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#1443: ゆすりのスパムメール、iPhone Camera アプリでズームするヒント、消え行く 5K ディスプレイ、macOS の Markup ツールのすべて

来週は Thanksgiving (感謝祭) で休刊とするが、今週の特大号があればその間も読み物に不自由することはないだろう。さて、iPhone の Camera アプリでズームインできることは皆さんご存じだろうが、ズームボタンについて皆さんがご存じでないかもしれないいくつかのことを Josh Centers が説明する。もしも皆さんのところにあなたのアカウントがハックされたと主張するスパムメールが届いてその証拠としてあなたのパスワードが書いてあっても、心配することはない。それは偽物だけれども、Adam Engst が説明する通り、これはオンラインで見つかる個人データを悪用しようとする懸念すべき潮流の前兆かもしれない。Apple は新型の MacBook Air と Mac mini で 5K 対応を謳っているけれども、外付け 5K ディスプレイの状況はいったいどうなっているのかと Adam が思案する。最後にもう一つ、Mojave がシステム全般にわたってマークアップツールを提供しているのを皆さんはご存じだろうか? TidBITS 会員向けに先月リリースし、今回この号に掲載した包括的な解説記事で、Sharon Zardetto がそれらのマークアップツールをどうやって見つけるか (以前のバージョンの macOS にもある!)、それらをどうやって使うかについて説明する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは、1Password 7.2.2、Typinator 7.8、Microsoft Office for Mac 16.19、Moneydance 2017.10、Final Cut Pro X 10.4.4, Compressor 4.4.2, Motion 5.4.2、Panorama X 10.1.2、Hazel 4.3.3、OmniOutliner Essentials および Pro 5.4.1、それに BusyCal 3.5.4 と BusyContacts 1.3.1 だ。

Josh Centers  訳: Mark Nagata   

2018 年 11 月 26 日は TidBITS 休刊

今週の木曜日 (2018 年 11 月 22 日) は米国では Thanksgiving (感謝祭) の祝日なので、2018 年 11 月 26 日には TidBITS の電子メール号を休刊にして、私たちスタッフや寄稿編集者の面々も家族や友人とともに食卓を囲んで一週間を過ごしたいと思う。私たちの多くは今年も、Joe Kissell の "Take Control of Thanksgiving Dinner" から印刷した便利なワークシートを参考にしつつ、感謝祭ディナーの準備をしていることだろう。何を用意すべきかを Joe ほどうまく、分かりやすくレイアウトしてまとめられる人は他にいないので、助言が欲しい方はどうぞ彼の本をご一読あれ。

来週の TidBITS 電子メール号は休刊にさせて頂くが、その間も TidBITS ウェブサイトへの出版はいつも通り続ける。私たちのサイトを時々チェックするか、RSS フィードを購読するか (TidBITS 会員になればフルテキストのフィードを受けられることをお忘れなく!)、TwitterFacebook でフォローするかして、私たちの最新の記事を読めるようにして頂ければと思う。次回の電子メール号は 2018 年 12 月 3 日の発行となる。

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Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

TipBITS: iPhone Camera のズームボタンを使う

どの iPhone でも Camera アプリを使って写真を撮る時、画面に2本の指を置いて、それを動かして離すことでズーム出来る - 伝統的なピンチ&ズームである。しかしながら、ズームの倍率を精密に制御するのは困難であり、これが "大きな" iPhone では - iPhone 7 Plus, iPhone 8 Plus, iPhone X, iPhone XS, そして iPhone XS Max - 問題となる。その理由は、これらのモデルにはデュアルカメラが備わっており、2x の光学ズームをサポートするからである - 1.0 か 2.0 以外の全てのレベルのズームではデジタルズームが使われ、ここでは写真品質を犠牲にしてズームが得られている。(Glenn Fleishman が Macworld で指摘した様に、iPhone はズームレベルを問わず、状況に応じて、デジタルズームを使うことがある)。

これに対応するため Apple はこれらのモデル上の Camera アプリを強化して、ズーム制御にもう一つの方法を提供した:目に見えるズームボタンで画面上のシャッターボタンの上に配置された。

The Zoom button in Camera.

我々は最近になって、誰もがこのズームボタンで何が出来るか必ずしも知っているわけではないことを学んだ。それには3つの機能がある:

The zoom level in the zoom button.

このズームボタンが実際に動いている様子を見たい人のために、使い方を示す短いビデオを用意した。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

"ハックされたアカウント" ブラックメールスパム急増中 - 用心を!

受信箱を開けると、"パスワードを直ぐに変更して下さい。あなたのアカウントはハックされています。" と題したメーッセージがある。メールの中身は、あなたのパスワードの一つを持っているとの主張、脅し、そしてお金の要求である。そのパスワードは実際にあなたが過去に使っていたものである - ハッカーはどの様にしてそれを手に入れたのか? 自分は本当にマルウェアに侵されてしまったのか?

この "ブラックメールスパム" は Internet 中の受信箱に押し寄せており、そしてそれがどれ程有能なのか知るすべもないことから、多くの人の脈拍を上げている。絶妙にたどたどしい英語で書かれたこのメールメッセージは、あなたのコンピュータを乗っ取り、そしてスパイウェアをインストールし、あなたの破廉恥なブラウズ習慣を暴いているハッカーからだと称している。ハッカーはまた、"好みのコンテンツの喜び" をクリックしながら楽しんでいるあなたの写真 (恐らく、目を輝かせて見つめている) も撮ったとも主張していて、請求金額を Bitcoin を使って送らなければ、それらの写真をあなたの連絡先と共有し、そしてあなたのコンピュータを動かなくしてしまうと脅してくる。

多くの人に懸念を抱かせる原因となっているのは、このブラックメールスパムが、あなたが過去に使っていたパスワードを示すことでそれが本物だと "証明" していることである。(多くの場合がそうであるが、中にはそうでないものも含まれる。私が受け取ったこのスパムのコピーの多くは、私が一度も使ったことないパスワードを含んでいた。) この暴露されたパスワードが、あなたが今でも使っているものではないことを願いたい。と言うのも、それは、ここ 10 年程の間に起こった大きなパスワード漏洩の一つから抽出されたものだからである。あなたのパスワードの一つがどのパスワード漏洩に含まれていた可能性があるかを見るには、Have I Been Pwned であなたのアドレスを調べてみる。(覚えておくべきは、攻撃者が解読したパスワードの多くは短くそして不安全なものだということである。もしあなたのパスワードが 12 文字以上で、辞書に載っている言葉やよく知られたパターンを使っているのでなければ、解読されていないかもしれない。)

Screenshot of blackmail spam message
クリックして展開する。是非全部読んで欲しい - とても面白い!

この点は痛いほど明確にしておきたいのだが、このメッセージにある全てのものは、あなたのメールアドレスと漏洩したパスワードを除いて、でっち上げである。あなたのコンピュータはハックされていない、あなたがブラウズするのをスパイしているマルウェアもない、あなたの写真は遠隔のサーバーにアップロードされてもいない、等々である。何も心配することなどないし、そのメッセージをスパムと印をつけるのも遠慮なくやっていいので、後は平静に自分の生活に戻って欲しい。

もしあなたの友人や同僚が同じ様なブラックメールスパムについて尋ねてきたら、この記事に誘い、そして心配することは何もないことを伝えて安心させて欲しい。勿論、その暴かれたパスワードを今でも使っているのであれば、すぐにそれを変更しなければならない。.

いずれにしろ、このスパムは、私が恐れることだが、悪意の Internet 通信の岐路を示すものである。大抵のスパムやなりすましメッセージは殆ど完全に一般的なものであり、カスタマイズされるのはせいぜいあなたのメールアドレスと、時折あるあなたの名前ぐらいである。時には、彼らは友人のアドレスをもじったり、或いは友人の侵入されたアカウントから送ることすらあるが、でもそこまでである。その様なスパムメッセージはいかにも本当らしい - そのものの範囲内において - ただより大きな文脈故に、或いはそれらは金儲けをしたい、金を貯めたい、もっと魅力的になりたいとの共通の願望を利用したり、或いは、恥知らずのブラウジングの一部を分かち合う故にである。(私は、過敏症のスパムフィルタを刺激しないよう、ここでは言葉遣いに特別注意を払っている!)

でも、このメッセージは違う。このブラックメールの信ぴょう性はあなたのパスワードを知っているのはあなただけであるという事実に - 理屈の上では - 基づいている。もしブラックメールを送った人があなたのパスワードを知り得るのであれば、ひょっとすると彼らの他の主張も本当なのではないかと思ってしまう。だが、それは違う。しかし、ブラウズするのは何時も一般向けサイトだけという人達でさえしばしば一瞬のパニックに陥る経験はしている。思うに、今でも昔風の安全でないパスワードを使っている人達は一瞬のパニック以上のことを経験しているのであろうが、私に言わせれば、当然の報いである。

問題は、盗まれた古いパスワードは、オンラインで簡単に入手可能な我々に関する情報という観点からすれば、単に氷山の一角だということである。このブラックメールスパムはたった二つの情報片を組み合わせただけである - あなたのメールアドレスとパスワード。同様の攻撃が、使う情報の量を拡大していったらどうなるであろうか?

漏洩には、例えば July 2018 の Apollo 漏洩の様な、多くの他の種類の個人データが含まれる - 勤務地、役職、場所、そして企業売上高等が含まれる。もっと多くのデータが公共データベースで入手可である。New York Times は最近、投票者登録と投票歴を使って友人に投票を促すアプリについての記事を掲載したが、そのデータが悪意の目的のために使われる事態は簡単に想像出来る。他にも、不動産登記、破産申告、離婚、等々幾らでもある。

Description of the Apollo breach

ブラックメールスパムを論理的極端にまで押し進めれば、我々の誰もが何か隠すべきものを持っている理由の究極の例となる。それは何も誰もが何かしら恥ずかしいことをしたことがあるという話では必ずしもないが、何らかのことを表に出ない様にしておくためにブラックメールに支払いをしてしまう危険性は増している。反対党に登録しているあなたの隣人達全員に、あなたの有りそうな投票歴をバラすと脅かしてくるブラックメールスパムを想像してみて欲しい。或いは、Internet 上のあなたと同じ姓の人全員にあなたの破産や離婚について知らせてやると言うブラックメールでもよい。ブラックメールスパムが害を及ぼすのに、それは何も真実である必要すらない。スパマーがあなたの会社のドメイン名を持つ全員を標的として匿名のメッセージを送り、あなたが数年前に性的暴力を振るったが、送信者は恐怖に囚われていて身分を明かせないとあなたを告発したら、あなたのキャリアに対してはどの様な影響があるであろうか?

私は、プライバシーに偏執症は持ち込みたくないが、犯罪組織がより多くのデータ科学の技術とかつてないほど大量のデータセットを手にしているので、その様な攻撃はなおさら洗礼された、そして信じられるものになるであろう。それはすぐには現実のものとはならないかもしれないが - その様な技術を持つ人は通常まともな仕事をより容易く見つけられる - 今や暴力団はマルウェアを作成するために能力あるプログラマーを抱えているか、或いは新たに雇うことが出来るので、彼らはやがて、あなたに関する入手可能なデータの全てを組み合わせ、それを色々な方法で武器化出来る人を探し出せるようになるであろう。同様に、政府は、一般民衆の間に恐怖、意見の相違、そして混乱を植え付けるのをためらわないし、彼らは恐らく既にこれをする資源は有しているであろう。

最悪なのは、その様な攻撃に対する有効な防御を私は思い描けないことである。スパムフィルターは伝統的なスパムに対しては有効だが、それはそのメッセージを見なければ安全だからと言う理由からである。しかし、攻撃を認識しないことでブラックメールが実行されるのを防ぐことは出来ない。実世界では、支払い方法を止めるとか、支払いを追跡するとかは効果的なのかも知れないが、暗号通貨システムはそのその様な支払いを追跡するのを更に困難にする。確かに、お金が交換所から出る時は完全に匿名ではないのだが。しかし、それすらも、社会に紛争を持ち込もうとする専業の政府代弁者を阻止することは出来ないであろう。

オンラインで入手可である我々に関するデータの量を制限する拡張プライバシー法制が、これらの攻撃を阻止したり減らしたりする助けになる可能性はある。完全からは程遠いが、Europe の GDPR はその方向に向かう一歩である。しかしながら、ここ米国では、本格的なプライバシー法制はまず悲観的である - 少なくとも、それに反対する政治家達が、我々皆の様に、彼らの生活を衆目に裸でさらさざるを得なくなる迄は。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

5K ディスプレイに何が起こったのか?

最近の MacBook Air と Mac mini のリリースに伴い、Apple は、それらが 5K ディスプレイを 5120-by-2880 の解像度、そして最大 60 Hz のリフレッシュ速度で駆動出来るとわざわざ言及した。それは素晴らしく聞こえるが、今街に出かけてその様な 5K ディスプレイを買えると思っていたならば、思い直す必要があるかもしれない。

我が王国は 5K ディスプレイ

27-inch iMac の 5K Retina ディスプレイモデル及び iMac Pro は両方共内蔵の 5K ディスプレイを持っているが、Apple は現在独立型の 5K ディスプレイを、いや、実際の所、いかなる形の外部ディスプレイも作っていない。Apple が自らの 27-inch Thunderbolt Display を製造中止にした時 ("Apple、Thunderbolt Display を製造中止にするも後継機は見えず" 27 June 2016 参照)、同社は代替品を出すために LG と協調した:$1299 の LG UltraFine 5K Display である。

従って、LG UltraFine 5K Display を買うことは可能だが、考え直した方が良いかもしれない。その理由は、このモニターの入手可能性は下落している様に見えるからである。AppleInsider の報ずるところによると、Apple Store は、その在庫補充はしばらくしていないし、オンラインの注文品を店で受け取ることには対応していないと言っている。運が良ければ、入手可能性が下落しているのは LG が新しいモデルに置き換えようとしているからかもしれないが、LG は単に、それを製造中止にする前に在庫を減らしているだけなのかもしれない。

5K 解像度に対する Wikipedia のページには、ほんの少数の他の 5K ディスプレイが載っており、そこには Dell, Philips, そして HP からのものが含まれるが、私が知る限りでは、現在でも売られているものは無く、例外として 64:27 や 32:9 の様な特殊な縦横比を持った超ワイドなものが散見されるだけである。また、その同じリストには Iiyama ProLite XB2779QQS が載っているが、Amazon 上のその製品のページには、出荷は直接日本からなされるとあり、評価も評価者も全く無く、疑わしい。

結論を言えば、LG UltraFine 5K Display は今日買える唯一の 5K ディスプレイの様であり、そして、物も見ずに、オンラインで注文しなければならない。もし待てるのであれば、LG が新モデルを出してくる可能性はあるし、Apple はこれ迄も、2019 年には改訂版の Mac Pro と共に Apple ブランドのプロ向けディスプレイをリリースすると言ってきた。Apple は仕様についてはこれ迄何も言っていないが、最低でも iMac に匹敵するものではないディスプレイを売ることなど考えられない。

何が起こっているのであろうか? 販売されている 4K ディスプレイは膨大な数に及ぶのに、5K ディスプレイは1つしかない? 幾つかの説明が可能であろう。例えば、工業界は 4K の標準化に動いていて、そこには最新のコンピュータ以外の全コンピュータに対するインターフェース問題があり、ディスプレイパネルは大量生産が困難であり、コストも高すぎ 4K にはとても勝てそうにない、或いは、次に来るのは 5K では無く 8K に跳ぶであろう、と言ったことが挙げられる。私はどれに対する答えも持ち合わせていないが、工業界のこの辺りの動きに詳しい人は、ぜひ私に教えて欲しい。

どうしてこんなことになり、この先はどうなる?

October 2014 に、Apple は 27-inch iMac 5K Retina ディスプレイモデルを 5120-by-2880 の解像度でリリースした。そして、それは, こんな表現を許して貰えるならば、真に目を見張らせるものであった。それは Apple からの最初の Retina ディスプレイではなかったし - その栄誉は 2010 年に導入された iPhone 4 に与えられる - また Mac に対する最初の Retina ディスプレイでもなかった。こちらは 2012 年の 15-inch MacBook Pro Retina ディスプレイモデルであった。しかし、この 27-inch Retina iMac の画面は巨大で、より小型の iPhone や MacBook Pro の画面とは全く異なる怪獣とも言えるものであった。

今や Apple 商標の一つである "Retina" の意図しているものは、ディスプレイのピクセル密度を高くして、人間の目では個別のピクセルを認識出来ない程にしてテキストや画像をより鮮明なものにすることである。画面に目を近づければ近づける程、個別のピクセルは見極めやすくなるので、Retina は絶対的な解像度を意味するものでは無く、機器の大きさとユーザーが一般的にそれを見る距離に応じて変化するものである。皆さんは、iMac の時よりも iPhone の時の方が目を近づけて見るであろう。少なくとも、私はそうする。

iPhone 4 は 325 pixels per inch (ppi) のピクセル密度を持ち、MacBook Pro 画面は 220 ppi で、そして iMac Retina 画面は 218 又は 219 ppi である。 Mac 画面はこれ迄変更されていないが、iPhone X のピクセル密度は驚きの 458 ppi にまで上がっている。

"5K" ディスプレイは一般的に約 5000 ピクセルの水平解像度も持つものと定義される;同様に、4K ディスプレイは水平方向に約 4000 ピクセルを持つ。理屈の上では 5K ディスプレイをそのネイティブの解像度で走らせることは可能だが、多くの人にとって、テキストは小さすぎて、余程目を近づけて見ない限り読めないであろう。その代り、macOS は解像度をデフォルトで減少させるので、27-inch Retina iMac のデフォルト設定では、2560 by 1440 に減少される。減少設定で、macOS は4つのネイティブピクセル (2-by-2 のマトリックスで) を結合して1つの減少ピクセルとする。そして、個々のピクセルの色は調整出来るので、最終結果はより鮮明に見える。

この 27-inch Retina iMac が出た時、私はほぼ即決で1台買った。丁度新しい Mac が欲しい時期であり、性能は当時としては優秀で、そして画面はまさしく豪華であった。唯一の問題は、私のメインのマシンは2画面システムであったことである。これは 1990 年の SE/30 と 13-inch Apple Color Display の組み合わせに迄遡る。2014 年当時、この iMac とペア出来る同等の 27-inch 5K ディスプレイはなかったので、私は Apple の今や時代遅れの 27-inch Thunderbolt Display で妥協することした。このディスプレイは 2560 by 1440 の解像度をネイティブで持っており、iMac の減少解像度と一緒で、私に一つの長四角の Desktop を与えてくれる。私はこの組み合わせを 2014 年以来使ってきているが、とても理想と言えるものではなかった。左側の Thunderbolt Display に目をやる度に質の違いが目につき、そして、全てのスクリーンショットは最大限の解像度で撮るため iMac の画面で撮ることを毎回自分に言い聞かせなければならなかった - スクリーンショット解像度は、スクリーンによって変わることが分かったからである。

最初、私は 5K ディスプレイはいずれ一般的になり、安くなって私の 27-inch Thunderbolt Display も iMac と同じ減少解像度を与えてくれる 5K ディスプレイに置き換えられる日がくるであろうと思っていた。でも、それはまだ実現していないので、私はもう少し待って Mac Pro 用に Apple が何を出してくるのか見てみることにした。それは、まず間違いなく Thunderbolt 3 機器であろうから、同時に iMac も入れ替えるかどうかで悩むことになるであろう。

私は、Apple がこの新しいディスプレイの工業デザインに対してもっと注意を払って、iMac や iMac Pro との相性を考えてくれることを望みたい。27-inch Thunderbolt Display を 27-inch Retina iMac とペアにした時の問題の一つは、iMac の方が約1インチ (2.5 cm) だけ Thunderbolt Display よりも背が高いことである。Apple はどちらの機器の高さも可変にしていないので、二つの画面を同じ高さに並べる唯一の方法は Thunderbolt Display を本か何かの台の上に置くことである。それはその場しのぎに過ぎず、かの有名な Apple のデザイナーならもっと良い仕事をすべきである。

現時点で、もっと広範囲な層のディスプレイ業界が 5K ディスプレイを大々的に支援することは想像し難い。Apple は時折新技術を他社に先駆けてリリースするが、結果的にそれは時として Apple の技術者を先見の明を持つものとすることもあるが、Apple の製品が技術の袋小路に追い込まれてしまう結果となることもある。5K ディスプレイはこの様な行き止まり製品の一つなのかもしれないが、Apple のプロ用ディスプレイがよく出来たもので、常識を外れて高いものでない限り、そんなことは Mac ユーザーにとってはどうでも良いことである。

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Sharon Zardetto  訳: Mark Nagata   

macOS の隠れた宝: Mac に隠されたマークアップツール

[編集者注: この包括的な解説記事は一ヵ月間 TidBITS 会員のためのボーナスとして出版されていたが、今回すべての人が読めるようにした。]

皆さんは写真を見ながら、あなたの夫や妻 (あるいは可愛い子供) の口に吹き出しを付けて皮肉の利いた一言を書き入れられたら、またはあなたの上司 (あるいは可愛い子供) の顔に悪漢 Snidely Whiplash 風の堂々とした鎌髭を書き込めたらと願ったことはないだろうか? さらには、画像の一部を強調したり拡大したりして特別の注目を集めるようにしたり、あるいはまた単純にスクリーンショットやその他の画像にクロップ (縁の切り取り) 処理をしたりできたならと思ったことはないだろうか?

そんな時、その画像を Preview で開いて備え付けの特殊なマークアップツールを利用し、それからその編集後のバージョンをコピーするなり何なりして使うこともできるが、別にわざわざそんなことをする必要はない。Apple の生産性アプリ (Pages、Numbers、Keynote) にはさまざまのマークアップ風のツールがあるし、Apple の他のアプリで画像を扱えるもの、例えば Photos、Mail、TextEdit、Stickies、Notes、さらには (macOS 10.14 Mojave では) Messages でさえ、マークアップツールを備えている。そして、それだけでは不十分だと言うかのように、Mojave においては Finder や、その新しいスクリーンショットのインターフェイスの中にさえ、それらのツールが組み込まれた。

Mac のマークアップツールを有効にする

機能拡張とは、プログラムに機能を追加する小さなプラグインのユーティリティだ。遡ること 2014 年に、Apple は 10.10 Yosemite の中に Markup 機能拡張を追加し、それに加えてシステム環境設定に Extensions (機能拡張) という環境設定枠を設けたのだが、どちらもそれに値する注目を受けてこなかった。

まずはシステム環境設定の中で、Mojave においては3つの分野でマークアップ機能を有効にしよう:

  1. System Preferences > Extensions に行く。
  2. リストから Actions を選び、右側のパネルで Markup にチェックを入れる。
  3. 次に Photos Editing を選び、こちらも Markup にチェックを入れる。
  4. さらに Finder を選び、Markup にチェックを入れる。(他の3つの項目にもチェックを入れておくべきだが、この記事ではそれらに触れない。ただし後の “ちょっとした助言いくつか” のところで話のついでに1つだけ触れる。)

macOS Extensions settings.

High Sierra においては、Extensions (機能拡張) 環境設定枠で Actions と Photos の2つの分野でのみ Markup にチェックを入れる。High Sierra では Finder の選択肢はない。

マークアップツールにアクセスする

マークアップツールにアクセスする方法は、あなたがどこで作業しているかに依存する:

さて、あなたがどの方法でマークアップツールを呼び出したとしても、Markup ウィンドウの一番上にツールバーがあって、6つの基本的なマークアップツール (ただし1つだけ、テキストツールの右隣にあるハイライトツールは使用できない) と、さらにあと十個のツールを提供するメニューと、4つのフォーマッティングメニュー、2つの Rotate ツールと1つの Crop ツールが表示される。(High Sierra のツールバーには Rotate ツールと Crop ツールはないが、クロップ機能は備わっている。)

Markup toolbars in Mojave and High Sierra
上が Mojave のマークアップツール、下が High Sierra のマークアップツール

Photos アプリで作業している場合、Save Changes ボタンか Cancel ボタンをクリックすればマークアップモードから離れる。標準の Photos の Edit ウィンドウに戻るので、そこで Done をクリックするか Return を押すかすれば脱出できる。それ以外のアプリでは自動的に保存されるので、ただ単に Done または Cancel のボタンを押すだけで Markup ウィンドウが閉じる。

Sketch ツール

このツールはその鉛筆アイコンが示唆するよりもずっと魔法の力に満ちている。Sketch ツールで線や図形を描けば、Markup はそれを滑らかにしようとし、さらには二つの終端を結ぼうとさえ試みる。だから、例えばほぼ円に近い図形を描けばちゃんとした円ができる。

ツールのアイコンからドロップダウンする小さなメニューに、スケッチ後の最終形として二つか三つの選択肢が提供される。一つは図形をあなたが描いたままにするが、これは必ずしもいつもデフォルトで選択されている訳ではない。フリーフォームで描いたものが一つの図形、または複数の図形の組み合わせに近い形をしている場合 (例えば下図の棒付きキャンディーの形のような場合) もう一つの選択肢が使える。ここで2個の選択肢がメニューに表示されるのも私は時々見たことがある。最後の選択肢はあなたの手書きのスケッチを素晴らしく滑らかなバージョンに直す。あなたが描いたままのアートワークにしておきたければ、メニューのクローズボタンをクリックする。そうでなければ、提案された選択肢をクリックする。

いずれの場合でも、スケッチの上に青いリサイズハンドルが表示されるので、サイズの変更ができる。図形にもよるが、下図の第2と第3の場合のように、輪郭の一部を変更するための緑色の機能ハンドルが付くこともある。

The sketch tool.

当初バージョンの Mojave では、このドロップダウンメニューが出ている状態で Return キーを押すと、時々はハイライト表示された選択肢が確認されたが、たいていは選択された曲線が消去されてしまい、一度など私がお絵描きをしていた TextEdit 書類がたちまち消滅してしまったことさえあった。だから、ここではメニューからマウスで選ぶことを心掛けるとよい。あなたの環境の下で十分にテストできたと納得がいくまでは、キーボードは使わないようにしよう。

Draw ツール

Draw ツールが使えるのは Force Touch トラックパッドがある場合に限られる。Force Touch トラックパッドがあるなら、ぜひいろいろといたずら書きをして試してみて頂きたい。なぜなら、トラックパッド上で指の圧力を変えることで、それに応じて線の太さが変わるからだ。忍耐強く練習を重ねれば、見事に流麗な波の絵を描くことも、記事の初めで述べた口髭を描くこともできるだろう。Draw ツールが選択されていると、Shape Style メニューで選んでおいた線の太さが特別な太さに変化し、太さの「範囲内」でさまざまの線が描ける。

High Sierra で試してみたところ、私が描き終えたとたんに描いた図全体が目で見て分かるほどに縮小されてしまった。ただ、この不具合は Mojave では解消されているようだ。

The draw tool.

Shapes メニュー: 線と矢印

Shapes メニューには線と矢印の他に6種類の図形が提供される。線、矢印、長方形、角の丸い長方形、楕円、吹き出し、星形、六角形だ。それ以外に2つの特殊ツールもあるが、これらについてはあとで説明する。

線と矢印は多少流動的なところがある。というのも、まず線を描いてからその後で「図形スタイル」を適用することで矢印の先端を付けたり、あるいはまず矢印を描いてからその後で矢印の先端のないスタイルに変更したりすることもできるからだ。線と矢印については線の太さ、線のスタイル、矢印の先端を付けるか否か、落とし影を付けるか否かを Shape Style メニュー (後述する) でフォーマット付けしておく。線や矢印にテキストを付属させることもできるが、これについてはあとで **テキストに取り組む** のところで説明する。

選択されている線や矢印には両端に青いリサイズハンドルが付くので、それを使って線の長さを変えたり (矢印の先端の大きさは線の太さによって決まる)、向きを変えたりできる。真ん中にある緑色の機能ハンドルは、線を曲線に変えることができる。また、この機能ハンドルを線に沿ってスライドさせることで、曲線の曲がり具合を変えることもできる。

The shapes menu: lines and arrows.

線や矢印の端をドラッグして向きを変える際に、Shift キーを押していればオブジェクトの向きが水平・垂直・45度の傾きのいずれかに限定される。

Shapes メニュー: 標準図形

長方形、角の丸い長方形、楕円、それと吹き出しのツールは、互いに共通したところが多く、直感的に使えるだろう。選択された図形には青いリサイズハンドルが、四辺それぞれの上と四隅それぞれにある。ただし楕円と吹き出しについてはそれを囲む長方形の頂点にあたる場所に隅のハンドルがある。(これらの図形はいずれも、テキストコンテナとして使うこともできる。これについてはあとで **テキストに取り組む** のところで説明する。

吹き出しの飛び出した部分には、その先端と付け根のところに一つずつ緑色の機能ハンドルがあって、飛び出しの長さと、幅と、楕円の縁のどの部分から飛び出すかを調節できる。線オブジェクトと同様に、先の部分をドラッグする際に Shift キーを押していれば向きが水平・垂直・45度の傾きのいずれかに限定される。

The shapes menu: basic shapes.

楕円をベースにした吹き出し (speech balloon) の代わりに、心の中の声を表わすフワフワの縁取りの吹き出し (thought balloon) を作りたい場合はどうすればよいか? そのための専用のツールはないのだが、特別の、隠れたテクニックを使えば作れるので、記事の最後の **ちょっとした助言いくつか** のところで紹介しておこう。

Shapes メニュー: 星形と多角形

星形と多角形については、基本的なリサイズハンドルに加えて、緑色の機能ハンドルを使って突起の数や辺の数を変えられるようになっている。まずそのオブジェクトを選択してハンドルが見えるようにする。(星形では、2個のハンドルのうち外側のハンドルを使う。) その緑色の点を円の周囲に沿ってドラッグする。時計回りにドラッグすれば突起や辺の数が増え、反時計回りにドラッグすれば減る。星型は最大 20 個の突起を持つことができ、多角形は最大 12 辺形までだ。星形には第二の機能ハンドルがあって、これを使って星形の内径を (つまり突起の長さを) 調節する。他の図形と同様、これらの図形の内部にテキストを入れることができ、それについてはあとで **テキストに取り組む** のところで説明する。

The shapes menu: stars and polygons.

Shapes メニュー: ハイライトツール

Shapes メニューの一番下にあるこのツールは、実際には画像の一部をハイライト (強調) 表示する訳ではなくて、その部分以外を暗くする。使い方はとても簡単だ。強調したい領域をドラッグして長方形で囲んでから、Return を押せばよい。

ハイライトの長方形のサイズを変更するには、まず暗くなっている部分のどこでもよいのでクリックすると、ハイライト部分の周囲にリサイズハンドルが現われる。でも、それを動かすには、長方形の外側を掴んでドラッグしなければならない。直感的なやり方とは言えないが、この「ハイライト」を穴の空いた半透明のシートを被せる操作だと思えばよい。Shapes メニューに表示された小さなアイコンも、よく見ればそういうことを表わしているではないか。ハイライトを削除するには、それをクリックしてから Delete を押す。

The highlight tool.

このような「すべてが覆われる」タイプのやり方は、その暗くなった部分の上で既に作成済みのオブジェクトを動かしたり、新たなオブジェクトを描いたりできないことを意味している。だから、先に他のマークアップをすべて済ませてからハイライトするか、あるいはいったんハイライトを削除して、さらなる編集を施し、最後にハイライトをやり直すかしなければならない。

Shapes メニュー: Loupe ツール

Shapes メニューの一番下にもう一つあるのは素晴らしく素敵な拡大鏡 (宝石職人のルーペにちなんで、ルーペツールと名付けられている) で、画像の中の1個または複数個の部分を拡大表示する。このツールをクリックすれば、画像の上に拡大用の円が現われる。ドラッグして位置を決めてから、青いリサイズハンドルを使って円の大きさを変え、緑色の機能ハンドルを使って拡大率を変える。

The loupe.

また、次のようなこともできる:

Sign ツール

署名を添えるために使うこのツールは、埋め込まれた画像への Markup で利用できるが、Photos アプリでは使えない。やり方は macOS の他の部分にある Markup 署名と同じだ。詳しいセットアップの方法と使い方の説明は Apple のサポートページをご覧頂きたい。そこに、Preview アプリの Sign 機能の使い方に関する説明がある。

Crop ツール

Mojave の Markup にはクロップのための専用ツールがある。それ以前はツールを必要としない組み込み機能であった。その上、High Sierra とは違って Mojave のマークアップでは Photos でもクロップツールが使える。

このツールをクリックすると、Markup ツールバーの右端に Crop ボタンが現われ、画像には白いクロッピングコーナーが表示される。また、領域の周囲に極細の線も表示される。この線は見にくいが、掴むのは難しくない。そこにあると信用して掴めばよい。クロップ線を調節している間はグリッド線も表示されるので、クロップ後の画像で何が中心に来るかを見極めたり、ひょっとすると三分割法を使いこなす役に立ったりするかもしれない。これで良いと思えば Crop ボタンをクリックする。すぐに思い直した場合は、もう一度 Crop ツールをクリックして線の位置を調整し直せばよい。

Demonstration of the crop tool

High Sierra にクロップ用のマークアップツールがないのは、クリックしてドラッグする機能が既に内蔵されているからだ。ただし Photos にはそれがなく、もともとネイティブなクロップ機能がある。ただ単に、青い隅か、または画像の縁の辺の中央をドラッグするだけだ。Apple 製のアプリでマークアップ作業をしている画像にクロップを施すには、隅または辺の中央にポインタをかざして青いクロッピングガイドを表示させてから、それをドラッグしてクロップ領域を指定すればよい。クロップ用にマークした領域の外の部分は、Done または Save Changes をクリックするまで消えない。

Shape Style メニュー

私は当初、Shape Style メニューを単に線の太さを変えるだけのためのものと思っていたが、その名前が示す通り、これはそんな風に限定されたものではない。実際これは万能のマルチツールと言っても過言ではなく、矢印の先端に関するオプションを除けばこの設定は図形の境界線にまで及ぶ。フォーマットの選択はツールを使う前にもできるし、事後にオブジェクトを選択して適用することもできる。

Shape style menu.

選択肢は四つのセクションに分かれていて、それぞれ次のようなことをする:

境界カラーと塗り潰しカラー

この2つのメニューは、現在選択されている色をそのアイコンが示し、両者共通のパレットを使ってさまざまの色合いのカラーを表示する。一番上のところに基本的な (原色) カラーが並び、一番下にある Show Colors ボタンはシステムの Colors ウィンドウを開くので、標準色では不足の場合に使う。

Border and fill colors.

テキストに取り組む

画像のタイトル、ラベル、あるいは吹き出しの中の言葉として、手軽にテキストを追加してフォーマット付けできる。(これで、ようやく Comic Sans フォントの意味ある使い道ができた!) 専用のテキストボックスを作ってそこに書き込むこともできるし、どんな既存のオブジェクトでもテキストコンテナとして使うこともできる。

テキストボックスの基本は簡単だ。Text ボタンをクリックしてテキストボックスを作り、タイプし始めるだけでよい。High Sierra では気付かなかったが、Mojave ではアイコンの「描かれた」部分をクリックしなければ反応せず、アイコンの中の箱と文字の間の空白の部分をクリックしても反応しない。(その反面、High Sierra では Crop ツールにこの問題があった。)

テキストボックスの中に当初描かれている Text というプレースホルダーはタイプすれば上書きされるので、わざわざ選択する必要はない。タイプして行くにつれて、テキストボックスはそれに応じて自動的に拡張する。手でリサイズできるのはテキストボックスの横幅だけだ。左右の辺にある青いリサイズハンドルをドラッグすると、中のテキストをきっちり収容できるようにボックスの高さが自動的に調整される。

The text box tool.

アクティブでないテキストボックスの位置を変えるには、まずポインタをその上へ持ってくる。するとポインタが手の形に変わり、掴んで移動できることを示す。もしもそのテキストボックスがアクティブならば、テキスト上のポインタはテキストカーソルなので、ボックス内部の空白部分か、または境界線上にポインタを持ってくれば Grab の手形ポインタに変わる。

どのような既存のオブジェクトにも、テキストを追加できる。ただ単にそれを選択して、そのままタイプし始めればよい。だから、例えば吹き出しの中に台詞を書き込むために、わざわざテキストボックスを置いたりする必要はない。けれども、テキストボックスと違って図形ではタイプするに応じて自動的に拡張したりしない。テキストを収容するために、手で図形をリサイズしなければならない。タイプしたりそれを囲む図形をリサイズしたりした結果としてテキストがオーバーフローすれば、その図形が選択されている間、図形の一番下のところに小さな + 記号でオーバーフローしていることが示される。(テキストボックスは、そこまで親切ではない。)

領域を囲まない図形にさえもテキストを追加できる。たとえば手で走り書きしたもの、あるいは線や矢印などでもできる。そのオブジェクトを選択してからそのままタイプし始めると、主として水平方向のオブジェクトでは左側に、主として垂直方向に伸びたオブジェクトでは上側にテキストが現われる。矢印の場合、オブジェクトの向きを変えても矢印の先端は線そのものに固定されて動く。矢印では、あなたが (文字通り) 指しているものを説明するラベルとして手軽に使える。他のタイプの図形と違って、領域を囲まない図形に付属したテキストは一行のみに限定されているので、ただ横長に伸びる。タイプし続ければそのテキスト領域はどんどん水平方向に伸び、画像領域の外にはみ出た部分は見えなくなる。

Adjusting text boxes.

テキストボックスや図形のテキストを編集するには、まずそのオブジェクトをクリックして選択し、それからもう一度クリックしてテキストの中に挿入ポイントを置く。アクティブでないテキストコンテナを (2回のクリックより素早く) ダブルクリックすれば、その図形のみならずあなたがクリックしたものも選択される。

Text Style ポップオーバーに数限りなくあるオプションを使って、テキストをタイプする前にも後でも、テキストのフォーマッティングを施すことができる。例えばフォント、書体、フォントサイズ、カラー、段落の行端揃えなどのオプションがある。テキストコンテナ自体が選択されていても、またテキストを入力したり編集したりしている最中でも、テキストのフォーマッティングを適用できる。そのテキストの一部だけが選択されていたとしても、そのテキストブロック全体に対してフォーマットが適用される。

Formatting text.

テキストの作業をする際に注意すべき点を挙げておこう:

オブジェクトを操作する

画像の上に置かれたマークアップ項目はすべてがそれぞれにオブジェクトだ。それらを操作することに関して知っておくべきことをまとめておこう:

Reordering object layers.

マークアップの取り消し

マークアップの作業をしている際にも、取り消し (Undo) コマンドは期待通りに働いて、最も新しく施した変更を取り消し、繰り返せばそのもう一つ前の変更を取り消す、という風に働く。やり直し (Redo) はその逆の方向に進む。

これら Undo と Redo のコマンドは、あなたが使っているアプリとの間で相乗的に働く。Markup の作業をしながら、私は何も考えずに Command-Z を叩いていた。ふと気が付くと、親アプリの Edit メニューの Undo コマンドが呼び出されていたことが分かった。けれどもそれは必ずしも純粋にそのアプリの Undo コマンドではなかった。なぜなら、Command-Z を叩く前に Edit メニューを開いて見れば、マークアップの詳しいコマンド名がそこに表示されているからだ。例えば、Undo Text Change、Undo Remove Rectangle、Undo Change of Annotation Properties、Undo Change of Bounds、そしてこれは私のお気に入りだが、Undo Doodle (いたずら書きを取り消す) というのもある。

でも、マークアップウィンドウを閉じてしまった後はどうなるのか? 例えば TextEdit や Stickies などに埋め込まれた画像については、マークアップモードを脱した直後に Undo を使えば、あなたが今施した作業すべてが取り消される。けれども、Finder で作業をしている場合は、記事の前半で述べたように Quick Look ウィンドウやその他いろいろな方法があったが、いったんマークアップウィンドウを閉じれば、それで終わりだ。Undo 機能はもう使えない。

再度マークアップ (Re-Mark) する際に注目すべき (Remarkable) こと

Mojave においては、マークアップを施した画像を保存しても、たいていの場合、その後で気持ちが変わればその画像に戻ってマークアップを変更したり削除したりできる。その点 High Sierra は全般的にそこまで親切ではなかったし、首尾一貫しないところもいくらかあったので、私はこれを Mojave の中で、Photos と、埋め込み画像を処理できるアプリ (TextEdit や Stickies など)、さらには Mail でもテストしてみた。ほとんどの場合、どこでマークアップの作業をしても、基本の画像に「ホスト」のアプリケーションの中でどんなことをしても、いったん Markup モードを出て、処理を保存して閉じて、アプリを終了して再び起動してみても、その画像に施したマークアップは依然として編集可能だった。とりわけ親切だったのは Photos で、特別のコマンド (File > Export > Export Unmodified Original for Photo) を用意して、手でマークアップを取り除いて混ぜ物なしの写真に戻す手間を省いてくれていた。

けれども一つだけ大きな例外があって、これにはひどくがっかりさせられた。それは Finder だ。Finder の中で、さきほど紹介したいくつもの方法の中からどれを使ってマークアップの作業をしても、例えばスクリーンショットから開いたフローティングサムネイルで作業をしても、いったん閉じれば、施されたマークアップは恒久的であって、もはや編集できない。(ここでもう一つ知っておくべきことがある。Preview は、マークアップ機能が初めて導入されたアプリであって、今もまだその独自のマークアップツールを使っているのだが、これは常にマークアップの結果を「フラット化」して、画像の中の編集不可の一部分として保存してしまう。)

だから、もしもあなたが High Sierra で作業をしているなら、または Mojave の Finder で作業をしているなら、混ぜ物なしの基本画像が重要な場合には、まずその画像や書類を複製してから、その複製で作業するべきだろう。

ちょっとした助言いくつか

Markup のツールに関するありとあらゆるオプションについて説明してきたと思えるかもしれないが、いや、とんでもない! 説明すべきことはまだまだある。最後に、ここまでの説明で触れることのできなかったいくつかのヒントを紹介しておこう。

回転を取り消し

画像の回転については、マークアップが編集可能か否かを心配する必要は一切ない。いつでもマークアップに戻って、元の向きへの逆回転を施せばよいだけだからだ。さらに便利なのが、Finder で使える Quick Action の中に Rotate があることだ。ただしこれをシステム環境設定で有効にしておく必要がある。やり方はこの記事の初めの方の **Mac のマークアップツールを有効にする** のところで説明した通りだ。

トラックパッドの小技

トラックパッドがある場合にのみ使えるマークアップの作業がいくつかある。Draw ツールで線の太さを変える技には Force Touch トラックパッドが必要だったが、次に挙げる二つはどんな種類のトラックパッドでも働く:

PNG ファイルに編集可能なマークアップ

Finder の中で PNG ファイル (スクリーンショットは PNG ファイルとして保存される) にマークアップを施すと、その変更は恒久的だ。でも、他にどこでそれを開くことができるのか? PNG ファイルから始めて編集可能なマークアップを施すには、そのファイルを Control-クリックしてポップアップメニューから Open With > Other を選び、開いたダイアログで Photos アプリを選ぶ。すると Photos が開いて、そのファイルがコレクションに追加されるので、この記事の前の方で触れたやり方でマークアップツールにアクセスすればよい。

フワフワの吹き出し (thought balloon)

当初私は楕円の外にだんだん小さくなるいくつかの円を描いて心の中の声を表わす吹き出しを作る方法を書いて、マンガの正式なやり方は滑らかな楕円ではないのだが、と断り書きを添えるつもりだった。けれどもその後、たまたま素晴らしく楽しい機能に気付いた。単純に Sketch ツールを使ってフワフワの雲のような形を描いておく。書き終わりは線を閉じる必要もなく、両端が近いところにあれば十分だ。書き終えたとたんに、自動的に適切なフワフワの吹き出し (thought balloon) に変わっていて、そこに続く小さな泡の丸たちの尻尾もちゃんと付いている。その上普通の吹き出しと同様に、本体のまわりで尻尾の生える位置を変えたり、ドラッグして尻尾を長くしたりもできる。(ただし長くしても泡と泡の間隔が広がるだけで、泡の個数は増えない。)

Drawing a thought balloon.

もう少しあやふやなスケッチを描いて、ある程度は波打っているので雲の輪郭を思わせないことはないが全体的には雲に見えないという程度の線であっても、あなたがそのつもりで書いたという万一の可能性に備えて、ドロップダウンメニューにはフワフワの吹き出しが候補として提示される。

Finishing a thought balloon.

さて、現実的にこのフワフワの吹き出しがどんな風に使えるかの実例をお見せしておこう。

A thought balloon in action.

受信した電子メールをマークアップ

誰かがあなたに電子メールで送ってきた画像にマークアップを施したいと思っても、受信した電子メールメッセージの中ではできない。その代わりに、Reply ボタンをクリックして、Reply ウィンドウの中にあるその画像で作業をする。

ただし、Reply ウィンドウにその画像が表示されるためには、Mail の設定で返信の中に元のメッセージを含めるようにしてあることが必要だ。その設定は Mail > Preferences > Composing の Responding セクションにある。Mail の環境設定がそうなっていない場合には、元のメッセージから画像をコピーしてそれを返信にペーストするか、あるいは単にウィンドウからウィンドウへ画像をドラッグしてもよい。

いったん Reply ウィンドウの中にマークアップを施した画像が収まれば、記事の初めの方で触れたように画像の右上隅の小さな下向き矢印のボタンからマークアップモードにアクセスできる。Mojave においては、送り主が作ったマークアップに加えてあなた独自のマークアップを追加できるばかりでなく、元のマークアップをあなたが編集したり、さらには丸ごと削除したりもできる。

何も描かれていないキャンバス

既存の画像に編集を加えるのではなくて、ただ何かを描きたいだけの場合、空白のキャンバスを作ってそこに書き込むこともできる。TextEdit で、新規の書類から始めて、そのページのメイン部分のスクリーンショットを、ルーラを入れないようにして撮影する。そのためには、デフォルトのキーボードショートカット Command-Shift-Control-4 を使って真っ白な領域を撮影してそれを Clipboard にコピーし、それをそのページにペーストすれば、画像として扱われるようになる。ペーストした領域の上にポインタをかざせば、小さな下向き矢印のボタンが見えるので、それをクリックして開いたメニューから Markup にアクセスできる。

Touch Bar 機能

Touch Bar はコンテクスト対応の Markup コントロールを提供する。手に馴染む (いや、指に馴染む?) ハンディーな選択肢がある。例えば、テキストボックスを作成するボタン、線の太さを調節するスライダー、線のスタイル (実線、破線、点線、ドライブラシ) を選ぶボタン、フォントサイズや書体 (ボールド、イタリック、アンダーライン)、段落の行端揃え、(タイプしている最中の) 単語補完の提案、線に追加する矢印の先端、状況にふさわしいカラーの選択、あなたが考えを変えた場合に備えて、あるいは作業を終えた場合に備えての Cancel や Done のボタンなどだ。

Touch Bar markup tools.

TextEdit の特殊なバグ

High Sierra で私を悩ませていた一つのバグが、Mojave でも直っていなかった。ただし起こる頻度は減った。TextEdit の中で埋め込まれた画像に対して Markup ツールを開き直した際に、ひどく不完全な、どことなく半透明のウィンドウが開いて、Markup は表示するのに、画像そのものが表示されない、ということがあるのだ。Cancel をクリックするとこの奇妙なウィンドウは閉じるけれども、マークアップのレイヤーにアクセスするためには書類をいったん保存して、閉じて、開き直さなければならない。

The girls jumping into the pool.

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

1Password 7.2.2

1Password 7.2.2

AgileBits が 1Password 7.2.2 をリリースして、このパスワードマネージャに多数の改善とバグ修正を加えた。今回のアップデートから必要に応じて Safari App Extension を有効にするよう促すようになり、複数スクリーンのシステムで 1Password mini を正しく表示するようにし、Favorites を並べ替えできるようにし、2FA コードの存在をもとに検索できるようにし、提案項目のリストに OmniFocus 3 を追加した。1Password 7.2.2 ではまた 1Password mini が消えるべき状況で残ってしまったバグを修正し、いくつかのクラッシュを取り除き、指紋を追加または削除する際に常に Master Password の入力を要するようにしている。(AgileBits または Mac App Store から独立動作のアプリ購入の場合 $64.99、講読の場合は月額 $2.99 または $4.99 (TidBITS 会員は 6 ヵ月間無料)、無料アップデート、45.9 MB、リリースノート、macOS 10.12.6+)

1Password 7.2.2 の使用体験を話し合おう

Typinator 7.8

Typinator 7.8

Ergonis が Typinator 7.8 をリリースして、macOS 10.14 Mojave の Dark モードで走る際の改善を加えた。このテキスト展開ツールのメニューバーアイコンをクリックした際に正しいアクセントカラーを使うようにし、プレインテキストと HTML の展開が Mojave の Dark モードにフル対応し、選択された quick search 結果の読みやすさを改善している。今回のアップデートではまたウェブブラウザ Vivaldi および Maxthon との互換性を高め、Microsoft Remote Desktop 10 がアクティブな間は正しく Typinator を無効にするようにし、TextExpander からの読み込みが説明文も読み込むようにし、展開フィールドのスクロールとクリッピングを改良した。Typinator 7.8 は Apple の公証を受けている。(新規購入 24.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、6.6 MB、 リリースノート、macOS 10.6.8+)

Typinator 7.8 の使用体験を話し合おう

Microsoft Office for Mac 16.19

Microsoft Office for Mac 16.19

Microsoft が Office for Mac のバージョン 16.19 をリリースした。独立動作版リリースは公式に Office 2019 for Mac と呼ばれている。(講読版は引き続き Office 365 と呼ばれる。) Word、Excel、PowerPoint では書類の中からウェブ上の画像を検索できる機能を装備し (Insert > Online Pictures)、ファイル名をクリックすることでクラウド書類の移動、改名、またバージョン履歴のブラウズをできるようになった。さらに、PowerPoint では書き出されたビデオにオーディオのナレーションを追加する機能が加わり、Outlook ではその Encrypt ボタンに Encrypt-Only オプションが追加された。Excel では二件の遠隔コード実行脆弱性にパッチが施された。(一回限りの購入ならば $149.99、年払い講読オプションは $99.99/$69.99、Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、リリースノート、macOS 10.10+)

Microsoft Office for Mac 16.19 の使用体験を話し合おう

Moneydance 2017.10

Moneydance 2017.10

The Infinite Kind が Moneydance 2017.10 をリリースした。来たるべき Moneydance 2019 デビューの前の、最後のリリースだ。この個人用財務マネージャの今回のメンテナンス・リリースでは Wells Fargo からの「ひどく壊れた」OFX 応答への回避策を提供し、gains/basis 計算でのフローティングポイントの正確さの問題点を解消し、QIF 書き出しにいくつかの改良を施し、一部の Chase OFX ファイルがヘッダと本文の間に空白行による区切りを入れていなかったのを補い、組み込みの株価・為替相場情報の更新機能を改良している。(The Infinite Kind から新規購入 $49.99、TidBITS 会員には 40 パーセント割引、無料アップデート、103 MB、リリースノート、macOS 10.7+)

Moneydance 2017.10 の使用体験を話し合おう

Final Cut Pro X 10.4.4, Compressor 4.4.2, and Motion 5.4.2

Final Cut Pro X 10.4.4, Compressor 4.4.2, Motion 5.4.2

Apple が Final Cut Pro X 10.4.4Compressor 4.4.2Motion 5.4.2をリリースし、三つのアプリのいずれも、最低限 macOS 10.13.6 High Sierra を必要とするようになっている。アップデートする前に、現在インストールされているバージョンとあなたが作成したすべてのカスタム設定をバックアップしておくことを Apple は勧めている。

Final Cut Pro X 10.4.4 はアプリのインターフェイスの中からサードパーティのワークフロー機能拡張を使うオプションを導入したので、クリップをドラッグしたり、タイムライン再生を制御したり、メディアを購入したりする際に使える。Frame.ioShutterstock といったワークフロー機能拡張が Mac App Store から無料でダウンロードでき、Apple は今後もさらなる他社製ワークフロー機能拡張を用意したいと言っている。

今回の Final Cut Pro アップデートではバッチ共有機能も追加され、複数のクリップをブラウザ内で書き出してトランスコードすることでデイリーのターンアラウンド速度を改善した。また Comparison Viewer を追加して、他のフレームを参照することによりプロジェクト内のカラーグレーディングの一貫性を保持できるようにした。ドラッグ&ドロップできる高品質のノイズ提言エフェクトを導入してグレインノイズやビデオノイズを低減した。非360度プロジェクトに 360度ビデオを追加する際の Tiny Planet マッピングオプションを追加して全方位の楽しい外観を作成できるようにした。バージョン 10.4.4 では他にも、360度ビデオ、オーディオ、クローズドキャプション (字幕)、カラー補正などに関する改善やバグ修正が施されている。

Compressor 4.4.2 は新しい 64-bit アーキテクチャに移行して、Mac 内のすべてのメモリを最大限に利用して高解像度の画像やプロジェクトに対応できるようにしつつ、後方互換性によりレガシー 32-bit フォーマットにも対応する。このエンコーディングアプリはまた、QuickTime フォーマットを使ってオーディオファイルをトランスコードする際にオーディオプロパティを自動的に設定し、クローズドキャプション (字幕) を SRT フォーマットで編集および配信できるようにし、Apple Devices にトランスコードする際にメタデータが現われなかった問題を修正している。

Motion 5.4.2 はカラーホイール、カラーカーブ、ヒュー/サチュレーションカーブ、カスタム LUT など高度なカラーグレーディングツールを追加した。この特殊エフェクトツールはまた、任意の写真やビデオを素早くコミック風のイラストに変換する Comic フィルターを追加し、Core Text エンジンを改良して絵文字、シングリフ、およびさまざまなポイントサイズの大文字の正確なレンダリングができるようにし、さらに Final Cut Pro X 10.4.4 にあるものと同じ Tiny Planet フィルターを追加している。(いずれも無料アップデート。Final Cut Pro X 新規購入 $299.99、3.00 GB、リリースノート、10.13.6+; Compressor 新規購入 $49.99、401.2 MB、リリースノート、10.13.6+; Motion 新規購入 $49.99、2.3 GB、リリースノート、10.13.6+)

Final Cut Pro X 10.4.4, Compressor 4.4.2, Motion 5.4.2 の使用体験を話し合おう

Panorama X 10.1.2

Panorama X 10.1.2

ProVUE Development が Panorama X 10.1.2 をリリースして、このリレーショナル・データベースアプリに多数の改善とバグ修正を加えた。今回のアップデートでは Web Browser Object (macOS 10.14 Mojave でチャートの表示を復活させた) における直接の数式表示を修正し、絵文字への直接対応を追加し、Text Import ウィザードが最前面の Panorama ウィンドウでなくてもウィザードをドラッグできるようにし、summary/crosstab リストで Control キーを押せばメニューを表示するようにし、またフィールド全体を変更する操作を施した後に .ModifyFill プロシージャを (もし存在していれば) 走らせるようにした。

Panorama X の価格システムでは $15 のクレジットで一ヵ月間使えるようになっている。12 クレジットの年間講読は $100 つまり月額 $8.33 相当となる。(年間講読 $100、無料アップデート、45.3 MB、リリースノート、macOS 10.9+)

Panorama X 10.1.2 の使用体験を話し合おう

Hazel 4.3.3

Noodlesoft が Hazel 4.3.3 をリリースして、このファイルクリーンアップユーティリティにルールをコピー・ペーストする機能を追加した。今回のアップデートでは Dark モード対応に調整を施しており、具体的には置換テキストのインターフェイス、ルールをプレビューするポップオーバーのヘッダ、それから Apple/JavaScript エディタのカーソル色のカラーを修正している。Hazel 4.3.3 ではまたプレビューポップオーバーを切り離した際にそのサイズが「とんでもなく大きくなる」問題を解消し、いくつかの場所でのキーボードナビゲーションを修正し、一部のエラーを表示しようとする際に Rule Status ウィンドウがクラッシュしていた問題を解決し、Rule ユーザーインターフェイスにさらなるツールチップを追加している。(新規購入 $32、5 名のファミリーパックは $49、無料アップデート、9.8 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

Hazel 4.3.3 の使用体験を話し合おう

OmniOutliner Essentials and Pro 5.4.1

OmniOutliner Essentials および Pro 5.4.1

The Omni Group が OmniOutliner EssentialsOmniOutliner Pro のバージョン 5.4 をリリースして、macOS 10.14 Mojave の Dark モードへの対応を追加した。このアウトライン作成および情報整理アプリはまた、行のステータスを Checked に設定した際に起こることのあったクラッシュを解消し、Focus および Filter のステータスの結果としてすべての行が隠されている場合にもオーディオ録音が正しく書類の中に配置されるようにした。バージョン 5.4 から、OmniOutliner Essentials と OmniOutliner Pro の双方とも最低限 macOS 10.12 Sierra を必要とするようになった。

そのリリースの後間もなく The Omni Group はバージョン 5.4.1 を出して、Dark モードに関係したユーザーインターフェイスの改善を施した。このアップデートでは明暗いずれのテーマの下でも行のハンドルが適切な色で表示されるようにし、明色テーマの書類の中のチェックボックスが Dark モードでも見えるようにし、Pop-up List カラムセルの自動補完リストが暗色テーマの書類では暗色の背景を使うようにしている。OmniOutliner はまた、カラムのタイトルを編集する際にテーマとアピアランスの状態に基づいて適切な背景色を使うようになった。

OmniOutliner 5 は Mac App Store から無料でダウンロードでき (2 週間は無料で試用可能) Essentials と Pro の機能のロックをそれぞれ $9.99 と $59.99 で外すオプションがある。(Essentials の新規購入 $9.99、Pro の新規購入 $59.99、40.2 MB、リリースノート、macOS 10.12+)

OmniOutliner Essentials および Pro 5.4.1 の使用体験を話し合おう

BusyCal 3.5.4 and BusyContacts 1.3.1

BusyCal 3.5.4 と BusyContacts 1.3.1

BusyMac が BusyCal 3.5.4BusyContacts 1.3.1 をリリースした。BusyCal アップデートでは一部のユーザーが iCloud アカウント情報を再度求められていたコード署名の問題を解消し、Exchange の自動発見・認証の処理を改善し、共有 iCloud カレンダーで共有を無効にできなかったバグを修正し、WebDAV 講読が iCloud へ同期されなかった問題を解決し、macOS 10.13 High Sierra やそれ以前で印刷の際に起こったクラッシュを解消している。

BusyContacts 1.3.1 では新規にアカウントを追加する際に Exchange と CardDAV で高度な接続オプションを追加し、現在選択されている連絡先が選択を失うことがあったバグを修正し、また iCloud の CardDAV サーバに最近施された変更に応じた修正も施している。(BusyCal は BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、17.7 MB、リリースノート、macOS 10.11+。BusyContacts は BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、11.4 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

BusyCal 3.5.4 と BusyContacts 1.3.1 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

Diagnose Mac Boot Problems with Howard Oakley’s Diagram

Howard Oakley の図表で Mac の起動に関する問題を診断しよう

Eclectic Light Company ブログの中で、Howard Oakley が有用な図表を公開した。Mac がブート手順を完了できない場合、それがなぜかを診断する際にこの図表が役に立つ。長年の経験を持つ Mac ユーザーならばおそらくここに書かれた情報の多くを記憶の奥底に留めておられるだろうが、Mac が起動しないという状況に突然陥った場合には、Howard の図表を参照することで素早く原因を見極め、解決に辿り着く手助けとなるだろう。ブログ記事の中で、図表で使っている色分けの意味を説明し、もっと別の種類の問題の存在を意味する音や電源 LED の点滅などについても詳しく解説している。

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SMS Database Leak Exposed 2FA Login Codes

SMS データベースの漏洩により 2FA ログインコードが露わに

いろいろな会社からあなたにテキストメッセージが届く時、例えば Amazon から出荷通知が届いたり、あるいは Twitter から二要素認証のコードが届いたりする際に、そのメッセージは Voxox と呼ばれる会社によって可能となっていることが多い。残念なことに、TechCrunch の記事によれば、Voxox があるサーバを全くセキュア化されていない状態で放置していたため、何千万通ものパスワードリセットリンク、二要素認証コード、出荷通知、その他が漏洩してしまったという。これもまた、二要素認証のために SMS テキストメッセージに依存すべきでない理由の一つだ。二要素認証には可能な限り SMS テキストメッセージでなく Authy1Password など認証アプリを使うようにしよう。

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New Macs Separate Speaker and Headphone Jack Audio

新型 Mac でスピーカーとヘッドフォンジャックのオーディオが分離

Rogue Amoeba の Paul Kafasis が、新型の MacBook Air と Mac mini における極めて重大な改善点を見つけた。内蔵スピーカーとヘッドフォンジャックが、従来のように一つの出力を二つのポートに分けたものではなくて、独立した二つの、別々のオーディオデバイスとなっているのだ。それはつまり、例えばシステムのサウンドエフェクトをシステムスピーカーから出力しつつ、それと同時にヘッドフォンでオーディオを聴くことができるようになったということだ。願わくはこのことにより、ヘッドフォンジャックの内側にあるスイッチが何らかの理由で引っ掛かってしまってもシステムオーディオがすべてオフになったりしないということをも意味して欲しいものだ。このデザイン欠陥については3年前の記事“ヘッドフォンポート: Mac におけるアキレスの踵”(2015 年 9 月 2 日) で報告した。

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Apple Confirms That the T2 Chip Limits Mac Repairs

Apple、T2 チップが Mac の修理に制限を加えることを認める

漏洩した Apple の内部文書により、T2 チップを備えた新型 Mac に修理を施した場合に Apple Store と Apple Authorized Service Provider のみに配布されている特殊な Apple ユーティリティをその技術者が使わない限り Mac が動作しなくなる可能性があることが示唆された。今回 Apple は The Verge に対してその事実を認めた。どのような修理についてその独自仕様のソフトウェアが必須となるのかについて Apple は明言を避けたが、漏洩文書にはディスプレイのアセンブリ、ロジックボード、トップケース、それから MacBook Pro の Touch ID ボードと、iMac Pro のフラッシュストレージが明記されている。新型の MacBook Air と Mac mini も間違いなく同様に対象となっているだろう。この要件は表向きはセキュリティ対策のためであるが、Apple がまたもや新たな障壁を DIY で修理する人たちや、独立の修理業者と再生品販売業者たちの目の前に築いてみせたと見ることもできる。(2018 年 11 月 12 日の記事“Amazon、認定を受けていない Apple リファービッシュ品を締め出し”参照。)

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