れた応募者にも browseback の割引価格の資格が贈られるので、ぜひ奮って下記リンクの DealBITS ページで応募して頂きたい。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。どうかご自分のスパムフィルターに注意されたい。当選したかどうかをお知らせする私のアドレスからのメールを、あなたに受け取って頂くのだから。また、もしもあなたがこの抽選を紹介して下さった方が当選すれば、紹介に対するお礼としてあなたの手にも同じ賞品が届くことになるのもお忘れなく。
<http://www.tidbits.com/dealbits/browseback/>
<http://www.tidbits.com/about/privacy.html>(日本語)TidBITS プライバシー規約
[訳注: 応募期間は 11:59 PM, 05-Feb-2006 Pacific Standard Time まで、つまり日本時間で 2 月 6 日(月曜日)の午後 5 時頃までとなっています。]
文: Geoff Duncan <[email protected]>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>
Walt Disney Company は先週、アニメ制作会社の Pixar を $7.4 billion の株式交換で (1986年に Steve Jobs が最初に $10 million で Pixar を映画制作者 George Lucas から買収した投資として見ると、立派な報酬を生み出したといえる) 買収することになったと発表した。この取引は両社のボードの了解も得られ 2006年の半ばまでには完了すると見られている。Pixar の社長である Ed Catmull が新しく形成される Pixar と Disney のアニメーションスタジオの新社長に、John Lasseter (多くの人から Pixar の宝と見られている) が新スタジオの Chief Creative Officer 兼 Walt Disney Imagineering の Principal Creative Advisor に(この役職では Disney のテーマパークのアトラクションに寄与する)就任すると見られている。
<http://corporate.disney.go.com/news/corporate/2006/2006_0124_pixar.html>
<http://corporate.pixar.com/releaseDetail.cfm?ReleaseID=185239>
<http://www.pixar.com/companyinfo/history/1986.html>
それでは、Pixar のアイコン CEO でありかつ Apple Computer の CEO でその上 Pixar の株式のおおよそ半分を所有する Steve Jobs はどうなるのか?彼は Disney のボードメンバーとなり 3つある非外部メンバーの席の一つを占めるのに加え、一夜にして、Disney の株の 6.5% を所有する最大の株主となる。
Pixar は長期契約に基づいた Disney 配給のアニメ映画で沢山の成功作を世の中に送り出してきた。それらには Toy Story, Toy Story 2, A Bug's Life, Monsters, Inc., Finding Nemo, そして The Incredibles が含まれ、興行収益はおよそ $3.2 billion に達すると見られている。しかしながら、Jobs と前の Disney CEO Michael Eisner との間の軋轢から、Jobs は今年の Cars の配給を最後として Disney との現行の配給契約から手を引くこととしていた。Jobs は Disney の現 CEO の Robert Iger とはうまが合っているのは明らかなようで、今後は彼とより多く時間を費やすつもりのようである。
Disney による買収は、Pixar のタレントと特色のある文化を Disney の世界に持ち込むことになる、そしてネズミの館はその多くのメディアとキャラクタ商品チャネルを通して、Pixer のキャラクタ、物語、そして創作品をさらに発展させることが出来る。多くの Pixar 従業員にとってもこの取引は少々夢かなえりの趣がある:Disney の古典となったアニメ映画の物語の語り口や制作価値観の多くが Pixar を創る引き金となったからである。一方では、この取引の結果 Steve Jobs のもう一つの仕事である Apple Computer での仕事に多少の悪影響がでるかもしれない。Disney のボードメンバーとなったことが、他のビデオコンテンツ業者 (Time Warner, NBC/Universal, CBS, 等) に対してそのコンテンツを Apple の iTunes Music Store に商品として出すよう説得するのに障害になる可能性は否定できない。
ちょっと見には、この合併は Apple による Jobs の NeXT, Inc. の買収を連想させるように見えるかもしれない。この時は (1997年)、Jobs は数ヶ月で Apple CEO Gil Amelio を解任し自らが問題山積の Apple の責任者となった。事実、Pixar の上層部が Pixar と Disney の合わさったアニメスタジオの責任者となることをもってすれば、Jobs 個人のではないとしても、この買収は Pixer による逆買収と見られなくもない。しかし現実は大幅に異なっている。まず第一に、Jobs が Disney を興したわけではないので、彼が Apple に対して持ったのと同じ様な情熱を Disney に感じるのか甚だ疑問である。更に、最近の前 CEO Michael Eisner に対する Roy Disney に先導された株主反逆の動きはあったものの、Disney はアニメスタジオをはるかに通り越した存在である。会社全体での売上げは 2005年の数字で言うと $32 billion 近くになり、これを支える事業には CATV チャネル、ABC テレビネットワーク、半ダー スほどの音楽レーベル、更に同じ様な数の映画スタジオ、それに加えて劇場制作、世界的に有名なテーマパーク、そして - 勿論のこと - キャラクタグッズ商売がある。だからといって、これらに対して Jobs の影響はないであろうなどとはいえない:彼は常に世界を変えるために存在してきた、従って Apple の経営権と Disney のボードメンバーという立場をあわせ持った今、彼は前にも増して変化を起こせる立場にたったといえる。
文: Jonathan Rentzsch <[email protected]>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>
私のもとに新しい Intel ベースの iMac が届いたとき、私は Mac OS X を外付け FireWire ハードドライブにインストールしようとした。このような、今までは簡単にできていたことで、壁にぶつかってしまったのだから、私の驚きようもご想像いただけるだろう。Intel ベースの Mac は、ほとんどの点では従来の Mac と互換性があるが、Mac 起動プロセスについては、根本的に(そして非互換的に)変わってしまった。
<http://www.apple.com/imac/>(日本語)アップル - iMac
Intel ベースの Mac は、Mac で初めて、Intel の Extensible Firmware Interface(EFI)を使っている。EFI は、もともと PC で、老朽化して好かれなくなった Basic Input Output System(BIOS)を置き換えるものとして意図されたが、新しい Mac では、PowerPC ベースの Mac で使われている Open Firmware に代わって採用された。
EFI と共にやってきたのが、新しいパーティション形式である GUID Partition Table(GPT)だ。GUID というのは、Globally Unique Identifierの略で、ローカルで生成される、世界に1つしかないランダムな番号だ。これを使えば、中央集権的な組織やデータベースがなくとも、手軽に、あらゆるものを一意に識別できる。ハードディスクのパーティションを識別するのに、GUID は適している。デバイスインターフェースが変わっても(例えば、古いMac からハードドライブをもぎ取って FireWire ケースに乗せ替えた場合)、オペレーティングシステムがボリュームを同じものだと認識できるからだ。
Intel ベースの Mac では、ブートパーティション形式が Apple Partition Map(APM)から GPT に替わった。これが問題のもとだ。Intel ベースの Macは古い APM ドライブから起動することができず、PowerPC ベースの Mac は新しい GPT ドライブから起動しない。この問題が解決されることはなさそうだ。両形式が、ディスクの物理ブロック 1 の配置について前提としていることには、互換性がない。GPT は、Master Block Record(MBR、PC の古いパーティション形式)と互換性があるように作られているが、APM とは仲良くできない。
2つの形式をどうにかして調和させることができたとしても、悲しいことに、1つの Mac OS X 10.4.4 で PowerPC ベースと Intel ベースの両方の Mac を起動させるというところまでは、10.4.4 の二重生活はうまくいっていない。両システムで この Mac について を選択し、バージョン番号の上でクリックすれば、その証拠を見ることができる。PowerPC ベースの Mac では「ビルド8G32」と表示されるが、Intel ベースの Mac では「8G1165」となる。ゆくゆくは、Apple が両システム用の Mac OS X を和解させて、1つの Universalビルドにするだろうが、それは将来の話だ。
新しいパーティション形式の影響は、外付けドライブからの起動と、少なくとも3つの Mac OS X プログラムに(合わせて4つの異なるしかたで)およんでいる。その結果どうなったかというと、残念ながら、ユーザ体験が低下している。
Mac OS X Installer -- Intel ベースの Mac では、Mac OS X を APM ドライブにインストールしようとしても、「Mac OS X はこのボリュームにインストールできません。このボリュームを使ってコンピュータを起動できません。」というエラーが出て、インストールできない。
Apple が Installer をアップグレードして、形式の不適合を検出できるようにしたことはよいことだが、このエラーメッセージでは、問題のドライブからMac OS X を起動できない理由を伝えているとはいえない。パーティション形式などという複雑なことをユーザの目から隠そうという気持ちは分かるが、このエラーメッセージは端的に誤っている。Mac OS X は APM ドライブからでも起動できる。ただ、Intel 版 Mac OS X が起動できないだけなのだ。エラーメッセージを改善するとすれば、こうなるだろう。「Mac OS X はこのボリュームにインストールできません。Intel 版 Mac OS X を起動するには、GUID パーティション形式でなければなりません。」
Installer に、外付けドライブにインストールしてもよいと思わせるためには、ディスクユーティリティを使って、ドライブを GPT 形式のパーティションに設定し直す必要がある。ところが、ディスクユーティリティも、新しくパーティション形式が追加されたことに伴ってインターフェースが混乱したプログラムの1つだ。
ディスクユーティリティ -- Mac OS X 10.4.3 に付属するバージョンのディスクユーティリティ(紛らわしいことに、バージョン 10.5.3 (198.5) )から、重要だが目立たない オプション ボタンが、パーティション タブに追加された。このボタンは恥ずかしがりで、外付けドライブを選択したときにしか現れない。選択したドライブのパーティションを設定する前に、このボタンをクリックして表示される画面で、パーティション形式を選択できる。ところがこの画面では、どのようなときに PC Partition Scheme(MBR)を使えばよいかは説明されているが、PowerPC ベースの Mac を起動するには APM を選び、Intel ベースの Mac を起動するには GPT を選ばなければならないということが、一言も触れられていない。ディスクユーティリティのヘルプを見ても、どのようなときにどちらを選べばよいかが説明されていない。この設定は、Intel ベースの Mac を外付けドライブから起動するには決定的に重要なのだが、1枚のタブ画面の中の、一般的な名前のボタンを押して現れる画面で、ポップアップメニューの中を探して、やっと目にすることができ、しかも説明は何もなしという具合なのだ。これほど分かりにくいものはない。
ディスクユーティリティの 消去 タブでは、パーティション形式について何も触れられていない。おそらく、このタブの範疇にあてはまらないということなのだろう。消去 タブは、ドライブのパーティションを設定するのではなく、すでに存在しているものを消すだけだというわけだ。しかし、その考えは成り立たない。消去 タブでも、ドライブのパーティションを簡単に設定し直せる。すでに複数のパーティションが設定されているドライブを選択して、消去ボタンを押すだけだ。そうすると、ディスクユーティリティは喜んで、ドライブ全体を1つの大きなパーティションとして設定する。そしてそれは常に APM形式であって、Intel ベースの Mac では起動に使えない。消去 ボタンを押すとパーティション形式をたずねられ、デフォルトはそのマシンで起動可能な形式になっているというのが理想だろう。
起動ディスク -- この環境設定パネルは、PowerPC ベースの Mac で動いているときと Intel ベースの Mac で動いているときとで、異なった振る舞いをし、どちらもうまくない。GPT ドライブを PowerPC ベースの Mac につないだとしよう。起動ディスクでは、そのディスクを選択することができ、再起動ボタンを押すことすらできる。しかし、再起動 ボタンを押したとたん、ビープ音と共に処理が停止する。console.log ファイルを読んでみると(ユーティリティフォルダの中のコンソールアプリケーションを使う)、bless コマンド(起動ディスクは実際にはこのコマンドを動かしている)が、選択された GPTドライブのパーティションを認識できなかったため、処理に失敗していることが分かる。
Intel ベースの Mac に APM ドライブをつないだときのユーザ体験は、これに比べれば、わずかによい。APM ドライブはフィルターにかけられて、起動ディスクのブートドライブリストに、影も形も現さない。
どちらのユーザ体験も、よいものとはいえない。起動ディスクは、すべてのパーティションを縦に並べるように(Mac OS 9.2 の起動ディスクコントロールパネルと同じように)作り変えるべきだ。起動に対応していないディスクは、リストに現れるが、グレーアウトされていて、起動するディスクとして選択できないようになっているとよい。それぞれのパーティションの横に簡潔な注意書きを表示して、どうして起動ディスクとして選択できないかを説明することもできるだろう。
Universal 起動ドライブはありません -- ここで1つ大切なことは、これらのごたごたはすべて、起動ドライブ以外では無視してよいということだ。ドライブにデータを保存するだけならば、PowerPC ベースの Mac だろうと Intelベースの Mac だろうと、内蔵だろうと外付けだろうと、何の問題もなく使用できる。
すでに PowerPC ベースの Mac で使っている起動ドライブは、内蔵であろうと外付けであろうと、Intel ベースの Mac を起動するために使おうとすれば、再パーティション(それに伴いすべてのデータが消える)が必要となる。その逆(Intel ベースの Mac から PowerPC ベースの Mac)についても同じだ。
現在のところ、1つの外付けドライブで PowerPC ベースの Mac と Intelベースの Mac を両方起動させる方法はない。2つのパーティション形式のあいだで、ブロック 1 に根本的に互換性がないことを考えれば、これが解消されることはないかもしれない。
私が思いつく可能性はただ1つ、両種の Mac を現場で起動できるハイブリッドパーティション形式を手作りすることだ。「現場で」というのは、このような形式を作ろうとすれば、APM と GPT のどちらの仕様からも不正であって、しかし現実の Mac が起動する際の実装の隙間を縫って、何とかして動かすということになるかもしれないからだ。例えば、APM では物理ブロック 1 は"PM" で始まっていなければならず、一方 GPT では "EFI PART" で始まっていなければならないが、起動時のチェックのタイミングによっては、PowerPCベースの Mac で、ブロック 1 の "PM" を確認する前に、ディスクベースのコードを実行させることができるかもしれない。そうすれば、その低レベルコードで、もともとの GPT 形式を APM 形式にすばやく「修正」し、起動を正常に進めることができるかもしれない。
とはいえ、このような技法は、理論的には可能かもしれないが、黒魔術の秘技というべきもので、私が自分で使うことはないだろう。私のデータは貴重なのだから、そのような方法で危険にさらすわけにはいかない。
技術は徐々に進歩する -- Intel ベースの Mac は、最初の一歩を踏み出したばかりだ。新しいアーキテクチャの新しいマシンには、当然様々な障害があるだろう。初期バージョンのプログラムは、新しいパーティション形式を前にして、うまく対処できていないけれど、少なくとも Installer は、起動できないパーティション形式のドライブに Mac OS X をインストールしようとすると、事前に止まってくれる。これだけでも 20 分から 40 分のつまずきが回避されたわけで、事前のチェックがなされていることは賞賛に値する。
[Jonathan "Wolf" Rentzsch は、イリノイ州北西部の独立系 Mac 契約プログラマだ。]
文: Matt Neuburg <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
私は最近、DropCopy という 10base-t Interactive 社の製品を見つけた。この小さなユーティリティの「ウィンドウ」は小さくて半透明なほの暗いスポットで、ちょっと穴のように見える。これは他のアプリケーションすべての後ろ側に常時留まっている。(デスクトップの Finder アイコンよりも後ろだ。)この穴の上にファイルやフォルダをドラッグすると、その横にメニューが現われる。メニューにはあなたのローカルネットワーク上の他のコンピュータで同じく DropCopy を走らせているものの名前がリストされている。ドラッグを続けてメニュー項目の一つの上に来ると、そのファイルやフォルダがそのコンピュータにコピーされる。
もちろん、パーソナルファイル共有を使っても同じことができる。けれども DropCopy を使う方がずっと軽快感がある。ファイル共有をオンにする必要もないし、ユーザ名やパスワードも必要ない。他のマシンにログオンしたり、リモートの Finder ウィンドウを開く必要もなければ、アクセス権について思い悩むことも要らない。その代わりに、DropCopy は Bonjour(以前 Rendezvous と呼ばれていたもの)を使って自動検出とデータ移送を行なう。iChat も使えるが、その場合は「重複ログイン」の問題を避けるために複数のスクリーン名を使い分ける手間が掛かるし、あなたは双方のコンピュータに同時に居なければならないことになる。(片方でファイルを送って、もう片方でファイルを受け取る。)その点、DropCopy ならばファイルを穴の中に落とすだけで即座にファイルが送られる。時折 Finder 項目を他のコンピュータに送りたいだけというような状況では、DropCopy は文句無しに完璧だ。
DropCopy はまたテキストメッセージのダイアログを他のコンピュータに表示させることもでき、さらには他のコンピュータのクリップボード内容を取り込んでくることさえできる。(その昔の Mac OS 8.6 の時代には、私は何とも身の毛のよだつような AppleScript ツールを自分で書いてこの目的に使っていた。)あなたのローカルネットワーク上に二台以上のコンピュータがあるなら、たとえユーザーが一人しかいない場合でも、DropCopy を使えばきっと膨大な時間が節約できるだろう。インターフェイスはほれぼれするほど楽しい(ファイルが穴に吸い込まれて通り抜ける時に穴が一旦暗くなってから明るくなるアニメーションが私は大好きだ)し、価格(無料!)も文句無しだ。
<http://10base-t.com/dropcopy.html>
文: Matt Neuburg <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
ますます増え続ける情報管理ユーティリティのリストに、今回新たに加わったのは、Mailsmith や BBEdit(それからそのフリーウェアの兄弟プログラム、TextWrangler)で有名な Bare Bones Software の製品だ。その名も Yojimbo、どこかで聞いたようなこの名前は日本語で「雇われボディーガード」というような意味(そう、あの Kurosawa 映画の名作だ)だが、ソフトウェアとしてはその使いやすさと、ある種のタイプのデータに構造を与える方法とにおいて、傑出した特徴を持っている。
<http://www.barebones.com/products/yojimbo/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1196>
(日本語)WebArranger は Web よりも使える
復活: Helix の逆襲
それはキーパー(Idea Keeper だ、それは)
Boswell:テキスト保管庫
断片情報キーパーをあと3つ
Tinderbox でハートに火を点けて
デジタル下駄箱: iData Pro X 1.0.5
NoteTaker でテイク・ノオト
Hog Bay Notebook でグイッと行こう
DEVONthink は考える、あなたのために
よく使い込んだ NoteBook
TAO は上げ相場
散らかり放題を Curio で片付ける
ピカピカの NoteBook
DEVONthink がプロになる
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07956> (日本語)Macworld Expo San Francisco 2005 で見つけた珠玉たち
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07289> (日本語)どうして私が Mailsmith にスイッチしたか
<http://www.duallens.com/index.asp?reviewId=60603>
Yojimbo が情報を保管するためのアプローチはごくシンプルなものだ。項目を貯えたデータベースが一つだけあり、Library と呼ばれる。個々の項目はテキスト (スタイル付きでもよいし、また画像を含んでいてもよい) でもよいし、URL (“bookmark”と呼ばれる)、アーカイブ (Safari が保存できるようになったタイプのウェブアーカイブか、または PDF)、シリアル番号、あるいはパスワードでもよい。(画像や Excel 書類などの一般ファイルや、そういうファイルへのエイリアスは、Yojimbo では項目として保存できない。)特に好印象が持てたのは、どんなアプリケーションの「印刷」ダイアログにも、その PDF ポップアップメニューの中に Save PDF in Yojimbo コマンドがあって、それを使えばワンタッチで PDF が作れて同時にそれを Yojimbo の中に保存できることだ。(例えばこの機能を使って、ウェブでの注文の際にレシートページのコピーを保存したりもできる。)どの項目も暗号化ができ、そのためにはライブラリ自体にパスワードを決めておく必要がある。パスワード項目は常に暗号化されている。それぞれの項目を読む度ごとにパスワードを尋ねるようにするかどうかを環境設定で指定できる。
Yojimbo のウィンドウで直接作業しなくてもそこに項目を投げ入れることができる。システム全般で有効なホットキーで Quick Input Panel を呼び出し、そこで現在のクリップボード内容を一つの項目に変えたり、またそれがどんな種類の項目であるかを決めたりタイトルを付けたりすることもできる。それから、スクリーンの端にはドローワ (Drop Dock) があってそこに項目をドロップすることもできる。最後にもう一つ、テキストあるいは PDF のファイルを(一つずつ、あるいはバッチ操作で)Yojimbo の Dock アイコンにドロップすればそれらが読み込まれる。残念なことに、パスワードやシリアル番号を記したタブ区切り付きのテキストファイルを読み込んで個々のパスワードあるいはシリアル番号項目に変換することはできないので、他のアプリケーションから既存のデータの集まりを Yojimbo に読み込んでそのまま使うというのは難しい。また、Yojimbo は AppleScript でのスクリプト化にも対応していないので、そういう既存のデータを Yojimbo に移すためのベストな方法といえば、実際に情報を使いながらそれらを一つ一つ組織的に移すことしかないだろう。
直接的なシンプルさという第一の目標を掲げているため、Yojimbo は組織化の機能についてはほんの僅かしか提供していない。項目にフラッグを立てたり、ラベル(色)を指定したりはできる。“collection”(集まり)を(ちょうど iTunes のプレイリストや iPhoto のアルバムのように)作って、個々の項目を一個あるいは複数個の collection に割り当てることもできる。また、いくつかの“smart collection”も内蔵されていて、項目のカテゴリーを示すようになっている。例えばすべてのテキスト項目とか、すべてのフラッグ付きの項目とかいった具合だ。それから、検索フィールドを使って項目をそのタイトル、内容、またはコメントで即座に検索できる。(ただし、collection を入れ子にしたり、自分で smart collection を作ったり、検索を保存したりはできない。)
そうすることに意味のある状況(つまり bookmark やシリアル番号、それにパスワード)においては、Yojimbo はその項目の中に別途データを保持できるいくつかのフィールドを提供する。例えば、bookmark には名前のフィールドと場所のフィールド、それにコメントのフィールドが付く。シリアル番号には名前とシリアル番号の他にあと4つのフィールドがある。これは、意味のある場所ではうまい構造の入れ方だし、一方そういうものを必要としないテキストやアーカイブの項目には余分な構造を入れないというのも良い。けれども、カスタムタイプの情報に合わせて自分でフィールドを定義することはできない。もしもこれが今後のバージョンで実現されれば、例えば Yojimbo をレシピの参照のために使って、個々のレシピにその名前と、載っていた料理本の名前、ページ番号、その他の情報を集めることもできるだろう。私は現在、iData 2 を軽量級のフラットファイル・データベースとしてこの種の目的のために使っているが、とにかく情報管理ツールと言うのならば、どんな種類の情報でも保持できるようになってしかるべきだと思う。今でも何かにつけて懐かしく思い出すのだが、あの素晴らしかった WebArranger では、好きなタイプの項目を自分で定義して、それぞれのタイプごとに自由にフィールドのセットを定義することもできた。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07761>(日本語)iData Pro、Cocoaに対応
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=01149> (日本語)WebArranger は Web よりも使える
思慮もあり、実績もある Bare Bones の人たちだから、きっとインターフェイスは明快で格好良く、その機能はシステムのテクノロジーの中から最も輝いている最高の部分の利点を最大限に利用した見本のようなものだろうと、たぶん皆さんも期待されるだろう。Yojimbo では、その期待が見事に、まさにその通りに実現されている。Yojimbo は Tiger 専用のアプリケーションだ。これは最新の Mac OS X の進歩に依存しているからだ。例えば、これは Core Data アプリケーションなので、あなたの項目は簡単かつ自動的に SQLite データベースに保存される。Yojimbo はまた、暗号化されていない個々の項目をシステムワイドな Spotlight 検索で使えるようにしている。個々の項目があなたの Caches フォルダの中に stub として代表されているからだ。(これを喜ばしい機能と思うかどうかはあなたの見方による。私は、これ以上 Spotlight の検索結果が膨れ上がるのを望まない。検索結果のリストは短い方がいい!)それから、もしもあなたが .Mac アカウントを持っているなら、Yojimbo は .Mac SDK を利用してあなたの Yojimbo データをマシン同士の間で同期化できるので、例えば旅行中に iBook を使っている時にもパスワードやシリアル番号を取り寄せることができる。
<http://developer.apple.com/macosx/coredata.html>
<http://developer.apple.com/internet/dotmackit.html>
Bare Bones の Yojimbo ウェブページは、このプログラムが「何も学習しなくても使える」と書いている。「学習」とは何を意味するのかといういつもの議論の余地があることをさておけば、この主張は実際正しい。ダウンロードしてから走らせれば、もう1分もしないうちに、データをどうやって入力するか、入っているデータをどうやって見つけるか、そういうことをあなたは確実に身に付けている。けれども、Bare Bones の人たちが Yojimbo に注ぎ込んだ努力に感謝する気持ちはいささかも減ることはないものの、私の意見ではこのアプリケーションは取り立てて野心的なものとも思えないし、似たような機能を持つ他のプログラムを使っている人が是非とも切り替えようと思いたくなるようなものでもないだろう。それでも、情報管理ツールというものを使ってみたかったけれどもどれも複雑すぎて混乱してしまうので二の足を踏んでいた、という人ならば、Yojimbo のストレートなシンプルさにきっと魅力を感じるだろうし、何はともあれ一度試しに使ってみられるのがよいと思う。
Yojimbo は Mac OS X 10.4.3 かそれ以降を必要とする。個人ライセンスの価格は $40 で、一人のユーザーならば複数のマシンで使ってもよい。最大 5 名のユーザーが複数のマシンで使えるライセンスは $70、教育関係のユーザーが一台のマシンのみで使えるライセンスが $30 だ。デモ版は 30 日が過ぎると期限切れとなる。
<http://www.barebones.com/products/yojimbo/demo.shtml>
文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
各話題の下の1つ目のリンクは従来型の TidBITS Talk インターフェイスを開く。2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバ上で同じ討論に繋がる。画面上の見栄えが異なるほか、こちらの方が高速のはずだ。
Turbo Tax の問題点 -- アメリカ合衆国では税金申告の季節が始まったので、今年も読者たちがこの話題を復活させて、Intuit の税申告用ソフトウェアに関する体験談を比べ合う。(メッセージ数 7)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2850>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/383/>
Mac 用の CCTV ソフトウェア -- Mac 用のソフトウェアで CCTV 出力を読めるものがないかと探している読者がいたが、ごく安価にパノラマが作れる方法が発見できた! (メッセージ数 3)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2852>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/694/>
自動またはバッチ操作で都市リストの経度・緯度を検索 -- 都市の経度と緯度を出す方法はいくつかある。(メッセージ数 5)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2854>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/696/>
DVD リッピングについて質問 -- プロテクトのかかっていない DVD コンテンツをハードドライブにリッピングする多数の方法を、さまざまの使用目的に応じて読者たちが検討する。(メッセージ数 14)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2855>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/697/>
AOL.ART 圧縮ファイルを変換 -- AOL を使っていた時代に溜め込んだ画像ファイルがたくさんある? おそらくそれらは AOL の独自フォーマットで圧縮されているが、これはある Windows プログラムを使えばアクセス可能だ。(メッセージ数 2)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2857>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/698/>
iPhoto 6 で写真を参照 -- iPhoto 6 では、もはや写真をすべて iPhoto 6 独自のディレクトリにコピーする必要はない。(メッセージ数 1)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2858>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/699/>
ThinkFree Office の技術サポート -- Microsoft Office の代わりとなる安価な代替品だが、技術サポートは事実上存在していない、とある読者が警告する。(メッセージ数 1)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2859>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/700/>
Entourage から Mail に乗り換え? -- この2つの電子メールプログラムでできるだけクリーンに切り替えをしたい人のためのアドバイス。(メッセージ数 3)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2861>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/701/>
Sonos Digital Music System について -- Andrew Laurence が、Sonos Digital Music System をレビューした記事に対して寄せられた質問に答える。(メッセージ数 1)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2862>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/702/>
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Tiger でのファイル共有、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther でのユーザとアカウント、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther のカスタマイズ、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther へのアップグレード、TidBITS 翻訳チーム訳
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, , 日本語版最終更新:2006年 2月 7日 火曜日, S. HOSOKAWA