Apple は iOS 16 で Books アプリを大きく書き直してよりコンパクトなものとしたが、その代償として明瞭さが失われた。Josh Centers が Books がどう変わったかを調べ、新しいカスタマイズのオプションの使い方を説明する。USB Implementers Forum (USB-IF) がリリースする USB 標準はあまりにも複雑でもはやお約束のギャグに域に達しつつあったが、今はそれが変わろうとしているのかもしれない。USB-IF が製品ラベルを簡素化し整備しつつある様子を Glenn Fleishman が解説する。それからもう一つ、今週はコンサルタント Ivan Drucker が寄稿記事で、数々の障害を乗り越えてクライアントの Google Workspace アカウントを復活させた体験談を物語る。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Techtool Pro 16.0.2、Zoom 5.12、それに Default Folder X 5.7 だ。
Position Indicator: スクロールモードでは、右側の位置スライダーは現在の進み具合を示し、それをドラッグする事で本の中を手早くナビゲート出来る。
読書メニューボタンが右側にあるのは好きになれないのであれば、Settings > Books でそれを左側に切り替えられる。そこにいる間に、他の設定にもしっかり目を通して欲しい、とりわけ Show Status Bar には。それは iOS ステータスバーを、画面をタップした時一時的にではなく、読んでいる最中は常時表示させたままにする。Face ID の付いた iPhone で、このステータスバーを常時示しておくことで、頭部の切り欠き、或いは Dynamic Island の下にテキストが隠れてしまうぎこちなさを避けられる。
読書メニューを表示させると、画面の頭部に目立たない進行表示が現れ、現在の章の中であと何ページ残っているかを教えてくれる。その進行表示は - 加えて、底部には X / Y ページにいることを教えてくれるものもある - 画面をタップすることでも現れる。それは Books の iOS 15 バージョンがツールバーが表示されている時画面の底部に表示するものと全く同じ情報だが、本のテキストの上に明るいグレーのバブル上にやや暗いグレーの色調なので判読するのはより難しいかも知れない。
目次、ブックマーク、或いは位置スライダーを使って本の中を動き回る時、左上にボタンが現れ、以前のページの場所を示しそして以前の場所に戻る選択肢を与える。一旦以前の場所に戻ると、その左手ボタンは変化し次のステップへ跳ばせてくれ、そしてもう一つのボタンが右側に現れ、戻る前の場所に跳ばせてくれる。それは Web ブラウザの戻ると進むのボタンの様であるが、ページ番号が付いている。
最後に、以前のバージョンの Books からツールバーが消えたことと関連したもう一つの変更として、メインの Books 画面に戻る Back ボタンも最早存在しない。代わりに、ライブラリに戻るには画面の右上にある常に存在する X ボタンをタップする。
本の見え方をカスタマイズする
最後に、Themes and Settings パネルを見てみよう。これは一つの特定の本がどの様に見えそして働くかを調節させてくれる。最も目に付くのは6つの前もって設定されたテーマで、それはフォント、大きさ、色、そして背景設定を組み合わせている。これは背景の色を変える唯一の方法だが、他の設定は独立に変えられる:
USB-IF の広報担当者 Joe Balich は電子メールで、長年ブランディングやラベリングの変更や拡張を続けてきたこの団体が今回はこのようなアップデートを出したと述べた。今回の変更で、USB-IF は SuperSpeed を使わず規格から外した。
Balich は「一般コンシューマに向けて認証付き USB ソリューションを記述しマーケティングする際に、会員もメーカーも私たちが更新した Language Usage Guidelines に準拠することを推奨する」と述べた。会員の団体自体は特に力を持っている訳ではないのでブランディングを強制することはできない。この団体はほぼすべてのメジャーなコンピュータ、モバイル、ケーブル、充電器、および周辺機器のメーカーが集まってできているが、自らに何らかのルールを課している訳ではない。シンプルで一貫したマーケティングができること自体が自らへの恩恵だと見なされている。
Mac Studio に古いスタイルのラベリングが使われていることにお気付きだろう。Apple はこのデスクトップマシンの説明で“Thunderbolt 4 ポート 4 基”を持つと述べた上でそれらが“Thunderbolt 4 (最大 40Gb/s)、DisplayPort、USB 4 (最大 40Gb/s)、USB 3.1 Gen 2 (最大 10Gb/s)”に対応し、それに加えて“USB-A ポート (最大 5Gb/s)×2”を持つとしている。(なぜこのような言い回しなのかというと、これらのポートは最大 10Gb/s を提供する USB 3.1 Gen 2 には対応するけれども、最大 20 Gbps を許容する 3.2 Gen 2×2 には対応していないからだ。20 Gbps 版の USB 3.x に対応するためには少し違ったコントローラが必要となる。)
もし Apple が新しい USB 指針を採用するとなれば、これらの用語を短縮して Mac Studio は 4 基の USB-C ポートを持ってそれらが Thunderbolt 4、USB 40Gbps、USB 10Gbps、DisplayPort に対応し、それに加えて USB-A ポート 2 基が USB 5Gbps に対応すると形容することだろう。私にはその方がシンプルに見える! Apple は Thunderbolt 4 の後に括弧書きで "40 Gbps" を残すか、あるいは脚注で転送速度を付記するかもしれない。(Apple が USB 3.1 Gen 2 で 10 Gbps、あるいは USB4 で 40 Gbps に対応し、それが USB4 上の 20 Gbps の転送速度にも後方互換であるという事実は、Thunderbolt/USB のコントローラチップ内の回路が混乱を招くまたもう一つの完全に別の要因だ。)
ご存知ない方のために説明しておくと、Google Workspace というのは Google の製品スイートの有料版で、そこには Gmail (単なる gmail.com アドレスではなくてあなた独自のドメインを持つもの)、Google Calendar、Google Docs などが含まれている。これは従来 G Suite と呼ばれ、もっと以前には Google Apps と呼ばれていた。2006 年にスタートした時点で Google Apps は無料であって、その時代に加入していた人たちは Google が新規顧客に料金を課し始めた後も無料で使い続けることができていた。けれども今年になって、すべての人に料金を払わせるという計画への多くの不評を受けてその計画を撤回した後、Google は無料で Google Workspace を使うユーザーに対してこの製品をビジネス目的には使わないと明言することを求めた。(2022 年 5 月 18 日の記事Google、G Suite のレガシーユーザーが無料で電子メールを使い続けられるようにする参照。)
では、その明言をしなかった人には何が起こるのだろうか? あるいはもっと深刻な状況として、自分が使っている Google Workspace アカウントの管理者 (super administrator) ではないので今回の変更について何も知らされておらず、その上その立場にいた人がはるか昔にいなくなっていたとしたらどうなるのか? 最近私のクライアントになった人がまさにその経験をして、深刻な状況に追い込まれた。Google がアカウントを有料版に移行させ、支払いのための情報を周知する猶予期間が過ぎるとアカウントを丸ごと停止したので、突然どのメールボックスにもアクセスできなくなってしまったのだった。
私のクライアント (彼女の名前を仮に Connie としておこう) は、彼女が一人で運営しているビジネスのための電子メールを Google Workspace で、その初期の無料の時代以来ずっとホストされて使ってきた。(この記事では罪なき人たちを守るため人名やドメイン名を仮の名前に変えておいた。) ところがある朝、電子メールが突然どのデバイスにも一切表示されないことに気付いた。Connie は Gmail のウェブアプリを使って電子メールにアクセスしていたので、Mac の Mail アプリにも既存の電子メールの履歴は残っていなかった。Connie は Gmail をロードし直そうとしてみたが、アカウントが停止されているので管理者に連絡するようにと表示された。ええっ、管理者っていったい誰だ? それを見つけ出すのはコンサルタントである私の仕事だった。
アカウントの管理者に連絡したくても、さらには管理者の電子メールアドレスを知りたくても、Google はそのための簡単な方法を一切提供していない。大規模な IT 部局を持つ組織においてはそのようなポリシーが妥当なのかもしれないが、今回のような状況においては不利益でしかなかった。
私は Connie に、誰か他の人が彼女のためにこのアカウントをセットアップしたのかと聞いてみた。彼女はたぶんそうだったと答えたが、思い付けるただ一人の人物はずっと以前に退職した従業員で、ここでは仮に名前を John としておこう。彼女はまだ John に連絡することができた。でも残念ながら、二人とも John が Google アカウントのために設定したはずのパスワードを思い出せなかった。さらに悪いことに、彼のパスワードをリセットしようと試みたところ、管理者に連絡せよという指示が出るだけだった... 理論的にそれは John 自身のはずで、きっともっと別のアカウントのもう一人別の管理者が関係しているのではないかと私は思ったが、Connie に思い当たる人はいなかった。
次に、私は Google の 「Forgot email?」 オプションを試してみた。これは、復旧用の電子メールアドレスまたは電話番号と、それに加えてファーストネームとラストネームを使って、Google アカウントの電子メールアドレスを見つけられるようにするものだ。それによって Connie と John 二人ともの個人用 (つまり Workspace でない) Google アカウントは判明したが、それ以外には何も分からなかった。
では次に何をすべきか? Google の Admin Toolbox には何となく曖昧なフォームがあって、ユーザーを Super Administrator に昇格させるよう依頼することができるようになっている。(または管理者に連絡する選択肢もあるが、こちらは私たちの役に立たない。) このフォームを提出するためにはそのドメインの DNS zone record を編集できることで実際にそのアカウントを持っていることを証明しなければならない。そこで私はそれをしたが、残念ながらこれも役に立たなかった。
このフォームの結果によれば、Google が既存の Super Admin に連絡を取り、もしも反対されなければ、Connie の Super Admin への昇格が 72 時間後に自動的に起こるという。ただ、そうはならなかった。そのフォームには不吉にも、リクエストは手作業で審査され、さらなる情報が必要となれば電子メールでその要求が伝えられると書いてある... でも電子メールアカウントが停止されていればそのようなものを受け取ることは難しい。これは卵が先か鶏が先かの問題だ。明らかに、Google はこういう状況には思い至らなかったようだ。
停止されたアカウントが近いうちに削除されるかもしれないのが心配だったし、私のクライアントはもう既に 5 日間電子メールなしの状態になっていたので、私としては Google の担当者と話をする必要があった。そのための唯一の方法はアクティブな有料の Google Workspace アカウントを持っていることであったので、私は自分のアカウントを使った。幸いにもサポート担当者は問題が異なるアカウントについての話であるにもかかわらず援助してくれた。彼は別のフォームを示して、これでドメイン外の電子メールアドレスを使って連絡できるようになるという。このフォームによりさらなる DNS zone 編集の説明が得られたので、私はそれを実行した。楽観的な気持ちにはなれなかったが、どうやら他に選択肢はなかった。でも私の懸念の通り、届いた自動応答メールには Google サポートが現在は件数過剰なので取扱終了とあって、Admin Toolbox フォームを使うしかなかったが、それは既に試していた。これでまた一時間が無駄になった。
でも私は粘り強い男だ。そしてここからが面白くなる。
いろいろ調べてみて、驚いたことに停止中の Google Workspace でもユーザーが Google Contacts にはアクセスできることを発見した。その中で会社の住所録を見ることができ、そこを見ると、私があるはずだと思っていた第三の電子メールアカウントの、名前と、Google Workspace 電子メールアドレスとが実際存在していてかつ Super Admin であることが判明した。仮に、その人物の名前を Rachel Kole としておこう。これだけでも部分的勝利だった!
私が Super Admin だ!
もう夜中になっていて、きっと翌朝まで待って Connie に Rachel という名前に心当たりはないか尋ねてみることもできただろうし、ウェブ上で Rachel を見つけることもできたかもしれなかったが、私はあまりにも必死だった。それと、散々努力を費やして調べても私が情報を待っている間に停止中のアカウントを Google がいつ削除するかもしれないと考えると気が気でなかった。
そこで私は Rachel のアカウントでパスワード復旧を試みたが、今回はいくつか異なるオプションが提供されたので、彼女は実際 Super Admin なのだろうと思えた。具体的には彼女の復旧用アドレスを見つけなければならなかった。その鍵として与えられたのが [email protected] だった。
私は Rachel をフルネームで検索し、LinkedIn ページを見つけて、電子メールの文字列パターンに合う会社名を見つけた。Dawson & Kole だ。それから Dawson & Kole を検索すると、dawson-kole.com が参照されているところが何か所かあった。これだ! (ただ、手早い検索だけではこの会社が何をしているのかよく分からなかった。)
GoDaddy は今はもうドメイン登録の際に無料の電子メールを提供してくれないので、私は dawson-kole.com 用に無料試用版の Google Workspace アカウントを作成してみようと思った。でも Google はそれをさせてくれなかった。どうやらそのドメインは、もはや背後に何のドメインも登録されていないにもかかわらず Google の世界からは削除されていないらしい。ということは、これは iCloud+ の比較的新しい Custom Email Domain 機能を試してみる絶好の機会ではなかろうか。(2021 年 8 月 27 日の記事“iCloud Mail で電子メールのカスタムドメインを作る方法”参照。)
嬉しいことにその手続きはとても簡単だった。iCloud.com にサインインして、ドメイン名を打ち込み、プロンプトに従って GoDaddy にサインインすると、あとは必要な zone record のセットアップを iCloud が済ませてくれた。私は電子メールアドレスを作成しない道を選んだ。それが何であるべきかまだ知らなかったからだ。そうして出来上がったのはキャッチオールアドレス、つまりその dawson-kole.com のアドレスに届いたあらゆるメールが私の iCloud Mail に届くようになった。やったぜ!
(あとで分かったことだが、こんなに古い Mac を持ち出して大騒ぎすることは全然必要でなかった。実は、Firefox 84 は macOS 12.6 Monterey の走る Intel ベースの Mac 上ならば今でも Flash Player に対応している。もう一つ別の選択肢として、その SWF ファイルをダウンロードして Elmedia Player で開くこともできた。これならば Apple silicon 搭載の Mac でも Rosetta モードで動作できる。)
Adobe はもはやいかなるバージョンの Flash Player も配布しておらず、最終バージョンは意図的に 2021 年 1 月 12 日以後は動作しないようになっている。そこで私はまたもや Internet Archive で、日付によって自動消滅することのない最後のバージョンの Flash Player (32.0.0.371) を見つけた。もちろん、未知の場所から取り寄せたソフトウェアにリスクが伴うのは承知しているけれども、これは空っぽのコンピュータなのだから。
そうして私は Google Workspace に戻り、この時点ではもう試行のブロックが外れていたので、Rachel の正しい復旧用電子メールアドレスをタイプした。数秒後、それは私の iCloud メールボックスに届いた。輝かしい 6 桁の数字が、[email protected] 宛に届いたのだ。その数字を Google に入力して、パスワードリセットの手順がこれ以上試練を与えませんように、例えば Google のセキュリティアルゴリズムに要求された覚えがあるような、アカウント作成日とかその他の厄介ごとを要求してきませんようにと願った。でも幸いなことに、新しいパスワードを入力するようにというプロンプトが単純に出ただけだったので、私は大喜びで入力した。
Rachel のパスワードを変更し終えて彼女としてログインするやいなや、即座に料金の支払い情報を提供するよう求められたので、私はそうした。それから Connie を Super Admin に昇格させ、彼女を主たる管理者に指名し、彼女のアカウントのあらゆる復旧用情報に彼女がアクセスできるようにした。
[Ivan Drucker は New York City と Santa Barbara に拠点を置く IvanExpert Mac Support の創設者であり CEO だ。彼は以前 Apple で software quality engineer として働いていたことがあり、初めて Apple II を使い始めたのは 1978 年、8 歳のときであった。]