TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#991/17-Aug-09

今週は幅広い種類の Apple 関係の話題がある。まず、Glenn Fleishman が Apple の最新のセキュリティアップデートを概観する。(ご心配なく。今回はたいていの人はあわててインストールする必要のないものだ。)Glenn はまたホスト型バックアップサービス CrashPlan Central が大幅に値下げになったニュースを掘り下げて検討する。一方、Doug McLean は 15 インチの MacBook Pro にノングレア画面の選択肢が復活したことを報告するとともに、大好きな Apple Tシャツの上位十種を紹介する。それから、登場予定の Outlook for Mac と、その他 Microsoft Office の変更点について Microsoft からの発表を Adam が報告する。今週注目すべきソフトウェアリリースとしては、Default Folder X 4.3、PCalc 3.5、MacBook と MacBook Pro 用の AirPort Client Update、PDFpen 4.2、Safari 4.0.3、Cocktail 4.4.1、SubEthaEdit 3.5、それに Audio Hijack Pro 2.9.2 がある。

記事:

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Security Update 2009-004 の DNS パッチはごく一部のシステム向け

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

セキュリティアップデート 2009-004 は Apple による最新のアップデートで、Mac OS X 10.4 と 10.5 のクライアント版およびサーバ版双方に含まれる domain name service (DNS) ソフトウェアをアップデートするものだ。これは決定的に重要なものだが、影響を受けるのは Mac OS X の DNS サーバを自分の手で有効にしている人たちだけだ。

具体的には、DNS サーバがローカルネットワークの外から何らかの形で到達可能な状況下でドメイン名還元のために Tiger Server または Leopard Server の中で DNS サーバを使っているシステム管理者がこれに該当する。また、人数としては非常に少ないが、コマンドラインで遊ぶのが大好きでたまたま通常版の Tiger または Leopard システムで DNS を有効にしている、という場合も含まれる。

このアップデートで修正された欠陥は、会社のネットワークへ他のアクセス方法を持たないリモート攻撃者にも DNS サーバを終了することを許してしまい、そのためネットワークが中断される可能性があるというものだった。おそらく世界中で公共の用に供されている DNS サーバの中で Apple のサーバはほとんど目に見えないほど僅かな率しか占めていないので、今回パッチされたこの問題を利用して攻撃を試みたアタッカーはほとんどいなかったと思われる。

今回 Mac OS X と Mac OS X Server 10.4.11 および 10.5.8 のために出されたセキュリティアップデート 2009-004 は、Rich Mogull と私が記事“Apple、DNS が攻撃される危機的な欠陥をパッチせず”(2008-07-24) で説明しその後 Adam Engst と私がアップデート記事“Apple、ようやく DNS 欠陥と ARDAgent 脆弱性を修正”(2008-08-01) で修正を報告した根本的な DNS の欠陥とは何の関係もない。

この去年のパッチでは手をつけられなかった根本的な欠陥が、依然として DNS には残っている。こちらの問題を利用して攻撃を加えるのは桁外れに困難なことではあるものの、それでも可能性が排除されたわけではない。DNS のセキュリティにかかわる基盤構造は、そこに暗号化を組み込むことによって、人間が読める形のドメイン名を何か他のものへと変えるためのリクエストが、決してアタッカーのなりすまし攻撃の餌食にならないようなものへと進化しなければならないのだ。

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15 インチ MacBook Pro にノングレア画面の選択肢が復活

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が 15 インチ MacBook Pro に、アンチグレアの非光沢ディスプレイをひっそりと有料オプションとして再導入した。つい最近になって、何の発表もなしに、同社はそのオンラインストアをアップデートして非光沢(つや消し)ディスプレイを $50 のオプションとして提供し始めたのだ。これまで、このオプションは 17 インチ MacBook Pro でしか利用できなかった。13 インチ MacBook Pro と 13 インチ MacBook は、引き続き光沢ディスプレイでしか入手できない。

2008 年 10 月に、Apple はユニボディの MacBook と MacBook Pro シリーズ製品を光沢ディスプレイに移行させ、非光沢ディスプレイのオプションを廃止した。2009 年 1 月にリリースされた 17 インチ MacBook Pro のみが、非光沢ディスプレイのオプションを持ち続けていた。(詳しくは、2008-10-18 の記事“消滅間近? FireWire とノングレア画面”参照。)

Apple が新しい 13 インチ MacBook Pro で FireWire を復活させたことも、ここで思い出しておこう。その結果、FireWire なしの Mac は MacBook Air のみとなった。2009-06-08 の記事“Apple、WWDC で MacBook 製品群を刷新” 参照。

その決断は、光沢ディスプレイのグレアが視界の妨げになると感じたユーザーたちから嵐のような反応を巻き起こした。多くの人たちは新しい(光沢)ディスプレイの方が明るく、黒い部分がより深く、カラーの彩度も鮮やかだと感じたが、周囲に明るい照明のある環境で映り込みが出る結果になるのは避けられず、それがユーザーたちの意見を分ける結果となった。グレアがあっても大したことはない、少なくともカラーの鮮やかさや輝度のための代償として我慢できると感じる人たちも多かったが、グレアがどうしても邪魔になると感じる人たちもいた。

辛辣な言葉が投げかけられたその根底には、多くの人たちが基本的なオプションだと感ずるものを Apple が取り去ってしまった事実、これほどまでに重要なデザイン機能について異なった意見があることを認めなかったという事実がある。コンシューマ向けレベルのシステムではオプションの種類をできるだけ簡素化したいと Apple が望むことは理解できるが、仕事をこなしているプロフェッショナルをターゲットとした機種でそんなことをすれば侮辱にあたる、というわけだ。

MacBook Pro ユーザーの中にはデザインやグラフィックスのプロたちも多く、彼らはビジュアルの細かい微妙な点に手を加えることで日々を過ごしている。もしも Apple がそうした人たちに今後も上級システムを購入し続けてもらいたいと思ったならば、Apple はすべての人が同じ立場で満足できるとは限らないことを認めるべきだった。ことに、問題がビジュアルな知覚に関するものであり、何がベストかの意見が大きく分かれる分野なのだからなおさらだ。この会社は、Think Different (違う考え方をしよう) と私たちに勧めたのではなかったのか?

このような事情を考えれば、今回 Apple が態度を変えたことはいちおう称賛に値する。邪険にされていたユーザーたちの叫び声が聞き届けられたからだ。それでも、13 インチ MacBook Pro の問題はまだ残っている。もしも Apple がこの最小サイズの MacBook Pro 機種をプロフェッショナルのユーザーに適したものと本気で思うのならば(私たちはそうだと思っている)いったいなぜサイズの大きな仲間たちと同じディスプレイのオプションを、拒否したままにしておくのだろうか?

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Outlook for Mac は 2010年の Office のリリースで

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Microsoft Office for Mac に含まれる Entourage が 2010年の後半に 10年に亘る舞台を降りることになりそうである。それは Microsoft Office の次のバージョンが全く新しいバージョンの Outlook for the Mac に置き換えるためである (Entourage に対する我々の紹介記事は "Entourage:グランドツアー" 2000-10-09 で見られる)。

Entourage は、勿論、メールクライアントをずっと超えたもので、Usenet ニューズリーダー、コンタクトマネジャー、カレンダー、タスクマネジャー、それにその他の機能を含んでいる。Outlook for Windows はこれら全ての機能と更に多くの機能を提供し、更にメッセージの共有と共同作業のために Microsoft Exchange Server を使っている大きな組織環境でもとりわけ境目なく働いている。

我々の想像では、 Entourage から Outlook for the Mac への変更には次の三つの目的があると思える:

色々言ったけれども、Microsoft は Outlook for Mac は Outlook for Windows の単なるクローンではないと言っている。Cocoa を使って最初から書き上げられていることの他に、Time Machine と Spotlight との統合も提供されるはずである。

Entourage の今昔 -- これは何も Mac のための Outlook の最初のバージョンというわけではない。Office 98 for Mac には Outlook Express 4.0 が付いてきたし (Outlook に関係したのは殆ど名前だけであった)、それに Microsoft 内の Exchange Server グループも Mac 上での Exchange Server コンパチ性を提供するため Outlook 98 と Outlook 2001 for Mac を開発して来た。

Entourage は Office 2001 for Mac の中で Outlook Express に置き換わったが、最初は Exchange に対するサポートはしていなかった。Entourage X 10.1.4 から Microsoft は Outlook for Mac を落とし、代わりに Exchange サポートを Entourage に加え始め、これを Entourage 2004, Entourage 2008, そして最近リリースされたばかりの Entourage 2008, Web Services Edition へと継続してきた。

Entourage 2008, Web Services Edition は 2009年1月以来ベータとして出されており、これまでで最も高いレベルの Exchange Server サポートを提供していて、次のものが含まれる:

Entourage 2008, Web Services Edition は Microsoft Office 2008 for Mac SP2 を使っている人誰にでも無料のダウンロードとなっており、全てのアップデートが適用されている。Exchange 側では、Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 RU4 かそれ以降に対して _のみ_ 接続できる。Intel-based Mac のみならず PowerPC-based Mac (G4 なら 500 MHz かそれ以上、そしてG5) でも走り 64 MB のダウンロードとなっている。

Office の方も簡素化 -- Microsoft はまた 15-Sep-09 時点で、市販する Mac のための Office の版の数を整理すると発表した。現在では三つのバージョンの Office があるが、変更後は二つだけになる:

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CrashPlan Central、ホスト型バックアップを値下げ

  文: Adam C. Engst <[email protected]>, Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

インターネットバックアップの価格が、突然下がった。CrashPlan 社が、その CrashPlan Central サービスのファミリー向けおよび個人向けの料金を定額制に変更したのだ。これまで CrashPlan は、他のいくつかの会社と同様、あなたが消費したストレージの量に応じた継続的料金を課してきたが、今回それが変わったわけだ。

新しい CrashPlan Central の個人向けプランでは、2台以上のコンピュータで使う場合は年額 $100 となる。一月あたりおよそ $8.33 だ。CrashPlan はまた二年と三年の契約もそれぞれ $150 と $180 で提供する。(それぞれ一月あたり $6.25 と $5 になる。1台のコンピュータで使う場合、CrashPlan 料金は年額で $54 (一月あたり $4.50) となり、Mozy その他多くの競合各社と肩を並べるものとなる。

ホスト型のバックアップソフトウェアでは、データがあなたのコンピュータからデータセンターへと転送され、そこにあなたのアーカイブが暗号化された形で保存される。CrashPlan を含む大多数のバックアップサービスでは、変更されたファイルの古いコピーも複数個、あるいは無制限に、保存できる。

最初にバックアップを済ませた後は、帯域幅使用をできるだけ低く抑えるために「差分」のみが送られる。つまり、ファイル全体でなくそのファイルの中で変更を受けた部分のみが送られる。またこのことにより、ファイルの古いバージョンも過剰な保存領域を必要とせず保持できる(復元時に再構成される)ようになる。

Backblaze、Carbonite、Mozy といった会社もまた無制限のストレージを提供し、それぞれコンピュータあたりの料金を課している。コンピュータ1台につき、Backblaze は月額 $5、年額なら $50 の割引料金となる。Carbonite の料金は年額 $54.95 (月額料金はない) で、Mozy は月額 $4.95 で一年分を前払いすれば一月分値引き (合計 $54.45) となる。

私の場合のように自宅に3台のコンピュータを持っていると、一年に一回 CrashPlan Central に料金を払えば、無制限ストレージを提供する他の三社による同等のサービスに個別の料金を払うのに比べて、$50 から $65 くらい安上がりになる。コンピュータが1台か2台ならばコストは同じくらいになる。

その他の会社、例えば iDriveJungle Disk といったところでは、一つのアカウントを通じてならばいくつのコンピュータからバックアップしたものもすべて合計した消費ストレージの総量に基づいて料金が課される。50 から 100 GB のストレージで、2台のコンピュータでの料金とほぼ同じくらいとなる。ただ、データ量がもっと高レベルになるとコストは急激に高くなる。

帯域幅に対する料金が非常に安くなり、安価なハードドライブが膨大な量を保存する(今後もますますより膨大かつより安くなってゆく)ようになる一方で、たいていの人たちは何百ギガバイトものストレージを消費することはないので、現実的に無制限ストレージはビジネス向けのものとなっている。

こうしたことがらに逆行して働く要因といえば、絶対的な完璧さを必要とするデータセンターの運営に多大なコストがかかることだ。けれども、コストの多くはどちらかといえばデータセンター全体に対して固定された金額であって、個々のユーザーあたり、あるいは一塊のストレージあたりに追加でかかるコストはほんの僅かのものに過ぎない。

だから、CrashPlan の打ち出したプランは、安定して入ってくる収入が相当大量に確保され、それによって運営コストをカバーできるという点を頼りにしたものだ。より多くのユーザーを取り込むことができれば、たとえユーザーたちがずっと大量のデータをバックアップしたとしても、これらのコストをより大きなユーザーベースに分けることが容易になるからだ。CrashPlan の競合相手のいくつかはデータストレージを外部委託している。例えば Jungle Disk は Amazon S3 を使っている。つまり、そこで引き渡される主要なコストは転送やストレージでギガバイトあたりの料金であり、量が増えたとしてもほんの少しずつしかコストは減らない。

ホスト型のバックアップは、その会社が信頼でき、私たちがファイルを復旧させる必要が生じた時点でもきちんと存在していてくれる、という点に依存する。私たち TidBITS では、皆さんが少なくとも二つのバックアップを持つことを推奨している。そのうち一つはインターネット経由のホスト型であってもかまわない。

理想的には、あなたのハードディスク全体を少なくとも一つローカルにバックアップしておき、素早い復旧やファイル復元に備えておく。それからあなたの最も重要なファイルを遠隔バックアップしておく。比較的遅いインターネット接続を使ってアプリケーションやオペレーティングシステムをバックアップする必要はない。人によっては、Time Machine か CrashPlan でファイルの複数バージョンをアーカイブ保存するためのバックアップを一つ作り、ブート可能な複製には SuperDuperCarbon Copy Clonerを使い、さらに CrashPlan Central か同種のインターネットバックアップサービスを使ってオフサイトのバックアップもする、ということもある。

それはやり過ぎだ、と思うかもしれないが、データ破損やハードウェアの故障などに対処するために複数のバックアップに頼らなければならなかった経験を何度もしている人は多い。十分幅広いバックアップの備えをしておかなければ、最新の決定的な情報やアーカイブ保存した重要なデータ、あるいは自家用のソフトウェアなどを失ってしまっていたかもしれない。

Adam Engst と Rich Mogull は二人とも、CrashPlan のピア・ツー・ピアのオプションを使ったインターネットバックアップをしている。つまり、近所の友人の家にあるハードディスクに自分のバックアップを置いてもらうようにしているのだ。このモードの場合、CrashPlan のオフサイトバックアップは完全に無料で使える。万一何か災害に見舞われてもデータが失われるのは一カ所だけ、遠隔バックアップはきちんと残ると信じて安心できるからだ。

われらがバックアップ導師の Joe Kissell は、CrashPlan Central のタイプのホスト型ストレージの方が好みだという。友人とデータをやり取りするためには帯域幅やその他の要件が必要になるからだ。私 (Glenn) が住んでいるシアトルは、地震、洪水、火山の噴火に津波など、ありとあらゆる災害の危険のある地域なので、最悪の場合には私の自宅と仕事場だけでなく、近所のいくつもの場所にあるデータストレージ機器も同時に破壊されるおそれがある。さまざまな状況でのバックアップ戦術や、そこで CrashPlan をどう活用すべきかについての詳細は、Joe の“Take Control of Mac OS X Backups” と、より焦点を絞ったその姉妹本“Take Control of Easy Backups in Leopard”をお読み頂きたい。

CrashPlan が他のバックアップサービスと一線を画するのは、そのソフトウェアが三つの用法をすべてこなせることだ。CrashPlan Central にバックアップするその同じソフトウェアが、ローカルなドライブやフォルダにも、CrashPlan Central にも、また CrashPlan が走っているならば誰か友人の持つコンピュータにでも、ファイルをアーカイブ保存できる。CrashPlan の機能について詳しい背景情報は、2008-12-15 の記事“CrashPlan にディスクへ直接のバックアップ加わる”をお読み頂きたい。

CrashPlan には一つ大きな制約がある。保存先ごとに別々のバックアップセットを選ぶことができないのだ。ローカル、遠隔、ピアの三カ所にアーカイブ保存するなら、同じファイルを保存することしかできない。

基本バージョンの CrashPlan は無料で、ここまでで説明したようなすべての形のバックアップができる。けれども、持続的バックアップ、より高度な暗号化、ローカルおよびピア・ツー・ピアでのファイル圧縮などの追加機能のためには、$59.99 の CrashPlan+ が必要になる。けれども、互いにバックアップし合う複数のコンピュータで CrashPlan と CrashPlan+ ソフトウェアが混合していても問題はなく、テクノロジーに詳しくない友人たちや親戚たちとの間でデータをバックアップするのにも CrashPlan は便利に使える。

今回 CrashPlan の料金体系が見直されたことで、競合するサービスの間でも価格戦争が起こるのではないかと私たちは期待している。いずれも信頼できるホスト型バックアップシステムならば、差別化のための要点は価格と、ソフトウェアパッケージに対する好みしかないからだ。

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Apple Tシャツ、トップ・テン

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Guy Kawasaki は 1990 年の著書“"The Macintosh Way”の中で、Apple が偉大な製品を生み出すまでのプロセスを表現したフローチャートを描いている。それによると、一番初めの工程段階は「Tシャツを注文する」となっている。

だから、Apple がある限り、今までずっと Apple の衣料品があって、ファンたちはそれを纏ってきた。嘘だとお思いなら Gordon Thygeson の本“AApple T-Shirts: A Yearbook of History at Apple Computer”($40) を手に取ってみて頂きたい。この本には長年の歴史から 1,000 種類以上にものぼる記念の、あるいはレア物の Apple Tシャツが、ずらりと写真で紹介されている。でも、素晴らしい Apple Tシャツの時代はまだ終わったわけではない。今現在でも、まだまだ素晴らしい Apple Tシャツはある! そこで、ここではまだ今からでもあなたの衣装棚に加えることのできるものの中から、私が大好きな Apple Tシャツのトップ・テンを紹介してみよう。

yearbook

1984 Mac コマーシャルに敬意を -- ある程度年配の人なら、あの象徴的な意味を持つ 1984 年 Super Bowl のテレビコマーシャルをリアルタイムで見た記憶をお持ちだろう。Macintosh の名前がテレビに登場したのは、これが初めてのことだった。そうでない他の私たちには、いつでも YouTube がある。このシャツは、FastMac 製だが、巧みにあの広告の雰囲気を伝えている。Anya Major のシルエットに鮮やかな色をアクセントにして、よく知っている人には Mac の出現を思い起こさせ、知らない人にも興味津々の漠然とした感覚を惹き起こすデザインとなっている。($9.99)

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回転歯車 -- 想像してみよう、あの有名な Apple の回転歯車を誇示した、このシャツを着る度に、あなたはパワー・アップ(電源起動)の感覚に満たされる! Bird Doctor によるシンプルな抽象的デザインは、Mac ユーザーなら誰でも即座に見分けられる。でも、もしもあなたのギーク資格を隠したいのなら、(無限) ループの外にいる人にだけ見せている限り、このシンボルに気付かれる心配はない。($22)

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ダ・ビンチの iPhone、分解図 -- Leonardo da Vinci は Mona Lisa を描いたし、羽ばたき飛行機の設計もしたが、このシャツを見れば iPhone も作ったことがわかる。(いや、実際のアーティストは Kevin Tong だが、今はダ・ビンチ作品だということにしておこう。) exploded Macを描いたシャツもあって、こちらは Gary Booth のデザイン、Dion Briggs のサイトにある。($20)

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I'm a PC、ゆっくり青く死んでいく -- Mac 対 PC の論争を、あなたの手で取り上げよう。Indie Tech のこのシャツは、いわば破壊的な流儀で表現している。 ($7.50)

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キーボードのドクロ -- Rubyred のデザイン、RedBubble で販売されているこのシャツは、Apple キーボードのキーだけでドクロを描いている。それでも、近寄ってよく見なければ Command キーがキーボードの忠誠心を表わしていることはわからない。このデザインの意味をどう解釈すればよいのか? それはあなた次第だが、少なくとも、会話のきっかけの話題提供にはなるだろう。($26.13)

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Apple の復古調六色の虹 -- 何か言っておくことはあるだろうか? クラシックな復古調のこのデザインは Geek/Science 製、薄い黄色のシャツにプリントすれば 1980 年代風の印象がいっそう映えるだろう。($11.99)

rainbow

Apple 年代記 -- Insanely Great Tees 製のこのシャツは、Apple の歴史の簡潔な表現だ。あなたのまわりの人たちに学ばせよう。あるいは、自分でただ眺めて、時代がどこへ過ぎ去ったか思いを馳せてみよう! ($19)

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光る Apple ロゴの凄いシャツ -- 最も奇抜なアイデアならこれだ。このシャツの Apple ロゴは、オーディオ入力に反応して光が動く。もちろん、バッテリパックを繋いでおかなければならないが、注目を集めること疑いなしだからその価値はある! 残念ながら、おそらく法律的な理由から、このシャツはもはや元のオンラインストアでは販売されていない。でも幸運なことに、まだ eBay では手に入るぞ! (Buy It Now 価格: $31.99)

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爆弾 -- この日一番の回復不可能なシステムエラーに見舞われたって? ならば、Insanely Great Tees 製のこのシャツを着て、元気を出そう! オリジナルの爆弾シンボルは Susan Kare のデザインによるもので、その格調の高さは到底 Mac OS X の回転ピッツァの及ぶところではない。($19)

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Tシャツアプリ -- 今どきは、どんなことにもそのアプリがあるらしい。服の着せ替えアプリだってある。でもご用心! Zazzle 製のこのシャツを着ていると、誰か知らない人の指がこのアイコンをタップしてくるのを覚悟した方がいいかも。($33.75)

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あなたのお好きなTシャツは? -- どんなリストも必ずどこかで締めくくらなければならないが、もちろん他にもたくさんの Apple Tシャツがあって、きっと世界中の皆さんのタンスの引き出しの中に眠っていることだろう。もし何か Apple 関係でここに触れなかったクールなシャツを見かけたら、どうか一言私にお知らせ願いたい。楽しいシャツ探索を!

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TidBITS 監視リスト: 注目のソフトウェアアップデート、17-Aug-09

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

St. Clair Software の Default Folder X 4.3 は、主として来たるべき Mac OS X 10.6 Snow Leopard のフルサポート追加をこの開く/保存ダイアログ拡張ユーティリティに施している。(Snow Leopard にはバージョン 4.3 が必要で、これより前のバージョンは 10.6 の下でクラッシュする。)また、プレビュー表示の際の CPU 使用量が減り、互換性の問題もいくつか修正されている。さらに上級者向けの設定として、開く/保存ダイアログの最小サイズをユーザーが指定できるようになった。(新規購入 $34.95、アップデート無料、10.5 MB)

TLA Systems の PCalc 3.5 は人気の科学計算電卓だが、同社の iPhone 用バージョンと機能が対応するようにアップデートされた。具体的にはいくつか新たな関数が追加され、"2nd" キーを使って表示できる関数が増え、複数個のメモリをサポートし、オプションで HP48 流の RPN 挙動も提供し、キーのクリック音が提供でき、3桁ごとの区切り文字として引用符も使えるようになった。(新規購入 $19、アップデート無料、3.4 MB)

Apple の AirPort Client Update for MacBook and MacBook Pro は、MacBook または MacBook Pro がバッテリー電源で動いている際のワイヤレスネットワークのパフォーマンスの問題を解決する。このアップデートが該当するのは Mac OS X 10.5.8 の走る以下のシステムのみだ: late 2007、early 2008、または late 2008 の 13 インチ MacBook、early 2008 の 15 インチ MacBook Pro、early 2008 または late 2008 の 17 インチ MacBook Pro。(無料、1.68 MB)

SmileOnMyMac の PDFpen 4.2PDFpenPro 4.2 は同社の PDF 編集ユーティリティの最新版だ。今回のアップデートでは 128-bit AES 暗号化された書類のサポートや、AppleScript 拡張による印刷イベントのサポートが追加され、その他にも詳細は不明だがマイナーな修正や改善が施された。($49.95/$99.95、アップデート無料、12 MB/12.2 MB)

Apple の Safari 4.0.3 は、このウェブブラウザへのセキュリティおよび安定性のためのアップデートだ。この最新バージョンでは Top Sites、サードパーティプラグイン、それに HTML 5 ビデオタグを使用するウェブページの安定性が改善され、勝手にクラッシュしたり悪意あるコードを実行されたりすることを予防する対策が施された。また、このアップデートでは一部のユーザーが iWork.com にログインできない問題と、ページがカラーでなくグレイスケールで表示される原因になっていた問題が修正された。このアップデートにおけるセキュリティ内容についての詳細が Apple のウェブサイトに公開されている。このアップデートはソフトウェア・アップデートから、または Apple のサポートダウンロードページからも入手できる。(無料、Leopard 用/Tiger 用それぞれ 40 MB/26 MB)

Maintain のCocktail 4.4.1 は汎用のメンテナンス・ユーティリティのマイナーなメンテナンス・アップデートだ。今回のアップデートでは Firefox 3.5 や Flock 2.5 との互換性の問題が修正され、最新の RSPlug Trojan Horse 変種を消去できるようになり、Automator アクションのアップデートを追加し、Mac OS X 10.5.8 との互換性を提供、また詳細は不明だがマイナーなバグにも対処が施されている。($14.95、アップデート無料、1.9 MB).

TheCodingMonkeys の SubEthaEdit 3.5 は共同作業のためのテキストエディタのメジャーなアップデートだ。この最新版ではコードの折り畳み機能が追加されてユーザーがネスト化されたソースコードを折り畳めるようになり、書類状態持続機能が加わってウィンドウ位置などの書類状態が保存できるようになり、また URL クリック機能も新設されて編集中にリンクを手軽に開けるようになった。さらに、AppleScript ベースのテキスト変更を高速化し、AirPort ベースステーションを使用中に CPU ロードを大きくしてしまう mDNSResponder のバグの起こる誘因を減らし、300 MB 以上のファイルを開いた際のクラッシュなど、いくつかのクラッシュに至るバグを修正した。変更点のフルリストは TheCodingMonkeys ウェブサイトで読める。(新規購入 29 ユーロ、アップデート無料、4.1 MB)

Rogue Amoeba の Audio Hijack Pro 2.9.2 は、オールラウンドのオーディオ録音ソフトウェアのメンテナンス・アップデートだ。変更点の主なものとしては Instant Hijack 2.1.2 の利用、同じアプリケーションを複数のセッションで同時にハイジャックできる機能、Recording Inspector での保存機能の改善などがある。またバグ修正もいくつかあり、主なものを挙げれば AAC 録音が開始できなかったバグ、Add to iTunes スクリプトが失敗する問題、Quick Record ホットキーが反応しないバグなどがある。それからもう一つ、Mac OS X 10.4 を走らせているユーザーのために、今回のアップデートでは最新互換バージョンの Soundflower 1.3.1 がインストールされる。(新規購入 $32、アップデート無料、7.4 MB)

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ExtraBITS、17-Aug-09 版

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

TomTom、iPhone 用に曲がり角ナビのアプリをリリース -- TomTom から出た曲がり角ごと案内ナビゲーションアプリの価格は $100 で、アメリカ合衆国とカナダの地図が付いている。iPhone 3G または 3GS が必要だ。毎月の購読料金は不要で、他の国で使うアドオン地図パックもある。より高度な GPS チップを搭載した車載アクセサリーキットが予告されていたが、こちらはまだ出ていないし価格も発表されていない。(リンク投稿 2009-08-16)

Alltop Procrastinator's Clock (遅刻常習者用時計 Alltock) -- 馬鹿馬鹿しいけれど、役には立つかもしれない。Guy Kawasaki の思い付いたこの時計は、意図的にいつも 0 分から 15 分までのどれかの時間だけ進んでいる。これで、時間ギリギリということはなくなるはずだ。おっと、もう行かなきゃ! (リンク投稿 2009-08-16)

Sony、電子ブックに EPUB フォーマットを採用 -- Sony によれば、今年の末までに同社のオンラインライブラリと Reader 機器で使う電子ブックが標準フォーマットの EPUB セットに切り替わるという。EPUB でパッケージされた本は依然として DRM に包み込むことができるが、従来の独自フォーマットに比べてはるかに幅広い機器とソフトウェアに持ち込んで使える。Amazon の Kindle は、その所蔵タイトルに独自の書籍フォーマットを使っており、EPUB パッケージを読むことはできない。(リンク投稿 2009-08-13)

スクープ: Google の Caffeine -- Google Caffeine は Google の新しい検索エンジンアーキテクチャだ。これは検索の速度とユーザーに示される結果を改善するためにデザインされたものだが、開発者たちのためにもいくつか予想外の結果を生んでいる。PC World が、来たるべき切り替えをめぐって基本的な質問への答を説明する。(リンク投稿 2009-08-12)

MacBook Pro ハードドライブのクリック音、修正に向けて開発中 -- 500 GB 7200 RPM のハードドライブを搭載した MacBook Pro のオーナーの中に、カチカチ音がしてから、しばらくパフォーマンスが失速する、という症状で苦情を述べている人たちがいる。ただし 10 秒ほどすればマシンは再び反応するようになり、再起動の必要もない。Apple の広報担当 Bill Evans が CNET に知らせたところによれば、Apple は問題を認識しており、修正に向けて現在作業中だという。ただ、修正がリリースされる具体的な予定表は設定されていない。(リンク投稿 2009-08-12)

ありきたりの Mac Trojan (トロイの木馬) が野放しに -- べつに目新しいことではない。Ars Technica の記事が、QuickTime プレイヤーのアップデートに見せかけた新手のトロイの木馬が出回っている、と報じている。これは DNS リクエストをハイジャックし、獲物となった人をアタッカーが自由に選んだウェブサイトへと送り込む。常識に従った行動をしていれば 99 パーセントのトロイの木馬は避けられるもので、今回のものも例外ではない。信頼できないウェブサイトが何らかのソフトウェアをあなたにダウンロードさせてインストールさせようとしたら、それをしてはいけない。(リンク投稿 2009-08-12)

ああ、君が僕の iPhone を見つけてくれたのか -- Slate に出たこのビデオはそこそこ面白い。ある iPhone 開発者が iPhone をなくしたのだが、最後にはちょっとしたことになる。(リンク投稿 2009-08-12)


TidBITS Talk/17-Aug-09 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iPhone/iPod Touch にどんなメモを保存するか -- モバイル機器に自分ならどんな種類の情報を保存するか、読者たちが語り合う。読みたい本の一覧から、合衆国憲法の条文までいろいろだ。(メッセージ数 4)

Apple アップグレード価格 -- Snow Leopard のリリースももう間近だが、話題は Apple がアップグレード価格というものを提示しないこと(特に iLife)に移り、またソフトウェアに付属するライセンス条項にも話は及ぶ。(メッセージ数 32)

Leopard を G4 DP 450mhz で? -- 古いシステムで Leopard の動作はどうか? (メッセージ数 7)

AT&T から逃れるには -- どうやら、アメリカ合衆国の外に引っ越して、それを証明することができれば、ペナルティーなしに AT&T との契約から抜けられるらしい。(メッセージ数 6)

iPhone で SMS と通話のログをモニターするには? -- iPhone のテキストメッセージと通話記録を Mac 上で追跡管理するにはどのような方法があるのだろうか? (メッセージ数 4)

メールサーバのトラブル、LetterRip でヘルプ求む -- 古い LetterRip メーリングリストソフトウェアを使っている読者が助けを求めている。(メッセージ数 2)

Wi-Fi 接続の問題 -- ワイヤレスネットワークへの接続で問題が起こったが、古い AirPort ハードウェアが原因だろうか? (メッセージ数 2)

その価値がある? 違いは分かる (感じられる)? -- 最高速の MacBook Pro プロセッサに $300 払う価値があるか、それとも他の方法、例えばより高速のハードディスクなどでパフォーマンスを上げる方がよいか、という質問に読者たちが反応を寄せる。(メッセージ数 7)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2009年 8月 22日 土曜日, S. HOSOKAWA