最初の人が投票した後に投票する人の体験は少々異なる。何故ならば、右側の Group Availability グリッドで傾向が、より濃い緑色のブロックで、見て取れるからである。この架空の例では、Josh が投票しており (彼の時間帯を Central Standard Time に変更していることに注意)、彼が5番目に投票する人間であり、彼の時間で金曜日の 11-12 AM が最も投票の多い1時間の時間帯であることが見て取れる。彼は、これを考慮して彼の空き時間を指定出来る。
例年私が“素晴らしきラスベガス”に飛んで現地から毎年恒例の CES の展示内容をお伝えする季節がやって来た。でも今年は、フィラデルフィア州にある私の非公表の自宅からお届けしたい。なぜなら、今年の CES は完全に仮想の、オンライン開催となったからだ。これはちょっぴり皮肉だ。例年ならば、マーケティング担当者たちの口からひっきりなしに“混乱”という単語が飛び出すほど忙しい会場であったのだが、50 年間続いたこのショウに今年は全く別の意味のそれが起こったからだ。
iHome には、Apple を想起させるデザインを作り出す習性があり、その PowerUVC Pro 目覚まし時計が、LED 腕時計や Mac mini の私生児の様に見えても驚くには値しないであろう。上蓋を閉じた状態では、ベッド脇におく標準の目覚まし時計として機能する。上蓋を開くと空間があり、携帯電話、キーチーン、そしてその他の携帯機器をそこに収納して UV 光を使い3分間で消毒出来る。目覚ましには内蔵のブザーも使えるし、この時計を Bluetooth スピーカーにも出来る;USB 充電ポートも2つ付いており電話を充電することも出来る。携帯電話には感染性の細菌が付着している可能性があるが、手短に調べた範囲では、そのレベルは、国内の公共の環境で頻繁に触られる表面と同等だと言う。その懸念は医療従事者に対してはより高くなり 、彼らの電話にはより心配な病原菌が付いているかも知れない 。私は、電話を消毒する事に対する医学的な価値は知らないが、やって悪いことは無いであろう - しかし、それが $99-$129 (店による) の価値があるかどうかの判断は皆さんに任せたい。現在入手可。
Pictar ステイホームキット
Pictar は、電話のカメラを増補するべく設計された一連の製品を売っている;例えば、その Pro Grip はカメラ本体の重量感ある物理的な感覚を iPhone に与える。2021 年の新製品は面白みに欠ける一連の自撮り棒だが、私は "Stay Home Kits" と題したその販売手法に感服した。それは特定の目的のための製品を選んでバンドルしたものである。例えば、その Family Zoom Kit には、広角レンズ、照明、そして三脚が含まれ $109.99 (個別に買うより $15 安い) で、そして Home Studio Pro Kit はこのバンドルに Pro Grip を加え $234.99 ($40 安い) である。私は、人々がラップトップの周りに群がっての Zoom 通話に数え切れないほど参加してきた;もし数週間前にこの Family Zoom Kit を知っていたら、私は一つか二つをクリスマスツリーの下に置いていたかもしれない。
Invoca (この会社のビジネスが何なのか私は知らない、広告・マーケティング業界はあまりにも奇妙なものになってしまったからだ) のブログ記事が、Apple の動きに対する業界側の観点を説明する。その見出しは「IDFA は何か、なぜ Apple はこれを葬ったか」となっている。IDFA というのは Apple が自社のハードウェアに付属させたデバイスごとの広告識別子で、ブラウザのクッキーのデバイス版のような形で機能し、ユーザーはいつでもこれをリセットできる。しかしながら、このブログ記事をよく読んでみると、大げさな表現の見出しとは裏腹に、筆者は実際次のことを言っているのだと分かる:
Apple は IDFA それ自体を“葬った”のではないが、ユーザーのプライバシーを重視する同社の継続的な努力の一環として iOS 14 においてアプリ内の追跡を“オプトイン”の状況に持ち込んだ。
言い換えれば、そう、Apple は猛烈な勢いでカードの家を吹き飛ばそうとしているのだ。
一流の位置にあるテクノロジー会社のうちで顧客のプライバシーを主要な問題のリストに入れているのは Apple のみであって、しかも Apple はそれに本気で取り組んでいる。他の大会社はプライバシーがいかに重要かについて散々喋り立てつつ、抜け穴を探してロビー活動をしたり、規制に違反した結果として少額の罰金を支払ったり、あるいは目を盗んでユーザーとの同意に違反する方法を構築したりするのが常だ。
Amazon と Google は米国においても国外においても開示、追跡、顧客侵害などについてそれぞれ独自の問題を抱えているけれども、プライバシーを侵害している最大の会社はやはり Facebook だ。どうやら Facebook のビジネスモデルは自らのユーザーたちのプライバシーを日常的に侵害することに依存しているらしく、改善の約束はするものの、決して約束通りにすることはない。
Apple は過去数年間にわたり Safari やその他のアプリでユーザー追跡に対する締め付けを着実に厳しくしてきており、これは安全で全般的な意味で“オプトイン”のインターネットを作り出そうとする目標のための努力であると説明している。そのようなインターネットにおいてはそうしたくないという選択をしない限り個人のオンライン活動が保護されプライバシーが保たれる。Apple の新しいアプリごとの開示と、アプリ外での追跡に対する同意の要件化は、顧客のプライバシーを重視する同社の主張の進化過程の上にある。
プライバシーに向けた Apple の動きは、暗闇の中にいる広告の巨人たち、これまで Rube Goldberg 風の仕掛けの中に自らの無能力を隠し続け、広告主の利益に (出版社の利益にも) なってこなかった彼らを倒す力となるかもしれない。結果として Apple がもっとシンプルな、より直接的な、侵害的でない、インターネットの初期の時代のものに似た広告を招き入れるために役立つのではないか、というのも考えられないことではない。
Apple の新しい開示要件は簡単に理解し要約できる。アプリは、自らがどのようなデータを収集する可能性があるか、そしてそのデータがユーザーにリンクされるか否か、アプリの外部に保存されるか否か、追跡のために利用されるか否かを開示しなければならない。単純化のために言えば、標準化されたフォーマットと言語を使っているので、加工食品に付けられる栄養成分表示のラベルと比べられる。ただ、食品の表示ラベルと同様に、データを自ら報告するものであることに注意したい。それを監視し確認する Apple の役割は明確でなく、例外はさまざまにある。
Apple が“アプリのプライバシーに関する詳細情報”と呼ぶものは、アプリが収集するあらゆる種類のあなたのデータを、埋め込まれたサードパーティのコードによるものも含めて、体系化して単純化し、開発者がそれをどのように処理するかを記述する。勝手な標準に従って書かれた長々しいプライバシー方針を読む代わりに、Apple の詳細情報では標準化された用語とトップレベルのアイコンが使われる。( GDPR は名目上プライバシー開示に際して単純で読みやすい言葉を使うようにと規定しているが、そのための支援を何も提供していないし、紛らわしい言葉遣いを禁じるための努力もしていないように見える。)
Apple は必要な情報をどのようにして収集し提供するかについていずれも明瞭な説明を提供している。一般的原則は、アプリによって収集または推測され、かつ デバイスの外部へ 送信されて“送信されたリクエストにリアルタイムで対応するために必要な期間よりも長い期間”保持されるデータはすべて開示しなければならないことだ。例えば、アプリが何らかの情報を取り寄せるために誰かが自分の電子メールアドレスをそのアプリに提供したとして、もしもそのアプリの開発者が、およびそこに接続しているサードパーティが、情報を取り寄せた後即座にその電子メールアドレスを破棄したならば、それは Apple の定義によれば“収集”には該当しないらしい。(私が弁護士ではないことにご注意頂きたいし、この記事は法的助言ではない。)
また、トラッキング、パーソナライズ、データ使用がデバイス上でなされるかそれともデバイス外でなされるかには大きな違いがある、と Apple は明確に述べている。アプリはマーケティング情報を、サードパーティからのものも含めて、ダウンロードしてキャッシュすることができ、アプリの内部でローカルに保存された個人情報と広告主の識別子に基づいてそこにパーソナライズまたはその他の操作を施すことができる。けれどもその後でその情報がデバイスの外へ送信されない限り、それを開示する必要はない。(この原則は Apple が各社に対して電話番号のスパム識別子を提供することを許してきたやり方に似ている。電話番号のデータベースをアプリの中にダウンロードして、それをかかってきた電話番号とローカルにのみ照合することは許された。)
これらのプライバシー詳細情報は Apple の各種 App Store の中で、バージョン履歴の下にある App Privacy パネルの中に表示される。Data Linked to You のところで、利用されているデータの全種類が明確なアイコンを添えて記述される。また Data Not Linked to You セクションもあって、ここにはデバイス上のみで収集されるデータや、診断目的のみのデータ、または必要な情報を獲得した後には保持されないデータが (時にはオプションとして) 表示される。See Details をタップまたはクリックすれば、項目ごとのより詳しい内容が示される。
ところで Apple は、Apple フレームワークやシステムの利用を通じて Apple 自体が 収集する情報、例えば広告やアプリ内購入に関するものについては開発者たちが開示することを要求しない。Apple は既に、そのアプリのユーザーが iPhone、Mac、あるいはその他のデバイスを使うために "first party" としての契約をユーザーとの間で結んでいる。そこには、ユーザーがデバイスをセットアップしてその上で App Store にサインインする際の手続きの一部分として、開示条項とライセンスおよびデータ収集方針の受諾要件が含まれている。これらの契約諸条項は必ずしも理想的に明確な語法と表現が使われていないかもしれないが、私たちとしては Apple がこの方面でのユーザー体験をも改善するために努力していることを願いたい。(Apple はそのトラッキングや収集の一部をユーザーがオプトアウトすることも認めている。この点については私の本 Take Control of iOS & iPadOS Privacy and Security に詳しく述べてある。)
批評家たちや皮肉屋たちは、Apple の途方もない収益の中で広告によるものはごくごく僅かだから広告ネットワークと仲良くする必要なんかないと言うのだろう。そういう人たちは、Amazon、Facebook、Google、さらには Microsoft が広告から得る収益を減らす可能性のある制約を課すことによって、それらの会社が Apple のハードウェア・エコシステムに挑戦したり、競合するアプリやサービスを開発したりする取り組みを妨害しているのだと論じさえするかもしれない。(Microsoft が広告に集中しているというのは変に聞こえるかもしれないが、実際 Microsoft は 2020 営業年度のみで 80 億ドル近くもの驚くべき広告収入を得ている。)
けれども、Apple が他のテクノロジーの巨人たちに害を及ぼすための武器としてプライバシーという手段に訴える必要があるなどというのは考えにくい。Amazon はあらゆる種類のものを販売することでお金を得ているし、Apple の製品と直接競合するハードウェア製品さえ出していて、例えば Echo スマートスピーカーや Fire TV は HomePod や Apple TV と競合しているけれども、この2つはおそらく Apple の最も売れないハードウェア製品に属するものたちだろう。Google の Android オペレーティングシステムは広告から収益を得ており、最近米国司法省が提訴した訴訟によれば Google は Apple デバイスのデフォルト検索エンジンとなっている対価として Apple に年額 80 から 120 億ドルを支払っているrという。Microsoft はモバイルビジネスから撤退しており、Windows の規模は大きいけれども、この会社は自らのアプリやサービスをあらゆるプラットフォーム (Apple のプラットフォームも含む) の上で利用できるものとすることに努力を集中させているところだ。プライバシーは Apple にとってセールスポイントかもしれないが、Apple はそれを他の会社に対する武器としては使っていない。
Tim Cook の一貫した、ユーザーのプライバシーのほとんどあらゆる側面にわたっての信念を持った姿勢は (欠陥や例外が発見された場合にもきちんと謝罪して変更を加えている点を含めて) 真に誠実なものかもしれないし、またそれ自体がマーケティング戦略なのかもしれない。けれども、例を挙げれば Walmart が再生可能エネルギーに重点を移して排出ガスを減らそうとしていることと同じように、私たちの目から見れば不具合や誤解を招く発言に鋭い目を配りつつそれを社会にとっての利益と受け取ることができるのではなかろうか。
結びに、インターネットに蔓延っている非公開の、望まれていない、オプトアウト形式のトラッキングの量を減らそうとする Apple の努力は、悪いことではない。たとえそれが、結果として寄生虫のようなデータブローカーや、仲介業者や、広告テクノロジー会社の膨らんだ財布に大穴を開けることになったとしても。
St. Clair Software が Default Folder X 5.5.4 を出した。Open/Save ダイアログを拡張するこのユーティリティが正しく起動できないことがあったバグを修正する、メンテナンス・リリースだ。今回のアップデートではまた、macOS 11 Big Sur のバグを回避してファイルダイアログのサイズが常に強制的に前回のサイズになるようにし、対応するファイルやフォルダが削除された場合に Drag Zone や Finder のドロワからも項目が削除されるようにし、Big Sur のファイルダイアログでカーソルが消えてしまう問題に対処し、Photoshop の Save As ダイアログや印刷時の Save As PDF ダイアログを Default Folder X が拡張できなかった問題に対処している。(新規購入 $34.95、TidBITS 会員には新規購入で $10、アップグレードで $5 の値引、Setapp からも入手可、15.7 MB、 リリースノート、macOS 10.10+)
Stairways Software の Peter Lewis が Keyboard Maestro 9.2 をリリースした。この自動化およびクリップボード用ユーティリティへのメンテナンス・アップデートだ。今回のリリースでは Alert および Prompt For User Input ウィンドウが呼び出される度に移動してしまった macOS 11 Big Sur のバグを回避し、Big Sur の下で Fast User Switch アクションに起こった問題点を解消し、Clipboard Preferences で Dark モードに関係した表示の不具合に対処し、特定のファイルにアイコンを設定する Set File Icon アクションを追加した。前回の (2020 年 11 月にリリースされた) バージョン 9.1 では M1 ベースの Mac でのネイティブ動作への対応が追加された。(新規購入 $36、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、34.3 MB、リリースノート、macOS 10.11+)