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#1631: iOS 16.0.3 と watchOS 9.0.2、ジェットコースターで衝突事故検出、iOS 16 の服薬機能、watchOS 9 の低電力モード

Apple が iOS 16.0.3 と watchOS 9.0.2 をリリースして少数の具体的なバグを修正した。影響のある iPhone か Apple Watch を持っている人は早めにアップデートしよう。ジェットコースターに (比喩的にでなく実際に) 乗るのが好きな人は、極端な加速度と大音響が新型の iPhone 14 や Apple Watch の衝突事故検出機能を呼び出してしまうことがあるので注意しよう。この機能を一時的にオフにする方法を紹介する。こちらも Apple Watch の話題だが、Adam Engst が watchOS 9 の新しい低電力モードを解説する。これで Apple Watch のバッテリー寿命が劇的に延びるからだ。最後に Glenn Fleishman が iOS 16 の Health アプリとその対となる watchOS 9 の Medications アプリを使って服薬追跡をする方法を掘り下げる。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Pixelmator Pro 3.0.1、Twitterrific 5.4.10、BBEdit 14.6 だ。

Josh Centers  訳: Mark Nagata   

iOS 16.0.3 と watchOS 9.0.2 がバグを修正

Apple が 2 つのマイナーなバグ修正アップデートを出した。iOS 16.0.3 と watchOS 9.0.2 だ。修正されたバグは極めて具体的なものだが、iPhone 14、Apple Watch Series 8、および Apple Watch Ultra のユーザーにとって、また iPhone 上で Mail アプリを使う人にとって、重要な修正だ。該当するユーザーには早めにアップデートすることをお勧めしたい。そうでない人はアップデートに伴う問題が発生していないことを確認するまで少し待ってもよいだろう。Apple は iOS 16.1 でもっと大幅な変更を予定していると思われ、そちらは iPadOS 16.1 および macOS 13 Ventura と共に近日中に出荷されるだろうからだ。

iOS 16.0.3 release notes and watchOS 9.0.2 notes

iOS 16.0.3

iOS 16.0.3 での変更点の多くは iPhone 14 の問題を修正するためのものだ。具体的には:

また、iOS 16.0.3 では「不正なメール」の受信後に Mail が起動時のクラッシュを起こした問題も修正される。間違いなくこの修正は iOS 16.0.2 が出荷された当日に発見された "Mailjack" バグに対するものだろう。(2022 年 9 月 23 日の記事“iOS 16.0.2、ペースト許可の問題と iPhone 14 Pro のカメラが振動する問題を修正”参照。)

iOS 16.0.3 アップデートは Settings > General > Software Update でインストールできる。

watchOS 9.0.2

watchOS 9.0.2 も 4 件のバグに対処する:

watchOS 9.0.2 には CVE のセキュリティエントリはない。

watchOS 9.0.2 アップデートは Watch アプリの General > Software Update でインストールできる。ウォッチが充電器に接続されていて、かつ少なくとも 50% 充電されており、あなたの iPhone の近くにあることが必要だ。

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Josh Centers

ジェットコースターで iPhone 14 や Apple Watch が衝突事故を検出することがある

Apple が iPhone 14 各モデルと Apple Watch SE、Apple Watch Series 8、Apple Watch Ultra で新しい衝突事故検出機能を発表したのを見て、私たちはいずれ何か無害な活動で衝突事故が誤って検出されてしまうのも時間の問題だろうと思った。

そして今、そういう事例が出現した。ジェットコースターだ。iPhone 14 が登場して以来、オハイオ州の遊園地 Kings Island の近隣にある 911 緊急派遣センターはジェットコースターの加速度と大音響を自動車の衝突事故と誤認識した iPhone からの通話を少なくとも 6 件受けたという。(詳細は Wall Street Journal の有料記事で読める。)

遊園地で過激な乗り物に乗る前にこのような事態が起こるのを防ぐための最も安全な方法は、iPhone で Settings > Emergency SOS > Call After Severe Crash を開いて Crash Detection を無効に切り替えておくことだ。もしあなたが衝突事故検出機能に対応した Apple Watch も持っているなら、iPhone 上でその機能をオフにしておけば Apple Watch でも無効化される。もちろんその操作は逆向きにも使える。Watch アプリの My Watch > Emergency SOS か、または Apple Watch 自体の Settings > SOS を使って Call After Severe Crash をオフにすれば、この機能が iPhone 上でも無効化される。

ジェットコースターに乗り込む前に iPhone と Apple Watch を機内モードに切り替えることで衝突事故検出機能も沈黙させられるのではないかと思うかもしれないが、iPhone を機内モードにしても Emergency SOS がモードを無効にして緊急通話を発信したという主張を目にしたことがある。それを実際にテストするつもりはないが、機内モードだけで十分だと考えることはお勧めしない。

私たちの想像だが、Apple のエンジニアたちはカリフォルニア州の遊園地 Great America にチームを派遣してくれと騒ぎ立てているところではないだろうか?「でもボス、衝突事故検出のアルゴリズムを微調整するためには実際に RailBlazer に乗ることが 必要 ですよ! お願いです!」あるいはまた、Apple には既知のジェットコースターの位置情報にジオフェンスを設けて、その領域内で自動的に衝突事故検出をオフにするという手段もあるだろう。でもそれじゃエンジニアたちにとって楽しくないかもしれない。

California's Great America RailBlazer

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Adam Engst   訳: 亀岡孝仁  

watchOS 9 の Low Power Mode、古い Apple Watch の耐用年数を延ばせるかも

私は常に Apple Watch の Power Reserve モードには障害があると思っていた。watchOS は充電量が 10% を切ると、それを有効にする選択肢を与えてくれるが、一旦それをオンにすると、Apple Watch は時間を表示する以上のことは何も出来なくなる。更に充電するか、時計を再起動するかしないと、そこから出られなくなってしまう。私の Apple Watch Series 5 も老いるにつれて、ここ数ヶ月程はこれらの Power Reserve のプロンプトをより頻繁に受ける - そして、無視する - ようになってきている。

watchOS 9 の新しい Low Power Mode にはびっくりさせられている。それはもはや Apple のスマートウォッチを能なしにはせず、単により必要性の低い機能を不能にし性能を落とすだけである。皆さんの状況はそれぞれであろうが、私が Low Power Mode を Apple Watch Series 5 で使った時、Always-On 表示がオフになり腕を上げた時画面が現れる事で、それが有効になっていることを気付いた程である。紛れもない Always-On ディスプレイを持たないモデルに対しては、Low Power Mode は画面の頭頂部中央に黄色のステータス円を示す。

Low Power Mode を有効にする

Low Power Mode を有効にする最も一般的な方法は、電池が 10% を下回った時にそれをオンにすることに同意することである。そのスイッチを入れると、watchOS 9 はそれにより影響を受ける機能を手短に説明し、それから Low Power Mode をオンに (Apple Watch が次の充電で 80% に達する迄)、或いは 1, 2, または 3 日間それをオンにさせてくれる。文字通り捉えれば、それを複数日オンにすると言うのは余り意味が無いように思える - もしあなたの時計がたった 10% の電池残量しかなければ、到底丸一日持つことはないであろうし、まして3日などとても。

watchOS 9's Low Power Mode

比較的新しい Apple Watch でフル充電状態から始めても、複数日に亘って Low Power Mode をオンにするのがどれ程有用かは余り明白ではない。それは充電サイクルを通しても解除されないので、複数日間それを有効にしておけば、充電の度に手動で入り切りするのは避けられる。この機能は Apple Watch Ultra にはぴったりで、Low Power Mode で複数日使い続ける状況は十分に考えられる。

Low Power Mode を手動でオンにするには、画面の底からスワイプアップして Control Center を開き、そして電池パーセントボタンをタップする (下記左)。同じ Low Power Mode スイッチ、説明、そして選択肢が得られる。代わりに、Apple Watch の Settings アプリを開き、Battery に迄スクロールダウンし、そこで Low Power Mode スイッチにアクセスすることも出来るが (下記中央と右)、もっと手間はかかる。Low Power Mode が有効になると、電池パーセントボタンは黄色になり、黄色の棒が電池グラフに現れる。

Enabling watchOS 9's Low Power Mode

影響を受ける機能

Low Power Mode にすると、どの機能が失われるのであろうか? Apple は Low Power Mode が影響する機能の詳細なリストを提供している。まず始めに、以下の機能を完全にオフにする:

報道によると、ここでの大勝利は Always-On 表示をオフにすることのようだ。Apple Watch Series 4 とどちらの世代の Apple Watch SE もこの機能を欠いており、他のモデルの様には Low Power Mode からの恩典は受けられないのかも知れない。

iPhone が近くに無い場合には - この時点で Apple Watch は近くのワイヤレスネットワークやセルラー接続を求めてより多くの電池を使うかも知れない - Low Power Mode は以下の機能をオフにする:

しかしながら、事はそれ程単純では無い。もし時計は Low Power Mode だが対応する iPhone が近くにはない状態でデータ接続を要するアプリを開くと、watchOS 9 はアプリが働くよう Wi-Fi やセルラー無線をオンにする。それは良いことだが - 直接利用のアプリが機能不全に陥るのは悪いユーザー体験だ - 電池の消耗は激しくなるであろう。また、電話着信や通知がある事を入信時に知らせては貰えないが、watchOS 9 は時折不在着信や通知を回収する。

最後に、Low Power Mode は以下の機能の性能に影響を及ぼす:

正直言って、これらは電池寿命を延ばすためには極めて妥当な交換条件のように見える。私は実世界の効果として何も感じたことはないが、それは間違いなく私がどの様に Apple Watch を使うかに関わっていると思われる。皆さんには皆さんの利用価値があるであろう。

運動中は?

watchOS 9's Low Power Mode in Workout

この不能となる機能性から大きく外れるものが一つある:Workout アプリである。Low Power Mode 中に Workout アプリを使うと、心拍数や歩速と言った計測は引き続き行われるが、それは必須のことである。それはまた GPS を使い居所を記録し続ける。それはもう一つの核となる機能である。従って、他方では、Workout を Low Power Mode で使えば、他のアプリよりもより多くの電力を使うことになるであろうが、Workout が通常通り働くという見返りがある。

一方で、運動中に Apple Watch を使って他のことはやらないであろう - と言うことで、watchOS 9 は運動を始めると自動的に Low Power Mode に入る選択肢を付け加えた。Apple Watch 上で、Settings > Workout に行き Low Power Mode スイッチをオンにする。多くの人にとって、これは恐らく賢明な設定と言えるであろう。

Low Power Mode はどれ程効果的か?

部屋の前列で挙手しての質問は:"実際に Low Power Mode はどれ程の違いをもたらしますか?" この話題について一般的な表現をするのは難しい。何故ならば、間違いなくそれは、あなたのその時計がどれ程古いか、その電池容量、その日の内どれ位 iPhone の近くにいたか、その日にどんな使い方をしたか、そして時間やコンプリケーションを見るためにどれ位頻繁に腕を上げたかに依存するであろうからである。

その様な細々したことは脇に置いて、一日の始めに Low Power Mode をオンにした時、私の Apple Watch Series 5 は一日の終わりに、約 10% の電池残量から 29% になった。 悪くは無いが、それはその後の3回のテストと比べると見劣りする:一日の終わりの残量は 50%, 58%, そして 34% であった (最後の数字は 19 分間の運動を含む)。

Results from watchOS 9's Low Power Mode

もし私の 20-50% の改善がより一般的に適用出来るのであれば、それは巨大である。それはより古い Apple Watch の耐用年数をかなり長期間延ばせる可能性を持つ。前提条件は Low Power Mode での機能喪失を受け入れることである - 最も目に付くのは Always-On 表示と背景での心臓健康監視であろう。多くの人にとって、それは $79 の電池交換や少なくとも $249 する新しい Apple Watch を先延ばしにする価値はあるかも知れない。

Always-On 対応のモデルを持ち背景での健康監視能力を失いたくない人達は、Watch アプリで My Watch > Display & Brightness > Always On で、或いは時計自身上で Settings > Display & Brightness > Always On で Always-On 表示だけをオフにすることも出来る。それだけでかなりの電池寿命を節約出来るかも知れない。

Apple の watchOS チームに賛辞を送りたい。オペレーティングシステムのアップグレードでより古い機器の耐用年数が実際に延びるのは希である。

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Glenn Fleishman  訳: Mark Nagata   

林檎を毎日一個: iOS 16 の服薬機能がアラートと、ログ記録と、気持ちの安らぎを提供

子供の頃、祖父が飲まなければならない大量の錠剤を見て面白いと思うと同時にゾッとする気持ちになったのを覚えている。私が生まれた時に祖父は 61 歳で、私がそれと気付ける年齢になった頃にはもう大量の処方薬が当たり前の状態になっていた。もちろん、今から思い返せば恥ずかしい態度だった。あの薬があったからこそ祖父は 90 歳代まで生きられたのだし、今の私も毎日 2 皿分の錠剤を服用するようになっている! 今や立場逆転だ。

過去 25 年にわたって、私は十分治療可能ながら慢性的に続く一連の病気の診断を受けていて、何種類かの錠剤を飲み続けてきた。愚かしい現状の米国医療制度の中でさえ、それらの錠剤は毎日たった数セント程度のものだ。なので私が一番気に病むのは「この薬を今日飲んだっけ? それとあの薬は? それからあの薬は?」という疑問だ。スケジュール通りに服薬しなければ、自分の健康状態に破滅的な結果が及ぶかもしれない。

このように常時取り組まねばならないことが、Medications (服薬) 機能の着想を Apple に与えた。これは iOS 16 の Health アプリと、watchOS 9 で新たに登場したアプリの新機能だ。ユーザーにリマインダーを提供し、服用を記録し、一般的な薬の情報と警告を表示する。

Medications アプリではまずあなたが使うカプセル薬、錠剤、瓶入り薬、チューブ入りクリーム、吸入薬その他を入力し、必要に応じて使うもの以外は用量や用法も入力する。錠剤の形やカプセルの向き (左右) を薬ごとに別々に選んだり、背景の色を選んだりして薬が見分けやすいようにカスタマイズできる。また、このアプリはあなたが使う個々の薬についての詳細な情報と、相互作用の可能性も表示する。

あなたが飲む薬と飲むスケジュールを追加し終わったら、薬を飲む時間になれば iPhone の Health アプリと Apple Watch の Medications アプリがリマインダーを出すようにできる。Medications アプリは Reminders アプリと連携する訳ではないが、これはおそらく HealthKit のプライバシー保護の枠内で動作する必要があるからだろう。

処方薬を入力する

Medications アプリをセットアップするには、まずあなたが使っている薬瓶やその他のものを全部集めて、それから以下の手順を踏む:

  1. iPhone の Health アプリで、Browse ボタンをタップし、Health Categories のところで Medications をタップして、それから Add a Medication をタップする。
    Set up Medications
  2. カメラボタンをタップし、処方薬の瓶の NDC (National Drug Code、全米医薬品コード) にカメラを向ける。すべての処方薬およびカウンターで手渡された薬に NDC が明記されている。私は自分の薬瓶でテストしてみたが、すべてうまく行った。もしも NDC が見当たらなければ、あるいは Medications アプリが正しく文字を認識しなければ (非常に小さい文字で書かれていたり、ぼやけていることもあり得る)、ラベルに書かれた薬の名前と投薬量をスキャンすることもできる。適切な用量を手で選ぶ必要があるかもしれないが、もしすべてうまく行ったならば手順 6 まで飛んで服用の頻度を設定しよう。
    Scanning a medication
  3. もしもカメラでうまく情報を取り込めなければ、その代わりに検索することもできる。薬の名前を正しくタイプして、リストの中から正しい項目をタップする。それから次の 2 つの手順で薬のタイプと強さを手で入力しなければならない。
  4. 薬のタイプ、つまり錠剤、カプセルその他を選ぶ。Apple はその薬に付随したデータベースからいくつかの剤形を表示するが、Show More をタップすればその他の選択肢、例えばクリーム、パウダー、パッチ、リキッドその他が表示される。
    Searching for a medication
  5. 強度つまり投薬量を選ぶ。ここでも、Apple はその薬に付随した用量をリストするが、Add Custom をタップすればリストにない処方量を入力することもできる。
  6. 服用の頻度を選び、一日に何回服用するかを選ぶ。(必要に応じて随時使う薬、例えば鎮痛剤や、あるいは蜂に刺された場合に使うエピネフリンなどの場合は、頻度を選ばずただ服用の度にログ記録するのみにもできる。)
    Choosing medication strength and when you'll take it
  7. 正しい薬を使っていることが確認できるための視覚的なリマインダーとして、薬剤の形を選ぶ。(Skip をタップして選ばず進むこともできる。)
  8. 薬剤またはその容器で使われている色を指定したり、背景色を指定したりできる。
    Choosing pill shape and color
  9. 最後の画面で、入力したことのプレビューを見るとともに、追加の情報、例えば薬の名前の代わりに通知で表示したい Display Name や、自分のためのメモなどを書き込むことができる。
    Medication details

最後にもう一つすべきことがある。Medications アプリは Health を経由した通知に依存して働くので、Settings > Notifications > Health へ行き、通知の表示位置や表示スタイルが好み通りに設定されていることを確認しておく。Notifications 画面で一番下までスワイプして Options をタップし、Dose Reminders がオンになっていることを確認する。また Time Zone Change という設定もあるが、これは異なるタイムゾーンへ旅行した場合に服薬リマインダーが出るタイミングをそれに応じて移行させるかどうかを指定する。薬によっては服用間隔または服用時刻を厳密に守らなければならないものもあるからだ。
Setting up medication notifications

Apple Watch を持っていれば、デフォルトで Health アプリからの通知をウォッチにも反映するようになる。それを望まない場合には、Watch アプリを開いて Health > Custom をタップし、通知をアラートにするか、Notification Center に送るか、あるいは何もしないかを設定する。現時点では Watch アプリの中から、あるいは Apple Watch から Medications アプリのカスタマイズをすることはできない。

服薬通知とログ保存

薬のどれかを使う時間になれば Health 通知が出て、どの薬を服用すべきかについての情報が表示される。アラートは iPhone 上に表示されるし、Apple Watch を使っていればそちらにも示される。タップして個別に服用をログ記録することも、あるいは複数の薬があれば全部を一挙にログ記録することもできる。iPhone 上では、押さえて押し続ければ Medications アプリでログ記録が開くので、それがスケジュールからずれていた場合に正確な記録を残したいならば服用時刻を調整することもできる。
Medication notifications on iPhone and Apple Watch

いったんこの服薬機能を使い始めれば、Health 機能が Medications 画面をいくつかのセクションに分けて表示する:

スタートとしては良いが、改善の必要あり

Apple はこのシステムをもう少し改善する必要がある。最も問題が大きいのは、時間または服用量に基づく投薬の上限を扱う機能が全くない点だ。例えば抗生物質についてはそれが必要だからだ。その上、Medications アプリが使うデータベースはビタミンやサプリメントに関する面で手薄なのが目立つ。特に、その種のものは組み合わせが問題になることが多いからだ。項目は多数リストされているけれども、自分が摂取しているものにマッチする項目を見つけるのは困難なことがある。

また、通知に関する不具合もある。私は一つの薬を毎日2回、他の薬と一緒に服用しているが、なぜだか分からないが朝のセットでしかグループ化されて表示されない。夜に服用する際には、他の薬とは別の通知になって出る。それからまた、私はこれらの通知をもっと無視しにくいものにして欲しいと思う。Reminders アプリからの通知に比べれば緊急度のレベルが違うと思うのだが。

この Medications (服薬) 機能は、既存の製品に追加された新機能として素晴らしく多くの使い道がある。これまで私は繰り返すリマインダーを使ってきたが、柔軟性も少なく、自分が服薬スケジュールにどの程度従ってきたかについての長期的な情報は全く得られていなかった。今はその代わりにこの新しい服薬機能を使っている。

マイナーな難点を別にすれば、私はこの服薬機能にかなり期待している。iPhone オーナーである自分自身のためにも、またそれを必要としている他の誰かのためにも、セットアップも使い方も十分に簡単だからだ。年配の親を世話している大人たちにも、子供たちを世話している親にも、Medications アプリは健康の増進と服薬記録のためのツールを提供しており、薬物療法がうまく行かない原因が薬を正しく服用していないからなのかどうかを判断する役に立つことができる。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Pixelmator Pro 3.0.1

Pixelmator Pro 3.0.1

The Pixelmator Team が Pixelmator Pro 3.0.1 をリリースした。最近出たメジャーアップグレードで導入されたデザインテンプレートを改良する、メンテナンス・アップデートだ。今回のリリースでは Document Colors、マスクカラーの切り取り、テンプレートを開く際のパフォーマンスを改良し、Layers サイドバーの Image Placeholder 上に画像をドロップすることでテンプレート内の画像を入れ替えられるようにし、画像サイズプリセットのリストを開くキーボードショートカット Command-Option-P を追加した。また、この画像編集アプリは SVG および PSD ファイルの処理をフォントの処理、テキストの位置取り、複数エフェクト対応などで改良し、PXD ファイルが Pixelmator Pro で開かなくなった Sketchbook 書類との互換性の問題を修正し、90 度回転したテキストレイヤーで挿入ポイントが見えなくなる問題を解消した。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、無料アップデート、516 MB、リリースノート、macOS 11+)

Pixelmator Pro 3.0.1 の使用体験を話し合おう

Twitterrific 5.4.10

Twitterrific 5.4.10

The Iconfactory が Mac 用 Twitterrific のバージョン 5.4.10 を出して、タイムラインにフィルター付けする新しい muffle ルールを付けた。この Twitter クライアントは muffle ルールのシンタックスにキーワード "media" と "inaccessible" を追加して画像やビデオや GIF の付いたツイート、一人のユーザーからのメディア付きツイート、メディアを含むが alt テキストのないツイートを muffle できるようにした。今回のアップデートではまた、翻訳に失敗した際のエラーアラートを改良し、Dark Mode の新テーマ (Kestrel) を追加し、アプリを起動した際に余分なタイムラインウィンドウが出ることがあったバグを修正している。(Mac App Storeから新規購入 $7.99、無料アップデート、26.7 MB、macOS 10.14+)

Twitterrific 5.4.10 の使用体験を話し合おう

BBEdit 14.6

BBEdit 14.6

Bare Bones が BBEdit 14.6 をリリースして、合字を (使用中のフォントが対応している場合に) 輝かしく復活させるとともに、Unicode 文字のレンダリングを改良した。この古参のテキストエディタは FTP/SFTP 接続パネルのブックマークメニューに Add Bookmark および Manage Bookmarks コマンドを導入し、Open File by Name で使われるディレクトリキャッシングのためのディレクトリ再スキャンの量を減らしてアプリケーションの活動を止めてしまわないようにし、マーカーデータやその他の構造で使用されるメモリを節約するための変更を施し、FTP/SFTP ブラウザウィンドウのリストで非常に多数の項目を並べ替える際のパフォーマンスを改善し、ソフトラップの字下げ設定が書類の状態として保存されなかったバグを修正し、起動時の進行状況バーが正しく一杯にならなかった macOS 11 Big Sur およびそれ以降での AppKit のバグを回避した。(新規購入 $49.99、無料アップデート、23.4 MB、 リリースノート、macOS 10.15.4+)

BBEdit 14.6 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

欧州連合、電子機器に USB-C を 2024 年末までに義務付け

ついに公式となった。何年間も議論を重ね、業界の標準化を試みては失敗し続けてきた欧州連合 (EU) が、EU 域内で販売される新しい再充電可能電子機器すべてが 2024 年の末までに USB-C 充電ポートを備えることを義務付けた。この法律は携帯電話、タブレット、デジタルカメラ、ヘッドフォンやヘッドセット、ハンドヘルドのゲームコンソール、ポータブルスピーカー、e-リーダー、キーボード、マウス、ポータブルナビゲーションシステム、イヤーバッドに適用され、2026 年前半にはラップトップ機にも対象が拡大される。この新しい法律の目的は、充電器の再利用を促し電子廃棄物を減らすことだ。

一般的に言われているのは、この法制化により Apple は iPhone を、加えて iPad、AirPods 充電ケース、Apple TV Remote、その他すべての Lightning ベースの製品をデザインし直して Lightning の代わりに USB-C を使うようにせざるを得ないだろうという点だ。Mark Gurman の報告によれば、Apple は 2022 年 5 月に既に USB-C ポートを備えた iPhone をテストしており、既存の Lightning ベースのアクセサリー用のアダプタも考えているという。そして、Apple が Lightning、USB-C、MagSafe という 3 つの異なるワイヤード充電テクノロジーをサポートすることは少し考えにくい。Apple のラップトップ機が USB-C でも充電できることを考えれば、MagSafe が 2026 年以降も存続を許されるのか否かは分からない。でも明らかなことが一つある。それは、このルールがそれぞれの国において適用されるようになるよりも前に市場に出された製品にはルールが適用されないので、Apple は新製品を USB-C に切り替えた後でもなお旧型の Lightning ベースの製品を販売し続けられるという点だ。

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第1世代 Eero デバイスにはもうセキュリティアップデートは出ない

Amazon の子会社 Eero が、第1世代の Eero メッシュネットワーキングデバイスに対するセキュリティアップデートの終了を発表した。私たちはこのデバイスを記事“Eero、良好な Wi-Fi 到達範囲を端正な筐体で提供”(2016 年 6 月 25 日) で初めてレビューした。同社は製品を市場に出してから少なくとも 5 年間セキュリティアップデートを出すことを約束しているが、ルーターとワイヤレスアクセスポイントを組み合わせた初代の Eero にその時期が来たということだ。この Eero デバイスは今後も当分の間働き続けるけれども、将来の攻撃に対して脆弱である可能性がある。セキュリティおよびパフォーマンスのアップデートを受け続けるためにアップグレードしたいという人たちのために、Amazon は新型の Eero 6、Eero 6+、Eero Pro 6 に 25% の 下取り割引を提供するとともに、$10 から $45 までの間の Amazon ギフトカードも提供する。普通に機能している機器をアップグレードしても元が取れないと思えば気が滅入るものだけれども、少なくとも Amazon は下取り割引とハードウェアのリサイクルを提供している。

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