TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#905/19-Nov-07

今年 iPhone と Leopard を出荷した功績を認め、Steve Jobs は Apple 全社で今週一週間の休暇を振る舞った。その意味するところは、先週一週間、たくさんの Apple ソフトウェア製品のアップデートやリリースが立て続けに生み出されたということだった。主なものを挙げれば、Mac OS X 10.5.1、Mac OS X 10.4.11、Safari 3、iPhoto 7.1.1、iPhone 1.1.2、Final Cut Express 4、それに Final Cut Studio 2 に属するすべてのアプリケーションだ。他の会社も忙しく働いていて、Fetch 5.3 も登場したし、また FileMaker Inc. は同社の新しい Bento (弁当) データベースのプレビュー版をリリースした。コンサルタントの Jeff Porten が、Bento がその目標にうまく到達できているかどうか、彼自身の意見を述べる。さらに Amazon が同社の電子ブックリーダー Kindle を出荷したので、Glenn Fleishman がそれを iPhone や Sony Reader と比較する。さて、Apple 社と同様、私たちも来週はお休みを頂きたいと思っている。ただし、TidBITS Talk では皆さんからのホリデーギフトのアイデアを受け付けているので、それを整理して来月の TidBITS Gift Guide に備えるため私たちは忙しく働き続けるだろう。それから、今週のボーナス記事として、WireTap Studio、Nokia N800 Internet Tablet、不要なカタログをなくすためのサービス、その他の話題もお届けする。

記事:


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26-Nov-07 は TidBITS 休刊

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

例年この時期の慣例通り、来週はアメリカ合衆国の Thanksgiving(感謝祭)の祝日にあたるので、26-Nov-07 には電子メール版の TidBITS を刊行しない。[訳者注: 日本語版も来週はお休みさせていただきます。]それに正直言って、私たちもちょっと休息を必要としている。最近は Mac OS X 10.5 Leopard のリリース、Leopard 出荷日に合わせて出した5冊もの“Take Control of... Leopard”電子ブック、Jeff Carlson の新刊書“iMovie '08 and iDVD '08 for Mac OS X: Visual QuickStart Guide”(12 月に書店に登場する)、Adam の本“iPhoto '08 for Mac OS X: Visual QuickStart Guide”(2008 年 1 月の Macworld Expo に合わせて登場する) と続き、他のスタッフメンバーたちもそれぞれにさまざまのプロジェクトを抱えている。

けれども、習慣とはおそろしいもので、 TidBITS ウェブサイト私たちのスタッフブログへはきっと引き続き記事の投稿やアップデートを続けることになると思うので期待して頂きたい。私たちが書いていることすべてをフォローしたいという方には、どうぞ時折ウェブサイトをチェックするか、TidBITS RSS フィードTwitter ストリーム を購読するかして頂ければと思う。


2007 TidBITS Gift Guide にアイデアの投稿をお願いします

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今年も、年末恒例のホリデーショッピングシーズンに備えて腰を据えて考える時期がやって来た。今年のシーズンに Apple は 29 億万台の iPod を 13 種類もの iPod ソックスに入れて売りまくる見通しだ。でも、ありきたりのギフトを贈ったり贈られたりするのはつまらないと考えているあなたのために、ちょっと一味違ったものを提案することで皆さんの考え方のヒントにしてもらおうと考えている。例年私たちは読者の皆さんからアイデアを募集して、それらを隅から隅まで集めた巨大なギフト特集号にまとめ上げていたが、おそらくあれでは 12 月の終わりまでに最後まで読み切ることのできる人も少なかったことだろう。そこで今年は、最高のアイデアだけに焦点を絞ってお届けすることにした。例年通り皆さんからのアイデアは TidBITS Talk で受け付けている。けれども、10 日が経過した段階で今年は読者アンケートを実施して、それまでに寄せられた提案を公開投票にかけてみようと思う。アンケートのいくつかのカテゴリーごとにそれぞれベストのギフトアイデアが投票によって決まれば、私たちはそれらを題材に 2007 TidBITS Gift Guide という形でまとめ上げ、07-Dec-07 に記事として発表する予定にしている。[訳者注: 電子メール版 10-Dec-07 号に掲載予定です。]もちろん、その後もそれぞれの TidBITS Talk スレッドは引き続き開いておくので、さらに議論を深めたい方はどうぞご意見を寄せて頂きたい。

既に TidBITS Talk にはカテゴリー別のスレッドを設定してあるので、TidBITS Talk を購読している方は単に適切なスレッドに返信して下さればよい。ウェブで TidBITS Talk をお読みの方は、適切なスレッドにてウィンドウの下の端までスクロールすれば、ウェブからも投稿ができる。

どうか一つのメッセージには一つだけの製品またはアイデアに限り、あなたがそれを推薦する理由と、URL やその他のコンタクト情報を必ず添えて頂きたい。また自分の製品でなく誰か他の人の製品のみを推薦することもお願いしたい。可能な限り、これまでのギフト特集に載っていないものを推薦して頂きたい。これまでにどんなものが推薦されているかを確認するため、ぜひ投稿の前に 200620052004 の三年分のギフト特集号を見直してみて頂きたい。どうぞよろしくお願いします!


Mac OS X 10.5.1 が Leopard の欠陥を数多く修正

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>, Rich Mogull <[email protected]>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

Apple は、Leopard の最初のアップデート、 Mac OS X 10.5.1 Updateをリリースした。初期ユーザたちのあいだで広く伝えられていた問題の修正が事細かくリストアップされている。これは Leopard の Software Update で入手でき、PowerPC ベースと Intel ベースの両方の Mac で 40 MB のダウンロードだ。奇妙なことに、デスクトップ版およびサーバ版 Leopard 用のスタンドアロン版には 110 MB もの重さがある。

1つ重要な改善点は、Apple が述べているように、10.5.1 では「Finder のShared Sidebar に表示される、Back to My Mac を有効にした Mac について、信頼性が向上した」。私たちや同僚の経験では、Back to My Mac は挙動が不安定か、あるいはまったく機能しないのだが、初期兆候としては将来性がある。"Punching a Hole for Back to My Mac"(2007-11-17)参照。

10.5.1 はまた、伝えられるところでは、無線ネットワークのパスワードを保存したり Disk Utility を使用したりするさいの問題を修正し、Mail の5つの欠陥に対処している。「Finder でパーティションをまたいでファイルを移動するさいにデータが失われる可能性があった問題」を引き起こしていたバグも直された。この問題は、Finder でローカルハードドライブとマウントされたボリュームとのあいだでファイルを Command-ドラッグし、コピーではなく移動をしたときに起こっていた。そのほかの修正のほとんどは表面的で軽微だ。

このリリースに欠けている修正の1つは、何人かの AirMac ユーザが経験している、Wi-Fi のパフォーマンスが徐々に低下するという問題の解決だ。

このアップデートでは、 ファイアウォールに関するセキュリティ上およびユーザビリティ上の問題も修正された。その問題のいくつかは私たちが以前記事にした(2007-11-05 の "Leopard のファイヤウォール、一歩前進、三歩後退"参照)。Block All オプションの表示は "Allow Only Essential Services"にアップデートされた。つまり、ファイアウォールの挙動は変わっていないが、表示がファイアウォールの機能をより正確に表すようになった。

ほかの変更の中でも特筆に値するのは、アプリケーションファイアウォールに関することだ。Skype など、起動のたびに自分自身を変更するようなアプリケーションが、アプリケーションファイアウォールが選択されているときに使い物にならなくなるということがなくなった。10.5.0 では、アプリケーションファイアウォールは、ユーザがネットワークアクセスを許可したアプリケーションのコードにデジタル的に署名をし、そのアプリケーションが変更されたときには起動を拒否していた(コンピュータを攻撃者から保護するための手段だ)。10.5.1 では、アプリケーションが変更されているとき、ユーザに知らせず単純にアプリケーションの動作を停止するのではなく、再びネットワークアクセスを許可するかどうかたずねるようになった。

新しいアプリケーションファイアウォールはまた、ルートユーザの権限で動いているプログラムをブロックできるようになった。これにより、システムをはるかによく管理できるようになる。これらが Leopard のファイアウォールにある問題をすべて完全に修正したというわけではないが、正しい方向を向いた適切な歩みには違いない。


Apple が Mac OS X 10.4.11 を Safari 3 と一緒に公開する

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳:上松慮生 <ryo.uematsu@gmail.com>

Mac OS X 10.4.11 アップデートの一部として、多数のセキュリティアップデートとバグフィックスと一緒に Safari 3 が Tiger 用に公開された。PowerPC 用(67.9MB)PowerPC 用コンボ(180.8MB)Intel 用(128MB)、Intel 用コンボ(321.5MB)を見てのとおりアップデートは巨大である。特に最後のIntel 用コンボアップデートはダウンロードにダイアルアップで18時間、光回線でも3分かかる。Mac OS X Panther にも最終的な 10.3.9 用に修正されたセキュリティアップデート(2007-008)が公開された(クライアント、49MB;サーバ、63.4MB)。

セキュリティアップデートとバグフィックスの一覧は長いものになる。セキュリティアップデートの多くは6つのカーネルレベルのバグを修正するという意味で重要である。悪意のあるフラッシュファイルによってマシンがのっとられる可能性があったので Apple はフラッシュプレーヤのバージョン 9.0.47.0 を利用するように Tiger をアップデートした。このフラッシュプレーヤは単体でも入手可能である。WebCore の修正のいくつかが一人の Google 従業員のおかげであると明記されていることは特筆すべきであろう。このことは、Google が携帯電話プラットフォーム Android に WebKit を利用したこと(Safari のレンダリングエンジン)(2007-11-12 の記事”Google が夢見る未来の携帯電話は、GPhone ではなく Android”参照)を反映している。

セキュリティ以外の面では、Tiger 向けに Safari 3 が含められたことを除いて多くはない。多くの問題は大したことないとはいえ、関係する人にとっては重要である。ニュージーランドの人たちは、何ヶ月も手遅れではあるが、Apple がやっとニュージーランドの夏時間に正しい修正を加えたことを喜ぶだろう(2007-09-20 の記事”New Zealand 夏時間ルール対応の修正”参照)。

Apple は Mac OS X と Windows の両方のバージョンに存在したセキュリティの問題を解決した Windows XP と Vista 用の Safari 3 beta をアップデートした。また、多くの機能面での改良を加えた。新しい機能と、改良された機能の一覧は、ページ番号の印刷といった基礎的な機能から、FTP ディレクトリの一覧化やクッキーの管理といった重要な機能までかなり広範囲に及ぶ。

iPhoto 7.1.1、Leopard への対応を改善

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

Apple は iPhoto 7.1.1 をリリースし、「Mac OS X 10.5 との互換性をサポートし、全体的な安定性が向上し、その他の小さな問題にも対処しています」とだけ述べている。このアップデートは Software Update 経由で 10.8 MB のダウンロードとして入手可能で、 スタンドアロンのダウンロード版も掲載されている。あらかじめ iPhoto 7.1 にアップデートしている必要があるので、何らかの理由でこのバージョンをとばしているなら、先にインストールしよう。そのためには、iLife Support 8.1.1 アップデートが必要だ。

私は目下のところ私の著書 "iPhoto '08 for Mac OS X: Visual QuickStart Guide" のアップデート作業の仕上げをしている真っ最中で、7.1.1 アップデートの向上した「全体的な安定性」を楽しみにしている。iPhoto 7.1 は、私が気がついた限りデータを失ったことはないが、11 月になってからの執筆中に7回クラッシュした。

もしも、あるアプリケーションがどれだけ信頼性に欠けているかを知りたいと思うなら、Tiger で以下の操作を試してみるとよい(Leopard では、~/Library/Logs/CrashReporter の中にある、アプリケーションのクラッシュログファイルを見るだけでよい)。

  1. Utilities フォルダから Console アプリケーションを開く。
  2. 左上の隅にある Logs ボタンをクリックし、Logs パネルを開く。
  3. Logs パネルで、~/Library/Logs の隣にある三角形をクリックし、CrashReporter の隣にある三角形についても同様にする。
  4. リストから iPhoto.crash.log(あるいは目的のもの)を見つけ、それを選択すると、ログがメインパネルに表示される。
  5. ツールバーで Reload ボタンをクリックする。Reload ダイアログ(大きなファイルの残りの部分にアクセスするためのもの)が現れたら、スライダーを右いっぱいにドラッグして、ログ全体を読み込む。
  6. Filter 欄に "Date/Time" とタイプし、リストから "Date/Time" を含む行だけを抜き出す。こうすると、効率的にクラッシュの日時を示す行だけに絞ることができる。

Fetch 5.3 豹柄になる

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

Fetch Softworks は Fetch 5.3 をリリースした。同社の定番ファイル転送ソフトウェアの Leopard に焦点を当てたアップデートで、Mac OS X 10.5 Leopard との基本的な互換性のさらにずっと先をいっている。Fetch 5.3 は、Leopard とよくなじむ再デザインされたルックアンドフィールを誇り、キーチェーンの警告が出ないようデジタル的に署名され、Leopard のアプリケーションごとのファイアウォールに対応し、Leopard ではデフォルトでDownloads フォルダを使用し、Time Machine バックアップから Fetch Cacheを除外するなどのことができる。Leopard には関連しないが特筆すべき新機能として、Fetch 5.3 ではファイルをアップロードしたりサーバ間でファイルをコピーしたりするのに Copy と Paste のコマンドを利用できる。これはまったく理に適ったやり方で、ドラッグアンドドロップよりも簡単なことがある。

Fetch で私がもっとも気に入っている機能は以前から WebView だ。賢い機能で、これを設定しておくと、FTP サーバにアップロードしたファイルの HTTP URL をコピーできる。私は記事の画像をアップロードするのに Fetch を使っているが、そうすると、アップロードした後で、そのファイルを Fetch で選択し、Command-C を押すだけで、整形された HTTP URL を記事にペーストできる。

Fetch 5.3 は Universal バイナリで Mac OS X 10.3.9 以降を必要とする。16 MB のダウンロードだ。このアップデートは Fetch 5 ユーザのすべてに対して無料で、Fetch 4 からのアップグレードは 15 ドル、新規購入は 25 ドルだ。教育目的または慈善目的の無料ライセンスも利用できる。


iPhone 1.1.2 出荷: OS X はしばしのあいだ再捕縛

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

Apple は iPhone 1.1.2 および iPod touch 1.1.2 ソフトウェアを iTunes 経由でリリースし、TIFF 画像を扱うために使用されている画像ライブラリにあった深刻な欠陥を修正した。この欠陥を使って、iPhone ハッカーたちが、特別に作られたウェブページを訪れるだけで iPhone を「脱獄」できるようにしていた。自由の身となった iPhone は任意のソフトウェアを動かすことができた。悪意を持って作られたウェブページがあったら iPhone のオペレーティングシステムが乗っ取られることもありえたのだから、これは深刻な欠陥だ。このパッチにより、脱獄もできなくなるが、悪意のある攻撃も防がれる。(このソフトウェアをダウンロードするためのリンクはない。iPhone と iPod touch のソフトウェアアップデートは iTunes 経由で取り出してインストールする。)

しかしながら、独立系 iPhone および iPod touch 開発者たちは、Apple の一歩先をいっている。 1.1.2 のための脱獄ソフトウェアがすでに利用可能だ。これは、アップグレードの前に、1.1.1 ソフトウェアがある状態で準備の手順を実行しておくことを必要とする。(その手順を実行するために 1.1.1 にダウングレードするための手順書もある。)

私はその手順書にしたがい、1.1.1 ソフトウェアの入ったハック済み iPhoneを 1.1.2 にして引き続きサードパーティのソフトウェアを動かそうとしたが、うまくゆかなかった。そのため、完全なリストアをして、iTunes からバックアップをとりださなければならなかった。

iPhone 1.1.2 ソフトウェアは、当初は先週英国で発売された iPhone に搭載されていた。というのも、このアップデートには英語以外の言語への対応と米国以外の携帯電話事業者で iPhone をアクティベートする機能が含まれているからだ。

デバイスのバッテリ表示が iTunes で機器の名前の隣に表示されるようになり、iPod touch には Calendar アプリケーションでイベントを作成するという今まで欠けていた機能が追加された。

Apple は 1.1.2 ソフトウェアを同社のサーバの誰でもダウンロードできる場所に事前に置いていたが、2007 年 11 月 12 日までは、セキュリティノートもリリースされなかったし、iTunes でソフトウェアアップデートを知らせる仕組みも稼動しなかった。


Final Cut Express 4、AVCHD と iMovie '08 相互運用性を追加

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が Final Cut Express 4をリリースした。中級向けのビデオ編集ソフトウェアの最新バージョンだ。Final Cut Pro 6 からアイデア(とコード)を借用して、この新しい Final Cut Express ではオープンフォーマットの Timeline に対応し、同一のプロジェクトにおいて DV と HD のフォーマットを混合できるとともに、AVCHD フォーマットで撮影した映像も読み込めるようになった。(AVCHD 映像は Apple Intermediate Codec (AIC) にコード変換される。これは Final Cut Pro や iMovie がこのフォーマットを扱うのと同じやり方だ。)やはり Final Cut Pro と同様に、最初のクリップを Timeline にただ追加するだけでそのプロジェクトのフォーマットが指定される。また、50 個以上の新しい FxPlug プラグインも内蔵された。

Apple はまた iMovie '08 プロジェクトを読み込む機能についても謳っている。これは Final Cut Express が Apple の Final Cut XML フォーマットを読み込めるようになったことで実現される。(iMovie では、Share > Final Cut XML を選ぶ。そこで生成されたテキストファイルを読み込めば、Final Cut Express はディスク上の iMovie Events フォルダにある映像にアクセスできるようになる。)しかしながら、その読み込みは編集ポイントとトランジションに限られており、タイトルの編集やビデオ調整には対応していない。Final Cut Express は iMovie プロジェクト内のトランジションをクロス・ディゾルブのトランジションで置き換える。ただし、オーディオレベルはそのままに保たれる。DV と HD の映像が混合したプロジェクトでは、Final Cut Express はその iMovie プロジェクトにおける縦横比設定に応じて画面のトリミングを(必要ならば)行なう。

Final Cut Express と iMovie '08 を結び付けるのは、実は理にかなったことだ。iMovie にはいくつか細かな編集操作で欠けたところがある。例えば一つのクリップ内部での精密なオーディオレベル調整などだ。この分野は、Final Cut Express が秀でている。こうして iMovie はビデオを保存し管理する場所となり、ムービーの粗いカットを手早く組み上げるために使える。その後で Final Cut Express に渡して、細かなチューニングはそちらで施せばよい。

Final Cut Express のパッケージにはアニメーションのタイトルを作るための LiveType 2.1 も含まれる。Final Cut Express HD 3.5 では一緒に含まれて出荷されていた別個のオーディオエディタである Soundtrack は、もはやこのパッケージには含まれていない。記者会見で、Apple は多くの人々が同じ機能のために GarageBand を代わりに使っているからと述べている。

Final Cut Express 4 の価格は $199(バージョン 3.5 に比べて $100 も値下げされた)で、現在入手可能だ。従来のバージョンの Final Cut Express オーナーは $99 でアップグレードできる。これは Universal アプリケーションで、1.25 GHz かそれより高速の PowerPC G4 プロセッサ、または PowerPC G5 か Intel プロセッサを持つ Mac を必要とする。AVCHD サポートは Intel ベースの Mac のみで利用可能だ。また、Mac OS X 10.4.10 かそれ以降も要する。


Apple、Final Cut Studio 2 アプリケーションをアップデート

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が Final Cut Studio 2 スイートの各アプリケーションをアップデートし、Leopard 互換性をもたらすとともにこれらのビデオおよびオーディオ編集ツールそれぞれにいくつかの修正を施した。これらはソフトウェア・アップデート経由で、あるいは独立ダウンロードとしても入手できる。

Final Cut Pro 6.0.2 (38 MB ダウンロード) は数多くの改良と互換性を含んだアップデートで、その主なものとしては Sony XDCAM EX 映像や、Sony HVR-V1 HDV カメラ、内蔵ハードディスクに記録する Sony HDV カメラ、AVC-Intra 映像フォーマット、DVCPRO HD 720p50 映像などのサポートが挙げられる。一方 AVCHD フォーマットのサポートも改良されたが、Final Cut Pro 6.0.1 で取り込まれたスパンクリップについては取り込み直す必要があるかもしれない。その他の改良点としては、60 fps ドロップ・フレーム・タイムコード、50p ビデオフォーマット、それに Broadcast Wave Format (BWF) iXML メタデータのサポート、新しい Motion テンプレートの追加、その他多数の修正が施されている。ただし、Final Cut Pro 6.0.2 プロジェクトには Final Cut Pro 6.0.1 との後方互換性がないことに注意が必要だ。

その他のアップデートはこれほど複雑なものではないが、それでもいろいろと歓迎すべき変更点を含んでいる。Soundtrack Pro 2.0.2 (70 MB ダウンロード) はオーディオエフェクトの問題を解決し、50 fps および 720p60 の Final Cut Pro プロジェクトのサポートを加えている。DVD Studio Pro 4.2.1 (11.9 MB ダウンロード) はより多くの HDV および H.264 フォーマットをネイティブにサポートし、静止画イメージの処理や、Mac OS X 10.4.10 下で複数のテープを DLT ドライブで使用する時の問題を解決している。Motion 3.0.2 (20.6 MB ダウンロード) は 50 fps フレームレートや 60 fps ドロップフレームプロジェクトのサポートを加え、また Motion のマスターテンプレートを Final Cut Pro で使う際のパフォーマンスを改善している。

Color 1.0.2 ( 79.8 MB ダウンロード) は Final Cut Pro 6.0.2 での新しいフォーマットへのサポートを改良し、Color と Final Cut Pro の間で行き来する操作における問題に対処、その他多数の問題点を解決している。Cinema Tools 4.0.1(10 MB ダウンロード) ではいくつかのバグや制限事項、例えばプルリストにおける不正な長さ値やリストの書き出しでのメッセージテキスト、PDF フォーマッティングなどに対処が施された。Compressor 3.0.2 (95.5 MB ダウンロード) では Inspector の Filters パネルに Color タブが追加された。最後に、Pro Applications Update 2007-02 (8.8 MB ダウンロード) はこれらのアプリケーションに影響を及ぼす基盤のフレームワークや共有コンポーネント各種に修正を加えている。


PGP が Leopard を遅くする、だが修正は簡単

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

私は待たされるのが嫌いだ。そして、 Bare Bones Software の Mailsmith 2.2ベータ版が Leopard で電子メールをプレビューするのにそれぞれのメッセージで 10 秒から 15 秒かかるというのは、あまりに、あまりに長すぎた。Bare Bones の代表者にして創業者の Rich Siegel は私の友人なので、私からの品質保証電子メールレポートには、詳細な情報と腹立たしい気持ちが満載された。Rich が言うには、Leopard の Spotlight が何らかの活動をしているせいかもしれないということだった。Mailsmith 2.2 は Spotlight を非常に効果的に使うのだ。そして、数日すれば改善できるかもしれないということだった。

いまいましいことに、彼の言った通りとなり、彼は満足顔になった。彼はTwitter でこんなつぶやきを送ってきた。「@glennf、放課後残って、黒板に『私は二度と @siegel を疑いません』と 100 回書きなさい。なんて、"Simpsons" のイントロとしてはいいかもね。」

しかし、QuickTime 7.3 をインストールして PowerBook を再起動したところ、問題が再発した。私は Rich に更なるトラブルシューティングデータを送った。Leopard の Activity Monitor でボタンを1つクリックすれば、プログラムが何をしているかについて大量の低レベル詳細情報が引き出され、Sample Application レポートが得られるのだ。そして彼は問題を見出した。PGP Desktop だ。

私は PGP Desktop 9 を起動したわけではなかったが、それでも pgp-agent プロセスが走っていた。私は、Accounts 環境設定パネルで私のアカウント設定の Login Items 部分から当該項目を使用停止にし、再起動した。それでもだめだ。Terminal が示すところでは、Mailsmith が立ち上がると、pgp-agentデーモンもいくつか現れる。Mailsmith は PGP の暗号化ツールを直接利用するのだ。ほかの電子メールプログラムは AppleScript を使ってその機能を統合することが多い。

私はすべての PGP コンポーネントをアンインストールする手順を見つけることができず、同社は電子メールで、私は賢い方法をとるべきだったと伝えてきた。互換性を心配するなら、Leopard にアップグレードする前に、PGP アプリケーションを使ってプログラムとそのコンポーネントをアンインストールするべきだったというのだ。

Rich が言うには、PGP を Leopard に対応しているベータ版の Desktop 9.7にアップグレードし、それで問題が解決するかどうか見たらいいのではないかということだった。もちろん私はその通りにし、そして問題は消え去った。(先のつぶやきをもう一度参照。)このバージョンをインストールしたことで、アプリケーションからソフトウェアをアンインストールするのも簡単になった。PGP の人たちが言うには、ベータ版を動かしたくない、あるいはインストールすらしたくないという人のために、 サポートグループからアンインストーラスクリプトを提供することもできるということだ。

PGP をアップグレードすると、ほかにも多くの場面での不可思議な速度低下が解決したようだ。それらは Mailsmith が PGP とやり取りをするのに関連していたのだろう。私の PowerBook は Leopard でほとんど使い物にならなくなるということがなくなった。実際、Mailsmith 2.2 (build 227) は、Leopard の下では Tiger よりもずっと元気がよくなった。

この話から教訓が引き出せると信じたい。新しいオペレーティングシステムに移行する前には、すべてのソフトウェアについて、アップグレードと互換性に関する問題を調べておくべきだ。いや、そうだろうか。PGP については、アプリケーションの目に見える部分は動いていなかったのだから、私は PGP を「動かしている」とは考えてもいなかったのだ。おそらく教訓というのは、こういうことだろう。「問題が起きたときに戻るべき場所を用意しておくこと」、あるいは単に「私は二度と @siegel を疑いません。」


FileMaker の Bento: 生煮えで、ちょっと臭う

  文: Jeff Porten <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

パーソナルコンピュータの夜明けの時代から、データベースは使えたが、それは常に一つの単純な問題に付きまとわれていた。誰もがデータベースを必要としているのに、どうやってデータベースを構築するかを知っている人が少ないという事実だ。

Mac ユーザーたち(より一般にコンピュータユーザーたち)には、一般に二つの選択肢が与えられていた。まず、よりシンプルな方は、インターフェイスが特化され、非常に限定されたカスタマイズのオプションしか提供しないことによって成功しているデータベースを使う方法だ。その代表的な例が二つある。Address Book と iCal だ。いずれもデータベースであって、Apple が提供してくれるものこそまさに自分の必要とするものだという人にとってこれに優る選択肢はない。Address Book では誰の名前にでもミドルネームのイニシャルを入れることが立派にできるが、その一方、あなたが誰にお金を貸しているかを記録したいと思った時に、Address Book では貸出総計額の計算を試みてもまず望みはない。

より複雑さを指向する選択肢としては、あなたが望むまさにその通りのものを構築することが可能なデータベースソフトウェアがある。FileMaker Pro は、一般的な認識として「学びやすい」と「かなりパワフル」の双方をカバーできる最もお薦めのソフトウェアという定評を得ているが、実際の FileMaker Pro は見かけ通りの使いやすさではない。FileMaker で良いデータベースを作り上げるのは、Word で良い小説を書くことと似ている。プログラムを購入して使うのは誰にでもできるが、価値ある結果を得るためにはスキルが必要だ。

この二面性こそが、データベースソフトウェアを出版する会社を板挟みに追い込んでいる。スタッフのミーティングで幹部役員がこんなことを述べる情景は容易に想像できる:「例えば私の母親にもブリッジクラブの運営ができて、例えば私の弟にもファンタジーフットボールリーグの管理ができるような、そんなデータベースが作り出せたとしたら、わが社はきっと何億兆という売上げを達成し、皆 Aruba に移住して隠退生活を楽しめるだろうに」と。まさにこの理由で、各社の複雑なデータベースソフトウェアは長年のうちにさまざまのテンプレートを作り出して、料理のレシピとか、いつも付いて回る「プロジェクト管理ソリューション」とかにも、出来合いのままですぐに使えるものを提供するようになってきた。けれども、そうしたものでも、ちょっと一皮めくればいろいろな複雑性がまだまだ見え隠れして、あなたに噛み付こうと待ち構えているというのが現実だ。

FileMaker Inc.. は間違いなくこの一年以内のいつかの時点でその種の役員ミーティングを持ったに違いない。その結果が、同社からつい最近リリースされた Bento の「プレビュー版」だ。どうやらこの名前は日本語で「弁当」の意味らしく、「FileMaker からややこしいプログラミング技術の必要な部分をすべて取り除いたもの」だそうだ。ホンマカイナ?

_私_は、データベースプログラマーだ。そこで、私は二つの疑問を頭に置きながらこのプレビューリリース版の Bento を見てみた。第一には、私がこれを使って _できない_ ことは何か、それらは私のクライアントたちが制限事項と気付いてしまうようなことか、という疑問だ。そして第二には、これを使って _できる_ ことについて、ここが利点であると人々に薦められるほどにそれらがうまく働いてくれるのかどうか、という疑問だ。

第一印象は落第点 -- Bento は現在のところ無料でダウンロードできてソフトウェアの完全版が使え、これは 2008 年 2 月 14 日まで期限切れにならない。必要なのは Mac OS X 10.5 Leopard が走っていることだけだ。Bento のハードウェア要件は Leopard と同一だ。そういうわけで、あなたもきっと、私と同じように「お、こりゃいいぞ、早速ダウンロードして走らせてみよう」と思ってしまうかもしれない。

その場合、私に起こったのと同じ不吉な恐怖の予感に、あなたも襲われてしまうかもしれない。私がそれを感じたのは、Bento がデフォルトで初期のデータベースを Address Book と iCal から取り込んだ私のコンタクト情報やイベント項目で即座に埋め尽くしていくのを見た時だった。別の言葉で言えば、このソフトウェアは、_ベータ版_ のくせに、私がコンピュータに保存している最も肝心なデータのいくつかを、断わりもなしに触ったのだ。もしも Bento のどこかにバグでもあったなら、くわばらくわばら、そこに待ち構えているのは苦痛の世界以外の何物でもない。

だから、あなたが Bento を動かす前には必ずバックアップを作っておこう。(そうだよ、Virginia ちゃん、確かに Time Machine もあなたのデータをバックアップしているかもしれないけれど、あいつもまだ長年の定評があるわけじゃない。だから、やっぱりちゃんともう一つ別のバックアップを作っておこう。)Address Book では、File > Export > Address Book Archive へ行って、そこでコンタクト情報を保存しておこう。これは Leopard で新たに階層メニューとなったものだ。iCal ではこれまでと同じく File > Back Up iCal が使える。

これで、もう救命ネットが据え付けられたので、いよいよ実際に、この弁当箱の可愛らしい区画のそれぞれに何が入っているのかを見ていこう。

データに iLife 流のアプローチ -- Bento はオール・イン・ワンの単一ウィンドウを提供し、iTunes があなたのすべてのメディアをグループ分けするのと似たような方法によって、あなたのすべてのデータベースをそのウィンドウの中で見られるようにする。ウィンドウの左側には「ライブラリ」のマスターリストがある。「ライブラリ」は、FileMaker の「テーブル」(バージョン 7 から 9 まで) や「データベース」(それ以前のバージョン) の同義語だ。スクリーン中央には、選択されたライブラリに焦点を絞った内容が表示される。

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ウィンドウの右側部分は選択されているライブラリにおける利用可能なフィールドすべてのマスターリストだ。例えば、コンタクト情報のライブラリでは“Birthdate”という項目が、それが現在使われていようといまいと右側のリストに表示される。これは Address Book で Card > Add Field にひっそりと存在しているものと同じ機能だが、決定的な違いは Address Book でそんなことができるなんて全然知らなかったという人たちがきっと今これを読んでいる皆さんの中にも多いだろうということだ。メニューの中に埋もれてしまっているからだ。けれども Bento は、この機能が誰の目にも明らかになったという点で大きく一歩リードしている。

偶然にも、私は Leopard をインストールして以来 FileMaker Pro や Quicken のインストール CD が置いてある場所から 200 マイルも離れたところに住んでいるので、私は実際に Bento を使ってテストしてみる現実的な動機を持っていた。私が作ってみたかったのは手早く使えるポーカー用データベースで、私があちこちのカジノでプレイした結果を追跡して、いろいろなタイプのゲームごとに私の成績を検討できるようにしようというものだった。では、そのために Bento がどれくらいうまくやってくれるのか、実際に試してみよう。

私の Bento 箱を構築する -- Bento を起動させると(どうやらこのアプリケーションを起動させる度に毎回現われるようだが)ドロップパネルが出て、いくつかの起動オプションを提示する。その中には入門ムービーもある。注意すべきはこのムービー自身もパネルであることで、それを手で閉じてやらない限り、いったいどうして Bento ではどのメニューも使えないし他の何もクリックすることができないのだろうかと、あなたはきっと思案し続けることになるだろう。あなたが私と同じタイプの人間ならばの話だが。

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そのムービーを観た後、私が最初にしたのは Address Book や iCal との統合をオフにすることだった。もちろんこの統合こそが Bento の一番大きな目玉の機能なのだろうし、Bento が Leopard を必要とするらしいことの理由の一つは、これら三つのアプリケーションが何か巧妙な同期をしていて、そのどれであなたが何かの変更をしても自動的に互いをアップデートするようになっているからということなのだろう。けれども私がテストしたい内容はそんなデータを必要とするものではなかった。あなたの目的もそれを必要とするものでないならば、あなたもそこの接続を切っておかれることをお勧めしたい。

私が必要とした第一のライブラリは、さまざまのカジノにあるポーカールームのリストだった。そこで、私は Contacts テンプレートを使って新しいライブラリを作り、右側にあるチェックボックスでフィールドを名前と電話番号だけ残してすべて削った。ここは Bento の素晴らしいところだ。FileMaker での手順は、同じことをするのにずっと深いノウハウを必要とする。特に、最初のセットアップを済ませた後からの変更は厄介なものだ。

さて、次に私はゲームのタイプを指定するために空のライブラリを作った。三つのフィールドに、それぞれ“Hold 'Em”“No Limit”“1-2”という名前を入れた。私のデータを記録するための空のフォームの中へこれらのフィールドをドラッグしてみると、三つのフィールドは名前のアルファベット順に自動的に並べ替えられて収まった。これにはちょっとムッとさせられた。私は自分の並べたい順序にこれらを作っておいたのだが。でも、私が手で並べ替えてみると、Bento はただそれらを自動的に頭を揃えて整列させてくれただけでなく、美しいアニメーションですべてをスライドして動き回らせてくれたので、私もこれには目を見張った。FileMaker のレイアウトでできるカスタマイズの自由さには遠く及ばないのは明らかだが、FileMaker で 400% にまでズームイン拡大して必死になって高さを揃えたりした経験のある人なら、きっとこの Bento 流のアプローチに救われた思いがするだろう。Bento にはテーブル表示もあってフォームと同調させられるようになっているが、私が期待したほどには自動的にマッチさせてくれない。それでも、いくつかチェックボックスをクリックすることで手軽に作業を複製することはできた。その際、テーブル表示ではドラッグ&ドロップが利かないという事実に、いやでも気付かされたのだったが。

最後に、私は Expenses テンプレートを使って“poker sessions”ライブラリを作った。不要なフィールドをたくさん切り捨てると、それらは Dock 風に「シュッ」と消えてしまった。ライブラリ同士の関係を作るには、単に一つのライブラリを別のライブラリのフォーム表示の中へとドラッグするだけでよい。これで、私のすべてのセッションを一覧した表示が手に入った。個々のセッションは、私のポーカールームのリストにも、もう片方のゲームタイプのリストにも、それぞれリンクして結ばれている。もう一度他のライブラリに切り替えて、それからもう一度ドラッグ&ドロップをするだけで、たちまち私は“Borgata”のテーブルを目にしていて、そこには私が Borgata でプレイしたセッションがすべて表示されていた。

ここまではすべて非常に素早く、目にも美しかった。でも残念ながら、ここから先では、「役立たず」という言葉だけが私の胸に響き続けることとなった。

プレビュー版、悪玉、卑劣漢 -- これはあくまでもプレビュー版なので、以下に述べるいろいろな問題点は実際のリリース版になれば解消されるかもしれない。ただ問題は、あまりにもたくさんあり過ぎるということだ。

説明書によれば、Bento はあなたがフィールドにいくつか文字をタイプし始めると自動的に単語の補完をしてくれるという。でも、その種のことが実行されるのを私は一度も目撃したことがなかったので、いったいどうやればそれが起こるのだろうかと思う。さらに厄介なことには、自動補完で“Tropicana”を作らせようと試みた私は、いつの間にか“Trop”という名前の新しいカジノを作ってしまっていたことに気付いた。

目に美しいフォームなど使わなくても、私はスプレッドシート表示だけで充分で何の問題もないと思うのだが、ライブラリ同士の関係付けはフォームの中でしか働かない。単なる表として表示させている時には、メインのライブラリのフィールドしか見えない。

何ドル何セントという金額表示をするフィールドを作りたい場合、フォームの中に追加するのは簡単だが、ただそれには“number”を通り過ぎてもっと下までスクロールし、そこに見えてくる“currency”を選んでやらなければならない。この選択肢は、あなたがそこまでスクロールした後でなければスクリーン上に登場しない。他のソフトウェアならばそんなことは大した問題ではないかもしれないが、そもそもこの Bento の主要な特長は、あなたがこんな風に手探りで探し回ったり数字フィールドのフォーマットをどうするのか考え込んだりといった余計な手間をすべてなくすということではなかったのだろうか。

時刻の入力の際に役に立つ便利なポップアップ時計があるが、その後で次のフィールドに移ろうとして Enter、Tab、あるいは Return のキーを押しても何も起こらない。その前に、まずは Command-W を押して、ポップアップは閉じてくれ、Bento ウィンドウ全体は閉じないでくれ、とぎゅっと目をつぶって毎回お祈りする羽目になる。ポップアップついでに言っておくと、あなたの作ったあの手軽でシンプルなリレーショナルライブラリを使いたいと思ったら、そのためにはまずアイコンをクリックして第二のウィンドウを開いてから、そこで項目を選ぶという手間が必要になる。

最後に、そしてこれこそ少しでも高度な用途にデータベースを使おうとする際に最大の障害となることだが、詳細と称するその検索機能が、中学校卒業程度のことさえ満足にできない点だ。私の発見できた限り、私が作り上げた関係性に基づいてフィルタ付けして検索する機能がどこにもない。例えば、私が Borgata でプレイした No Limit ゲームをすべて探すということができない。私にとって、これこそがそもそも関係性を用いる根本の機能だというのに。関係性は、私のデータを区切って切り分けて、それらを相互に表にして並べ直すために作るものだ。確かに Bento では手軽に合計や平均値が計算できるようになっているが、それだけのことならば Numbers でも Excel でも同じようにできる。

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Bento の中身はまだまだ生 -- 正直に言おう。私は、このソフトウェアを動かしてみるよりも前から既に否定的なレビュー記事を書くことになるだろうという確信があった。なぜなら、私はまずマニュアルを読むからだ。このマニュアルは、_もしも_ あなたが FileMaker に熟達しているならば、すっきりしていて読みやすい。マニュアルの中に「テーブル表示」や「フォーム表示」といった用語が氾濫しているのを見た途端、私にはこの Bento がプログラマーたちと技術に疎いユーザーたちの間のギャップを図らずも深めてしまっているものとして映った。Bento の開発者たちは、可哀想な子鹿たちのために複雑過ぎる機能は削除したものの、基本となるコンセプトや用語における複雑さは取り除いておらず、そここそが実際にソフトウェアを使う際に問題を起こすものだという事実に気付いていないのだ。その結果出来上がったものは「サルでもわかる FileMaker」かもしれないが、あの人気あるシリーズ本のタイトルとは違って、ここでは「サルでも」に込められた軽蔑の感情が、実際の実装内容にまで及んでしまっている。

これはとても残念なことだ。なぜなら、そこには確かに価値ある宝が眠っているからだ。FileMaker Inc. は Apple の子会社なので、私は思わず Steve Jobs がつかつかと彼らのオフィスに入って行って、Bento 開発チームの面々を引き連れ、彼らを iWork '08 開発グループに合流させるところを夢見てしまった。Bento は、iWork に組み込まれればとてつもなく素晴らしいものになるのではないだろうか。そのためにはまず、あの FileMaker 専門用語をすべて捨て去ってしまわなければならない。さらには、FileMaker 機能のいくつかも切り捨てるべきだろう。その代わりに、何かもっとスムーズに動く機能で置き換えるべきだ。Bento は、言わば FileMaker に補助輪を付けただけのもののように見える。この Bento を自力で学べるような人なら、きっと同じ努力でそこそこの程度は FileMaker Pro を使いこなせるだろう。

私たちが今本当に必要としているのは、フォームとか表示モードとかに煩わされることなく使いこなせるデータベースソフトウェア、ユーザーのデータを全体的なワークフローの中に自然に統合させることのできるデータベースソフトウェアだ。それこそが、現に Address Book と iCal の最大の美点ではないだろうか。あなたがそこにデータを入れれば、それが必要に応じて自動的に他のすべての Mac OS X アプリケーションの中にも登場する。Bento は、確かに表面的には Address Book と iCal _から_ の統合は提供しているが、他のもの _へ_ の統合は何も提供しない。私がさきほど説明したポーカーセッションのデータは、同時に iCal イベント(「いつ」)であり、Quicken 項目(「いくら」)でもあり、その他にも私がそれぞれの意義に応じて使いこなしたい個々の自立した情報断片(その他たくさんのデータ)から成っている。それらのデータを三つの場所で同時に登場させたいと思ったならば、私としてはその第三の場所を自分で作らなければならない。(おそらく FileMaker か Excel が必要だろう。Bento ではそれだけのツールが提供されていないのだから。)また、データは個々のアプリケーションで別々に入力しなければならないだろう。

Apple のアプリケーションは、最も良いところを見れば、常にこの種の画期的な考え方を提供してきた。Bento に肯定的なレビュー記事を書いてもらうには、別にデータベースの概念を考え直す必要などなかった。でも、単に「サルでもわかる FileMaker」を出すというのならば、サルではない人たちには薦められないと書かれても仕方がないだろう。

というわけで、私は自分のクライアントたちに Bento を薦めることはしない。でも、その理由の一つは私のクライアントたちが明らかに Bento には実現できない必要を抱えているからだ。Bento がうまく役に立つのではないかと思われる人たちのグループが二つ考えられる。一つは、内蔵のテンプレートと出来合いの統合機能だけで充分に満足できる人たち、もう一つは、FileMaker とその内蔵テンプレートのために $200 も出すのは嫌だと考える人たちだ。Bento のリリース版は $49 で販売される(5 ユーザー用 Family Pack は $99)ので、私は既に内蔵されているテンプレートのどれかでそのまま自分の必要を満たせるという人たちにだけはお薦めしたいと思う。もちろん、コンシューマ向けの Mac にバンドルされたソフトウェアの一部として含まれるようなことになれば、無料ソフトウェアとしては素敵なものという定評をきっと得ることだろう。

Rob Russell は TidBITS Talk への投稿 で、Bento を真に価値あるものに変貌させるかもしれないある追加機能を私に思い付かせてくれた。もしもリリース版の Bento 1.0 にオンラインライブラリへの統合が組み込まれて、何百何千という _ユーザー投稿の_ テンプレートの中からユーザーが自由に選べるようになったなら、状況は一変するだろう。そうなれば、プログラマーでない人でも自分の必要に合ったデータベースが手に _入る_ わけで、それならば Bento の価値は $49 という価格以上のものになるだろう。私の祖母にレシピのテンプレートを 10 個も用意してその中から選んでもらえるようになったら、もはや孫の私が彼女のためにデータベースを構築してあげる必要もなくなるだろう。さらに欲を言えば、もしもデータをタグ化できて彼女が希望に応じて別のテンプレートに _切り替える_ ことができるようになったなら、彼女もマッツォーボールのスープ[訳者注: マッツォーはユダヤ人が過越し祭に食べる種なしパン]のレシピをいちいち入力し直す必要がなくなり、今日私たちプログラマーの手にのみ許されているパワーが、一夜にして誰もが持てるものとなるだろう。

でも現時点では、Bento にはごく限定されたテンプレートの選択肢しかない。その一方で現在これは無料なので、試してみて損をすることはない。(ただしあらかじめ忘れずに Address Book と iCal のデータをバックアップしておくこと。)「両親が iMac を持ってる」人たちにとって Bento がデータベースの必要性を満たしてくれるものとなることは間違いないだろうと思う。ただし、その場合データベースがうまく動き出すためには、技術に精通した子供たちの手を借りることが必要になるだろう。あるいは私の夢想したオンラインライブラリが実現してもよい。いずれにしても、この現状では目標に全く届いていないと私は思う。

[Jeff Porten はデータベースの達人で、好物は何と言っても寿司だ。]

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Amazon の Kindle を iPhone と Sony Reader と較べる

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

Amazon は大変待ち望まれた $399 の電子本リーダー Kindle, をリリースした、これは Sprint の 3G EVDO セルラーネットワークを利用した高速ネットワーク常時接続が売りである。Amazon は Kindle 用に 88,000 を超える本を用意しており、そこには New York Times ベストセラーも含まれ、新刊本は概ね $9.99 の値段がつけられている。短編やクラシックは $2 かそれ以下の値段である;ライブラリをざっと見てみた範囲では、$10 を越す本はさほど多くない。

基本の比較 -- Kindle がこれまでの電子本リーダーと違うのは、提供されているタイトルの数が膨大であること、そしてネットワークへの常時接続である。Kindle 以前でこれに最も近いと言えるのは Sony Reader で、最近その第二世代がおおよそ $300 で出されている (その第一世代のレビュー記事は "Sony の PRS 電子ブックリーダーと Connect Bookstore" 2006-12-18 にある)。iPhone は直接の競争相手とは言えないかも知れないが、そのネットワーク接続ととても読みやすいスクリーンを備えているので比較してみる価値はあると思う。

Sony Reader は Kindle と同様、同じ E-Ink 技術を使っていて、非常に明るい低反射のディスプレイを持っており直射日光下でも、色々な角度からも読めるという事である。この Reader は 6.9 x 4.9 x 0.3 インチ (17.5 x 12.5 x 0.8 cm) で、重量は 8 オンス (0.23 kg) である。Kindle はこれより大きく 7.5 x 5.3 x 0.7 インチ (19 x 13.5 x 1.8 cm) で重量は 10 オンス (0.28 kg) である。一方 iPhone は、本を読む機能は内蔵されていない - 配信されたメールを読むのも或いは Web-ホストの PDF を読むのも一仕事である - が、どちらよりも小型で 4.5 x 2.4 x .46 インチ (11.5 x .61 x .12 cm)、重量は 4.8 オンス (0.14 kg) である。

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ディスプレイは Kindle そして Sony Reader 共グレイスケールであるので (Kindle は 4 階調、Sony Reader は 8 階調である)、複雑なイラスト入りやカラーを必要とする本の場合はあまり具合が良くないか、全然だめと言うことになるであろう。両方の機器共対角線で計って 6 インチのディスプレイで 600 x 400 ピクセルを 160 ピクセルパーインチ (ppi)で表示している。iPhone はフルカラーの機器で文字の読みやすさを改善するためアンチエリアスを使っており、480 x 320 ピクセル、対角線 3.5 インチのスクリーンで解像度は約 160 ppi である。

Kindle は Secure Digital (SD) 拡張スロットと USB ポートを持っている。Sony Reader はこの両方を持ち更に Sony の独自仕様である Memory Stick をサポートしているが、iPhone の場合は USB 接続だけである。Amazon は Kindle のメモリ容量を載せていないが、200 冊の本を収容できるとしているし、更に 256 MB の拡張 SD カードで 300 冊収容できる。これにオペレーティングシステムやその他のオーバーヘッドを考慮すると、Kindle の内蔵メモリは 256 MB と言った所だろうと想像する。Sony Reader は 192 MB である;iPhone はずっと上の 8 GB である。iPhone が他の二つを凌駕するのは、音声と映画を再生するよう設計されているためである。

Sony Reader も iPhone も両方ともコンピュータを必要とする (Sony Reader には Windows、iPhone には Mac か Windows) のに対して、Kindle はコンピュータを全く必要としない。しかしながら、自分のコンテンツとか音声ファイルも入れたいと言うのであれば、Kindle は USB ドライブとしてマウントするので、コンテンツをマニュアルでバックアップしたり、或いは新しいアイテムを Kindle がサポートするフォーマットでコピーすることは可能である。(Kindle はこの意味からすると Unix, Linux, やその派生の OS とも動作する初めての電子本リーダーと言える。)

違いにズームイン -- これらの基本から離れれば、この三者間の違いは跳躍的に拡大する。Kindle で読むために提供されているものを見れば、Amazon がこの Kindle を成功させるのにどれだけ力を入れているかわかる。

詰まるところはネットワーク -- Kindle に対する Amazon のコンセプトがうまく働いていることの多くはそのネットワークへの常時接続による所が大きい。Kindle は、私の知る限りで言えば、高速ネットワークアクセスを持ちかつ受信料もいかなる形の更新料もいらない形で出荷される初めての機器である。ネットワークの使用とデータの配信にかかるコストは、あなたが購入する或いは購読するものに組み込まれている。これは成功の可能性を秘めた最初の携帯型電子本リーダーと言えるかもしれない。その理由は、読みやすさ、ネットワーク、そして巨大なライブラリを融合させているやり方にある。

ブログと定期刊行物は、新しい号やポストが現れる度に Amazon が "Whispernet (ささやきネット)" と呼ぶ方法を使って配信される。これは、あなたが加入しているコンテンツのための休むことのないプッシュネットワークである。あなたが本を買えば、それは直ちにダウンロードされる。

Amazon が頼っている Sprint EVDO ネットワークは、通常の中・大都市では広範囲に利用できるが、人口の集中している街を外れた所では不十分である。従って Kindle を旅に出た時やより小さな町で使う時はいらいらがつのるかもしれない。なぜならば、そこでは Kindle は RTT と呼ばれるより広範囲をカバーするがモデム速度の技術を使うことになるからである。

しかしながら、Kindle が大量に使われる - 数百万台 - ことになれば、Sprint が新しい EVDO 基地局をどこに配置していくかの計画に変化をもたらす可能性はあるといえる。なぜならば、Sprint は加入料の代わりに全ての売り上げの一部を受け取ることになるからである。この機器の発表の場で Amazon のトップの Jeff Bezos は次の様に言っている、"皆さんにはただ読むことだけに集中してもらえる様、舞台裏でかかるコストは我々が全部持つことにした。"

明らかな限界 -- 私が Kindle に対して過剰に熱狂的になる前に、幾つかの問題点にも触れておこう。

この機器の後ろにある Amazon のマーケティング力や顧客層をもって、フルタイムのネットワーク接続、そして立ち上げ時からそれ程多くのタイトルをあれ程の低料金で提供していることを考慮すれば、Kindle が Amazon の期待する火を灯し、そして最終的には電子本リーダーに大量の聴衆を確保すると言うのも可能だと思える。

そうではあっても、そこに内在する考えの深さがこれほどはっきりしているのに、Amazon はなぜこのような食えない茸の様な製品を作ったのであろうかと考えざるを得ない。全体像の中でこれだけが真の過ちと言える。iPhone はこれまでに創られた最も美しく _かつ_ 機能する機器の仲間に入るが、Kindle は同じ様に世界を変えようと目指したものを単に簡単に具現化しただけのものである。


19-Nov-07 号のおまけ話

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳:上松慮生 <ryo.uematsu@gmail.com>

我々のウェブサイトのデザイン変更の利点の一つとして、記事とブログの投稿がこれまでよりずいぶんと簡単になったことがあげられる。そうやって得られた柔軟性の半面、毎回のメール版に掲載可能な分量以上の記事が存在するようになってしまった。これに対処するため、メール版にはタイムリーで関連性の高い記事だけを掲載するようにしてきた。しかしこれは、別の面では素晴らしい記事を何万人というメール版の購読者に知らせるということを犠牲にして成り立っている。

もうそういった犠牲を強いることはしない。我々は、今までのところウェブ版にしか掲載されていない最も有用で興味深い記事のいくつかをリストアップする、メール版のみのおまけ話コラムを開始する。それぞれの記事をクリックすればウェブにある完全版を読むことができる。これらの記事は、メール版の記事とは異なり、編集を経ていない可能性があることと、我々のブログの記事は通常の記事よりも若干砕けた表現が使われている傾向にあることに注意されたい。また、ここで紹介する記事のいくつかは、通常の記事が少ないときなどで後日メール版に掲載される可能性がある。

我々はかなりたくさんの在庫を抱えているので、これらの記事を掲載する最適な方法と体裁を探っている間はゆっくりと開始したい。ただ、我々はこのプロジェクトを前向きにとらえている、文章は読まれてこそ価値があるのだから。

ビニル袋の中から会話する方法 -- iPhone がビニル袋と相互利用可能なことがわかる(2007-10-18)。

WireTap Studio: ロスレスの編集環境とリアルタイムの音声プレビュー --Ambrosia Software の新しい WireTap Studio は簡便な音声録画・編集ツールの分野のレベルを引き上げた。”Take Control of Podcasting on the Mac”の著者である Andy Affleck がこの新しいリリースについてどう思うか、また、それが今あるツールとどのように匹敵すると考えているのかを見てみよう(2007-10-18)。

Nokia N800 Internet Tablet: 電話抜きの iPhone なのか? -- 多くの人が電話機能のない iPhone が欲しいが iPod touch にはあまりにたくさんの制限があると主張している。そんな人には、Linux ベースのプラットフォームにフル装備のブラウザを備えた Nokia の N800 Internet tablet はどうだろうか?Travis Butler が N800 がどのように要求に達しているのか深く検証する(2007-10-12)。

ICANN がローマ字以外のドメインを試験中 -- ローマ字以外の文字を使用する言語を話す人(そして書く人)は喜ぼう。ついに .com を母国語とそのキーボードで打つことができるようになる(2007-10-12)。

Catalog Choice を利用してカタログ狂気を止めよう -- もしあなたが Adamと一緒で不必要で過剰なカタログを受け取るのが嫌なら、毎年送られる190億のカタログを減らす手助けとなる目的で作られた新しい無料のサービス、Catalog Choice を見てみよう(2007-10-11)。

TidBITSの表示を調整するには独自の CSS を利用しよう -- ある TidBITS読者が新しいサイトのデザインについて次のような提案をしてくれた。「私が一番に提案したいことは、記事をすばやく見通せるように記事のタイトルを全部大文字にすることです。」我々はこれを実施しないが、もし必要なら、CSS を利用することによってこれは実現できる(2007-10-09)。


TidBITS Talk/19-Nov-07 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

.Mac ホスティング -- Apple のオンラインサービスでドメインホスティングが提供されるようになったが、これは iWeb '08 と組み合わせてでないと使えない。 (5 メッセージ)

Spotlight の逆襲: Leopard になって、素晴らしく働く -- Leopard における Spotlight の変更点について読者たちが感想を寄せる。大きく向上した検索条件、内蔵電卓、ネットワークボリュームの検索など。(9 メッセージ)

通話記録ソフトウェアを知りませんか -- かかってきた電話のメッセージ情報を手軽に記録できるソフトウェアは、という質問に多数の提案が寄せられる。 (6 メッセージ)

iPhone で光を -- あなたの iPhone は(あるいはその他 LCD 装備の電子機器ならば何でも、例えば古い PowerBook でも!)その場しのぎの懐中電灯として使える。(2 メッセージ)

Leopard: バッファオーバーフローを防止 -- この最新バージョンの Mac OS X にはセキュリティ上の改善が含まれているが、私たちの相互関連度の増加そのものが脆弱性を増しているのだろうか? (2_メッセージ)

Leopard のファイヤウォール、一歩前進、三歩後退 -- Skype と Leopard のファイヤウォールとの間の初期不具合は、Skype の実装における他の問題点も示唆している。(2-メッセージ)

Intel Mac で Office 2004 に印刷の問題 -- Leopard 下で Office 2004 から印刷しようとして問題点に逢ったユーザーたちがいる。 (3 メッセージ)

Pages と iWeb に不満たらたら -- iWork での写真アクセスは iPhoto 以外のものを使ってもできるが、その方法は必ずしも分かりやすいものではない。(4 メッセージ)

Mac Book Pro スクリーンの汚れ -- 指紋だと思っていた染みが、どうしても消せない。ひょっとしたら、メラミンフォームで解決するかもしれない。 (3_メッセージ)

Bento -- FileMaker の Bento プレビュー版について書いた Jeff Porten の記事に、読者たちが反応する。 (5_メッセージ)

Leopard のファイル共有 -- 子供たちよ、きっとおまえらも感心するじゃろうて。私たちの電子的議論を調べ上げれば、古い古い日付でもちゃんと分かるのじゃ。例えば 19-Nov-97 は何の日か知っておるかのう。これは LaserWriter 8.5.1 のリリース日、今でも最新のバージョンと共にネットワークを組むことのできる最古の Mac 用システムじゃ。 (2=メッセージ)

BBEdit 8.7.1 が機能を追加、バグを修正、データを保存 -- 巨大化した BBEdit Backups フォルダに対処するという Adam の話に触発されて、フォルダを管理可能なサイズに抑えておくための方法がいくつか紹介される。 (2+メッセージ)

Leopard で Adobe 製品を走らせる -- Adobe は FAQ をポストして、同社のソフトウェアを Leopard 下で走らせる際に注意すべき点を公表した。(1 メッセージ)

最近の iMac -- 新しい iMac 各機種で時々発生する問題は、最新のファームウェアアップデートで解決するかもしれない。 (3-メッセージ)

OS X を自作の PC ハードウェアで -- ノーブランドの PC ハードウェアで Mac OS X を走らせることに成功したハッカーたちがいる。Apple は対策を練るべきか? これは本当に使い物になるのか? (5-メッセージ)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2007年 11月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA