TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#909/07-Jan-08

あけましておめでとうございます! 毎年恒例のホリデー休暇をとっている間も、私たちはちゃんと Mac の世界で何が起こっているか注目していた。今週号では、まず Rich Mogull が、Intuit が Mac プラットフォームにどれほど関与する気があるのか(そもそも興味を持っているのかどうか)について疑問を呈する。QuickBooks のバグがいくつもあって、何人かのユーザーのデータが復旧不可能なまでに消去されてしまったのだ。Adam も声を挙げて、Apple と Think Secret が結んだ和解について語り、Think Secret がなぜ活動停止の道を選んだかの理由を推測する。それから Adam は iPhoto カレンダーで日付の書き込みを調整するためのヒントを伝え、珍獣 Googlewackblatt を捕獲、また間近に迫ったサンフランシスコでの Macworld Expo における TidBITS 関係のイベントについてお知らせする。その他リリース関係のニュースとしては、Security Update 2007-009 1.1、MacBook, MacBook Pro Software Update 1.1、それに Parallels Desktop と VMware Fusion のパフォーマンスを比較した MacTech による一連のベンチマークテストがある。最後にもう一つ、Glenn がタイミング良く旅行から戻り、ちょうどウェブで注文した食料雑貨を受け取ったところだ。あの失敗に終わった Webvan かって? いやいや、シアトル地域で新しく始まったサービスで、会社名は確か... Amazon.com という名だ。

記事:


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Security Update 2007-009 1.1 は特に重要

  文: Rich Mogull <[email protected]>
  訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

昨年末、Apple は Mac OS X 10.4.11 と 10.5.1 に存在した 41 の脆弱性にパッチを当てる Security Update 2007-009 をリリースした。これらの脆弱性のうちの多くは、悪意のあるファイルを開いたり悪意のあるウェブサイトに訪れただけで、アタッカーに対してあなたのコンピュータを乗っ取ることを許してしまうようにするというものだ。影響を受けるアプリケーションやサービスにはアドレスブック、CUPS(プリンティングサービス)、Quick Look が含まれる。

(Security Update 2007-009 の最初のバージョンがポストされた数日後、Apple は先のアップデートに紛れ込んでいた Safari に関する問題を解決する 1.1 バージョンをリリースした。)

Quick Look update が Quick Look plug-in をブロックしていることに注意が必要だ。これは一時的な解決法であり、Apple は、将来的には(できることなら早急に)プラグインを安全に利用できるようにするだろうと思っている。

アップデートの全貌については、Apple のセキュリティリリースノートをご覧いただきたい。このアップデートは、ソフトウェアアップデートか独立したアップデートをダウンロードすることで利用可能だ。Leopard 用は 35.6 MBTiger 用の universal バイナリ版が 27.4 MBPowerPC 版は15.9 MB だ。

これは、複数個の重大な脆弱性を修正する、非常に重要なアップデートだ。これらの多くはインターネットアタッカーたちが好んで利用する類の脆弱性なので、一刻も早く適用すべきだ。


アップデートがラップトップのキーボードの無反応を改修

  文: Mark H. Anbinder <[email protected]>
  訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

もしあなたの Mac ラップトップに最近さぼり癖がついてしまったとお嘆きならば、2007 年末にリリースされたアップデートが解決してくれるかもしれない。Intel ベースのラップトップの利用者のための MacBook, MacBook Pro ソフトウェア・アップデート 1.1 はこれらの機種のキーボードがたまに 1 分かそれ以上の時間反応しなくなってしまうという問題を解決する。(いったい何でこんなことになるのかと私も不思議だった!)このアップデートを使うためには、前もって Mac OS X 10.5.1 update が適用されていなければならない。(この問題が 10.4 ユーザに影響しているのかどうかについては言及されていない。)このアップデートは 1MB 未満で、ソフトウェアアップデート経由か Apple のウェブサイトからダウンロードできる。


MacTech による Parallels Desktop と VMware Fusion のベンチマークテスト

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳:上松慮生 <ryo.uematsu@gmail.com>

MacTech にいる我々の友人が、人気のある仮想化プログラムである Parallels Desktop と VMware Fusion でWindows XP と Windows Vista を動かし、アップルの Boot Camp と 標準的なウィンドウズのノートパソコンとのベンチマークの結果を比較するという骨の折れる仕事をしてくれた。

MacTech のテストは Microsoft Office 2007 の主たるアプリケーション(Outlook, Word, Excel, PowerPoint)のそれぞれにおける現実的な操作のテストに加えて、ネットワークとファイルシステムの入出力テスト、 Internet Explorer のテスト、そして、ホストオペレーティングシステムとのやり取りを含むプラットフォームを越えた課題(例えば、 Outlook のメールに添付されたPDF ファイルを Preview で見る課題)で成っている。

MacTech の完全版の記事は非常に興味深い読み物となっているが、以下のような結論に要約できるように思われる。

これらの結論は MacTech がテストした課題だけで導かれており、ゲーム(たぶん Boot Camp が両方の仮想化ソフトの結果に勝っているだろう)、あるいは、複数のプロセッサを利用できるアプリケーション(たぶん VMware Fusion がParallels Desktop をしのぐだろう)についてはテストしていないことに注意して欲しい。

もし MacTech の結果を自分でより深く分析したいのなら、全てのテストデータを含んだエクセルファイルをダウンロードすることができる。


Macworld SF 2008 の TidBITS 関係イベント

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私たちは San Francisco での Macworld Expo に向かう毎年恒例の旅行の準備を進めているところだ。その準備で大きな部分を占めるのが、たくさんのミーティングやプレゼンテーションの合間を縫って、ショウのフロアを見る時間を確保する作業だ。今のところ、私たちのスケジュールは以下のようになっているので、どうぞ立ち寄ってひとこと声を掛けて頂きたい! 注意すべきは今年の Macworld Expo が Moscone Center の新館 Moscone West(西館)と従来の Moscone South(南館)の両方を使った開催となることで、両方を行き来するには歩く時間がある程度必要なことを考えに入れてプランを立て、またブースの数にも注意を払う必要がある。

1 月 14 日、月曜日 -- Tonya と私、その他にも大勢の Mac 著名人たちが、4 PM に Westin ホテル(前 Argent ホテル)で Apple User Group Advisory Board 主催の Wine and Cheese Reception に集まる。残念ながら、このパーティの予約券は売り切れたので、既に登録した人以外は参加できない。

1 月 15 日、火曜日 -- 私たちは火曜日には人前に立つ予定はない。何より、午前中はキーノートの報道ができるように、そして午後はショウのフロアを見る時間を少しでも確保できるようにしておきたいからだ。フロアで私たちを見かけたら、どうか私たちを興味深いブースに連れて行ってもらいたい。

1 月 16 日、水曜日 -- 11 AM に Tonya は“Get Smart about the Leopard Finder”という題で Users Conference セッションの講演を行なう。Apple が Leopard で Finder に追加した機能を最大限に使いこなすためのすべてを語るものだ。それから 1:15 PM に、私が“Collaborative Editing Tools and Techniques”という題で語る。これも Users Conference セッションだ。

3 PM には、Moscone West の Macworld Podcast Studio で、Tonya と私は Ted Landau と Chuck Joiner と一緒に MacNotables の円卓会議で議論を戦わせる。話題は今回のショウのすべてについて(あるいは私たちが Chuck を脱線させることができればどんな話題でも)だ。その少し後、3:45 PM に、私は急いで Peachpit ブース (S-1026) に向かい、私が気に入った iPhoto '08 の新しい側面について語る。これは私の著書“iPhoto '08: Visual QuickStart Guide”にも載っている内容だ。

1 月 17 日、木曜日 -- 11 AM に、Tonya と私は User Group Lounge で今回のショウの話題を厳選して議論する。場所は Moscone South の Mezzanine 階にある Room 250 だ。その後 3 PM に、私たちは再び Chuck Joiner と一緒になって、Moscone West の Macworld Podcast Studio でまた別の MacNotables セッションをする。それから 3:30 に、私たちは Glenn Fleishman と、たぶんもう一人の新しい TidBITS メンバーを加えてステージに上がり、Chuck の司会する MacVoices ポッドキャストに出演する。(きっと Chuck はそれぞれの場ごとに違った顔を見せるのだろうと思う。)

6 PM になると、私たちは皆 Moscone South 最上階のエスカレーターのところに集まって、毎年恒例の Netter's Dinner に向かう。6:30 PM には、大勢揃って Sansome と Broadway の交差点にある Hunan レストランを目指して歩く。例年通り、ホットでスパイシーな中華料理だ。(ベジタリアンのメニューもある。)費用は $18 だ。参加するには、1 月 15 日の火曜日までに Kagi を使って登録しておかなければならない。こちらのリンクを見れば詳細が読める。今年は Jon Pugh がホストとして復帰してくれるので、私はまた食べ物と会話だけを楽しめるようになる。

1 月 18 日、金曜日 -- 3 PM になってもまだ会場に残っている人は、もう一度だけ Moscone West の Macworld Podcast Studio に来て頂きたい。ここで Shawn King の Your Mac Life Expo Wrap Up Session がある。参加するのは私と、Macworld の Jason Snell、それに Leo Laporte で、溜まった疲労をエネルギーに換えつつ、この一週間のイベントを振り返る旅をする。去年はすごく楽しい時を過ごせたので、今年も盛り上がるのではと楽しみにしている。

まだまだ他にも -- もっと他のイベントも知りたい? ならば、まずは Macworld Show Highlights をチェックすることだ。それから、毎年恒例の Ilene Hoffman の Hess Memorial Macworld Expo Events List も、隅から隅まで読むとよい。既に 2008 年用にアップデートされている。


Apple との和解により Think Secret が閉鎖

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

Apple と噂サイト Think Secret とのあいだでながらく続いていた法廷闘争がついに終結した。「両者にとって肯定的な解決となる」「友好的な和解」と記述されているものに、2者が合意したのだ。

Apple にとっての肯定的な解決として考えれられるのは、Think Secret が公開をやめるということだけしかない。一方、Think Secret の発行者 Nick Ciarelli にとっては、肯定的な解決とはおそらく、Apple が告訴をやめるということだろう。この和解にほかの条項があるということも十分考えられるが、ほかに公開された詳細情報は、Ciarelli が情報源を明かしたことはないと述べたということだけだ。

負の側面として、Apple はまるで弱いものいじめのように見えてきている。とりわけ、訴訟が起こされた時点では Ciarelli は 19 歳の、Harvard の学生だったのだから。Ciarelli はいずれにせよ Mac の噂を広めることから手を引こうとしていたのだが、もしもそうでなければ、月に 300,000 人以上が訪れるサイト(数字は Quantcast による)を力ずくで閉鎖するというのは、よいことには見えなかっただろう。

CNet によれば、そもそも3年前に Apple が Think Secret を告訴したのは、さらなる企業秘密の公表に対する差し止め命令を得るためであり、2週間後にMacworld Expo で同社が発表した Mac mini についての詳細を事前に明らかにした記事(Wayback Machine 経由で読める)について、サイトの情報源を知るためであった。この訴訟はおそらく、Apple が以下のことを証明できるかどうかにかかっていた。情報源が NDA(機密保持契約)に違反していることをThink Secret が知っていたこと、Think Secret が情報源に機密情報を開示するよう誘導したこと、そして Think Secret の行為が原因となって情報源がApple との NDA に違反したことだ。これを証明するのは難しく、不可能だったかもしれないが、この訴訟がこれだけ長引いたという事実は、どちらの側もはっきりしたことを示せなかったということを物語っている。Think Secretを弁護していたのは Gross & Belsky LLP の Terry Gross だった。

発表された和解についてのウェブサイトの反応は、ほぼ普遍的に Apple を非難し Nick Ciarelli を持ち上げている。たとえば、Mike Masnick はTechdirt ブログでこう書いている。「Apple がこのような復讐をしようとしたことだけでも恥ずべきことで、その結果として Think Secret が完全に閉鎖してしまったというのは、茶番だ。」そして TechCrunch では、Duncan Rileyが、情報源の開示を拒否したことで徳の価値を高めたと Ciarelli を賞賛している。

私はこの状況全体に対して心がまとまらずにいる。今回の件に限って言えば、企業がジャーナリストに対し情報源を開示するよう強制できるべきではないということに私はまったく賛成だ。そして、2005 年の時点ではまだあいまいだったとはいえ、ブロガーやインターネットだけの出版物も従来の報道記者と同じ保護(少なくともカリフォルニア州の法律での。ジャーナリストを保護する米国の連邦守秘権法 はまだ議会にかけられていない)を受けるべきだと強く信じている。だから、原理だけを言えば、Ciarelli が和解に合意したというのは大変残念だ。

一方、現実世界の話として、将来の製品についての噂が、それが正しかろうと誤っていようと、広まってしまうことに対し、Apple が腹を立てるというのも、まったく正当なことだ。もし噂が正しければ、消費者は現行の製品を購入するのをやめて将来の製品を待つだろう。(これは個々の消費者にとっては完全に合理的なことだが、それが数万人の潜在顧客に広がるとしたら、Apple にとって明らかに損害となる。)正しくない噂も Apple にとって損害となる。誤った期待を持たせて、同社はその期待に添うのに「失敗」するからだ。(まさにこのことが 2004 年に起こった。Think Secret を含む噂サイトが、後にiPod mini として発表されたものの価格を 100 ドルだと断定した。Apple が4 GB iPod mini を 249 ドルで発表したとき、価格が高かったために否定的な評判を受け、それが iPod mini の初期の売り上げに影響したかもしれない。)

理想を言えば、Apple は、この訴訟で受けた評判を考えれば、情報漏洩の問題を解決するのに Think Secret を訴えるよりも効率的な方法を見つけることができただろう。しかし同時に、Think Secret に同情するのも難しい。Nick Ciarelli は、Apple の企業秘密を開示することで、火遊びをしていたのであり、火傷した指先がそのことを証明しているというわけだ。


Intuit、QuickBooks の大失敗で Mac ユーザーを疎外

  文: Rich Mogull <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

2008 年 1 月 4 日、Intuit は QuickBooks Pro for Mac 2006 用のパッチをリリースした。これは、自動アップデートがオンになっている場合にユーザーのデスクトップやそのサブディレクトリにあるすべてのファイルが恒久的に消去されてしまうことがあるという、広く報告されていた問題点を修正するためのものだ。手動で QuickBooks をアップデートする方法の手順の説明書も Intuit から入手できる。すべての QuickBooks ユーザーは直ちにこのパッチを適用するべきだし、たとえ自動アップデートを手動でオフにしていた人でも、やはり適用しておくべきだ。

QuickBooks の大失敗 -- 数週間前、私たちが(そして他の多くの人たちも)ホリデーを控えて仕事納めにかかろうとしていた頃、QuickBooks Pro for Mac 2006 のユーザーの幾人かが、自動アップデートが失敗に陥ったために Desktop フォルダとその内容すべてを消去されてしまうという事態に見舞われた。アップデートがその途中で失敗に終わり、「インストールに十分なディスクの空き容量がありません」という警告が出る。そして、アップデータが Desktop フォルダを消去してしまうのだ。そこにあったファイルはゴミ箱に移されるのではなく、恒久的に消去されてしまう。このようにしてデータを失ったのは QuickBooks 2006 ユーザーだけだった。QuickBooks 2007 ユーザーは、アップデートが失敗に終わった際にもユーザーディレクトリに余分なフォルダが作られただけで済んだ。Intuit は当初 2007 年 12 月 18 日にパッチを出したが、状況によっては誤って悪いパッチをダウンロードしてしまう危険性があった。今回の新しいパッチ (バージョン R5) は、自動アップデートのメカニズムそのものをオフにする。

より詳しい情報は Macworld から、また QuickBooks ユーザーフォーラムからも入手できる。このフォーラムには、何百人もの QuickBooks ユーザーたちの怒りの声が満ち溢れている。

報道によれば、Intuit は当初この問題への反応が鈍かったようだが、後になって少なくとも被害をこうむったユーザーたちの一部には電子メールを送って、Prosoft の $99 のツール Data Rescue II でファイルの復旧をするための援助を申し出たということだ。近所に Apple Store のあるユーザーたちには Genius Bar で助言を受けるようにという指示があり、近くに Apple Store のない人たちには Data Rescue II の使い方の説明が提供された。どちらの人たちにも、Data Rescue II ソフトウェアの代金が弁済された。(今もまだ問題が解決していない人は、 [email protected] あてにメールを送って Intuit と連絡をとるとよい。)

残念ながら、データ復旧の作業というものは必ずしも易しくはないし、消去されたファイルの復旧がすべて可能だとも限らない。消去が起こった時点以降にそのコンピュータが使われたかどうかによって、状況が大きく異なる。場合によっては、何百ドル、あるいは何千ドルもかかるようなプロフェッショナルのデータ復旧サービス、例えば DriveSavers のようなところに頼る以外に方法がないこともある。Intuit の公式発表には、そのような出費を余儀なくされたユーザーたちに同社が補償を行なうかどうかについては触れられていない。そこにはただ、次のように述べられているだけだ。「この電子メールが発送されたよりも以前に既にデータ復旧を実行された方は、[email protected] 宛にその旨お知らせ願います。当社としてはそのような方には個別に対応させて頂きます。」

いつも言っていることだが、不意のデータ喪失に対処するための最良の方法はデータ復旧ソフトウェアではなく、定期的なバックアップ以外にないということを改めて肝に命じて頂きたい。Joe Kissell の電子ブック“Take Control of Mac OS X Backups”と“Take Control of Easy Backups in Leopard”にこれほど人気があるのも、ちゃんと理由があってのことなのだ。

Mac ユーザーは Intuit を支持すべきか? -- Intuit は、1998 年に Mac サポートを打ち切って以来、その後また復活させるなど、Macintosh コミュニティーとの関係をずっとゴタゴタさせ続けてきた。(1998-04-20 の記事“Intuit 社が Quicken Macintosh 版を打ちきる”参照。)QuickBooks Pro for Mac 2007 には、Windows 版に存在する機能の多くが欠けている。例えばクレジットカードの処理など、基本的に重要な機能もない。Intuit はこの製品のオンライン専用版 (QuickBooks Online Edition) も提供しているが、これもまた Windows 上の現行版の Internet Explorer でしか動作しない。

ソフトウェアのアップデートに伴って新たなバグが導入されてしまう事態は、私たち皆が望むよりもはるかに頻繁に見られるようになっているのが現状だが、それにしても全く関係ないユーザーデータを恒久的に消去してしまうアップデートなんて、どこから見ても弁解の余地はない。こんなアップデートが Intuit の品質保証プロセスを通り抜けてしまったなどとは、とても信じられない。

Mac で事業を運営している小規模ビジネスのオーナーとして、私はまだ自分が満足できるだけのレベルに達した経理用ソリューションに出会ったことがない。2007 年の 8 月にビジネスを始めた時、私は QuickBooks Online Edition に登録して、Parallels Desktop の中で Windows を走らせてそれにアクセスしていた。当初はこれで十分私の経理および給与支払事務がこなせるように見えていたが、最近になって私は障害に行き当たったために、他の選択肢を探さざるを得ない状態になっている。QuickBooks Online Edition では、ファイルの読み込みがどんな形のものも一切サポートされていないのだ。一般に広く使われている Intuit 自身のデータ交換フォーマットすらサポート外となる。私の会社のクレジットカードは QuickBooks 内からの直接オンラインリンクでサポートされていないので、このカードでの取引をすべて一つ一つ手で入力しなければならない羽目になる。私のクレジットカードプロバイダは QuickBooks 互換のダウンロードを提供しているというのに。

私は、空港で買ったスナック菓子の一つ一つについてレシートを手で入力する時間があるくらいなら、その時間を TidBITS 記事を書くことに費やしたいと思う。そこで私は自分のデータを QuickBooks Online Edition から書き出して、それをデスクトップ版の QuickBooks に読み込ませようと作業を始めた。でも、Mac 版にはあまりにも制限事項が多過ぎることから、やはり Windows 版を購入しなければならないのかと思っていた矢先、このアップデート問題の騒ぎが起こったのだった。

口で言うだけでなくその通りに実行に移せというのが私の信条なので、私はもう Intuit 製品を使い続けるのは止めようと心を決め、今は MYOB FirstEdge の評価版をダウンロードしてみようと思っている。[あくまでも私たちの場合だが、私たちはもう長年 MYOB AccountEdge を TidBITS のビジネス経理に使っている。 -Adam]でも私は偏見を持ちたくはない。もしも Intuit が今後その Mac 製品の品質と信頼性を向上させてくれるならば、Intuit 製品に戻ることにもやぶさかでない。けれども今のところは、もっと Mac ユーザーを大切に扱ってくれる、他の会社に選択肢を探すべき時だろう。


iPhone と Googlewhackblatt と

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iPhone は確かに欲しいとは思うが、私が Virgin Mobile に払っている年額と、一番安い iPhone プランの月額とがほぼ同額ということを考えれば、そのコストはとうてい受け入れられるものではない。ある個人的なメーリングリストへの投稿でこのことに触れた時、私はこの「十二倍」ということをうまく表わす言葉を知らないことに気付いた。「二倍」ならダブル (double) で、「三倍」ならトリプル (triple)、「四倍」ならクヮドラプル (quadruple) だが、いったい「十二倍」は何だ?

ちょっと Wikipedia で調べてみたところ“tuple”(有限個のオブジェクトの並び)という項目が見つかった。ここにはいくつか特定の長さのタプルの名前があったが、残念ながら十二はなかった。そこで、Wikipedia で“twelve”を調べてみたところ、十二個のものの集まりが“duodecad”と呼ばれることがわかった。そこで二つの単語をむりやりくっつけて、私は“duodecaduple”という単語をひねり出した。ちょっと変に見えるが、口に出して言ってみると本当に調子がいいことがわかった。ドゥオ・デキャ・ダプルだ。何回か言ってみるといい。これを会話で使いこなせた人にはボーナスポイントだ。

自分が正しい言葉をひねり出したのかどうかを知りたくなって、私は Google 検索をしてみた。これが何ともショッキングで私は目を丸くしたのだが、この単語は Google インデックス全体の中でたった1回しか登場しないものだった。その1回とはある Slashdot 記事に対するコメントの中のもので、面白いことにその記事はここ Ithaca にある Cornell 大学でなされたある研究成果についてのものだった。私がこれを書いている時点で duodecaduple がたった1件しかなかったことの証拠に、その画像をここに含めておく。

Slashdot-usage

ご存じない方のために説明しておくと、Google で2つの単語の組を検索して結果がたった1つしか出ないものを探すゲームがあって、見つかったそういう単語の組を“Googlewhack”と呼ぶ。ただ、Googlewhack が2個の単語から成っていなければならないのに対し、私が見つけたのはたった1つの単語だった。そこで Wikipedia で Googlewhack の項目を読んでみると、ただ1個の単語による Googlewhack は“Googlewhackblatt”と呼ばれていることが分かった。

ただしこの Googlewhackblatt というものには一つ問題がある。きっと皆さんももうお気付きのことだろう。そう、Googlewhackblatt があるということを記事に書いたとたん、Google がサイトに触手を伸ばしてきて、その瞬間からは少なくとも2ヵ所に存在することになってしまう。私は考えに考え抜いた。自分の発見した Googlewhackblatt を、何とかして守りたいと思ったからだ。でも、たとえ私がその単語を順序を逆にして綴り、elgooG で見るようにしてまで守ろうとしたとしても、きっと世の中には Googlewhackblatt を台なしにすることだけに生きがいを感じる Googlewhackblatt 荒らしの輩もいるに違いない。(elgooG は Google のミラーサイトだが、単なる Google の複製ではなく Google を鏡に映してミラーするサイトだ。)elgooG といえば“Engst”とタイプして Return つまり“ykcuL gnileeF m'I”ボタンを押すと、楽しいことが起こる。驚くなかれ、elgooG はたちどころに「Tsgne .C Mada」という検索結果を表示する。これは、1997 年のエイプリルフール特別号に私自身が使ったペンネーム、私の分身の名前だ。

結局、私は Googlewhackblatt というものは消え去ることにこそ意味がある、と心に決めた。つまり、その知識を皆で共有するまでの間は真の意味では存在しておらず、それなのにその共有するという行動そのものが、その存在をほぼ確実に破壊してしまう。だから、Googlewhackblatt の喜びとは、言わばたんぽぽの綿毛を飛ばすようなものなのだ。さあ、自由に飛んでゆけ、かわいい duodecaduple よ!

もちろん、さきほどのスクリーンショットをご覧になればお分かりのように、Google は親切にもその単語が“dodecatuple”の間違いではないかと示唆してくれている。こちらは、Google インデックスの中に数千回現われる。この“dodecatuple”という単語は“dodecagon”(十二角形)や“dodecahedron”(十二面体)などと同じ語幹を持つものだが、さらに調べてみると、それらの単語にも“duodecagon”と“duodecahedron”という変種がちゃんとあって、ちょっと古めかしいにしても立派に存在していることが分かった。

というわけで、私は自分の選んだ変種の方を使い続けることにしよう。だから、もしもあなたが Macworld Expo の会場で私がまだ iPhone を持っていないのはなぜかと尋ねたなら、私はこう答えるだろう。なぜって、携帯の請求金額が、duodecaduple しちゃうからさ!


iPhoto カレンダーで日付調整のトリック

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ちょっとだけ私の立場になって考えてみて頂きたい。この前の 6 月に、あなたはたくさんの時間を費やして、iPhoto でカレンダーをデザインしたりレイアウトしたりした。毎月の何もない日付を写真で埋め尽くし、家族の一人一人の誕生日やいろいろな記念日などを iCal から読み込んで、記念日のプレゼントにしたのだった。その出来上がりは見事なもので、妻もすっかり気に入ってくれて、これにもうちょっと違うイベントを入れたものを作り直して、彼女の親戚たちに年末のホリデープレゼントとして贈りたいと言い出した。これは素晴らしいアイデアだ。そこで、あなたはいそいそと iPhoto に向かって、その変更を加えようと仕事を始める... それがトラブルの始まりだ。

iPhoto でカレンダーを一から作るのは結構簡単だが、既に作ってあるカレンダーからその複製に近いものを作ろうとする際にはいくつか注意が必要だ。日付の上に配置してある写真を失ってしまう危険があるし、読み込み直したイベントの文字スタイルが違ってしまう可能性もある。けれども、これから紹介する手順を踏めば、それほど面倒なこともなくカレンダーの「ほぼ複製」を作ることができるだろう。

(カレンダーの複製を作らずに、単純に既存のカレンダーを編集すればよいのではないかとお思いの方もおられるだろう。でも私の経験から言えば、いつもコピーで仕事をするというのは大切なことだ。ひょっとして何かの具合でおかしくなってしまうこともあるだろうし、そんな時にコピーで仕事をしてさえいれば単にそのコピーを捨ててもう一度コピーを作り、初めからやり直せばよいからだ。また、何日も経ってからまたプリントを注文したくなる場合に備えて、完成したカレンダーはやはりちゃんと保存しておきたいだろう。)

カレンダーの複製を作る -- まず第一に、あなたが作ろうとしている第二のカレンダーには、元のものとは異なったイベントや、追加のイベントを含ませたいと思っているとしよう。それに、もしもあなたが元のカレンダーを普通とは違う日付の範囲(私の場合は 2007 年 6 月から 2008 年 5 月までだった)で作っていたならば、日付の範囲も変更する必要がある。でも、うっかりと既存のカレンダーの日付の範囲を変えたりしてはいけない。そんなことをしたら、iPhoto はあなたが日付ボックスの中に配置していた写真をすべて消去してしまうだろう。くわばらくわばら! そこで、どの写真がどこへ行くのかを覚えておく労力を少しでも省くために、以下のような手順を踏むのがよい:

1. Source パネルの Projects リストからあなたのカレンダーを選び、それから File > Print を選ぶ。Print ダイアログの中で、Preview をクリックする。すると、iPhoto は PDF を作成してそれを Preview で表示する。この PDF を、あとで手順 4 のところで写真の入れ替えをする際に参照のために使う。もちろん、そのカレンダーを紙に印刷したものが手許にあるのなら、そちらを参照に使ってもよい。

2. Source パネルの中であなたのカレンダーを右クリックして、コンテクストメニューから Duplicate を選ぶ。新しくできたコピーのカレンダーの方に適切な名前を付けて、元のものと区別できるようにしておく。

3. Settings ボタンをクリックし、Calendar 表示の中で日付を必要に応じて変更する。でも、まだ iCal カレンダーを新たに読み込まなくてよい。今はただ OK をクリックする。

4. さて、ここからが本当に手間のかかるステップだ。さきほどの PDF、あるいは元のカレンダーを紙に印刷したものを見ながら、使える写真のリストから好きな写真をドラッグして、カレンダーの適切な日付ボックスの中にドロップする。私は、毎月のグリッドの最初と最後の空いたボックスをすべて写真で埋めるのが好みだ。

日付を修正する -- さて、ここであらかじめ iCal であなたのカレンダーイベントをチェックして、すべての情報が正しくて最新であるかを確認しておくのがよいだろう。例えば、私たち夫婦はどちらの実家にも 11 月に新しい甥が生まれたので、彼らの誕生日を追加しておく必要があった。私たちはそれぞれの実家向けに別々の iPhoto カレンダーを作りたかったので、iCal でカレンダーを2つ作り、片方には Tonya の家族の誕生日や記念日などを入れ、もう片方には私の家族のものを入れた。もちろん、両方に入るイベントもある。

(普段カレンダー用ソフトウェアとして iCal を使っていない人も、実は私もそうなのだが、今回の作業のためのカレンダーを iCal で作っておく方が、すべてのイベントを手で iPhoto に入力するよりもずっと賢明な方法だ。そうしておけば来年もまた同じ iCal カレンダーを利用できるし、Thanksgiving のような「11 月の第 4 木曜日」というタイプのイベントにも iCal の賢い機能が利用できる。)

また、iCal に正しい祝日が設定されていることを確認しておくのも重要だ。これは、私が思っていたほど単純なことではなかった。私は iPhoto に内蔵のアメリカ合衆国の祝日リストでは満足できなかったので、もっと完全なリストを求めて探し回った。私が見つけた中でベストのものは iCalShare の U.S. Holidays カレンダーだった。iCalShare にはその他にもたくさんのカレンダーがある。これを基盤として、私は自分で作った新しいカレンダーの中にここからイベントをコピーしていった。それから、Year 2008 Holidays Calendar や、Wikipedia の International Observances(国際デー)ページからもさまざまなイベントを追加した。また、買って手近に持っていたカレンダーもじっくり調べて、その商品ではどんな祝日が記載されているのかを見たりもした。そこまで努力を傾けなければ、どうやって Towel Day (Douglas Adams 記念日) や、中国の新年 (ネズミの年だ!)、それにライト兄弟記念日まで見つけることができるだろうか。

イベントを読み込み直す -- アップデートを済ませた iCal カレンダーを読み込み直すのは簡単なことに見えるかもしれないが、私の経験ではそうは行かなかった。問題は、Big Dates テーマにおいては(他のテーマでもそうかもしれない)Settings ダイアログの Calendar 表示で Reimport(再読み込み)ボタンをクリックするとイベントが読み込まれるものの、少なくともそのいくつかの文字スタイルが違ってしまうということだった。Big Dates テーマでは通常特別な日付が赤いテキストで表示されるのに、読み込んだ新しいイベントが黒のテキストで表示されていると非常に目立ってしまう。iPhoto ではあなたが入力したテキストのカラーは手で変更できるが、日付の数字のカラーを手で変更することはできない。

他のテーマではこの問題は起きないのかもしれないが、とにかく私が発見した回避法は以下のようなものだ。この方法の欠点は、テーマを変更した際に写真ページに入力されたテキストが失われる可能性がある(ただし私のテストではそうはならなかったが)ということだ。以下の手順を踏めばよい:

  1. Themes ボタンをクリックして、何か別のテーマに切り替える。
  2. Settings ボタンをクリックし、Calendar 表示の中で必要な iCal カレンダーを選択して Reimport をクリックする。これで、最新のイベントがちゃんと読み込まれる。
  3. もう一度 Settings ボタンをクリックし、Styles 表示に切り替え、Restore Defaults をクリックし、OK をクリックする。これで、すべてのカスタムフォーマッティングがクリアされる。(と言うより、iPhoto があなたが施したと思い込んでいるカスタム設定が消える。再読み込みの際に文字スタイルが間違っているのはこれが原因だと私は思う。)
  4. もう一度 Themes ボタンをクリックして、あなたが使うテーマに戻す。
  5. すべてのページを目で見てチェックし、すべてのイベントが入っているか、すべての文字が正しいスタイルになっているか確認する。私がこれをした時、説明のテキストが付いた写真の一つで何故かそのテキストがカレンダーの見出しになってしまっていた。私はそんな風には設定しなかったのに! それからまたある時には、11 月と 12 月のすべてのイベントが依然として間違ったスタイルのままになっていたことがあった。この時は、もう一度すべての手順をやり直してみると問題が修正された。

以上だ! もしもあなたが、私と同じように、さらに違ったイベントを入れたもう一つ別のカレンダーを作りたくなった場合は(私の場合は自分の実家用に別のバージョンをクリスマスプレゼントとして作りたかった)もう一度あなたの新しいカレンダーを複製し、別の iCal カレンダーを選んで、もし必要ならばイベントを読み込み直す手順をもう一度踏めばよい。


Amazon、1999年当時のように宅配

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

最近私の家族の 75% が悪質なウィルスにやられてしまった:体裁よく言えば嘔吐に始まって熱が出るやつで最初に幼児の Ben、次に乳児の Rex、その後に私自身がやられた。私の妻の Lynn は最初は何でもなかったので - 結局は私が回復した後に熱を出してしまったが - 多くの病人の面倒を見なければならない羽目となった。

戸棚の中は既にちょっと寂しい状態になっていたので、彼女はどうやったら食料品をもう少し家に持ち込めるか苦悩していた、Ben は (今は良くなっている) 既に託児所に戻ってはいたが - 彼女は赤ん坊を公衆の場に連れ出し他の人に接するのを嫌がっており、そして私は私自身で彼を面倒見られるだけ病状が良い状況ではなかった。私の朦朧とした状態にもかかわらず、私は今 Seattle でテスト中の新しい Amazon.com サービスを使えば食料品を宅配して貰えることを思い出すことが出来た:Amazon Fresh.である。(幸いにして Lynn は私が、幻覚にとらわれドットコム時代に引き戻されたのではとは思わなかったようである。)

この話を聞いての皆さんの最初の反応は、私のと同じ様に、"へえ、何年も前にどうしようもなく失敗したアイディアを又持ち出してきて、更にお金をそこにつぎ込もうと言うのか。" (HomeGrocer, Webvan, そしてその他の食料品宅配サービスを扱った TidBITS の "Groceries in Our Midst" を参照) しかしながら、これは Webvan や他が失敗した市場ではあるが、Amazon は彼らとは違った独自の地位に位置しており成功の可能性はあるのではないかと私は思う。Amazon は既に毎日数百万のアイテムを出荷しているのである。

(日本語)足を運ばずお買い物 | 進化するインターネット商店での買い物 | Webvan 社が HomeGrocer.com 社を買収 | Priceline.com が食料雑貨類の入札を終了

UPS, USPS や他の配送業者を使う代わりに、Amazon は出荷の一部分を自営としそこに食料品を混ぜることが出来るではないかと考えるのは何も変なことではない。食料品店というのは極めて少ないマージンしか得られないので、1 から 2% ということだってある、そこそこの利益を上げるにはかなりの量をさばかなければならない。

もし Amazon が現在売っている高マージンの商品の中に付け足し、自営の配送事業を使って配送代を節約し (こうすればアイテム当り数ドルを配送業者に払う代わりに自社の配送部門に振り替えることが出来る)、そして通常の配達ルートに食料品とそのちっぽけなマージンを加えてやることが出来れば、勝ちモデルが成立する可能性はある。

それと忘れてはいけないのは、現在でも多くの食料品宅配サービスは存在しており、多くは大手のチェーン店によって運営されているのだが、一般的にはどんな大きさでも配送費用が課せられる。このアイディアはより広がったが、Webvan の派手な破綻の後は興味は薄れていった。あまり高級でないスーパーチェインの一つである Albertson's は、いくつかの都市で宅配のためのオンライン注文を受け付けている。

Amazon は、その巨大な製品倉庫業と Kozmo (これはとてもおかしなお菓子と小物の配達サービスで私のお気に入りであった; 皮肉なことに Kozmo は一部 Amazon によって資金供給されていた) の最も優れた特長のいくつかと食料品宅配を組み合わせることが出来る筈である。例えば、DVD をオーダーしておいてそれを後でブロッコリーと一緒に配達して貰うというのである。これはアイディアとしては何も新しいことではないが、それを実際にやってかつ儲けを出すためには、それ相当の規模とインフラを必要とする。

この Amazon Fresh の試験段階では、同社は三つの宅配オプションを提供している:午前 6 時以前か午後 7 時から 10 時の間の玄関先配達;午前 7 時から午後 10 時までの間の 1 時間単位での時間指定の受け取り配達;そして少数の限られた場所でのピックアップサービス、これらの場所は現在 Google の様な企業内にありそこの従業員のみが使える。

この玄関先配達サービスは、$9.95 の配達手数料が設定されているが最低 $25 の買い物をすればそれが免除される;受け取り配達の場合は、配達無料にするには $50 かそれ以上が必要である;ピックアップサービスは常に無料である。受け取り配達或いは夜明け前の玄関先配達を受けるためには前日の真夜中までに注文を入れる必要がある;夕食後の配達には同日のお昼まで;そしてピックアップの場合は、最低 4 時間前で良い。

我々は、午後に注文をし翌日の午前 8 から 9 時の間の配達を指定した。実際の配達は午前 8:10 に新しいかっこいいトラックでやって来た。彼は袋を中まで運びましょうかと申し出てくれたが、Lynn も赤ん坊も眠っていたし、それにウィルスの毒気もあることなので、玄関先において行くように言った。

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値段は、Whole Foods と同程度で、世間では "Whole Paycheck (給料袋丸ごと)" と言われているレベルである。Whole Foods は我々が日常買う食料品としては一番高い値付けとなっていることが多い;我々が実際に買う時には Trader Joe's, QFC (Kroger の一部門), そして PCC、地元の食料品生協を回ってみて一番安いものを見つけることが多い。と言うことで Amazon の値段がもっと安くならない限りは、いざという時だけ使うということになるであろう。

現時点で、Amazon が本当に自社のトラックでの配達に切り替えるのか、或いはこれは単に小規模の実験だけに終わって本格的な展開には至らないのか、私には予言することは出来ない。私から今言えることは、家中が病人だらけになった時、過去のもののように見えるけれども将来への期待も持てる、そんな所にたまたま住んでいることが出来て大変幸運であったということである。


TidBITS Talk/07-Dec-08 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Word 2004 のクラッシュバグをつぶす -- 最新の Microsoft Office アップデートを適用した後も、いくつかのアプリケーション自体が実際にはアップデートされないまま残ることがあるので、各 Office コンポーネントのバージョンを自分で確かめておく必要がある。(メッセージ数 5)

Disk Utility Erase からの復旧 -- Disk Utility を使って間違って消去してしまったドライブを復旧させるには、どんなツールが有効か? (メッセージ数 5)

QuickTime 7.3.1、RTSP 脆弱性を修正 -- QuickTime の最新バージョンをダウンロードしようとして、ある読者は Apple が賢くなろうとし過ぎていることに気付いた。Windows ブラウザを使って、Mac 版をダウンロードすることができないのだ。(メッセージ数 4)

オープンソースで Text Expander、Typeit4me、Typinator に代わるもの -- 一日を通じて何台ものコンピュータで仕事をしている人にとって、これらのパワフルな自動補完プログラムにオープンソース版があったら素晴らしいのではないか? (メッセージ数 3)

Apple との和解により Think Secret が閉鎖 TT -- ある読者の憶測では、両者の間の訴訟を終わらせる目的で Apple が Think Secret を買収したのかもしれないという。(メッセージ数 1)

Mac に繋げて働くデジタル録音装置 -- いくつかの USB ボイスレコーダーはあるが、デジタルオーディオを手軽に Mac に転送できるものはどれか? (メッセージ数 9)

起きなさい、キーボードちゃん -- 最近のアップデートを施すことで、それとは別の Mac OS X コンポーネントがおかしくなってしまった人たちがいる。(メッセージ数 2)

新米ユーザー向けの手引書 -- このホリデーに新しい Mac を手に入れたのはあなた、それともあなたの知っている誰か? そんな人たちのために助けになる良い本を、読者たちがいろいろと推薦する。(メッセージ数 6)

図書館への寄付 -- 図書館に寄贈されたお金はどこへ行くのか?(必ずしも Mac に関係した話題ではないが、本に関心のある読者には興味があるだろう!)(メッセージ数 5)

Office Vx の Powerpoint が Leopard でクラッシュ -- PowerPoint の Leopard 下でのトラブルは、ひょっとして壊れたフォントが原因ではないか? (メッセージ数 3)

[発表] Entourage Help Blog: Entourage と Time Machine -- Entourage がすべてのデータを一つの巨大なデータベースファイルに保存するやり方について、その利点と欠点を読者たちが議論する。(メッセージ数 25)

アクセス権の修復 -- Mac OS X 10.5 の下でアクセス権のトラブルを抱えている人たちがいる。その修正のためのいくつかの方法が寄せられる。(メッセージ数 6)

Office Mac テスト版を Jan 14 までに買えばアップグレードできる? -- Microsoft Office for Mac 2008 のリリースが来週に迫ったが、アップグレードのためのベストの方法を読者たちが議論する。(メッセージ数 8)

Twitter 回帰者の転向 -- Glenn はもっと生産的なものか何かの方が良いと思ったのだろうか、Twitterific で Twitter フィードをチェックするのを止めてしまった。この転向に賛同する読者たちもいれば、Twitter にはまだまだ価値があると考える読者たちもいる。(メッセージ数 4)

(Automator でお助けを -- ある読者が新バージョンの Automator でトラブルに逢ったが、実はこれは以前からあるよく知られたバグだった。(メッセージ数 2)


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