TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#877/30-Apr-07

Apple は先週、またも好調だった四半期業績を報告した。純利益は 7億 7千万ドルという。その一方で、同社のストックオプションのバックデーティングに関するスキャンダルが、二人の元 Apple 社員(いずれも Steve Jobs という名前ではない)を SEC が提訴したことで新たな局面を迎えた。また今週は、MacRabbit の CSSEdit 2.5 と Panic の Coda がリリースされたことでウェブデザインが私たちの興味の的となった。Joe Kissell が Coda の調べを独特のペースで奏でる。Joe はまた、公開ベータ版の二つのオンラインバックアップサービスと、Parallels からの新しい提唱、それにまたもう一つ新たな仮想化環境の初めての Mac 用ベータ版についてもお伝えする。その他のニュースとしては、Apple が MacBook と MacBook Pro 用に Battery Update 1.2 をリリースし、Rogue Amoeba がオーディオ処理ツールの Fission をアップデートした。

記事:

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MacBook と MacBook Pro 用の Battery Update 1.2

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

Apple は 2006 年 2 月から 2007 年 4 月に販売された MacBook と MacBook Pro モデル及びそれらのバッテリのための バッテリーアップデート 1.2 をリリースした。このアップデートは明示されていない性能上の問題を改善するものだ。Apple はこの性能問題は安全に影響を及ぼすものではないとしている(昨年大騒ぎになったバッテリリコールのときとは異なる対応だ。これについては 2006-08-28 の ")Apple 180万個のラップトップ用バッテリをリコール"を参照)。問題は、どうやらハードウェアとソフトウェア双方にまたがっているようだ。 このアップデートのサポートページに、欠陥のあるバッテリの症状がリストされている(個人的に面白かったのは、"バッテリパックが変形している" という、いくつかの写真にあったような膨張した MacBook のバッテリと比較するといささか控えめすぎる表現だ)。

アップデートを走らせるときにはラップトップの AC 電源が入っていることを確認する必要がある。別のバッテリが装着されたときには、自動的にアップデートされる。Apple は他にも、Intel Core Duo プロセッサを搭載した MacBook および MacBook Pro の場合、この交換プログラムによってバッテリの保証期間がコンピュータの購入日から 2 年間に延長されるとしている。Battery Update 1.2 は 244K で Apple のサポートページか ソフトウェアアップデート経由でダウンロードできる。


Apple、好調な Q2 2007 財務業績を報告

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

第1四半期の利益は年末のホリデー商戦の売り上げによって押し上げられるものだから、Apple の第2四半期の業績が 2007 年度第1四半期の記録的な数字(2007-01-22 の記事“Apple、10億ドルの2007年度第1四半期純利益を報告 ”参照)を超えるのはどう見ても無理なことだったが、それでもやはり驚異的と言える結果が出た。2007 年 3 月 31 日に終わったこの財務四半期に、Apple は 52億6,000万ドルの売上高(前年同期は 43億6,000万ドル)と 7億7,000万ドルの純利益(前年同期は 4億1,000万ドル)を計上した。売上総利益率も前年同期の 29.8% から大きく増えて 35.1% となった。つまり Apple は個々の売り上げからより大きな利益を挙げるようになったということだ。

今回の好調な結果には、1,517,000 台売り上げた Mac(前年同期より 36% 増加)の方が 10,549,000 台売り上げた iPod(24% 増加)より若干大きく貢献している。Macintosh の売上高は 22億7,000万ドル(前年同期より 44% 増加)で、iPod の売上高は 16億9,000万ドル(1% 減少)だった。iTunes Store や、iPod サービス、それに Apple およびサードパーティの iPod アクセサリについての Apple の取り分などから来る売上高は 6億5,300万ドルで、Apple の周辺機器関係の売上高 3億900万ドルやソフトウェアの売上高 3億4,500万ドルを大きく引き離している。

Apple による iPod のユニット販売数が前年度の第2四半期より 24% 増えたにもかかわらず売上高が 1% 減少しているという点は興味深い。おそらくその意味するところは Apple が価格の安い iPod をより多く販売するようになったということだろう。もう一つ注目すべき点はデスクトップ機からポータブル機への人気の移行が今期も続いていることだ。一年前には、デスクトップ機対ポータブル機のユニット販売数の比率は 55% 対 45% で、これはその前少なくとも何回かの四半期でも同様だった。ところが 2006 年度の第3四半期になって、この比率がデスクトップ機 40% 対ポータブル機 60% と様変わりした。そして、この新しい比率はその後もずっと同じ傾向で続いている。

Apple の売上高全体に占める国外市場での売上高の割合は 2006 年度第2四半期と変わらず 43% で、これはヨーロッパ市場での伸びが日本市場での減少を凌ぐものだったお陰と言える。国外での売り上げ比率は 2006 年度第2四半期の後いったん大きく落ち込んだが、その後増加に転じていた。


DealBITS 抽選: Open Door Networks の DoorStop X Security Suite当選者

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

先週の DealBITS 抽選に当選したのは sympatico.ca の Michael Weyman と assumption.edu の Stuart Munro でした。おめでとう!お二人には Open Door Networks の DoorStop X Security Suite($79 相当)が贈られた。しかし、当らなかったといってもがっかりすることはない。Open Door Networks が DealBITS 抽選に応募した全員に、 5 月 9 日まで、DoorStop X Security Suite を $15 引きの $64 で販売してくれるからだ。この特典を使うためには、オーダーの際にオーダーフォームのコメント欄に "Dealbits2007" というクーポンコードを入力して頂きたい。このDealBITS 抽選に応募してくれた 802 名の皆様に感謝!次回の抽選もお楽しみに!


求む: オランダ語翻訳者

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

この前の四半期に Apple はヨーロッパでかなりの売り上げの伸びを記録した。それはつまり(もちろん他のさまざまのことも意味するだろうが)オランダ語を話す Mac ユーザーの数もこれまでになかったほど大勢になったということを意味している。そこで英語からオランダ語への翻訳のできる方はいらっしゃいませんか、と私たちのオランダ語版翻訳チーム、長年活動を続けてきたとても心の温かいボランティアの人たちのチームが、何人か新しい助けの手を探している。オランダ語版の TidBITS ウェブサイトで、どんな作業をすることになるのかについて 詳しいことを読んだり、チームの人に連絡したりできる。お返しと言っては何だが、TidBITS 翻訳者の皆さんにはその努力へのお礼として、私たちの Take Control 電子ブックすべてを無料で入手して頂けるようにしてある。


オンラインバックアップサービス2社から公開ベータ版

  文: Joe Kissell <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

2007-04-09 の記事“オンラインバックアップの選択肢が広がる”で、私は有望と思われる2つのオンラインバックアップサービス、Mozy と Bandwagon を紹介した。これらはまだ第一線で活躍する段階に至ってはいなかったのだが、先週になってこれら両者のサービスから、いずれも公開ベータテスト用のバージョンが公式に利用できるようになっていることが発表された。

Berkeley Data Systems の Mozy は、月額たったの $5 で無制限のオンラインストレージを提供する。同社の Mac 用バックアップクライアントは従来は限定の多いベータ版だったが、今回から誰でもダウンロードできるものになった。まだすぐには毎月の料金を払う気になれないという人や、ほんの数個のファイルのみをバックアップしたいという人ならば、サインアップだけすれば無料で 2 GB のストレージが使える。現時点のバージョンの Mozy は私が数週間前に見たものと比べれば確かにかなり良くなっているものの、やはりこれがまだベータ版だということは見れば明らかだ。今後修正すべき問題点のうち主なものとしては、設定ウィンドウを開く際に(開く度に毎度だ!)しゃくに障るほど時間が(私のテストマシンでは一時間以上)かかることと、バックアップの最中や進行中のバックアップをキャンセルしようとした際に時々ハングしてしまうことが挙げられる。この Mozy のダウンロードサイズは 5 MB だ。

Xackup の Bandwagon DIY は、あなたが別途 Amazon.com の S3 サービス で設定しておいたストレージスペースを利用して、あなたの iTunes コンテンツをオンラインにバックアップする。今回のベータプログラムは 5 月中のどこかの時点で終了するが、その時に価格が(ストレージスペースにかかるものは含まず)標準の Bandwagon DIY サービスで月額 $2 となり、標準サービスに加えて2台の Mac の間でも iTunes コンテンツの同期ができる Bandwagon DIY+ なら月額 $3 となる。Bandwagon DIY の beta 1 版は 4 MB のダウンロードだ。


Fission 1.5 にオーディオ挿入機能追加

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

Rogue Amoeba は、同社のシンプルなオーディオ操作プログラムである Fission のアップデートをリリースした。これは、最も望まれていたオーディオ操作機能の追加を目的とするものだ(詳細は、2006-09-25 の Fission があらゆる種類のオーディオトラックをいじる" と Andy Williams Affleck の "Take Control of Podcasting on the Mac" を参照)。Fission 1.5 は、オリジナルの "trim、split、clean up" 機能を拡張し、 オーディオ挿入機能を付け加えた。これにより、ファイル内でのコピー・ペーストやオーディオフォーマットの異なる複数ファイルからのオーディオの結合、Finder で既存のオーディオファイルへのドラッグ・ドロップで追記することが可能になった。Fission 1.5 のその他の新機能には、どんなファイルでも音量の増減が可能になったこと、Inspector フィールドでのオートコンプリート、Selection コマンドでの Zoom、Inspector への Album Artist タグの追加などがある。アップデートは、登録ユーザには無料で、新規購入の場合は$ 32 だ。これには、 Mac OS X 10.4 以降が必要で、ダウンロードのサイズは 3.1 MB だ。


仮想化の選択肢が広がる

  文: Joe Kissell <[email protected]>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

今週、Intel ベース Mac で Windows を動かすことに興味のある人たちにとって興味深い発表が2つあった。1つには、Parallels と VMware がお互いに相手の一枚上を行こうとしのぎを削っている中で、Parallels が、開発者の仮想アプライアンス開発・配布に役立つような新しいイニシアチブを発表した。仮想アプライアンスとは、あらかじめパッケージ化された仮想マシンで、必要なオペレーティングシステムとアプリケーションのすべてを含んでおり、特定の作業を実行するために構成されていて、設定することなくすぐに動かすことができる。Parallels Technology Network が開発者サポートとドキュメントを提供し、開発者が、Parallels が定めた条件に適合する仮想アプライアンスを提出すると、それが Parallels Virtual Appliances Directory にリストされる。これは VMware の Virtual Appliance Marketplace とよく似ている。

その一方で、Parallels DesktopVMware Fusion にいま1つ競争相手が現れた。Innotek の VirtualBox, だ。これは無料のオープンソース仮想化環境で、従来は Windows 版と Linux 版しかなかった。今回登場した VirtualBoxの初めての Mac OS X 用公開ベータ版を使うと、Intel ベースの Mac で、多くのバージョンの Windows、DOS、Linux、およびさまざまな Unix 互換オペレーティングシステムをインストールして動かすことができる。VirtualBox for OS X Hosts Beta 1 は 16 MB のダウンロードだ。


CSSEdit 2.5 で CSS がますます簡単に

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

バニートレイルの上を飛び跳ねながら、何かがやってきた。Peter Cottontailだ。いや、MacRabbit Software だ。Cascading Style Sheets を作成し、編集し、理解するための、同社のスマートでパワフルなツール CSSEdit に対する大幅なアップデートを携えて、やってきたのだ。(2007-01-29 の "CSSEdit 2 が救いの手に!" 参照。)モダンなウェブサイトを構築するのには CSS が理論的にエレガントだということは容易に理解できるが、まっさらのページを目の前にしたり、誰かが作ったぐちゃぐちゃのスタイルに直面したりすると、CSS に圧倒されるように感じることもある。CSSEdit 2.0 は、CSS をより近づきやすくするために大いに役立っているが、リリースされたばかりの CSSEdit 2.5 は、さらにその上を行く。

CSSEdit 2.5 ですぐに目に付くのは、プレビューウインドウと編集ウインドウの両方に水平タブのナビゲーションが追加されたことだ。私の場合、サイトのCSS を定義するときには通常、サイトの中のいくつかのページを同時に開いておく必要がある。1つのページでうまくいった変更が、別のページで問題を引き起こすことがあるからだ。この機能は前のバージョンにもあったのだが、まだ不完全だった。このバージョンでは、Safari に似たタブを使って動き回ったり、1つのタブをタブバーの外にドラッグして別のウインドウとして開いたり、タブを別のウインドウのタブバーにドラッグして2つのウインドウを1つにまとめたり、そのほかのことができる。もう1つ、URL を直接入力したり編集したりできるナビゲーションバーが加わったのもうれしい。

(1つだけ、わずかにがっかりしたことには、CSSEdit 2.5 では垂直タブが水平タブに替わってしまった。私はメインのブラウザとして OmniWeb を使っているので、垂直タブの方が好きだ。この方が、同時に多くのタブを見ることができるし、開いているが表示されていないタブがいくつあるかをスクロールバーで判断することができるから、多数のタブを開いて作業する人にとっては作業しやすいと思う。水平タブは、互いを区別することが難しく、識別に必要な情報を表示するスペースもなく、開いているタブのうちいくつがメニューに表示されていないかを示すフィードバックを隠してしまう。)

私が CSSEdit にもっとも強く望んでいた機能が、このアップデートで実現した。X-ray Inspector が改良されたのだ。既存の CSS について作業するさい、もっとも難しいことはおそらく、それぞれの要素がどうしてそのように見えているのかを知ることだろう。CSSEdit の以前のバージョンでは、X-ray Inspector は、選択された要素のサイズと、マージン(矢印で示される)とパディング(点線で示される)を表示していた。さらに、DOM 階層も表示していたが、どのスタイルがその要素に適用されているかは教えてくれなかった。それが分かるようになったのだ。もっとも適切なスタイルが一番上になるように、スタイルがカスケーディングの順番で表示される。X-ray Inspector でスタイルをクリックすると、それに対応する CSS コードが編集ウインドウの中で選択されるから、コードの中を簡単に飛び歩いて、どのスタイルが設定され上書きされているかを知ることができる。

x-ray-inspector

主な新機能のしんがりは、Selector Builder だ。これは Automator に似たインターフェースで、特定の状況における特定の要素にスタイルを適用するためのセレクタを作成するものだ。私はまだ Selector Builder を理解するのに頭をひねっているが、それは、これが複雑だからというわけではなく(これには可能な限り普通の言葉が使われている)、CSS におけるセレクタの役割を私がまだ理解しきれていないからだ。そんな私でも、スタイルを設定したい要素を選択して、Selector Builder を使えば、その要素に対する新しいスタイルをX-ray Inspector で作成することができるので、このような分野で Selector Builder は大いに役立つだろうと思う。これまでは、私が望みの結果を得るには実質的に試行錯誤をするほかなく、頭がごちゃごちゃになっていた。

selector-builder

CSSEdit 2.5 にはほかにも小さな機能が多数追加されている。フォントピッカー、CodeSense 自動補完の改良、テキスト・シャドウ・エディタなどだ。CSSEdit 2.0 から存在していたけれど私が注意を払っていなかった機能としては、CSS 検証機能や、ウェブブラウザで表示しているページを CSSEdit のプレビューウインドウに簡単に追加できるブックマークレットなどがある。私はまた、Milestones という機能もよく使うようになった。これは、現在位置に目印をつけ、スタイルの大幅な変更を自由に実験し、その実験がうまくゆかなかったら、目印をつけた地点に簡単に戻れるというものだ。

かりそめにも CSS で作業する人なら、CSSEdit が必要だ。このプログラムは、バージョン 2.5 でますます不可欠なものとなった。登録ユーザのアップグレードは無料で、新規購入は 30 ドルかかる。Mac OS X 10.4 以降が必要で、2.0 MB のダウンロードだ。2,500 文字以下のファイルなら、無料の試用モードで作業できる。


Coda、ウェブデザイナーに新しき調べを奏でる

  文: Joe Kissell <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私はかなりの時間を費やしてウェブ開発の仕事をしている。Dreamweaver のようなグラフィカルツールにももちろんアクセスできるのだが、私はもう長い間すべてのコーディングを手でする方が好きだった。そう、複雑な CSS レイアウトや表、フォームといったものでさえ、全部手でするのだ。たぶん私の頭脳の配線がそうなっているのだろう。けれども、2台揃った私の 20 インチワイドスクリーンモニタでさえも、私が同時に見たいと思うウィンドウを全部一挙に表示できるだけのピクセル数は備えていない。テキストエディタ (BBEdit)、FTP クライアント (Transmit)、プレビュー用のウェブブラウザ (少なくとも最初のチェックは Safari)、MySQL コマンドを走らせたりサーバのアクセス権などをいじったりするための Terminal、それに多くの場合、もう一つ別のブラウザタブやウィンドウを開いて PHP のオンラインマニュアルを表示させている。

これはもう間違いなく、Panic 社の心やさしい人たちが私の苦心の様を覗き見していたに違いない。彼らは新しいウェブ開発ツールの Coda の紹介に際して、このような問題を解決するためにデザインされたのだ、という説明のところで、私が今述べたのとほとんど同じウィンドウの組み合わせを使って図で示しているのだから。ウェブサイトを手でコーディングする私のような人たちのために、Coda は高機能のテキストエディタ、ビジュアルな CSS エディタ、FTP クライアント、WebKit ベースのプレビュー、リモートサーバへの SSH 接続をサポートしたターミナル、さらには HTML、CSS、JavaScript、PHP のオンラインマニュアルまでをも組み合わせて、それらを全部一つのアプリケーションにまとめただけでなく、何とすべてを一つのウィンドウにまとめてしまったのだ。

たまたま私は先週新しいウェブサイトを作る必要があったので、私は何時間もかけて実際のライブなプロジェクトで Coda を使って、これに馴染んでみた。まだ十分に深くこのプログラムを探究したとは言えないので包括的なレビューを書くことはできないが、私の第一印象のいくつかをここでご紹介してみたいと思う。一言でまとめれば次のようになる。これは、まさに夢の自動車を買うような感じだが、でも乗り込んでみるとシートは何となく座り心地が悪いし、ヒーターも付いていない。Coda はあまりにも理想の環境に近いので、その細々とした欠点が余計に目立つのだ。このやり方で作業ができるのを体験してしまったので、4つのアプリケーションを常時走らせるというこれまでのやり方に戻ると嫌で嫌でたまらない。それでも、新しいやり方で使っているといろいろな問題に出くわして、イライラのあまりほとんど放り出してしまいたくなるのだ。

クイックツアー -- Coda のウィンドウにはいくつものペインやタブがあって、どんなサイトに対してもそことの間でいくつもの方法を使ってやり取りすることができる。通常の配置方法はそのサイトの構成要素をすべて一つのウィンドウに集めることだろうが、いくつものウィンドウを開いていることもできる。サイトごとに一つずつのウィンドウでもよいし、一つのサイトを複数のウィンドウに開くことさえできる。

Coda では個々のウェブサイトごとにローカルなフォルダを割り当てることも、リモートのフォルダを割り当てることも、あるいはその両方をすることもできる。(リモートのフォルダは FTP、SFTP、あるいは WebDAV を使ってアクセスするが、Transmit にあるのと同程度の、普通に使われる一連のセキュリティオプションも備わっている。)あなたのファイルをローカルで編集してからクリック一つでアップロードしてもよいし、その代わりに好みに応じてサーバ上のファイルを直接編集することもできる。(少なくとも、見かけ上はそうなっているように見える。実際上は、Coda はあなたが編集中のリモートファイルのコピーをキャッシュしておいて、あなたが保存コマンドを使う度にそれをアップロードしている。)また、ウィンドウ左側にあるお馴染みのリスト表示のペインではファイルの追加・削除・改名ができ、ローカルなファイルとリモートのファイルの切り替えはそのペインの上辺にあるタブを使えば行き来できる。どんなファイルも、クリックしただけでそれがウィンドウのメインのペインで新しいタブに開かれる。

ちなみにその大きいペインは複数のタブを含むことができる。Safari のタブと同じような具合だ。デフォルトで、新しいタブはフル機能のテキストエディタを表示する。このテキストエディタにはさまざまの言語に対応したシンタックスカラー付けや、コードの補完、行番号表示のオプションや行の折り返し、HTML 検証、よく使うコードブロックのためのテキストクリッピング、それに grep 機能付きの検索・置換などが完備している。このエディタは SubEthaEdit に基盤を置いている。TheCodingMonkeys 製の協同編集対応テキストエディタ SubEthaEdit は、TidBITS スタッフもリアルタイムのグループ編集が必要なプロジェクトのためによく使っている。実際、Coda 書類を SubEthaEdit ユーザーと共有することも可能だし、その逆もできる。個人的に私は一つの HTML、CSS、あるいは PHP のファイルを誰か他の人と同時に編集するのをあまり具合のいいことだとは思わないが、それでもワークグループのようなところでは、このような機能が便利になる状況も想像できる。一人での作業であろうと他の人たちとの協同作業であろうと、Coda は個々の書類における変更履歴を追跡できるが、(SubEthaEdit と同じように)追加と変更しか表示できず、削除は表示できない。

Coda のプレビューは WebKit をベースにしているので、ウェブページは Safari でと全く同じに表示されるはずだ。また、あなたの作業の結果を他のブラウザでプレビューするのも、メニューコマンドやキーボードショートカット一つでできる。プレビューはあなたの作業に従って即座に再描画されるが、プレビュー自体を編集することはできない。もしもあなたが WYSIWYG のウェブデザインプログラムで作業するのに慣れているのなら、きっとあなたは Preview モードで編集したい誘惑と戦う必要があるだろう。Preview モードにいる間は、ページの基盤を成す階層構造を DOM Inspector 機能を使って調べることができる。これを一つの要素の上にかざすと、その階層がアウトラインで表示され、その論理構造がウィンドウ下部のステータスバーに示される。また、Preview モードには JavaScript コンソールもあり、これはデバッガもサポートしている。

ビジュアル CSS エディタは、どんな要素の属性もフォーム入力によって変更できる。(どのオプションがどこで使えるかを表示するポップアップメニューも付いているのでありがたい。)カスケード付きスタイルシートを手で編集するのに慣れていない人や、パラメータを全部覚え切れないという人には、これはとても嬉しい機能だろう。また、これは MacRabbit から最近アップデートされたばかりの CSSEdit(2007-04-25 の記事“CSSEdit 2.5 で CSS がますます簡単に”参照)にもコンセプトとしてよく似ている。(ただし、CSSEdit ほどエレガントではないかもしれない。)

Terminal モードでは、あなたの好きなサーバ(通常はあなたのサイトをホストしているところ)に SSH を使って接続できる。またあなたのローカルなコンピュータのシェルとしても走らせられる。つまり Apple の Terminal ユーティリティと同じことだ。普通のターミナルエミュレータにあなたが期待することはちゃんとやってくれる。気持ち良く機能的で、すっきりしている。

最後のモードは Books という名前だ。ここでは Coda が No Starch Press の“Web Programmer's Desk Reference”(ウェブプログラマーのための卓上参考書)のコンテンツを表示できる。その内容は HTML、CSS、JavaScript、それに完全な PHP マニュアルまでカバーしている。残念ながら、これらの情報はオンラインにいる時にしか表示されない。(先週私が経験したように)飛行機に乗っていてこれにアクセスしようとすると、エラーメッセージが出るだけだ。

混合モード -- Coda のインターフェイスは、独自の流儀でいろいろなメタファーを微妙に混合させるので、私はほとんど常時驚かされているくらいだ。それも、良い意味で驚かされるのではない。まず手始めに、ツールバーには Coda のメインの作業モード6個に対応したボタンがある。Sites (ウェブサイトを構成するファイルを操作)、Edit、Preview、CSS、Terminal、それに Books だ。タブに一つの書類(例えば HTML ファイル)が見えている時に、これらのボタンのうち一つをクリックすると、あるいはそれらの対応したキーボードショートカットを押すと、そのタブの表示がボタンに応じて切り替わる。だから、例えばあなたが生のコードを(Edit 表示で)見ている時に Preview をクリックすれば、最終的な、レンダリングされたページが表示されるわけだ。これは完璧にうなずける。また、スタイルシートをビジュアル CSS エディタで見ている時には、Edit をクリックすれば同じファイルを生のテキストとして読める。ここまでは完璧だ。でも、例えば HTML ファイルを編集中に Terminal をクリックすると、ターミナルセッション用に新しいタブが開くのではなく、あるいはまたターミナルウィンドウの中にその HTML 書類が何らかの方法で表示されるというのでもなく、今まで見ていた書類の表示が、新しいターミナルセッションで _置き換わる_ だけなのだ。(普通の人ならこれで Coda がさきほどの HTML は閉じたのだと思うだろう。私も最初はそう思った。もう見えなくなったのだから。でも実際は違っていて、Coda は依然としてそのタブがその同じ書類を含んでいると認識している。)もう一つ別の例を挙げよう。CSS ファイルを編集中に Preview ボタンをクリックすると、その CSS ファイルのテキストにワードラップをかけただけの、役にも立たない表示に切り替わる。

つまり別の言葉で言うと、Coda のモードでは名詞と動詞が混同されているのだ。Sites、Books、Terminal の3つは名詞で、Edit と Preview は動詞、それから CSS は「CSS として編集」という意味なのでこれもまた動詞だ。HTML 書類(名詞)を見ている時に Edit モードと Preview モードを行き来するのは意味のあることだ。(その名詞に対して2つのアクションのいずれかを施すからだ。)けれどもあなたのウェブサーバで SSH セッションを開くというのはその書類についての表示法ではない。(その名詞に対するアクションではない。)だからこれは、同じタブの中で全く同一のインターフェイスのメタファーを使って切り替えるべき類いのことではない。

もちろん、タブはいくらでもたくさん開くことができるし、それぞれのタブにはそれぞれ異なったものを持たせることができる。一つのタブは HTML ファイルで、もう一つのタブはターミナルセッション、また別のタブには PHP のマニュアルが表示される、という風にできる。そして、HTML ファイルのタブでは、Edit と Preview のモードを切り替えたり、あるいはウィンドウを分割して(水平方向にも垂直方向にも分割でき、複数回の分割さえできる)個々の部分に別々のモードを表示させることも可能だ。さらに、複数の書類を同時に開いておけるだけでなく、一つの書類を同時に複数のタブで開いておくこともできる。だから、Coda にあなたの情報をあなたが望む好きな方法で表示させることが不可能だという訳ではない。可能なのだ。しかし、これらのツールバーボタンと、それらが表示モード(動詞)とデータタイプ(名詞)を区別するそのやり方については、これはどう見ても考え直す必要がある。私の場合、単に新しいデータのタイプを新しいタブで開きたいだけの時に表示が切り替わってしまって(あるいはその逆の事態で)口をあんぐり、ということがあまりにも頻繁に起こった。

またもう一つ別のレベルの混同もある。Coda の Sites 表示はあなたが設定を指定しておいたすべてのサイトを示してくれるが、いったんあなたがサイトを一つ開くと、ウィンドウの表示がそのサイトのファイルのみを含むものになってしまう。だから、いろいろなタブや、その分割や、各種の表示なども、あなたはあらゆる種類の方法で混ぜたり突き合わせたり自由にできるのだが、ただ同じウィンドウの中では別々のサイトにある書類を混ぜることができない。私の意見を言わせてもらえばこの点もまた、Coda がすべてを一つのウィンドウに収めようとして勇み足をしてしまったことのあらわれだと思う。

これらの混乱は修正可能なのだろうか? もちろん可能だが、そのためにはインターフェイスを相当大がかりに作っては壊す作業が必要となるだろう。一部分だけでも手早く修正したいというなら、Panic は Coda の新しい挙動としてユーザーが Terminal または Books のボタンをクリックした時には必ず新しいタブを開くようにすればよいと思う。けれどももっと良い方法は、名詞と動詞を混ぜこぜにして同格の「モード」として取り扱うのを止めることだ。名詞に相当するインターフェイス要素を、動詞に相当する要素から完全に切り離すことだ。HTML 書類を見ている時には(あるいは JavaScript でも PHP でも何でも)選択可能な動詞は2つだけ、Edit と Preview だ。CSS 書類については、動詞の選択肢は Edit as CSS と Edit as Text の2つだろう。私の好みは、個々のタブをそれぞれ一つだけの種類の名詞(ファイル、ターミナルセッション、マニュアル)に結び付けておくことだ。複数種類の動詞が当てはまるタブならモードを切り替えてもよい。でも、その際の選択肢は、その時のデータのタイプに対して意味のあるものだけに限定されるべきだろう。

当面の結論 -- インターフェイスの妙な点と、見栄え上の数個のバグを除けば、Coda は言われている通りの働きをしてくれた。私は自分のサイトを、素早く簡単に、アプリケーションをいろいろと切り替える必要もなしに作り上げることができた。でも、まだ何か重要なものが欠けているという感覚を、私はどうしても振り払うことができないでいる。

Panic は、Coda の個々のモジュールを意図的に軽量なものに保っているとはっきり公言している。彼らは、盛り沢山の機能でプログラムが膨れ上がるおそれと戦っているのだ。それは立派なことだと私も思う。テキストエディタは BBEdit ほど高機能ではないし、FTP クライアントも Transmit にあるきらびやかな機能のすべてを備えている訳ではない。Coda の一番の売りは、これらの機能をすべて統合したところにある。それは素晴らしいことだ。でも、問題はまさにそこにある。Panic がターゲットとしている市場にいるのは、ウェブ開発のオタクたち(私のように!)だ。ウェブサイトを手でコーディングするという一つの作業のために多数の異なったアプリケーションを一度に開いて使いこなすような種類の人間たちは、同時にまた、Coda には欠けているけれどもあのテキストエディタや FTP クライアントには備わっているような、そんな隠れた機能にこそ、しっかりと依存しているようなタイプの人間なのだ。

実例を少しだけ挙げてみよう。私は始終、BBEdit の Balance コマンドが使えたらなあ、という気持ちにさせられる。BBEdit なら、現在のコードブロックの中身をワンタッチで選択してくれるので、深くネストされた各種の括弧の階層があってどこが始まりでどこが終わりか分からなくなった場合にとても便利だ。それから、BBEdit の Find Differences コマンドも欲しくなる。これは同じ書類の二つのバージョンを比較して、違っている個所をハイライト表示してくれる。これがあれば一つのファイルに二つのコピーがあって同期がとれなくなった場合、例えばステージングサーバにあるコピーとライブサーバのコピーの両方を編集してしまった場合にも安心だ。けれども Coda でそれをしようとすると、たとえ Coda が diff 機能を備えていたとしても、一つのサイトには一つのウィンドウ、というモデルが根本的に障害となる。(ちなみに Coda はどのファイルでも外部エディタで開かせることができる。でも、それでは統合ウィンドウの目的に逆行してしまう。)

そしてここまで来ると、そもそもアプリケーションから別のアプリケーションへと切り替えるのは、一つのタブから別のタブへと切り替えるのに比べてそれほど難しいことではないのではないかという現実に気付かされる。そう、確かにたくさんのウィンドウでごちゃごちゃしてしまうが、それでも Expose で処理できないほどではない。もちろん、だからと言って Coda の利点が錯覚に過ぎないと言っているのではない。でも、私が使い始めた時に心に描いていたような、BBEdit と Transmit と Terminal と Safari を融合させたもの、というイメージには残念ながら届いていない。

私にとって現実の問題は、そして、思うにこれは私と同様の他のウェブ開発者たちにとっても同じことだろうと思うが、Coda における統合の利点から、機能欠如という欠点を差し引いたものが、果たして $80 という価格(Transmit を持っているならば $70 となる)に見合うかどうか、ということだ。もしも私が既に BBEdit と Transmit を持っているのでなかったとしたら、何も考えることはなかっただろう。答は絶対的にイエス、Coda が正解だろう。でも、私の場合は既にこれらのパワフルなツールを持っていてうまく使いこなしているので、答はそう明らかではない。皆さんもどうぞ、Coda の 15 日間有効のデモ版を一度使ってみてご自分で判断してみられるとよい。Coda 1.0 のダウンロードサイズは 15 MB で、Mac OS X 10.4 かそれ以降が必要だ。


前 Apple 従業員、ストックオプションのバックデーティングで訴えられる

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

U.S. Securities and Exchange Commission (SEC) は、Apple の前経営者の二人をストックオプションの日付を実際より前にするバックデーティングについて二つの違法事例があったとして告発した。このバックデーティングに関して Apple は以前社内調査の後、報告をしている (2007-01-08 の "Apple、ストックオプション問題のレポートを発表" を参照)。同社の前法務顧問である Nancy Heinen は、二回にわたるオプション供与に関する不当な行為と、SEC は不法と見なしている会社帳簿の改ざんがあったとして告発されている。訴状の全文が PDF の形で入手出来る。

前 CFO である Fred Anderson は別に、最初の二回のオプション供与時にきちんと目配りをして Apple の決算報告書が正しくなされるようにする責任を果さなかったとして告訴されている。最初の一回目の供与では、Heinen, Anderson, そしてその他 4人の経営陣が利益を受けており、二回目では Steve Jobs だけがこの利益を受ける対象であった。

Anderson はすぐに "この疑惑を認めることも否定することも" 無しに容疑の和解に応じた。これは SEC が、有罪か無罪かを決定しないで事件を閉じても公共の利益は保たれると判断した時に取る一つの手法である。Anderson は、ほぼ $3 million にもなるストックオプション益をあきらめ、そして $700,000 に近いものを利息と罰金として支払うことになる。

ストックオプションは、定められた価格で株を購入する権利を与えるもので、購入しなければならないという要件ではない。ストックオプションで利益を出すには、まずオプションを実行し(株を購入する)そしてその株の市場価格がオプション価格より高くなった時に売ることが必要となる。オプションにはしばしば、その株を何時からしか購入できないという制限が付く。

ストックオプションのバックデーティングでは、オプションが供与される日は実際のボードミーティングやオプションが供与されるその他の行事を反映しない。それどころか、置換されるオプション供与日よりも株価が安い日を選択することでそのオプションを意識的に安い価格に設定することにより、オプションを直ちに "儲かる" 状態とするのである。

バックデーティングは正当な記帳で認識されている場合は合法である。そこには、株式市場から得られる追加のお金という基本的には会社からの贈与になる金融費用が含まれていなければならない。SEC は、Apple の税務申告のなかで $40 million に近い金額が不当に除外されていたと言っている。

Apple はこれまでに数回のバックデーティングがあった事を認めているが、現経営陣は関与していないとしていて、そこには CEO の Steve Jobs も含まれている。SEC は Apple が捜査には協力的で、同社を起訴することにはならないであろうと言っている。しかしながら個人に対する起訴はこれからも可能性があり、Jobs をはじめとする現経営陣も例外ではない。

SEC のプレスリリースの後、Anderson の弁護士は声明文を発表した。その中で弁護士は、Anderson は Jobs に対して、Jobs に対する二つの供与(これは後にキャンセルとなり実行を必要としない株式の供与に置き換えられた)のうち一つは経理的費用計上が必要となる可能性があると報告していた、としている。Anderson の弁護士は、手短に、Anderson に対する声明は間違いである事が分かった、もっともそれ程あからさまにではないが、と言っている。(どこが、起訴事実に対して "肯定も否定もしない" というのか。)

会長である Jobs を除いた Apple の取締役会も Anderson の声明の一日後に 声明文を発表して、同社の内部調査とそして Jobs に対する全幅の信頼を表明している。

Anderson は容疑の和解の道を選んだが、それは何故なのかについては正確には分からないし、そして声明文も彼の決断については説明していない。投資会社 Elevation Partners の創始者でかつ取締役としての Anderson の現在の役割 - U2 の Bono と並んで! - を考えれば推測するのは簡単である、延々と続く訴訟は高くつくのと同時に彼の他の役目に集中する事に対する阻害要因ともなる。この和解では、Anderson は罪を一切認めていないので、彼は引き続き上場企業の経営陣として、或いは取締役として仕事を続けられる。彼はeBay のボードメンバー でもある。

Associated Press は Heinen はこの告発に対して争うであろうと報じている。


Take Control ニュース/30-Apr-07

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

新刊書のアドバイスで iPod をもっと使いこなそう -- 最近 iPod の世界ではたくさんのことが起こっている。だから、音楽を聴く以外にあなたの iPod でどんなことができるか、そのさまざまの可能性について最新情報に必ずしも通じていないのなら、ぜひとも Steve Sande の電子ブック“Take Control of Your iPod: Beyond the Music,”の第二版をご一読あれ。第一版からほとんど完全に書き直しされたこの 134 ページの新刊書は、最新の iPod テクノロジーをカバーし、新しいユーザーに基本を説明し、誰もがもっと新しい使い方に目を開いて自分の iPod を最大限に活用できるように手助けをする。この本を読めば、電子メールや RSS フィードを読むことから Keynote や PowerPoint のプレゼンテーションを走らせることまで、十数種類にもわたる iPod のメジャーな使い道を知ることができる。

Steve はまず初めに、さまざまな iPod 各機種を比較したカラフルなチャートであなたがどの機種を持っているのか分かるように手助けする。ひょっとしてあなたは、ほんの数年前に買ったあなたの iPod が今では「第2世代 iPod」と呼ばれていることに気付いていないかもしれないし、また機種も分からないお下がりとして貰った iPod を使っている人もいるかもしれないからだ。それから充電とか同期とかトラブルシューティングなどについて簡潔な説明をした後、Steve は早速あなたが iPod でできるさまざまなことについて話を進める。ポッドキャストを聴いたり、インターネットからダウンロードしたビデオを観たり、Nike+iPod Sport Kit でエクササイズしたり、といったよく知られた使い方もある。でも本当に面白くなるのは iPod をあまり知られていない目的に使うところだ。例えば、授業とかポッドキャスト用のインタビューとかを録音したり、テキストベースの電子本を読んだり、地図を表示させたり、といった具合だ。

この電子ブックの第一版をお持ちの方は、表紙にある Check for Updates ボタンをクリックすれば無料のアップデートのダウンロード(ただし 2006 年 9 月 1 日以降に購入した方のみ)か値引きアップデートにアクセスできる。


TidBITS Talk/30-Apr-07 のホットな話題

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

さあ皆さんご一緒に -- SyncTogether について書いた Michael E. Cohen の記事に質問が寄せられる。二台のコンピュータを完全に同期させるのは可能か?(または、複数のコンピュータにある同じアカウントを同期させるのは?) (3 メッセージ)

Security Update 2007-004 後に生じた問題 -- 最新のセキュリティアップデートを走らせた後で AirPort 接続の問題を経験するようになった読者がいる。そこで、他の読者たちが助けに駆け付ける。 (7 メッセージ)

アンチサージ・プラグを二台使う -- サージ(急激な電圧変化)対策の施された電源タップを二台同時に使うと、ある読者の家は停電してしまう。これはプラグが問題なのか、それともフランスにある古い家の、20 年も経った配線が悪いのか? (6 メッセージ)

Macintosh 用 VBA について Joel が語る -- プログラマーであり著述家でもある Joel Spolsky が、間もなく登場するバージョンの Microsoft Office で Visual Basic for Applications が消えることについて書いている。これを受け、さまざまの自動化システムについて議論が起こる。(11 メッセージ)

ストリーミング・オーディオを Mac からアンプへ -- ストリーミングされた音楽を自分のステレオシステムで聴きたい、という読者がその解決法を探している。Apple TV はストリーミングされた音楽をネットワークへは流してくれないからだ。(8 メッセージ)

Apple Data Detector (元題: Address Book ユーティリティ) -- Apple のこの古いテクノロジーについて議論するうちに、この会社の研究開発は今やあまりにも秘密主義になってしまい、本物のテクノロジー革新が進行しているという感じに誰もが触れることのできた 1990 年代後半の感覚は、もはや消え失せてしまった、という話になる。 (3_ メッセージ)


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