セキュリティをかけていない機密情報で一杯のラップトップ機が盗まれたという話が最近ニュースを賑わせているが、この話に恐れをなした Derek Miller は、簡単な解決策を実行に移すことにした。あなたの重要なデータを保管したセキュアなディスクイメージを作るにはどうすればよいか、彼が詳しく語る。今週号の他の記事では、Brady Johnson が QuickerTek トランシーバを使って MacBook Pro のワイヤレス到達距離を伸ばし、Adam はどうにも手に負えない Photoshop ファイルの問題点を突き止める。ニュースの部では、Interarchy 8.1、iPhoto 6.0.4、Shake 4.1、FlickrExport 2.0、Aperture 1.1.2、プロアプリケーションアップデート 2006-01、それに WebCrossing Neighbors のリリースをお知らせする。
記事:
Copyright 2005 TidBITS: Reuse governed by Creative Commons license
<http://www.tidbits.com/terms/> Contact: <[email protected]>
本号の TidBITS のスポンサーは:
TidBITS のスポンサーになって仲間をふやし知名度を上げませんか!日本からも素晴らしい製品を、数万人に及ぶ経験豊かで熱心な全世界の Macintosh ユーザー に見てもらいましょう。実際にものを買うのはこの人たちなのです!詳しい情報や料金については <[email protected]>. へメールを。
読者のみなさん! あなたのカンパで TidBITS を応援してみませんか?
今週は、Hedrich Michaelsen 氏 Jerry White 氏、 Bert Pepper 氏、
そしてDaniel Wolter 氏の暖かい支援に感謝!
Make friends and influence people by sponsoring TidBITS!
Put your company and products in front of tens of thousands of
savvy, committed Macintosh users who actually buy stuff.
For more information and rates, email <[email protected]>.
SMALL DOG ELECTRONICS: Save on Apple refurbished
MacBook Pros! 2 GHz XP Pro bundle with 100 GB HD,
1 GB RAM, XP PRO installed, Take Control ebook - $2039
Visit: <http://www.smalldog.com/tb> -- 800-511-MACS
FETCH SOFTWORKS: With Fetch 5.1, FTP and SFTP are simpler
than ever. Use it on Mac OS X to upload, download, mirror,
and manage your Web site, eBay images, and data sets.
Download your free trial version! <http://fetchsoftworks.com/>
Web Crossing, Inc: Web Crossing offers integrated collaboration
tools with a broad spectrum of functionality, but did you know
adding discussions, blogs, podcasts, chat, polls, and calendars
is point-click easy? Try a demo! <http://www.webcrossing.com/>
Circus Ponies NoteBook: Never lose anything again. NoteBook
keeps your digital life organized. Take notes, clip content,
share information. Find anything instantly with automatic
index pages. Free 30-day demo! <http://www.circusponies.com/>
Interarchy 8.1 が Amazon S3 のサポートを追加 -- Peter Lewis と Stairways Software が Interarchy 8.1 をリリースした。同社のパワフルなファイル転送ソフトウェアの最新版だ。Interarchy 8.1 での新機能の主なものを挙げれば、Amazon S3(Amazon Simple Storage Service、誰でも月額 GB あたり $0.15 のストレージ使用料と GB あたり $0.20 のデータ転送料を払えばストレージの利用ができるサービス)のサポート、Auto Uploads で複数個のリモートディレクトリへアップロードできる機能、その他多数の細かな修正や改良もある。バージョン 8.1 は Interarchy 8 のオーナーおよび 2006 年 1 月 1 日以降に Interarchy 7 を購入した人には無料のアップデートとなり、それ以前のバージョンのオーナーには $20 のアップグレード料が必要となる。新規購入の場合の価格は $40 だ。[ACE](永田)
<http://www.interarchy.com/>(日本語)ポー太の日本語化サイト
<http://www.amazon.com/gp/browse.html/103-8992456-0700646?node=16427261>
<http://www.interarchy.com/documentation/8/whatsnew>(日本語)interarchy's_page
iPhoto 6.0.4 で新しいテーマを追加 -- Apple 社は iPhoto 6.0.4 をリリースし、人気フォトマネージメントアプリケーションに修正を...、いや、見たところ修正点はないようだ。その代わり、直接もしくは Software Update 経由で可能な36.4 MB のダウンロードにより、夏のパーティーや結婚式、誕生会の招待状やお礼状などのデザインを含め、グリーティングカードやポストカードに新しいテーマが追加される、と Apple 社では言っている。残念ながら、Apple社では(たとえば iDVD6の様に分離して格納せず)iPhoto のテーマを iPhoto パッケージの中に格納しているので、新しいテーマを加えると言うことはアプリケーションのすべてをダウンロードすると言うことになってしまう。もし Apple 社が文書で公表せずにこっそりと何かの修正をする、ということをしていないなら、これは必須のアップデートとしてはとても数えられないだろう(ただし、もしあなたがよくカードを印刷するなら、このアップデートがより魅力的に映るだろう)。[JLC](田中)
<http://www.apple.com/support/downloads/iphoto604.html>(日本語)アップル - サポート - ダウンロード - iPhoto 6.0.4
Universal 版の Shake 4.1 が値下げ -- Intel ベースの Mac でネイティブに動ける Universal Binary としてリリースされた Apple のプログラムの中で最新のものが、Shake 4.1 だ。これは Apple のハイエンド向けビデオ制作ソフトウェアで、Hollywood の映画制作会社の多くでも使われているものだ。けれどもここでかなり興味深いニュースがある。Apple は、これを大幅に値下げし、$3,000 だったものを $500 としたのだ。(その通り、ゼロの個数は間違っていない。)これまで特殊効果の制作会社だけをターゲットにしてきたところを、今後は Shake を Final Cut Studio の上位製品として位置付けたいというのが会社の方針なのだろう。けれども(広範なポスト・プロダクションの経験を持つ)Mike Curtis が彼自身の HD for Indies ブログで指摘している通り、Shake はやはり平均的なユーザーが気軽に手に取って試してみられるような種類のフレンドリーなアプリケーションとは言えない。ひょっとしたら、今回の値下げは Apple が Shake の後継製品へと移行しようとしていることの前触れなのかもしれない。Apple がもはや Shake 用の Apple Maintenance Program を販売しないとも発表している事実が、この推測を裏付けているとも言えるだろう。既存の Shake 4 のオーナーは、$50 でバージョン 4.1 にアップグレードできる。[JLC](永田)
<http://www.apple.com/shake/>(日本語)アップル - Shake
<http://www.apple.com/finalcutstudio/>(日本語)アップル - Final Cut Studio
<http://www.hdforindies.com/2006/06/apples-shake-now-only-499-and-what-it.html>
<http://www.apple.com/pr/library/2006/jun/20shake.html> (日本語)アップル、Shake 4.1を発表
FlickrExport 2.0で iPhoto のアップロードを簡単に -- Connected Flow 社は FlickrExport のバージョン2.0 をリリースした。これは iPhoto の 4.0以降に対応するプラグインで、 写真をシェアするサービスである Flickr への写真アップロードを簡単に行えるようにする。新しいバージョンでは既存 の Flickr photosets や group pools に写真を加える、以前に写真をカテゴ リー分けするときに使ったタグのリストを出す、などのことができる。シェア ウェアの FlickrExport 2.0 は universal binary であり、Mac OS X 10.3以降 で動作する。価格は12ユーロであり、ダウンロードサイズは1.4 MBだ。 [JLC] (田中)
<http://connectedflow.com/flickrexport/>
<http://www.flickr.com/>
Apple、Aperture とプロアプリケーションをアップデート -- Apple の製品ラインの中で最もハイエンドのものたちが、先週バグ修正のアップデートをみた。Aperture 1.1.2 は「全体の信頼性とパフォーマンスに関わる問題への対処」が施されたとのことで、これは 13.6 MB のダウンロードだ。より広範囲の Pro Application Update 2006-001 では、Apple の各種のプロフェッショナルアプリケーションの基盤として使われているいくつかのフレームワークへのアップデートを提供しており、対象となるアプリケーションは Final Cut Studio (この中には Final Cut Pro 5.1、Motion 2.1、Soundtrack Pro 1.1、DVD Studio Pro 4.1、Compressor 2.1、それに Apple Qmaster 2.1 を含む)、Shake 4.1、そして Final Cut Express HD 3.5(これは LiveType 2.1 も含む)である。[JLC]
<http://www.apple.com/support/downloads/aperture112update.html> (日本語)アップル - サポート - ダウンロード - Aperture 1.1.2 Update
<http://www.apple.com/support/downloads/proapplicationupdate200601.html>(日本語)アップル - サポート - ダウンロード - Pro Application Update 2006-01
<http://www.apple.com/finalcutstudio/>(日本語)アップル - Final Cut Studio
<http://www.apple.com/shake/>(日本語)アップル - Shake
<http://www.apple.com/finalcutexpress/>(日本語)アップル - Final Cut Express HD
知人ネットワークサービス Web Crossing Neighbors 開始 -- Web Crossing, Inc. は先週、WebCrossing Neighbors サービスが一般向けに利用可能となったことを発表した。これは Web Crossing 社のホストするサービスで、会社やその他の組織がこれを利用してカスタマイズされたオンラインのソーシャルネットワークを作り、その顧客や従業員、あるいは興味を共にするユーザーたちなどが使えるようにするというものだ。WebCrossing Neighbors の提供できるものとしてはテーマによる小グループ、個人用ユーザースペース、プロファイル、コメント付きのブログ、討論、写真やファイルの共有、アクセスコントロール、システムワイドの検索、電子メールサービス、その他がある。個々のユーザーは個人のコンテンツを保存しておくスペースを持ち、そこに友人たちの新しいコンテンツへのリンクも保存して自動的にアップデートされるようにもできる。また、ユーザーたちが共通の興味を中心にしたグループを作って、情報をウェブベースのフォーラムまたは電子メールによって交換するようにもでき、これらはすべてアクセスリストによって管理される。この WebCrossing Neighbors を実際に利用して始まった最初のサイトは、Edmunds.com の CarSpace だ。このサイトでは、WebCrossing Neighbors のサービスを使って自動車ファンたちのために非公開の発言の場を提供している。ここの討論グループのうちいくつかに何百何千というメッセージがポストされているのを見れば、その人気ぶりも納得できようというものだ。WebCrossing Neighbors の価格は月額 $200 からということで、ストレージ容量や使用する帯域幅などに応じて実際の価格が決められる。[ACE](永田)
<http://webcrossing.com/Home/webcrossing_neighbors.htm>
<http://www.carspace.com/>
文: Brady Johnson <[email protected]>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>
私はインターネットアクセスはどんなコンピュータにも必須の基本機能だと考える類の一人である。AirPort カードは 150フィート (50m) の範囲でしか働かないとされているが、私のラップトップは私の家のネットワークの近くにいつもいるわけではないので、それ以上離れた状況下にいる羽目になることもしばしばである。それで、新しく 15-インチ MacBook Pro を買ったのを機にこの距離を伸ばす方法を探し始めた。
最初は、缶詰カンで作る "カンテナ" のことも考えてみた。私の読んだことからすれば、これでワイヤレスの受信範囲を相当拡げられるらしい (もっともこれだと指向性を持ち、目標とするネットワークに向けて常に向きを調整しなければならない)。私も楽しみのために家でこの類を一つぐらい作ってみようとは思うが、この MacBook はだいたい仕事で使うのでこのカンテナではちょっと奇抜すぎと思っている。
<http://www.turnpoint.net/wireless/cantennahowto.html>
そこで QuickerTek の出番である。これは小さな会社だが、同社の Web サイトによると "ワイヤレス強化製品" を専門としている。アンテナの他に、あなたの Mac のワイヤレスの範囲を 2倍以上に拡張できるトランシーバも売っている。私の最初の疑問は一体全体アンテナとトランシーバとは何が違うのかであった。基本的な違いはこうである:アンテナはパッシブな機器で送受信の両方で信号を特定の方向に集中させる役目をする。トランシーバはアクティブな機器で高出力の送信機と入力信号を増幅する受信機とからなっている。
<http://www.quickertek.com/>
<http://www.quickertek.com/faq.php>
QuickerTek は MacBook Pro, 17-インチ iMac, Power Mac G3 と G4、そしてその他のモデル用のトランシーバを作っている。トランシーバを買えばいいのかアンテナでいいのかについてもっと知りたくて私は QuickerTek に電話をしてみた。そしたら長いこと待たされることもなく、また迷路のようなメニューシステムの中をナビして行くこともなく、生の人間につながった。私の相手をしてくれた人は大変知識の豊かな人で、同社の製品群についてもその長所、短所を率直に話してくれた。彼が強調したことの一つは、MacBook Pro トランシーバはラップトップを自分で開いて内蔵の AirPort カードにリード線を取り付けなければいけないことであった。もしあなたが自分のラップトップを自分で開くのはちょっと、というのであれば、QuickerTek に頼めばやって貰える。
早速私は $200 の MacBook Pro モデル、27dBm MacBook Pro Transceiver を注文した。4日後、私は心ときめかせて箱を破り開いた。まず必要なツール全部が入っていることに嬉しくなった。とりわけサイズ 0 の Phillips ドライバは、よく "自分で組立て" キットに入っている安っぽいハンドルのついていないやつではなく、ちゃんとした実物が入っていたのは嬉しかった。詳細な取扱い説明書もきちんとしていて、写真には矢印も入っていてこれから作業する部品がきちんとわかる役に立つものであった。一言言っておくと、写真は確かにかけがえのない手引きではあったが、テキストの方は必ずしもそうではなかった。大体の説明はまあまあ正確であったが、中にはどうしようもない程漠然としていた所もあった。そんな時は写真が救い主となった。
<http://www.quickertek.com/MBProXCVR.php>
他にも気の利いたものがあった。それは一枚の紙に丸が描かれたもので、私がこれから外していく 7種類のネジをきちんと区分けしていけるように明確に表示がなされている。このお陰で、7つの皿を探してきて、それにちゃんと名札をつけるか、或いは手間を省いてどのネジはどこだったかちゃんと覚えおこうとするかを迷う必要もなかった。
説明書をたどって、キーボードカバーをはずし MacBook Pro の内臓をあらわにするまでほぼ 10分かかった。AirPort のリード線の一つを外しそれを QuickerTek トランシーバのリード線で置き換え、そして MacBook Pro を閉じた。ここまでの経過時間:20分以下!
一本の細い線がラップトップから突き出してくることになり、これがもう一本の細いケーブルにつながり、その線がトランシーバに接続することになる。トランシーバの本体はスクリーンの上端に取り付くようになっている。
このトランシーバの電源は、MacBook Pro の USB ポートからか壁の電源のどちらからか取る事になる。取りあえずラップトップを持って家の周りを歩いてみて受信状態を試験してみようと思ったので、USB ポートを使った。電源を入れると小さな緑のライトがつき、そして、見よ!iStumbler 上の私のネットワークの信号強度はやや弱い(しかし安定している)の 14 から強いの 38 に跳ね上がった。画像的に言うと、Internet Connect の信号レベルはほぼ半分から満杯まで行き、メニューバー上の AirPort アイコンは 3本から完全にいっぱいにまで行った。
このトランシーバを取り付ける前は、私には自分の家のネットワークしか見えていなかった。時折、我が家の一方の端に移動した時に隣の家のネットワークが見える程度であった。このトランシーバを使うと、この隣家のネットワークは我が家のどこからでも見えるようになったし、それに加えてこれまでは見たこともない 3軒の新たなネットワークまで見えるようになった。次に、このパワーアップした MacBook Pro を携えて Seattle のダウンタウンにある会社に行った。ここでは結構沢山のワイヤレスネットワークがオーバーラップして存在している。トランシーバなしでは、私のオフィスからはせいぜい 10 のネットワークしか見えないのだが、トランシーバありだと 25 程のネットワークを問題なく取り込める、それもずっと強い信号強度で。
注意を払わなければいけない点が一つある:トランシーバと AirPort カードの間に走っている二つのケーブルは細いし弱そうである。このケーブル同士を接続するメタルコネクタは良さそうに見えるだけでなく頑丈そうに出来ているので、ここが壊れるのはあまり心配しなくても良さそうである。トランシーバから出ているケーブルの長さはあまり邪魔にはならずに収納できる。なぜならば、私は移動する時にはトランシーバを外して安全に収納するからである。しかしながら、AirPort カードから走っている短いケーブルは MacBook Pro の脇から外に飛び出しているので取り外すことは出来ない。従って、この線がこじられたり引っ張られたりして中の AirPort カードから外れてしまわないように注意深く収納する工夫が必要である。私の場合は、粘着テープを使ってラップトップの脇に止めるようにしている。
この一点、比較的マイナーな収納の問題以外は、もっと強いワイヤレス信号を必要としている人には誰にでもお奨めできる。設置作業は簡単で (私の場合は Mac を開けてみることに抵抗感がないということもあるが)、性能も広告通りできちんと動作する。
[Brady Johnson は Seattle エリアの Mac ユーザーで、Mac を開けて何かしらいじってみる言い訳を見つけるのが大好きである。]
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
[1950 年代風のオフィスに、おどろおどろしいフィルム・ノワール風の音楽が流れ、二台の液晶画面の光が、男の額にしたたる汗に反射する。彼は口を開くが、その声は溜まりに溜まった疲労と不満のためにしわがれている。]
日曜日には、すべてがうまく働いていた。それなのに月曜日には(私は月曜日なんて大嫌いだ!)Finder で Photoshop ファイルをダブルクリックすると、Photoshop はちゃんと起動するのに、肝心のファイルが全然開いてくれない。ファイルを Dock 上の Photoshop アイコンにドラッグしたり、Finder での Photoshop アイコンにドラッグしたりしても、やはり状況は変わらなかった。でも、Photoshop 内からファイルを開く機能は、きちんと正しく動作していた。Finder からはファイルが開けないという、この Photoshop の奇妙な挙動に苛立った私は、iPod をポケットにねじ込んでから腰を据えて調べにかかった。
まず私は“Ted Landau's Mac OS X Help Line, Tiger Edition”を開いてみた。これは 1,200 ページもある大きな本で、たいていの Macintosh トラブルシューティングの問題に答を提供してくれる。ただ、難しいのはこの分厚い本のどこを開けば今の問題に答えてくれるのかを見極めることだ。今回は、私は幸運だった。最初の一突きで砂金を掘り当てたのだ。私は Finder が書類とアプリケーションの対応をつけるために Launch Services に依存しているのを知っていた。そこを一掘りすると、たちまちこのでっかい本は私が必要としている情報を示してくれた。つまり、Launch Services plist ファイルと、その壊れやすいキャッシュファイルの場所だ。
<http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0321334299/tidbitselectro00/ref%3Dnosim/>
私はそれらのファイルを見つけた。片方は私のユーザ環境設定フォルダにあり、もう片方はこっそりとライブラリのキャッシュフォルダの中に隠れていた。おまえら、見つけたぞ、と調べてみたが、どちらも私の求める情報を白状しようとはしなかった。おまえらなんかいても今後何の役にも立たないんだぞ、といくら脅してもダメだった。そこで、私はこの二人を町のゴミ捨て場まで連れて行き、消えろ、と命令した。これで、町に戻った頃にはもう新しい plist とキャッシュのファイルができていて、あいつらの後釜に座ってくれるに違いない。新しい連中なら、頼りになるかもしれない。
ところが残念なことに、新しく Launch Services を乗っ取ったクズ連中も、やっぱり何の役にも立たなかった。これで振り出しに逆戻りだ。依然として、Photoshop 書類を Finder から開くことができないままだ。ならば次なる一手は、町に出て、情報通の話を聞くことだ。そして数日が過ぎ、大量のビールが消費された結果、やっと私は Adobe 社の内部のモグラを見つけて口を割らせることができた... 金がかかった。すごい大金がかかった。私は彼にもう一杯ビールを買ってやり、私が町のゴミ捨て場に行った話をした。彼は、口を開いた。問題は、一人の行方不明者があるってことだ。それが、Adobe Unit Types ファイルだ。こいつがライブラリの ScriptingAdditions フォルダにいるはずなのだが、きっと、敵前逃亡しやがったに違いない。
<http://www.adobe.com/support/techdocs/329996.html>
止まり木に止まった鳩にもう数枚の紙幣を差し出してやると、鳩はこののっぺり顔の Adobe Unit Types ファイルとかいう奴の見つけ方を私に教えてくれた。そう言えば数週間前、Mac OS X 10.4.6 がパニックに陥った爆発事件が私の目前で起こり、私はやむなく爆弾処理の緊急措置として増援部隊の派遣を要請し、「アーカイブしてインストール」の処置で事態の沈静化を図ったのだった。この増援部隊の技術兵士たちは普段は徹底的な仕事ぶりで知られているのだが、今回はなぜかこの Adobe Unit Types 野郎だけが彼らの目をくぐり抜けてしまい、のんびりとプールサイドでウィスキーなんか飲みながらぐうたらと Previous System/Library/ScriptingAdditions フォルダの中で時を過ごしていたというわけだ。早速私は彼に召集をかけ、慇懃な態度で話しかけつつ、私のジャケットの膨らんだポケットをちらつかせて、彼に持ち場に戻ることを承諾させたのだった。彼はあまり喜んでいるようにも見えなかったが、とにかくそれからは、私が Photoshop ファイルをダブルクリックするとちゃんとそのファイルが Photoshop で開くようになった。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08501>(日本語)ハードウェアで悪夢の一週間
ほとんど丸一週間を費やしてしまったが、これでミステリーは解消した。問題は解決、やっと私はグラフィックス編集の作業に戻ることができる。
文: Derek K. Miller <[email protected]>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>
企業の従業員や公務員のラップトップコンピュータが、紛失したり、盗まれたり、タクシーの後部座席に置き忘れられたりして、何万人もの社会保障番号や保険記録といった機密情報や個人情報が、なりすまし詐欺集団やその他悪党の手に渡ったかもしれないというニュースを繰り返し目にすると、私はうんざりしてくる。これらのニュースではたいてい、重要なことが述べられていない。つまり、失われたデータファイルがしっかりと暗号化されていたかどうかと言うことだ。
<http://money.cnn.com/2006/06/15/news/companies/aig_theft/>
個人情報を役立たずに(あなた以外の人には) -- 暗号化というのは、情報を数学的な方法でごちゃまぜにし、正しいパスワードがなければ元に戻すことができないようにするもので、かつては米国が輸出を禁止する軍需品として機密扱いにしようとしていた。最善の暗号化手法を使えば、正しいパスワードなしでデータを復号するのは、どんなに手の込んだ、または力ずくの方法を使ったとしても、実質的に不可能となる。
<http://en.wikipedia.org/wiki/Portal:Cryptography>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=01581>
もしあなたの Mac に、のぞき見されては困るファイルが保存されているなら(ひょっとしたら、財務記録や医療記録、クレジットカードの情報、極めて個人的な電子メールなどが保存されているだろう)、そのデータを暗号化し、ログアウトしたりコンピュータの前から離れたりしたときにデータを保護するのは、難しいことではない。暗号化されたデータは、正しいパスワードがなければ、訳の分からないデジタルガラクタにすぎないから、誰かがハードディスクを持ち去ったり、ファイルをどこかにコピーしたりしたとしても、情報は保護されていて、彼らにとっての役には立たない。
家より金庫 -- Apple は、Mac OS X 10.3 以降に、FileVault と呼ばれる、ホームフォルダ全体を暗号化する機能を組み込んでいる。しかし、ほとんどの専門家が口をそろえて言うことには、FileVault は行き過ぎだ。その理由を、Adam が最近 MacNotables ポッドキャストに出演したときに説明している。全体の性能も低下するし、データを失う危険性もあるし、バックアップにも問題があるし、そのほか様々な理由がある。
<http://www.apple.com/macosx/features/filevault/> (日本語)アップル - Mac OS X - FileVault
<http://www.macnotables.com/archives/2006/655.html>
Apple のこのツールがうまく働かないとしたら、ほかにはどんな方法があるだろうか。考えてみれば、「ディスクユーティリティ」を使えば、暗号化されたディスクイメージを簡単に作成することができる。ディスクイメージは、Mac の通常のフォルダと同じように振るまい、そして、これが肝心なことだが、フォルダと同じようにバックアップできる、さらに、Mac を再起動したときや Mac にログインしたときに、自動的に(パスワードを入力して)開くよう設定することさえ可能だ。そうすれば、本当に保護する必要のあるファイルだけを保護し、iTunes や iPhoto のライブラリ、ブラウザのキャッシュファイル、機密というわけではない書類などはそのままにしておける。
情報をごちゃまぜにするには -- 私は、手順を追ってスクリーンショットで説明したチュートリアルを、フォトセットおよびスライドショーとして、人気のある写真共有サイト Flickr にアップしたので、下記説明と合わせてご覧いただきたい。
<http://www.flickr.com/photos/penmachine/sets/72157594167748426/>
<http://www.flickr.com/photos/penmachine/sets/72157594167748426/show/>
どのファイルを保護したいのか考え、それらを1つのフォルダにまとめる。サブフォルダがあっても問題ないが、保護したいものすべてを1か所にまとめ、1つも漏れのないように注意すること。
ディスクユーティリティを起動し(/アプリケーション/ユーティリティ フォルダにある)、ツールバーの「新規イメージ」ボタンをクリックして、ディスクイメージを作成する。(イメージ > 新規 > フォルダからのイメージ を選択すれば、下記手順 5 の手動コピーをせずに済む。)
「フォーマット」ポップアップメニューでは、「スパースディスクイメージ」フォーマットを選ぶ(これは、含んでいるデータの大きさとちょうど同じ大きさになるので、ディスクスペースを浪費することがない)。「暗号化」では「AES-128」暗号化を選ぶ(暗号化するにはこれが唯一の選択肢だ)。「サイズ」ポップアップメニューでは、実用的な範囲でなるべく大きなサイズを選ぶ。私は、イメージがいっぱいになっても1枚の DVD-R に焼けるよう、4.7 GB を選んだ。
「別名で保存」の欄で、暗号化されるディスクイメージに名前を付け、ハードディスクのどこに保存するのか決める。私は ~/書類/ に保存した。「作成」ボタンをクリックする。
「新しいパスワード」ダイアログが現れるので、パスワードを決める。Apple の「パスワードアシスタント」(鍵のボタンを押すと現れる)が、よいパスワード、つまり強力で安全、推測不可能なパスワードを考えるのを手助けしてくれる。このパスワードは、決して、決して忘れてはいけない。
<http://en.wikipedia.org/wiki/Password_strength>
もちろん、この2つの基準は少々矛盾しているが、パスワードが他人に推測されてしまえば、その人がファイルにアクセスできてしまうし、一方あなたがパスワードを忘れてしまったら、あなたであろうとほかの誰であろうと、ファイルを復号することができなくなってしまうだろう。(パスワードを紙に書いて、貸し金庫に預けておき、万一の場合にあなたやあなたの家族がアクセスできるようにしておくことを勧める。)
また、「パスワードを記憶する」チェックボックスのチェックをはずしておくことを勧める。というのも、復号パスワードをキーチェーンに含めてしまうと、あなたのログインパスワードかキーチェーンパスワードを知っている人、あるいはあなたがログインしている最中にあなたのコンピュータを使うことのできる人なら誰でも、暗号化されたファイルにアクセスできてしまうからだ。
ディスクユーティティは指定された場所に指定された名前で(例えば MyFiles.sparseimage)ディスクイメージを保存し、さらにそれを仮想ディスク(MyFiles)としてデスクトップ上に開く。通常の着脱可能ドライブやフォルダと同じように、ファイルを仮想ディスクにコピーする。
暗号化されたディスクイメージファイルを、ログイン項目に登録する。システム環境設定 > アカウント を選び、「ログイン項目」タブをクリックする。プラス印のボタンを押して、.sparseimage ファイルを探し、それを選択し、「追加」をクリックする(あるいは、ファイルをログイン項目タブにドラッグするだけでもよい)。そうすると、再起動したりアカウントにログインしたりするたびに、Mac が復号パスワードを尋ね、仮想ディスクをデスクトップにマウントする。コンピュータをスリープさせたり、机の前から少しのあいだ離れるときに、ファイルを保護するには、仮想ディスクを取り出しておけばよい。
暗号化する前のファイルを保存していたところに仮想ディスクのエイリアスを置けば、さらに便利になる。そうすれば、単にフォルダが置き換わったのと変わらない。名前を同じにしておけば、暗号化する前のフォルダがまだ存在しているつもりでいるプログラムも、あらかじめボリュームをマウントしておく限り、以前と同じように動作するはずだ。暗号化されたボリュームがマウントされていなければ、エイリアスを開こうとするから、パスワードを尋ねられることになる。
すべてがうまくいったことを確認しよう。仮想ディスクを取り出し、もう一度マウントしてみる。ログアウトし、再びログインする。仮想ディスクの中のファイルを開き、適切に動くことを確認する。
データが安全であるという確信が得られたら、暗号化する前のオリジナルファイルを消去する。Finder アプリケーションメニューから「確実にゴミ箱を空にする」を選べば、本当に消えてなくなる。
最後に、暗号化されたディスクイメージをほかのメディアに定期的にコピーすることを含むようなバックアップの計画を立てよう。メディアのうちいくつかは別の場所に保管するようにする。
本当の偏執狂には -- このシステムは完璧というわけではない。偏執狂のユーザなら、AES-128 暗号化が現在得られるうちで最強ではないことを指摘し、PGP や GPG といった別のソリューションを推奨するだろう。さらに、本当にその気があって、技術もあって、装備も備えているような敵に対して秘密を漏らしてしまうような欠陥が、ひょっとして私の方法のどこかに見つかるかもしれない。さらに強力な暗号化技法の入門としては、最近 Leo Laporte が MacBreak と Security Now! とでホストした2つのポッドキャスト(1つはビデオ、1つはオーディオ)を勧める。
<http://www.pgpi.org/>
<http://www.gnupg.org/>
<http://twit.tv/mb10>
<http://www.grc.com/sn/SN-041.htm>
データを暗号化せよ -- さて、タクシーの後部座席に戻ろう。もしも盗まれた社会保障番号や保険記録が暗合化されていれば、そうあるべきだが、盗人は情報を手に入れることができないわけだから、たいしたニュースにはならない。もし暗号化されていなければ、反抗的な従業員(またはそのラップトップを付与した IT スタッフ)はクビにするべきだ。ラップトップは紛失したり盗まれたりするものだが、その中に個人情報を暗号化せずに入れておくということについては、言い訳の余地はない。
ほとんどの Mac ユーザにとって、暗号化されたディスクイメージは十分安全だといえる。もしも新品の黒い MacBook がなくなってしまったとしても、そのひそやかな筐体の内部には、かつて機密であった軍需品が潜んでおり、個人的なファイルを悪の手から守っているということを思えば、落胆も少しは軽減されるだろう。
[Derek K. Miller は、カナダ Vancouver のインターネットソフトウェア会社 Navarik の Communications Manager だ。夜にまぎれてかつらをかぶり、クラシックロックのカバーバンドでドラムをたたく一方、Inside Home Recording ポッドキャストでは共同ホストを務めている。彼のブログは、彼の一番下の娘さん同様、2006 年に 6 歳になる。]
<http://www.navarik.com/>
<http://www.insidehomerecording.com/>
<http://www.penmachine.com/>
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
電子ブック“Running Windows on a Mac”の 1.0.2 アップデート -- Intel ベースの Mac で Windows を走らせるためのテクニックの最新情報に後れずについて行くのはなかなか難しいことだが、Joe Kissell の“Take Control of Running Windows on a Mac”の最新版アップデートが大いに助けになることだろう。バージョン 1.0.2 となったこの電子ブックは、待ちに待った Parallels Desktop のバージョン 1.0 リリースをカバーし、Parallels Compressor を使って仮想ディスクを圧縮することに関する情報も追加している。(TidBITS に載った Parallels Desktop のレビュー記事(下記リンク)も参照して頂きたい。)
この電子ブックの旧バージョンをお持ちの方は、PDF の最初のページにある Check for Updates ボタンをクリックするだけで、無料のアップデートにアクセスできるようになっている。今回の電子ブックの 4 ページには、重要な変更点のリストと、新しいコンテンツへのリンクもまとめてある。
<http://www.takecontrolbooks.com/windows-on-mac.html?14@@!pt=TRK-0034-TB835-TCNEWS>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08567> (日本語)Parallels Desktop でスイッチ完了
文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
各話題の下の1つ目のリンクは従来型の TidBITS Talk インターフェイスを開く。2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバ上で同じ討論に繋がる。画面上の見栄えが異なるほか、こちらの方が高速のはずだ。
ホームライブラリ用カタログソフトウェア -- 整理整頓熱に浮かされたある読者が、彼の蔵書や音楽、その他をきちんと管理するのに役立つソフトウェアを探している。(メッセージ数 8)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=3032>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/865/>
PRAM をリセットすればビデオ RAM のエラーは直るか? -- 最近の機種の iMac でパラメータ RAM (PRAM) をリセットしてみたら、ディスプレイのエラーが直ってしまった。これにはその本人も驚いた。(メッセージ数 8)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=3033>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/866/>
_ Take Control 電子ブック日本語版好評発売中
Tiger でのファイル共有、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther でのユーザとアカウント、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther のカスタマイズ、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther へのアップグレード、TidBITS 翻訳チーム訳
非営利、非商用の出版物およびウェブサイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載またはウェブページにリンクすることが できます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありませ ん。書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。TidBITS ISSN 1090-7017
, , 日本語版最終更新:2006年 7月 1日 土曜日, S. HOSOKAWA