TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#986/13-Jul-09

こちらではすっかり夏らしくなって、いろんなことがゆったりとし始めている。そこで今週号はいくつか長めの記事を集めて、皆さんがお暇な時にゆっくりと読んで頂けるようにと考えた。Adam と Glenn は協力して、来たるべき Google の Chrome OS が Apple にとって何を意味するかを考察する。Matt Neuburg は Cocoatech の Path Finder 5 を詳細に検討した記事を寄稿し、Jeff Carlson は Wordnik で語源を探る楽しみに夢中になる。また、今週は ExtraBITS リンクをぜひともチェックして頂きたい。リリースのニュースとしては、Safari 4.0.2、Default Folder X 4.2.1、VLC 1.0、Electric Sheep 2.7 がある。

記事:

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Wordnik、言葉の探求を促す

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

豊富な情報が詰め込まれているのにもかかわらず、最近では辞書はわずかな注目しか受けない。単語のつづりや定義をチェックしたり、あるいは 語源にざっと目を通すぐらいで、それまでやっていた作業に戻るというぐあいだ。しかし、 Wordnik ウェブサイト を参照すると、 英語の探索に耽ける自分にすぐ気付くのではないか。

Wordnik は、American Heritage Dictionary of the English Language 第四版、Century DictionaryWordNet 3.0GNU 版 Collaborative International Dictionary of English から定義を提供している。同意語と反意語は Roget's II: The New Thesaurus 第三版、そして Allen's Synonyms and Antonyms から引き出されている。Webster の 1913 年完全版からの定義も時折姿を現す。

もちろん、それぞれの単語には定義だけでなくもっといろいろあるのだ。だから、Wordnik は基礎的な情報をいくつかの追加方法で補足している。その中で最も顕著なのは、Project Gutenberg. で利用可能な書籍から引用されている単語の使用例だ。文節がページの左上方のコーナーに現れ、その単語をいくつかの文脈において提供してくれる。このアプローチはすばらしいアイデアだと私は思う。なぜなら、定義だけではその単語が実際どのように使われているかわかり難い時があるからだ。

Wordnik にはまた、American Heritage からの太くて低い男声による発音の音声も含まれている。無料の Wordnik のアカウントを設定すれば、自分の発音を録音することができる(また、注釈を加えたり、関連語を提案するなどの他の作業もできる。)私は、kerfuffle (空騒ぎ)には発音が付いていないのに気付いたので、自分で一つ録音してみた。(また、Wordnik を参照して、自分がいつも余分な L を真ん中に入れて "kerfluffle" と発音していたことも知った。)

入手可能な場合は統計グラフもあり、単語が 1800 年以来、毎年どれほど頻繁に使われてきたか表示している。そして、その単語の使用がいかにまれであったかも示している。統計の計算は Wordnik 自体でされているようだが、統計のデータがどこから出ているかは不明だ。

wordnik_stats

もっと現代的なアプローチとして、Wordnik は Twitter からリアルタイムな単語の使用例を引用したり、その単語をタグの中に含む Flickr からの画像を使用したりしている。Wordnik ではまた、単語が今までに何回参照されてきたかを教えてくれる。これは、人々がどの単語を使用したり探索したりしているか示すものでなかなか気が利いている。そして、これは単に可能だからという理由にちがいないが、換え字なぞ遊びや Scrabble でのポイント数を含む単語までも中にはあるといったぐあいだ。

wordnik_twitter

Wordnik は 170 万の単語を蔵するデータベースを所有すると主張しているが、多くの単語が現れない結果となっている。(あるいは実際の単語と認識されていない。)汎用的な "word not found" エラーページを表示する代わりに、Wordnik はそのツールを駆使して、インターネット上にあるその単語の使用例を見つけ出す。正確な定義を知ることはできなくても、追加された文脈はその意味を決定する 大きな手助けとなる。このアプローチは人物にも応用でき、"jeff carlson" と入力すると、最近の Twitter での私の名前と Flickr からの写真二枚が表示される。

また、その FAQ の中で世界制覇へのプランを公言するサービスには感心するべきではないか。「英語の中に存在するすべての単語の少なくともなんらかの情報を一旦所有し、その情報をリアルタイムでアップデートすれば、世界制覇は私達の手中に入ると考える。」世界制覇へのプランを大胆に公言しているにしては妙なのだが、Wordnik 経営陣には英語以外の言語を加える明確なプランは今のところないのだ。けれども、PR 担当者によれば、「そういった選択は喜んで考える」とのことだった。

辞書編集者語彙研究者 でなくとも言葉の面白さを味わい、操り楽しむことができると Wordnik は教えてくれる。しかし、気をつけていただきたい。面白くて何時間もこのサイトに没頭してしまうかもしれないので。


Path Finder 5、完膚なきまでに Finder を叩きのめす

  文: Matt Neuburg <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Mac OS X の Finder は、さまざまな批判の格好の標的だ。だから、ここでその欠点をあげつらって皆さんを退屈させるのはやめておこう。実際、これだけ長い年月が経ったので、普段私はもうあまり気にならなくなっている。どんなに嫌な臭いでも、ずっと嗅ぎ続ければ気にならなくなるようなものだ。でも、最近ある日、私は Finder に向かっていつにない熱烈さをもって罵りを浴びせ、(あれは、フォルダの「情報を見る」で表示されたサイズが、不思議にもその内容のいくつかの「情報を見る」サイズを合わせたよりずっと小さかったからだったか、それとも、あるファイルから出したコンテクストメニューの「このアプリケーションで開く」の中に、私がそれを開きたかったアプリケーションが表示されていなかったからだったろうか)そのあげく、ついに私はタオルを投げ入れて、 Cocoatech の Path Finder をもう一度使ってみることに決めた。

結果的に、これが幸運をもたらす私の決断の一つとなった。数年前に、Path Finder 4 を私は試したことがあった。これは悪くはなかったが、いくぶん動作が当てにならないところがあったし、ひどい挙動をするところもいくつかあった。(例えば、私がインストールして欲しいと思わないものを黙ってインストールしてしまう点などだ。2006-02-20 の記事“Input Manager は悪魔の業か?”参照。)それでも、私が以前に書いたレビュー記事(2006-02-06 の“Path Finder 4 は今も道案内の達人”)は概して肯定的なものだったし、現在の私はそれよりはるかに肯定的にこれを考えるようになっている。今の私は数週間にわたって Path Finder 5.1.3 を使ってきて、Finder と Path Finder の機能の比較がどうあるにせよ、Path Finder を使うようになってからの私自身が以前に比べてどれほど滑らかで生産的に仕事ができるようになったかに気付いて内心非常に驚いている。確かに、最初に私は Path Finder 5 が Leopard のみで働くという事実をしぶしぶ受け入れなければならなかった。けれども突然(ここでは触れたくないが、あるハードウェア上の大事件が起こったために)私もまた Leopard のみで働くようになった。このプログラムは完璧な信頼性をもって動いてくれているし、新しくなった Path Finder のデザインは以前のものにもましてさらに理にかなった、しかも柔軟性のあるものになっていると私は思う。

もしもあなたが、私と同様、Mac OS X の Finder の苛立たしい欠点に、また知能と敏捷さと愛想が欠如していることに、うんざりしているのなら、あなた自身のためにぜひとも Path Finder 5 を試してみるべきだ。もちろん、Snow Leopard がきっと奇跡を起こしてくれるのでは、と息を凝らして待ち続けることもできる。(2009-06-08 の“Apple、9 月リリース予定の Snow Leopard をプレビュー”参照。)もしもあなたがそれで楽しいのなら、それも結構だろう。でも、たいていの私たちは、_今_ 仕事をやり遂げたいと思っている。それが、Cocoatech の Path Finder さえあれば、Yes, we can だ。

一つのウィンドウがすべてを支配 -- ご存じの通り、Finder では、あなたはひっきりなしに新しいウィンドウを開いている。一つには、それはあなたが新しい場所で仕事をする必要があるとともに、あとでまた元の場所に戻ってきたいとも思っているからだ。それに、フォルダ A からフォルダ B へファイルをコピーしたり移動させたりするには、両方の場所が同時に見えて、さらにドラッグを実行できるように配置されていて欲しいと思うのが普通だからだ。同様に、Finder の項目を一つ選んでその情報を見るためには、「情報」ウィンドウを別途開くことになる。ところが、Path Finder でまず第一に慣れなければならないことは、複数個のウィンドウを開くことは _可能_ であるけれども、本当はめったにその必要がないということだ。最善の使用パターンは、たった一つの、素晴らしい大きなウィンドウだ。(理想的には、それをあなたの素晴らしい大きなモニタの上に開いておくのだ。)

その理由の一つが、Path Finder ウィンドウの賢いレイアウトだ。何となく Finder ウィンドウと似たところはある。中央にファイルやフォルダのリストがあり、上の方にはツールバーがあり、左の端には Finder のサイドバーを連想させるものがある。けれども、その先が違う。このウィンドウはまるで鳥のように翼を広げることができ、片側に一つずつ、合わせて二つのドロワを備えている。それぞれのドロワには二つずつのパネルが含まれ、それぞれ追加機能を提供する。その上、ウィンドウのメイン部分は分割させることができ、そうするとさらなる追加機能を持った新しいパネルが下の部分に現われる。

pathfinder

それぞれのパネルに何を入れるかは、あなた次第だ。いつでも自由に変えることができる。Path Finder がここでその天才を発揮するのは、「モジュール」と呼ばれるものをたくさん用意したことだ。個々のモジュールは独立のウィンドウになることもできるが、そうせずにドロワあるいはメインウィンドウのパネルの中に組み入れて使うこともできる。だから、例を挙げれば、現在私はほぼデフォルトのレイアウトに近いものを使っているが、左側に Processes と Shelf のモジュールを置き、Recent Documents と Recent Folders を右側に、それから Info と Preview を下側に置いている。でも、それぞれのパネルのヘッダ部分はポップアップメニューになっていて、すべてのモジュールをリストしているので、例えば Recent Folders パネルのヘッダから Attributes を選べば、たちまちそのパネルが Recent Folders でなく Attributes モジュールを表示するようになる。また、パネルに特定のフォルダの内容を表示させるようにもできる。

こうして、配置はすべて完璧に柔軟なものとなる。すべてのパネルを同時に表示させておく必要もないし、一度も表示させないパネルがあってもかまわない。ひょっとして、あなたは一つのドロワとその二つのパネルだけで満足かもしれない。ならば、もう片方のドロワや下側のパネルは常時隠したままにしておけばよい。そうしておいても損をすることはほとんど何もない。見えている個々のパネルがどのモジュールあるいはフォルダを表示するかは非常に簡単に切り替えられるからだ。(もし本当に必要ならば、一つのモジュールを一時的に別のウィンドウで開くことも可能なことを思い出して頂きたい。)Path Finder ウィンドウのレイアウトの仕方はユーザーの一人一人で違っているし、多くのユーザーたちが自分のスクリーンショットを Cocoatech フォーラムに投稿することに奇妙な楽しみを見出しているようだ。

ジャンプとドラッグ -- 一方、ウィンドウのメインの部分であるファイルやフォルダのリストは、当然ながらアイコン、リスト、カラムのいずれでも表示できる。もしも Smart Sorting がオンになっていれば、それらはアプリケーション、パッケージ、フォルダ、ファイルというグループに分かれ、それぞれの中で項目がアルファベット順に並ぶ。さらに、不可視ファイルも表示できる。リスト表示では、Finder が夢にも思い付かなかったようなカラム、Extension や Permissions といったものまで提供される。(さらにどの表示もそうした情報に基づいた並べ替えができる。)その上、さまざまの表示はそれぞれに素晴らしいオプションの数々を提供する。例えば、エイリアスはイタリック体で表示(懐かしいと思わないか?)できるし、不可視ファイルを表示している場合にはそれを薄く表示することもできる。中でも私が気に入っているのは、カラム表示でいつも最後のカラムが「ターゲット」とはなっていない点だ。例えば、Edit > Select All を選ぶと、あなたが今実際に作業をしているカラムですべての項目が選択される。これに対して Finder では、Select All がどのカラムを選択するかは、どうにも頭にくることに、最初にファイルで始めたかフォルダで始めたかによって異なるのだ。

驚くほど素晴らしいナビゲーションツールが揃っていて、ディスクやフォルダの階層を動き回れるようになっている。上の方には、カスタマイズ可能なフォルダ名ツールバーがあって、それぞれの名前からはフォルダやファイルの階層メニューが呼び出される。さらに、Path Navigator バーがあなたの現在の位置を示すとともに、階層を上に昇ったり _下に戻って降りたり_ も簡単にできる。左側にはサイドバーがあって、これは Finder のサイドバーと同じようにカスタマイズ可能だが、Finder との違いは複数個のサイドバーを設定できてそれらを切り替えて使える点だ。(Shelf モジュールも同様だ。)

Back と Forward のボタンは Safari のものと同様の動作をし、場所のリストもポップダウンするので手軽に行きつ戻りつできる。また、これも Safari と同様に、フォルダをタブとして表わすことができるので、あなたがいくつかの特定のフォルダを頻繁に飛び回るような場合、それらをメインウィンドウの上のところにすべてタブとして開いておくことができる。そしてとどめを刺すのが、メインウィンドウが左右に分割できて、二つの異なったフォルダの内容を同時にリストできることだ。

インターフェイスの _どこででも_ フォルダの名前が見えていさえすれば、その上に Finder 項目をドラッグしてくれば移動またはコピーができる。それはタブであっても、Path Navigator 上の項目であっても、Recent Folder リストの中にあっても、どこでもかまわない。名前またはアイコンがあなたの目に見えていれば、それはドラッグのターゲットなのだ。こうして、ファイルをある場所から別の場所へと移動させることが、見事な手軽さで、しかもあらかじめ第二のウィンドウを開いたりする必要も一切なしにできるようになっているのだけれど、まるでそれではまだまだご不満でしょうと言わんばかりに、さらに驚嘆すべき Drop Stack まで付いている。ここには、あなたが移動させたいものをドロップして置いておき、そうして集まったものたちをあとでターゲットのフォルダが見えているときにドラッグして運び出せるようにしておける。

見分ける方法、知る方法 -- Path Finder は、Finder が明かさないようなことも教え示してくれる。私はいわゆるパワーユーザーのタイプなので、そのようなことも他のアプリケーション、例えば Terminal などに切り替えれば分かるのだが、Path Finder があれば、そんなことをする必要もない。

例えば、.cue ファイルはサウンドファイルに付属するテキストファイルで、トラックの説明を含んでいる。私の持っている .cue ファイルは Cog などのサウンドファイルプレイヤーで開くように設定されているので、Finder の Preview も Quick Look 表示も、そのようなファイルはただのアイコンとしてしか示せない。ところが Path Finder の Preview モジュールは、問題なくテキストを表示してくれる。(テキストでないファイルも Hex モジュールを使えばやはりその内容を見ることができ、時にはこれが役に立つ。)

ファイルに関して分かる情報で、Finder の Get Info では示されないものもたくさんある。Path Finder の Info モジュールは4文字で示されるファイルのタイプとクリエータコードも表示するし、驚くべき Spotlight Metadata モジュールではファイルの作成日と変更日が _秒まで含めて_ 分かる(私の場合この情報が必要なことがよくある)し、ファイルの Uniform Type Identifier (UTI) や(アプリケーションについては)Bundle Identifier も分かる。その上、所有権とアクセス権についても、Terminal が表示するのと同じ、正しい方法で示される。

もしもあなたが Terminal に切り替えたいと思えば、Path Finder の内部でもそれをすることができる。Path Finder の Terminal モジュールは、あなたが現在見ているディレクトリをまず作業ディレクトリとして開く。でも、ただ Subversion (svn) を使いたいからというだけの理由で Terminal に切り替える必要はない。Path Finder には Subversion モジュールもあるからだ。だから、ボタンを一つクリックするだけで、ファイルを提出したり、作業コピーをアップデートしたりもできる。

また、Path Finder は内蔵の「レポート」を数多く提供し、それらをテキスト書類に組み上げる(自身に内蔵のテキストエディタに表示する)こともできる。Selected Items レポートは、現在選択されているものが何であっても、それに対する Info と Spotlight Metadata を流し出す。これで、ディレクトリのリストがとれる。でも、Path Finder はあなたが欲しいのがファイル名なのか、Unix パス名なのか、それとも file URL なのか、判断できない。ではどうするか? それら3つすべてを出してくるのだ! 現在動作しているプロセスのリストを出して、それらに関するたくさんの情報を知ることもできるし、またさまざまのシステムクリップボードの内容を知ることも、その他たくさんのことができる。ビーチボールの出ているアプリケーションをサンプリングしたり、クラスのダンプをとったりといった、本物の開発者向け関数まである。

Finder にはものを見つけることができない、というのは昔から言われているジョークだ。Path Finder は、_三種類_ の検索方法を提供する。最もシンプルかつ最も卓越した方法が、フィルタリングだ。検索フィールドに何かタイプすれば、現在のフォルダのファイルリストが、あなたがタイプした文字列をファイル名に(あるいは拡張子や種類に)含むものだけのリストに置き換わる。これは、本当に素晴らしい。多くの場合、これこそが私が望むタイプの見つけ方だからだ。その他の方法としては、EasyFind(2007-10-11 の記事“EasyFind 4.0: 簡単だ、検索だ、無料だ”参照)に似た手動の検索と、Spotlight を使った検索(ただしこのインターフェイスは貧弱で、私はお薦めしない。私は自分自身の書いた NotLight か、あるいはシステム内蔵の Spotlight インターフェイスの方が好きだ)がある。

万能ナイフ、Swiss Army ナイフ -- Path Finder はまた、Finder ベースの雑多な機能、例えば CD を焼いたり、iDisk やその他のサーバに接続したり、あるいはスクリーンショットを撮ったりといったような機能も提供する。当然ながら、多くの場合 Finder よりもうまく仕事をこなす。例えば、ファイルの圧縮がいろいろなフォーマットでできる。StuffIt 圧縮も可能だ。こうした機能の中には、実装にかなりの技の必要なものもあった。Path Finder 開発者の Steve Gehrman は最近ある対談で、Connect to Server リストに SMB 共有を加えようとして相当苦労する羽目になったと語っている。けれどもその結果は、ユーザーが本気で望めば Finder を全く使わずに済ませることもできるようにしたいという秘密の野望を Path Finder が仮に持っていたとしても、それが既に立派に達成されている、という事実だった。

Path Finder はその他にもクールなことをあまりにもたくさんしてくれて、とてもここにすべては書き切れないが、私が気に入っていることをいくつか紹介しておこう。ダイアログを使って、ファイルを改名したり、ファイルを選択したり、選択されたファイルの拡張子を変更したり、といったことができる。シンボリックリンク(状況によってはこの方がエイリアスよりもうまく働く)を作れる。Open With メニューリストは、そのファイルのタイプを宣言しているアプリケーションだけでなく現在動作中のすべてのアプリケーション(これは素晴らしい!)や Applications フォルダにあるすべてのアプリケーションも含む。選択された項目のパス名を、多数の異なったフォーマットのうち好きなものを選んでそのフォーマットのパス名としてクリップボードに入れられる。これはものすごく時間の節約になる。選択したファイルを(希望すればまず圧縮してから)電子メールで送信できる。ディスクイメージを作成したり編集したりできる。それから(ここは注意が必要!)アプリケーションを root として起動できる。そうそう、あの驚くべき iTunes Browser モジュールについてはここでは説明しないでおこう。あれは、実際に目の当たりにしなければ到底信じていただけないだろうから。

調子が悪いか? 説明書!(What's Not Up? Docs!) -- Path Finder には、たくさんの機能がある。私はそのすべてに触れることはできなかった。それは、一つには Path Finder が本当に _多数_ の機能を持っているからだが、もう一つの理由は、正直言って、私がまだすべてを _知らない_ からだ。そして、_そのこと_ の理由は(どうか、私が自分のイライラをぶつけて怒鳴るのを許して欲しい)Path Finder には _クソ説明書ってやつが何にもない_ からだ! ああ、もちろん、Help メニューから Path Finder Help を選べば、何かしら出てはくるのだが、こいつが全然何の役にも立たない代物だ。宣伝文句だらけのプレスリリースのページと、それから今回のバージョンと前回のバージョンの違いを自慢げに語る以外にはほとんど何も書いてないページが二つほどあるだけだ。

このオンラインヘルプがどれほど意味のない、空っぽな文章であるかの実例を紹介しよう。「Path Finder 3 では、Shelf を導入しました。これは Path Finder ウィンドウのサイドバーで、とても便利な場所に置かれたパネルを使って、ディレクトリやアプリケーション、あるいはファイルなどに高速でアクセスできるようにするものです。この Shelf は Finder の Places 機能と似た働きをしますが、そこにひとひねりが加わっています。Path Finder 5 では、この概念をさらに大きく拡張した Zone が登場しました。」ここで目立つのは「便利な」「高速で」「大きく拡張」といった宣伝文句ばかりだ。でも、その「ひとひねり」がどんなものなのか、「Zone」というのがいったい何のことなのか、一切説明はない。

オンラインヘルプとは何か、あなたに思い出して頂きたい。(「あなた」とは、そう、Cocoatech のことだ)オンラインヘルプは、その製品の宣伝をすべきではない。いずれにしてもそれは無意味だ。なぜなら、私は既にその製品を使っているからだ。オンラインヘルプは、_どうやって_ そのプログラムを使うのか、_何を_ そのプログラムはしてくれるのか、ということを語るべきだ。そういうわけで、Path Finder についてこの記事に書いたことの大半は、私が実験と当て推量によって推察したことだけに基づいている。もちろん、私のまだ発見していないこともたくさんしてくれるに違いないとは思うが、説明書がなければ、そういったことは _全く_ 気付かずに終わってしまうかもしれない。

結論 -- Path Finder は驚くべきプログラムだ。一人のプログラマーによる粘り強さと献身の、明らかなる証拠だ。もちろん、重箱の隅をつつくように、こんなところを改善して欲しいと言い立てることは簡単だ。どうしてすべての時刻が秒まで表示されるのか、全体的に相対日付を使用しないようにすることはできないのか、最近使ったアプリケーションにそれぞれの最近開いた書類を付随させることはできないのか (LaunchBar はこれができる。2007-08-06 の記事“LaunchBar 中毒を治療する”参照)、前回使ったフォルダに戻った時に前回通りの選択状態をどうして再現してくれないのか、と。でも、そういったことはすべて単なるあら探しに過ぎない。Path Finder がどれほど役に立つかを考えれば、それが単に Finder を改善してくれるだけでなく、他の多数のサードパーティユーティリティの機能まで盛り込んで、すべてを使いやすい一つの場所に集めてくれていることを考えれば、$39.95 (Path Finder 4 からのアップグレードの場合は $19.95) という価格は完璧に公明正大だ。30 日間有効で完全機能の試用版がダウンロードできるので、どうぞご自分の目で確かめて頂きたい。Path Finder は Mac OS X 10.5 Leopard かそれ以降を必要とし、また Snow Leopard でも動作すると言われている。


Google Chrome OS、2010 年にネットブックへ搭載

  文: Adam C. Engst <[email protected]>, Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

1994 年にまた戻ったのだろうか?Google による Google Chrome OS の発表は、中期的記憶力を持つ我々に 90 年代半ばの Netscape 対 Microsoft の伝説的な戦いを思い起こさせ、将来 Google と Apple は競い合っていくのかという疑問を投げかける。Google Chrome OS は必要最低限の機能だけを装備したオープンソースオペレーティングシステムで安価なネットブックに最適とされている。Chrome OS は、2010 年の後半に入手可能となるらしいが、それがなぜ今発表されているかというと、Google はパートナーたちとの話し合いを始めるところで、まもなくオープンソースコミュニティーと協力しようとしているからだ。

Netscape と Microsoft -- 広く使用されたウェブブラウザ(Netscape Navigator)とそのブラウザを中心に急速に発展し始めた生態系を作り出した Netscape の成功に応えて、Microsoft は 1995 にインターネット用アプリケーションと事業へ参入し始めた。当時、Netscape が十分大型化し洗練され、ブラウザを完全なオペレーティングシステムに拡張し、新興の Windows 95 と 既に地位を確立した Macintosh System 7.5. 両者に挑戦していくのは可能に見えた。(1996 年のエイプリルフール号で、Netscape Navigator のブラウザウィンドウ内で、完全な Unix 実行を提供する Netscape プラグインを開発中のスウェーデン人学生達についてのジョークを TidBITS で書いた。(日本語訳はありませんが、原文 "WebCommando Moves In" (1996-04-01) を参照して下さい。) 我々のエイプリルフール号の多くの記事のように、これも、Java で書かれた x86 エミュレータである JPC という形で、今では実現されている。)

Netscape がプリントドライバとブラウザにブートして入っていく手段を加えることさえできれば、シン OS によって多くの人々のニーズが満たされると当時の専門家の多くが言ったものだ。私たちがしばしば主張してきたように(そして実際、調査のいくつかが明らかにするように)大抵の人たちは主に、電子メール、ウェブ閲覧、そしてビデオストリーミングのためにコンピュータを使用している。

今にして思えば、いくつかの問題が存在していたのだ。Netscape は収入など全くない状態で会計上には大きな損失があった。同社は Microsoft の力に対抗する努力を維持することができず(具体的には、その努力は多くの訴訟、控訴そして和解に注がれた)結局は歴史の脚注に名前が小さく載るだけの結末となった。

さらに重要なのは、1990 年代後半では、シン OS を走らせるネットブックのような機器が当時の低性能なコンピュターとさえ競争しようにも地域通信網やインターネット基盤が十分完備されていなかった。ダイヤルアップ接続は十分な帯域幅を提供しておらず、ウェブアプリケーションはのろくてぎこちないもの、Wi-Fi はまだ存在しておらず、その上、人々はウェブブラウザを介してアプリケーションを走らせることなどまだ未経験だった。

今日の Google に早送り -- Netscape はもう存在しないが、世界は変わった。高速インターネットアクセスは米国で一般化し、他国ではさらに大衆化している。屋内 Wi-Fi、Wi-Fi ホットスポット、そして 3G セルラーデータサービスは至る所にあるわけではないが、広い地域で利用可能となっており、接続ケーブルはもう一切必要ではなくなった。そして、膨大な数の人々にとってウェブアプリケーションは日常的な体験となっている。しかし、一番の変化は Google の急速な台頭だ。

Netscape とは違い、Google は経済的にあるいは市場において不利な立場におかれていない。Google には莫大な収入があり、多大な純利益もある。同社は有料検索サービス市場において、圧倒的優位に立ってきたが、メールホスティング、ウェブアプリケーション、そして多数の事業へかなり参入してきた。この先ずっとGoogle に対して友好的であるとは限らない企業のブラウザへの依存をなくすために、Google は自らのウェブブラウザ、Chrome を開発するにさえ至った。助かったことに、Google のウェブアプリケーションはオープンスタンダードを基にしており、Chrome を全く必要としない。これは昔、ウェブベースのアプリケーションのために Internet Explorer のプロプリエタリー標準である ActiveX を強いた Microsoft の努力とは全く正反対だ。

Google にはまた、今日の現代的 Linux プラットフォームという利点がある。このプラットフォームは強健なカーネルに加えて、無料のソフトウェア、オープンソースソフトウェア、そして様々にライセンスされている他のソフトウェアを組み合わせたものだ。また、Google はすでに、Gmail、Google Docs、そして Google Calendar など、様々なウェブアプリケーションを携帯用とデスクトップ用に調整したバージョンも持っている。(Google がそのオペレーティングシステムをすべて自分で作り上げているといった報道は誇張されたものだ。というのも、同社はそれを組み立てる基礎となる巨大な土台をすでに持っているからだ。)

要はこうなのだ。多くの人々が、従来のデスクトップソフトウェアの代わりに Google のウェブアプリにアクセスしようと、ネットブックを既に使用している。それなりのブラウザとしっかりしたネットワーク接続があるネットブックは、ネイティブのプログラムより速くウェブアプリを走らせることができる。Chrome、Safari 4、Internet Explorer 8 そして Firefox 3.5 はすべて、JavaScript がウェブアプリの障害となりやすいので、 JavaScript の性能を改善するために多大な努力を注いできた。

では Microsoft は? 2008年にネットブックの販売は 1千万台を超えた。しかしこれらのネットブックが走らせているのは何か? 殆どが Windows である。ネットブックの爆発に於ける Microsoft の役割は Windows XP を引き続き売る事であった。その最新 (そしてほぼ間違いなく最終) 版である Service Pack 3 をもってすれば、Windows XP はかなり良く働くが、セキュリティの悪夢は残ったままである。

(ネットブックの成功からすれば、Windows 7 も何らかの形のネットブック版を持つと思われるが、値段とかネットブック版を走らせられる最大のスクリーンサイズ - そう、Microsoft はそれ程細かいことに拘る - とかいう問題は未だ答えが出ていない。)

Linux を搭載したネットブックも売られているが、Windows XP と同じ様な使い易さを Linux で提供している会社はない、ただしこれは、Windows XP をセキュアにそして機能的に保つためにかかる面倒を除けば、ということなのだが。Windows に関するあなたの意見が何であれ、これは完全なデスクトップオペレーティングシステムであり、そして殆どの Linux のグラフィカルインターフェースは万人向きではない。

ここが Google が空きがあると見ている所である。Windows XP を走らせる $300 のネットブックでも、それを安全に保つために、抗ウィルス、ファイヤウォール、アンチスパイウェア、そしてその他のソフトウェアが必要である。これらバックグラウンドソフトウェア全てがそれでなくとも能力の低いネットブックを遅くし、そして一般的にこれら全てを最新に保つための年間購読の費用を必要とする。

Chrome OS もってすれば、Google はネットブック上で Windows XP に対抗できる Linux ベースの代替案を提供できる。そして、ウィルスや他のマルウェアとの問題を除くために、オペレーティングシステムを支えるセキュリティアーキテクチャーを十分頑丈にすることに焦点をおける。そして疑いなく、成功の要因の多くはユーザー体験の大部分は Web を通してなされることから来るのであろう - インターフェースは基本的に Web ブラウザとなる。Google は、この過程で、Google は他のオペレーティングシステムからの教訓と Android におけるOpen Handset Alliance での自らの経験を取り入れて行くであろう。Android はGoogle 自らが立ち上げに貢献したモバイル OS である。

Google は、Android は Chrome OS の影響は受けないと語っている。Android は、小さなスクリーン、色々な種類の入力方法、究極的な電池仕様、そしてこれらネットブックよりも更に低電力のプロセッサを持つ機器に合う様に作られている。ある時点で Android と Chrome OS は統合されて一つのプラットフォームとなる可能性はあるが、モバイル用とは切り離してネットブック用のオペレーティングシステムを開発する利点は理解できる。

もし Chrome OS が成功すれば、その先はより大きなスクリーンのラップトップやデスクトップへと向かうのであろう。結局のところ、最も一般的なコンピュータ操作 - Web ブラウジング、メール、ワードプロセシング、スプレッドシート、簡単なデータベース、写真の管理、ストリーミングビデオ - は、今日では Web アプリケーションの中で済ませることが可能である。

これら全ての皮肉な側面とは? Netscape は JavaScript を発明し、そして Microsoft は JavaScript XML コールを発明した。そして後者は AJAX と Dynamic HTML の連携を可能とし、その結果 Web ページが真の双方向性を持てる様になった。殆ど偶然に、この二つの企業が Google の Web アップスを可能にしたのである。オペレーティングシステムへの一歩は未だ小さなものであるが、Google が達成するのを手助けしたことを Microsoft が将来悔やむことになるのかもしれない。

Google 対 Apple -- Google と Microsoft についてはもう充分であろう - では Chrome OS が Apple に与える影響はどうであろうか? Apple も過去数ヶ月の間ネットブック空間について語って来ている、そして現在売られている極めて制限の多いネットブックに対抗して同社がタブレット Mac 或いは大画面の iPod touch を作るのではないかという噂も飛び回っている。

Chrome OS の登場で、Google と Apple は終に真正面から競争することになるのかもしれない、もっともその形は尋常とは言えないであろうが。Apple は OS X を Macintosh と iPhone に結びつけ、これがセキュリティにも多少そして使用感には大幅に貢献する手助けとなっている。しかし Apple が iPhone でもたらした大きな変化は iPhone に対するサードパーティアプリケーションを App Store でのみ販売を許可したことである。これで急成長する市場が一つ形成され、Apple の奇妙な排除方針というのはあるが、大体においてまずまずうまく機能している。

この App Store の成功があるので、我々は Apple のネットブックキラーは MacBook の流れではなく iPod touch の流れを汲むのではないかと思うのである。Mac OS X と Macintosh が近いうちに消えてしまうと言うのは無いであろうが、Apple はより拘束性の高い iPhone OS へと注意を集中して来ている様に見える。この方が企業はハードウェアと _そして_ 全てのソフトウェアの販売とアプリケーション内売上げから分け前として稼ぐことが出来る。

これとは対照的に、Google は Chrome OS をオープンソースにそしてネットブックメーカーに対しては無料にしている。Google と何ら関係の無いネットブックメーカーでもこのオープンソースコードを使いカスタム版と混ぜこぜにしてしまうことすら出来てしまう。Google の方は、広告を表示しそしてホストサービスを通して金を稼ぐことになるのだが、販売促進策としてネットブックメーカーと広告収入を分かち合う契約をする道もある。Google はこの様な契約を Apple, Mozilla, そしてその他の社と、ブラウザ検索結果に広告を載せることに対して既に行っている。従って、Chrome OS を出来る限り広範囲に配布するのは Google の意に適っている。

では最終的な皮肉とは? Apple が最初に Web アップスこそが iPhone の将来であると言った時 Mac 開発者達は反発した、と言うのも彼らはデスクトップアプリケーションの考え方から来ており、そこでは独立のソフトウェアを売りそしてサポートして行くと言うのが通常であり、更に Apple 自身のアップスも Web アップスでは提供できない機能を誇っていたからでもある。Google が Web アップスがネットブックの将来であると言った時 Web 開発者達は狂喜した、と言うのも彼らは Web アップスの考え方を既に理解しておりそして Google と共に一級の市民になれるのを楽しみにすることが出来るからである。


TidBITS 監視リスト: 注目のソフトウェアアップデート、13-Jul-09

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple のSafari 4.0.2 は、このブラウザに対するセキュリティと安定性のためのマイナーなアップデートだ。今回のアップデートでは Nitro JavaScript エンジンの安定性を拡張し、基本的なクロスサイトスクリプティングに関するいくつかの脆弱性に対処している。これらの脆弱性では悪意を持って作られたウェブサイトを訪問した場合にアプリケーションがクラッシュしたり、任意のコードを実行されたり、クロスサイトスクリプティングの攻撃を受けたりする可能性があった。Apple はすべての Safari ユーザーに対しこのアップデートを推奨している。このアップデートはソフトウェア・アップデート経由で、あるいは Apple の Safari ダウンロードページからダウンロードできる。(無料、40.2 MB)

St. Clair Software の Default Folder X 4.2.1 は、開く・保存のダイアログを拡張するユーティリティのマイナーなアップデートだ。今回の変更点としては、ポップアップするファイルプレビューの新設、OpenMeta タグ標準のサポートの改善、Path Finder のサポートなどがある。また、Rebound 機能が刷新され、詳細は分からないがいくつか互換性の問題点にも対処が施されている。(新規購入 $34.95、アップデート無料、11.1 MB)

VideoLAN の VLC 1.0 は、さまざまのビデオタイプへの幅広いサポートを提供する、オープンソースのマルチメディアフレームワークの最初の公式リリースだ。プレイヤーにはライブの録画機能もあり、フレーム・バイ・フレームのサポートや、フルスクリーンビデオのスケーリング機能もある。かなり長い機能リストがあって、VideoLAN のウェブサイトで読める。(無料、19 MB)

Scott Draves の Electric Sheep 2.7は、コミュニティベースのめくるめくスクリーンセーバの最新バージョンだ。今回のアップデートではクライアントの拡張、さらなる高解像度、codec の改良、再生速度を調整できるフレーム補間モードの新設、容量を増した新サーバ、などが加わった。Electric Sheep についての詳しいことは、2009-02-23 の記事“21 世紀のスクリーンセーバ、トップ 10”を参照。(無料、4.9 MB)


ExtraBITS、13-Jul-09 版

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Craig Hockenberry: App Store はここがまだ変だ -- App Store は一周年の記念日を迎えようとしているが、歯に衣着せぬ iPhone ソフトウェア開発者の Craig Hockenberry が、Apple が過去一年間に App Store を改善してきた点にも触れつつ、彼や他の iPhone 開発者たちが依然として直面する、重大ないくつかの問題についても掘り下げて語る。(リンク投稿 2009-07-13)

Quicken For Mac が 2010 年まで延期に -- Intuit から、同社の旗艦製品 Quicken Financial Life の Mac 互換バージョンについて、そのリリース日が 2010 年 2 月まで延期されたと発表があった。同社はもともと 2008 年 1 月の Macworld Expo において Mac 版のアップデートに関する発表をしていた。長々と待たされることで顧客たちの落胆は避けられないが、Intuit によればこの遅れはベータテストで寄せられた多くのフィードバックに基づいて Mac ユーザーたちがより満足できるものを作り出したいという努力の結果であるという。(リンク投稿 2009-07-10)

Joe の精選: パスワードのヒント -- 三部から成るこの Macworld 記事で、Joe Kissell がパスワードに関する有益な助言をお届けする。どうすればより強力なパスワードを作れるか、どのようにパスワードを管理すべきか、どうやってパスワードを覚えるか (ソフトウェアの助けを借りる方法、借りない方法)、といったことだ。(リンク投稿 2009-07-08)

iPhone で(もっと)グリーンに -- TidBITS 編集者 Rich Mogull の勧めで、彼の大学時代の恩師(現在は環境維持の研究者)が iPhone への切り替えを果たしたが、それが実際に環境保護のために役立つ行為だったとは、彼自身気付いていなかった。iPhone 流に「リデュース、リユーズ」する方法を学ぼう。(リンク投稿 2009-07-08)

誕生日おめでとう、App Store! -- 驚異的な成功を収めた iTunes App Store を Apple がスタートさせてからちょうど一年が経ち、同社はこれを祝う。iTunes Store 内に、現在利用可能な 50,000 以上のアプリの中から Apple がお気に入りのアプリをいくつか選んで取り上げたページができた。(リンクは iTunes で開く。)(リンク投稿 2009-07-07)

Google Apps、ついにベータ段階を脱する -- Google が、その Google Apps スイート (Gmail、Google Calendar、Google Docs) からついに「ベータ版」という指定が消えると発表した。つまりその意味するところ、いや、実際は、大して何も消えていない。(Gmail のみでさえ、もう 5 年間もベータ版だった。)Google の称する「ベータ版」という名前が大して意味を持たないものになったと同様、ベータ版でなくなったからといってやはり大して意味はない。今回の変更の主な理由は、大企業各社がまだテスト中のように見えるソフトウェアには見向きもしないものだということに Google が気付くに至ったというだけのことだ。Gmail の「ベータ」ロゴが大好きだという人は、Gmail Labs を使えばこれを再び使うようにできる。(リンク投稿 2009-07-07)

中国のウェブフィルタリングに Mac は影響されない -- Macworld 記事によれば、中国が最近制定した法律で、中国国内で販売されるすべての PC にフィルタリングプログラム Green Dam Youth Escort の装備が義務づけられたが、このプログラムは「慎重に扱うべき政治的内容」をブロックする機能を持つことで論議を呼んでいる。それでも、今のところは、Mac はウェブフィルタリングを免除されている。なぜなら、そのソフトウェアの Mac 版がまだないからだ。少数派のプラットフォームであることが、時には思いもかけぬ利点となることもあるものだ。(リンク投稿 2009-07-06)


TidBITS Talk/13-Jul-09 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

新しい TidBITS 記事内コメントシステム -- TidBITS Talk の読者たちが、新しいコメントシステムについて、それが TidBITS Talk にどのように影響するかについて、引き続き活発に議論する。(メッセージ数 41)

Gmail Inbox の異常 -- ある読者の Gmail アカウントが、いくつかのメッセージを All Mail に入れるのに Inbox には入れない。(メッセージ数 2)

iPhone から SMS メッセージをテキストファイルに書き出し -- iPhone OS 3.0 では SMS メッセージのコピーとペーストができるが、The Missing Sync for iPhone は SMS メッセージの Mac への保存もできる。(メッセージ数 8)

Mac OS X でシステム終了対スリープモード - 実は電源対サージ電流 -- 雷が落ちて、コンピュータ機器が「丸焼け」になった話を聞いたことがあるだろうか? どうしてそんなことが起こるのか、どうすれば予防に役立つか、説明しよう。(メッセージ数 3)

要らないキーボードショートカット -- 内蔵のキーボードショートカット、例えば Dashboard を呼び出す F12 などを無効にするにはどうすればよいか? (メッセージ数 15)

SkypePhone のお薦めは? -- ある読者が、Skype で使うにはどんな電話機が良いのか探している。(メッセージ数 20)

米国以外でのソーシャルネットワーク -- Twitter や Facebook は国際的にも人気が高いのか? それとも、他の国々ではもっと別のソーシャルネットワーキングが幅をきかせているのか? (メッセージ数 14)

Mac で Windows -- さまざまのバージョンの Windows XP が世に出ているが、Boot Camp にインストールするにはどのバージョンを購入すべきか? (メッセージ数 2)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2009年 7月 18日 土曜日, S. HOSOKAWA