TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#980/01-Jun-09

一週間お休みを頂いたので、今週号には Mac 関係や iPhone 関係のコンテンツがたっぷりと詰まっている。まず、Rich Mogull があなたのために、5カ月も前から存在している Java の脆弱性からどうすれば自分自身を守れるかを説明する。それから Jeff Carlson が、今週出たばかりの iTunes 8.2 が来たるべき WWDC で iPhone 3.0 Software がリリースされることを意味するのではないかと論ずる。Matt Neuburg は ClickToFlash が Safari をスピードアップさせる様を高らかに吟じ、Adam はパスワード保護の付いた Zip アーカイブを開く方法を説明するとともに、ある正攻法の Mac ソフトウェアバンドルのニュースを伝える。最後に、Glenn がより高速のセルラーデータ接続性を目指した AT&T のロードマップを検証する。TidBITS を休刊とした先週、私たちは電子ブックの作成にも忙しく取り組んでいた。まだご覧になっていない方々のために紹介すると、Adam の新刊“iPhoto '09: Visual QuickStart Guide”と、Joe Kissell による二冊、“Take Control of Maintaining Your Mac, Second Edition”と“Take Control of Troubleshooting Your Mac”のバージョン 1.1 アップデートだ。前号以降に出たソフトウェアリリースで注目すべきものを挙げれば、iWork '09 9.0.2、MacBook Pro SMC Firmware Update 1.3、MacSpeech Dictate 1.5.1、HoudahSpot 2.5、Cover Stream 2.6、Little Snitch 2.1.3、BusySync 2.2、Checkup 2.2、TextExpander 2.6.2、Adium 1.3.4、それに Dialectic 1.4.1 がある。

記事:

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Mac OS X の Java 脆弱性から自分の身を守る

  文: Rich Mogull <[email protected]>
  訳: 羽鳥公士郎 <http://www.ousaan.com/mail/>

Mac のすばらしいところの1つは、Apple が Mac OS X に無料のオープンソースツールを豊富に含めていることだ。これには、オペレーティングシステムの主要部分( Mac OS X の Unix コアの大部分)から、数多くの追加アプリケーションやコンポーネントまでがある。Windows ファイル共有、印刷、そしてSafari でさえ、他のプラットフォームでも使用されているオープンソースツールに基づいている。これにははかりしれない利点がある一方、セキュリティの面では不利となる可能性がある。オープンソースコンポーネントでも、他のすべてのソフトウェアと同様、セキュリティ上の脆弱性が問題になることが時折あるが、そのコンポーネントを Apple が管理しているわけではないので、Apple は必ずしも速やかにコードを修正できるとは限らないし、そもそもApple がコードを修正できるとも限らない。

この食い違いによって、脆弱性が他のプラットフォームでは修正されているのに Apple は修正を提供していないという事態になると、Mac (そしてiPhone )にとって重大なセキュリティ上の問題となることがある。残念なことに、Apple はこれまで、脆弱性を修正せずに何か月も放っておくということが何度かあったが、5 か月前から存在している Java 脆弱性もその1つだ。

研究者の Landon Fuller が伝えるところでは、Mac OS X には Java 脆弱性があり、ログインしているユーザーのアカウントを使って攻撃者が任意のコードを実行できるという。これは、完全な管理者権限を与えることよりはましかもしれないが、それでもシステムに対しありとあらゆるよこしまな活動を行うための大幅な自由度を攻撃者に与えてしまう。

攻撃者は、技術的には、あなたをだまして Java で書かれた悪意のあるプログラムをダウンロードさせ実行させることができるが、それよりずっと簡単なのは、あなたをだまして悪意のあるウェブサイトを訪れさせ、ブラウザが「悪い」Java アプレットを自動的に実行したときにあなたのシステムを乗っ取るということだ。攻撃者は、信頼されているウェブサイトにさえこのようなアプレットを忍び込ませる方法をすでに開発しているから、よく知られた安全なサイトだけしか訪れないというだけでは身を守るのに十分でない。Landon のサイトには攻撃のデモンストレーションもあり、攻撃者がどのようにしてあなたのシステムを乗っ取るのかが明確に分かる。

自分の身を守る最善の方法は、ウェブブラウザで Java を無効にすることだ。ウェブサイトによっては利用できなくなるものもあるだろうが、Apple が修正を提供するまでは、これが身を守る唯一の方法だ。

Safari で Java を無効にするには、Preferences を開き、Open safe files after downloading を無効にする。次に、Security タブをクリックし、Enable Java のチェックをはずす。

Safari-java-disabled

Firefox で Java を無効にするには、Preferences を選択し、Content タブをクリックする。そして、Safari と同様、Enable Java のチェックをはずす。

Firefox-java-disabled

Apple が早くこれを修正するよう願う。他のプラットフォームではすでに修正されているセキュリティ上の欠陥に Mac ユーザーをさらし続けるのは、やめてほしいものだ。


iTunes 8.2 出荷、WWDC での iPhone 3.0 登場を示唆?

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が iTunes 8.2 をリリースした。「iPhone 3.0 Software Update を施した iPhone や iPod touch をサポートする」アップデートだ。この極端に簡潔なリリースノートには、iTunes 8.2 が数多くのアクセシビリティに関する改善(詳細は書かれていない)やバグ修正を含むとも書かれている。さらに、"itms:" URL に関する一つのセキュリティ脆弱性にも対処が施されたという。このアップデートはソフトウェア・アップデートから、または 77.3 MB の独立ダウンロードとしても入手できる。

今回のアップデートで興味深いのはそのタイミングだ。Apple の Worldwide Developer Conference (WWDC) の、ちょうど一週間前に当たる。そこでの目玉は iPhone 3.0 ソフトウェアで、開発者たちは二ヵ月前からベータ版で作業を続けてきた。はたして、Apple はこのイベントに合わせて iPhone 3.0 ソフトウェアの最終版をリリースするつもりなのだろうか? 以前、iPhone 2.0 ソフトウェアが iPhone 3G の発売と同日にリリースされたとき(それはまた Apple が .Mac を MobileMe に切り替えた日でもあった)Apple のサーバは膨大なアクティベーションのロードの下でボロボロになったものだった。(2008-07-13 の記事“iPhone 3G: シアトルでの行列にて”参照。)だから、ソフトウェアとハードウェアのリリース日をずらしたいと考えるだろうことは理解できる。たとえそのことが、初代の iPhone や iPhone 3G のオーナーたちが新しいオペレーティングシステムをインストールできる一方で、そのオペレーティングシステムを走らせるべき新しいハードウェアユニットはまだ登場していない、という事態を引き起こすのだとしても。

私が感じたのは、もっとありそうな可能性として、Apple が iPhone 3.0 互換性をリリースしたのは iPhone 3.0 ソフトウェアがリリースされる前にあらかじめ開発者たちが iTunes と新しいソフトウェアのライブでの相互作用を実地にテストできるようにするためだろうということだ。市場シェアも大きくなり、何万人もの開発者たちがいて、競合相手も増えた(例えば Palm Pre が WWDC の2日前に出荷される予定だ)ことを考えれば、Apple としても去年 MobileMe リリースの際に経験したと同じタイプの大失敗だけは繰り返したくないと思うだろう。(2008-07-30 の記事“Apple、MobileMe メールの復旧が完了と発表”参照。)

今日はもう一つ、QuickTime 7.6.2 もリリースされた。こちらは iTunes 8.2 のサポートを提供するとともに、悪意を持って作成されたメディアタイプを観ることに関係した数多くのセキュリティ脆弱性を修正している。これもソフトウェア・アップデートから、または独立のダウンロードとして Mac OS X 10.5 Leopard 用 (57 MB)、Mac OS X 10.4 Tiger 用 (48 MB)、それに Windows 用 (20.9 MB) が入手できる。


Mac メンテナンスとトラブルシューティングについて新しい電子ブック

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

私たちは電子ブックを二冊リリースしたばかりだ。どちらも Joe Kissellによって書かれ、あなたの Mac がうまく機能するよう手助けしてくれる。最初の本、「Take Control of Maintaining Your Mac, Second Edition」はあなたの Mac がスムーズに機能するために、どのように良いスタートを切れるかについて説明している。そして、Mac の機能を最大限活かし、嫌な問題を避けるために、誰もが簡単にできることを、週間、月間,そして年間別の作業として説明してくれる。あなたが何をするべきかを教えてくれるとともに、何をするべきでないかという情報もこの本は含んでいる。後者では、実際の便益を生まない、時間がかかるだけの作業の例も幾つか説明されている。

二番目の電子ブック、「Take Control of Troubleshooting Your Mac」はメインテナンスを超えて、日常起こりうる問題をいかに解決するかを教えてくれる。特に、問題解決のための 17 の明確な作業をどう実行するかを学ぶことができる。(これらの作業に含まれるのは、キャッシュの除去、disk-repair ユーティリティーの作動、そして RAM のチェックなどだ。)さらによくある 9 つの問題をどのように解決できるかも学べる。(これには、プリンター、マウス、そして「Mac が起動しない」といった問題を含む。)そして最後に、新奇な問題が起った場合、どのように対処していけばよいかも知ることができる。

どちらの電子ブックにおいても、Joe は Mac OS X の最新版と Mac のメインテナンスとトラブルシューティングに一役買う様々なユーティリティーの最新版にあわせ、アップデートを施してある。

どちらの電子ブックも一冊 10 ドルで別々に買うことができる。あるいは上記のリンクをクリックして「Special Discount」オプションを見つけていただきたい。これはこれら二冊の電子ブックを一緒に買うと、2 割引になるというものだ。

「Take Control of Maintaining Your Mac」の第一版を持っている読者は5割引でアップグレードできる。(この本を 2009 年に購入した読者にはアップグレードは無料となる。)また、「Take Control of Troubleshooting Your Mac」を持っている読者にはアップグレードは無料だ。私たちはアップデートについてありとあらゆるメールを送ったのだが、もしこの件についてのメールが届いていないのなら、PDF を開き、アプデートの詳細を得られるよう、表紙(1 ページ目)にあるCheck for Updates をクリックしていただきたい。


新刊の電子ブックで iPhoto のすべてを解説

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

年に一回程度、Apple は iPhoto の新バージョンをリリースする。そこで私は Peachpit Press から私の“iPhoto Visual QuickStart Guide”を出版するために、調査や執筆の仕事を限られた時間の中に詰め込むことになる。(どうやって時間のやりくりができているのか私にはよく分からないが、心安らぐひと時を作ってくれる Tonya と Tristan のお陰であることは間違いない。)それでも仕事は完成し、Peachpit は 240 ページの“iPhoto '09: Visual QuickStart Guide”を印刷して書店に配送し終えた。それから私はこれを本物の電子ブックへと変換した。目次や索引にはすべてホットリンクが付き、内部でのページ参照もホットリンク、すべてのページにブックマークがあり、ライブのウェブリンクも完備している。また、ページのサイズを(従ってフォントサイズも)以前より大きくしたので、今どきのディスプレイのスクリーン上でも楽に読めるようになった。

だから、もしもあなたが iPhoto '09 についての完璧な解説書をお探しなら、「人々」や「撮影地」、あるいは Facebook、Flickr、MobileMe などを使ってのオンライン共有、テーマ別スライドショー、進化した写真編集、その他の新機能についても知りたいなら、これらすべてを網羅した電子ブックがたった $15 であなたの手に入る。フルカラー印刷版の本の方がお好みなら、それも Amazon から購入できる。上記リンクのページにある Buy Print Book ボタンをクリックして頂きたい。

従来の版と同様、“iPhoto '09: Visual QuickStart Guide”も、スクリーンショットの付いたステップ・バイ・ステップの説明を使って iPhoto の機能のすべてを図解する。それぞれの章で、次のような内容を扱っている:

もしもあなたが従来の版を電子ブックの形で Take Control のカートから購入したことがおありなら、今回の電子ブックへ 20% 引き価格でアップグレードできる。お持ちの電子ブックの PDF を開いて、最初のページにある Check for Updates をクリックして頂きたい。


パスワード保護されたアーカイブを展開

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

最近私の叔母はスペイン語の勉強法の本を買ったのだが、それにはダウンロード可能なオーディオファイルが多数付属していた。ところが、これらのファイルはいくつかの Zip アーカイブに圧縮されていて、しかもそれらのアーカイブはその本自体に記された簡単なパスワードを使っていたのだった。彼女はパスワードはわかっていたが、彼女が Safari を使ってこれらのファイルをダウンロードすると、Mac OS X の Archive Utility が動き出して、Zip アーカイブを展開しようと試みたかと思うと、すぐに全く意味不明のエラーダイアログを吐き出した。

Archive-Utility-error-dialog

このエラーダイアログにびっくりして、叔母はどうしたらいいかと私に相談してきた。長年 Mac を使ってきている私のような人にとって、答は明らかだった。Smith Micro の無料の製品 StuffIt Expander を使ってファイルを展開すればいいのだ。StuffIt Expander は、パスワード保護の付いたアーカイブも問題なく展開できるからだ。でも、彼女の視点に立って考え直してみると、これがどれだけ恐ろしい問題なのかが理解できた。ことに、今回のダウンロードを提供していたウェブページが、どんなユーティリティを使うべきかといったような助言を一切示していなかったのだから。

私の叔母の必要を充たしてくれるプログラムが他にもないだろうかという好奇心が湧いたので、ちょっと調べてみた。すると The Unarchiverというものもあることがわかった。こちらも無料のプログラムで、Mac OS X 内蔵の Archive Utility よりもずっと多くのフォーマットを展開できると称している。パスワード保護の付いた Zip アーカイブでテストしてみたところ、これも見事に仕事を果たしてくれた。

きっと他にも方法はあるに違いないと思う。でも、同じ単純な仕事をするために、いったいいくつの無料ユーティリティが必要だというのだろうか? 願わくは、Snow Leopard ではもっと有能な Archive Utility が装備されて、より多くのフォーマットとパスワード保護付きのアーカイブを処理できるようになり、今回のようなちょっとした困惑が二度と起こらないようになってくれればと思う。


ClickToFlash は Safari 体験をすっきりとスマートにする

  文: Matt Neuburg <[email protected]>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

どうしてもっと早く、これを誰かが私に教えてくれなかったのだろうか。ClickToFlash は 無料の WebKit プラグインで、一つのことを非常にうまくやってくれる。Safari のウェブページに Flash コンテンツがロードしないようブロックしてくれるのだ。これによって、Safari はウェブページをさらに速くレンダリングするようになる。

他のウェブブラウザには既にこれと似た様なことをする手があるのだ。( Camino では、「Flash アニメーションを防止する」と「広告の表示を防止する」にチェックすることができる。そしてもちろん、Firefox の膨大なプラグインの宝庫はそれ自体が一界を形成している。)しかし、Safari においてこれほどうまく働くものを私が見たのはこれが初めてだ。ClickToFlash は、OmniWeb のように、Webkit を使用する他のブラウザでもよく機能する。ここで留意していただきたいことは、ClickToFlash は単に、Flash コンテンツの表示(レンダリング)を抑制するだけではないということだ。そのロードをすべて抑制するのだ。これを理由に、ウェブページが速くレンダリングされる。つまり、インターネットからダウンロードするマテリアルが実際に少ないというわけだ。

ClickToFlash の本当に手際の良いところは Flash を無差別に、あるいは永続的にブロックしないというところだ。Flash コンテンツ の代わりに、「Flash」と書かれ、灰色のグラデーションのかかった小奇麗な長方形が現れる。その長方形をコントロールクリックすると(あるいは、上方の左角にあるギアアイコンをクリックすると)コンテクストメニュ−があらわれ、クリックしたその部分の Flash コンテンツ、あるいはそのページ全部の Flash コンテンツをロードできるようにしてある。または、そのウェブサイトの Flash コンテンツが常にロードするよう、ソース URL をホワイトリストに加えることもできる。環境設定のダイアログさえあって、さらに詳細な設定が可能となっている。

もともと、ClickToFlash は匿名で書かれ、 Google Code. で管理維持されていた。Google Code からは削除されてしまったのだが、コードはオープンソースだった。そして、ClickToFlash は TidBITS の特別寄稿者である、Jonathan "Wolf" Rentzsch によって受け継がれた。コードは今もオープンソースのままで、Rentzsch が GitHub でそれをホストしている。GitHub はオープンなマルチノードバージョンコントロールシステムだ。だから、誰でもコードを分岐することができ、一つのブランチに、他のブランチには無い変更を与えることができる。つまり、ClickToFlash の様々なバージョンが出回っているのだ。しかし、Rentzsch がある種の権威(そしてある種のマスターコピー)を保っていて、定期的に他者から寄与された改良を組み込んでいる。

ClickToFlash をインストールするには、Rentzsch の GitHub ページに行き、「Download ClickToFlash 1.4.2 here」(あるいは、その時点での ClickToFlash の最新版)というところまでスクロールダウンし、その文字をクリックする。(このように私が書くのも、あなたはたぶんソースコードのコピーではなく、インストーラーが欲しいだろうという理由からだ。もちろん、ソースコードが欲しければ、それをダウンロードすることもできる。)ダウンロードされた .zip ファイルをダブルクリックして開く。その後に現れた.pkg ファイルをダブルクリックして、インストーラを走らせる。そうすると、あなたの ~/Library/Internet Plug-Ins フォルダーのなかに .webplugin バンドルが現れる。ClickToFlash をアンインストールするためには、単に、そのバンドルを除去するだけでよい。

ClickToFlash は haxie ではない。なぜなら、.webplugin メカニズムは完璧に標準であるからだ。(トップレベルの /Library/Internet Plug-Ins フォルダーをのぞくと、たくさんの .webplugin があるのが見えるだろう。)しかしこれは少々ややこしいのだ。と言うのも、ClickToFlash は Flash コンテンツを前もって探知し、そのロードを妨げなくてはならないだけでなく、要求に応じて Flash コンテンツを動作可能にもしなくてはならない。このために、(ここでは私は Peter Nosey の説明を再生しているにすぎないのだが)ClickToFlash はそれ自体が「application/x-shockwave-flash」MIME タイプのハンドラーだと宣言し、その種の埋め込みオブジェクトをブロックする。しかし、ユーザがコンテンツを見ようとする時は、ClickToFlash はそのオブジェクトが今度は「application/futuresplash」MIME タイプに属すると宣言されるよう、ウェブページを変える。そして、そのコンテンツがロードすると、それは Adobe Flash Player プラグインによってハンドリングされ、レンダリングされる。ここでのトリックは、Flash Player がそれ自体、両方の MIME タイプのハンドラーだと宣言しているが、すべての Flash コンテンツが「application/x-shockwave-flash」と宣言されているので、「application/futuresplash」は、ClickToFlash 以外によっては、実際上使用されていないことだ。この状態が続くかぎり、ClickToFlash は機能し続ける。(ウェブページの幾つかには、個別な解決を要する珍しい難問を引き起こすものもあるかもしれないが。)

とにかく、インターネット上にはごたごたと多くのものがあり、デッサンのような静止したコンテンツでさえも、実際は Flash であったりする。そして、これらすべての Flash コンテンツが、私のウェブ閲覧にかなり深刻なたるみを起こしてきた。しかし、もうそんなことはない。私のブラウザは、ClickToFlash のおかげですっきりして機敏なのだ。

現在のところ、ClickToFlash は Mac OS X 10.5 Leopard を要するが、10.4 Tiger との互換性もまもなく加えられるのではないかと私は思う。


TheMacBundles.com、バンドル販売に新しいアプローチを提供

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ここ数年来、Mac のソフトウェアをバンドルにして信じられないほど安い価格で提供するグループがいくつか目立つようになってきた。中でも有名どころは MacHeist と MacUpdate だろう。けれども、こうしたバンドルが Mac ユーザーたちの間で人気を得てきたのは確かだが、他方の開発者コミュニティーの中ではこれがいろいろと論議を呼んできた。こうした懸念に対処したいという気持ちから、シェアウェア開発者の Steve Becker が、長年の電子商取引サイト Kagi と協力して、新たな選択肢としてのサイト TheMacBundles.com を開いた。

MacHeist や MacUpdate が販売したバンドルは、Mac ユーザーたちには間違いなく人気の的だった。これはユーザーたちにとって素晴らしいアプリケーションを二つまとめて割引価格で入手する方法であり、その二つ以外にもまだまだ他のプログラムがボーナスとして付いてくるかもしれないというわけだ。(こうしたバンドルでは、有名なアプリケーションがいくつか含まれ、名前だけは聞いたことがあるという程度のソフトウェアがたくさんと、さらにあと数個のまったく無名のアプリケーションも入っているというのが通例だ。)マイナス面を言えば、ユーザーが受け取るライセンスで必ずしも常に割引価格でのアップグレードが可能とは限らない。バンドルで売れても開発者の側には大したお金が入らないので、将来のアップグレードについては正規料金を課す方が理屈に合っているからだ。(バンドル販売期間が終わってからそれほど経たないうちにアップグレードが出るというのはよくあることだ。)

Macintosh 開発者コミュニティーの中では、当初バンドル販売は物議を醸した。最初の MacHeist バンドルで、参加した開発者には一回きりの定額料金が支払われただけだったという話が伝わったからだ。その後 MacHeist や MacUpdate のバンドルでは少額ながら歩合が開発者に支払われるようになったので、販売数あたりの手取りは依然として非常に少なかったものの、開発者たちもこの方式により販売の成功の割り前を一応受け取ることができた。それでも、いくら歩合があったとは言え、少なくとも一部の開発者は自分の受取る金額に上限を設けることに同意しなければならず、現実的に儲けの大部分は仲介業者の手に入るのだった。

それ以外にも批判を受けた点はいろいろあった。例えば、バンドルの販売実績が一定数に達した後でなければ主要なアプリケーションの「ロックが外される」ことがないという慣行はいかがわしいものに思えた。(つまり、初期に買った人たちは言われた通りのものがバンドルにすべて入っていると思っていた期待を裏切られるわけだ。)また、販売手法でトラブルが起こったこともあった。(例えば MacHeist は、広告のメッセージを Twitter に投稿するようユーザーに働きかけた。)それから、既に価値の下がったソフトウェアをバンドルに組み込むことによって価格が大きく割り引かれたように見せるという傾向も全般的に目立った。

こうした批判はあっても、参加することに興味を示す開発者は多かった。なぜなら、バンドルに入ればそれは新たな顧客層に大きく名前を売ることができることを意味し、同時にいくらかの収入も得られ、また、そうした人々に対して将来アップデートや新製品を売り込む道も開けるからだ。

TheMacBundles.com で、Steve Becker は従来のバンドル販売をめぐるさまざまの懸念に対していくつもの方法で対処を施そうとしている。その中で重要なものをいくつか挙げてみよう:

依然として TheMacBundles.com にも当てはまる批判は一つだけだ。それは、これほど安価なバンドル販売をすることによって Macintosh ソフトウェア全般の価値を下げてしまうのではないかということだ。ひいてはそれが開発者たちの収益を減らし、彼らがこのプラットフォームを見限る動機に繋がるかもしれない。けれども私はそのような懸念には同意し難い。この種のバンドル販売は数もごく少なく、Mac のソフトウェアはあまりにも数が多い。だから、あるアプリケーションを購入しようと思っている人が、それが将来バンドルに入るかもしれないと考えて買い控えをするだろうとも思えない。それよりも、私は Apple の App Store のような市場による影響の方が気になる。比較的似たようなアプリが互いに顔突き合わせて競争した結果、価格がかつてないレベルにまで低下してしまった。人気の iPhone アプリを 10 個もバンドルにしても、一つの Mac プログラムの価格にさえ比較にならないほど安いではないか。

Steve Becker としては TheMacBundles.com を他のバンドル販売とは一線を画したものとしたいわけだが、現実には両者がただ単に Macintosh 顧客の懐の中身を呼び込むために争っているだけのことだ。バンドルされたソフトウェアが大きく異なっているからだ。

例えば、現在 MacUpdate から出ている MacUpdate Promo Spring Bundle には、$49.99 で 11 のアプリケーションが含まれている。主立ったものは Circus Ponies NoteBook、TechTool Pro、それに Parallels Desktop だ。もしもあなたがそうしたアプリケーションを欲しいのならは、素晴らしいことだ。でも、だからと言って、あなたが TheMacBundles.com のバンドルで、GraphicConverter、DragThing、Default Folder X、Spell Catcher X などを買っていけない理由は何もない。


AT&T 、モバイルデータの洪水に備える

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

2009 年 5 月 27 日、AT&T は、 多岐にわたるワイヤレスネットワークアップグレードを発表した。これらはすべて、それら 3G ネットワークのパフォーマンスを向上させるためにデザインされたものであり、その一方では、二年以内にも登場すると見られている将来の 4G (第4世代) データサービスのための基礎固めをするという意味も持つ。その後押しとなったのが iPhone 3G と、近々予定されているこの機種のアップデートであることは間違いない。

どの報告を見ても、iPhone ユーザーたちが他のスマートフォンユーザーたちに比べてはるかに大量の帯域幅を消費していることがわかる。これはおそらく、当初から iPhone がネットワークを集中的に使用する機能をより多く持っており、しかもそれらが競合する各機種に比べてよりよく働いてきたからだろう。(例えば Safari ブラウザを RIM の BlackBerry ブラウザと比べてみればよい。)ある報告によれば、2007 年中ごろの iPhone 登場の直後にサンフランシスコ地域の 2G EDGE トラフィックが急激に増えたということだ。

いわゆるテザリング、つまりスマートフォンをブロードバンドモデムとして用いてラップトップ機にインターネット接続を提供することがいよいよ iPhone 3.0 ソフトウェアの一部として(旧型と新型両方の機器で)利用できるようになれば、利用度が大幅に増加するのに応じますます大きな容量が必要となるとも言えるだろう。

米国内においては、iPhone 3G は AT&T の HSPA (High Speed Packet Access) ネットワークを利用している。これは生データのレートで最大 3.6 Mbps、実効的なレートで電話機やラップトップ機へ最高 1.7 Mbps をサポートしている。米国内に iPhone 3G ユーザーが何百万人もいるので、これまでも場所により、あるいは時によって、AT&T のネットワークがストレスの限界に達することも起こっていた。

それに加えて、今年の後半には 7.2 Mbps 版の HSPA を展開するという AT&T の計画もある。(これには新しい電話機やラップトップ用カードが必要になる。)ここにも、この会社がそのデータネットワークをどうすればもっと改良し続けられるかを具体化する必要に迫られている理由が見えてくるだろう。

今回の発表には、膨大な技術的詳細情報がその内容として含まれている。企業の広報活動としては珍しいことだ。でも、この膨大な情報の中から、いくつかの重要な変更点を抽出することができる。

セルラーネットワークの拡張 -- セルラーネットワークというものは、その言葉通り _セル_、つまり互いにオーバーラップするベースステーションから成るハニカム(蜂の巣)構造として敷設されている。個々のセルにはある種のバックホール(逆送)が組み込まれて音声やネットワークデータ断片を中央のネットワークに送り返しており、またラジオ機器も備わっていてこれがライセンスを受けたさまざまの周波数で稼動している。

AT&T の計画は、大量のトラフィックによりこれらのセルを圧倒するあらゆる要素に取り組もうとしている。

これらの変更点は、3G の受信領域、受信感度、可用性をいずれも劇的に向上させるはずだ。いずれも、これまで AT&T のネットワークに対して非難の声が挙がっていた点だ。けれども裏を返して言えば、同社の最近の決算報告の示す通り、この会社は業界の中でも顧客離れ率(新規顧客数と顧客喪失数との比率)が最悪だ。ネットワークは既に改善されつつあるが、改善は今後もさらに続けられなくてはならない。

Wi-Fi がネットワークのギャップを補い、バンド幅がアップ -- AT&T はまた Wi-Fi にも精通している。Wall Street Journal の主催した All Things D カンファレンスの席上、 同社の CEO Randall Stephenson はかなり強調した口振りで、真のブロードバンドへの顧客の期待に応えるものとして将来登場する 4G ネットワークがまだ実現されていない今、Wi-Fi こそがその顧客の期待に向けた橋渡しをするものとなると述べた。

AT&T にとっての Wi-Fi の利点は、一般に欠点と考えられているものを既知の利点に組み合わせて考えれば明らかとなる。一般に Wi-Fi は非常に狭い領域で稼動する。数万平方フィート(数十メートル四方程度)の規模だ。それに対し、セルのベースステーションはその十倍規模の面積をカバーすることができる。けれども現行の HSPA 速度は生で 3.6 Mbps、実効速度で 1.7 Mbps 程度に限定されており、その一方で 802.11g Wi-Fi (スマートフォンで使われるもの) は生レートで 54 Mbps、実効でおよそ 20 Mbps をたたき出すことができる。(セルラーキャリヤ各社は _マイクロセル_ あるいは _ピコセル_ と呼ばれる比較的近距離のベースステーションを使って死角やビルの内部などをカバーしているが、あくまでもメインのネットワークは広領域をカバーするセルにより構築される。)

昨年、AT&T は Wayport を買収した。AT&T はこの会社を受託契約者として、AT&T 登録の Wi-Fi ホットスポットを運営している。Wayport は McDonald's との間で独自の契約を結んでおり、McDonald's は米国内に一万カ所近くの店舗を展開している。2008 年の 2 月に AT&T は Starbucks とも契約を結んでいるが、こちらは全国におよそ 7,000 店舗を持っている。

全部合わせれば、AT&T は現在米国内のネットワークで 20,000 カ所のホットスポットを有しているという。それらすべてが、AT&T DSL またはファイバー契約の購読者にはラップトップあるいはその他の機器を通じて無料で開放されており、また 3G LaptopConnect モバイルブロードバンド購読者も利用できる。そして、iPhone と、一部の BlackBerry (Wi-Fi 付きの機種) のサービスプランにもこれらのホットスポットが含まれている。

AT&T の現在のシステムでは、スマートフォンからホットスポットにアクセスを得るためにはゲートウェイページを使わなければならない。そこであなたの電話番号を入力し、(無料の) SMS メッセージが届くのを待ち、それからリンクをフォローするという手順だ。同社は将来にはもっとシームレスなローミングを可能にすると約束しているが、これは間もなく登場する iPhone 3.0 ソフトウェアに統合されているのかもしれない。(現時点では、私のお薦めは Devicescape から $1 で出ている iPhone 用ソフトウェア、Easy Wi-Fi for AT&T だ。これはホットスポットへのログイン作業を自動化してクリック一つでできるようにしてくれる。)

一つだけ注意しておくと、AT&T は既存の購読者に対してホットスポットへのアクセスを無料で提供することで、バンド幅使用の一部をそちらのネットワークに移すことによる費用の節約を図っているものの、ネットワーク以外の購読者に対しても (月額 $20)、またその日限りの客に対しても (日額 $4) ホットスポットアクセスを販売している。さらに、AT&T は T-Mobile のようなローミングパートナーとも協力して、個々のセッションに何らかの料金協定を組み込むようにもしている。(月額 $20 のプランの場合、米国内で 20,000 カ所、国外で 50,000 カ所のホットスポットが含まれる。)

今回のプレスリリースには非常に興味深い添え書きがあって、そこには AT&T が Wi-Fi に真剣に取り組んでいると書かれている。その理由は「3G ネットワークの使用度の高い地域において拡張された Wi-Fi ゾーンを永続的または一時的に作成して、いくつかのホテルをグループ化したり何かのフェスティバルのような場合に使ったりという利用ができるから」だという。

このこともまた、Wi-Fi を投入することによる利点の一つの実証となる。決まった場所にいるユーザーにとっては、全国どこでも使えるかどうかは重要なことではない。自分のいるその場所だけが重要だ。Wi-Fi は近距離向けのものなので、AT&T は都心の数ブロック、あるいは大きな公園などをカバーするために 50 個の Wi-Fi アクセスポイントを1ポイントあたり 20 Mbps で設置することもできる。それならば、ネットワークとしては合計 1 Gbps にも達する。

それとは対称的に、セルのベースステーションは一基でその領域全体をカバーするし、また使えるのはほんの数 Mbps だけだ。(セルのキャリヤが持ち運び可能なセルベースステーションを送り出している例もある。例えば、COLT (cellular on light trucks) や COW (cellular on wheels) などだ。)

次期 iPhone の予兆 -- さて、あまり未来を占おうとしたり噂話を追いかけたりし過ぎるのはやめておこう。AT&T の発表をよく読めば、次期 iPhone 3G に実現される可能性の高い発展の内容が見えてくる。

次期モデルはおそらく WWDC で発表され、その後間もなくリリースされるのではないかと思われるが、ほぼ間違いなく 7.2 Mbps の HSPA チップを搭載するだろう。このテクノロジーは既に広く利用されており、Apple がこれを盛り込まずに新しい iPhone を出すとは考えにくいし、今回の AT&T によるアップグレード計画があればなおさらだ。

iPhone は 802.11n チップも内蔵して登場するかもしれない。ただし Mac に見られるような本格的無線機ではなく、_単一ストリーム N_ と呼ばれる簡略版のものだろう。通信速度は 50 から 100 パーセントも向上し、デュアルバンド (2.4 および 5 GHz) もサポートされる。これで iPhone の 802.11n ネットワークでのパフォーマンスが向上し、AT&T がそのホットスポットネットワークを 802.11n にアップグレードしようとする動きともうまく連動するだろう。(技術的詳細については私が Wi-Fi Networking News に書いた記事“Does the iPhone Need 802.11n?”を参照。)

もしも iPhone 内蔵のカメラが改良されてビデオ録画も可能となれば(噂によればそうなるらしいが)それはすなわちより多くのデータが転送されるようになることを意味する。ならば、Wi-Fi と 3G 双方の通信速度を引き上げ、同時に 3G ネットワークの容量も増やすというのは、まさにぴったり時宜にかなったことと言えるだろう。

少なくともこれだけは確かだ。AT&T は、従来よりもはるかに堅牢で容量も豊かなネットワークのために、その基盤を据えた。同社のスマートフォン契約条項には毎月の 3G 利用に対する使用量の上限が定められていない。それはすなわち文字通りの「青天井」、限界はその容量のみということだ。


TidBITS 監視リスト: 注目のソフトウェアアップデート、01-Jun-09

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple からの iWork '09 9.0.2 は、メンテナンスアップデートで "iWork ドキュメントを保存する時の、そしてプレゼンテーションを Keynote セッション当たり二回以上行う時の信頼性を向上している。" (新規 $79、無料アップデート、42.75 MB)

Apple からの MacBook Pro SMC ファームウェア・アップデート 1.3 は、"高い負荷状況で走っている" 時の 15-inch と 17-inch MacBook Pro ラップトップのファンの動作を調整すべく意図されている。Apple はどの MacBook Pro モデルが影響を受けるのかは特定していず、更にその "Intel ベースの Mac の EFI および SMC ファームウェアアップデート" Web ページには Software Update は自動的に表示されないかもしれないとも言っている。もし MacBook Pro をお持ちなら、インストーラをダウンロードして走らせてみれば、あなたのマシンは影響があるのかどうかが分かる。(無料、833 KB)

MacSpeech からの MacSpeech Dictate 1.5.1 は、この最近アップグレードされた音声認識ユーティリティに対するマイナーメンテナンスアップデートである。クラッシュの原因となるバグが幾つか修正されており、それらの中にはハイフンのある単語の編集時に起こるもの、フォーカスが最後に TextEdit にあった時にプロファイルを作成すると起こるもの、UK に特化したプロファイルを作成すると起こるもの、そして Excel ファイルを含むある種のドキュメントに変更を加えることで起こるものが含まれる。更に顧客側の混乱を減らすため、古いライセンスは今や License ダイアログテキストの中でもそれと分かるように記述される。(新規 $199、無料アップデート)

Houdah Software からの HoudahSpot 2.5 は、Spotlight に対するフロントエンドの代替手段を提供するファイル検索ツールの大幅アップデートである。このバージョンでは、新たに BlitzSearch 機能からも使える "全文" 検索基準、検索結果を Grid View で碁盤目のアイコンとして、或いは CoverFlow ビューで CoverFlow を使って見る機能、そして Leopard の Quick Look を使って音声ファイルを聞く能力が加えられている。更に、二つのバグが修正されている:開かれたことのないファイルが見つからないもの、そしてドラッグ&ドロップで行われた基準の変更が時として無視されてしまうものの二つ。(新規 $25、無料アップデート、3 MB)

Snarb.tk からの Cover Stream 2.6 は Mac OS X 用の iTunes コントローラの最新版である。このアップデートでは、ポップアップコントールパネル、改善されたポッドキャストサポート、トラブルシューティング問題の報告のための Feedback Reporter、強化された起動ユーティリティ、Jukebox モード時のシャッフル能力、そして幾つかのマイナーなバグ修正が追加されている。(14.95 euros, 無料アップデート、2.4 MB)

Objective Development からの Little Snitch 2.1.3 は、このネットワークデータのセキュリティツールに対するアップデートである。変更点には、新たに加えられたネットワークユーザーアカウントに対するサポートと Back Up Rules に対する強化された機能が含まれる。またバグも幾つか修正されていて、その中にはネットワークユーザーアカウントにログインする時にシステムフリーズするもの、mDNSResponder 接続警告が殺到するもの、そしてこのアプリケーションのインストーラーでクラッシュ問題を引き起こすものが含まれる。($29.95、無料アップデート、2.3 MB)

BusyMac からの BusySync 2.2 は、この iCal 同期ソフトウェアに対するメンテナンスアップデートである。変更点には、より高速になった iCal との同期、来るべき BusyCal との適合性、そして幾つかの内容は明らかにされていない Google 同期バグの修正が含まれる。($25、無料アップデート、2.6 MB)

App4mac からの CheckUp 2.2 は、この多目的メンテナンスユーティリティに対するメンテナンスアップデートである。変更点には、最も最近にリリースされた Mac に対して追加されたサポート、ネットワークとプロセッサに対する追加されたオッシロスコープグラフ、そして FireWire, USB, Wi-Fi, Ethernet, そして Bluetooth に関する情報が含まれる。更に、この最新版は Windows 7 及び Mac OS X 10.6 Snow Leopard の現在のベータとの適合性に対してもテストされており、かつ幾つかの内容は明かされていないバグ修正がなされている。(19 euros、無料アップデート、17.8 MB)

SmileOnMyMac からの TextExpander 2.6.2 は、このタイピングショートカットユーティリティに対するメンテナンスアップデートである。変更点には、強化されたメニューの性能、Mac OS X 10.5 での削減されたメモリ使用、改善された書式付テキストのインポート、追加された Internet Productivity スニペット、そして Digg ツールバーリンクを作成、そしてクリップボードにコピーされた URL の正当性を確認するためのショートカット経由の能力が含まれる。(新規 $29.95、無料アップデート、3.6 MB)

Adium 1.3.4 は、マルチプロトコルをサポートするオープンソースのインスタントメッセージングクライアントの最新版である。変更点には、更新された libpurple (幾つかのメッセージングクライアントに対するコア)、そして更新された Facebook チャットプラグインが含まれ、後者では Facebook がサーバーに接続する時に余りに多くの帯域を使いすぎるという問題を修正している。Adium チームはまた Adium 1.4 ベータも発表しており、種々の改良の中で IRC と Twitter に対するサポートも加えている。Adium 1.4 ベータは Mac OS X 10.5 かそれ以降のユーザーのみが利用できる。(無料、21.2 MB)

JNSoftware からの Dialectic 1.4.1 は、この電話ダイヤルユーティリティに対するマイナーメンテナンスアップデートである。変更点には、着信検知の停止と再開に対するに対する新しい AppleScript コマンド、コンマポーズを使った時ユーザーの iPhone に正しくないダイヤル列が送られてしまう原因となっていたバグの修正、そして複数のウィンドウが正しく並ぶのを阻害しているバグの修正が含まれる。($25、無料アップデート、6.2 MB)


ExtraBITS、01-Jun-09 版

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

Hulu、あなたの近くのデスクトップで近日上映 -- Macworld のレポートによると NBC と FOX がスポンサーになっている大手ストリーミングメディアサイト、Hulu が Mac と Windows 用に新しいデスクトップクライアントをリリースした。このソフトウェアは Apple Remote と互換性があり、今のところ、そのデザインと機能において好意的なレビューを受けている。ブラウザを必要としないので、Hulu Desktop は家庭用娯楽システムへと容易に統合されることができ、従来のケーブルテレビに代わる魅力的なものを提供する。(リンク投稿 2009-06-01)

Macalope、ComputerWorld のセキュリティー記事をずたずたに斬る -- TidBITS のセキュリティー専門編集者でもある Rich Mogull は、本職として日中は Securosis サイトを運営している。ここでは、Macalope というペンネームで書かれた記事がホストされており、その記事の中で、ComputerWorld に最近掲載された Mac のセキュリティーについての挑発的な記事を分析解剖している。これはおもしろいので、読んでいただきたい。(リンク投稿 2009-05-28)

JJeff Carlson が Apple の天才的商法を Your Mac Life で論ずる --何が Apple を鬼才的な企業とするのであろうか。ソフトウェアか、ハードウェアか、それともマーケティングであろうか。Jeff Carlson が Your Mac Life でShawn King と Pick Your Topic コーナーに出演。(リンク投稿 2009-05-27)

Apple は White MacBook の技術仕様を改良する -- 低価格なノートパソコンも販売し続けるという意志を貫き、Apple は、999 ドルの白いポリカーボネート製 MacBook の技術仕様を、大きな宣伝なしに静かに再改良した。今回加えられた改良の中には2.13 GHz の Intel Core 2 Duo プロセッサ(2.0 GHz からの改良)、2 GB 800 MHz DDR2 SDRAM(2 GB 667 MHz DDR2 SDRAM からの改良)、そして 160 GB のハードドライブ (120 GB からの改良)が含まれる。(リンク投稿 2009-05-27)

Apple の新学期セールでは iPod が無料で付いてくる -- 2009 年 5 月 27 日から 2009 年 9 月 8 日までの期間中、学生割引でどの Mac を購入しても 最高額 229ドルまでのリベートが付いてくる。これは、8 GB の iPod touch の値段に等しい。学生割引を受けられる顧客が、iPod touch の代わりに iPod nano、classic、あるいは shuffle を希望するのなら、それらの機器の値段に値するリベートがもらえる。(リンク投稿 2009-05-27)

Mac クローンメーカー、Psystar が破産保護を申請 -- Mac OS ベースのコンピューターを販売してきた会社、Psystar が経済不況と部品のコスト高を理由に破産保護を申請した。Apple がこの粘り強い会社に対して起こした、著作権侵害の訴訟は、破産手続きの間は休止となる。(リンク投稿 2009-05-26)

New Yoker の表紙、iPhone で描かれる -- 芸術家 Jorge Colombo が雑誌 New Yoker の今週号の表紙を iPhone とペイントアプリ、Brushes だけを使ってデザインした。Brushes によって描かれた線を取り込んで再現するアプリ、Brushes Viewer のおかげで表紙の画像が描かれる様子を段階的に見ることができる。(リンク投稿 2009-05-26)

Adam、GPS の精度に関する問題を Your Mac Life で語る -- Shawn King は GPS の精度に起こりうる問題についての TidBITS の報道に大変関心を持っていたので、Adam は Shawn のラジオ番組 Your Mac Life に出演し、この問題がいかにして始まり、どのようにして解決されるかを語った。Adam の出演の終わりのあたりで、会話はプライバシー問題について少し移行した。というのも GPS 人工衛星によって所在を追跡されるのではないかと誤解している人たちがいるからだ。(リンク投稿 2009-05-21)

Palm Pre、2009 年 6 月 6 日に 299 ドルで発売される -- Apple の iPhone の唯一、強敵ライバルになりうる Palm Pre が 299 ドルで 2009 年 6 月 6 日に発売される。(Palm と Sprint の宣伝では、価格は 「199ドルより始まる」としているが、この価格には 100 ドルのメールインリベートが含まれている。顧客は電話機を得るために 299 ドルを支払い、二年間のサービスプランにサインしなくてはならない。そして、このプランには、無制限のデータオプションが含まれていなくてはならない。) Pre の発売時において、唯一の市場となるのは米国であるが、Sprint がそこでの独占キャリアーなのだ。iPhone の時のように、Pre の発売日には人々が行列を作るのだろうか。WWDC 開始 2 日前に発売ということもあり、すべての注目は Palm と Apple に注がれるだろう。(リンク投稿 2009-05-19)

フィッシング詐欺にご用心 -- MobileMe の契約更新に扮したフィッシング詐欺について TUAW が報告をしている。この詐欺は、ユーザのアカウントのクレジットカードの情報が間違っているので契約更新前に、この情報をアップデートするよう要求したメールでしかけられる。ここでの教訓とは?金融および個人的な情報を要求するメールの中のリンクやボタンは決してクリックしてはならない。(リンク投稿 2009-05-19)

WolframAlpha の実情 -- 新しい計算検索エンジン WolframAlpha のことは聞いているが、それがいったい何のことであるかよくわからない? Macworld で Peter Cohen が検索世界の最新事情に関する内部情報を公開している。(リンク投稿 2009-05-18)


TidBITS Talk/01-Jun-09 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iChat 上の AIM で問題が起こっている人は? -- iChat で問題が起こるのは最新の Mac OS X アップデートが原因なのか? それとも、これは AIM の問題なのか? 読者たちが、iChat と Skype でのビデオチャットの画質の比較についても論ずる。(メッセージ数 4)

フィッシング詐欺に注意! -- 届いた電子メールがフィッシング詐欺ではないかと疑われる時、Apple Mail で何をすればよいのか? (メッセージ数 3)

HTML 書類で目次を作る -- HTML をもとに目次を作成することも可能だが、朝飯前の仕事という訳には行かない。(メッセージ数 11)

古い Eudora メッセージを新しいメールシステムに -- Eudora はメッセージをプレインテキストの mailbox ファイルに保存するので、あとでその内容にアクセスするのも簡単だ。(メッセージ数 1)

2G iPod Touch と Wi-Fi -- ある iPod touch が、どの Wi-Fi ネットワークにも繋がらなくなった。これはユニット自体の故障ではないかという声もある。(メッセージ数 4)

Apple USB 外部モデム/ファクスと 10.5.7 -- Mac OS X 10.5.7 をインストールしたら、ファクスに問題が発生してしまった。ただ、問題点は以前から存在していたのかもしれない。(メッセージ数 2)

複数のハードディスクを容れる筐体 -- ある読者が、4台の内部ハードディスクを一つの外部筐体に移すための良い方法を探している。(メッセージ数 11)

USB 8 GB メモリスティックが認識されない -- 言うことを聞かない USB メモリドライブを強制的に Mac に読ませるには、どうすればよいか? (メッセージ数 4)

Apple Universal Dock に接続: これは困った! -- iPod や iPhone を接続させるために使う Apple 製ドックの最新版は、分かりにくい上に、従来のモデルにあったポートのいくつかがなくなっている。(メッセージ数 8)

ワイヤレスハブの質問 -- ワイヤレス USB ハブを使った体験談を読者たちが交換する。(メッセージ数 3)

Finder 検索の機能希望リスト -- Finder でファイルを探す方法はいくつかあるが、インターフェイスが拙いために作業が遅い。(メッセージ数 13)

MacBook はどうやって高ロードのプロセッサによる熱を処理するか -- 新機種の MacBook や MacBook Pro は、より低い温度で動くようだ。風通しの良い平らな面の上に置けば、確かに効果がある。(メッセージ数 8)

MacBook の価格 -- Microsoft による最近の広告キャンペーンに刺激されて、読者たちが MacBook と Windows ベースのラップトップ機で価格や機能を比較する。(メッセージ数 12)

USB フラッシュドライブの問題 -- USB ドライブをどのようにフォーマットしたかによって、そのパフォーマンスは大きく違ってくる。(メッセージ数 3)

Nationwide Insurance iPhone アプリ -- このソフトウェアは、自動車事故の現場で詳細情報を記録する助けになるという。これは、実際本当に役に立つのか? (メッセージ数 4)

新しい外部ハードディスクはどのように再フォーマットするか -- Mac の起動ディスクをフォーマットすることに関係した問題点を読者たちが議論する。(メッセージ数 9)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2009年 6月 8日 月曜日, S. HOSOKAWA