TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS-J#303/13-Nov-95

今週、コンピュータ産業界の注目はLas Vegasで開催されているCOMDEX に向けられているであろうが、これは全世界で起こっていることからすれ ばそれ程のことではない。ということで、OpenDoc 1.0、BBEditの新し いバージョン、そしてNetscape Navigatorが入手可能になったニュース、 それに加えてクローンメーカーであるRadius 社の最近の痛手や海外で のAdobe PageMill入手に関しての苦労についてをお伝えしよう。また、 10,000ドルのInternetセキュリティチャレンジについてや、Adamに よるApple社とeWorldのInternetへの明白な移行についての考察をお 届けする。

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目次:


MailBITS/13-Nov-95

(翻訳:齊藤聡 <mh9a-situ@asahi-net.or.jp>)

OpenDoc 1.0 & SDK 入手可能! Apple 社は1996年中にハード ウェアのバンドルするMacOSの一部に、また付加的なシステムソフトウ ェアのコンポーネントにOpenDocを含めることを予定している。しかし、 もし望むならそれよりも早く入手することができる。Apple 社はMac 用 のOpenDoc Software Development Kitを入手可能とすることを先週 発表した。これにはOpenDocデベロッパーのためのサンプルコードとツ ールはもちろん、完全なOpenDoc 1.0 リリース版が含まれる。おそらく、 無料のデベロッパーCDは <opendoc@apple.com> にメールすることによ り手に入れることができるが、メッセージのいくつかはそのアドレスに受 け付けられないかもしれず、私には入手の保証はできない。

http://www.opendoc.apple.com/

OpenDocをダウンロードする前に2つのことを知っておく必要がある。 第1に、入手できる対応コンポーネントはほんのわずかしかなく、アプリ ケーションソフトのサポートは全くないので、大部分の人にはOpenDoc のインストールは意味がない。300のデベロッパーは1996年に OpenDoc準拠のプログラムを出荷することを明言しているが、それはまだ はるか先のことだ。第2に、OpenDocは大きい。 基本 インストーラ と2つ3つのサンプルコンポーネントがおよそ4MBあり、デベロップメ ントツールはそれに加えて圧倒的な20MB以上の大きさである(Apple社 はモデムを使う人に対し、小さいファイルに分けることを親切にも準備し ている)。それでもしデベロッパーや末期的な物好きでないなら、すぐに OpenDocをインストールする気持ちを駆り立てる理由はない。私は OpenDocをリリースし、 -さらにましてや- 無料で入手可能にしている ことについてApple社を賞賛する。このリリースは、IBM社がNovell社 から、Novell社は公式には技術的問題にのみ関わっているとされているが、 OpenDoc for Windowsの開発を引き継いだという発表をあて追いして いる。[GD]

10,000ドルインターネットセキュリティチャレンジ --私は、 TidBITS-295でWebMaster Macintoshセキュリティチャレンジバック について書いた。 そして予期したとおり、誰もWebSTARセキュリ ティを破ることはできず、WebEdge会議のフリーパスの賞品を要求でき なかった。いまや賭金は増大した。7つの会社 - StarNine、EveryWare、 Maxum、ComVista Internet Solutions、WebEdge、Digital Forest そしてWestwind Computing - は10,000ドルのより儲かる賞品を提 供することに合意した。新しいチャレンジは同じようなものである。一般 に入手不可能な情報を見つけてWebSTARセキュリティを破り、1996年 11月30日の真夜中までにそれを報告すること、である。興味のある人は、 詳細をオンラインで受け取ってほしい。[ACE]

http://challenge.comvista.com/

COMDEXでのハイエンドDOSカード -- 今週 Las Vegas で開催 された COMDEX でApple 社がデモンストレーションした多くのものの 中に、PentiumとCyrix 588チップの両方をベースとする“PC Compatibility Cards”のプロトタイプがあるだろう。長いこと噂されて いたように、これらPCIベースのカードはAppleの現在の486ベースの DOS Compatibility Cards を引き継ぐ。価格や入手方法の情報は漏れて きていない(安くはないのだろうが)。[GD]

Linux、説明 TidBITS-302 のMailBITでは、WordPerfect社 とQuattro Pro社を売るというNovell社の意向に関して、GNU General Public Licence (GPL)のもとで配布されているLinus Torvaldの人気の あるUnixクローンLinuxの販売権を、Novell社の前CEOであるRay Noordaが統制しているとほのめかした。言い回しは発行物上でのNovell 社とNoorda氏の公的な声明から来たものであるが、堂々とLinuxがシェ アウェアであるとしたり、Noorda氏がLinuxの 全ての 販売権を統制 しているとほのめかすような誤記があった。

第一に、Linux は GPL のもとで配布されておりシェアウェアではない。 第二に、Noorda Family Trust からの資金で Bryan Sparks により創 設された会社 Caldera,Inc.は Caldera Network Desktop(今、「プリ ビュー」リリースである)の一部としてGPLのもとで付加的な専売のコン ポーネントと一緒に Linux を配布している。これは決して相入れない組 み合わせではない。Noorda が Caldera社 を巻き込んだということは正 確ではない。Caldera 社は法人ユーザーのためのLinux ベースの製品系 列を用意している。Caldera がCaldera Network Desktop で OpenDoc のサポートを計画して以来、 Caldera もまた Mac 共同体に 興味を持っている。[GD]

ftp://prep.ai.mit.edu/pub/gnu/GPL
http://www.caldera.com/

IKEA -- 私が最近名を挙げたJerkerの机について、カタログを入 手して購入したかった人に対して、電話番号をつきとめられなかったこと を申し訳なく思う。IKEAの800番は地理的に限られていることが分った。 それでUSの東海岸の人は最初の一つを試し、西海岸の人は2番目を試し てほしい。また、800番でないものとfax番号(カタログ取り寄せのため - 自分の住所をfaxする - )は、どこでもつながる。最後の2つはシア トルローカルの番号なので、あなたの地域や国にあった番号を問い合わせ てほしい。800番は何らかの理由で私の電話からは通じなかった。もし全 部だめなら800でないものを試してほしい。 IKEA -- 800/434-4532 -- 800/570-4532 -- 206/656-2980 206/656-8104 (fax) [ACE]


困窮するRadius

by Geoff Duncan <geoff@tidbits.com>
(翻訳:山浦礼子<raeko@bnn.co.jp>)

ほとんどの者が驚くことはないだろうが、ビデオやグラフィックスの周辺 機器の会社であり、MacintoshクローンメーカーであるRadius社がよほ どの窮地に立たされているに違いない、という兆候が先週、現われ始めた。 Radius社は、先週320の従業員のうちのほぼ半数を解雇し(9月の80 人の解雇に続いて)、会社、あるいは少なくともMac クローンに関して のライセンスが売りにだされているという噂が広まっている。

MacWEEK によると、Radius 社は95年9月30日で終了する年度四半 期の決算で2千万ドルの損失を発表するものと予想され、予想以上に相当 に高額な数字である。Radius社の重役達は、ビデオカードやモニタの利 益率の下降による損失、や81/110 Macintoshクローン・システムの供 給が十分でなかったことを非難していると伝えれている。また、Telecast システムを含む、多くのハイエンドのビデオ製品の売り上げが不調であっ たことにもRadius社は痛手を受けている。

http://www.zdnet.com/~macweek/mw_11-06-95/radius.html

興味深いことに、Radius 社は10,000台ほどのマシンを生産しているが、 売り上げはその10%にも満たないことを指摘している。Radius社のクロ ーンの売り上げは、Apple 社による最近の価格引き下げで、Radius社の マシンがほぼ同等のパフォーマンスを提供する製品でApple社のものよ りも高額になってしっまたことにより、大きな痛手を受けたに違いない。 また、Radius社の価格は、Appleの部品に依存していたために、高額に なったものと考えられる。

Radius社は、まだ、PCI ベースのMacintoshクローンを1996年の早 い時期までに生産することを表明しているが、一方でRadius 社が、クロ ーン開発に携わるとともに2機種の新たなモデルの設計に従事していたグ ループを解雇している。Radius 社が計画とデザインを持ち合わせていた としても、キーとなる人材と資本を持ち合わせていなければ、結果として 生産を行うことが無理なことは明白である。

最近の解雇に付け加えて、Radius 社はエンジニアやソフトウェア・デベ ロッパーの流出に悩まされている。彼等の多くは現在、Silion Graphics と(驚いたことに)Microsoft 社のMacintosh 開発プロジェクトで働い ている。

Radius社における問題がMacintoshクローンへ投機したことから生じ ているとしても、ハイエンドのMacintosh市場に的を絞ることがビジネ スとしては良いものでなかったということはよい教訓となったであろう。 ハイエンドのMacintoshラインから多くの利益を得るというのは基本的 に過去のことであり、Macが他のプラットフォームと競合しつづけられる かどうか、といったことに応えるべきである。Intel の世界では利益率よ りも量で稼ごうとしたのだから、クローンは成功することができたであろ う。しかしながら、現在では、すべてのMacintoshクローンはミドルか らハイエンドのMacintoshの世界に向けて売られている。確かに、こう した市場では、Apple 社の影響を脱し、クローンメーカーがユーザーに対 して独自の技術を提供しやすいように思われるかもしれないが、Radius 社の事例が示しすように、Apple 社の牙城ともいえる市場に非常に近いと ころで商業的なモデルを確立するのは不可能のように思われる。


BBEdit Lite と BBEdit 新バージョン

by Tonya Engst <tonya@tidbits.com>
(翻訳:山浦礼子<raeko@aol.com&gt

ポピュラーなテキトエディタであり、テキストベースのHTML オーサリン グ・ツールである、BBEditは、過去数年の間に格段の成長を遂げ、もっ とも最近のアップデートではいくつかの価値のある機能の追加やフィック スが含まれている。

http://www.tiac.net/biz/bbsw/news.html

フリーウェアのBBEdit Liteは、現在バージョン3.5で、バグをフィック スしてテキストラップの全面採用、FindとPreferences ダイアログボッ クスの改良、そしてより趣向をこらしたGet Infoオプション(文字、語 句、行、ページ数などのカウント)などいくつかの機能を改善。また、今 回 BBEdit Lite は PowerPC のコードをテキスト・エンジンとして採用 した。

http://www.tiac.net/biz/bbsw/freeware/BBEdit_Lite_3.5.hqx

フルバージョンのBBEditは販売されており、しかし、バージョン3.5の 登録ユーザーは3.5.1へ無料でアップデートできる。新しいバージョンで は多くのバグを修正し、さらにインターフェイスの細部をいろいろと改良 を加え、またより簡単にAppleScriptやFrontierでコントロールできる ようになっている。Bare Bones社によると、新しいバージョンは“劇的 な改良”によりすべての機能を改めてくれる。もしもあなたが、BBEdit 3.5 のコマーシャル・バージョンを持っているようなら、アップデータをダウ ンロードして現在のものアップデートできる。

ftp://ftp.std.com/vendors/bbsw/updaters/BBEdit_3.5.1_Update.hqx
ftp://ftp.netcom.com//pub/bb/bbsw/updaters/BBEdit_3.5.1_Update.hqx

Bare Bones Software -- 508/651-3561 -- 508/651-7584 (fax) <bbsw@netcom.com>


WordPerfectとClaris?

by Dave Martin <dave@gerga.tamu.edu>
(翻訳:杉浦雄一郎<ysugiura@direct.ca>)

Novell社がWordPerfectとQuattro Proを売りに出しているが、ここは皆で Claris社が名乗りを挙げるように圧力をかけたいところだ。Claris社がま だこれらの製品の買収に真剣に乗り出していないことを前提にしているの だが、たとえClaris社がすでに交渉を始めていたとしても買収の支持を表明す る電話が殺到すれば、Claris社も後に退けなくなるだろう。この2つの製 品をClaris社が買収することがなぜ大切なのだろうか? まず第一に、 WordPerfect for MacintoshがMacintosh用ソフトウェアのしっかりとした 開発経験のない会社の手に渡ってしまったら、このソフトウェアの今後の 開発は中止されかねないし、良質なテクニカルサポートも期待できない。 この製品の存在そのものが宙に浮いてしまうという危惧あるということ だ。また、比較的新参の小規模な会社に任せるのもリスクが大きい。なぜ ならこれら2つのメジャーな製品をクロスプラットフォームで開発しサ ポートしていく力がそういった会社に果たしてあるのかどうか、また会社 が今後生き残っていけるのかという不安を潜在的なユーザーや投資家に与 えてしまう可能性があるからだ。さらに、若くて小規模な会社ではMac Quattro Proの出荷にかなりてこずることが予想される。なぜAdobe社、 Quark社などのMacに強い基盤を持つ会社ではなくClaris社なのかという声が あがるかも知れないが、それではMicrosoft社が長年してきたことをApple 社がやらない理由はあるかということを問いたい。Microsoft社は自社の オペレーティングシステムのためにワードプロセッサと表計算ソフトウェ アを作っており、サードパーティーのディベロッパーと直接競合してい る。Apple社も同じことをやってやれないことはないはずだ。MacWrite Proも単独では無理があるかも知れないが、WordPerfectとMacWriteのそれ ぞれの長所を組み合わせることによりかなりの潜在力が出てくる言える。

Claris社はすでにクロスプラットフォームを十分に意識しているが、 WordPerfectを買収すれば、大規模なインストールベースを持つDOS/ Windows用の人気ワードプロセッサに加え、WordPerfectのMac版も得る ことができる。このMac版WordPerfectには、Microsoft社のMac用アプリ ケーションの使用を嫌って、乗り換えるユーザーが増加してきている。また Quattro ProはClaris社独自のオフィスものを構築する足掛りとなるだろ う。Claris社は既にMacintosh版とWindows版のFileMaker Proを持って いる。WordPerfect、Quattro Pro、FIleMaker Pro、ClarisDrawを中心に据 えたクロスプラットフォームのビジネスアプリケーションパッケージ(あ るいはOpenDocのパーツ一式)を想像して見てほしい。これにEmailerと Claris Organizerを添えて適切な価格で販売すれば素晴しいバンドルとな るだろう。

もちろんClaris社にも障害が予想される。NovellがQuattro Proの Macintoshへの移植をしていない限り(していたら意表をつかれるが)、 Claris社はMac版の開発を一から始めなければならないだろうし、プロ グラムの統合化もしっくりと行かないだろう。Claris製品同士のインター フェイスでさえしっくりとは馴染まないのだから、WordPerfectも今のま まではClaris社のアプリケーションのような外見と動作というわけにはい かない。また、製品寿命にも疑問がある。Claris社は以前にもアプリケー ションパッケージを試みたことがあるが、Claris Resolveを購入したもの のその後製品がClaris社によって放棄されてしむという憂き目にあったユ ーザーがかなりいるはずだし、SmartFormsについても同様のことが言える。

どこがWordPerfectとQuttro Proの両方あるいはいずれかを購入するにし ろ、これらのプログラムのインストールベースの規模を考えると悪夢とも いえそうなテクニカルサポートもついてくるということは間違いない。買 い手が現在のテクニカルサポート部隊のかなりの部分も買い取らない限 り、新たに大規模なテクニカルサポートグループを作り上げ、トレーニン グする必要があるだろう。

しかしながら長期的にみると、Claris社がWordPerfectとQuattro Proを上 手に取り入れることさえできれば、これらのソフトウェアが将来 Macintosh市場において十分な競争力をつける見込みは十分にあると思わ れる。Macintosh版WordPerfectは近年苦労して実績を積んできており、 Apple社の新技術も素早く取り入れるなど真剣に競争力をつける努力をし てきた。こういった努力が水泡と化してしまうのはあまりにもったいない と言えよう。


PageMill フレンチコネクションに失敗

by Tonya Engst <tonya@tidbits.com>
(翻訳:遠藤 美加<HGD01374@niftyserve.or.jp>)

PageMill メーリングリストの日本人読者の最低一人からは、PageMill のオンラインでの購入に成功したとの報告がありましたが、ヨーロッパの 購入環境は大いに改善の余地があるようです。以下は Adobe 社のアメリ カ支社による公式発言で、Adobe 社の社員 Kelly が PageMill メーリ ングリストに発表したものです。

「海外からのオーダーについてニュースがあります。Adobe 社には、強 力なヨーロッパの販売機構があり、PageMill を異なった方法で取り扱っ ています。ですから自社との競争を避けるため、ヨーロッパに対する Web での販売はできません。また、現在アメリカと通商を停止中の国々、つま りキューバやリビアに対しても同様です。ご注文されても、注文センター には販売不可能な約60ヶ国のリストがあります。あなたの電話の国際識 別番号や住所が、販売不可能国の一つに当てはまれば、ご注文を承ること はできません。」

Richard Erickson氏 <erickso@world-net.sct.fr> のことを最近の パリの Apple Expo 報告から思い出すかもしれませんが、彼はこの 件について、もっと個人的な報告をしてくれました。

PageMill について TidBITS-290TidBITS-295 、そして TidBITS-296 で読んだり、Ceneca Communications 社とリリース の日について、何通かのメッセージのやりとりをしてからというもの、こ のソフトウェアがリリースされる日を心待ちにしていました。

http://www.adobe.com/Apps/PageMill/

そして、リリースの知らせを載せて TidBITS-302 が到着。さらに嬉しいことに、カリフォルニアの東、時差9時間の場所に住む私達にとってこ のニュースは、将来のソフトウェア配布のヒント、いや、夢を含んでいた のです。Tonya はこう書いています、「(メーリングリストの)メンバー は Adobe 社から PageMill をオンラインのダウンロードでの購入に成 功したと報告しています。しかしあなたがこの製品をダウンロードして購 入する際は、ダウンロードできる特別な URL をファックスで知らせてく れるので、ファックス番号が必要です。」

うん、ファックス番号はある、それからクレジットカードも、モデムも、 それに Web ブラウザや FTP ダウンロード用の Anarchie も持ってい ます。他に役立つことは? 今日のフランのレートはいくらだっけ? 99 ドルって500フラン以下かなあ? 家から歩いて5分の新聞屋のおばさ んにもファックスを使わせてもらうから20フラン渡して。Acrobat Reader も持っているし。よし、完璧だ!

Web URL を TidBITS からコピーして、Web ブラウザにペーストし Return キーを押して。

http://www.adobe.com/Apps/PageMill/orderform.html

ほとんどのアメリカ人は眠っている時間なので接続も高速です。Web フ ォームに名前、住所、電話番号、ファックス番号、クレジットカード番号 を記入して、それから - ページの一番下に - 見つけたのです。「現在の ところ残念ながらヨーロッパ諸国からのご注文は受けておりません。製品 購入が可能かどうか、国内の Adobe 社公認店にお問い合わせください。」

フランスでは、Adobe 社は比較的新しく Adobe Shop と呼ばれており、 アメリカの 800番と同様なフリーダイアルがあります。電話をするとコ ンピュータの音声で、数多くの電話番号が告げられます。しかし結果はゼ ロでした。電話用にプログラムされていない情報が欲しい場合、自動でも フリーダイアルでもない番号を知らされることになるのですが、話し中で した。その後、11分待ってわかったことは(1回電話すると73サンチー ムかかります)、この製品の名前はよく知られているものの、Adobe 社 はこの国での入手方法を知らないということでした。

Adobe 社への電話のあいだに、MacZone と MacWarehouse-France にも電話をしました。しかしどちらもこの製品の名前を聞いたことはない そうです。もちろんアメリカのベンダーに電話して PageMill を注文する ことだって 可能 です。 Adobe 社から綿密な規制を受けていない限り、 アメリカのベンダーは製品を発送してくれるでしょう。でも、それは 問題ではありません 。この上もなく幸福に思えたほんの少しの時間、 ソフトウェア配布の将来の姿が到来したように思えたのです - それは、 航空貨物に「チャオ!」と挨拶し、店も、倉庫も、現金も、紙のオーダー 用紙も、パッケージも、ビニールの包みも、紙のマニュアルも、そして登 録ハガキもいらない、そんな将来なのです。

[先週号を見逃した方のため、PageMill メーリングリストを探す場所を ここにあげておきます。 -Tonya]

http://www.blueworld.com/lists/pagemill-talk/

Adobe Shop (in France) -- 05 90 86 78 -- 44 131 451 1699 (fax)


Netscape 2.0b2入手可能に

by Geoff Duncan <geoff@tidbits.com>
(翻訳:水木 潔<HGH03125@niftyserve.or.jp>)

Netscape Communications社は最近Netscape Navigator 2.0のベ ータ版第2号を発表した。このバージョンは、ベータ版第一号の致命的な バグのいくつかの修正、メールおよびニュースリーダーの改善バージョン、 そしてNetscape独自のスクリプト言語であるLiveScriptの仮提供を含 む、いくつかの点で向上している。このバージョンは、また、より安定だ と宣言しており、しおり機能(ブックマーク)および住所録(アドレスブ ック)のインターフェイスの改善を提供し、そしてモデムでインターネッ トに接続している人々の為に追加のネットワーキング改善をしていると言 っている。Netscapeは世界的なミラーサイトをリストに載せているWeb ページを持っており、もし一つのサイトが接続を拒否しても、他の近くの サイトを試せる。このベータ版のNetscape Navigatorは96年1月21 日まで使用可能だ。

http://home.netscape.com/comprod/mirror/mac/

LiveScriptとは? このベータ版は、Netscape 独自のスクリプト 言語、LiveScript の仮提供を特色とする。LiveScript は大まかにJava を基本にしているが、経験のないプログラマーにより使いやすく設計され ている。LiveScript は、Netscape 社自身の告白では「標準以下の物」 で、これの意味するところは人々がこれで出来ることには重大な限界があ ると言うことだ。LiveScriptは、どの標準仕様の一部でもなく、また (当然)Netscape 社のブラウザでのみサポートされており、このことは 多くの評価において LiveScript を一連の非標準の「Netscape主義 (Netscapisms)」のもう一つ別の物にすると言っている。

http://home.netscape.com/comprod/products/navigator/version_2.0/script/

さらに、LiveScript はまだ最終版ではない - これは単なる「予告」だ。 この言語の主要な部分は作成されておらず、現在ある部分も断りなく変更 されうる。いくらかの仮の(そして不完全な)情報がオンラインで手に入 り、それはNetscape が何をしたいのかを垣間見せている。Java より LiveScript をより使い易くしている一つは「型宣言のおおまかな」ラン タイムシステムにある。理論的には、これはCよりHyperTalk により近 い;しかしながら、LiveScript はHyperTalk の様なより使いやすい言 語よりもまだかなり鈍く、明らかにUnix/C++ を起源に持つことを示して いる。

http://home.netscape.com/comprod/products/navigator/version_2.0/script/script_info/index.html

LiveScript の背後にある基本的考えは機能を(<SCRIPT>タグで) HTML ページ内に埋め込むことができ、そしてある種の出来事が起こった ことをクライアントが検知した時に埋め込んだ機能が呼ばれる。例えば、 あなたはあなたのWeb ページでボタンがクリックされた事に反応して音 を鳴らすように LiveScript を使うかもしれない、あるいはあなたは書式 入力がある種の基準に合っているか確かめるためにそれを使うかも知れな い、あるいは(多分)プラグインあるいいは別のアプリケーションと相互 作用させるかも知れない。この種の機能性には沢山の可能な使い方があり、 Netscape が最初に書式、ボタン、およびリンクに関連した要素を取り込 んだことは驚くに当たらない。簡単なクライアント側の評価やユーザの入 力情報でのデータベース検索CGI からの結果により何らかの行動をする 能力は、Web 作成者の多くを引きつけるかも知れないが、特にオンライ ン注文や取り引きに興味がある人々を引きつけるだろう。これらの人々が Netscape 社のサーバソフトウェアを購入するために列にいるのと同じ 人々と一致するのは偶然ではない。

ほかに? もちろん、Netscape Navigator のこのリリースでの最 大の顕著な欠落は、Netscape をサポートした他のすべてのプラットホー ムで現在手に入るらしい、Java の提供である。前のベータ版の様に、 Navigator のこのバージョンは Open Transport と互換性はなく、また Netscape の GIF 処理に変更が加えられたので、モノクロのシステムで 走らせることは依然良い考えとは言えない。このベータ版を走らせる前に、 私は、あなたに影響を与えるかもしれない追加情報のためにNetscapeの リリースノートに目を通すことを薦める。

http://home.netscape.com/eng/mozilla/2.0/relnotes/mac-2.0b2.html


インターネットにマル

by Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
(翻訳:尾高 修一 <odaka@iprolink.ch>)

Apple が第2世代の商用オンラインサービスであるeWorldを投入し た時、古くて高価な AppleLink を eWorld で最終的に置き換えること 目的とされていた。Apple は電子メールを AppleLink に頼っているほと んどの社員が最小限の手間で eWorld に移行できるように、AppleLink のユーザー名を eWorld でキープしておくということまでしたのだ。技 術的な達成や失敗はともかく、eWorldはAppleとユーザーにとって、御 墨付きのソリューションだったのである。

ご存知のように、eWorld は大失敗にはならなかったものの、大成功し たというわけでもない。基本的には同じソフトウェアを使用した America Online がユーザーベースを400万人へと大幅に拡大したのに 対し、eWorld はようやく数十万人のユーザーを擁するようになっただけ だ。Appleの名誉のために付け加えておくと、Microsoft Network (MSN)も同じような問題に直面しているのだ。最初のベータテスト期間 が終了した後、MSN のユーザーは(ある噂によると)一日100人以上が 止めていっているらしい。

このような事態はほぼ私が想像していた通りのものだ。この両者に対す る私のコメントは、「世界は第2の CompuServe を必要としていない」 ということだった。私は eWorld についてはこのコメントを限定して適 用したが、その理由は Apple が eWorld をオンラインで Apple に連絡 がとれる場所にする可能性があり、もし Apple が最初から eWorld で正 規のサポートを提供してユーザーにも利用を呼び掛けていたら、短期的に は eWorld にも チャンス があったと思われるからだ。しかし、 eWorld の華やかな Welcome サウンドが、eWorld にしかない情報を提供した り利用したりする華やかなユーザーコミュニティを反映したものになった ことはなく、見掛けよりも内容が大事であることが証明されたのだ。MSN も同じ過ちを多数犯したあげく、ようやくわかってきたようだ。最近ベー タテスト期間が終わってからMSN から退会した友人によると、「ひどい ゴーストタウン」になっているらしい。人々は今、商用サービスを使いた いのではなくて、インターネットを使いたいのだ。 AppleとMicrosoftは、今までこの事実を無視してきた分、ようやく 問題がわかってきたようだ。MSNの目的はここ一年程ほどの間に、 CompuServe キラーから Windows 95 に含まれるツールでインターネ ットへアクセスするための商用サービスへと微妙に変化してきた。一方 Apple は eWorld がインターネットを中心とした形態へ移行すると発表 した。この前兆として、eWorld から WWW へのリンクの増加があり、 AppleLink でのメッセージでApple Internet Services の副社長、 Peter Friedman 氏が述べたように、「1996年半ばに予定されている eWorld の次期バージョンは、(現行の独自技術のかわりに)完全にイン ターネット/Open Standards 技術に基づいたものになり、インターネッ トをすみかとするようになるだろう。」

さらに説得力があるのは、Appleが社内の通信をAppleLinkから eWorldに移す計画を中止したことだろう。そのかわりにAppleはすべて の通信をインターネットをベースとしたサービスに移すことを決定したの だ。もちろんこの移行はすぐには実行されないが、風前の灯だった AppleLinkがもう少しの間は存続することは意味するだろう。また、この ことはAppleがキープしていたAppleLinkのユーザー名をeWorldのユ ーザーに開放することをも意味する。この計画変更については、 AppleLinkで次のパスを参照していただきたい:

AppleLink HelpDesk -> eWorld Showcase -> eWorld, AppleLink, 'Net Strategy

私はたった一つの単純な理由のため、この動きには大賛成だ。私はどん な会社であれ、社員全員がインターネットにアクセスすることができ、定 期的に利用するのでなければインターネット関連製品を販売することはで きないと信じてるからである。社内のすべてのレベルにおけるインターネ ットの知識と経験が、インターネット関連製品やサービスにおける「チェ ック&バランス」を生み、社内のプレリリース版のユーザーやテスターが 消費者の立場で製品やサービスに接し、インターネットというものをそも そも理解できない人たちのつまらないアイディアが製品に反映されてしま うのを防止する可能性がはるかに高いと考えられる。

大企業はサポートやセキュリティの問題、そしてインターネットでの通 信用に設計されたプログラムが特定の社内ネットワーク用に設計されたも のほどツボを押さえたものになっていないことが多いため、インターネッ トを避けようとする傾向がある。しかし、インターネットでビジネスを行 い、インターネット製品を製造し、あるいは何らかの形でインターネット と多少ともかかわりのある会社が、社員がインターネットに関する知識と 経験を蓄積することを奨励しないことは自殺行為だといえる。数多くの会 社がインターネット・クライアントの商用バージョンをリリースし、 firewall 技術の改善が進につれ、サポートやセキュリティの問題は最近 ではあまり問題にはならなくなってきている。また、インターネット用電 子メールやグループウェア型のプログラムが依然としてLANベースの製 品ほどは特化していないとはいえ、インターネット標準をサポートするこ とによって得られる柔軟さはそれを補ってあまりあるだろう。

例えば、Appleは具体的に社内の連絡を「インターネット・ベースのサ ービス」に移す際にどのプログラムを使うかは明言していない。しかし、 よく考えてみると、Apple がSMTP と POP を喋るサーバーを設置すれ ば、Apple の社員はCyberdog からEudora、Emailer、Communigate、 PowerTalk(Appleはつい最近StarNine社からMail*Link for PowerTalk を購入した)に至るまでの選択枝から選ぶことができる。Apple社内ではマ ルチプラットフォームの問題はそれほど問題にならないとしても、似たよう な状況にある他の会社では、インターネット・プログラムはMac用とPC用 いずれもが多数存在し、いずれもがインターネットの標準技術に基づいて 動作するため、同じLAN ベースのメールソフトのMac版とPC版の面倒 を見る必要がなくなるだろう。

Appleがどれだけ完全に、またどれだけ効率的に社内連絡インフラをイ ンターネットに移すかは予断を許さないが、その必要性を認めただけでも 大きく重要なステップであると言えるだろう。私はAppleがどのような具 体的な方法を採用するか大いに関心があるし、Appleは大企業がApple の技術とインターネットだけですべての通信を賄えることをユーザーベー スにアピールするべきだと思う。


Reviews/13-Nov-95


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