TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#791/08-Aug-05

そんなことはあり得ないと皆が思っていたまさにその時、Apple は静かに伝統を破って、出荷したのが何と... マルチボタンの Mighty Mouse だ。また今週号では、Adam が Magellan RoadMate 700 を使って Boston の街並を走った経験談を語る。この GPS 機器のお陰で無事にあちこち行き来することができたが、とんでもない事態も何度か経験した。Jeff Carlson は Apple 製でない 20 インチの LCD モニタを超安値で手に入れ、ようやくマルチモニタ環境に仲間入りを果たした。もう一つニュースを: 日本で iTunes Music Store が開店し、猛烈な売り上げと充実したサービスを達成した。

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MailBITS/08-Aug-05

iTMS 日本でもサービス開始し、いくつか石を転がした(Rolls Some Stones) -- Apple Computer は iTunes Music Store に関して満足のいく結果をいくつか獲得した。iTMS 日本版デビューのアナウンスだけでなく、初期の Abkco catalog recording が全世界で利用できるようになったのだ。これには、初期のロックンロールのクラシックといえるThe Animals、Sam Cooke、Herman's Hermits、Marianne Faithful、そして the Rolling Stones が含まれている。これにより、iTunes Music Store は the Rolling Stones の完全なカタログをもつ唯一のオンライン音楽サービスとなった。

<http://www.apple.com/pr/library/2005/aug/04itms.html>(日本語)アップル、iTunes Music Storeを日本で開始
<http://www.abkco.com/>

日本版 iTunes Music Store は 100 万以上のタイトルが提供され、Little Creatures や Chara、Crazy Ken Band などの日本のポピュラーなミュージシャンの曲や日本のラジオ番組やポッドキャストも含まれている。国際的なディストリビューターとともに 1 ダース以上の日本企業が 日本版 iTMS に楽曲を提供した。Apple は 数ヶ月以内にさらに日本のコンテンツを追加することを計画している。日本版 iTMS の楽曲は150 円か 200 円(それぞれ約 US$1.35 か $1.8 になる)で販売されている。今週、Apple はこの新しい店舗が 100 万以上の曲を、サービス開始後 4 日間で販売したと発表した。Apple は日本版 iTMS の導入が iPod、特に iPod shuffle の販売を拡大させることを期待している。iPod がポータブル音楽プレーヤー市場を完全に支配している他の大半の国々と異なり、日本ではほんのわずかリードしているに過ぎない。日本では、フラッシュメモリベースの音楽プレーヤー市場でライバルの Sony が 27% を確保しているのに対して 36% のシェアを確保しているに過ぎない。[GD](笠原)

<http://www.apple.com/pr/library/2005/aug/08itms.html>(日本語)日本のiTunes Music Store、開始から 4日で 100万曲を超える販売達成


Apple がマルチボタンマウスを発売

文: Mark H. Anbinder <mha@tidbits.com>
訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

Apple の創設者で CEO の Steve Jobs がマルチボタンのマウスを出荷することを許さないだろうと従来は考えられていた。そのようなネズミは、Apple のお家芸である伝説的なシンプルさや使い易さを損なうだろうと考えられてきたからだ。パワーユーザー達は絶えず不満をもらし、コンテキストメニューを呼び出すために右ボタンクリックの代わりに Control+クリックをしたり、スクロールホイールを欲しがったり、サードパーティのポインティングデバイスを探していた。

それはもう終わりだ。先週、Apple は $50 の Mighty Mouse を発表し即座に入手可能にした。それは、プログラム可能なマルチファンクションを持った Mac OS X、Windows 2000、Windows XP 用のマルチボタンマウスだ。Mighty Mouse(そう、Apple は注意深くマンガのヒーローの名前のライセンスを受けた) は見た目はシンプルな白いコードタイプのマウスで、一般的なマウスのスクロールホイールがある場所に見える小さな丸いスクロールボールを除けば、Apple Pro Mouse とまるっきり同じように見える。

<http://www.apple.com/mightymouse/>(日本語)アップル - Mighty Mouse

スクロールボールは上下だけでなく、全方向に回転し、Apple が「ウェブページや写真を見たり、ビデオを編集したり音楽を創ったりするアプリケーション」によりマッチしているという、フリーフォームスクローリングを可能にしている。この全方向スクロールは最新の PowerBook や iBook に搭載されたトラックパッドスクロール機能と似ている。スクロールボールは大半のスクロールホイールと同様にクリックも可能だ。

Mighty Mouse のデザインをすっきりとシンプルにしているのは新しいタッチセンシティブなトップシェルだ。分離した左右ボタンではなく、Mighty Mouse はプログラム可能で 1 ボタンとしても 2 ボタンとしても使えるタッチセンサーを装備している。1 ボタンは、絶対に右ボタンクリックを必要としないような純正主義者のために(そして、シングルボタンモードが初期設定だ)、2 ボタンは右ボタンクリッカーや別の操作を実行させるために右ボタンを使いたい人たちのためにある。

左右の Apple Pro Mouse でマウスを持ち上げたり動かしたりするとき握られていた場所にサイドボタンがあり、同一にも個別にもプログラムができ、クリック操作に割り当てたり、Expose や Dashboard の起動に割り当てることができる。

Mighty Mouse はどのバージョンの Mac OS X とも互換性があるが、Apple によると、Dashboard, Expose, and Spotlight へのワンクリックアクセスやアプリケーションの起動を行うためには Mac OS X 10.4 Tiger が必要となるらしい。新しいマウスはオンラインの Apple Store や直営店、一般小売店でも購入可能だ。


Dell の液晶ディスプレイで視野拡大

文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

私がオペレーティングシステムに対して今よりパルチザン的な態度をとっていたとき、私は Dell のことを、Apple の天敵が数ある中でも最後にやってきた不倶戴天の敵だと思っていた。確かに、支配的なオペレーティングシステムを作っているのは Microsoft だが、Windows の多くが、結局は Dell の PC にインストールされることになるわけだ。同社の創設者である Michael Dell がSteve Jobs と長年にわたって舌戦を繰り広げ、Jobs が Dell のラップトップを退屈な自動車 Ford Taurus にたとえると、Dell がそれに答えて、Jobs の作ったものの中で一番好きなのは映画 Toy Story 2 だと言うなんてことも、私にとってはどうでもいいことだった。(興味深いことに、Michael Dell が最近語ったところでは、将来 Mac OS X で動く Intel ベースの PC を販売することも考慮に入れているという。)

<http://www.dell.com/>
<http://www.fortune.com/fortune/fastforward/0,15704,1072719,00.html>

私は定期的に PC を使うわけではないので、私の机の上で Dell のロゴが目に付くことになるとは予想していなかった。しかし、まさにそれが現実のこととなった。もっとも、PC ではなく(確かに私は数年前、テスト用に再整備品のラップトップを購入したが)、20 インチの美しいフラットパネル・ワイドスクリーンディスプレイ、Dell UltraSharp 2005FPW だ。

<http://accessories.us.dell.com/sna/productdetail.aspx?c=us&l=en&s=bsd&cs=04&sku=320-4111&category_id=4009>

ついにモニタが複数に -- Adam は、私が彼に会うよりもっと前から、マルチモニタの主唱者だった(TidBITS-421の "複数モニタで楽しさ 2 倍" 参照)。そして、彼やほかの人が、何年にもわたって、スクリーンの解像度は高い方がいいと立証し続けたが、私には、それがコストに見合うとは思えなかった。それに加えて、私は長いあいだ、PowerBook をメインの Mac として使っている。私が持っていたことのあるデスクトップでもっとも新しいものはPower Macintosh 7500 だ。PowerBook 5300 に 17 インチ CRT モニタをつなげていたことも短期間あるが、そのときはモニタをメインのディスプレイとして使って、PowerBook のふたは閉じていた。大きな画面サイズの PowerBookが登場し始め、私の 17 インチ CRT も映らなくなったので、私はラップトップの液晶にしがみついて倹約をしていた。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04768>(日本語)複数モニタで楽しさ 2 倍

そうこうしているうちに、数ヶ月前、私はマルチモニタで天国にいるような体験をすることとなった。Macworld でソフトウェアのレビューをするのに、Apple が何を思ったか、デュアル 2.7 GHz Power Mac G5 で 30 インチ Apple Cinema Display モニタを _2つ_ 駆動するという、テスト用にこの上ないハードウェアを整えてくれたのだ(これは 800 万ピクセル以上にあたる。下記 URL で写真を2枚見ることができる)。このハードウェアは2週間以内にApple に返さなければならなかったが、この経験によって、ついに私も2つ目のディスプレイを買おうと決心したのだ。

<http://www.flickr.com/photos/jeffcarlson/15194718/>
<http://www.flickr.com/photos/jeffcarlson/13050332/>

残念ながら、私は 30 インチ Cinema Display を買うために 3,000 ドルを費やすほどの熱意はなかった。しかし、液晶の値段は確実に下がっているので、Dealmac でどんなセールをやっているか調べてみた。

<http://www.dealmac.com/>

Dell は、この業界では最大手なので、購入する部品によい値段をつけることができる。これが、同社がコンピュータシステム一式を比較的低価格で提供できる理由の1つだ。その結果として、Dell はしばしば、在庫一掃セールを企画する。今回、私は 20.1 インチ 2005FPW 液晶ディスプレイが 550 ドルほどというのを見つけた。Apple が最初に発売した 22 インチ Cinema Display がおよそ 4,000 ドルで、現行の 20 インチモデルが 800 ドルであることを考えれば、この Dell のディスプレイは買い得だ。

単なるモニタではなく -- 2005FPW の画面サイズは実質 20.1 インチで、最大解像度 1680 x 1050 ピクセル(1,764,000 ピクセル)を誇っている。技術仕様によれば、コントラスト比は 600:1 で、画像輝度は 300 cd/m2(平方メートルあたりカンデラ、明るさの単位)、視野角は水平、垂直ともおよそ88 度だ。日常的な言葉で言えば、この画面は、明るく、美しく、はっきりしている。

それだけではない。2005FPW には4種類の入力がある。VGA、DVI-D、S-video、そしてコンポジットだ。初めは、これは宣伝用の口車で、実は付属のアダプタを使えばどんな機器でも接続できるということだと思ったが、そうではなかった。このモニタには独立した端子が4つあるのだ。だから、4つの機器をつないで、それらを切り替えて使うことができる。私の PowerBook G4は DVI-D ポートにつなげ、せっかくなので古い Dell のラップトップを VGAポートにつないだ。モニタ正面の枠にボタンがあって、これで入力を切り替えることができる。

さらに、2つの入力を、ピクチャー・イン・ピクチャーにしたり横に並べたりして同時に見ることができる。ただし、これができるのは、片方が VGA かDVI で、もう片方が残り2つのどちらかである場合に限られるようだ。私はMac のデスクトップと Windows の画面を両方同時に見ることはできなかった。DVD プレーヤを S-video かコンポジット端子につなげば、画面の一角で映画を見ることもできただろうが、まだ試していない(私にはただでさえ気を散らすものがたくさんある。映画など見た日には、私の生産性は完全に損なわれてしまうだろう)。このようにいろいろ入力できるので、TidBITS の同僚である Glenn Fleishman は、古くなったテレビの代わりとして 2005FPW を購入し、TiVo を S-video に、Mac mini を DVI につないで、ホーム・エンターテイメント・システムとして使っている。

2005FPW には USB ポートも4つあるから、USB ハブとして使うこともできる。Mac につなぐケーブルコネクタが付属していて、これは独立した USB 入力端子につながるから、4つの USB ポートはすべて使える。2つは枠の右側にあってアクセスしやすいが、もう2つはほかの入力端子と一緒に底の方に押し込まれていて、手が届きにくい。

高さは 15.3 インチ(38.9 cm)から 22.4 インチ(56.9 cm)まで調節できる。画面の角度を上下および左右に動かすこともでき、この動きの範囲は多少限られているとはいえ、実用的には十分だ。しかし、もっとすごいことには、この製品は回転させることができる。そう、なつかしの Radius ディスプレイと同じように、画面全体を 90 度回転させて、横長の画面を縦長にすることができる。Dell の技術仕様はすべて Windows PC 向けに書かれているから、回転ディスプレイをサポートするのに、どのビデオハードウェアが必要なのかはよく分からない。私の PowerBook G4 では、最新の Mac OS X 10.4 Tiger が走っていて、Rotate ポップアップメニューから画面の回転角を 90 度、180度、または 270 度に設定できる。

二度と戻れない -- 私は 2005FPW をメインのモニタとして使い、PowerBookを右側に置いてデスクトップを拡張している。私の作業スペースは、PowerBook の 15 インチワイドスクリーンディスプレイですら、狭苦しく感じられていた。今では、電子メールや Word のようなよく使うプログラムを大きな Dell の画面に持ってきて、PowerBook の画面は iChat や参照用の追加ウェブページ、またアクティビティモニタやターミナルなどさまざまなもののためにとってある。

1つ困ったことがあるとすれば、PowerBook の画面は Dell に比べて薄暗い。両方の明るさが同じだったらよいと思うが、PowerBook の画面は、これでも私が以前持っていたモデルよりは明るいのだが、持ち運びができるように設計されているのだから、デスクトップの液晶に使われているのと同じタイプのランプを使うわけにはいかない。

もしあなたがお買い得品を探しているのなら、2005FPW は最適な選択肢だ。この記事を書いた時点では、2005FPW を Dell のウェブサイトから直接買うとおよそ 525 ドルだ。(Home セクションと Small Business セクションの両方をチェックして価格を比較するとよい。Small Business での価格は現在 560 ドルで、まったく同じモデルが Home セクションでは 525 ドルだ。)Dealmacでさらに安くなるクーポンコードを見かけたことがあるが、Dell のセールはあっという間に終わってしまい、たいていは数に限りがある。また今度安売りでいいものを見つけたら、PowerBook を自宅で使う時のためにディスプレイをもう一丁買うのもいいかもしれない。


Magellan RoadMate 700 でドライブに出る

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

前回私が GPS ナビゲーション機器の記事を書いたのは、Tonya と私が Garmin StreetPilot c330 GPS の音声案内ナビゲーションを利用して New York 市街地のいやったらしい街路から無事に帰還したばかりの時のことだった。でも、ひょっとしたら Garmin c330 以外にも究極の GPS ナビゲーション機器があるかもしれない、GPS でのもう一つの有名どころは Magellan だから、ということで私は StreetPilot c330 と同クラスの対抗機種、RoadMate 700 のレビュー用ユニットを入手できるように申し入れてみた。こちらは地図セットがあらかじめ内蔵されているタイプの機種だ。どこでテストしたかって? もちろん、Boston の Macworld Expo のための旅行だ。New York 市とは違って、Ithaca から Boston へ行くのは何の問題もない。インターステート高速道路から Massachusetts Turnpike に入れば、道なりに Boston 市内のど真ん中に行ける。でも問題は、その後どうなるかだ。Boston というところは、その道路のレイアウトや案内の仕方が、国中でも一番...ええと、何と言うか“独創的”に出来ているので有名な所なのだから。この RoadMate 700 があれば、無事にホテルに行き着けるだろうか? 帰りには、Cambridge を通る市街地の道案内を、何とかうまくこなしてくれるだろうか?

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08121>(日本語)NYC のカオスに秩序を: Garmin StreetPilot c330
<http://www.magellangps.com/en/products/product.asp?PRODID=955>

ハードウェア -- この RoadMate 700 の方は StreetPilot c330 よりも少し大きくて重い。これは、RoadMate 700 がタッチスクリーン機能の他にキーパッドも装備しており、またすべての地図情報を保存するためのハードドライブ付きで、ディスプレイも少し大きめだからだ。けれども実際使ってみると、どちらの機器もサイズの面では不都合を感じなかった。ただ、RoadMate 700 の方が横幅が狭かった(これが寸法的に StreetPilot c330 よりも小さい唯一の方向だった)ために、使用しない時にグローブボックスに収納しておくのが簡単かった。

スクリーンの品質はどちらも同じくらいだったが、RoadMate 700 のスクリーンは強い日光の下以外では明瞭で読み易かった。Tonya はこのタッチスクリーンが少し不正確で、彼女の指先に反応する正確さが StreetPilot c330 のスクリーンに比べて若干劣っているという意見だった。けれども、この RoadMate 700 には、右側に並んだボタンという形で追加のコントロール法が提供されている。プラス・マイナスのボタンでズームイン・アウトができ、8方向のロッカーボタンでスクロール、Enter と Cancel ボタンでプロンプトへの応答やメニューのナビゲーションができる。その上、Option(設定スクリーンに入る)と View(各種のビューモードを切り替える)と Locate(地図上に現在位置を示したりその場所についての追加情報を表示したりする)という3つのボタンもある。Magellan は、タッチスクリーンで出来る操作の大半をボタンでも出来るように機能を複製した方がユーザーにとって便利だろうと考えたに違いない。確かにそうなのかもしれないが、私たちの感覚ではちょっとこれは混乱するだけのもののように思えた。なぜなら、操作の各段階で、これはスクリーンにタッチするのとボタンを押すのとでどちらが良いかをいちいち考えなければならないからだ。それに、Tonya はボタンを押す時に前にかがみ込む必要があるので、ボタンがちゃんと押せたのかどうかはっきりしないということも多く、これがまたインターフェイスへの不安の種にもなっていた。

RoadMate 700 の重量が余分にあるのは主に内蔵ハードドライブとそのための電源回路によるものだろう。もちろん機器の重量が多少重かろうと軽かろうと実際には問題になるようなことではないが、このハードドライブのために RAM ベースの機器に比べて起動に時間が掛かるのは事実だ。それに、ハードドライブを内蔵していることで、やけどをしそうなほど暑い日にこの機器をダッシュボードに置いたままにしておくのはちょっと心配だし、逆に痛いほど寒い冬の気温も良いものとは思えない。

レビュー用に届いたユニットは吸盤でウィンドウにマウントするタイプのものだった。これは私たちの Honda Civic の前面窓ガラスに簡単に着け外しできた。ただし、取り付ける時にはかなり注意して、アームの底部がしっかりとダッシュボードを踏ん張るように位置決めをしなければならなかった。RoadMate 700 が大きく揺れるような時には画面が読みにくくなるからだ。ただ、いくら注意してもしっかりと理想的に取り付けられているという感じはしなかった。Magellan からはいくつかマウント用のアクセサリーも出ている。そういうものを使えば、もっとしっかりとした取り付けになるのかもしれない。

<http://www.magellangps.com/en/store/productListDetail.asp?segment=Magellan+RoadMate+Accessories>

RoadMate 700 の見かけ上のデザインで一番目立つのは、バッテリが無い点だ。つまり、RoadMate 700 は自動車の電源アウトレットに接続する必要がある。(私たちはお手製の電源スプリッターを使って iPod と両方使えるようにした。)それと同時に、これは自動車の電源を切る度に電源が切れてしまうということも意味していた。RoadMate 700 は電源が入った時にその前の状態で道案内を続けるようにうまく作られてはいるものの、起動プロセスはどう見ても瞬間的とは言えないので、例えば給油のために止まる度にいちいちイライラして起動を待つという必要が出てくる。また、バッテリが無いということは RoadMate 700 を車外で使うこともできないということで、室内ではいちいち電源コンセントに差し込まなければならなくて不便だし、歩きながら、あるいは自転車に乗って使うのは不可能、ということになる。

あっちへ行ったりこっちに来たり -- 実地に使ってみると、この RoadMate はちゃんと役に立った。Boston での私たちのホテルへ、それから Cambridge にある Tonya の妹のアパートへ、そして最後に家へ帰る時、いずれの場合も基本的には正確な指示を与えてくれた。その途中では Boston 独特の何とも独創的な交差点や、道路工事による通行止めなどのために思いがけない迂回を余儀無くされることも多々あったが、そうやって予定外の道に逸れた場合にも、素早く私たちのために新しい道順を計算してくれた。ただ、どうもこの機械は元の道順に固執したがる傾向があって、たいていの場合「可能ならば合法な場所でUターンをすること」という指示を出すのだった。これは私だけの感想かもしれないが、Uターンなんて私には危険過ぎるように思える。私なら、「可能ならば安全な場所を見つけて反対方向に戻る」と言わせるところだ。そうすれば、駐車場の入り口のようなところに入り込んでその中で向きを変えられる、そういう場所がないかどうか探すことになるだろう。

確かにこの RoadMate 700 はうまく役に立ったし、これがなければ Boston 市内の道順ではるかに多くのトラブルに悩まされることになっただろうとは思うが、それでもこれが完璧な成功だったという訳には行かなかった。Cambridge の Harvard Square で二度、RoadMate 700 は一方通行の道路に私たちを反対向きに進入させようとした。ああ、もちろん、一方通行を逆行すれば「たった一ブロック先だ」という Boston 特有のジョークは理解しているつもりだし、きっとこの RoadMate 700 をデザインした人たちは Harvard か MIT で、どの一方通行標識なら無視してよいのかを習ったのかもしれないよね![訳注: Harvard も MIT も、どちらも Boston にある一流の大学です。]一度など、RoadMate 700 に別の道順を示させようとして道路を一ケ所除外しようとしたら、この機械が動かなくなってしまい、いったんキャンセルして全部初めからやり直しする羽目になったこともあった。それから、次の交差点で曲がるという指示を出すタイミングがちょっと不正確というか、私たちが前に使った時の StreetPilot c330 に比べてちょっと正確度が落ちるのではないかという気がした。特に、非常に狭い範囲に多数の道路が並んでいるような状況では、安全に運転しつつこの機械の指示に従うのが至難の技だった。Harvard Square で私は、間違った道に曲がってしまったことがある。それは、わかりにくい複雑な交差点にいくつもの「右折」する道があって、私は「ここで曲がる」という音を聞くよりも前にあらかじめ決断をしなければならなかったからだ。

音といえば、この種の指示のための音はとても正確で便利だった。私が交差点を曲がるべき、まさにちょうどのタイミングで音が鳴ってくれた。これはなかなか良い感じだと思うし、左折する、右折する、直進するという指示が3種類の違う音で使い分けられているのも良かった。もっとも私はちゃんとした耳の訓練を受けていないので、その3つがどう違うのかをここで説明することはできないが。StreetPilot c330 の時と同様、私はこの RoadMate 700 でも、単純に次の道路の名前を読み上げてくれればもっといいのに、と思った。だって、複雑な交差点を相手にしている時にディスプレイを一生懸命に見下ろして道路の名前を読み取るなんてことは、どうしたって難しいのだから。

それから、私たちはこの RoadMate 700 の見下ろし型の地図表示よりも、StreetPilot c330 の 3-D 地図表示の方が好きだった。確かに RoadMate 700 には“TrueView”という 3-D 表示もあったが、これは交差点のところでしか現われなかったし、そういう時だけ画面全体が切り替わるか画面を2分割して表示されるかのどちらかだった。道順リスト表示モードでは道順の指示だけが文字で表示され、これはあらかじめ道順がまともかどうかチェックしておく際に便利だった。この道順リスト表示は、RoadMate 700 が GPS 信号を一定時間以上受信できなくなった場合にも自動的に切り替わって表示された。これは賢明なことだとは思うが、でも実際のところ、Boston でトンネルを抜けたばかりの所に交差点があって、そこの標識には道順リスト表示にある名前に合う道路が見当たらないような場合、どうしても間違った道に曲がってしまうのはやむを得なかった。幸いにも、いったん衛星からの信号を受信すれば、RoadMate 700 はちゃんと私たちを正しい道順に導き直してくれた。

衛星といえば、受信感度の問題がこの RoadMate 700 でのもう一つの不満の種だった。いったんきちんと受信できた後は何の問題もなかったが、時々感度が悪いはずがないと思えるような状況で(空は晴れて、まわりに木も高い建物もなく、その他の障害物もないような場所で)衛星を捕らえるのにしばらく時間が掛かるようなことがあった。Boston 市内を Massachusetts Avenue に乗って Cambridge に向かって 2 マイル以上も運転し、その途中広々とした橋で Charles River を渡って進んでいるのに、まだ RoadMate 700 が衛星からの信号を受信できないでいることもあった。あの時はちょっとゾッとした。なぜなら、確かに道順リスト表示は出ていたけれど、Cambridge を通って道順を辿るのはかなり厄介なことになると分かっていたからだ。RoadMate 700 には小さな折り畳み式のアンテナが内蔵されているが、もしもそれで不満ならば、Magellan から外部アンテナも別売されている。

良かった点も挙げておこう。今回私たちは付属の観光ポイント・データベースを使う機会が何度かあった。これは StreetPilot c330 では試していなかったことだ。このデータベースは素晴らしかった。例えばこの近所のレストランを探せ、と指示したとする。まずファーストフードの類いはスクロールして飛ばしてしまう。私たちは主義としてその類いの店には立ち寄らないことにしているからだ。すると、高速道路からほんの少しだけ離れた所にある近所のカフェや食堂などが、道案内付きですぐに分かる。こういう案内が無ければちょっと離れた所を探索する気になどならないものだから、これは嬉しい。それに、どうやって高速道路に戻るのかを気にする必要もない。帰り道はちゃんと RoadMate が案内してくれるからだ。もう一つ、帰り道に私たちがマサチューセッツ州を出ようとしていた時、私はうっかりとマサチューセッツ最後のガソリンスタンドで給油しておくのを忘れてしまい、Albany までの間にある荒野のど真ん中に行くまで気付かないという失敗をしてしまった。ガソリンはもうほとんど残っていなかった。という訳で、私は RoadMate 700 に近所のガソリンスタンドを探せと指示した。RoadMate 700 はちゃんと指示通りに見つけて、私たちをインターステート 90 号線に導いた。これは面白い結果に結び付いた。この経路変更の結果、家に着くまでのその後の道順も変わり、これまで私たちが考えたこともなかったような経路で家に着くことになったのだが、掛かった時間はいつもの経路と同じくらいに速いものだった。

住所を RoadMate 700 に入力するのは簡単だ。これは少しの量のデータ入力で済む QuickSpell テクノロジーのお陰だ。私はテストすることはできなかったが、聞いたところによれば Palm あるいは PocketPC 機器から RoadMate 700 へと住所を転送することも可能らしい。StreetPilot c330 よりも優れていた点の一つは、RoadMate 700 で道順をプログラムする時、最短時間、最短距離、高速道路をできるだけ少なく、高速道路をできるだけ多く、という条件を選べるということだ。もっとも、こういう選択肢があるのは良いことのように思えるが、たいていの場合私たちがどの選択肢を選んでも結果に違いはなかったし、そもそもこういう結果を客観的に比較する単純な方法はない。ただ、私たちがこの RoadMate 700 をレビュー用に使っていたのはほんの数週間だけのことだったので、例えば渋滞の多い大都会などで日常的に使い続ければそういう選択肢の違いと有難味が実感できるのかもしれない。

一歩退がって大局を見る -- 基本的な機能については、RoadMate 700 はほとんどの場合うまく働いてくれた。けれども、私たちが StreetPilot c330 に感じたのと同じレベルの満足感を与えてくれるまでには至らなかった。確かにオプションは多かった。男性の声と女性の声が選べたし、タッチスクリーンと物理的コントロールも選べた。でも、そういう類いのオプションは、ただ複雑度を増やすだけで大して有難いものとは思えなかった。でも、人によっては有難いだろう(私たちには無意味だが)と思えるオプションが一つあった。それは、最大3人までのユーザーをサポートしている点だ。それぞれのユーザーが独自に、最近入力した住所や設定を保持できるのだ。もしもあなたが他の人たちと GPS を共有して(例えば高価な機器を皆で持ち合うなどして)使うつもりなら、この機能はかなり便利なものになるだろう。

StreetPilot シリーズと同じく、この RoadMate 700 でも頻繁ではないものの地図のアップデートが出ていて、これは無料ではない。いろいろな小売店によって $750 から $1,000 もする価格の上に、さらにお金を積んでアップデートを受けなければいけない訳だ。全体的に見て、私の好みから言えばこれはちょっとお金が掛かり過ぎる。特に、高温・低温の環境でハードドライブが心配なことを考えれば、究極の GPS 機器を探し求める私の旅をここで終わらせる訳には行かない。

どうやら、Magellan からは新しい機器が登場しようとしているようだ。ちょうど私がこのレビュー記事を書き終えつつある今、私はこの会社が RoadMate 760 をリリースしたという話を聞いた。これはハードウェアとしては基本的に 700 と同じものだが、非常に魅力的な新機能をいくつか盛り込んだものだという。最も特記すべき機能は“SayWhere”という text-to-speech テクノロジーで、これで次の交差点の名前を言葉で読み上げてくれるようになった。やっと実現したのだ! それから、複数の目的地を指定して道順を組むこともできるようになった。これは私にとって必要な機能ではなかったが、例えばコンサルタントのような人、知らない土地で複数の用向きをこなさなければならない人にとっては、すべての鍵となる機能だろう。他にも、輝度と音量の自動コントロール、これはその時の時刻と速度に応じてスクリーンの明るさとスピーカーのボリュームを調節してくれる機能だ。700 では、私たちは路面からのノイズに応じてしょっちゅう音量を手で調節しなければならなかった。また“Smart Detour”は道路の渋滞や工事、その他の予測できない障害に対応するため、交通が数分間以上にわたって止まった場合に自動的に迂回路を選択できる。それにもう一つ、観光ポイント・データベースの項目数が、これまでの 700 での約二百万個から一挙に約七百万個に増えた。

<http://www.magellangps.com/en/products/product.asp?PRODID=1091>

もちろん、Garmin もただ黙ってこれを見ている訳ではない。StreetPilot c340 や StreetPilot 2720 ではどちらも text-to-speech が追加され、オプションとしていくつかの大都市地域で渋滞を速報したり迂回したりする機能も加わっている。だから、新機種の RoadMate 760 ですらも、もう既に手強い競争相手が控えているという訳だ。まだまだこの分野は目が離せないぞ!

<http://www.garmin.com/products/sp340/>
<http://www.garmin.com/products/sp2720/>


TidBITS Talk/08-Aug-05 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

各話題の下の2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバでの討論に繋がる。こちらの方が高速のはずだ。

PowerBook スクリーンのちらつき -- ラップトップ機のスクリーンが変にちらちらするようになった、と一人の読者が報告する。この問題は費用を払って修理するだけの価値があるだろうか、それとも、Mac mini に安価な LCD ディスプレイを付けたものに買い替えた方が得策だろうか? (メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2662>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/514/>

Tiger の Mail と Spotlight -- Mac OS X 10.4 Tiger の新バージョンの Mail は、巨大なデータベースファイルを使わず、個々のメッセージをそれぞれ独立のファイルとして保存することによって Spotlight 検索を可能にしている。この方式の長所と短所について読者たちが議論する。(メッセージ数 19)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2663>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/515/>

Segway と遭遇 -- 二輪の「パーソナル・トランスポーター」なるこの代物、実際にどこへ行けば動いているのが見られるのだろうか? Segway はまだ一般に受け入れられているとは言い難いが、どうやらこれを使っている人の数は増えてきているらしい。(メッセージ数 6)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2664>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/516/>

11 時のニュース: 天地がひっくり返った -- Apple がマルチボタンの Mighty Mouse を出したというニュースは、誰の脳裏にも Red Sox の優勝とか Apple の Intel プロセッサへの移行とかを連想させた。(メッセージ数 23)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2665>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/517/>

ファイル対データベース -- フラットファイルとリレーショナルデータベースの両者の方式を比較検討し、Mac OS X での特定の目的、例えば Mail や iCal などでそれぞれがどのように使われているかを見る。(メッセージ数 4)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2666>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/518/>

Mighty Mouse -- Apple の新しいマウスについて、将来 Bluetooth モデルは出るのだろうか、またウェブに出回っている詳細な分解写真を見ながら、この内部の仕組みはどうなっているのだろうか、と読者たちが思案する。(メッセージ数 13)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2667>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/519/>

WebObjects で CMS? -- Apple の WebObjects テクノロジーをコンテンツ管理システム (CMS) に応用している例はないだろうか、とある読者が質問する。(メッセージ数 4)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2669>
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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA