TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#995/14-Sep-09

先週はまたもや Apple がニュースを独占した。格好いい新型 iPod nano と、その他の iPod シリーズ各機種へのマイナーアップデートを出し、iTunes 9 と iPhone OS 3.1 も出した。さらにそれだけでなく、その二日後に Apple が出してきたのは Mac OS X 10.6.1 と、Tiger と Leopard 向けの多数のセキュリティアップデートだった。以上、それぞれのリリースについて詳細をお届けする。また、New York Times のウェブサイトでセキュリティが破られたこと、AT&T からセルラー接続を高速化する都市の発表があったこともお伝えする。実際先週は他にもたくさんニュースがあったので、私たちのウェブサイトに載せた他の記事を「おまけ話」リンクとして紹介する。それから、Snow Leopard に対応するためのソフトウェアリリースが引き続き多数ある。今週紹介するのは Default Folder X 4.3.1、Phone Amego 1.0.3、PDFpen 4.2.1、PhoneValet Message Center 6.0.3、Simon 2.5.3、Airfoil 3.3.3、Audio Hijack Pro 2.9.3、Cocktail 4.5、ConceptDraw Updates、HP Printer Drivers for Mac OS X 10.6、iMac Graphics Firmware Update 1.0.2、Apple RAID Card Firmware Update、Firefox 3.5.3、QuickTime 7.6.4、Suitcase Fusion 2.v13.2 だ。

記事:

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Apple iPod を刷新、容量を増加して価格を変更

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: 細川秀治 <hosoka@ca2.so-net.ne.jp>

先週発表された iPod 前衛のビッグニュースは iPod nano なのだが、Apple はまた iPod touch、iPod shuffle、iPod classic についても、価格、性能、容量をいじくっている。これらの変更は、吃驚するほどのものはないが、iPod nano の大幅なモデルチェンジ("iPod nano がビデオカメラ、歩数計、ラジオに変身" 2009-09-09 参照)とあいまって、来るべきホリデー争奪商戦に向けて iPod 製品ラインに強力なポジショニングを付与するであろう。

199ドルの価格は“iPod 市場における魔法の購入決定価格”だ、Apple 社のワールドワイドプロダクトマーケティング上級副社長の Phil Schiller は語る、今や、新しい 8 GB iPod touch の価格がそうなのだ。 新しい 32 GB バージョンは 299 ドル、そして、なんと巨大容量 64 GB モデルは 399 ドルだ。

Schiller の語るところによれば、32 GB と 64 GB モデルは、8 GB の iPod touch よりも 50%高速になっており、また iPhone 3GS の一部である OpenGL ES2.0 技術を使用できる。

私たちは驚いてそしてがっかりしていたのは、iPod touch にまだカメラが付いていないことだ。iPod nano でさえビデオが追加されたというのに。その大画面と iPhone OS があれば、iPod touch にカメラを追加するのは容易で当然のことだと考えるだろう。New York Times 紙のインタビューの中で、Apple CEO の Steve Jobs は、同社が iPod touch を、ゲームのプラットフォームとして位置付けており、そしてそれをできるだけ安価に維持していると語った。

iPod classic は、ハードドライブを搭載した唯一の iPod として残った。249 ドルの価格は据え置きだが、120 GB の代わりに、今や 160 GBのドライブが搭載されている。これは音楽や映画の巨大なコレクションを持っていて常にそれらと一緒に居ることが必要な人々への Apple の解答だ。

iPod shuffle は2つのモデルで登場する、新しい価格は 59 ドル(2 GB 容量)と 79 ドル(4 GB)だ。 この最新バージョンは、新色が用意されており:シルバー、ピンク、グリーン、ブルー、ブラックがある。 4 GB モデルの特別限定版が、光沢ステンレスのケースで、99ドルで販売されている。

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iPod nano がビデオカメラ、歩数計、ラジオに変身

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

安価な携帯用ビデオカメラの市場が大きくシフトした。Apple が、iPod nano のメジャーな改訂版をデビューさせたのだ。今回の新バージョンではビデオとオーディオの録画・録音、Nike+ と同期できる歩数計、それに FM チューナーが追加された。8 GB 版の価格は以前と変わらず $149 で、16 GB 版は $179 となる。どちらの機種もすぐに入手できる。

iPhone 3GS にビデオを追加した技術力があるので、Apple がこの市場に参入したのは別に不思議でも何でもないが、これもまた Apple という会社の持つ予測し難い戦略のあらわれの一例と言えるだろう。新製品を投入するのでもなく、(自然に予想できた)iPod touch に装備するのでもなく、Apple はビデオを既存の機種シリーズの一つに移植したのだ。CEO の Steve Jobs の言葉によれば、iPod nano を Flip ビデオカメラと比較すると厚さで5分の1、体積で 10 分の1になり、8 GB の iPod nano でさえ Flip の $149 の機種の2倍のメモリを持つという。

Flip は小型ながら使いやすくて相応の品質を持つビデオ録画機、という分野の開拓者となり、ビデオカメラ市場の売り上げで二桁のパーセント率を占め、Kodak など他の会社がこの市場に飛び込む誘因ともなった。また、Flip のカメラはビデオ録画で固体記憶装置が主流となる牽引力ともなってきた。メモリに直接録画することにより機器のサイズを劇的に縮小させることが可能となり、Flip やそれに続くさまざまの機器は真の意味でポケットに入るものとなった。Flip 社は 2009 年 3 月に 5 億 9 千万ドルで Cisco に買収されている。

iPod nano のカメラは、ビデオを H.264 VGA 解像度 640 × 480 ピクセルで、毎秒最大 30 フレームで録画し、オーディオには AAC フォーマットを使う。これは iPhone 3GS のものと同じ仕様で、まあまあ満足できるけれど素晴らしいと言うほどではないビデオ出力を生成する。iPod nano は 15 のリアルタイムのビジュアルエフェクト(セピアやモーションブラーなど)を適用できるが、録画を始める前にエフェクトを設定しておく必要があり、これはあなたの撮影したものの変更できない一部分として追加される。

iPod nano で録画したビデオは Mac 上の iPhoto に、あるいは Windows のビデオフォルダに同期させることができる。Apple はこのビデオが Facebook、MobileMe、YouTube などにちょうどぴったりのサイズだ、という言い方で宣伝しているが、現在のところそのうちで iPhoto からムービーをアップロードできるのは MobileMe のみだ。(次のバージョンの iPhoto ではビデオのサポートが拡張されることを期待するが、それを言うならこれは私たちがもう何年も前から期待し続けてきたことだ。)iPod nano にはまたボイスメモの録音機能もあって、再生用にスピーカーまで詰め込まれている。

そうそう、忘れかけていたが、これはやはり iPod でもあるのだ。

歩数計を含めたことは Apple が従来から Nike+ システムと結び付けようとしてきたことの延長だが、FM チューナーをこの時点で加えたことはちょっと奇妙な気がする。Apple はこれまでどの iPod にも FM 機能を含めたことはなかったし、時には FM 機能を馬鹿にしたような発言をしたこともあった。その後、Microsoft が Zune 各機種を Zune HD で置き換えた際に、アナログ FM ラジオ信号と HD Radio の FM チューニングを提供した。(HD Radio は“high definition”の略ではない。これは米国ではラジオ局のおよそ 15 パーセントが使用しているデジタルフォーマット (Hybrid Digital) で、メインの放送を補うために使われる。)

iPod nano の FM ラジオ機能はいわばちょっとした TiVo のラジオ版のように機能し、放送を最大 15 分前の分まで保存して、巻き戻したり一時停止したりできるようにする。ただし、そのまま保存してあとで聴くということはできない。iPod nano は放送局がアナログ放送の中に埋め込んだ情報を読み取って、アーティストや楽曲の詳細情報を表示することもできる。

Apple はこのデータを利用して iTunes Tagging を提供する。これは HD Radio 受信機とともに働くように作られたシステムで、iPod nano 上で(この機能に対応するラジオ受信機と同じやり方で)曲をタグすれば、iPod を iTunes で同期させた際にその曲の情報が取り込まれる。すると、iTunes がその曲を認識すれば、サイドバーの iTunes Store リストに Tagged カテゴリーを示してそこに表示する。(iTunes Tagging について詳しくは、2009-06-19 の記事“Tag Radio Songs for Later Purchase While You Drive”を参照。)[訳者注: 日本ではデジタルラジオの方式が違うため、iTunes Tagging 機能は働かないと思われます。]

Apple は新しい iPod nano に9つのカラーを取り揃えた。ブラックとシルバーもある。同社は環境に配慮した多数の機能についても謳っている。例えばこの機器が高いリサイクル効率を持つこと、BFR (臭素化難燃剤)、PVC (ポリ塩化ビニル) や水銀を含まないこと、ヒ素を含まない液晶ガラスを使っていること、などだ。

Apple はまた、アーティスト名と曲名を音声で話してユーザーが iPod nano の再生をコントロールしやすくする VoiceOver 機能に、マイナーなソフトウェアアップデートをリリースした。VoiceOver Kit for iPod 1.2 では、バグが修正され、単語を話すメディアの再生レートが可変になり、今回の iPod nano 新機種(第 5 世代)へのサポートが追加された。

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New York Times ウェブサイトに侵入者、どうやって身を守るか

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

この週末、New York Times のウェブサイトを訪れた多くのユーザーは、ウイルスについて警告しつつアンチウイルスソフトウェアを宣伝するポップアップ画面に迎えられた。ところがそのアンチウイルスソフトウェアが実はそれ自身 Windows ベースのマルウェアだった。これは“scareware”(偽装セキュリティツール) と呼ばれるアタックだ。Times 紙は声明を出し、このポップアップ画面は無許可の広告から来たようだと述べた。より詳しく記した Gadgetwise ブログ記事の中で、Times 紙の Riva Richmond は状況を説明するとともに、このようなポップアップ画面が現われた場合にどうすべきかの助言を書いている。

簡潔に言えば、もしもあなたが Mac を使っているなら、今回のものについて特に心配することはない。(Random Mutters にスクリーンショットがある。)なぜなら、これがダウンロードさせようとしているのは Windows マルウェアであって Mac には何の影響も及ぼさないからだ。通常の状況下では、私たちとしては Mac ユーザーがアンチウイルスソフトウェアを走らせるのはお勧めしない。(2008-03-18 の記事“Mac ユーザーはアンチウイルスソフトウェアを使うべきか?”参照。)

もちろん、もしもあなたが Windows を使っているなら、必ずアンチウイルスソフトウェアを走らせて、すべてのアップデートを適用し、可能な限り現行のウェブブラウザを走らせるようにすべきだ。古いブラウザほど保護機能が少なく、セキュリティの脆弱性を持つ可能性も高いからだ。

とは言うものの、アタックが広まる速度は非常に速いことが多く、アンチウイルス会社がなかなかそれに追いつけないこともある。だから、たとえ完璧にアップデートされたアンチウイルスプログラムでも、今回のようなマルウェアについてはそれを探知してあなたを保護することができないかもしれない。

たとえ今回のアタックに搭載されていた実際の Windows マルウェアに対して Mac が安全だとしても、いったん動き出せばあなたのウェブブラウザを基本的に乗っ取ってしまうようなウェブベースのアタックは存在している。(読者の報告によれば今回のアタックもその種のものであった。)そのような状況で重要なことは、Mac OS X のネイティブなメカニズムを使ってそのウェブブラウザを終了させることだ。(例えば、そのウェブブラウザの Dock アイコンを Control-クリックして「終了」を選ぶ。)ユーザーインターフェイスの部品は、どれがアタッカーによる改変を受けているか予知できないからだ。(例えば、ウェブブラウザ自体の中にあるボタンはあなたが期待するのと違う動作をするかもしれない。)

Firefox や、その他のブラウザで、再起動後に自動的に前回使っていたセッションに復帰するものを使っている場合は、ブラウザを強制終了させることをお勧めする。(ブラウザの Dock アイコンを Control-Option-クリックして「強制終了」を選ぶ。)Firefox を使っていれば、強制終了の後 Firefox は復帰モードになり、あなたのセッションを復旧させるかどうか尋ねてくる。これなら、問題のページが再ロードされるのを防げる。

Windows では、Task Bar 上でウェブブラウザを右クリックしてそこから閉じるのが安全な終了方法だ。また、Control-Alt-Delete を押して Task Manager でタスクを終了させることによって強制終了することもできる。

興味のある方は、Troy Davis が Inputs & Outputs ブログで今回のアタックがどのように働くかの分析を投稿しているのでご覧頂きたい。要するに、このアタッカーは IFRAME を第三者の広告に挿入し、その IFRAME に一連のリダイレクトと、実際のマルウェアへのリンクを含んだポップアップ画面を表示する偽のページとを含めたのだ。

私たちが胸に刻み付けておくべき教訓は、このアタックが主としてユーザーが特定のアクションをすることに依存していること、また将来 Mac ユーザーをターゲットにして Mac OS X 向けのマルウェアを使ったアタックが出てくることも十分にあり得ることだ。だから、気を緩めてはいけない。もしもあなたのウェブブラウザに、全然普通でないポップアップ画面が現われたら、ボタンをクリックしてはいけない。すぐに終了しよう。

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Security Update 2009-005、Tiger と Leopard の脆弱性を修正

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

おそらく Mac OS X 10.6 Snow Leopard には数多くのセキュリティ関係の修正が含まれていたのだろう、Apple は、Mac OS X 10.4 Tiger と Mac OS X 10.5 Leopard(デスクトップ版とサーバ版の双方)用に Security Update 2009-005 をリリースして、それらのシステムにも修正をもたらした。すべての修正がすべてのバージョンの Tiger と Leopard に適用されるわけではないが、これらは皆一緒にバンドルされて出ているので、私たちとしても皆さんにダウンロードしてインストールするようお勧めしたい。

修正されたバグは大部分が Apple の発見によるものだ。これは良いことだと思う。それは、同社が以前よりもセキュリティの監査に力を入れていることを示しているからだ。(これに関連した提案を Rich Mogull の記事“Apple に5つの提案: Mac と iPhone のセキュリティ改善”(2009-06-03) でお読み頂きたい。)

修正を受けた部分は Alias Manager、CarbonCore、ClamAV、ColorSync、CoreGraphics、CUPS プリントシステム、ImageIO、Flash Player プラグイン、Launch Services、MySQL、PHP、SMB、Wiki Server などだ。修正に関する説明が KnowledgeBase 記事に載っている。

ニヤリとさせられたバグがこれだ:「悪意を持って作成された PixarFilm のエンコードされた TIFF 画像を表示すると、アプリケーションが予期せず終了したり、任意のコードが実行される可能性がある。」これって Pixar と Apple の間に何か敵対感情があるということなのだろうか? そうでなければ、他にいったい誰が PixarFilm エンコードの TIFF ファイルを悪意を持って作るというのだろう?

事をシンプルに済ませるため、Security Update 2009-005 の入手にはソフトウェア・アップデートを使うことをお勧めする。でも、どうしても直接ダウンロードしたい方には、たくさんの違ったバージョンがある:

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AT&T、6都市での高速化と無料通話先指定制を発表

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

AT&T が今日、同社が HSPA 7.2 と呼ぶ高速化された新しいモバイル・ブロードバンド・テクノロジーを、2009 年末までに6つの都市で、2010 年末までにはトップ 30 市場のうち 25 市場で、インストールする予定だと発表した。挙げられた6つの都市は大都市と中規模都市のちょっと奇妙な組み合わせで、Charlotte、Chicago、Dallas、Houston、Los Angeles、Miami となっている。2011 年の終わりまでには、現在の 3G 到達範囲のうち 90 パーセントを同社がカバーするようになるという。

AT&T の 3G ネットワークは現在、下りのアクセスには 3.6 Mbps 版の HSPA を使い、上りの転送には 1.4 または 1.9 Mbps 版を使っている。iPhone 3G と 3GS は上りのトラフィックに古い UMTS 標準しかサポートしておらず、従って最大でも 384 Kbps だ。

iPhone 3GS は 7.2 Mbps の HSPA を使うことはできるが、そのためにはその有効化されたネットワークが必要だ。ヨーロッパのネットワークにはこの高速の HSPA レートで稼動しているものがいくつかある。

HSPA 7.2 はネットワーク・オーバーヘッドすべて込みの 7.2 Mbps で稼動する。だから、個々のユーザーが期待できるのは 1 から 4.5 Mbps の下りストリームというところだろうが、実際にはさまざまの要因がからんでくる。

AT&T は現在、数百億ドルという資金を注ぎ込んでそのネットワークのアップグレードに取り掛かっている最中で、詳細は今年の5月にリリースされており、私の Wi-Fi Networking News サイトの記事“Hunk of Network Upgrade News from AT&T”でも掘り下げて議論している。

これとは全く別のニュースとして、AT&T は、あなたが指定した電話番号に追加料金なく無制限に電話をかけられるサービスを開始する。ただし、一定以上の値段の購読プランを契約していることが必要だ。2009 年 9 月 20 日以降、(データ通信料、税金、その他の料金を除き)$60 以上の通話プランを契約している個人は 5 個の、$90 以上のファミリープランならば 10 個の電話番号を選んでこの A-List サービスが受けられる。電話番号は米国国内のものでなければならないが、固定電話でもよいし、どのキャリアの携帯電話でもよい。

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iTunes 9、クラウドソーシングと共有機能に磨きをかける

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

先週の Rock and Roll スペシャルメディアイベントで、Apple はほとんど遍在的とも言えるメディアアプリケーション iTunes の新バージョンを発表した。この最新版にはさまざまの新機能が導入されており、その一部はユーザーからのリクエストに応えたものだが、その一方で明らかに Apple が(と言うよりも肝臓を若返らせてステージに復帰した Steve Jobs が)望んだ機能と思えるものもある。

いつもと同様、Apple は iTunes Store の成功を前面に押し出し、23 カ国で一億以上の iTunes アカウントが登録されていると豪語した。これらのユーザーが購入した楽曲数は合計で 85 億曲、iTunes は今やウェブ上最大規模の店舗の一つに成長し、全世界で一位の音楽小売業者となった。

Apple によるデモは比較的短いものだったので、iTunes の新機能が私たちの頭に馴染むまでにはもう少しこのソフトウェアを使いこなすことが必要だろうが、主な新機能を挙げれば次のようになる:

  1. Genius Mix: iTunes の Genius 機能は 2700 万のライブラリ、楽曲数にして 540 億曲を処理してきたが、これにより Apple は膨大なユーザー情報データベースを手にしたわけだ。Apple はこの情報をもとに今回 Genius Mix を登場させた。これは、互いに相性のいい曲を探して、最大 12 個のエンドレス・ミックスを作ってくれるというものだ。いわば、Stephen King になり代わり、あなたが自分の好きな曲だけを放送するラジオ局を持ったようなものだ。
  2. 同期の改善: iPhone か iPod を接続した時に現われる Music タブが改訂され、ここでプレイリスト、アーティスト、またはジャンルについて自動的に同期するかどうか選べる。従来は、同期するためにスマートプレイリストを設定しなければならなかった。また、Photos タブでイベントや人々を iPhoto との間で同期できる。
  3. アプリの配置: iPhone や iPod touch の画面でアイコンをドラッグするのにうんざりしている人も多いのではないだろうか。嬉しいことに、もうその必要がなくなった。iTunes 9 で、アプリの並べ替えや、スクリーン全体の配置が、あなたの Mac 上でできる。これなら柔軟性の高い環境だ。待ちかねたぞ!
  4. ホームシェアリング: これも、重要な機能になる可能性を秘めているけれど、ある程度慣れ親しまなければその良さが実感できないタイプの機能だ。従来は、iTunes でネットワーク上の他のユーザーとライブラリを「共有」することはできたけれども、それは音楽のストリーム演奏のみに限られた共有だった。曲をコピーし合ったり、プレイリストに加えたり、その他実際に役に立つ機能はなかった。今回新設されたホームシェアリング機能では、あなたのローカルネットワーク上の最大5台までのコンピュータに限ってこうした制限が取り除かれている。中でも、楽曲やムービー、テレビ番組、さらには iPhone アプリまで、あなたのネットワーク上の他のコンピュータとの間でコピーし合うことができる点が注目に値する。自動的にコンピュータ間でコピーし合い互いのライブラリを常に同期しておけるオプションもあるが、これは iTunes Store から購入した音楽のみが対象となっている。
  5. iTunes LP: 幸い、TidBITS 読者ならきっと LP とは何かご存じだろうから、そこいらのミーハーなサイトみたいに音楽の歴史を長々と語る必要はないだろう。この iTunes LP 機能というのは要するに、レコードアルバムにはその物理的大きさゆえアーティストがさまざまのもの、歌詞、写真、解説などを添付していた、それと同じことを提供しようというのだ。CD の時代になって物理的サイズが小さくなり、詳しい情報を添付することは少なくなった。そしてデジタル音楽の時代に至り、今はほとんど打ち捨てられかけている。問題は、はたしてこの iTunes LP のコンテンツが顧客にとって魅力的なものとなるのか、それともこれはむしろアーティストたちを iTunes Store に呼び込むために、よりいっそう Apple の軌道に巻き込もうとして作られたものなのか、という点だ。それと、iTunes LP のコンテンツが利用できるのはアルバムを購入した場合に限られるので、iTunes が個別の楽曲トラックばかり販売してアルバムがちっとも売れないというアーティスト側の不満を和らげる意味もあるのかもしれない。
  6. iTunes Extras: 音楽に追加のアルバムコンテンツをもたらすのが iTunes LP ならば、ムービーに追加の内容をもたらすのが iTunes Extras だ。さまざまの追加コンテンツを楽しみたいという人々向けには、iTunes もこの機能で例えば Netflix で借り出す DVD などともっと強力に対抗できるかもしれない。
  7. 再設計された iTunes Store。私たちが Apple のウェブサイトのデザインについてコメントすることは滅多にないし、それと同じ理由で iTunes Store のデザインがどうであろうとそれを詳しく記事で解説したり分析したりする意味もあまりないだろう。Apple によれば、ナビゲーションが改善し、全体的なレイアウトがよりクリーンになり、新登場のアーティスト、新規追加のムービー、新規追加のテレビ番組といったページが加わったとのことだ。

いつもと同様、iTunes 9 は無料で、現在 82.8 MB のダウンロードで、あるいはソフトウェア・アップデート経由で入手できる。Mac OS X 10.4.11 かそれ以降を要するが、iTunes LP と iTunes Extras の各機能には Mac OS X 10.5 かそれ以降が必要だ。古い PowerPC G4 あるいは G5 ベースの Mac でも動作するが、ビデオの再生にいくらか制限が付く。

Apple はまた、PowerPC G3 ベースの Mac 用に iTunes 8.2.1 も引き続き入手できるようにしている。こちらは 77.3 MB のダウンロードだ。

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iPhone OS 3.1 アップデート、iPhone 利用法に磨きをかける

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iPhone OS 3.1 のリリースはすべての iPhone および iPod touch 機種にさらなる改善を提供し、中でも最も注目すべきはアプリのお薦め機能の追加だ。また今回のリリースでは iPhone から直接着信音が購入できるようになり、アプリケーションがどこに現われるかを整理したりロックしたりできるようになり、セキュリティホールの修正や、MobileMe を使った遠隔操作による iPhone のロックも組み込んだ。。

天才プログラミング -- iPhone App Store には 75,000 個以上ものアプリケーションがあるので、新しいアプリを見つけるのは大変な作業となることもある。Apple は今回の iPhone OS 3.1 リリースで、音楽とビデオの Genius お薦め機能を拡張し、機器上の App Store アプリの内部でアプリのお薦めを提供できるようにした。「スタッフのおすすめ」や「ホット・ピックス」などとは違い、ここでの推薦はあなたの機器に既にインストールされているアプリと、同様の嗜好を持った他のユーザーたちのアプリのライブラリとに基づいて選ばれる。

音楽に対する Genius 機能も拡張され、iTunes 9 の Genius Mix 機能をサポートした。(2009-09-09 の記事“iTunes 9、クラウドソーシングと共有機能に磨きをかける”参照。)機器が iTunes からサポートできるのは最大 12 個の Genius Mix、これはあなたの音楽ライブラリの内容をもとに自動的に生成されたプレイリストだ。

iPhone はずっと以前から着信音の購入やカスタム作成をサポートしてきたが、ファイルの管理や同期は iTunes でする必要があった。今回から、ユーザーは iPhone 上の iTunes アプリを使って直接に着信音を一個 $1.29 で購入してダウンロードできるようになった。

Apple の発表によれば 30,000 個以上の着信音がいろいろなメジャーミュジックレーベルから入手できる。カスタム作成の着信音も、あなたの Mac 上でお好きな DRM フリー楽曲あるいはオーディオをもとに GarageBand やその他のアプリケーションで作ることができるが、でき上がった着信音は iTunes から手動で同期させなければならない。

遠隔ロックアウト -- この iPhone OS 3.1 アップデートでは、iPhone や iPod touch が盗まれてしまったのではないかと思った人がきっと大歓迎する機能も付け加えられた。MobileMe による遠隔ロック機能だ。

iPhone OS 3.0 で、盗まれたり紛失したりした機器の場所を GPS、Wi-Fi、セルラー位置情報を(そのうち利用できるものを何でも)使って Google マップの上に表示する Find My iPhone (iPhone を探す) 機能が既にもたらされていた。(2009-06-17 の記事“紛失した iPhone や iPod touch を iPhone OS 3.0 で探す”参照。)

Find My iPhone (iPhone を探す) 機能では遠隔にある iPhone 上にメッセージを表示したりその内容データを消去したりもできる。ただしそこには一つ、欠陥があった。初代 iPhone と iPhone 3G とでは、データの消去に何時間もかかるのだ。ハードウェア暗号化の装備された iPhone 3GS ならば数秒で消去できるのだが。そこで、今回新たに遠隔ロック機能が登場したわけだ。

MobileMe の Settings 表示で、あなたの iPhone のパスコードを有効にすることができる。Settings 表示を選び、Find My iPhone (iPhone を探す) をクリックする。あなたの機器の位置を(それが判明すれば)示した地図の下に、新たに Remote Passcode Lock セクションが(iPhone OS 3.1 にアップデートした機器にのみ)現われる。そこで Remote Lock をクリックすれば、ダイアログが出て、パスコードの入力を促す。パスコードを二回入力すれば、即座に遠隔にある機器がアップデートされてロックされる。

mobileme-passcode

紛失した iPhone や iPod touch を使うには、その新しい方のコードを入力しなければならない。そのコードがそれ以前に設定されていたコードを置き換えているからだ。このようなセキュリティコードが存在していれば、盗人はその電話機を使ったり中の情報にアクセスしたりできないだろう。盗人に残された方法は電源を切って Find My iPhone 機能が働かないようにすることだけだ。

この新機能に加えて、ありがたいことに、もう一つセキュリティの修正がある。これまでの iPhone OS ソフトウェアには欠陥があって、クラッカーが比較的簡単にセキュリティコードを破ることができていた。これについては Rich Mogull が 2009-08-07 の記事“iPhone 3GS ハードウェア暗号化は簡単に破れる”で解説している。Apple の iPhone OS 3.1 セキュリティノートに、この問題が解決されたと書いてある。

スクリーン上にアプリをピン留め -- iPhone OS 3.1 アップデートで大きな改善点がもう一つだけある。iTunes 9 に新たに装備されたアプリ整理機能のサポートだ。待ちに待ったこの拡張機能で、やっと自分の iPhone や iPod touch 上のアプリケーションを iTunes の中で整理し、それから機器上に同期させることができるようになった。

いくつものスクリーンにアプリケーションをずらりと並べでいる私たちは皆、アプリケーションを望みの場所に置くためにさんざん iPhone と格闘しなければならなかったあの苦労がもう要らないと知って、一斉に安堵のため息をついているところだ。

小さな宝石とセキュリティの修正と -- iPhone OS 3.1 では、他にも小さな改善点がたくさんある。主なものを挙げておこう:

今回の iPhone OS アップデートには、いくつかのセキュリティ関係の修正も含まれている。先ほど述べたパスコードの問題もそうだし、「死の SMS」問題(SMS メッセージによってネットワーク接続性が中断されてしまう)の除去や、紛らわしい文字が悪意あるウェブサイトを正当なものに見せてしまっていた問題への対処、その他の修正が施された。

アップグレードの価値あり -- アップデートされた点の多くは iTunes 9 の新機能をサポートするため(そして、より多くのアプリや着信音を販売できるようにするため)という意味合いも強いが、それでもこの iPhone OS 3.1 は非常に嬉しい使い勝手の改善も含んでいて、充実したアップグレードと言えるだろう。

iPhone OS 3.1 アップグレードは、3.0 ソフトウェアを持っている iPod touch オーナーと、すべての iPhone オーナーに無料で提供される。iPod touch を 3.0 にアップグレードするにはこれまで $10 かかっていたが、Apple は今回まだアップデートしていなかった iPod touch オーナーに対してこれを $5 に値下げした。

iPhone OS 3.1 は iTunes 経由でのみ入手できる。302 MB のダウンロードなのでインストールにはかなり時間がかかる。だから、アップデートに際しては十分な時間を確保しておこう。理由はわからないが、iPod touch 上では今回のアップデートに 3.1.1 という番号が付いている。

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小さな Mac OS X 10.6.1 アップデート幾つかのバグを修正

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Mac OS X のメジャーリリースと最初のバグ修正アップデートの間隔を二週間とする伝統を守り、Apple は Mac OS X 10.6.1 をリリースした。この素早いリリースもそう驚くべきことではない:ソフトウェアエンジニアは .0 リリースが出荷されるよりも 4 から 8 週間も前から .1 リリースの作業を始めるのである。

奇妙なことに、今度のリリースは小さい - Software Update 経由の幾つかの Mac 用ではたったの 9.8 MB で、その他用で約 70 MB である。 Apple が Support Downloads に載せたバージョンは 71.47 MB で、我々がこれまで見慣れてきた Mac OS X のアップデートの何分の一にしか過ぎない。

ネットワーク管理者も Mac OS X Server 10.6.1 Updateで仲間入りをし、71.57 MB のダウンロードで下記に記した同じ問題の対策をしているのに加えて Grand Central Dispatch を使ったサービスの信頼性の向上そして複数のネットワークインターフェースを持ったサーバー上の重複シリアル番号警告の問題を解決している様に見受けられる。

Snow Leopard に加えられた構造的変更のお陰で Apple はずっと小さなアップデートで済む様になったのではないかと考えることは出来なくないとは思うが、Mac OS X 10.6.1 は少数のとりわけ重大なバグだけに対応して速やかに出されたと思う方が実情に近いと思われる。

我々は Apple がソフトウェアアップデートについて少々の有用な詳細情報を引き続き提供しているのを見て嬉しく思っている。この変化は数ヶ月前から始まった。ついでに我々としては、より表現の曖昧な項目を肉付けするため彼らが短編作家やユーモア作家を雇うのを応援したい。(我々も自分流でやってみた。)

10.6.1 のリリースノートは簡単で、KnowledgeBase 記事では、具体的な改良点としてたった 9 個しかとりあげていない。

更に、明らかに他にも変更点はある。我々が 10.6.1 を使ってみて、数多くの小さな不便が取り除かれているのを発見している:

悪い側では、まだバグが幾つか残っており、次のもその一つである:

そして少なくとも一つの新しいバグが持ち込まれた (そして報告された):

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TidBITS 監視リスト: 注目のソフトウェアアップデート、14-Sep-09

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

St. Clair Software の Default Folder X 4.3.1 は 開く・保存 ダイアログ拡張ユーティリティのメンテナンス・アップデートだ。変更点の主なものは Recent Folders サブメニューでファイルやフォルダを日付順にも名前順にも並べ替えられる機能、開く・保存 ダイアログを使う Safari プラグインのサポート、Snow Leopard の 開く・保存 ダイアログをカラム・アイコン・リスト表示にした場合にもコンテクストメニューを表示できる機能などだ。また、いくつかの問題点にも対処が施され、主なものとしては Snow Leopard のメニューバーで Default Folder X のアイコンの代わりに白い四角が見えていた問題、Get Info (情報を見る) コマンドの起動に非常に時間がかかっていたパフォーマンスの問題、主に Final Cut Pro、QuickTime Player 7、その他ファイルの書き出しに QuickTime を利用するアプリケーションで起こったウィンドウ管理の問題などがある。(新規購入 $34.95、アップデート無料、10.6 MB)

Sustainable Softworks のPhone Amego 1.0.3 は、Bluetooth 携帯電話をユーザーが Mac からコントロールできるソフトウェアのメンテナンス・アップデートだ。変更点の主なものとしてはメインメニューに Hang Up 項目を追加、電話番号の Address Book フォーマットでの表示、close ボタンの Command-クリックで通話を切らずに通話ステータスウィンドウを消す機能、rfcommChannel が閉じた際の復旧機能の改善、通話開始前に電話番号を傍受する AppleScript コマンドの追加、局番ダイヤルのサポート、起動時の Bluetooth 接続開始の高速化などがある。また、Yahoo Search が通話ステータスウィンドウでも一貫して使えるようになり、Google Voice が通話に失敗した場合に通話情報がログに記録されるようになり、ユーザーがメニューから Google Voice 転送番号を Option-クリックすることでどの番号を鳴らすか選べるようになった。($20、アップデート無料、963 KB)

SmileOnMyMac の PDFpen 4.2.1PDFpenPro 4.2.1 は、同社の PDF 編集ユーティリティの最新バージョンだ。今回のアップデートでは、PDF 書類を開く際の問題や、Quartz フィルタ、クリック選択の挙動、IRS フォームへの記入の際の問題など、いくつかの Snow Leopard 関係の問題点が修正された。また、Combine PDFs と Split PDF の両スクリプトが Rosetta を要せず動作するようになった。(新規購入 $49.95/$99.95、アップデート無料、11.9 MB/12.1 MB)

Parliant の PhoneValet Message Center 6.0.3 は Mac OS X ベースのハードウェア・ソフトウェア電話管理パッケージの互換性アップデートだ。この最新バージョンでは Snow Leopard 互換性と 64-bit のサポートを追加している。(一回線あたり $169.95、6.x ユーザーには無料アップデート)

Dejal Systems の Simon 2.5.3 はインターネット監視ツールの Snow Leopard 互換性アップデートだ。それ以外の変更点としては iPhone Report Template のアップデートによる Back ボタンの挙動の改善、E-mail プラグインからデバッグ情報を出力できる隠し設定、E-mail プラグインが送信者でなく受信者の SMTP サーバを使うようにする隠し設定、日本語翻訳版の追加などがある。($29.95 から $195 まで、アップデート無料、11.8 MB)

Rogue Amoeba の Airfoil 3.3.3Audio Hijack Pro 2.9.3 は、ワイヤレスオーディオ配布ツールとオールラウンドのオーディオ録音ユーティリティの Snow Leopard 互換性アップデートだ。これで同社の全製品が Mac OS X 10.6 完全互換となった。(新規購入 $25/$32、アップデート無料、10.1/6.2 MB)

Maintain の Cocktail 4.5 は汎用メンテナンスツールの大きなアップデートだ。変更点の主なものは Snow Leopard 互換性の追加、64-bit のサポート、Pilot の速度強化、Automator アクションのアップデート、ヘルプファイルの改訂、ソフトウェアアップデート用フレームワーク Sparkle の更新などだ。($14.95、アップデート無料、2.0 MB)

CS Odessa の ConceptDraw Updates は、同社の一連のブレインストーミング、プロジェクト管理、ビジネス用グラフィックス・作図ソフトウェアに Snow Leopard 互換性をもたらしている。アップデートされた製品は ConceptDraw Office、ConceptDraw Pro、ConceptDraw Mindmap と ConceptDraw Project だ。(ConceptDraw 製品の現オーナーには無料アップデート)

Apple の HP Printer Drivers for Mac OS X 10.6 には「Snow Leopard 用に最新の HP プリンタとスキャナ用ソフトウェアが含まれて」いる。サポートされるプリンタのリストやインストールのための追加情報が Apple のウェブサイトにある。このアップデートは Mac OS X 10.6.1 を要し、ソフトウェア・アップデートから、あるいは Apple のサポートダウンロードページから入手できる。(無料、381.5 MB)

Apple の iMac Graphics Firmware Update 1.0.2 は、Mac OS X 10.5.2 かそれ以降が走り ATI Radeon HD 2600 Pro または ATI Radeon HD 2400 XT グラフィックカードのインストールされた iMac で、グラフィックカードのファームウェアをアップデートしてシステムの安定性を高める。このアップデートはソフトウェア・アップデートから、あるいは Apple のサポートダウンロードページから入手できる。(無料、850 KB)

Apple の Apple RAID Card Firmware Update は、起動時、および電源に問題が発生した場合の復旧時の信頼性を向上させ、バッテリ処理とレポート作成を拡張し、降格された RAID 5 の再構築時に起こりうる問題(詳細は不明)に対処し、オンボード・フラッシュ・ファイルシステムが最大まで書き込まれる可能性のある問題を修正している。このアップデートは Apple RAID カード搭載のすべての Mac Pro および XServe システム (Late 2006、Early 2008) に推奨される。アップデートをインストールするには、インストールが完了した後に自動的に起動するアップデータアプリケーション (/Application/Utilities/Apple RAID Card Firmware Update) の指示に従えばよい。このアップデートはソフトウェア・アップデートまたは Apple のサポートダウンロードページから入手できる。(無料、26.12 MB)

Mozilla の Firefox 3.5.3 は人気のウェブブラウザのセキュリティおよび安定性のためのアップデートだ。今回のアップデートでは、アタッカーが高度な特権で任意の JavaScript コードを実行できる可能性のある問題、悪質なサイトの URL をユーザに見せないようにすることが可能であった問題、ユーザーのブラウザをクラッシュさせてメモリを破壊し任意のコード実行に利用できていた問題など、いくつかの重大なセキュリティの問題点に対処している。また、この最新版では Flash Player のアップデート自動チェック機能も導入された。これでユーザーが最新バージョンの Flash Player を走らせていることが保証され、セキュリティの脅威の可能性に対する保護ともなる。(無料アップデート、17.6 MB)

Apple の QuickTime 7.6.4 for Leopard は、マルチメディアソフトウェアに対するセキュリティ、安定性、および互換性の改善のためのアップデートだ。主な変更点は iTunes 9 のサポートと Windows Vista でのオーディオデバイスサポートの強化だ。対処の施されたセキュリティ脆弱性は、悪意を持って作成された MPEG-4 ビデオ、H.264 ムービー、あるいは FlashPix ファイルを開いたり再生したりした際に、アプリケーションがクラッシュしたり任意のコードが実行されたりする問題だ。このアップデートはすべての QuickTime 7 ユーザーに推奨され、ソフトウェア・アップデートから、あるいは QuickTime ダウンロードページから入手できる。(このアップデートは Mac OS X 10.6 Snow Leopard ユーザーが既にオプションで QuickTime 7 をインストールしている場合には適用されないようだ。)(無料、59.4 MB)

Extensis の Suitcase Fusion 2.v13.2 は、人気のフォント管理ユーティリティのメンテナンスおよび互換性のためのアップデートだ。この最新バージョンでは Snow Leopard と、InDesign と Illustrator CS2 用の Font Sense テクノロジーを使った Adobe プラグインのサポートが追加され、また True Type コレクションフォントもサポートされた。(新規購入 $99.95、アップグレード $49.98、31.4 MB)

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14-Sep-09 号のおまけ話

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

広まっている SuperDrive の問題を探求 -- 広く発生しているらしい SuperDrive の欠陥について Apple ユーザーフォーラムでその報告を追跡しようと試みたが、この種の広域的な問題を正しく評価するのは難しいと気付かされた。ただ、何らかの重大な問題が現に存在していることだけは確認できる。(Doug McLean, 2009-09-14)

N新型の iPod Touch は 802.11n チップを搭載 --最新型の iPod touch に Apple がシングルストリームの 802.11n チップをひそかに盛り込んでいることを iFixIt が発見した。ネットワーキングが高速化したのか? それよりも、メディアプレイヤーとしてのネットワーク機能が向上したとみるべきだろう。(Glenn Fleishman, 2009-09-12)

Apple のイベントをオンラインで観よう -- Apple のスペシャルイベントに招待されなかったけれど、生中継の筆写記録を読むだけでは物足りない、本物が見たいという人は、Apple の Keynotes ポッドキャストを購読しよう。(Adam C. Engst, 2009-09-12)

Sprint、時間計測のないモバイル通話を提供 -- Sprint が新たに時間計測なしのプランで、米国国内のどの携帯電話にでも分計算に関係なく通話できるものを始めた。このプランではテキスト、データ、ビデオ、MMS、GPS ナビゲーションについてもプリセットの制限がない。(Glenn Fleishman, 2009-09-10)

Microsoft Word の Page Up/Down キーをハック -- Page Up や Page Down のキーを押すと挿入ポイントも一緒に動いてしまうという Microsoft Word の挙動(たいていの Mac アプリケーションはそういう風には挙動しない)にイライラしている私たちに同意して下さるなら、追加のソフトウェアを一切使わずにそれを解決する方法があるのでどうぞ。(Pete Resnick, 2009-09-08)

書籍をめぐる Google の和解が暗礁に -- 著者たちや出版社たちを代表する団体と Google の間で提案された和解案は、過去に Google が著作権下の書籍をスキャンしたことに関するものだったが、そのような和解がこの検索の巨人に与えるであろう有利な立場を考えれば、立ち消えになるのかもしれない。(Glenn Fleishman, 2009-09-07)

Snow Leopard のスクリーン共有のバグを解決 -- Snow Leopard のスクリーン共有機能には重大なバグがある。接続した際に遠隔スクリーンが真っ暗になったりフリーズしたりするのだ。幸いなことに、この問題にはシンプルな、しかし繰り返し操作の必要な修正方法がある。(Glenn Fleishman, 2009-09-07)

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ExtraBITS、14-Sep-09 版

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple、Grand Central Dispatch をオープンソースとしてリリース -- Snow Leopard の Grand Central Dispatch は、開発者がマルチコア Mac の利点をフルに活用できるようにするための新テクノロジーだ。Apple は今回、この Grand Central Dispatch を Apache オープンソースライセンスの下に利用できるようにし、Linux や Unix の開発者もこれを採用するよう促した。MacResearch が、科学者たちが Grand Central Dispatch を利用してクラスタやスーパーコンピュータでのコード並行化に応用するようになるかもしれないと論ずる。(リンク投稿 2009-09-14)

AT&T、留守番電話から呼び出し機能の説明を削除 -- New York Times コラムニスト David Pogue の“Take Back the Beep”キャンペーンが初の勝利を勝ち取った。留守番電話で説明が流れて通話時間を浪費するのを止めさせようというキャンペーンだ。AT&T が、説明の中から“To page this person...”(この人をポケベルで呼び出すには) という部分を削除し、45 歳以下の人には意味不明 (「ママ、ポケベルってなあに?」) だった数秒間をなくした。(リンク投稿 2009-09-11)

iPhone での楽曲購読が Rhapsody で到来 -- Real Networks の提供する購読ベースの Rhapsody 音楽サービスが、iPhone と iPod touch 用のアプリで利用できるようになった。このサービスを使えば、月額 $15 で 8 百万曲のライブラリから無制限で音楽が聴ける。このアプリは音楽をストリーム提供するのみで、このバージョンでは一時的に曲をダウンロードすることすらできない。(リンク投稿 2009-09-10)

MacJury ポッドキャストが Apple の発表を議論 -- TidBITS 編集者 Glenn Fleishman と Jeff Carlson が、Chuck Joiner の MacJury ポッドキャストで Adam Christianson、Keith Lang、Chuck La Tournous と、音楽と iPhone OS 関係の Apple の発表をめぐるさまざまのニュースについて語り合う。第一部と第二部にわたって多くの話題が出たが、たどり着いた結論は Norah Jones は“rock and roll”じゃないということだった。(リンク投稿 2009-09-10)

人間とコンピュータの境界線に目を向けよう -- TidBITS 編集者 Glenn Fleishman が The Economist に執筆したこの記事が、CAPTCHA の現状について考察する。あの、コメントを投稿したりオンラインでチケットを購入したりする際に入力を求められる、歪められた文字の画像だ。TidBITS も、一言裏技の投稿や著者への電子メールに際して reCAPTCHA を利用している。(リンク投稿 2009-09-07)


TidBITS Talk/14-Sep-09 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Snow Leopard と ZFS ファイルシステム -- ZFS ファイルシステムは、どうやら Snow Leopard でサポートされなくなったらしい。読者たちが、ユーザーにとって ZFS にそれほど切実な必要があるのかどうか議論する。(メッセージ数 6)

Snow Leopard へのアップグレード体験を投稿 -- あなたはもう Snow Leopard をインストールしましたか? もしも問題に出会ったのなら他の人たちの体験が参考になるかも。(メッセージ数 47)

iCal をバックアップから復旧 -- iCal カレンダーをバックアップから復旧させるために、ある読者がいろいろなコンポーネントをどこから探すべきか、助言を受ける。(メッセージ数 2)

AirPort ワイヤレスの問題 -- これまで機能していたワイヤレスネットワークが、どういうわけか使えなくなった。問題はケーブルがダメになったということなのか? (メッセージ数 2)

コンピュータを買う前に新しい外付け HD を -- 新しい外付けハードドライブを購入するに際しての助言をどうぞ。(メッセージ数 3)

新しいビデオ付き iPod nano について -- 新型 iPod nano のビデオ録画機能は接続した Mac でコントロールできるのか、その他の USB コマンドにどうやってアクセスするのか、ある読者が質問する。(メッセージ数 3)


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