先週の "Spring Loaded" イベントで Apple は多数の発表をした。そのいくつかは M1 チップに関するものだ。新しい M1 ベースの 24 インチ iMac はこのモデルでの何年かぶりの大幅なデザイン変更で、超薄型の新デザインとなって数々のカラーを取り揃えた。また、Thunderbolt を装備した新しい M1ベースの iPad Pro と、長年噂されてきたアイテムトラッカー AirTag、それに新たなデザインの Siri Remote と共にアップデートされた Apple TV 4K も登場した。細かな発表としては Apple Card Family、ポッドキャストの有料購読、洒落たパープル iPhone 12 がある。以上のような各種のハードウェアの発表に続いて Apple はそのすべてのオペレーティングシステムにアップデートを出し、Face ID がマスクのせいでうまく働かなかった場合に Apple Watch で iPhone のロックを外せるようにし、Siri を拡張し、懸念されるセキュリティ脆弱性を修正し、その他数多くのことを盛り込んだ。最後にもう一つ、米国では Mac オーナーが AppleCare+ の保証期間を無制限に延長できるようになり、また Apple TV でも AppleCare+ が利用できるようになったがこちらはあまりお勧めできない。今週注目すべき Mac アプリのリリースは DEVONthink 3.7、TextExpander 6.8.4、Fantastical 3.3.8、Live Home 3D 4.0.1 だ。
Apple は先日の "Spring Loaded" イベントの皮切りに、まるで前菜を並べるかのようにいくつか発表をした。Apple Card と、ポッドキャストと、新色の iPhone だ。どれもメジャーな内容ではないので、ここでまとめて紹介しよう。
家族全体で楽しく会計
記憶にないほど遠い昔以来 (大まかに言って Diners Club カードが 1950 年に登場して以後)、配偶者たちや子供たちは買い物をする度に家族の誰かからクレジットカードを借りたり、自分のクレジットカードが欲しいと声をあげたりし続けてきた。毎月の請求書が届く度に、これは誰の買い物かと首付き合わせて見分けようとする滑稽な家族会議が続いたものだ。けれども今回、Apple がこの楽しげな家族の地雷原に足を踏み入れて、新しい Apple Card Family を提起した。
Apple Card Family は 2021 年 5 月から始まる新しいサービスだが、二人で一つの Apple Card を共同所有できる。それぞれの信用限度額を統合して共有し、信用履歴を共有して同等にその恩恵を享受できる。それに加えて、Apple Card Family では両親が一枚の Apple Card を子供たちと共有でき、更新された Family Sharing サービスを使って子供たちに限度額を設定したりいろいろなコントロールを加えたりできる。
Apple Card Family では、一人の Apple Card 顧客が最大 5 人までの人たちを Apple Card アカウントに追加できる。ただしその人たち全員が同じ Family Sharing グループに属しており、少なくとも 13 歳以上であることが条件だ。ビジネス用には、共同所有者たちが一つの Apple Card アカウントを共有でき、ビジネス出費や経理を統合できる。
いつものごとく、落とし穴は細部にある。このサービスが利用可能になったら、サービスにサインオンする際に示される付属の説明書や注意事項を隅から隅まで読んでおくことをお勧めしたい。クレジットカードに付随する法的責任や金融責任を誤解していると、往々にして地獄への道をまっしぐらということになりかねないからだ。それでもなお、Apple にあともう少しだけ金を稼がせることを別にすれば、Apple Card Family はクレジットカードとデジタル購入のこの時代に家族の会計管理をほんの少し手軽に、今より有用にしてくれると約束する。あと数か月経てば、その約束が果たされたかどうかが分かるだろう。
[訳者注: Apple Card Family は当面、米国在住の Apple Card 顧客のみが対象となるようです。]
ここで紹介した Spring Loaded イベントのちょっとしたものたちは、いずれも地を揺るがすほどのものではないので地震計の針はせいぜいピクリと動く程度だろう。それでも、これを見れば Apple がその製品からさらなる収益化を得ることにかけては、大きなものも小さなものも、決して足元を放置して雑草の生えるままには (Apple Park の周りを囲む青々とした芝生のようには) しないことが見て取れる。さて、あとは Apple が茶色の iPhone をリリースしてくれさえすれば完璧なのに。あ、待てよ、そいつは既に Microsoft が Zune でやっていたっけ。
September 2020 に、Apple が新しいバージョンの iPad Air に 11-inch iPad Pro と殆ど同じ様な外観と雰囲気を持たせてリリースした時、後者は突然救いようのない商品に見えた。
Apple は、今回アップグレードしたバージョンの 11-inch と 12.9-inch の iPad Pro を、それらを再び格別なものとするより強力な仕様を載せて公開した。工業デザインは変わっていないが、これらの新しい iPad Pro モデルは、プロセッサ、カメラ技術、ディスプレイ、等々で大幅なアップグレードを提供している。
最も目につくのは、新型 iPad Pro モデルが M1 チップ採用したことである。このチップは、最新版の MacBook Air, MacBook Pro, そして Mac mini に採用され、そして発表されたばかりの 24-inch iMac にも見られる。12.9-inch iPad Pro はまた Apple の途方もなく高価な Pro Display XDR からも技術を借りているが、価格上昇はほんの僅かに抑えている。
M1 チップ、iPad Pro にも登場
新型 iPad Pro モデルが M1 チップを手にするというのは適切に思えるが、基本的に、M1 チップはこれ迄以前の iPad を駆動していた A-series チップから派生したものだからだ。Apple はこのことをイベントで Mission Impossible スタイルのビデオで冗談たっぷりに取り上げていた (37:26 から始まる)。iPad と Mac の製品群がこれ程まで密に結びついていたことはこれ迄なかった。
新型 iPad Pro モデルは今や Thunderbolt 3 と USB 4 をサポートし、接続性では Mac や他の近代コンピュータに肩を並べることになる。Thunderbolt は 40 Gbps のスループットを提供する - 以前の iPad モデルに比べると4倍の有線帯域となる。
Thunderbolt は 10 Gbps Ethernet をサポートし、これらの iPad Pro を、外付けストレージ機器や高解像度外付けディスプレイといった高性能ハードウェアへの道を開く。あの Pro Display XDR すらも最大限の 6K 解像度でサポートする。この帯域をどう使いこなせるかは別の問題ではあるが、少なくともこのハードウェアは iPadOS 15 が追いつくのを待てる状態にある。
ビデオ通話用の Center Stage
最近 Amazon, Facebook, そして Google 等から出ている一部の "スマートディスプレイ" は、ビデオ通話中の使用のためのカメラ追跡技術を提供してきた。それは、参加者が動き回っても視野の中にとどめ置く手助けをする。
Apple にはその様な製品はない;iPad をスタンドに固定して使う時にはその役割を比較的上手く果たすので、そんなものは必要ないという論議もあろう。新型 iPad Pro モデルはビデオ会議の場面を大幅に改善する。それは新しい Center Stage 機能を可能にする 12-megapixel Ultra Wide Camera のお陰である。
Apple によれば、iPad Pro は M1 チップの機械学習の能力を使い参加者を認識し中央に置くと言う。人々が動き回ると、Center Stage は仮想的にカメラを振ったりズームしたりしてその人達を画面の中に置こうとする。途中で誰かが加わると、カメラはその人達も検知し、そして全員が視野に入るようズームアウトする。
Center Stage は Apple 自身の FaceTime とも勿論働くし、そして同社によれば、サードパーティのビデオ会議サービスもサポートされるであろうと言う。
唯一の疑問は、何故 M1-based Mac も Center Stage を手に出来ないのかである - ひょっとすると macOS 12 で登場するのかもしれない。
アップデートされたバージョンの Find My アプリには、新しい Items タブがあり (People, Devices, そして Me に加えて)、そこに AirTag が表示される。もし特定の AirTag を見つけ出す必要がある場合には、Find My はそのアイテムの現在の位置、或いは最後に分かっている位置を地図上に示す。もっと良いことには、もしその AirTag が Bluetooth の範囲内にあれば、Find My 或いは Siri を使って、AirPods と同様に、それに音を出させることが出来る。
Apple は AirTag を設計する時、アクセシビリティも考慮に入れている。例えば、VoiceOver を使っている時、Precision Finding は盲目のユーザーを "AirTag は左に9フィートの所にある" と言うように案内出来る。
同社はまたプライバシーにも焦点を当てている。位置情報や履歴は AirTag の内部に一切保存されない。My network ネットワークとの通信は最初から最後まで暗号化されており、その位置情報にアクセス出来るのは機器の所有者だけに限られ、それを見つける手助けをした機器の身元や場所は誰にも、Apple も含めて、分からない。AirTag によって送信される Bluetooth の信号識別子は頻繁に変えられ、望まない位置追跡を防いでいる。
Apple は AirTag を誰のものか分かり易いようにしている。刻印に加えて、ポリウレタン製や皮製のキーホルダーの様な色々なアクセサリーも売っている。Belkin, Moment そして Nomad の様なサードパーティメーカーも既に彼ら独自の AirTag アクセサリーを発表している。
Apple は再度高級皮革製品メーカーの Hermès と組んで馬鹿げた値段の付いたアクセサリーを提供している:Bag Charm ($299), Key Ring ($349), そして Luggage Tag ($449) である。Apple によると、Hermès アクセサリーはこのブランドの象徴である Clou de Selle シグネチャーに基づいたカスタム刻印がされて売られると言う。我々には、それが何を意味するか分からない。
単品の AirTag は $29 で、4個入りだと $99 である。予約注文は 23 April 2021 に始まり、出荷は 30 April 2021 からとなる。
良い知らせ:ハードウェアとしての Apple TV は死んでいない。悪い知らせ:フォームファクターは変わらず、そして価格も下がらない。良い知らせ:嫌悪の対象だった Siri Remote は死んだ。(あのつるつるした悪ガキを好きだった少数の人にはお詫びする。) 悪い知らせ:新しい Siri Remote は Find My アプリに対応していない。
ここ数年間 Apple TV が注目されることは殆どなかったが、Apple はようやく第二世代 Apple TV 4K を、画像品質を改善する高度機能と再設計された Siri Remote (ついに!) を付けて公開した。
新しくなったものを簡単に紹介すると:
第二世代 Apple TV 4K のプロセッサは、古色蒼然の A10X Fusion から、2018 年に iPhone XS で登場した最新とは言えない A12 Bionic にアップグレードされた。
A12 Bionic にアップグレードされたことで、HDR 及び Dolby Vision ビデオを毎秒 60 フレームで再生することが可能になる。これには、iPhone 12 Pro で撮られそして AirPlay を使って Apple TV 4K に送られた Dolby Vision ビデオも含まれる。
新型 Apple TV には HDMI 2.1 と Wi-Fi 6 が備わっており、120 fps の 4K ビデオの様な新しい能力がこの先期待出来る。
Apple は、Apple TV HD や第一世代 Apple TV 4K にも使える新しい色補正の機能を追加した。iOS 14.5 かそれ以降が走る Face ID 対応の iPhone を使って手持ちのテレビの色を補正することが出来る。昔からテレビの色補正のための特別な DVD やアプリが存在したが、これにより色補正がホームシアター愛好家により簡単に手が届くものとなる事を願いたい。
でも、大きなニュースは新しい Siri Remote である。
Siri Remote、第3版
この新しい Siri Remote は、アルミの筐体と方向リングを持ち、昔のシルバーの Apple TV リモートに酷似している。事実、新型 Siri Remote は、古いものと新しいもののデザインを混ぜ合わせたものである。方向リングの真ん中のボタンはタッチ対応で、優しくなぞることで、方向リングはタッチ対応の進行制御手段となり、コンテンツの巻き戻しや早送りが出来るようになる。
最初の二つの Siri Remote のデザインとは異なり、個々のボタンはそれぞれに特有の触感を持っていて、触るだけでそれがどのボタンか認識出来る。何という発想か! それはまた、電源と消音のボタンが追加されたお陰で、汎用のリモートとしても使える。Apple は次に何について考えてくれるであろうか?
新型 Siri Remote はこれ迄のものよりも遙かに分厚いが、Apple は Find My サポートを組み込む、或いは少なくとも AirTag を差し込める機能を作り込むという絶好の機会を逃している。通常の大きさのリモコンですらソファーのクッションの間に紛れ込んでしまうのはしょっちゅうあることであり (AirTag ビデオでも一例として紹介されている)、これは Apple 側での大きな見落としと言える。
また、加速度計とジャイロも付いていないでの、新型 Siri Remote をゲーム用のモーション制御手段として使うことも出来ない。しかし、これはそう大きな問題ではない。と言うのも、tvOS 14.5 で Microsoft と Sony からの最新の Xbox と PlayStation ゲームコントローラーに対するサポートが追加されたからである。
価格設定
奇妙な話だが、Apple は既に Apple TV の在庫補充を止めている。また、30 April 2021 迄は Apple TV の注文を Apple にする事も出来ず、その出荷は5月半ば迄なされない。
良い知らせは、新型 Siri Remote は Apple TV HD 及び第一世代 Apple TV 4K とも後方互換性があり、上記と同じスケジュールで $59 で単品としても買える。
1080p Apple TV HD は今後も入手可で、今や新型 Siri Remote が付いて $149 である。
新型 Apple TV 4K には2種類のストレージが用意されている:$179 の 32 GB と、$199 の 64 GB である。何時もの様に、我々はたった $20 とは言え余分に払うことはお勧め出来ない。何故ならば、アプリを山程詰め込むとか、膨大なデータを持つアプリを使うとかしない限り価値がないからである。
価格は得られるものに比べてとても高いように見えるが、Apple TV サービスは殆どの人気のテレビプラットフォーム上で提供されているので、誰も所有する必要はない。しかし、Apple TV は Apple にとってはそのエコシステム上の不可避の役割を常に有しており、Apple がテレビで見るコンテンツを売る限り、何らかの形で存在し続けるのであろう。
以下では、まず Face ID がマスクのせいでうまく働かなかった場合の Apple Watch による代替認証について手早く見てから、一部または全部のオペレーティングシステムに共通の機能について解説し、その後で特定の一つのシステムのみの変更点を紹介しよう。ただし、iPadOS 14.5 は私たちがリリースノートを読んで分かる限りでは iOS 14.5 の一部分に過ぎないので、切り離して独立に扱うことはしない。
Face ID を有効にした iPhone のロックを Apple Watch で外す
Face ID を有効にした iPhone と Apple Watch を持っている場合に iOS 14.5 と watchOS 7.4 を“すぐにでもインストールしたくなる”機能が、マスクを着けている状態で Face ID を使おうとする際にも iPhone のロックを外せることだ。この機能は見事に働く。Apple Watch が近くに、手首にあって、ロックが外れ、かつパスコードで保護されていれば、Face ID が認証に失敗しても自動的に iPhone のロックが外れる。
この機能をオンにするには、Settings > Face ID & Passcode へ行き、下へスクロールして Unlock With Apple Watch セクションへ行く。あなたの Apple Watch に対するスイッチをオンに切り替え、この機能が働く条件を理解したことを確認する。それ以後は、食料品店の店頭で iPhone をいくら見つめても iPhone のロックが外れない、家ではちゃんと外れるのに、と思い迷う必要がなくなる。代わりに、手首に触覚タップが感じられ、あなたがマスクをしていることを思い出すよりも前に iPhone のロックがもう外れていることだろう。
すべての人に門戸を開放しようという取り組みの一環として、また Siri は性別を持たないという Apple の長年の主張を支えるためにも、今回のアップデートでは Siri の American English の選択肢に 2 つの新しい音声が加わり、デフォルト音声のオプションがなくなったので、誰もがデバイスを最初にセットアップする際に自分の好きな音声を選ぶことになる。けれども、既存のオペレーティングシステムをアップデートしているだけの場合には音声を選ぶプロンプトは出ないので、新しい音声を試してみたいのならば Settings > Siri & Search > Siri Voice (iOS の場合) か System Preferences > Siri (macOS の場合) へ行く必要がある。
Apple が Siri の音声に多様性をもたらし、一部のユーザーに不快感を与えるような決め付けを取り除いたのは良いことだ。Voice 4 は従来 "female" と (Voice 1 は "male" と) 名付けられていたものだ。Adam は新しい Voice 3 を試してみているが、彼は一般的に言ってアメリカ人のアクセントによくあるような音声合成の発音ミスを垣間見せるアクセントの方が好みだ。
また、Siri では音楽、ポッドキャスト、オーディオブックに代替アプリを使うことがデフォルトになった。それらのタイプのコンテンツを処理できるサードパーティのアプリを持っていれば、iOS 14.5 にアップデートした後最初にオーディオ再生を Siri に頼んだ際にどのアプリを使うかを尋ねられる。それ以後に変更したければ、そのサービスの名前を一度指定すれば (例えば "Hey Siri, play Planet Money on Overcast" と言えば)、Siri はその後そのサービスを使うようになる。
その他の新しい Siri 機能としては (少なくとも iOS と iPadOS では) 次のようなものがある:
AirPods または互換な Beats ヘッドフォンを装着している場合、電話がかかってくると Siri がそのことを告げ、ハンズフリーで電話に出られる。この機能は Settings > Siri & Search > Announce Calls で Never 以外の選択肢のどれかを選べば有効になる。
Apple によれば Siri に頼んで緊急連絡先に発信可能とのことだが、私たちにはこれが実際何を意味するのかよく分からない。もちろん、Siri に頼んで好きな連絡先に電話をかけることはできるのだが。
Siri に頼んで Group FaceTime 通話を始めることができる。連絡先のリストを使うことも、また Messages でセットアップしておいた Group Name を言うこともできる。
Apple Music、News、Podcasts、Reminders その他の強化
これらの変更点はどれも驚くようなことではないが、歓迎すべきものだろう:
Apple Music: Apple は世界中の 100 以上の各都市で人気のある楽曲を紹介する都市別ランキングを追加したので、例えば David Hasselhoff が今でも人気を集めているのがどこかを知ることができる。また、iOS 版の Music は歌詞を Messages、Facebook や Instagram Stories で共有したり、Messages を使っている人がアプリを離れることなくスニペットを再生できたりする。Mac 上では、Apple によれば曲やプレイリストの最後まで来ても新設の自動再生機能が似た楽曲を選んで再生を続けることで音楽を途切らせないようにできるという。私たちはこの機能をコントロールする設定項目を見つけることができなかったが、たぶんこれを気に入らない人のために defaults write コマンドが用意されているのだろう。
About This Mac (この Mac について): Services タブに保証状況と AppleCare+ 保証の状況が表示される。About This Mac (この Mac について) 画面から AppleCare+ の購入もできる。(米国のみ、2021 年 4 月 22 日の記事“AppleCare+ が Mac で延長可能に、Apple TV でも入手可能に”参照。)
Face ID がマスクのせいでうまく働かなかった場合に iPhone のロックを外せる機能以外に、Apple は watchOS 7.4で Bluetooth デバイスのタイプを分類するオプションを Settings で提供して、音声通知の送信先のヘッドフォンを正しく識別できるようにした。それが具体的に何を意味するのか、私たちにはまだ分からない。
Apple TV でスペースが足りなくなるトラブルに陥った人のために、tvOS 14.5 はアプリを自動的にアンロードできる。iOS がスペースの再利用が必要になった場合にするのと同じことだ。アプリのデータは保存され、Home 画面にそのアプリは残るけれども、起動しようとすれば自動的にそのアプリが再度ダウンロードされる。設定は Settings > Apps でする。
tvOS で文字をタイプするのはひいき目に見ても苦痛を伴うが、tvOS 14.5 ではかなり前から iOS にあった Type to Siri 機能が加わり、音声で話す代わりに Siri へのリクエストを文字でタイプすることもできるようになった。Settings > Accessibility でオンに設定することができる。
tvOS 14.5 ではまた、Xbox Series X|S Wireless Controller や Sony PS5 DualSense Wireless Controller への対応が追加されている。この種のゲームコントローラへの対応が重要な意味を持つのは、新型の Siri Remote が加速度計とジャイロを装備しておらず、従来世代の Siri Remote のようにモーション・コントローラとして挙動することができないからだ。
眼力の鋭い人なら、新しく Apple TV (Apple TV HD を含む) を購入した際にも AppleCare+ を購入できるようになったことにお気付きかもしれない。$29 を払えば、偶発的な損傷に対する保証が 3 年間受けられる。しかしながら、小さな子供が Apple TV を叩きのめすことが予想されるような場合を除けば、わざわざ保証を延長することはお勧めしない。Apple TV の本体ユニットが壊れるような状況は考えにくいからだ。また、新型の Siri Remote は従来のモデルより耐久性があるはずで、こちらもそんなにしょっちゅう壊れるとも思えない。Apple リモコンは壊れるより失くす可能性の方が高いだろうが、新品の Siri Remote を買っても AppleCare+ よりたった $30 高いだけだ。節約するのが賢いだろう。
BeLight がインテリアおよびエクステリア用住居デザインソフトウェア Live Home 3D のバージョン 4 を出した。今回のメジャーな新リリースでは M1 ベース Mac への対応を追加し、Metal ベースのレンダリングを導入して 3D グラフィックスに現実性向上をもたらしている。今回のアップデートでは新たに Site プロジェクトレベルを追加して1階レベルを戸外と分離し (庭のデザインをする際に最適)、構造物を使わない壁を作るための Curtain 壁を追加し、2D プラン上の家やアパート全体を回転・移動できるようにし、曇天が部屋の照明に正しく反映されるようにし、SketchUp 2021 モデルへの対応を追加し、Project Gallery の Sample Rooms and Houses セクションに手直しを加えた。
Live Home 3D は無料でダウンロードでき、1 個のプロジェクトには無料で使える。追加のプロジェクトで作業するには、標準版の購読が月額 $4.99 または年額 $9.99、あるいは永久有効ライセンスを $29.99 で購入することもできる。地形編集や強化された資材編集などの機能にアクセスするには Pro 版の料金を支払う必要があり、こちらは月額 $9.99 または年額 $19.99、あるいは永久有効ライセンスが $49.99 だ。(BeLight からも Mac App Store からも新規購入 $29.99、無料アップデート、426 MB、リリースノート、macOS 10.12.6+)